JP2003226581A - 耐食性セラミックス及びその製造方法並びにガスタービン用部品 - Google Patents
耐食性セラミックス及びその製造方法並びにガスタービン用部品Info
- Publication number
- JP2003226581A JP2003226581A JP2002029736A JP2002029736A JP2003226581A JP 2003226581 A JP2003226581 A JP 2003226581A JP 2002029736 A JP2002029736 A JP 2002029736A JP 2002029736 A JP2002029736 A JP 2002029736A JP 2003226581 A JP2003226581 A JP 2003226581A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- surface layer
- corrosion
- sintered body
- silicon nitride
- powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
物に対しても十分な剥離強度を有する耐食性セラミック
ス及びその製造方法並びにガスタービン用部品を提供す
る。 【解決手段】窒化珪素及び/又はサイアロンからなる焼
結体と、該焼結体の表面に形成された周期律表第3a族
元素の珪酸化合物からなる表面層と、前記表面層と前記
焼結体との間に設けられ、前記焼結体を構成する主結晶
と前記表面層を構成する珪酸化合物とからなる厚さ3〜
60μmの混合層とを具備し、該混合層における窒化珪
素及び/又はサイアロン主結晶の粒子の平均長径が40
μm以上であることを特徴とする。
Description
蒸気を含む燃焼ガスに対して高耐食性を有する耐食性セ
ラミックス及びその製造方法並びにガスタービン用部品
に関する。
観点から、発電と発熱とを組合せたコ・ジェネレーショ
ンシステムが注目されている。このコ・ジェネレーショ
ンシステムは、最大で85%もの総合熱効率を得ること
ができ、化石燃料の削減、およびCO2排出量の削減に
極めて大きな効果がある。
てコ・ジェネレーションシステムを使用する場合、マイ
クロガスタービンが使用されるが、マイクロガスタービ
ンは大型ガスタービンに比べて熱効率が低いため、ター
ビン入口温度を高温化することで、熱効率を向上させる
ことが必要であった。
金属の使用温度が低いため、高温化することが困難であ
ったため、より耐熱性に優れたセラミックスを使用する
ことが求められた。
害、小型軽量という特徴を有し、省エネルギー、CO2
削減、省資源など点で、早期実用化が進められている。
このようなセラミックスとしては、耐熱性、耐熱衝撃
性、耐摩耗性及び耐酸化性に優れることから、エンジニ
アリングセラミックスとして知られている窒化珪素質焼
結体やサイアロン質焼結体が有望であり、マイクロガス
タービンやターボロータ等の熱機関用部品として開発が
進められている。
質焼結体は、室温における機械的特性に優れるものの、
高温強度、耐酸化特性及び耐腐食性の改善が求めらてい
た。そこで、窒化珪素質焼結体やサイアロン質焼結体を
基体とし、基体表面に保護膜を形成することによりこれ
らの改善が図られた。
良好なRE2SiO5又はRE2Si2O7を溶射やスラリ
ー塗布の手法で保護膜をコーティングし、耐酸化性、耐
コロージョン性を向上する試みが特開平7−17295
8号公報に記載されている。
E2Si2O7を珪化物セラミックス焼結体上に積層コー
ティングし、保護膜を形成して剥離強度及び耐熱性を改
善する試みが特開2000−007472号公報に記載
されている。
7−172958号では、前処理なしに直接基体表面に
表面層を形成するため、表面層と基体との密着力が小さ
く、コーティングした際に強度劣化が生じてしまうとい
う問題が発生し、例えばマイクロガスタービンに使用し
た場合、強度が低下し、使用中の応力集中でタービンブ
レードが破損するという問題があった。
は、多層積層コーティングによって表面層を容易に厚く
できるものの、各コーティング層は薄く、剥離強度が低
いため、ために燃焼ガス流中に含まれる飛来物によって
次々とコーティング層が剥がれやすいという問題があっ
た。
度劣化を起こさず、付着力の高い耐食性セラミックス及
びその製造方法並びにガスタービン用部品を提供するこ
とを目的とする。
/又はサイアロンからなる焼結体表面に、焼結体の主結
晶の粒成長を助長するスラリーを塗布し、焼成すること
によって焼結体の主結晶相が一方向に伸張した結晶を含
む混合層を形成して、珪酸化合物からなる表面層と焼結
体との密着性を向上することができるとの知見に基づく
ものであり、その結果、膜剥離、強度劣化を著しく改善
した耐食性セラミックスが実現でき、特に、ガスタービ
ン用部品に応用した場合、高温、高圧及び高速のガスに
曝されても部品の表面層の剥離を抑制し、高強度で信頼
性の高い部品を実現できる。
化珪素及び/又はサイアロンからなる焼結体と、該焼結
体の表面に形成された周期律表第3a族元素の珪酸化合
物からなる表面層と、前記表面層と前記焼結体との間に
設けられ、前記焼結体を構成する主結晶と前記表面層を
構成する珪酸化合物とからなる厚さ3〜60μmの混合
層とを具備し、該混合層における窒化珪素及び/又はサ
イアロン主結晶の粒子の平均長径が40μm以上である
ことを特徴とするものである。これにより、窒化珪素及
び/又はサイアロン質焼結体と表面層との結合力を持た
せ、高温高圧高速ガスに曝されても剥離を抑制するがで
きる。
合物が85体積%以上のRE2Si2O7と、15体積%
以下のRE2SiO5からなることにより、表面層の酸化
による重量増加を防ぐことができ、表面層の耐酸化性が
向上する。
律表第3a族元素以外の不純物元素量が0.08質量%
以下であることが望ましい。これにより、表面層の酸化
重量増加又は腐食反応によって生じるクラックを防ぐこ
とができ、酸化、腐食による表面層の劣化を低減させる
ことができる。
径が10〜50μmであることが好ましい。これによ
り、強度劣化を低減することができる。
aの密閉環境に100時間放置して、重量減少が0.5
mg/cm2以下であることが好ましい。これにより、
燃焼ガス流に含まれる高温・高圧水蒸気と反応を抑える
ことができ、寿命の長い表面層を有する窒化珪素及び/
又はサイアロン質焼結体を提供することができる。
mであることが好ましい。これにより、熱膨張差による
残留応力を低減するため、窒化珪素及び/又はサイアロ
ン質焼結体と表面層との密着性が向上し、強度劣化を大
幅に低減できる。また、消耗による寿命低下と表面層の
剥がれを防ぐことができる。
は、窒化珪素及び/又はサイアロンからなる焼結体の表
面に、窒化珪素粉末と周期律表第3a族元素の珪酸化合
物粉末とからなる混合層用スラリーを塗布し、800〜
1500℃で熱処理をして混合層を作製した後、周期律
表第3a族元素の珪酸化合物からなる表面層を形成する
ことを特徴とするものであり、また、窒化珪素及び/又
はサイアロンからなる焼結体の表面に、窒化珪素粉末と
周期律表第3a族元素の珪酸化合物粉末とからなる混合
層用スラリーを塗布し、しかる後にRE2Si2O7形成
用粉末からなる表面層用スラリーを塗布し、1400〜
1700℃で熱処理することを特徴とするものである。
表面の主結晶を40μm以上に粒成長させ、厚さ3〜6
0μmの混合層を有する耐食性セラミックスを作製する
ことができる。
ビンエンジンの燃焼ガスと直接接触する部位に用いられ
るガスタービン用部品であって、上記のいずれかに記載
の耐食性セラミックスからなることを特徴とするもので
あり、高温高圧高速の燃焼ガスに曝されても長時間の使
用が可能となる。
窒化珪素及び/又はサイアロンを主結晶とする焼結体の
表面に周期律表第3a族元素の珪酸化合物からなる表面
層が、混合層を介して設けられ、混合層中には、表面層
を構成する珪酸化合物と焼結体を構成する主結晶相及び
/又は粒界相とが混在している。
ることが重要である。これは、厚さが3μmに満たない
場合、表面層の剥離強度が低下することとなり、また、
60μmを越えると、混合層中における長尺状粒子が破
壊源になるためである。焼結体と表面層との熱膨張差を
低減できるとともに、化学的結合力を強固にし、高温高
圧高速ガスに曝されても剥離や強度劣化をさらに防止す
るため、特に、10〜55μm、さらには、30〜50
μmが好ましい。
合層における主結晶相の結晶粒子の平均長径が40μm
以上であることも重要である。このように、一方向に長
い長尺状の結晶を混合層に存在させることにより、クラ
ックの進展を防止し、強度劣化を大幅に低減でき、且つ
表面層の剥離を防ぐため、高温での寿命を改善すること
ができる。混合層の密着力をより高めるため、特に45
μm以上、更には50μm以上であることが好ましい。
また、平均長径の上限は、特に制限するものではない
が、長尺状粒子が破壊源となることがあるため、60μ
m以下、特に55μm以下であることが好ましい。
維持することができれば、他の化合物を含有していても
差し支えない。例えば、AlN、TiN、MgO又はA
l2O3のうち少なくとも1種を含有させることができ
る。
合物からなる。具体的には、RE2Si2O7(ダイシリ
ケート)、RE2SiO5(モノシリケート)のうち少な
くとも1種を用いることができる。珪酸化合物を用いた
理由は、基体である窒化珪素及び/又はサイアロンとの
熱膨脹率差が小さいからである。これらの珪酸化合物の
中で、耐食性に優れている点で、特にRE2Si2O7を
85体積%以上、更には95体積%以上含有させ、残部
をRE2SiO5とすることが表面層の酸化による重量増
加を防ぎ、表面層の耐酸化性を向上する点で好ましい。
族元素とは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、M、
Yb及びLuであり、これらの中でも、特に、Yb、E
r、Luが結晶間の結合強度が強く、また熱的に安定で
高融点化合物であるという観点で、又Yが安価で入手し
やすいという観点で好適である。
8質量%以下、特に0.05質量%以下とすることが好
ましい。不純物が表面層の結晶粒界に存在すると、不純
物が酸化されることによって体積が膨張するため、表面
層の剥離や強度低下を助長し、または、腐食反応によっ
て気孔を形成し、表面層の寿命を低減させるためであ
る。
a族元素以外の元素を意味するものであり、特に、F
e、Mn、Na及びAl等の元素は、酸化又は腐食によ
る表面層の寿命低下が著しい。なお、珪酸化合物を形成
しないで粒界に存在するSiについても、酸化腐食の影
響があるため、不純物とみなすことは言うまでもない。
は、その平均粒径が10〜50μm、特に15〜40μ
m、更には20〜30μmであることが好ましい。これ
によって、表面層のボイドを少なくし、強度劣化を防止
することができる。
温・高圧水蒸気と反応を抑えることができ、寿命の長い
耐食性セラミックスを提供するため、温度200℃で飽
和水蒸気圧1.6MPaの密閉環境に100時間放置し
た後の、表面層の重量減少が0.5mg/cm2以下、
特に0.3mg/cm2以下、更には0.2mg/cm 2
以下であることが好ましい。
ミックスの寿命低下を防ぐため、少なくとも5μm、特
に10μm、更には15μmの厚さを有していることが
望ましい。また、表面層と窒化珪素及び/又はサイアロ
ン質焼結体との熱膨張差を低減して表面層の剥離及び強
度劣化を防ぐため、表面層の厚さを100μm以下、特
に75μm以下、更には50μm以下とすることが望ま
しい。
維持することができれば、他の化合物を含有していても
差し支えない。例えば、AlN、TiN、MgO又はA
l2O3のうち少なくとも1種を含有させることができ
る。
は、窒化珪素を主結晶相とする焼結体(窒化系素質焼結
体)及び/又はサイアロンを主結晶相とする焼結体(サ
イアロン質焼結体)であることが重要である。
靭性であるため、タービンブレードやタービンロータ等
の室温から高温まで高強度及び高耐食性の特性が要求さ
れるガスタービン部品として好適に用いることができ
る。そして、混合層を介して表面層を具備することによ
り、高温燃焼ガス雰囲気中での耐食性を改善し、優れた
機械的特性を保持するとともに、高温構造部品として寿
命を長くすることができるため、信頼性の高い部材を提
供することができる。
ば、窒化珪素質焼結体に含まれる焼結助剤は周知の材料
を使用することができる。特に、周期律表第3a族元素
を含む組成が、表面層と同一又は類似の結晶相を粒界に
析出させることができ、表面層の密着性をさらに高める
ことができる。
的強度、耐熱衝撃性により、タービンブレードやタービ
ンノズル等の高耐食性の特性が要求される部品として好
適に用いることができる。そして、混合層を介して表面
層を具備することにより、高温燃焼ガス雰囲気中では耐
食性及び高温特性の劣化を改善し、寿命を長くすること
ができる。
ば、サイアロン質焼結体に含まれる焼結助剤は周知の材
料を使用することができる。特に、周期律表第3a族元
素を含む組成が、表面層と同一又は類似の結晶相を粒界
に析出させることができ、表面層の密着性をさらに高め
ることができる。
長尺状の結晶が線分率で40%以上になることで判断す
る。また、表面層と混合層との境界は、長尺状の結晶が
線分率で30%以下になることで判断できる。
スは、基体の焼結体の有する特性を維持しつつ、高温高
圧高速ガスに曝されても剥離や強度劣化を抑制し、部品
の寿命を著しく改善することができ、タービンロータ、
タービンノズル、燃焼管などのガスタービンエンジン用
部品等、特に高温燃焼ガス雰囲気に曝されるガスタービ
ンエンジン用部品に好適に用いられる。
方法について、基体として窒化珪素質焼結体を用いた場
合について説明する。
法により作製すれば良いが、ここでは一例として、周期
律3a族元素酸化物を焼結助剤として用いた場合につい
て説明する。
窒化珪素粉末、周期律表第3a族元素酸化物(RE
2O3)粉末、また、所望によりSiO2粉末を添加すれ
ばよいが、実際には、RE2O3とSiO2からなる化合
物、または窒化珪素とRE2O3とSiO2の化合物粉末
を用いることもできる。
末をボールミルなどにより十分混合及び/又は粉砕した
後、所望の成形手段、例えば、金型プレス、鋳込成形、
冷間静水圧成形、押出し成形等の手法により、所望の形
状に成形し、得られた成形体を焼成することができる。
等の不活性ガス雰囲気中で1700〜1900℃、好ま
しくは1750〜1850℃の温度範囲で1〜10時間
程度焼結することにより、気孔率5%以下の焼結体が得
られる。
方法、常圧焼成、窒素ガス圧焼成等の公知の手法を用い
ることができ、さらには、これらの焼成後に1000気
圧以上の高圧下で熱間静水圧焼成することもできる。
は、周期律表第3a族元素と珪素を含む複合酸化物から
なる結晶相が形成されていることが、表面層の密着性向
上のために好ましい。また、この基体を所望によって熱
処理をし、表面粗さを大きくすることも可能である。
及び/又はサイアロンと周期律表第3a族元素の珪酸化
合物の混合粉末を作製する。周期律表第3a族元素の珪
酸化合物の出発原料として、予め合成した珪酸化物(R
E2Si2O7及び/又はRE2SiO5)粉末を用いるこ
ともできるが、より簡便には、周期律表第3a族元素酸
化物(RE2O3)粉末とシリカ(SiO2)の混合粉末
を用意することもできる。このとき、窒化珪素及び/又
はサイアロンの含有比率は10質量%〜40質量%程度
でよい。
加え、混合粉末をボールミルなどにより十分混合し、ス
ラリーを作製する。結合剤は乾燥後、取り扱いやすいよ
うに付着性の良いポリビニルアルコール等を用いると良
い。媒体としては有機溶剤や、水(蒸留水)等がある
が、安全性、揮発性等を考慮すると水(蒸留水)である
ことが望ましい。
面に塗布する。塗布には、周知の手法である刷毛による
塗布、スプレーによる吹付け、又はディッピング等の方
法を用いることができる。ここで、スラリーの塗布によ
る付着の際、一度で目的とする厚さを持つ付着層を形成
しても良いし、一度に数μm〜数10μm程度の薄膜を
形成し、それを何度も繰り返し形成することで目的の厚
さにしても良い。
素質焼結体を乾燥後、1気圧以下の窒素雰囲気において
熱処理する。スラリーを表面に塗布された窒化珪素質焼
結体を、800〜1500℃、特に1000〜1400
℃で熱処理を行なうことによって混合層を形成できる。
結晶を粒成長させた長尺状の結晶と、表面層の珪酸化合
物との混合層を作製することが重要であり、この混合層
を焼結体と表面層との間に介在させることによって、ク
ラックの進展を防止し、強度劣化を大幅に低減し、表面
層の剥離を防止することができる。
には、先に準備した周期律表第3a族元素の珪酸化合物
の原料粉末を、所望の組成に調合して作製する。例え
ば、SiO2/RE2O3比(モル比)が1〜3、特に
1.5〜2.5、さらには1.8〜2.2となるように
調合する。
加え、混合粉末をボールミルなどにより十分混合し、ス
ラリーを作製する。結合剤は乾燥後、取り扱いやすいよ
うに付着性の良いポリビニルアルコール等を用いると良
い。媒体としては有機溶剤や、水(蒸留水)等がある
が、安全性、揮発性等を考慮すると水(蒸留水)である
ことが望ましい。
珪素質焼結体の表面に塗布し、熱処理を行なって表面層
を形成する。塗布には、周知の手法である刷毛による塗
布、スプレーによる吹付け、又はディッピング等の方法
を用いることができる。なお、表面層が表面の一部にの
み必要であれば、スクリーン印刷等を用いる方法や、マ
スクを用いたスプレー吹き付け等により、所望の部位に
のみスラリーを塗布することができる。
際、一度で目的とする厚さを持つ付着層を形成しても良
いし、一度に数μm〜数10μm程度の薄膜を形成し、
それを何度も繰り返し形成することで目的の厚さにする
こともできる。
順次作製する別工程であるが、混合層及び表面層を同時
に作製することもできる。即ち、窒化珪素粉末と周期律
表第3a族元素の珪酸化合物からなる混合層用スラリー
を塗布後、その上にRE2Si2O7形成用粉末からなる
表面層用スラリーを塗布し、これを1400〜1700
℃で熱処理して混合層及び表面層を同時に作製すること
ができる。
層の形成に塗布法を用いて説明したが、周知のプラズマ
溶射法等の表面被覆法を用いても良い。例えば所定量の
割合からなるRE2O3粉末とSiO2との混合粉末か、
または混合粉末を一度高温で処理して化合物を合成した
後、周知のプラズマ溶射法等により前記化合物を基体表
面に付着させて表面層を形成することも可能である。
ビンエンジンの燃焼ガスと直接接触する部位に用いられ
るガスタービン用部品であって、上記の耐食性セラミッ
クスからなることを特徴とするものである。このガスタ
ービン用部品は、機械特性や耐食性に優れ、寿命が長い
ため、特に、タービンロータ、タービンブレード、ノズ
ル、コンバスタ、スクロール、ノズルサポート、シール
リング、スプリングリング、ディフューザ、ダクト、シ
ュラウドなどのガスタービンエンジン用部品に好適に使
用することができる。
比表面積7m2/g、窒化珪素のα率99%、酸素量
1.1質量%、Al、Mg、Ca、Feなどの陽イオン
金属不純物量0.03質量%以下の窒化珪素粉末を90
モル%、純度が99.9%、平均粒径2.5μmの酸化
イッテルビウム(Yb2O3)粉末、酸化エルビウム(E
r2O3)粉末、酸化ルテチウム(Lu2O3)粉末又は酸
化イットリウム(Y2O3)粉末を3モル%、及び純度9
9.9%、平均粒径0.5μmの酸化珪素を7モル%調
合し、バインダー及び溶媒のメタノールを添加し、窒化
珪素ボールを用いて48時間回転ミルで混合粉砕した。
得られたスラリーを乾燥後、直径60mm、厚さ30m
mの形状に100MPaの圧力で静水圧プレス(CI
P)成形した。そして、得られた成形体を10気圧の窒
素ガス雰囲気において1850℃で焼成し、窒化珪素質
焼結体からなる基体とした(試料No.1〜34及び3
9)。
は、純度99.999%、平均粒径0.7μmの窒化珪
素を88モル%、純度が99.99%、平均粒径0.5
μmのアルミナ粉末を3モル%、純度99.9%、平均
粒径0.5μmの窒化アルミニウム粉末を2モル%、お
よび純度が99.9%、平均粒径1.5μmのY2O3粉
末、Yb2O3粉末、Er2O3粉末及びLu2O3粉末を7
モル%混合し、調合した。それぞれバインダー及び溶媒
のメタノールを添加し、窒化珪素ボールを用いて48時
間回転ミルで混合粉砕し、スラリーを乾燥後、直径60
mm、厚さ30mmの形状に1t/cm2の圧力でラバ
ープレス成形し、焼成し、サイアロン焼結体からなる基
体とした(試料No.35〜38及び40)。
10-1Paの真空中、700〜1000℃で30分間の
加熱処理をし、焼結体表面の表面粗さを大きくした。
料粉末は、純度が99.9%、平均粒径が2.5μmの
Yb2Si2O7粉末、Y2Si2O7粉末、Er2Si2O7
粉末、Lu2Si2O7粉末、及びSm2Si2O7粉末、及
び純度が99.9%、平均粒径が2.5μmのYb2S
iO5粉末、Y2SiO5粉末、Er2SiO5粉末、Lu 2
SiO5粉末、及びSm2SiO5粉末を用いた。また、
不純物として平均粒径0.1μmのCaおよび平均粒径
0.1μmのMg粉末を用いた。
メタノールに分散させてスラリーを作製し、スプレーに
よって上記基体に均一に塗布し、窒素雰囲気中、140
0℃で熱処理をして混合層を形成した。なお、混合層中
の珪酸化合物の組成は、表1の表面層の組成と一致させ
た。
を形成しなかった。
の割合になるように混合し、メタノールに分散させて作
製したスラリーを、スプレーによって前記焼結体に均一
に塗布した。乾燥後、窒素雰囲気中、1400〜170
0℃で熱処理をして所望の平均粒径を有する表面層を形
成し、表1に示す厚さを有する混合層及び表面層を有す
る焼結体を得た。
晶および表面層の結晶を同定した。表面層の珪酸化合物
は、いずれの試料もRE2Si2O7及びRE2SiO5で
あった。この表面層に含まれるRE2Si2O7とRE2S
iO5の含有量は、表面層を基体から剥し、粉砕してX
線回折で得られた各々のピークの強度比から算出した。
化合物の平均粒径は、コーティングされたサンプルの断
面写真を用いて、画像解析を用いて測定した。
基体から剥し、粉砕した粉末をフッ化水素酸と硝酸で溶
解させて、ICP発光分光分析を用いて測定した。
a、100時間水熱酸化試験を行ない、その重量変化を
表面層の重量減少量として計測した。
温および高温(1500℃)での4点曲げ抗折強度試験
を実施し、30個の試験結果の平均値を算出した。
た。即ち、焼結体を1250℃の大気中に1000時間
保持した後の重量増加を測定し、酸化重量増とした。結
果を表1に示した。
試料No.2〜7及び10〜34は、水熱酸化試験にお
ける重量減少量が0.5mg/cm2以下と小さく、室
温強度が700MPa以上、高温強度が470MPa以
上、酸化テストの酸化重量増が0.05mg/cm2以
下であった。
明の範囲外の試料No.1及び混合層の厚さが100μ
mと大きい本発明の範囲外の試料No.8、平均長径が
30μmと小さい本発明の範囲外の試料No.9は、水
熱酸化試験における重量減少量が0.9mg/cm2以
上、室温強度が570MPa以下、高温強度が430M
Pa以下、酸化テストの酸化重量増が0.10mg/c
m2以上であった。
本発明の範囲外の試料No.39は、水熱酸化試験にお
ける重量減少量が250mg/cm2と非常に大きく、
また室温強度が450MPa、高温強度が90MPaと
いずれも低く、酸化テストの酸化重量増が1.23mg
/cm2であった。
試料No.35〜38は、水熱酸化試験における重量減
少量が0.5mg/cm2以下、室温強度が1100M
Pa以上、高温強度が200MPa以上、酸化テストの
酸化重量増が0.04mg/cm2以下であった。
o.40は、酸化重量増が1.65mg/cm2、重量
減少量が120mg/cm2と特性が著しく劣化した。
を起こさず、且つ付着力の高い表面層を具備する耐食性
セラミックスを実現することができる。また、高温燃焼
ガス又は水蒸気を含む燃焼ガスに対して高耐食性を有
し、且つ飛来物に対しても十分な剥離強度を有し、80
0〜1300℃付近の高温域において長時間使用が可能
で、機械的特性に優れるガスタービン用部品として好適
に使用することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】窒化珪素及び/又はサイアロンからなる焼
結体と、該焼結体の表面に形成された周期律表第3a族
元素の珪酸化合物からなる表面層と、前記表面層と前記
焼結体との間に設けられ、前記焼結体を構成する主結晶
と前記表面層を構成する珪酸化合物とからなる厚さ3〜
60μmの混合層とを具備し、該混合層における窒化珪
素及び/又はサイアロン主結晶の粒子の平均長径が40
μm以上であることを特徴とする耐食性セラミックス。 - 【請求項2】前記周期律表第3a族元素の珪酸化合物が
85体積%以上のRE 2Si2O7と、15体積%以下の
RE2SiO5からなることを特徴とする請求項1記載の
耐食性セラミックス。 - 【請求項3】前記表面層に含まれるSi及び周期律表第
3a族元素以外の不純物元素量が0.08質量%以下で
あることを特徴とする請求項1又は2記載の耐食性セラ
ミックス。 - 【請求項4】前記表面層の珪酸化合物の平均粒径が10
〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至3のい
ずれかに記載の耐食性セラミックス。 - 【請求項5】200℃、飽和水蒸気圧1.6MPaの密
閉環境に100時間放置して、重量減少が0.5mg/
cm2以下であることを特徴とする請求項1乃至4のい
ずれかに記載の耐食性セラミックス。 - 【請求項6】前記表面層の厚さが5〜100μmである
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載
の耐食性セラミックス。 - 【請求項7】窒化珪素及び/又はサイアロンからなる焼
結体の表面に、窒化珪素粉末と周期律表第3a族元素の
珪酸化合物粉末とからなる混合層用スラリーを塗布し、
800〜1500℃で熱処理をして混合層を作製した
後、周期律表第3a族元素の珪酸化合物からなる表面層
を形成することを特徴とする耐食性セラミックスの製造
方法。 - 【請求項8】窒化珪素及び/又はサイアロンからなる焼
結体の表面に、窒化珪素粉末と周期律表第3a族元素の
珪酸化合物粉末とからなる混合層用スラリーを塗布し、
しかる後にRE2Si2O7形成用粉末からなる表面層用
スラリーを塗布し、1400〜1700℃で熱処理する
ことを特徴とする耐食性セラミックスの製造方法。 - 【請求項9】ガスタービンエンジンの燃焼ガスと直接接
触する部位に用いられるガスタービン用部品であって、
請求項1乃至6のいずれかに記載の耐食性セラミックス
からなることを特徴とするガスタービン用部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002029736A JP2003226581A (ja) | 2002-02-06 | 2002-02-06 | 耐食性セラミックス及びその製造方法並びにガスタービン用部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002029736A JP2003226581A (ja) | 2002-02-06 | 2002-02-06 | 耐食性セラミックス及びその製造方法並びにガスタービン用部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003226581A true JP2003226581A (ja) | 2003-08-12 |
Family
ID=27750229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002029736A Pending JP2003226581A (ja) | 2002-02-06 | 2002-02-06 | 耐食性セラミックス及びその製造方法並びにガスタービン用部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003226581A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006002968A (ja) * | 2004-06-16 | 2006-01-05 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 燃焼触媒機能付与した高温高耐食性被膜及びセラミックスヒータ |
KR20160126581A (ko) * | 2015-04-24 | 2016-11-02 | 대구텍 유한회사 | SiAlON 복합 재료 및 이 SiAlON 복합 재료로 만들어진 절삭 공구 |
JP2018002494A (ja) * | 2016-06-27 | 2018-01-11 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター | 積層構造 |
EP3774689A4 (en) * | 2018-04-10 | 2021-12-29 | Sintx Technologies, Inc. | Method for improving the wear performance of ceramic-polyethylene or ceramic-ceramic articulation couples utilized in orthopaedic joint prostheses |
-
2002
- 2002-02-06 JP JP2002029736A patent/JP2003226581A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006002968A (ja) * | 2004-06-16 | 2006-01-05 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 燃焼触媒機能付与した高温高耐食性被膜及びセラミックスヒータ |
JP4552028B2 (ja) * | 2004-06-16 | 2010-09-29 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 高温高耐食性被膜及びセラミックスヒータ |
KR20160126581A (ko) * | 2015-04-24 | 2016-11-02 | 대구텍 유한회사 | SiAlON 복합 재료 및 이 SiAlON 복합 재료로 만들어진 절삭 공구 |
KR102328802B1 (ko) * | 2015-04-24 | 2021-11-18 | 대구텍 유한책임회사 | SiAlON 복합 재료 및 이 SiAlON 복합 재료로 만들어진 절삭 공구 |
JP2018002494A (ja) * | 2016-06-27 | 2018-01-11 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター | 積層構造 |
EP3774689A4 (en) * | 2018-04-10 | 2021-12-29 | Sintx Technologies, Inc. | Method for improving the wear performance of ceramic-polyethylene or ceramic-ceramic articulation couples utilized in orthopaedic joint prostheses |
US12070391B2 (en) | 2018-04-10 | 2024-08-27 | Sintx Technologies, Inc. | Method for improving the wear performance of ceramic-polyethylene or ceramic-ceramic articulation couples utilized in orthopedic joint prostheses |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4959213B2 (ja) | 遮熱コーティング部材及びその製造方法ならびに遮熱コート材料、ガスタービン及び焼結体 | |
US8334062B1 (en) | Environmental barrier coating | |
JP6462011B2 (ja) | コーティング部材及びコーティング部材の製造方法 | |
US6682821B2 (en) | Corrosion-resistant ceramics | |
EP3243925A1 (en) | Coated member, coating material and method for producing coated member | |
JP2006193828A (ja) | 遮熱コート材料、遮熱部材、遮熱コーティング部材及びその製造方法 | |
JP4031631B2 (ja) | 遮熱コーティング材及びガスタービン部材並びにガスタービン | |
JP2002069607A (ja) | 遮熱コーティング材およびその製造方法、遮熱コーティング材を適用したガスタービン部材、並びにガスタービン | |
JP2003160852A (ja) | 遮熱コーティング材、その製造方法、タービン部材及びガスタービン | |
JP2003226581A (ja) | 耐食性セラミックス及びその製造方法並びにガスタービン用部品 | |
JP2010242223A (ja) | 遮熱コーティング部材及びその製造方法ならびに遮熱コート材料、ガスタービン及び焼結体 | |
JP2005163172A (ja) | 遮熱コーティング材、遮熱コーティング材を適用したガスタービン部材およびガスタービン | |
CN114853473B (zh) | 一种耐高温cmas腐蚀的稀土硅酸盐陶瓷与制备方法 | |
JP2007197320A (ja) | 耐食性セラミックス及びその製造方法 | |
JP4031244B2 (ja) | 耐食性セラミックス | |
JP5320352B2 (ja) | 遮熱コーティング部材及びその製造方法ならびに遮熱コート材料、ガスタービン及び焼結体 | |
JP4090335B2 (ja) | 耐食性セラミックス | |
CN114195515A (zh) | 一种氧化物颗粒优化钽酸镍陶瓷材料及其应用 | |
JP4064640B2 (ja) | 耐食性セラミックス及びその製造方法 | |
CN115974540B (zh) | 一种稀土掺杂堇青石陶瓷材料及其制备方法 | |
JP2004010382A (ja) | 表面被覆窒化珪素質焼結体 | |
JP5001567B2 (ja) | 耐食性セラミック部材 | |
JP2005105417A (ja) | Tbc用溶射原料およびその製造方法、ガスタービン部材並びにガスタービン | |
CN114031401B (zh) | 一种高硬度高强度的低温烧结铌酸镍陶瓷材料 | |
KR102197552B1 (ko) | 치밀화된 탑 코팅을 포함한 비산화물 기판 및 이의 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070104 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070703 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070903 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080108 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080310 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080513 |