JP2002069607A - 遮熱コーティング材およびその製造方法、遮熱コーティング材を適用したガスタービン部材、並びにガスタービン - Google Patents

遮熱コーティング材およびその製造方法、遮熱コーティング材を適用したガスタービン部材、並びにガスタービン

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JP2002069607A JP2001181831A JP2001181831A JP2002069607A JP 2002069607 A JP2002069607 A JP 2002069607A JP 2001181831 A JP2001181831 A JP 2001181831A JP 2001181831 A JP2001181831 A JP 2001181831A JP 2002069607 A JP2002069607 A JP 2002069607A
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郁生 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高い遮熱性とより高い耐剥離性を得るガ
スタービン部材を被覆する遮熱コーティング材に関す
る。 【解決手段】 本発明の第一の態様として、基材21の
上に金属結合層22および多孔質のZrO2系セラミッ
クス層23が順次積層されており、セラミックス層23
には厚さ方向に伸びる微細なき裂24が生じている。こ
のき裂24は、溶射法等により金属結合層22の上にセ
ラミックス層23を積層した後、基材21の裏面を冷却
しながらセラミックス層23の表面にレーザービームを
照射して表面温度を1000℃〜1700℃に加熱、冷
却の熱サイクルを付与することにより、形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮熱コーティング
材およびその製造方法、遮熱コーティング材を適用した
ガスタービン部材、並びにガスタービンに関し、例えば
産業用ガスタービンの動翼、静翼または燃焼器などの高
温環境下で使用される部品の遮熱コーティングに適用し
て有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ガスタービンの動翼や静翼、ある
いは燃焼器の内筒や尾筒あるいは分割環などの高温部品
は、高温環境下にて使用されるため、一般に、その表面
に遮熱コーティングが施されている。図11は、従来の
遮熱コーティング膜の構成を示す断面図である。従来、
遮熱コーティング膜は、動翼等の基材11上にMCrA
lY合金よりなる金属結合層12が積層され、さらにそ
の上にトップコートとしてZrO2(ジルコニア)系セ
ラミックス層13、例えばY23を6〜8wt%の割合
で添加した部分安定化ZrO2(以下、YSZとす
る。)層、が積層された構成となっている。ここでMC
rAlYのMは、NiやCoやFe等の単独元素または
それらの2種類以上の元素の組み合わせである。
【0003】ところで、近時、ガスタービンのタービン
入口温度はより高温化してきており、トップコートに対
してより高い遮熱性が要求されている。また、タービン
入口温度の高温化にともなって、金属製の基材11とZ
rO2系セラミックス層13との熱膨張差に起因する熱
応力がより大きくなっている。この熱応力によって、ト
ップコートの剥離がひき起こされ、遮熱コーティング膜
の耐久性が劣化する。したがって、トップコートの剥離
を防ぐための改善が必要となる。
【0004】そこで、従来、トップコートのセラミック
ス層13を積層する際に電子ビーム物理蒸着法を用い
て、柱状晶のZrO2系セラミックスを生成する試みが
なされている。また、溶射法によりZrO2系セラミッ
クスを生成しながらその厚さ方向に微細なき裂を生じさ
せる試みがなされている。これらの試みによれば、基材
11とセラミックス層13との間に生じる熱応力が緩和
されるため、トップコートの剥離を防ぐことが可能とな
る。
【0005】また、YSZよりも熱伝導率が、約20%
低いセラミックスとして、Y23の代わりにDy23
添加した部分安定化ZrO2(以下、DySZとする)
が注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子ビ
ーム物理蒸着法では、その施工に長時間を要するため、
大型のガスタービンなどへの適用はコスト的に困難であ
り、また、熱伝達率が多孔質セラミックスに比べて、約
30%大きいために、膜厚を大きくせざるを得ず、やは
り適用が困難である。さらにまた、溶射法によりき裂を
生じさせながらセラミックス層を積層する方法では、き
裂を生じさせるためにセラミックスを緻密に生成させる
必要があり、そのためトップコートの熱伝導率が大きく
なって遮熱性が低下するという問題点がある。また、き
裂が厚さ方向のみならず、層方向にも生じることが多
く、セラミックス層が層状に剥離してしまうという問題
点もある。
【0007】また、DySZはYSZよりも約10%線
膨張係数が小さい。そのため、遮熱コーティング膜のト
ップコートをDySZで構成した場合、YSZの場合と
比べてより高い遮熱性が得られるが、耐剥離性が低いお
それがある。
【0008】さらに、遮熱コーティング(TBC: thermal
barrier coating)用溶射原料として安定化ジルコニアを
用いる場合、ジルコニアとイットリアの粉末を2500
℃以上で電融した後、得られたインゴットを平均粒径4
0〜80μmに粉砕して安定化ジルコニアの溶射用粉体
を得る方法や、ジルコニアとイットリアの粉末をスラリ
ー混合し、スプレードライヤーを用いて球状に造粒した
後、熱処理して安定化ジルコニアの溶射用粉体を得る方
法が知られている。しかし、これらの方法では、ジルコ
ニアの拡散速度が遅い等の理由により、ジルコニアとイ
ットリアの混合が均一でないため、完全な安定化ジルコ
ニアの製造は困難である。即ち、完全な安定化ジルコニ
アは正方晶となるはずであるが、単斜晶ジルコニアが残
る問題がある。単斜晶ジルコニアは、1000℃で相変
態を起こし正方晶に変化するが、この場合に単斜晶と正
方晶の熱膨張率の違いにより、内部に熱応力を生ずる問
題がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、本発明の第一の態様は、遮熱コーティング膜のトッ
プコートを多孔質でかつ厚さ方向に伸びる微細なき裂を
有するセラミックス層で構成し、それによってより高い
遮熱性とより高い耐剥離性とを兼ね備えた遮熱コーティ
ング材およびその製造方法を提供することを目的とす
る。また、本発明の第一の態様の他の目的は、より高い
遮熱性とより高い耐剥離性とを兼ね備えた遮熱コーティ
ング材を適用することによって、温度環境が従来よりも
高温であっても十分な耐久性を有するガスタービン部材
を提供することである。
【0010】本発明の第二の態様は、トップコートにY
SZを用いた場合と比べてより高い遮熱性とより高い耐
剥離性とを兼ね備えた遮熱コーティング材を提供するこ
とを目的とする。また、本発明の第二の態様の他の目的
は、トップコートにYSZを用いた場合と比べてより高
い遮熱性とより高い耐剥離性とを兼ね備えた遮熱コーテ
ィング材を適用することによって、温度環境が従来より
も高温であっても十分な耐久性を有するガスタービン部
材を提供することである。
【0011】本発明の第三の態様は、TBC用溶射原料
として、イットリア等の希土類酸化物粒子とジルコニア
粒子とが均一に混合された安定化度の高い安定化ジルコ
ニア粉末を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、より高い遮熱性を確保するためには、
トップコートを多孔質のセラミックスで構成することが
有効であると考えた。また、より高い耐剥離性を確保す
るためには、そのセラミックス層に厚さ方向に伸びる微
細なき裂を生じさせることが有効であると考え、鋭意研
究を重ねた結果、本発明の第一の態様の完成に至った。
【0013】また、本発明者は、Yb23で部分安定化
させたZrO2(以下、YbSZとする)に着目した。
YbSZは、YSZやDySZよりも線膨張係数が、1
0〜20%大きいため、高い耐剥離性が得られる可能性
がある。つまり、本発明者は、YSZよりも遮熱効果が
高いDySZと、YSZよりも耐剥離性が高いYbSZ
との複合材料をトップコートに用いることが有効である
と考え、鋭意研究を重ねた結果、本発明の第二の態様の
完成に至った。
【0014】さらに、TBC用溶射原料として、組み合
わせるジルコニウム粉末と希土類酸化物粉末の比表面積
に着目し、本発明の第三の態様の完成に至った。
【0015】すなわち、本発明の第一の態様にかかる遮
熱コーティング材は、基材の上に金属結合層を積層し、
前記金属結合層の上に、多孔質でかつ厚さ方向に伸びる
微細なき裂を有する部分安定化ZrO2よりなるセラミ
ックス層を積層したことを特徴とする。この発明におい
て、前記セラミックス層の多孔質部分における気孔率
は、1%以上30%以下であってもよい。また、その多
孔質部分における密度は、4g/mm3以上6.5g/
mm3以下であってもよい。また、前記セラミックス層
の熱伝導率は、0.5w/m・K以上5w/m・K以下
であってもよいし、前記セラミックス層の断面における
単位長さ(1mm)あたりの前記き裂の数は、1本以上
10本以下であってもよい。
【0016】この遮熱コーティング材によれば、トップ
コートが、多孔質でかつ厚さ方向に伸びる微細なき裂を
有する部分安定化ZrO2よりなるセラミックス層でで
きているため、従来の多孔質のものと同等の高い遮熱効
果を有しつつ、かつ、電子ビーム物理蒸着法と同等の高
い耐剥離性が得られる。したがって、温度環境が従来よ
りも高温であっても十分な遮熱効果と耐久性を有する遮
熱コーティング材が得られる。
【0017】また、本発明第一の態様にかかる遮熱コー
ティング材の製造方法は、基材の表面に金属結合層を積
層する工程と、前記金属結合層の表面にセラミックス層
を積層する工程と、前記基材の裏面を冷却しながら、前
記セラミックス層の表面にレーザービームを照射して加
熱することにより、前記セラミックス層に、その厚さ方
向に伸びる微細なき裂を生じさせる工程と、を含むこと
を特徴とする。この発明において、前記セラミックス層
の表面に前記レーザービームを10mm以上40mm以
下の径で照射する構成としてもよい。また、前記レーザ
ービームの照射により、前記セラミックス層の表面を1
000℃以上1700℃以下の温度に加熱するようにし
てもよい。前記レーザービームを、部分安定化ZrO2
の相変態や焼結が起こらない範囲で、5回以上1000
回以下の回数で照射する構成としてもよい。
【0018】また、本製造方法において、セラミックス
層を積層する際に、気孔率が、1%以上30%以下、ま
たは密度が、4g/mm3以上6.5g/mm3以下とな
るようにしてもよい。あるいは、熱伝導率が、0.5w
/m・K以上5w/m・K以下であったり、前記セラミ
ックス層の断面における単位長さ(1mm)あたりの前
記き裂の数が、1本以上10本以下となるように前記き
裂を生じさせるようにしてもよい。
【0019】この遮熱コーティング材の製造方法によれ
ば、セラミックス層を積層した後、レーザービームの照
射によりセラミックス層に微細なき裂を生じさせるた
め、極めて簡便かつ短時間/低コストで遮熱コーティン
グ材を形成することができる。また、ガスタービン部材
などの熱的に厳しい箇所にのみ選択的に本方法を適用す
ることができる。
【0020】また、本発明の第一の態様にかかるガスタ
ービン部材は、基材の上に金属結合層が積層され、前記
金属結合層の上に、多孔質でかつ厚さ方向に伸びる微細
なき裂を有する部分安定化ZrO2よりなるセラミック
ス層が積層されてなる遮熱コーティング膜で被覆されて
いることを特徴とする。この発明において、前記セラミ
ックス層の多孔質部分における気孔率は、1%以上30
%以下であってもよい。また、密度は、4g/mm3
上6.5g/mm3以下であってもよい。また、前記セ
ラミックス層の熱伝導率は、0.5w/m・K以上5w
/m・K以下であってもよいし、前記セラミックス層の
断面における単位長さ(1mm)あたりの前記き裂の数
は、1本以上10本以下であってもよい。
【0021】このガスタービン部材によれば、遮熱コー
ティング膜のトップコートが、多孔質でかつ厚さ方向に
伸びる微細なき裂を有する部分安定化ZrO2よりなる
セラミックス層でできており、その遮熱コーティング膜
により被覆されているため、温度環境が従来よりも高温
であっても十分な遮熱効果と耐久性を有するガスタービ
ン部材が得られる。
【0022】また、本発明の第一の態様にかかるガスタ
ービンは、圧縮機で圧縮された後、燃焼器で燃焼させた
流体をタービンの静翼と動翼とで膨張させることによっ
て動力を発生するガスタービンにおいて、前記静翼およ
び前記動翼の一方または両方が、翼の基材の上に金属結
合層が積層され、前記金属結合層の上に、多孔質でかつ
厚さ方向に伸びる微細なき裂を有する部分安定化ZrO
2よりなるセラミックス層が積層されてなる遮熱コーテ
ィング膜で被覆されており、好ましくは、前記セラミッ
クス層はつぎの(1)〜(4)の条件を1または2以上
満たすことを特徴とする。 (1)前記セラミックス層の多孔質部分における気孔率
は、1%以上30%以下であること。 (2)前記セラミックス層の多孔質部分における密度
は、4g/mm3以上6.5g/mm3以下であること。 (3)前記セラミックス層の熱伝導率は、0.5w/m
・K以上5w/m・K以下であること。 (4)前記セラミックス層の断面における単位長さ(1
mm)あたりの前記き裂の数は、1本以上10本以下で
あること。
【0023】本発明の第二の態様にかかる遮熱コーティ
ング材は、基材の上に金属結合層を積層し、前記金属結
合層の上に、添加剤としてDy23およびYb23を添
加して部分安定化させた部分安定化ジルコニアよりなる
セラミックス層を積層したことを特徴とする。この発明
において、前記Dy23の添加割合は、0.01wt%
以上16.00wt%以下であり、前記Yb23の添加
割合は、0.01wt%以上17.00wt%以下であ
り、かつDy23の添加割合とYb23の添加割合との
合計は10wt%以上20wt%以下であり、ZrO2
の添加割合は、80wt%以上90wt%以下となって
いてもよい。また、前記セラミックス層は、ZrO2
末、Dy23粉末およびYb23粉末を混合し、それを
固溶化させてなるZrO2−Dy23−Yb23粉末の
溶射により形成された皮膜により構成されていてもよ
い。
【0024】この遮熱コーティング材によれば、トップ
コートが、YSZよりも遮熱効果が高いDySZと、Y
SZよりも耐剥離性が高いYbSZとの複合材料により
構成されているため、従来よりも高い遮熱効果と高い耐
剥離性が得られる。したがって、温度環境が従来よりも
高温であっても十分な耐久性を有する遮熱コーティング
材が得られる。
【0025】また、本発明の第二の態様にかかるガスタ
ービン部材は、基材の上に金属結合層が積層され、前記
金属結合層の上に、添加剤としてDy2O3およびYb2
O3を添加して部分安定化させた部分安定化ジルコニア
よりなるセラミックス層が積層されてなる遮熱コーティ
ング膜で被覆されていることを特徴とする。この発明に
おいて、前記Dy23の添加割合は、0.01wt%以
上16.00wt%以下であり、前記Yb23の添加割
合は、0.01wt%以上17.00wt%以下であ
り、かつDy23の添加割合とYb23の添加割合との
合計は10wt%以上20wt%以下であり、ZrO2
の添加割合は、80wt%以上90wt%以下となって
いてもよい。また、前記セラミックス層は、ZrO2
末、Dy23粉末およびYb23粉末を混合し、それを
固溶化させてなるZrO2−Dy23−Yb23粉末の
溶射により形成された皮膜、または電子ビーム物理蒸着
法により形成された皮膜により構成されていてもよい。
また、最後にアンダーコートと母材とを良好に密着させ
るための真空熱処理を行っても良い。
【0026】このガスタービン部材によれば、遮熱コー
ティング膜のトップコートが、YSZよりも遮熱効果が
高いDySZと、YSZよりも耐剥離性が高いYbSZ
との複合材料で構成されており、その遮熱コーティング
膜により被覆されているため、温度環境が従来よりも高
温であっても十分な耐久性を有するガスタービン部材が
得られる。
【0027】また、本発明の第二の態様にかかるガスタ
ービンは、圧縮機で圧縮された後、燃焼器で燃焼させた
流体をタービンの静翼と動翼とで膨張させることによっ
て動力を発生するガスタービンにおいて、前記静翼およ
び前記動翼の一方または両方が、翼の基材の上に金属結
合層が積層され、前記金属結合層の上に、添加剤として
Dy23およびYb23を添加して部分安定化させた部
分安定化ジルコニアよりなるセラミックス層が積層され
てなる遮熱コーティング膜で被覆されており、好ましく
は、つぎの(1)〜(3)の条件を1または2以上満た
すことを特徴とする。 (1)前記Dy23の添加割合は、0.01wt%以上
16.00wt%以下であり、前記Yb23の添加割合
は、0.01wt%以上17.00wt%以下であり、
かつDy23の添加割合とYb23の添加割合との合計
は10wt%以上20wt%以下であり、安定化剤以外
のZrO2の添加割合は、80wt%以上90wt%以
下であること。 (2)前記セラミックス層は、ZrO2粉末、Dy23
粉末およびYb23粉末を混合し、それを固溶化させて
なるZrO2−Dy23−Yb23粉末の溶射により形
成された皮膜であること。 (3)前記セラミックス層は、所定の組成を有するイン
ゴットを電子ビーム物理蒸着により形成された皮膜であ
ること。
【0028】本発明の第三の態様は、比表面積が10m
2/g以上であるジルコニア粉体と、比表面積が10m2
/g以上である希土類酸化物の粉体を添加してなるTB
C用溶射原料を提供する。また、比表面積10m2/g
以上のジルコニア粉体と比表面積10m2/g以上の希
土類酸化物の粉体とを適当なバインダー又は分散剤とと
もに混合し、スラリー状にした後、平均粒径10〜10
0μmに造粒し、1300〜1600℃で1〜10時間
の条件で熱処理することを特徴とするTBC用溶射原料
の製造方法を提供する。さらに、このTBC用溶射原料
を溶射して得られる被膜を有するガスタービン部材、該
ガスタービン部材を有するガスタービンを提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の第一の態様にかかる遮熱
コーティングの実施の形態について説明する。図1は、
本発明の第一の態様にかかる遮熱コーティング材を適用
した遮熱コーティング膜の構成を示す断面図である。遮
熱コーティング膜は、動翼等の基材21の上に、耐食性
および耐酸化性に優れた金属結合層22としてMCrA
lY合金層が積層され、さらにその上にトップコートと
して、たとえば、Y23、Dy23もしくはYb23
いずれか一つまたは2つ以上で部分安定化させたZrO
2系セラミックス層23が積層された構成となってい
る。このセラミックス層23は多孔質であり、かつセラ
ミックス層23には厚さ方向に伸びる微細なき裂24が
生じている。
【0030】金属結合層22は、基材21と多孔質Zr
2 系セラミックス層23との熱膨張係数の差を小さく
して熱応力を緩和する機能を有し、セラミックス層23
が基材21から剥離するのを防いでいる。ここで、MC
rAlY合金のMは、NiやCoやFe等の単独元素ま
たは2種類以上の元素の組み合わせである。
【0031】多孔質ZrO2系セラミックス層23にお
いて、多孔質部分における気孔率は、好ましくは、1%
以上30%以下である。その理由は、1%より気孔率が
少ないと著しく熱伝達率が高くなり、遮熱効果が低くな
る場合があり、また、30%より気孔率が多くなるとセ
ラミックス層の機械的強度が大幅に低下する場合がある
ため耐熱サイクル性に劣るようになるからである。気孔
率は、断面ミクロ組織から画像解析を行うことにより測
定できる。
【0032】また、セラミックス層23の多孔質部分に
おける密度は、好ましくは、4g/mm3以上6.5g
/mm3以下である。その理由は、密度が4g/mm3
りも小さいと皮膜の機械的強度が低くなる場合があり、
一方、密度が6.5g/mm 3以上では皮膜が、ち密で
熱伝達率が大きく、遮熱性に劣る場合があるからであ
る。
【0033】また、セラミックス層23の熱伝導率は、
好ましくは、0.5w/m・K以上5w/m・K以下で
ある。その理由は、熱伝達率が5w/m・K以上では、
遮熱コーティングとしての効果が充分ではない場合があ
り、一方、0.5w/m・K以下の皮膜の場合、気孔が
多く導入されることとなり、皮膜の機械的強度が低く、
耐熱サイクル性に劣る場合があるからである。熱伝導率
は、レーザフラッシュ法に基づき測定できる。これは、
この種の熱伝導率測定法としては一般的なものである。
【0034】また、セラミックス層23の断面における
単位長さ(1mm)あたりのき裂24の数は、好ましく
は、1本以上10本以下である。その理由は、1mm当
たり1本未満では、線膨張係数差に起因する熱応力と緩
和することができず、従来のものと大差ない場合があ
り、また、10本を超えると割れが互いに連結し易くな
り、耐熱サイクル性が悪くなる場合があるからである。
き裂の数は、断面ミクロ組織から基材に並行な単位長さ
当たりのき裂の本数を測定することによって得ることが
できる。
【0035】また、セラミックス層23の厚さは、好ま
しくは、0.05mm〜1.5mmである。その理由
は、膜厚が0.05mm以下では遮熱効果が低くなる場
合があり、1.5mm以上では耐久性が低くなる場合が
あるからである。金属結合層の厚さは、基材21とZr
2系セラミックス層23との熱膨張係数の差を小さく
して熱応力を緩和する機能を有する厚さであればよい。
【0036】つぎに、本発明にかかる遮熱コーティング
材を適用した遮熱コーティング膜の製造方法について説
明する。図2は、遮熱コーティング膜の製造手順の一例
を示すフローチャートである。図3〜図5は、それぞ
れ、その遮熱コーティング膜の製造段階の一状態を示す
断面図である。
【0037】まず、基材21の表面に金属結合層22を
積層する(ステップS1、図3参照)。金属結合層22
の積層方法としては、好ましくは低圧プラズマ溶射法ま
たは電子ビーム物理蒸着法が用いられる。つづいて、金
属結合層22の表面に、たとえば溶射法により多孔質の
部分安定化ZrO2よりなるセラミックス層23を積層
する(ステップS2、図4参照)。この後、ボンドコー
トと基材とを良好に密着させるために、真空熱処理を行
ってもよい。
【0038】つづいて、図5に示すように、基材21の
裏面21aを冷却しながら、セラミックス層23の表面
23aにレーザービーム25を照射してセラミックス層
23の表面温度を、好ましくは1000℃〜1700℃
とする(ステップS3)。この温度範囲の限定理由は、
1000℃未満では微細な縦割れを作るのに、レーザー
の照射回数が非常に多くなり、経済的でなくなる場合が
あり、また、1700℃を超えるとセラミックス層に相
変態や焼結が短時間で生じたり、縦割れ以外に横割れも
生じるようになってくるからである。
【0039】また、レーザー照射時に、好ましくは、レ
ーザービーム径がセラミックス層23の表面において1
0mm以上40mm以下の径となるように調整する。そ
の理由は、10mm未満ではレーザーを走査させるのに
多くの時間を有するようになり、不経済である場合があ
り、一方、40mmを超えるとレーザーのスポット内に
大きな温度分布が生じ、割れの形態、本数のコントロー
ルが難しくなる場合があるからである。レーザー源とし
て、たとえば炭酸ガスレーザーを用いることができる。
【0040】レーザービーム25の照射回数は、セラミ
ックス層23を構成する部分安定化ZrO2が相変態や
焼結を起こさない範囲で5回以上1000回以下である
のが好ましい。その理由は、5回未満ではレーザー出力
を大きくする必要が生じる場合があり、セラミックス層
の表面温度を著しく上げることとなるし、また、100
0回を超えると不経済となるからである。
【0041】このようにレーザービーム25を照射する
ことによって、図1に示すように、セラミックス層23
に、その厚さ方向に伸びる微細なき裂24が生じ(図2
のステップS4)、遮熱コーティング膜が完成する。
【0042】上述した構成の遮熱コーティング材は、産
業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒
や尾筒などの高温部品に適用して有用である。また、産
業用ガスタービンに限らず、車やジェット機などのエン
ジンの高温部品の遮熱コーティング膜にも適用できる。
【0043】本発明の第二の態様にかかる遮熱コーティ
ングの実施の形態について説明する。図6は、本発明に
かかる遮熱コーティング材を適用した遮熱コーティング
膜の構成を示す断面図である。遮熱コーティング膜は、
動翼等の基材121の上に、耐食性および耐酸化性に優
れた金属結合層としてMCrAlY合金層122が積層
され、さらにその上にトップコートとして、Dy23
よびYb23で部分安定化させたZrO2(以下、Zr
2−(Dy23+Yb23)とする)層123が積層
された構成となっている。ここでMCrAlYのMは、
NiやCoやFe等の単独元素またはそれらの2種類以
上の元素の組み合わせである。
【0044】MCrAlY合金層122は、基材121
とZrO2−(Dy23+Yb23)層123との熱膨
張係数の差を小さくして熱応力を緩和する機能を有し、
ZrO2−(Dy23+Yb23)層123が基材12
1から剥離するのを防いでいる。MCrAlY合金層1
22のMは、NiやCoやFe等の単独元素または2種
類以上の元素の組み合わせである。MCrAlY合金層
122は低圧プラズマ溶射法または電子ビーム物理蒸着
法により積層される。
【0045】ZrO2−(Dy23+Yb23)層12
3において、各成分の好ましい添加割合は以下である。
Dy23の添加割合は、0.01wt%以上16.00
wt%以下である。また、Yb23の添加割合は、0.
01wt%以上17.00wt%以下である。それらD
23とYb23は、合計で10wt%以上20wt%
以下の割合で添加される。ZrO2は、80wt%以上
90wt%以下の割合で添加される。Dy23とYb2
3の添加割合が上述したように限定される理由は、合
計で10wt%未満では、ZrO2セラミックスの部分
安定化が充分でなく高温長時間安定性に劣る場合があ
り、また、合計で20wt%を超えると結晶構造が準安
定正方晶から立方晶主体となり、セラミックス層の強度
や靭性が大幅に低下して、耐熱サイクル性が低下する場
合があるからである。また、ZrO2−(Dy23+Y
23)層123の厚さは、0.1〜1.5mmである
のが好ましい。その理由は、0.1mmより薄いと遮熱
性が充分でない場合があり、1.5mmより厚いと耐久
性が著しく低下する場合があるからである。金属結合層
の厚さは、基材121とZrO2−(Dy23+Yb2
3)層123との熱膨張係数の差を小さくして熱応力を
緩和する機能を有する厚さであればよく、好ましくは
0.03〜1.0mmである。
【0046】ZrO2−(Dy23+Yb23)層12
3は、ZrO2−Dy23−Yb23粉末を用いて、大
気圧プラズマ溶射法もしくは電子ビーム物理蒸着法によ
り積層される。大気圧プラズマ溶射で使用されるZrO
2−Dy23−Yb23粉末は、例えば、以下の手順に
より製造される。図7は、ZrO2−Dy23−Yb2
3粉末の製造手順を示すフローチャートである。
【0047】まず、ZrO2粉末と所定の添加割合のD
23粉末と所定の添加割合のYb23粉末を用意し
(ステップS1)、適当なバインダーや分散剤とともに
ボールミルに入れて混合し(ステップS2)、スラリー
状にする(ステップS3)。それをスプレードライヤー
により粒状にして乾燥させた後(ステップS4)、拡散
熱処理により固溶化させ(ステップS5)、ZrO2
Dy23−Yb23の複合粉末を得る(ステップS
6)。この複合粉末をMCrAlY合金層122上に溶
射することによって、本発明にかかる遮熱コーティング
材を適用した遮熱コーティング膜が得られる。用いるバ
インダーとしては、特に限定されないが、水系や樹脂系
バインダーが挙げられる。用いる分散剤としては、粉体
を分散できるものであればよい。混合手段としては、ボ
ールミルに限られず、アトライター等の通常の方法を用
いることができる。造粒手段としては、スプレードライ
ヤーに限られず、溶融、粉砕等の通常の方法を用いるこ
とができる。また、電子ビーム物理蒸着で用いるインゴ
ットは、所定の組成を有する原料を焼結または電融固化
して使用する。
【0048】上述した構成の遮熱コーティング材は、産
業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒
や尾筒などの高温部品に適用して有用である。また、産
業用ガスタービンに限らず、車やジェット機などのエン
ジンの高温部品の遮熱コーティング膜にも適用できる。
【0049】本発明の第三の態様にかかるTBC用溶射
原料の実施の形態について説明する。図8は、本発明に
かかるTBC用溶射原料を溶射した遮熱コーティング膜
の構成の一例を示す断面図である。遮熱コーティング膜
は、動翼等の基材221の上に、耐食性および耐酸化性
に優れた金属結合層として、例えばMCrAlY合金層
222が積層され、さらにその上にトップコートとし
て、希土類酸化物で安定化させたZrO2(以下、Zr
2−希土類酸化物とする)層223が積層された構成
となっている。ここでMCrAlYのMは、NiやCo
やFe等の単独元素またはそれらの2種類以上の元素の
組み合わせである。ZrO2−希土類酸化物層223の
厚さは、好ましくは0.1〜1.5mmである。0.1
mmより薄いと遮熱性が充分でない場合があり、1.5
mmより厚いと耐久性が著しく低下する場合があるから
である。金属結合層の厚さは、基材221とZrO2
希土類酸化物層223との熱膨張係数の差を小さくして
熱応力を緩和する機能を有する厚さであればよく、好ま
しくは0.03〜1.0mmである。
【0050】MCrAlY合金層222は、基材221
とZrO2−希土類酸化物層223との熱膨張係数の差
を小さくして熱応力を緩和する機能を有し、ZrO2
希土類酸化物層223が基材221から剥離するのを防
いでいる。MCrAlY合金層222のMは、NiやC
oやFe等の単独元素または2種類以上の元素の組み合
わせである。MCrAlY合金層222は低圧プラズマ
溶射法または電子ビーム物理蒸着法により積層される。
【0051】ZrO2−希土類酸化物層223は、BE
T法の測定に基づく比表面積において、比表面積10m
2/g以上のジルコニア粉体と比表面積10m2/g以上
の希土類酸化物の粉体を添加してなる。比表面積10m
2/g以上の粉体とは、平均粒径がサブミクロンの粉体
である。サブミクロンの粉体は、従来の粉体と大きく異
なる特徴を有しており更なる検討が必要であるが、比表
面積の大きいジルコニア粉体と希土類酸化物の粉体を使
用するため、粒子同士が効果的に付着し、均一な混合が
可能となると考えられる。比表面積10m2/g以上の
ジルコニア粉体は、市販されている。現在、比表面積の
最大のものとして50m2/gまでのジルコニア粉体が
製造されており、好適に使用できる。比表面積10m2
/g以上の希土類酸化物の粉体は、希土類の炭酸塩を熱
分解して得られることが知られている。現在、比表面積
の最大のものとして30m2/gまでの希土類酸化物の
粉体が製造されており、好適に使用できる。例えば、炭
酸イットリウムや炭酸ジスプロシウム等の希土類の炭酸
塩を700〜1000℃で熱分解して得る。1000℃
を超えると粒子成長して粒径が大きくなり比表面積が小
さくなる場合があり、700℃未満では炭酸塩の分解が
不十分である場合がある。また、希土類酸化物の製造方
法としては、希土類のシュウ酸塩の熱分解が一般的であ
るが、シュウ酸塩の熱分解では比表面積が数m2/g程
度の希土類酸化物しか得られない。希土類酸化物として
は、好ましくは、イットリア(Y23)、ジスプロシア
(Dy23)、イッテルビア(Yb23)、ネオジア
(Nd23)、サマリア(Sm23)、ユーロピア(E
23)、ガドリア(Gd23)、エルビア(Er
23)、ルテシア(Lu23)等が挙げられ、単独また
はこれらの混合物として用いることができる。さらに好
ましくは、イットリア、ジスプロシア、イッテルビアで
ある。
【0052】ZrO2−希土類酸化物層223におい
て、希土類酸化物の含有量は、好ましくは3〜8モル%
であり、ZrO2の含有量は、好ましく92〜97モル
%である。これは、この組成領域では準安定正方晶T’
相と呼ばれる結晶構造が主体となり、これが高い耐久性
を示すからである。希土類酸化物の含有量が3モル未満
であると結晶構造的に単結晶が生じ、これが加熱冷却過
程で体積変化を起こし、耐久性が低下する場合があり、
8モル%を超えると結晶構造が立方晶となり耐久性が不
足する場合がある。
【0053】ZrO2−希土類酸化物層223は、Zr
2−希土類酸化物粉末を溶射することにより積層され
る。溶射法としては、通常の方法が用いられ特に限定さ
れないが、例えば、大気圧プラズマ溶射法、超高速フレ
ーム溶射法、低圧プラズマ溶射法等が挙げられる。溶射
に使用されるZrO2−希土類酸化物粉末は、以下の手
順により製造される。図9は、ZrO2−希土類酸化物
粉末の製造手順の一例を示すフローチャートである。
【0054】まず、それぞれ所定の比表面積を有するZ
rO2粉末と希土類酸化物粉末とを所定の添加割合で用
意し(ステップS1)、適当なバインダーや分散剤とと
もにボールミル等に入れて混合し(ステップS2)、ス
ラリー状にする(ステップS3)。それをスプレードラ
イヤー等により平均粒径10〜100μmに造粒した後
(ステップS4)、1300〜1600℃で1〜10時
間の条件で熱処理し(ステップS5)、ZrO2−希土
類酸化物の複合粉末を得る(ステップS6)。この複合
粉末をMCrAlY合金層222上に溶射することによ
って、本発明にかかるTBC用溶射原料を溶射した遮熱
コーティング膜が得られる。用いるバインダーとして
は、特に限定されないが、水系や樹脂系バインダーが挙
げられる。用いる分散剤としては、粉体を分散できるも
のであればよい。混合手段としては、ボールミルに限ら
れず、アトライター等の通常の方法を用いることができ
る。造粒手段としては、スプレードライヤーに限られ
ず、溶融、粉砕等の通常の方法を用いることができる。
【0055】上述した構成の遮熱コーティング材は、産
業用ガスタービンの動翼や静翼、あるいは燃焼器の内筒
や尾筒などの高温部品に適用して有用である。また、産
業用ガスタービンに限らず、車やジェット機などのエン
ジンの高温部品の遮熱コーティング膜にも適用できる。
【0056】図12および図13は、それぞれ上述した
本発明の第一、第二及び第三の態様の実施の形態にかか
る遮熱部材を適用可能なタービン翼を示す斜視図であ
る。図12に示すガスタービン動翼4は、デイスク側に
固定されるダブテイル41、プラットフォーム42、翼
部43等を備えている。また、図13に示すガスタービ
ン静翼5は、内シュラウド51、外シュラウド52、翼
部53等を備えており、翼部53には、シールフィン冷
却孔54、スリット55等が形成されている。これらガ
スタービン動翼4およびガスタービン静翼5は、いずれ
も図10に示すガスタービンに適用可能なものである。
【0057】図14に示すガスタービンについて簡単に
説明する。このガスタービン6は、互いに直結された圧
縮機61とタービン62とを備える。圧縮機61は例え
ば軸流圧縮機として構成されており、大気または所定の
ガスを吸込口から作動流体として吸い込んで昇圧させ
る。この圧縮機61の吐出口には、燃焼器63が接続さ
れており、圧縮機61から吐出された作動流体は、燃焼
器63によって所定のタービン入口温度まで加熱され
る。そして所定温度まで昇温された作動流体は、タービ
ン62に供給される。図10に示すように、タービン6
2のケーシング内部には、上述したガスタービン静翼5
が数段(図では4段)固定されている。また、上述した
ガスタービン動翼4が各静翼5と一組の段を形成するよ
うに主軸64に取り付けられている。主軸64の一端
は、圧縮機61の回転軸65に接続されており、その他
端には、図示しない発電機の回転軸に接続されている。
【0058】このような構成により、燃焼器63からタ
ービン62のケーシング内に高温高圧の作動流体を供給
すれば、ケーシング内で作動流体が膨張することによ
り、主軸64が回転し、図示しない発電機が駆動され
る。すなわち、ケーシングに固定されている各静翼5に
よって圧力降下させられ、これにより発生した運動エネ
ルギは、主軸64に取付けられた各動翼4を介して回転
トルクに変換される。そして、発生した回転トルクは、
主軸64に伝達され、発電機が駆動される。
【0059】一般に、ガスタービン動翼に用いられる材
料は、耐熱合金(たとえば、CM247LC=キャノン
マスケゴン社の市販の合金材料)であり、ガスタービ
ン静翼に用いられる材料は、同様に耐熱合金(たとえば
IN939=インコ社の市販の合金材料)である。すな
わち、タービン翼を構成する材料は、本発明による遮熱
部材において基材として採用可能な耐熱合金が使用され
ている。したがって、本発明による遮熱部材をタービン
翼へ被覆すれば、遮熱効果と耐剥離性の高いタービン翼
を得ることができ、温度環境をより高くしかも耐久性の
良いものとなり、ロングライフ化が可能となる。また、
作動流体の温度を高めることにより、ガスタービン効率
を向上させることも可能となる。
【0060】上述した本発明の第一の態様にかかる実施
の形態によれば、トップコートが、多孔質でかつ厚さ方
向に伸びる微細なき裂24を有する部分安定化ZrO2
よりなるセラミックス層23でできているため、従来よ
りも高い遮熱効果と高い耐剥離性が得られる。したがっ
て、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性
を有する遮熱コーティング材が得られる。
【0061】また、上述した本発明の第一の態様にかか
る実施の形態によれば、セラミックス層23を積層した
後、レーザービーム25の照射によりセラミックス層2
3に微細なき裂24を生じさせるため、極めて簡便かつ
低コストで遮熱コーティング材を形成することができ
る。また、ガスタービン部材などの熱的に厳しい箇所に
のみ選択的に本方法を適用することができる。
【0062】また、ガスタービンの高温部品などをこの
遮熱コーティング材で被覆することによって、温度環境
が従来よりも高温であっても十分な耐久性を有するガス
タービン部材等を得ることができる。
【0063】上述した本発明の第二の態様にかかる実施
の形態によれば、トップコートが、YSZよりも遮熱効
果が高いDySZと、YSZよりも耐剥離性が高いYb
SZとの複合材料であるZrO2−(Dy23+Yb2
3)層123により構成されているため、従来よりも高
い遮熱効果と高い耐剥離性が得られる。したがって、温
度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性を有す
る遮熱コーティング材が得られる。また、ガスタービン
の高温部品などをこの遮熱コーティング材で被覆するこ
とによって、温度環境が従来よりも高温であっても十分
な耐久性を有するガスタービン部材等を得ることができ
る。
【0064】上述した本発明の第三の態様にかかる実施
の形態によれば、トップコートが、比表面積が10m2
/g以上、好ましくは10〜50m2/gのジルコニア
と、比表面積が10m2/g以上、好ましくは10〜3
0m2/gの希土類酸化物とを均一に混合してなるTB
C用溶射原料を溶射して得られるZrO2−希土類酸化
物層223により構成されているため、従来よりも安定
化度の高い安定化ジルコニア層となっている。したがっ
て、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性
を有する遮熱コーティング材が得られる。また、ガスタ
ービンの高温部品などをこの遮熱コーティング材で被覆
することによって、温度環境が従来よりも高温であって
も十分な耐久性を有するガスタービン部材等を得ること
ができる。
【0065】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて本発明
の特徴とするところを明らかとする。以下の各実施例お
よび各比較例では、基材である耐熱合金としてNi基合
金(Ni−16Cr−8.5Co−1.7Mo−2.6
W−1.7Ta−0.9Nb−3.4Al−3.4T
i)を用いた。基材のサイズは30mm角で厚さ5mm
とした。また、金属結合層はCoNiCrAlY(Co
−32Ni−21Cr−8Al−0.5Y)とした。
【0066】実施例1〜15 以下に示すNo.1〜15の試料を作製した。 (試料No.1)基材の表面をAl23粒でグリッドブ
ラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適した状態にし
た。ついで、CoNiCrAlY合金層を低圧プラズマ
溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、添
加剤として8wt%のY23を用いて部分安定化させた
多孔質の部分安定化ZrO2よりなるセラミックス層を
大気圧プラズマ溶射法により0.5mmの厚さで成膜し
た。その後、基材の裏面を冷却しながら、セラミックス
層の表面に、炭酸ガスレーザーによるレーザービームを
1回あたり30秒間ずつ100回照射し、繰り返しの熱
サイクルを与えた。その際、セラミックス層の表面は最
高で1400℃に加熱した。レーザービームの1箇所あ
たりの照射面積は、177mm2(ビーム径15mm)
であった。その後、試料全体を室温まで冷却した。
【0067】(試料No.2)基材の表面をAl23
でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適し
た状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を低
圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。
ついで、安定化剤として8wt%のY23を用いて部分
安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2よりなるセラ
ミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mmの
厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却しながら、
セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーによるレー
ザービームを1回あたり30秒間ずつ800回照射し、
セラミックス層の表面を1000℃に加熱した。レーザ
ービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0068】(試料No.3)基材の表面をAl23
でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適し
た状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を低
圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。
ついで、安定化剤として8wt%のY23を用いて部分
安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2よりなるセラ
ミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mmの
厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却しながら、
セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーによるレー
ザービームを1回あたり30秒間ずつ5回照射し、セラ
ミックス層の表面を1700℃に加熱した。レーザービ
ームの1箇所あたりの照射面積は、177mm2(ビー
ム径φ15mm)であった。その後、試料全体を室温ま
で冷却した。
【0069】(試料No.4)基材の表面をAl23
でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適し
た状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を低
圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。
ついで、安定化剤として10wt%のDy23を用いて
部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2よりなる
セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5m
mの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却しなが
ら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーによる
レーザービームを1回あたり30秒間ずつ100回照射
し、セラミックス層の表面を1400℃に加熱した。レ
ーザービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0070】(試料No.5)基材の表面をAl23
でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適し
た状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を低
圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。
ついで、安定化剤として10wt%のDy23を用いて
部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2よりなる
セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5m
mの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却しなが
ら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーによる
レーザービームを1回あたり30秒間ずつ800回照射
し、セラミックス層の表面を1000℃に加熱した。レ
ーザービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0071】(試料No.6)基材の表面をAl23
でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適し
た状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を低
圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。
ついで、安定化剤として10wt%のDy23を用いて
部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2よりなる
セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5m
mの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却しなが
ら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーによる
レーザービームを1回あたり30秒間ずつ5回照射し、
セラミックス層の表面を1700℃に加熱した。レーザ
ービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0072】(試料No.7)基材の表面をAl23
でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適し
た状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を低
圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。
ついで、安定化剤として12wt%のDy23を用いて
部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2よりなる
セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5m
mの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却しなが
ら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーによる
レーザービームを1回あたり30秒間ずつ100回照射
し、セラミックス層の表面を1400℃に加熱した。レ
ーザービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0073】(試料No.8)基材の表面をAl23
でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適し
た状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を低
圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。
ついで、安定化剤として12wt%のDy23を用いて
部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2よりなる
セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5m
mの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却しなが
ら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーによる
レーザービームを1回あたり30秒間ずつ800回照射
し、セラミックス層の表面を1000℃に加熱した。レ
ーザービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0074】(試料No.9)基材の表面をAl23
でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適し
た状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を低
圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。
ついで、安定化剤として12wt%のDy23を用いて
部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2よりなる
セラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.5m
mの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却しなが
ら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーによる
レーザービームを1回あたり30秒間ずつ5回照射し、
セラミックス層の表面を1700℃に加熱した。レーザ
ービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0075】(試料No.10)基材の表面をAl2
3 粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に
適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層
を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜し
た。ついで、安定化剤として14wt%のYb23を用
いて部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2より
なるセラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.
5mmの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却し
ながら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーに
よるレーザービームを1回あたり30秒間ずつ100回
照射し、セラミックス層の表面を1400℃に加熱し
た。レーザービームの1箇所あたりの照射面積は、17
7mm2 (ビーム径φ15mm)であった。その後、試
料全体を室温まで冷却した。
【0076】(試料No.11)基材の表面をAl23
粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適
した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を
低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜し
た。ついで、安定化剤として14wt%のYb23を用
いて部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2より
なるセラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.
5mmの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却し
ながら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーに
よるレーザービームを1回あたり30秒間ずつ800回
照射し、セラミックス層の表面を1000℃に加熱し
た。レーザービームの1箇所あたりの照射面積は、17
7mm2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試
料全体を室温まで冷却した。
【0077】(試料No.12)基材の表面をAl23
粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適
した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を
低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜し
た。ついで、安定化剤として14wt%のYb23を用
いて部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2より
なるセラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.
5mmの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却し
ながら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーに
よるレーザービームを1回あたり30秒間ずつ5回照射
し、セラミックス層の表面を1700℃に加熱した。レ
ーザービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0078】(試料No.13)基材の表面をAl23
粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適
した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を
低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜し
た。ついで、安定化剤として16wt%のYb23を用
いて部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2より
なるセラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.
5mmの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却し
ながら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーに
よるレーザービームを1回あたり30秒間ずつ100回
照射し、セラミックス層の表面を1400℃に加熱し
た。レーザービームの1箇所あたりの照射面積は、17
7mm2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試
料全体を室温まで冷却した。
【0079】(試料No.14)基材の表面をAl23
粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適
した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を
低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜し
た。ついで、安定化剤として16wt%のYb23を用
いて部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2より
なるセラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.
5mmの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却し
ながら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーに
よるレーザービームを1回あたり30秒間ずつ800回
照射し、セラミックス層の表面を1000℃に加熱し
た。レーザービームの1箇所あたりの照射面積は、17
7mm2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試
料全体を室温まで冷却した。
【0080】(試料No.15)基材の表面をAl23
粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適
した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金層を
低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜し
た。ついで、安定化剤として16wt%のYb23を用
いて部分安定化させた多孔質の部分安定化ZrO2より
なるセラミックス層を大気圧プラズマ溶射法により0.
5mmの厚さで成膜した。その後、基材の裏面を冷却し
ながら、セラミックス層の表面に、炭酸ガスレーザーに
よるレーザービームを1回あたり30秒間ずつ5回照射
し、セラミックス層の表面を1700℃に加熱した。レ
ーザービームの1箇所あたりの照射面積は、177mm
2(ビーム径φ15mm)であった。その後、試料全体
を室温まで冷却した。
【0081】比較例1 比較として、つぎのNo.16の試料を作製した。 (試料No.16)基材の表面をAl23粒でグリッド
ブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適した状態にし
た。ついで、CoNiCrAlY合金層を低圧プラズマ
溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、安
定化剤として8wt%のY23を用いて部分安定化褪せ
た多孔質の部分安定化ZrO2よりなるセラミックス層
を大気圧プラズマ溶射法により0.5mmの厚さで成膜
した。
【0082】上述したNo.1〜15の試料のトップコ
ートの組成、厚さおよびレーザー照射条件を表1に示
す。
【表1】
【0083】つぎに、上述したNo.1〜16の試料に
ついて、図10に示す燃焼ガス式熱サイクル試験による
耐久性評価試験を実施した。この装置では、燃焼ガスバ
ーナ31により試験片32の遮熱コーティング膜33の
表面を約1200℃以上に加熱するとともに、金属結合
層とトップコートとの界面の温度を800〜900℃
と、実機ガスタービンと同様の温度条件に設定すること
ができる。
【0084】耐久性評価試験では、各試料について、遮
熱コーティング膜33の表面温度を1400℃とした。
加熱パターンは、室温から1400℃まで5分間で昇温
させ、1400℃で5分間保持し、その後、燃焼ガスを
止めて10分間冷却するパターンを1サイクルとした。
冷却時の試験片の温度は100℃以下である。この熱サ
イクル試験でトップコートに剥離が生じるまでの回数に
より耐久性を評価した。
【0085】試験結果を表2に示す。
【表2】
【0086】表2より明らかなように、実施例の各試料
No.1〜15は、いずれも1500回の熱サイクルで
は剥離しなかった。それに対して、比較例の試料No.
16は475回の熱サイクルで剥離した。したがって、
トップコートを微細なき裂を有する多孔質ZrO2 系セ
ラミックス層で構成することにより、より高温での耐久
性に優れることが確認された。
【0087】また、実施例の各試料No.1〜15につ
いて、セラミックス層の気孔率、密度、熱伝導率、およ
びセラミックス層の断面における単位長さ(1mm)あ
たりのき裂の数を調べた。その結果を表3に示す。
【表3】
【0088】実施例101〜136 以下に示すNo.101〜136の試料を作製した。 (試料No.101)基材の表面をAl23粒でグリッ
ドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射に適した状態に
した。ついで、CoNiCrAlY合金層を低圧プラズ
マ溶射法により0.1mmの厚さで成膜した。ついで、
ZrO2−10wt%Dy23−0.1wt%Yb23
層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mmの厚さで成
膜した。
【0089】(試料No.102)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−10wt%Dy23−6wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0090】(試料No.103)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−10wt%Dy23−10w
t%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5m
mの厚さで成膜した。
【0091】(試料No.104)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−12wt%Dy23−0.1
wt%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5
mmの厚さで成膜した。
【0092】(試料No.105)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−12wt%Dy23−6wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0093】(試料No.106)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−12wt%Dy23−8wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0094】(試料No.107)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−14wt%Dy23−0.1
wt%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5
mmの厚さで成膜した。
【0095】(試料No.108)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−14wt%Dy23−4wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0096】(試料No.109)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−14wt%Dy23−6wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0097】(試料No.110)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−0.1wt%Dy23−12
wt%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5
mmの厚さで成膜した。
【0098】(試料No.111)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−6wt%Dy23−12wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0099】(試料No.112)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−8wt%Dy23−12wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0100】(試料No.113)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−0.1wt%Dy23−14
wt%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5
mmの厚さで成膜した。
【0101】(試料No.114)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−4wt%Dy23−14wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0102】(試料No.115)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−6wt%Dy23−14wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0103】(試料No.116)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−0.1wt%Dy23−16
wt%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5
mmの厚さで成膜した。
【0104】(試料No.117)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−2wt%Dy23−16wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0105】(試料No.118)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−4wt%Dy23−16wt
%Yb23層を大気圧プラズマ溶射法により0.5mm
の厚さで成膜した。
【0106】(試料No.119)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−10wt%Dy2
3−0.1wt%Yb23層を電子ビーム物理蒸着法
により0.5mmの厚さで成膜した。
【0107】(試料No.120)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−10wt%Dy2
3−6wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0108】(試料No.121)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−10wt%Dy2
3−10wt%Yb23層を電子ビーム物理蒸着法に
より0.5mmの厚さで成膜した。
【0109】(試料No.122)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−12wt%Dy2
3−0.1wt%Yb23層を電子ビーム物理蒸着法
により0.5mmの厚さで成膜した。
【0110】(試料No.123)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−12wt%Dy2
3−6wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0111】(試料No.124)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−12wt%Dy2
3−8wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0112】(試料No.125)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−14wt%Dy2
3−0.1wt%Yb23層を電子ビーム物理蒸着法
により0.5mmの厚さで成膜した。
【0113】(試料No.126)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−14wt%Dy2
3−4wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0114】(試料No.127)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−14wt%Dy2
3−6wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0115】(試料No.128)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−0.1wt%D
23−12wt%Yb23層を電子ビーム物理蒸着法
により0.5mmの厚さで成膜した。
【0116】(試料No.129)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−6wt%Dy2
3−12wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0117】(試料No.130)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−8wt%Dy2
3−12wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0118】(試料No.131)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−0.1wt%D
23−14wt%Yb23層を電子ビーム物理蒸着法
により0.5mmの厚さで成膜した。
【0119】(試料No.132)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−4wt%Dy2
3−14wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0120】(試料No.133)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−6wt%Dy2
3−14wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0121】(試料No.134)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−0.1wt%D
23−16wt%Yb23層を電子ビーム物理蒸着法
により0.5mmの厚さで成膜した。
【0122】(試料No.135)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−2wt%Dy2
3−16wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0123】(試料No.136)基材の表面をAl2
3粒でグリッドブラスト処理して、低圧プラズマ溶射
に適した状態にした。ついで、CoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、表面研磨をおこない電子ビーム物理蒸着
法に適した状態とした後に、ZrO2−4wt%Dy2
3−16wt%Yb2 3層を電子ビーム物理蒸着法によ
り0.5mmの厚さで成膜した。
【0124】比較例101 比較として、つぎのNo.137の試料を作製した。 (試料No.137)基材上にCoNiCrAlY合金
層を低圧プラズマ溶射法により0.1mmの厚さで成膜
した。ついで、ZrO2−8wt%Y23層を大気圧プ
ラズマ溶射法により0.5mmの厚さで成膜した。以上
の試料No.101〜137はいずれも成膜後、850
℃で24時間、真空熱処理を行っている。
【0125】上述したNo.101〜137の試料のト
ップコートの組成、積層方法および厚さを表4に示す。
【表4】
【0126】つぎに、上述したNo.101〜137の
試料について、図10に示す燃焼ガス式熱サイクル試験
による耐久性評価試験を実施した。この装置では、燃焼
ガスバーナ31により試験片32の遮熱コーティング膜
33の表面を約1200℃以上に加熱するとともに、金
属結合層とトップコートとの界面の温度を800〜90
0℃と、実機ガスタービンと同様の温度条件に設定する
ことができる。
【0127】耐久性評価試験では、各試料について、遮
熱コーティング膜33の表面温度を1400℃とし、遮
熱コーティング膜33の金属結合層とトップコートとの
界面温度を900℃に設定した。加熱パターンは、室温
から1400℃まで5分間で昇温させ、1400℃で5
分間保持し、その後、燃焼ガスを止めて10分間冷却す
るパターンを1サイクルとした。冷却時の試験片の温度
は100℃以下である。この熱サイクル試験でトップコ
ートに剥離が生じるまでの回数により耐久性を評価し
た。
【0128】試験結果を表5に示す。
【表5】
【0129】表5より明らかなように、実施例の各試料
No.101〜136は、いずれも1500回の熱サイ
クルでは剥離しなかった。それに対して、比較例の試料
No.137は475回の熱サイクルで剥離した。した
がって、トップコートをZrO2−(Dy23+Yb2
3)層で構成することにより、より高温での耐久性に優
れることが確認された。
【0130】
【発明の効果】本発明の第一の態様にかかる遮熱コーテ
ィング材によれば、トップコートが、多孔質でかつ厚さ
方向に伸びる微細なき裂を有する部分安定化ZrO2
りなるセラミックス層でできているため、従来の多孔質
の遮熱コーティングと同等の高い遮熱効果と電子ビーム
物理蒸着による遮熱コーティングと同等の高い耐剥離性
が得られる。したがって、温度環境が従来よりも高温で
あっても十分な耐久性を有する遮熱コーティング材が得
られる。
【0131】また、本発明の第一の態様にかかる遮熱コ
ーティング材の製造方法によれば、セラミックス層を積
層した後、レーザービームのパルス照射によりセラミッ
クス層に微細な縦割れき裂を生じさせるため、極めて簡
便かつ低コストで遮熱コーティング材を形成することが
できる。また、ガスタービン部材などの熱的に厳しい箇
所にのみ選択的に本方法を適用することができる。
【0132】また、本発明の第一の態様にかかるガスタ
ービン部材によれば、遮熱コーティング膜のトップコー
トが、多孔質でかつ厚さ方向に伸びる微細なき裂を有す
る部分安定化ZrO2よりなるセラミックス層でできて
おり、その遮熱コーティング膜により被覆されているた
め、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性
を有するガスタービン部材が得られる。なお、微細な縦
割れを導入する方法は、CO2ガスレーザを用いたが、
これ以外にプラズマ炎、YAGレーザ、電子ビームなど
の加熱源を用いることができるのは、自明の理である。
【0133】本発明の第一の態様にかかるガスタービン
は、上記高耐久・高遮熱コーティングを適用することに
より、ガスタービンのタービン入口温度を上昇させるこ
と、および冷却空気量を低減することが可能となり、ガ
スタービンの熱効率向上に寄与することができる。ま
た、既設のガスタービンに適用した場合、遮熱コーティ
ングの遮熱効果や耐久性が高いことから、高温部品のよ
り一層の長寿命化を図ることができる。
【0134】本発明の第二の態様にかかる遮熱コーティ
ング材によれば、トップコートが、YSZよりも遮熱効
果が高いDySZと、YSZよりも耐剥離性が高いYb
SZとの複合材料により構成されているため、従来より
も高い遮熱効果と高い耐剥離性が得られる。したがっ
て、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久性
を有する遮熱コーティング材が得られる。
【0135】また、本発明の第二の態様にかかるガスタ
ービン部材によれば、遮熱コーティング膜のトップコー
トが、YSZよりも遮熱効果が高いDySZと、YSZ
よりも耐剥離性が高いYbSZとの複合材料で構成され
ており、その遮熱コーティング膜により被覆されている
ため、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久
性を有するガスタービン部材が得られる。
【0136】本発明の第二の態様にかかるガスタービン
は、上記高耐久・高遮熱コーティングを適用することに
より、ガスタービンのタービン入口温度を上昇させるこ
と、および冷却空気量を低減することが可能となり、ガ
スタービンの熱効率向上に寄与することができる。ま
た、既設のガスタービンに適用した場合、遮熱コーティ
ングの遮熱効果や耐久性が高いことから、高温部品のよ
り一層の長寿命化を図ることができる。
【0137】また、本発明の第三の態様にかかるガスタ
ービン部材によれば、遮熱コーティング膜のトップコー
トが、比表面積が10m2/g以上のジルコニアと、比
表面積が10m2/g以上の希土類酸化物とを混合して
なるTBC用溶射原料を溶射して得られるZrO2−希
土類酸化物層により構成されているため、従来よりも安
定化度の高い安定化ジルコニア層となっている。したが
って、温度環境が従来よりも高温であっても十分な耐久
性を有するガスタービン部材が得られる。
【0138】本発明の第三の態様にかかるガスタービン
は、上記高耐久・高遮熱コーティングを適用することに
より、ガスタービンのタービン入口温度を上昇させるこ
と、および冷却空気量を低減することが可能となり、ガ
スタービンの熱効率向上に寄与することができる。ま
た、既設のガスタービンに適用した場合、遮熱コーティ
ングの遮熱効果や耐久性が高いことから、高温部品のよ
り一層の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の態様にかかる遮熱コーティング
膜の構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる遮熱コーティング膜の製造手順
の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第一の態様にかかる遮熱コーティング
膜の製造段階の一状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第一の態様にかかる遮熱コーティング
膜の製造段階の一状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第一の態様にかかる遮熱コーティング
膜の製造段階の一状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第二の態様にかかる遮熱コーティング
膜の構成の一例を示す断面図である。
【図7】ZrO2−Dy23−Yb23粉末の製造手順
の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第三の態様にかかる遮熱コーティング
膜の構成の一例を示す断面図である。
【図9】ZrO2−希土類酸化物粉末の製造手順の一例
を示すフローチャートである。
【図10】実施例および比較例について実施した燃焼ガ
ス式熱サイクル試験の概略を示す図である。
【図11】従来の遮熱コーティング膜の構成を示す断面
図である。
【図12】本発明にかかる遮熱コーティング膜を適用し
たガスタービン動翼の斜視図である。
【図13】本発明にかかる遮熱コーティング膜を適用し
たガスタービン静翼の斜視図である。
【図14】本発明にかかる遮熱コーティング膜を適用し
たガスタービンを示す概略構成図である。
【符号の説明】
11 基材 12 金属結合層 13 セラミックス層 21 基材 22 金属結合層 23 多孔質ZrO2系セラミックス層 24 微細縦割れき裂 25 レーザービーム 121 基材 122 金属結合層(MCrAlY合金層) 123 ZrO2−(Dy23+Yb23)層 221 基材 222 金属結合層(MCrAlY合金層) 223 ZrO2−希土類酸化物層 4 動翼 41 ダブテイル 42 プラットフォーム 43 翼部 5 静翼 51 内シュラウド 52 外シュラウド 53 翼部 54 シールフィン冷却孔 55 スリット 6 ガスタービン 61 圧縮機 62 タービン 63 燃焼器 64 主軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02C 7/00 F02C 7/00 C F23R 3/42 F23R 3/42 C (72)発明者 岡田 郁生 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 青木 素直 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 高橋 孝二 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 大原 稔 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 平田 武彦 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 金子 秀明 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 3G002 EA05 GA10 GB03 4K031 AA02 AA08 AB02 AB03 AB08 AB11 CA01 CA03 CB09 CB15 CB42 DA04 FA01 FA13

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の上に金属結合層を積層し、前記金
    属結合層の上に、多孔質でかつ厚さ方向に伸びる微細な
    き裂を有する部分安定化ZrO2よりなるセラミックス
    層を積層したことを特徴とする遮熱コーティング材。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス層の多孔質部分におけ
    る気孔率は、1%以上30%以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の遮熱コーティング材。
  3. 【請求項3】 前記セラミックス層の多孔質部分におけ
    る密度は、4g/mm3以上6.5g/mm3以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮熱コ
    ーティング材。
  4. 【請求項4】 前記セラミックス層の熱伝導率は、0.
    5w/m・K以上5w/m・K以下であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の遮熱コーティング
    材。
  5. 【請求項5】 前記セラミックス層の断面における単位
    長さ(1mm)あたりの前記き裂の数は、1本以上10
    本以下であることを特徴とする請求項1に記載の遮熱コ
    ーティング材。
  6. 【請求項6】 基材の表面に金属結合層を積層する工程
    と、前記金属結合層の表面にセラミックス層を積層する
    工程と、前記基材の裏面を冷却しながら、前記セラミッ
    クス層の表面にレーザービームを照射して加熱すること
    により、前記セラミックス層に、その厚さ方向に伸びる
    微細なき裂を生じさせる工程と、を含むことを特徴とす
    る遮熱コーティング材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記セラミックス層の表面に前記レーザ
    ービームを10mm以上40mm以下の径で照射するこ
    とを特徴とする請求項6に記載の遮熱コーティング材の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記レーザービームの照射により、前記
    セラミックス層の表面を1000℃以上1700℃以下
    の温度に加熱することを特徴とする請求項6又は請求項
    7に記載の遮熱コーティング材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記レーザービームを、部分安定化Zr
    2の相変態や焼結が起こらない範囲で、5回以上10
    00回以下の回数で照射することを特徴とする請求項6
    〜8のいずれかに記載の遮熱コーティング材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 気孔率が、1%以上30%以下のセラ
    ミックス層を積層することを特徴とする請求項6〜9の
    いずれかに記載の遮熱コーティング材の製造方法。
  11. 【請求項11】 密度が、4g/mm3以上6.5g/
    mm3以下のセラミックス層を積層することを特徴とす
    る請求項6〜10のいずれかに記載の遮熱コーティング
    材の製造方法。
  12. 【請求項12】 熱伝導率が、0.5w/m・K以上5
    w/m・K以下となるように前記き裂を生じさせること
    を特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の遮熱コ
    ーティング材の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記セラミックス層の断面における単
    位長さ(1mm)あたりの前記き裂の数が、1本以上1
    0本以下となるように前記き裂を生じさせることを特徴
    とする請求項6〜12のいずれかに記載の遮熱コーティ
    ング材の製造方法。
  14. 【請求項14】 基材の上に金属結合層を積層し、前記
    金属結合層の上に、添加剤としてDy23およびYb2
    3を添加して部分安定化させた部分安定化ジルコニア
    よりなるセラミックス層を積層したことを特徴とする遮
    熱コーティング材。
  15. 【請求項15】 前記Dy23の添加割合は、0.01
    wt%以上16.00wt%以下であり、前記Yb23
    の添加割合は、0.01wt%以上17.00wt%以
    下であり、かつDy23の添加割合とYb23の添加割
    合との合計は10wt%以上20wt%以下であり、安
    定化剤以外のZrO2の添加割合は、80wt%以上9
    0wt%以下であることを特徴とする請求項14に記載
    の遮熱コーティング材。
  16. 【請求項16】 前記セラミックス層は、ZrO2
    末、Dy23粉末およびYb23粉末を混合し、それを
    固溶化させてなるZrO2−Dy23−Yb2 3粉末の
    溶射により形成された皮膜であることを特徴とする請求
    項14または請求項15に記載の遮熱コーティング材。
  17. 【請求項17】 前記セラミックス層は、所定の組成を
    有するインゴットを電子ビーム物理蒸着により形成され
    た皮膜であることを特徴とする請求項14〜16のいず
    れかに記載の遮熱コーティング材。
  18. 【請求項18】 請求項1〜5と請求項14〜17とい
    ずれかに記載の遮熱コーティング材を用いるガスタービ
    ン部材。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のガスタービン部材
    を含むガスタービン。
  20. 【請求項20】 比表面積10m2/g以上のジルコニ
    ア粉体と比表面積10m2/g以上の希土類酸化物の粉
    体を添加してなるTBC用溶射原料。
  21. 【請求項21】 比表面積10m2/g以上のジルコニ
    ア粉体と比表面積10m2/g以上の希土類酸化物の粉
    体とをバインダー又は分散剤とともに混合し、スラリー
    状にした後、平均粒径10〜100μmに造粒し、13
    00〜1600℃で1〜10時間の条件で熱処理するこ
    とを特徴とするTBC用溶射原料の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載のTBC用溶射原料
    を溶射して得られる被膜を有するガスタービン部材。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載のガスタービン部材
    を有するガスタービン。
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