JP2003226728A - 水分散型ポリウレタン組成物、その製造方法及びノンクロム処理金属塗料 - Google Patents

水分散型ポリウレタン組成物、その製造方法及びノンクロム処理金属塗料

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JP2003226728A JP2002030608A JP2002030608A JP2003226728A JP 2003226728 A JP2003226728 A JP 2003226728A JP 2002030608 A JP2002030608 A JP 2002030608A JP 2002030608 A JP2002030608 A JP 2002030608A JP 2003226728 A JP2003226728 A JP 2003226728A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ノンクロム処理金属材塗料用に好適な、基材
に対する密着性と耐アルカリ性及び耐溶剤性を与える水
分散性ポリウレタン組成物。 【解決手段】 ジイソシアネートを必須成分とし、他の
ポリイソシアネート化合物を任意成分として含有してな
るポリイソシアネート成分、ポリオール成分、下記一般
式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物を一種類以上含
む改質剤成分、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物を必須
成分とし、ポリアミン化合物を任意成分として含有して
なる鎖延長剤成分、及び水から得られる水分散型ポリウ
レタン組成物。 (式中、R1、R2は、炭素数1〜18の炭化水素基を
表し、pは、0又は1を表す;R3、R4は、炭素数1
〜18の炭化水素基を表し、qは、1又は2を表す。R
5は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、rは、0〜2
の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の原料から得
られる水分散型ポリウレタン組成物、その製造方法及び
ノンクロム処理金属塗料に関するものであり、詳しく
は、家電製品や建材等に使用されるクロム処理を施さな
い金属材のプレコート塗料、プレコートプライマー塗
料、潤滑塗料等のノンクロム処理金属塗料に好適な水分
散型ポリウレタン組成物、その製造方法及びノンクロム
処理金属塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】家電用、建材用、自動車用などに用いら
れる鋼板等の金属材には耐食性が要求されるため、プラ
イマーにクロム系の防錆顔料を含有させたり、プライマ
ーの下地処理としてクロメート処理被膜を施すクロム処
理が行われている。特に亜鉛系めっき鋼板の防錆用途で
は、耐食性付与被膜としてクロメート処理被膜が使用さ
れている。
【0003】しかしながら、クロメート処理被膜及びク
ロム系防錆顔料を含む有機被膜から6価のクロムが溶出
するおそれがあり、環境汚染、労働衛生、安全性の観点
から、最近ではノンクロム防錆処理、ノンクロム有機被
膜に対する要望が高まっている。
【0004】一方、金属のコーティングに用いられてい
る金属材用塗料も同様に、環境汚染、労働衛生、安全性
の観点から、水系塗料が用いられている。これらの樹脂
成分としてポリウレタン、エポキシ樹脂等の各種樹脂材
料が用いられているが、塗膜の延び、強度等の物性のバ
ランスがよいのでポリウレタンが適している。例えば、
特開平7−331160号、特開平9−221629
号、特開平2000−73179号、特開平2000−
107686号公報等で水分散性ポリウレタン組成物の
使用が報告されている。
【0005】しかし、クロメート処理は、コーティング
層の下地金属材への密着性を高める効果を有しており、
これを施していないノンクロム金属材用としては、上記
の水分散性ポリウレタン組成物は、塗料に充分な密着性
を付与していない問題点を有している。また、塗装面に
は、塗装後の工程において、耐アルカリ性(耐アルカリ
脱脂工程)及び耐溶剤性(耐エタノールラビング)が必
要である。従来の水分散性ポリウレタン組成物は、これ
らについても充分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ノンクロム処理金属材塗料用に好適な、基材に対す
る密着性と耐アルカリ性及び耐溶剤性を与える水分散性
ポリウレタン組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、検討を重
ねた結果、特定の改質剤成分を含む、特定の原料組成の
水分散型ポリウレタン組成物が、上記課題を解決し得る
ことを知見し、本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明の第1は、ジイソシアネー
ト(a0)を必須成分とし、他のポリイソシアネート化
合物(a’)を任意成分として含有してなるポリイソシ
アネート成分(a)、ポリオール成分(b)、下記一般式
(1)〜(3)のいずれかで表される化合物を一種類以
上含む改質剤成分(c)、ジカルボン酸ジヒドラジド化
合物(d0)を必須成分とし、ポリアミン化合物
(d’)を任意成分として含有してなる鎖延長剤成分
(d)、及び水(h)から得られる水分散型ポリウレタ
ン組成物を提供する。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1、R2は、炭素数1〜18の
炭化水素基を表し、pは、0又は1を表す;R3、R4
は、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、qは、1又は
2を表し、qが1の場合、Aは、水素原子、又は酸素原
子、窒素原子を含んでもよく、水酸基を有してもよい炭
素数1〜18の炭化水素基を表し、qが2の場合、Aは
炭素数1〜18の二価の炭化水素基A’を表し、A’に
結合する構造は互いに異なっていてもよい。R5は、炭
素数1〜4のアルキル基を表し、rは、0〜2の整数を
表す。) 本発明の第2は、さらに、下記一般式(I)で表される
シラン化合物(e)を含んで得られる本発明の第1記載
の水分散型ポリウレタン組成物を提供する。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Xは、水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基を表し、lは、0又は1を表し、nは、
1、2又は3を表す。Rは、炭素数1〜8のアルキル基
を表し、Ramは、アミノ基又はNH基を有する有機基を
表し、Yは、単結合、−O−、−S−、−N−、−NH
−、−NR’−を表し、Zは炭素数1〜4のアルキレン
基を表し、mは、Yが単結合、−O−、−S−、−NH
−、−NR’−の場合は1を表し、Yが−N−の場合は
2を表し、R’は、炭素数1〜18の有機基を表す。) 本発明の第3は、さらに、メラミン化合物(f)を含ん
で得られる本発明の第1又は2に記載の水分散型ポリウ
レタン組成物を提供する。本発明の第4は、本発明の第
1〜3のいずれかに記載の水分散性ポリウレタン組成物
を含有してなるノンクロム処理金属塗料を提供する。本
発明の第5は、本発明の第1に示されたポリイソシアネ
ート成分(a)、ポリオール成分(b)、鎖延長剤成分
(d)、必要に応じて加えられる本発明の第2に示され
たシラン化合物(e)、及び必要に応じて加えられる本
発明の第3に示されたメラミン化合物(f)を使用し
て、下記(イ)、(ロ)又は(ハ)の方法によるノンク
ロム処理金属塗料用水分散型ポリウレタン組成物の製造
方法を提供する。ポリイソシアネート成分(a)、ポリ
オール成分(b)及び必要に応じて用いられるメラミン
化合物(f)からプレポリマーを合成して、このプレポ
リマー組成物に改質剤成分(c)を加え、これを水中で
鎖延長剤成分(d)及び必要に応じて用いられるシラン
化合物(e)を反応、分散させる方法(イ);ポリイソ
シアネート成分(a)、ポリオール成分(b)、必要に
応じて用いられるシラン化合物(e)及び必要に応じて
用いられるメラミン化合物(f)からプレポリマーを合
成して、このプレポリマー組成物に改質剤成分(c)を
加え、これを水中で鎖延長剤成分(d)を反応、分散さ
せる方法(ロ);ポリイソシアネート成分(a)、ポリ
オール成分(b)、鎖延長剤成分(d)、シラン化合物
(e)、メラミン化合物(f)からポリマーを合成し
て、このポリマー組成物に改質剤成分(c)を加え、こ
れを水中にフィードして分散させる方法(ハ)
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。 ポリイソシアネート成分(a) 本発明に係るポリイソシアネート成分(a)は、ジイソ
シアネート(a0)を必須成分とし、他のポリイソシア
ネート化合物(a’)を任意成分として含有してなるも
のであり、その配合等により特に制限を受けるものでは
ない。ジイソシアネート(a0)としては、トリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシア
ネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジ
イソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート類;イソホロンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トラン
ス及び/又はシス−1,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイ
ソシアネート類;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、2,2,4及び/又は(2,4,4)−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシア
ネート等の脂肪族ジイソシアネート類等;及びこれらの
混合物等が挙げられ、得られる塗膜の耐水性が良いので
脂環式ジイソシアネートが好ましく、イソホロンジイソ
シアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイ
ソシアネートがより好ましい。これらは、カルボジイミ
ド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変
性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によっ
てブロックされたブロックイソシアネートの形で用いて
もよい。これらのジイソシアネート(a0)のポリイソ
シアネート成分(a)中の含有量(質量%)は、50%
より小さいと塗膜の可撓性が不十分になるおそれがある
ので50%以上が好ましく、70%以上がより好まし
い。
【0014】また、上記のポリイソシアネート成分
(a)において、必要に応じて用いられる他のポリイソ
シアネート化合物(a’)としては、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,
4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメ
タンテトライソシアネート、これらの混合物等の三官能
以上のイソシアネート、これらの三官能以上のイソシア
ネートのカルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、
ビウレット変性等の変性物、これらを各種のブロッキン
グ剤によってブロックされたブロックイソシアネート、
上記例示のジイソシアネートのイソシアヌレート三量
体、ビウレット三量体等が挙げられる。
【0015】ポリオール成分(b) 本発明に係るポリオール成分(b)とは、分子中に上記
のポリイソシアネート成分(a)のイソシアネート基と
反応してウレタン結合を形成せしめるヒドロキシル基を
2個以上有するポリオール化合物の一種類又は二種類以
上の混合物からなるものである。
【0016】ポリオール化合物としては、低分子ポリオ
ール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリ
オール類、ポリエステルポリカーボネートポリオール
類、結晶性又は非結晶性のポリカーボネートポリオール
類、及び後述するイオン基導入ポリオールが挙げられ
る。
【0017】上記低分子ポリオール類としては、例え
ば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、
2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチ
ル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8
−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,1
0−デカンジオール等の脂肪族ジオール化合物、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトー
ル類、ペンチトール類、グリセリン、ジグリセリン、ポ
リグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、テトラメチロールプロパン等の三価以上の脂
肪族又は脂環族アルコール化合物が挙げられる。
【0018】上記低分子ポリオール類としては、他に、
ポリヒドロキシル芳香族化合物又はその芳香族環の(部
分)水添物が挙げられ、例えば、カテコール、レゾルシ
ン、ハイドロキノン、3−メチルレゾルシン、3−エチ
ルレゾルシン、3−プロピルレゾルシン、3−ブチルレ
ゾルシン、3−第三ブチルレゾルシン、3−フェニルレ
ゾルシン、3−クミルレゾルシン、3−メチルハイドロ
キノン、3−エチルハイドロキノン、3−プロピルハイ
ドロキノン、3−ブチルハイドロキノン、3−第三ブチ
ルハイドロキノン、3−フェニルハイドロキノン、3−
クミルハイドロキノン−4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,
4,4−トリメチルシクロペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)シクロドデカン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、1,
4−ビス(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンゼ
ン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルスルホニ
ル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
(別名ビスフェノールF)、1,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェノキシ)エタン、1,3−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2
−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチ
ルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル−3−シクロヘキシルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル
−3−メトキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ)ブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル2−メチル)ブタン、及びこれらポリヒドロキシル
芳香族化合物のエチレンオキサイド及び/又はプロピレ
ンオキサイド付加物等、シクロヘキサンジメタノール、
シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA等の脂
環式ジオール化合物、及びそれらのエチレンオキサイド
及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられ
る。
【0019】ポリエーテルポリオール類としては、例え
ば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等
のエチレンオキサイド付加物、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール等のプロピレンオキサイ
ド付加物、上記の低分子ポリオールのエチレンオキサイ
ド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラ
メチレングリコール等が挙げられる。
【0020】ポリエステルポリオール類としては、上記
に例示の低分子ポリオール等のポリオールと、その化学
量論的量より少ない量の多価カルボン酸又はそのエステ
ル、無水物、ハライド等のエステル形成性誘導体、及び
/又は、ラクトン類もしくはその加水分解開環して得ら
れるヒドロキシカルボン酸、との直接エステル化反応及
び/又はエステル交換反応により得られるものが挙げら
れる。多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と
しては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク
酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3
−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,
8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二
酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン
酸類、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類、トリメ
リト酸、トリメシン酸、ひまし油脂肪酸の三量体等のト
リカルボン酸類、ピロメリット酸等のテトラカルボン酸
類などの多価カルボン酸が挙げられ、そのエステル形成
性誘導体としては、これらの多価カルボン酸の酸無水
物、該多価カルボン酸のクロライド、ブロマイド等のハ
ライド、該多価カルボン酸のメチルエステル、エチルエ
ステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブ
チルエステル、イソブチルエステル、アミルエステル等
の低級脂肪族エステルが挙げられる。上記ラクトン類と
してはγ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−
カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、δ−
バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラク
トン等のラクトン類が挙げられる。
【0021】改質剤成分(c) 本発明に係る改質剤成分(c)は、前記一般式(1)〜
(3)のいずれかで表される化合物を一種類、又は二種
類以上含む。改質剤成分(c)は、基材に対する密着
性、塗膜の耐溶剤、塗膜の耐アルカリ性を向上させる効
果があり、特に金属、ガラス、セラミックス等の無機基
材に対して優れた効果を奏するものである。
【0022】本発明に係る改質剤成分(c)において、
上記の一般式(1)及び(2)は、便宜上ケト型構造で
表記しているが、エノール型構造と平衡を有する場合は
これを含むものである。
【0023】一般式(1)で表される化合物は、β−ジ
ケトン化合物(pが0の場合)とβ−ケトエステル化合
物(pが1の場合)である。R1又はR2で表される炭
素数1〜18の炭化水素基としては、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブ
チル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、
ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、
イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオク
チル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イ
ソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オク
タデシル等のアルキル基;フェニル、ナフチル、2−メ
チルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニ
ル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、
4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−
イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘ
キシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オ
クチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニ
ル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェ
ニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフ
ェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチル
フェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、2,5−ジ
第三ブチルフェニル、2,6−ジ−第三ブチルフェニ
ル、2,4−ジ第三ペンチルフェニル、2,5−ジ第三
アミルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ビフェニ
ル、2,4,5−トリメチルフェニル等のアルキルアリ
ール基;ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン
−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、
スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基が挙げら
れる。
【0024】一般式(1)で表される化合物の更なる具
体例としては、以下に挙げる化合物が挙げられる。
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】一般式(2)で表される化合物は、ケチミ
ン化合物であり、例えばβ−ジケトン化合物とモノ又は
ジアミン化合物から得られる。一般式(2)において、
R3又はR4で表される炭素数1〜18の炭化水素基と
しては、R1で例示した基が挙げられる。qが1の場
合、Aは、水素原子、又は酸素原子、窒素原子を含んで
もよく、水酸基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水
素基を表す。上記酸素原子、窒素原子を含んでもよく、
水酸基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基とし
ては、上記のR1で例示の炭化水素基、2−メトキシエ
チル、3−メトキシプロピル、2−ヒドロキシエチル、
3−ヒドロキシプロピル、2−アミノエチル、3−アミ
ノプロピル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジエチル
アミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、6−メチ
ル−3,6−ジアザヘプチル等が挙げられる。qが2の
場合、Aは炭素数1〜18の二価の炭化水素基A’を表
し、A’に結合する構造は互いに異なっていてもよい。
A’は、ジアミン化合物から導入される残基であり、該
ジアミン化合物としては、前記の低分子ジオールのアル
コール性水酸基がアミノ基に置換されたものであるエチ
レンジアミン、プロピレンジアミン等の低分子ジアミン
類、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレ
ンジアミン等のポリエーテルジアミン類、メンセンジア
ミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、ビ
ス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタ
ン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロ
ピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,
5)ウンデカン等の脂環式ジアミン類、m−キシレンジ
アミン、α−(m/pアミノフェニル)エチルアミン、
m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジメチ
ルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタ
ン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエン
ジアミン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p
−ジイソプロピルベンゼン等が好ましく挙げられる。
【0028】一般式(2)で表される化合物の更なる具
体例としては、以下に挙げる化合物が挙げられる。
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】一般式(3)で表される化合物は、ベンゾ
トリアゾール化合物である。一般式(3)において、R
5で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブ
チル、第三ブチル、イソブチルが挙げられ、具体例とし
ては、以下に挙げる化合物が挙げられる。R5は、ベン
ゾトリアゾール環に、0ないし2個置換していてもよ
い。
【0031】
【化9】
【0032】鎖延長剤成分(d) 本発明に係る鎖延長剤成分(d)は、ジカルボン酸ジヒ
ドラジド化合物(d0)を必須成分とし、ポリアミン化
合物(d’)を任意成分として含有してなるものであ
り、その配合等により特に制限を受けるものではない。
ジカルボン酸ジヒドラジド化合物(d0)としては、上
記のポリエステルポリオールに用いられる多価カルボン
酸で例示したジカルボン酸とヒドラジンとの反応生成物
が挙げられる。中でも脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジド
は、得られる塗膜について熱による劣化が少なく、水分
散性ポリウレタン組成物の分散安定性を保つことができ
るので好ましく、アジピン酸ジヒドラジドがより好まし
い。鎖延長剤成分(d)中のジカルボン酸ジヒドラジド
化合物(d0)のモル比率(%)は、5%より少ないと
使用効果が得られず、95%を超えると分散安定性が低
下する場合があるので5〜95%が好ましく、10〜8
0%がより好ましい。
【0033】上記ポリアミン化合物(d’)としては、
前記例示の低分子ジオールのアルコール性水酸基がアミ
ノ基に置換されたものであるエチレンジアミン、プロピ
レンジアミン等の低分子ジアミン類;ポリオキシプロピ
レンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のポリエ
ーテルジアミン類;メンセンジアミン、イソホロンジア
ミン、ノルボルネンジアミン、ビス(4−アミノ−3−
メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘ
キシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10
−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂環式
ジアミン類;m−キシレンジアミン、α−(m/pアミ
ノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、ジア
ミノジエチルジフェニルメタン、ジメチルチオトルエン
ジアミン、ジエチルトルエンジアミン、α,α’−ビス
(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン
等の芳香族ジアミン類等が挙げられる。中でも低分子ジ
アミン類が低コストなので、好ましく、1,2−エチレ
ンジアミン、1,2−または1,3−プロピレンジアミ
ンがより好ましい。
【0034】シラン化合物(e) 本発明に係る前記一般式(I)で表されるシラン化合物
(e)は、該化合物のアミノ基又はNH基とイソシアネ
ート基との反応により、水分散性ポリウレタンの末端に
加水分解性シリル基及び/又はこれが加水分解されたシ
リル基を導入するものである。
【0035】前記一般式(I)において、Rで表される
炭素数1〜8のアルキルとしては、例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、
第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三ア
ミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプ
チル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第
三オクチル、2−エチルヘキシルが挙げられ、Xで表さ
れる炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第
三ブチル、イソブチルが挙げられる。Rがメチル又はエ
チルでありXがメチルのものが入手が容易で低コストな
ので好ましい。
【0036】また、Zとしては、メチレン、エチレン、
プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプ
ロピレン、2−メチルプロピレンが挙げられ、好ましく
はメチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレンで
あり、R’としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、第二ブチル、オクチル、ラウリル、
ステアリル、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニ
ル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビ
ニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、ベンジル、
フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェ
ニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミ
ル、ビニル、アリル等が挙げられ、好ましくはメチル、
エチル、プロピル、ブチルである。
【0037】また、Ramで表されるアミノ基又はNH基
を有する有機基としては、例えば、下記式で表される基
が挙げられる。
【0038】
【化10】
【0039】(式中、R6は、水素原子、アルキル基、
シクロヘキシル基、フェニル基を表し、R7は、アルキ
レン基、シクロアルカンジイル基、アリーレン基、カル
ボニル基、アルキレンカルボニル基、(ポリ)オキシア
ルキレン基を表す。)
【0040】上記の式において、R6で表されるアルキ
ル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブ
チル、アミル、イソアミル、第三アミル等が挙げられ、
R7で表されるアルキレン基としては、メチレン、エチ
レン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メ
チルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメ
チルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メ
チルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレ
ン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、
1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、
ヘプチレン、オクチレン等が挙げられ、シクロアルカン
ジイル基としては、シクロブタン−1,3−ジイル、シ
クロヘキサン−1,4−ジイル等が挙げられ、アリーレ
ン基としては、1,2−フェニレン、1,3−フェニレ
ン、1,4−フェニレン、2,5−ジメチル−1,4−
フェニレン、ジフェニルメタン−4,4’−ジイル、
2,2−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイル等が挙
げられ、アルキレンカルボニル基としては、上記例示の
アルキレン基とカルボニル基が結合した基が挙げられ、
(ポリ)オキシアルキレン基としては、オキシエチレ
ン、ポリオキシエチレン、オキシプロピレン、ポリオキ
シプロピレン等が挙げられる。
【0041】前記の一般式(I)で表されるシラン化合
物(e)のさらなる具体例としては、下記式で表される
ものが挙げられる。
【0042】
【化11】
【化12】 (式中、Rは、上記一般式(I)のRと同様の基を表
す。)
【0043】メラミン化合物(f) また、本発明に係るメラミン化合物(f)は、ポリウレ
タン分子に架橋構造を与えるものであり、特に塗膜等の
強度が必要な場合に用いられるものである。該メラミン
化合物(f)としては、メラミン、モノメチロールメラ
ミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミ
ン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラ
ミン、ヘキサメチロールメラミン、メチル化メチロール
メラミン、ブチル化メチロールメラミン、メラミン樹脂
等が挙げられる。中でも水分散性ポリウレタン組成物の
分散性と塗膜の基材密着性に特に優れるのでメラミンが
好ましい。
【0044】水分散性ポリウレタン組成物の製造方法 本発明の水分散性ポリウレタン組成物において、その製
造方法については、特に制限を受けず、周知一般の方法
を適用することができる。製造方法としては、反応に不
活性且つ水との親和性の大きい溶媒中で反応させプレポ
リマーを合成してから、これを水にフィードして分散さ
せるプレポリマー法が好ましい。また、改質剤成分
(c)は、プレポリマー合成時に添加使用してもよい
が、他の成分と反応し、所望の物性が得られなくなる場
合があるので、プレポリマー合成後に加える方法が好ま
しく、得られる水分散ポリウレタン組成物の分散特性が
良好なので、プレポリマー組成物に加える方法がより好
ましい。水分散性ポリウレタン組成物の製造方法として
は、例えば、ポリイソシアネート成分(a)、ポリオー
ル成分(b)及び必要に応じて用いられるメラミン化合
物(f)からプレポリマーを合成して、このプレポリマ
ー組成物に改質剤成分(c)を加え、これを水中で鎖延
長剤成分(d)及び必要に応じて用いられるシラン化合
物(e)を反応、分散させる方法(イ)、ポリイソシア
ネート成分(a)、ポリオール成分(b)、必要に応じ
て用いられるシラン化合物(e)及び必要に応じて用い
られるメラミン化合物(f)からプレポリマーを合成し
て、このプレポリマー組成物に改質剤成分(c)を加
え、これを水中で鎖延長剤成分(d)を反応、分散させ
る方法(ロ)、ポリイソシアネート成分(a)、ポリオ
ール成分(b)、鎖延長剤成分(d)、シラン化合物
(e)、メラミン化合物(f)からポリマーを合成し
て、このポリマー組成物に改質剤成分(c)を加え、こ
れを水中にフィードして分散させる方法(ハ)等が挙げ
られる。
【0045】上記の好適な製造方法に使用される反応に
不活性で水との親和性の大きい溶媒としては、例えば、
アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げるこ
とができる。これらの溶媒は、通常、プレポリマーを製
造するために用いられる上記原料の合計量に対して、3
〜100質量%が用いられる。これら溶媒のなかで、沸
点100℃以下の溶媒はプレポリマー合成後、減圧留去
することが好ましい。
【0046】上記の製造方法において、各成分配合につ
いては、特に制限を受けるものではない。該配合比は、
製造時に反応させる段階でのイソシアネート基と各成分
のイソシアネート反応性基(OH基、NH基などの活性
水素基)とのモル比に置き換えることができ、該モル比
については、イソシアネート基1に対して、イソシアネ
ート反応性基は0.3〜2が好ましく、0.5〜1.5
がより好ましい。また、ポリオール成分(b)、鎖延長
剤成分(d)、シラン化合物(e)及びメラミン化合物
(f)の配合比については、モル比において、ポリオー
ル成分(b)1に対して、鎖延長剤成分(d)が0.0
1〜1.0、シラン化合物(e)が0.01〜0.3、
メラミン化合物(f)が0.05〜1.0になる範囲が
好ましい。
【0047】また、改質剤成分(c)の使用量は、水分
散性ポリウレタン組成物の固形分質量(成分(a)、
(b)、(d)、(e)、(f)及び後に説明する中和
剤成分の質量の総和)に対して0.05〜5質量%が好
ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
【0048】また、本発明の水分散ポリウレタン組成物
において、その固形分は、特に制限を受けず、任意の値
を選択できる。該固形分は1〜60質量%が分散性と塗
装性が良好なので好ましく、5〜40質量%がより好ま
しい。
【0049】本発明の水分散性ポリウレタン組成物の状
態としては、エマルション、サスペンション、ディスパ
ーション、コロイダル分散液、水溶液等が挙げられる。
これらの水分散性ポリウレタン組成物を得る方法として
は、ポリウレタン分子中にアニオン性基又はカチオン性
基のイオン性基を導入するイオン法、ポリウレタン分子
中にノニオン性基を導入するノニオン法、界面活性剤等
の乳化剤を使用する方法が挙げられ、また、これらの2
種類以上を併用して用いてもよい。
【0050】上記のイオン法としては、例えば、ポリオ
ール成分(b)中にイオン性基導入ポリオールを用いて
イオン性基を導入し、これを、中和剤により中和する方
法が容易でコストも小さいので好ましい。イオン性基導
入ポリオールの使用量は、特に制限を受けず、適宜選択
することができる。該イオン性基導入ポリオールの使用
量は、モル比で全ポリオール化合物を100とすると、
1より小さいと分散安定性が低下し、90より大きいと
水分散性ポリウレタン組成物から得られる塗膜等の耐水
性が悪化する場合があるので、1〜90が好ましく5〜
75がより好ましい。
【0051】上記のイオン性基導入ポリオールとして
は、アニオン性基を導入するものとして、例えば、ジメ
チロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチ
ロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を
含有するポリオール類、1,4−ブタンジオール−2−
スルホン酸等のスルホン酸基を含有するポリオール類が
挙げられ、カチオン性基を導入するものとしては、例え
ば、N,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−メ
チル−N,N−ジエタノールアミン、N−ブチル−N,
N−ジエタノールアミン等のN−アルキル−N,N−ジ
アルカノールアミン類、トリアルカノールアミン類が挙
げられる。
【0052】上記のイオン法に用いられるアニオン性基
の中和剤としては、例えばトリメチルアミンやトリエチ
ルアミン等のトリアルキルアミン類、N,N−ジアルキ
ルアルカノールアミン類、N−アルキル−N,N−ジア
ルカノールアミン類、トリアルカノールアミン類等の3
級アミン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム等塩基性化合物が挙げられ、カチ
オン性基の中和剤としては、蟻酸、酢酸、乳酸、コハク
酸、グルタル酸、クエン酸等の有機カルボン酸、パラト
ルエンスルホン酸、スルホン酸アルキル等の有機スルホ
ン酸、塩酸、リン酸、硝酸、スルホン酸等の無機酸、エ
ピハロヒドリン等のエポキシ化合物、ジアルキル硫酸、
ハロゲン化アルキル等の4級化剤が挙げられる。これら
の中和剤の使用量は、通常イオン性基1モルに対して過
不足が大きいと水分散性ポリウレタン組成物から得られ
る塗膜等の耐水性、強度、延び等の物性が低下するおそ
れがあるので0.5〜2.0モルが好ましく、0.8〜
1.5モルがより好ましい。
【0053】上記のノニオン法は、ポリウレタン分子の
主鎖や側鎖にオキシエチレン鎖等のノニオン性親水基を
導入して、水分散性を与える方法である。ノニオン性親
水性基の導入は、ウレタンプレポリマーの側鎖及び又は
主鎖に必要量のオキシエチレン鎖を組み込む方法が挙げ
られる。
【0054】また、上記の乳化剤としては、水分散性ポ
リウレタンに使用される周知一般のアニオン性界面活性
剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両
性界面活性剤、高分子系界面活性剤、反応性界面活性剤
等を使用することができる。中でも、アニオン性界面活
性剤、ノニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤
がコストも低く、良好な乳化が得られるので好ましい。
【0055】上記のアニオン性界面活性剤としては、例
えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデ
シルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート
等のアルキルサルフェート類;ナトリウムドデシルポリ
グリコールエーテルサルフェート、アンモニウムポリオ
キシエチレンアルキルエーテルサルフェート等のポリオ
キシエチレンエーテルサルフェート類;ナトリウムスル
ホリシノレート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属
塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキ
ルスルホネート;ナトリウムラウレート、トリエタノー
ルアミンオレート、トルエタノールアミンアビエテート
等の脂肪酸塩;ナトリウムベンゼンスルホネート、アル
カリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サル
フェート等のアルキルアリールスルホネート;高アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキ
シエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールサルフェート塩;ポリオキシエチレ
ンエーテルリン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエー
テル酢酸塩;N−アシルアミノ酸塩;N−アシルメチル
タウリン塩等が挙げられる。
【0056】またノニオン性界面活性剤としては、ソル
ビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多
価アルコールの脂肪酸部分エステル類;ポリオキシエチ
レングリコール脂肪酸エステル類;ポリグリセリン脂肪
酸エステル類;炭素数1〜18のアルコールのエチレン
オキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物;ア
ルキルフェノールのエチレンオキサイド及び/又はプロ
ピレンオキサイド付加物;アルキレングリコール及び/
又はアルキレンジアミンのエチレンオキサイド及び/又
はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。該ノニ
オン性界面活性剤を構成する炭素数1〜18のアルコー
ルとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、
2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、第三
ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコー
ル、第三アミルアルコール、ヘキサノール、オクタノー
ル、デカンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチ
ルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアル
コール等が挙げられ、アルキルフェノールとしては、フ
ェノール、メチルフェノール、2,4−ジ第三ブチルフ
ェノール、2,5−ジ第三ブチルフェノール、3,5−
ジ第三ブチルフェノール、4−(1,3−テトラメチル
ブチル)フェノール、4−イソオクチルフェノール、4
−ノニルフェノール、4−第三オクチルフェノール、4
−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチルヘプチ
ル)フェノール、4−(3,5−ジメチルヘプチル)フ
ェノール、ナフトール、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF等が挙げられ、アルキレングリコールとしては、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパン
ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げら
れ、アルキレンジアミンとしては、これらのアルキレン
グリコールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換され
たものが挙げられる。また、エチレンオキサイド及びプ
ロピレンオキサイド付加物は、ランダム付加物でもブロ
ック付加物でもよい。
【0057】また、カチオン性界面活性剤としては、1
級〜3級アミン塩、ピリジニウム塩、アルキルピリジニ
ウム塩、ハロゲン化アルキル4級アンモニウム塩等の4
級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0058】これらの乳化剤を使用する場合の使用量
は、特に制限を受けず任意の量を使用することができる
が、ポリウレタン化合物1に対する質量比で0.01よ
り小さいと充分な分散性が得られない場合があり、0.
3を超えると水分散性ポリウレタン組成物から得られる
塗膜等の耐水性、強度、延び等の物性が低下するおそれ
があるので0.01〜0.3が好ましく、0.05〜
0.2がより好ましい。
【0059】上記の水分散性ポリウレタン組成物を得る
分散方法は、用途によって適宜選択される。例えば、ノ
ンクロム処理金属材用塗料の場合は、ノンクロム防錆剤
との相性がよいので、ポリウレタン分子中にアニオン性
基を導入するアニオン法が好ましい。
【0060】本発明の水分散型ポリウレタン組成物に
は、必要に応じて、周知一般に用いられる各種添加剤を
用いてもよい。該添加剤としては、例えば、顔料;染
料;造膜助剤;硬化剤;外部架橋剤;粘度調整剤;レベ
リング剤;消泡剤;ゲル化防止剤;分散安定剤;ヒンダ
ードアミン等の光安定剤;フェノール系化合物、リン系
化合物、硫黄系化合物等の酸化防止剤;トリアジン系化
合物、ベンゾエート系化合物、2−(2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール系化合物等の紫外線吸収
剤;ラジカル捕捉剤;耐熱性付与剤;無機及び有機充填
剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;補強剤;触媒;揺変
剤;抗菌剤;防カビ剤;防腐触剤;加水分解性シリル基
安定剤等が挙げられる。また、基材に対して特に強固な
密着性が必要な場合は、コロイダルシリカ、テトラアル
コキシシラン及びその縮重合物やエポキシ化合物を用い
てもよい。
【0061】本発明の水分散型ポリウレタン組成物の用
途としては、塗料、接着剤、表面改質剤、有機及び/又
は無機粉体のバインダー、形成材等が挙げられ、具体的
には、ガラス繊維集束剤、感熱紙コート剤、インクジェ
ット紙コート剤、印刷インクのバインダー剤、鋼板用コ
ート剤、ガラス、スレート、コンクリート等無機系構造
材用塗料、木工塗料、繊維処理剤等が挙げられる。特に
塗料に優れた物性を与え、金属に対して優れた密着性を
与えるので鋼板等の金属材へのコート剤として有用であ
る。
【0062】本発明の水分散性ポリウレタン組成物は、
クロム処理を施さないノンクロム金属材の塗料に特に好
適なものである。該塗料には、フッ化亜鉛、ヘキサフル
オロ珪酸亜鉛、これらの水和物等のエッチング系フッ化
物や防錆剤が用いられことがあり、防錆剤を含有するも
のが好ましい。防錆剤としては、例えば、リン酸系化合
物、バナジウム系化合物、これらを網目修飾イオン源と
ガラス状物質の一方または両方を含有する混合物を焼成
し粉砕することにより得られるもの、表面をめっき処理
されたMg2Si合金粉末、モリブデン酸塩系化合物、
メタ硼酸バリウム等の硼酸系化合物等が挙げられる。
【0063】上記のリン酸系化合物としては、オルトリ
ン酸、縮合リン、種々の金属のオルトリン酸塩または縮
合リン酸塩、五酸化リン、リン酸塩鉱物、市販の複合リ
ン酸塩顔料、リン酸アンモニウムまたはこれらの混合物
が挙げられる。なお、ここで言うオルトリン酸塩の中に
は、その一水素塩(HPO4 2-の塩)、二水素塩(H2
4 -の塩)も含む。また縮合リン酸塩の中にも水素塩を
含む。また縮合リン酸塩にはメタリン酸塩も含み、通常
のポリリン酸塩、ポリメタリン酸塩も含む。リン化合物
の具体例としてはリン酸塩鉱物、例えばモネタイト、ト
ルフィル石、ウィトロック石、ゼノタイム、スターコラ
イト、ストルーブ石、ラン鉄鉱等や、市販の複合リン酸
塩顔料、例えばポリリン酸シリカ等や、複合リン酸、例
えばピロリン酸、メタリン酸や、複合リン酸塩、例えば
メタリン酸塩、テトラメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸
塩、ピロリン酸塩、酸性ピロリン酸塩、トリポリリン酸
塩や、あるいはこれらの混合物が挙げられる。リン酸塩
を形成する金属種は特に限定的でなく、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、その他の典型元素の金属種および遷
移金属が挙げられる。好ましい金属種の例としては、マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、亜鉛、アルミニウム、鉛、スズ等が挙げられる。
この他にバナジル、チタニル、ジルコニル等、オキソカ
チオンも含まれ、特に好ましいのはカルシウム、マグネ
シウムである。
【0064】また上記のバナジウム系化合物としては、
バナジウムの原子価が0、2、3、4または5のいずれ
かまたは2種以上を有する化合物であり、これらの酸化
物、水酸化物、種々の金属の酸素酸塩、バナジル化合
物、ハロゲン化物、硫酸塩、金属粉などが挙げられ、5
価のバナジウム化合物を1つの成分として含むものが好
ましい。バナジウム化合物の具体例としては、酸化バナ
ジウム(II)、水酸化バナジウム(II)、酸化バナシウ
ム(III)、酸化バナジウム(IV)、ハロゲン化バナジ
ル、酸化バナジウム(V)、種々の金属のオルトバナジ
ン酸塩、メタバナジン酸塩またはピロバナジン酸塩、ハ
ロゲン化バナジル、バナジン化アンモニウム、またはこ
れらの混合物が挙げられる。バナジン酸塩の金属種はリ
ン酸塩で示したものと同じものが挙げられる。
【0065】またノンクロム処理金属材としては、例え
ば、熱延鋼板、冷延鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜
鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金め
っき鋼板、アルミめっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、銅
めっき鋼板、亜鉛ニッケルめっき鋼板、亜鉛アルミめっ
き鋼板、亜鉛鉄めっき鋼板、スズめっき鋼板などのめっ
き鋼板や、ステンレス鋼板、アルミ板、銅板、アルミ合
金板が挙げられる。
【0066】
【実施例】以下、製造例、製造実施例、製造比較例、評
価例等をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしな
がら、本発明は以下の製造実施例、評価例等によって何
ら制限を受けるものではない。なお、使用される原材料
についての略号は以下の通りである。
【0067】(ポリイソシアネート) HMDI:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート IPDI:イソホロンジイソシアネート (ポリオール) MPD/TPA:3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルとテレフタル酸のポリエステルポリオール 1,6HD/TPA:1,6−ヘキサンジオール/テレ
フタル酸のポリエステルポリオール 1,6HD/AA/IPA:1,6−ヘキサンジオール
とアジピン酸/イソフタル酸=1/1モルのポリエステ
ルポリオール PPG:ポリプロピレングリコール PCD:1,6−ヘキサンジオールから得られるポリカ
ーボネートジオール なお、上記のポリオールの分子量はOH価から求めたも
のであり、表1に示す。 (シラン化合物) AS−1:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン AS−2:γ−アミノプロピルジエトキシメチルシラン (メラミン化合物) MM:メラミン (鎖延長剤) EDA:エチレンジアミン ADH:アジピン酸ジヒドラジド (イオン性基導入化合物) DMPA:ジメチロールプロピオン酸 (中和剤) TEA;トリエチルアミン (改質剤) 前記化合物No.1〜No.32の中のいずれか。 (比較化合物) EDTAジナトリウム:エチレンジアミンテトラアセテート
ジナトリウム デヒドロ酢酸 HyMePhBzTrzl:2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール
【0068】[製造例]ウレタンプレポリマーの製造 表1に記載の配合比の各原料成分及びこれら各成分の総
質量の40.3質量%のN−メチル−2−ピロリドンを
反応フラスコに仕込み、窒素気流下で、125℃で2時
間反応させた後に中和剤のTEAを加え、更に1時間撹
拌してプレポリマー組成物:PP−1〜PP9を得た。
表1に原料の種類とそれらの配合比と、ウレタン化反応
して得られたプレポリマー組成物の種類を示す。
【0069】
【表1】
【0070】[製造実施例]上記で得られた各プレポリ
マー組成物400gに表2に記載の改質剤成分を加えた
組成物を、シリコーン系消泡剤SE−21(ワッカーシ
リコン社製)0.2gを溶解した505gの水に15分
で滴下した。その後、鎖延長剤成分としてエチレンジア
ミンとアジピン酸ジヒドラジド(エチレンジアミン:ア
ジピン酸ジヒドラジド=4:1(モル比))を表2に記
載の量で加え、25℃で30分撹拌して水分散型ポリウ
レタン組成物;PU−1〜PU−15を得た。表2に使
用したプレポリマー組成物、改質剤、鎖延長剤成分の種
類とそれらの配合比と、得られた水分散型ポリウレタン
組成物の種類を示す。
【0071】
【表2】
【0072】[製造比較例]上記プレポリマー組成物P
P−1の400gに表3に記載の比較化合物を加えた組
成物を、シリコーン系消泡剤SE−21(ワッカーシリ
コン社製)0.2gを溶解した505gの水に15分で
滴下した。その後、鎖延長剤成分としてエチレンジアミ
ン、アジピン酸ジヒドラジド(エチレンジアミン:アジ
ピン酸ジヒドラジド=4:1(モル比))を表3に記載
の量で加え、25℃で30分撹拌して比較用水分散型ポ
リウレタン組成物:比較PU−1〜比較PU−4を得
た。
【0073】
【表3】
【0074】[評価例]上記で得られた製造実施例及び
製造比較例で得られた水分散性ポリウレタン組成物のい
くつかについて以下の評価を行った。結果を表4に示
す。 (密着性評価)クロム処理を行っていない冷延鋼板に上
記で得た水分散性ポリウレタン組成物をバーコーターで
3g/m2塗布し、220℃で20秒加熱して得た試験
片を塗装面を外側にして180℃折り曲げ加工を行っ
た。加工部の塗膜について、ルーペによるヒビの観察及
びセロハンテープを圧着させた後、セロハンテープを剥
がしたときの塗膜の剥がれにより評価した。外観の点数
基準は以下の通りである。 ○:ヒビ及び剥がれなし。△:ヒビあり。×:剥がれあ
り。 (耐エタノール性評価)クロム処理を行っていない冷延
鋼板にバーコーターで3g/m2で塗布し、220℃で
20秒加熱して得た試験片の塗膜面を、圧力180g/
cm2、カナキン3号の摩擦布を使用して、30往復の
エタノールラビングを行い、塗膜の評価を外観で行っ
た。外観の点数基準は以下の通りである。 5:外観変化なし。4:表面の艶引けあり。3:表面べ
とつきあり。2:剥離あり。1:50%以上の溶解又は
剥離。 (耐アルカリ性評価)クロム処理を行っていない冷延鋼
板にバーコーターで3g/m2で塗布し、220℃で2
0秒加熱して得た試験片を50℃の2質量%リン酸アン
モニウム溶液に30分間浸漬し、塗膜の評価を行った。
外観の点数基準は以下の通りである。 5:外観変化なし。4:表面の変色。3:表面の溶解あ
り。2:剥離あり。1:全剥離又は全溶解。
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】本発明は、ノンクロム処理金属材塗料用
に好適な、基材に対する密着性と耐アルカリ性及び耐溶
剤性を与える水分散性ポリウレタン組成物を提供するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA08 CA01 CA04 CA05 CA12 CA15 CB02 CB08 CC01 CD15 CD16 CE03 DA01 DB03 DB07 DF14 DF15 DF16 DF17 DF19 DF20 DG03 DG04 DG05 DG14 HA01 HA02 HA07 JA42 4J038 DG041 DG051 DG111 DG131 DG271 DG281 DG291 DG301 JB04 JB07 JB17 JB36 JC32 NA03 PC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジイソシアネート(a0)を必須成分と
    し、他のポリイソシアネート化合物(a’)を任意成分
    として含有してなるポリイソシアネート成分(a)、ポリ
    オール成分(b)、下記一般式(1)〜(3)のいずれ
    かで表される化合物を一種類以上含む改質剤成分
    (c)、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物(d0)を必
    須成分とし、ポリアミン化合物(d’)を任意成分とし
    て含有してなる鎖延長剤成分(d)、及び水(h)から
    得られる水分散型ポリウレタン組成物。 【化1】 (式中、R1、R2は、炭素数1〜18の炭化水素基を
    表し、pは、0又は1を表す;R3、R4は、炭素数1
    〜18の炭化水素基を表し、qは、1又は2を表し、q
    が1の場合、Aは、水素原子、又は酸素原子、窒素原子
    を含んでもよく、水酸基を有してもよい炭素数1〜18
    の炭化水素基を表し、qが2の場合、Aは炭素数1〜1
    8の二価の炭化水素基A’を表し、A’に結合する構造
    は互いに異なっていてもよい。R5は、炭素数1〜4の
    アルキル基を表し、rは、0〜2の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 さらに、下記一般式(I)で表されるシ
    ラン化合物(e)を含んで得られる請求項1記載の水分
    散型ポリウレタン組成物。 【化2】 (式中、Xは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
    を表し、lは、0又は1を表し、nは、1、2又は3を
    表す。Rは、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Ram
    は、アミノ基又はNH基を有する有機基を表し、Yは、
    単結合、−O−、−S−、−N−、−NH−、−NR’
    −を表し、Zは炭素数1〜4のアルキレン基を表し、m
    は、Yが単結合、−O−、−S−、−NH−、−NR’
    −の場合は1を表し、Yが−N−の場合は2を表し、
    R’は、炭素数1〜18の有機基を表す。)
  3. 【請求項3】 さらに、メラミン化合物(f)を含んで
    得られる請求項1又は2に記載の水分散型ポリウレタン
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の水分散
    性ポリウレタン組成物を含有してなるノンクロム処理金
    属塗料。
  5. 【請求項5】 請求項1に示されたポリイソシアネート
    成分(a)、ポリオール成分(b)、鎖延長剤成分
    (d)、必要に応じて加えられる請求項2に示されたシ
    ラン化合物(e)、及び必要に応じて加えられる請求項
    3に示されたメラミン化合物(f)を使用して、下記
    (イ)、(ロ)又は(ハ)の方法によるノンクロム処理
    金属塗料用水分散型ポリウレタン組成物の製造方法。ポ
    リイソシアネート成分(a)、ポリオール成分(b)及
    び必要に応じて用いられるメラミン化合物(f)からプ
    レポリマーを合成して、このプレポリマー組成物に改質
    剤成分(c)を加え、これを水中で鎖延長剤成分(d)
    及び必要に応じて用いられるシラン化合物(e)を反
    応、分散させる方法(イ);ポリイソシアネート成分
    (a)、ポリオール成分(b)、必要に応じて用いられ
    るシラン化合物(e)及び必要に応じて用いられるメラ
    ミン化合物(f)からプレポリマーを合成して、このプ
    レポリマー組成物に改質剤成分(c)を加え、これを水
    中で鎖延長剤成分(d)を反応、分散させる方法
    (ロ);ポリイソシアネート成分(a)、ポリオール成
    分(b)、鎖延長剤成分(d)、シラン化合物(e)、
    メラミン化合物(f)からポリマーを合成して、このポ
    リマー組成物に改質剤成分(c)を加え、これを水中に
    フィードして分散させる方法(ハ)
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