JP2003225983A - 白色積層ポリエステルフィルム - Google Patents

白色積層ポリエステルフィルム

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JP2003225983A
JP2003225983A JP2002342705A JP2002342705A JP2003225983A JP 2003225983 A JP2003225983 A JP 2003225983A JP 2002342705 A JP2002342705 A JP 2002342705A JP 2002342705 A JP2002342705 A JP 2002342705A JP 2003225983 A JP2003225983 A JP 2003225983A
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film
resin
polyester film
white
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JP2002342705A
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Katsufumi Kumano
勝文 熊野
Chikao Morishige
地加男 森重
Eiji Kumagai
栄二 熊谷
Toshiyuki Shimizu
敏之 清水
Yasushi Sasaki
靖 佐々木
Mutsuo Nishi
睦夫 西
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色性、インキ密着性、耐水インキ密着性、
帯電防止性、耐擦り傷性、貼り合わせ後の耐剥離応力
性、に優れた情報記録材料や印刷材料、特にICカード
用基材として好適な白色積層ポリエステルフィルムを提
供する。 【解決手段】 ポリエステル樹脂層(B層)の両面にポ
リエステル樹脂層(A層)を積層した3層の白色積層二
軸延伸ポリエステルフィルムを基材とし、該基材の少な
くとも片面に被覆層(C層)を設けた白色積層ポリエス
テルフィルムであって、A層とB層との白色顔料の含有
量の差が5.0質量%以下であり、さらに前記C層は変
性樹脂及び高分子系帯電防止剤を含有し、破断強度が1
0〜100MPaであり、かつ表面固有抵抗値が1×1
6〜1×1013Ω/□であることを特徴とする白色積
層ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3層構造の白色積
層二軸延伸ポリエステルフィルムを基材とし、該基材の
少なくとも片面に被覆層を設けた白色積層ポリエステル
フィルムに関する。より詳しくは、白色性、インキ密着
性、耐水インキ密着性、帯電防止性、耐擦り傷性、貼り
合わせ後の耐剥離応力性、に優れた情報記録材料や印刷
材料、特にICカード用基材として好適な白色積層ポリ
エステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械
的性質、電気的性質、寸法安定性等の優れた特性を有す
ることから、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、
感光材料、製図材料、写真材料等多くの分野の基材フィ
ルムとして使用されている。
【0003】しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの表面は高度に結晶配向されているため、各種塗
料、接着剤、インキ等との接着性が乏しい等の欠点を有
している。特に、白色性を付与するために白色顔料を含
有する二軸延伸ポリエステルフィルムを使用するラベル
用途や磁気カードやICカードなどのカード用途等で
は、その最終製品の使用状態や保管状態が各個人によっ
て大きく異なり、例えば保管中にラベルやカードが一時
的にではあるが、折れ曲がる状態を経ることがある。こ
の時、基材フィルムと被覆物(印刷インキ層や磁気記録
層等)との接着性が乏しいと、界面で剥離し製品外観を
損なう、あるいはカードとしての機能を失うことにな
る。そのため、従来からポリエステルフィルム表面に種
々の方法により接着性を付与する検討がなされてきた。
【0004】フィルム表面に接着性を付与する方法とし
ては、基材のポリエステルフィルム表面にコロナ放電処
理する方法、紫外線を照射する方法、プラズマ処理を行
う方法等による表面活性化法、酸、アルカリ、アミン水
溶液等による表面エッチング法、フィルム表面にアクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の各種樹脂
を塗布層として設ける方法が知られている(例えば、特
許文献1、2、3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開昭55−15825号公報
【特許文献2】特開昭58−78761号公報
【特許文献3】特開昭60−248232号公報
【0006】特に、塗布法によって被覆層を設け、結晶
配向が完了する前のポリエステルフィルムに上記樹脂成
分を含有する塗布液を塗布し、乾燥後、少なくとも一方
向に延伸し、熱処理を施して結晶配向を完了させる方法
(インラインコート法)が一般的に行われている。
【0007】ポリエステル樹脂を含む水性塗剤を二軸延
伸ポリエステルフィルムに塗布する方法に関しても多数
知られている(例えば、特許文献4、5)。
【0008】
【特許文献4】特開昭50−39375号公報
【特許文献5】特開昭60−11358号公報
【0009】しかしながら、従来のポリエステル樹脂の
水性塗剤より形成された被覆層は、基材のポリエステル
フィルムとの接着性は優れるが、印刷インキ等の被覆物
との密着性、さらには折り曲げた際の接着性に乏しいと
いう欠点があった。
【0010】従来の各種インキ密着性タイプのポリエス
テル系被覆フィルムにおいても、基材ポリエステルフィ
ルムの表面に、特定の樹脂からなる被覆層を設けた方法
が多く見られる。前記被覆層の構成樹脂としては、例え
ば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びア
クリル系樹脂等を、単一あるいは2種以上混合したも
の、また前記樹脂と特定の架橋剤(メラミン、イソシア
ネート等)とを混合したものなどが挙げられる。
【0011】しかしながら、前記被覆層の多くは、酸化
重合(あるいは溶剤)タイプのインキとの密着性は良好
であるが、紫外線硬化タイプのインキ(以下、UV硬化
インキと略す場合がある)の密着性に劣ったり、逆にU
V硬化インキとの密着性は良好であるが、酸化重合(あ
るいは溶剤)タイプのインキの密着性に劣ったりなど、
いずれのインキに対しても密着性に優れた被覆層は得ら
れていないのが現状である。
【0012】また、インキとの密着性に優れた被覆層は
インキとの親和性を高めるために被覆層のガラス転移温
度を室温以下としたものが多く、このため、一般には傷
などが入りやすくなる等の問題がある。さらに白色ポリ
エステルフィルムの場合には白色顔料等が添加されてお
り、通常の透明フィルムと比較すると、最終的に得られ
るフィルム表面が硬く脆くなる傾向があり、柔らかい、
または、脆い通常の被覆層では特に傷が付きやすくなる
問題があった。
【0013】さらに、ラベルやカード基材として用いる
場合には、どのような流通時の保存環境や使用環境下に
おいても、インキ密着性ができるだけ変化しないことが
要求される用途もある。その用途で使用する場合、易接
着層には高温高湿下でのインキ密着性にも優れているこ
とも要求されるが、インキの種類に関わらずインキ密着
性に優れ、且つ高温高湿下でのインキ密着性にも優れる
という積層ポリエステルフィルムは従来の易接着ポリエ
ステルフィルムでは得られていない。
【0014】また、基材のポリエステルフィルム、及び
接着性改良のために被覆層を設けた易接着ポリエステル
フィルムは、いずれも帯電しやすく、製膜工程でのトラ
ブルのみならず、加工工程における静電気障害を引き起
こし易いという欠点もあった。
【0015】これらの静電気による問題を改善するため
に、アルキルベンゼンスルホン酸塩基やアルキルリン酸
塩基などの低分子量化合物や界面活性剤タイプ等の帯電
防止剤を基材フィルム中に含有させたり、塗剤中に帯電
防止剤を配合して基材フィルムに塗布させたりすること
が一般に行われている。しかしながら、上記の低分子量
化合物は、その含有量が少ないと帯電防止性に劣り、ま
た良好な帯電防止性を得るために含有量を多くすると、
逆に低分子量化合物がフィルム表面や界面にブリードア
ウトして接着性が悪化するという問題があった。
【0016】一方、白色二軸延伸ポリエステルフィルム
を貼り合わせて使用する情報記録材料や印刷材料、特に
ICカード用基材においては、白色性、帯電防止性、イ
ンキ密着性に優れることが必要であるが、それ以外に加
工工程やいかなる使用環境下でもカードとしての機能が
維持できるような耐久性が要望されている。具体的に
は、貼り合わせ後の耐剥離応力性、印刷層などを積層す
る加工工程における耐擦り傷性、高温・高湿下で放置後
のインキ密着性などが要望されているが、現状ではすべ
ての品質を満足するものが得られていないのが実状であ
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解消し、白色性、インキ密着性、耐水
密着性、帯電防止性、耐擦り傷性、貼り合わせ後の耐剥
離応力性、に優れた情報記録材料や印刷材料、特にIC
カード用基材として好適な白色積層ポリエステルフィル
ムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができた白色積層ポリエステルフィルムとは、以
下の通りである。
【0019】すなわち、本発明は、ポリエステル樹脂層
(B層)の両面にポリエステル樹脂層(A層)を積層し
た3層の白色積層二軸延伸ポリエステルフィルムを基材
とし、該基材の少なくとも片面に被覆層(C層)を設け
た白色積層ポリエステルフィルムであって、前記基材の
A層及びB層には白色顔料が含有され、かつA層及びB
層中の白色顔料の含有量が下記式(1)を満足し、さら
に前記C層は変性樹脂、及びスルホン酸塩基または燐酸
塩基を少なくとも1種有する高分子系帯電防止剤を含有
し、破断強度が10〜100MPaであり、かつ25℃
で65%RHにおける表面固有抵抗値が1×106〜1
×1013Ω/□であることを特徴とする白色積層ポリエ
ステルフィルムである。 Pa−Pb≦5.0 …(1) ここで、Pa及びPbはそれぞれA層及びB層中の白色
顔料の含有量(質量%)を示す。
【0020】本発明で、A層及びB層中の白色顔料の含
有量を上記式(1)の範囲となるように規定したのは、
特に、本発明の白色積層ポリエステルフィルムを2枚、
粘着剤層を介して貼り合わせICカードとした場合の耐
久性に大きく寄与することを見出したことによる。
【0021】すなわち、積層フイルムを複数貼り合わせ
たり、2枚の積層フィルムの間に樹脂層などをサンドイ
ッチして貼り合わせた構造をもつ貼り合わせ物におい
て、剥離応力による破壊は、積層フィルムの表層近傍で
の破壊よりもフィルムの表面から裏面へ貫通する材料破
壊と呼称する状態の方が、大きな応力が必要となる。
【0022】したがって、積層フィルムの剥離応力によ
る破壊状態が、表層近傍での破壊ではなく、材料破壊す
るような積層フィルムの方が、貼り合わせ物の剥離応力
が高く、剥離しにくくなる。
【0023】具体的には、積層フィルムにおけるA層中
の白色顔料の含有量(質量%)とB層中の白色顔料の含
有量(質量%)との差が5.0質量%以下であれば、材
料破壊の状態とすることが出来るために、剥離応力によ
る抵抗力を高くすることができ、表面強度の強い貼り合
わせ物が得られる。より確実に材料破壊の状態にするた
めには、上記白色顔料の含有量の差(Pa−Pb)は、
3質量%以下が好ましい。
【0024】一方、A層中の白色顔料の含有量(質量
%)とB層中の白色顔料の含有量(質量%)との差が
5.0質量%を越えるフィルムの場合には、フィルムの
表面層付近だけ破壊が進行するデラミネーションといわ
れる状態になるため、破壊に要する応力が小さくなって
しまう。
【0025】また、上記のような構成においては、積層
フィルムのC層中の樹脂として破断応力の低いものを用
いた場合には、上記の貼り合わせ物の表面層を剥離させ
ようとしたときに積層フィルムの表面強度が高くなって
いることから、積層フィルムのみが剥離しやすい傾向に
あるが、破断応力の高いものを用いることにより、積層
フィルムが材料破壊するようになり、特に貼り合わせ構
造中のサンドイッチ層部分に各種のチップやメモリを実
装したICカードなどにおいては、それらの実装物を取
り出しにくくするために好ましいものである。
【0026】
【発明の実施の形態】[基材]本発明の基材に用いるポ
リエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はその
エステルとエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール
のごときグリコールとを重縮合させて製造されるポリエ
ステルである。これらのポリエステルは、(1)芳香族
ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させ、次いで重
縮合反応を行う方法(直重法)のほか、(2)芳香族ジ
カルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステ
ル交換反応させ、次いで重縮合反応を行う方法(エステ
ル交換法)、あるいは(3)芳香族ジカルボン酸のジグ
リコールエステルを重縮合させるなどの方法、などの公
知の方法によって製造することができる。
【0027】かかるポリエステルの代表例としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、あるいはポリエチ
レン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。これら
のポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成
分を共重合したものであっても良い。いずれにしても本
発明においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレ
ンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単
位、あるいはエチレン−2,6−ナフタレート単位が7
0モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好まし
くは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。な
かでも、ポリエチレンテレフタレートがコストパフォー
マンスの点から特に好適である。
【0028】基材のポリエステルフィルムに白色性や隠
ぺい性を付与し、印刷鮮明性を改善する点から、基材の
A層及びB層には白色顔料を含有させる。白色顔料とし
ては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これらの白色顔
料は1種類でもよいし、2種以上併用してもよい。ま
た、前記白色顔料には、分散性向上等の目的のために、
各種の有機表面処理や無機表面処理を施してもよい。
【0029】前記の白色顔料の中でも、特に酸化チタン
は高い屈折率を有し、少量で高い白色性及び隠蔽性を発
現させることが可能であるため好ましい。なかでも、A
層中に含有させる白色顔料が酸化チタンである場合、製
膜安定性を維持しながら少量で高い白色性及び隠蔽性を
発現することができる。さらに、蛍光増白剤を併用する
とさらに白色性を高めることができ好ましい。
【0030】また、A層中の白色顔料の含有量は、製膜
安定性及び蛍光増白剤を併用した場合の白色度の低下を
防止する点から、上限値を45質量%とすることが好ま
しく、さらに好ましくは35質量%とし、特に好ましく
は25質量%とする。白色顔料の含有量が多すぎると、
蛍光増白剤を併用した場合に白色度が低下するのは、蛍
光増白剤が蛍光増白効果を発現するのに必要な紫外線を
白色顔料が吸収してしまうからである。一方、下限値は
隠蔽性の点から10質量%とすることが好ましく、特に
好ましくは15質量%である。
【0031】前記基材のA層中には、そのほかに易滑性
や巻き取り性を改善するために、無機粒子や耐熱性有機
粒子を含有させてもよいし、他の機能を付与するため
に、酸化防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを
必要に応じて含有させることができる。
【0032】また、中心層であるB層中には、フィルム
の隠蔽性をさらに向上させるために、前記の白色顔料以
外に、カーボンブラックなどの着色顔料を少量含有させ
てもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、蛍
光増白剤、無機粒子、耐熱性有機粒子などを含有させて
もよい。
【0033】さらに好適な実施形態は、B層にフィルム
製造時に屑となったフィルム片を回収し、フィルム原料
として再利用することである。このような再利用は工業
的に生産する上でコスト削減の点から極めて意義があ
る。しかしながら、回収したフィルム片を再溶融して使
用することから、フィルム原料や被覆層の熱劣化による
着色、ゲルなどの異物の析出により、後加工工程での印
刷時に画像や文字などの鮮明度が低下しやすくなる。そ
のため、本発明においては、再利用したフィルム原料は
中心層であるポリエステル樹脂層(B層)に含有させる
ことで、フィルム表面への影響を避けることができ好ま
しい。
【0034】本発明の白色積層ポリエステルフィルム
は、用途に応じて、C/A/B/A及びC/A/B/A
/Cの層構成を選択することができる。また、本発明の
効果を阻害しない範囲で、A層及びB層以外の組成のポ
リエステル樹脂層を組合せても良い。
【0035】また、積層フィルムの全厚みは用途によっ
て適宜調整すればよいが、一般には25〜250μmで
ある。また、ICカードや磁気カードなどのカード素材
に用いる場合は、通常100〜250μmである。
【0036】基材のA層には白色顔料と無機粒子を含有
されているため、製幕性を維持する点から、A層の全厚
みの上限は、積層フィルムの全厚みに対して50%とす
ることが好ましい。また、A層は全厚みの下限は、白色
性及び隠蔽性の点から、10%とすることが好ましい。
A/B/Aからなる2種3層の積層構成の場合、基材の
A層の厚みは両最外層で同じでもよいし、カール防止の
点から異なっていてもよい。また、基材の積層フィルム
の固有粘度は0.50〜0.70dl/gであることが
好ましい。
【0037】さらに、白色積層ポリエステルフィルム
は、情報記録材料や印刷材料の基材として使用する場合
に剛性があることが好まれるため、スティッフネス(腰
感)の点から、見かけ密度が1.3g/cm3以上とす
ることが好ましい。前記の基材フィルムの見掛け密度
は、結晶配向後のポリエステルの種類(密度)、白色顔
料の種類(密度)及び含有量などによって制御すること
ができる。
【0038】[被覆層]本発明の白色積層ポリエステル
フィルムにおいて、基材の表面層であるA層上の少なく
とも片面には、ウレタン、カーボネート、アクリル、ビ
ニルの少なくとも1種の官能基を有する化合物で変性さ
れた樹脂、及びスルホン酸塩基または燐酸塩基を少なく
とも1種有する高分子系帯電防止剤を含有する被覆層C
が形成されている。
【0039】本発明の被覆層Cの構成成分である、変性
樹脂は、密着性、耐水密着性、帯電防止性、耐擦り傷性
を改善することを主目的とする。また、他の構成成分で
ある、スルホン酸塩基または燐酸塩基を少なくとも1種
有する高分子系帯電防止剤は、帯電防止性を改善するこ
とを主目的とする。以下、変性樹脂と高分子系帯電防止
性について、詳しく説明する。
【0040】(変性樹脂)本発明において、各種特性の
評価の過程で、白色フィルムを用いた場合に特に剥離や
傷が起こりやすいという問題が、被覆層中の樹脂の破断
強度を高めることにより、改善されることを見出した。
【0041】すなわち、本発明の被覆層Cにおいて、一
種または二種以上の改質方法によりベースとなる樹脂を
変性し、ベースとなる樹脂の破断強度を高め、基材の白
色積層二軸延伸ポリエステルの表面層Aと被覆層との破
断強度の差を小さくすることができる。その結果、フィ
ルムの加工工程における耐擦り傷性を向上させ、また、
各種貼り合わせ物、特にICカードなどのカード用基材
として用いたときに傷つきによる印刷品位の低下や剥離
の抑制などが可能となる。なお、この効果は、表面層お
よび表面層付近に白色顔料を有するため表面層が脆くな
っている白色フィルムにおいて顕著な効果が見られる。
【0042】ポリエステル樹脂を変性する具体的な方法
としては、ウレタン変性、カーボネート変性、アクリル
変性、ビニル変性などにより、ベースのポリエステル樹
脂にブロック化やグラフト化を行う。また、ベース樹脂
に架橋剤との反応性官能基を導入し、架橋反応させるこ
とにより、さら破断強度を高めることも有効である。
【0043】変性されるベース樹脂としては各種の樹脂
を用いることが可能であり、特に限定されるものではな
いが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられ
る。変性にあたっては、溶剤に溶解した状態で行うこと
が望ましいことから、ベース樹脂としては溶剤に可溶で
あることが望ましい。これらのなかで、基材であるポリ
エステルフィルムとの密着性や被覆層上の印刷層、磁気
記録層や接着剤層との接着性の面で、アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂やこれらの混合物が
好ましい。
【0044】(変性方法)変性方法としては、ベース樹
脂の破断強度を高めることができれば、前述の方法以外
にも公知の手法を用いることが可能である。ベース樹脂
の破断強度を高める方法としては、(1)硬い骨格を有
するセグメントをベース樹脂中に導入する方法(ブロッ
ク化)、(2)ベース樹脂の分子鎖を動きにくくする方
法が挙げられる。(1)の方法としては、ウレタン化や
エステル化によるブロック化が挙げられ、(2)の方法
としては、グラフト化や架橋剤と反応性を有する官能基
の導入が挙げられる。
【0045】前記(1)の方法におけるウレタン化につ
いては、ベース樹脂中のヒドロキシル基、アミノ基など
の官能基を多官能イソシアネート化合物または多官能イ
ソシアネート化合物と鎖延長剤により分子中にウレタン
結合を導入するものであり、用いる多官能イソシアネー
ト化合物や鎖延長剤の種類や量により破断強度を高める
ことができる。
【0046】前記の多官能イソシアネート化合物として
は、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が好適で
ある。また、鎖延長剤としては、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメチロール、シクロヘキサンジオ
ール、トリシクロデカンジメチロール、1,2−プロピ
レングリコール、ビスフェノールAアルキレンオキサイ
ド付加物等の多価ヒドロキシ化合物や、ネオペンチルジ
アミン、エチレンジアミン等の多価アミン化合物等を用
いることができる。
【0047】前記(1)の方法におけるエステル化につ
いては、ベース樹脂中のカルボキシル基やヒドロキシル
基をエポキシ化合物やカーボネート化合物によりエステ
ル化するものであり、各種の化合物を用いることができ
る。
【0048】前記(2)の方法におけるグラフト化につ
いては、ベース樹脂に側鎖を(またはベース樹脂を側鎖
として)化学的に結合させることを指し、公知の方法を
用いることが可能である。また、反応性官能基の導入に
ついては共重合を含めて各種の方法が利用可能である。
【0049】これらの方法の中で、ポリエステルフィル
ムとの密着性、各種インキ、磁気塗料や接着剤との密着
性、耐水性、耐熱性、耐ブロッキング性の点から、グラ
フト変性ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0050】(グラフト変性ポリエステル樹脂)グラフ
ト変性ポリエステル樹脂は、一般には、疎水性共重合ポ
リエステル樹脂を有機溶剤中に溶解させた状態におい
て、ラジカル開始剤およびラジカル重合性単量体混合物
を反応せしめることにより製造することができる。グラ
フト化反応終了後の反応生成物は、疎水性共重合ポリエ
ステルとラジカル重合性単量体とのグラフト重合体以外
に、グラフト化を受けなかった疎水性共重合ポリエステ
ル及び疎水性共重合ポリエステルにグラフト化しなかっ
たラジカル重合体をも含有している。本発明の被覆層に
おける主たる構成成分の1つであるグラフト共重合体と
は、これらすべてが含まれる。
【0051】なお、前記の「グラフト化」とは、幹ポリ
マーを主鎖とした際に、主鎖とは異なる重合体からなる
枝ポリマーを側鎖に導入することを意味する。
【0052】本発明において、被覆層には印刷層などの
後加工処理が施される。そのため、被覆層と後加工処理
層との接着性の点から、疎水性共重合ポリエステル樹脂
にラジカル重合性単量体をグラフト重合させた反応物の
酸価は600eq/106g以上であることが好まし
い。より好ましくは、反応物の酸価は1200eq/1
6g以上である。
【0053】疎水性共重合ポリエステル樹脂(a)とラ
ジカル重合性単量体(b)との質量比率(a/b)は、
接着性の点から40/60以上であることが好ましく、
さらに好ましくは55/45以上であり、特に好ましく
は60/40以上である。また、前記質量比(a/b)
は、ブロッキング性の点から、95/5以下であること
が好ましく、さらに好ましくは93/7以下であり、特
に好ましくは90/10の範囲である。
【0054】前記グラフト変性ポリエステル樹脂は、有
機溶媒の溶液または分散液、あるいは、水系溶媒の溶液
または分散液の形態になる。特に、水系溶媒の分散液つ
まり、水分散性樹脂の形態が、作業環境、塗布性の点で
好ましい。このような水分散性樹脂を得るには、通常、
有機溶媒中で、前記疎水性共重合ポリエステル樹脂に、
親水性ラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量
体をグラフト重合し、次いで、水添加、有機溶媒留去に
より達成される。
【0055】前記水分散性樹脂は、水系溶媒中で微粒子
状に分散し、レーザー光散乱法により測定される平均粒
子径は500nm以下であり、半透明ないし乳白色の外
観を呈する。重合方法の調整により、多様な平均粒子径
の水分散性樹脂が得られるが、平均粒子径は10〜50
0nmの範囲が好適である。また、分散安定性の点で4
00nm以下が好ましく、より好ましくは300nm以
下である。平均粒子径が500nmを越えると被覆層表
面の光沢が低下し、被覆フィルムの透明性が低下しやす
くなる。一方、平均粒子径が10nm未満では、接着性
や耐水性が低下しやすくなり好ましくない。
【0056】前記水分散性樹脂の重合に使用する親水性
ラジカル重合性単量体とは、親水基を有するか、後で親
水基に変化することができる基を指す。親水基を有する
ラジカル重合性単量体としては、カルボキシル基、水酸
基、リン酸基、亜リン酸基、スルホン酸基、アミド基、
第4級アンモニウム塩基等を含むラジカル重合性単量体
などが例示できる。
【0057】一方、親水基に変化することができるラジ
カル重合性単量体としては、酸無水物基、グリシジル
基、クロル基などの官能基を有するラジカル重合性単量
体が例示できる。これらの中で、水分散性の点から、カ
ルボキシル基を有するラジカル重合性単量体が好まし
い。すなわち、カルボキシル基を有するか、カルボキシ
ル基を発生することができる官能基を有するラジカル重
合性単量体が好ましい。
【0058】また、前記グラフト変性ポリエステル樹脂
を含む変性樹脂は、傷の入りにくさの点から、破断強度
の高いものが好ましい。具体的には、変性樹脂、スルホ
ン酸塩基含有帯電防止剤、架橋剤などの他の成分を配合
した樹脂組成物をフィルム化した際の破断強度が10M
Pa以上であることが必要である。そのためには、変性
樹脂単独でフィルム化した際の破断強度が10MPa以
上であることが好ましい。破断強度は各種の測定方法に
より求めることができる。しかしながら、破断強度が高
すぎる場合には、基材フィルムの被覆層側表面近傍で劈
開が起こりやすくなるため、破断強度の上限は100M
Paとする。
【0059】一方、変性を行うベース樹脂は、他の被対
象物との接着性の点から、ガラス転移温度が低いことが
望ましく、高温高湿環境下でのインキ密着性の面から、
ベース樹脂のガラス転移温度は10〜100℃の範囲に
あることが好ましい。さらに、ベース樹脂のガラス転移
温度の上限値は、80℃であることが好ましい。これら
の樹脂を変性し破断強度を高めることで、接着性、イン
キ密着性、耐擦り傷性、耐ブロッキング性のすべての特
性を満足させることが可能となる。
【0060】(ポリエステル樹脂)グラフト変性ポリエ
ステル樹脂において、疎水性共重合ポリエステル樹脂と
は、本来それ自身で水に分散または溶解しない本質的に
水不溶性である必要がある。水に分散するか、あるいは
水に溶解するポリエステル樹脂を、グラフト重合の際の
幹ポリマーとして使用すると、接着性や耐水性が悪化し
好ましくない。
【0061】疎水性共重合ポリエステル樹脂は、ジカル
ボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸が60〜99.
5モル%、脂肪族ジカルボン酸および/または脂環族ジ
カルボン酸が0〜39.5モル%、重合性不飽和二重結
合を含有するジカルボン酸が0.5〜10モル%である
ことが好ましい。より好ましくは、芳香族ジカルボン酸
が68〜98モル%、脂肪族ジカルボン酸および/また
は脂環族ジカルボン酸が0〜30モル%、重合性不飽和
二重結合を含有するジカルボン酸が2〜7モル%であ
る。
【0062】前記芳香族ジカルボン酸が60モル%未満
である場合、あるいは前記脂肪族ジカルボン酸および/
または脂環族ジカルボン酸が40モル%を越える場合に
は、接着強度が低下する傾向にある。また、重合性不飽
和二重結合を含有するジカルボン酸が0.5モル%未満
の場合には、ポリエステル樹脂に対するラジカル重合性
単量体の効率的なグラフト化が行われにくくなり、逆に
10モル%を越える場合には、グラフト化反応の後期に
粘度が顕著に上昇し、均一な反応の進行を妨げられるの
で好ましくない。
【0063】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ビフェニルジカルボン酸等を例示することがで
きる。なお、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の親
水基含有ジカルボン酸は、耐水性が低下するため、使用
しない方が好ましい。
【0064】脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオ
ン酸、ダイマー酸等を例示することができる。また、脂
環族ジカルボン酸としては、1、4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1、3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1、2−シクロヘキサンジカルボン酸とその酸無水物等
を例示することができる。
【0065】重合性不飽和二重結合を含有するジカルボ
ン酸としては、(1)フマル酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸、シトラコン酸、などのα、β−不
飽和ジカルボン酸、(2)2、5−ノルボルネンジカル
ボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸などの不飽和
二重結合を含有する脂環族ジカルボン酸、などを例示す
ることができる。これらの重合性不飽和二重結合を含有
するジカルボン酸のうち、重合性の点から、フマル酸、
マレイン酸、2、5−ノルボルネンジカルボン酸が好ま
しい。
【0066】一方、グリコール成分としては、炭素数2
〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グ
リコール、エーテル基含有グリコール、などが例示でき
る。これらのグリコール成分は、2種以上併用してもか
まわない。
【0067】炭素数2〜10の脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール、1、2−プロピレングリコー
ル、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオー
ル、1、5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1、6−ヘキサンジオール、3−メチル−1、5−
ペンタンジオール、1、9−ノナンジオール、2−エチ
ル−2−ブチルプロパンジオール等が挙げられる。ま
た、炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、1、
4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0068】エーテル基含有グリコールとしては、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、さらにビスフェノール類の二つのフェ
ノール性水酸基に、エチレンオキサイドまたはプロピレ
ンオキサイドを付加して得られるグリコール類、例えば
2、2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロ
パンなどを挙げることができる。ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールも必要により使用することができる。
【0069】また、これらのグリコールの中でも、破断
強度を高くするために好適なグリコールとして、1,2
−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2
−メチル−1,3−プロパンジオール、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物、シクロヘキサンジメチ
ロール、トリシクロデカンジメチロール、シクロヘキサ
ンジオールを含むことが好ましい。これらのグリコール
は、全グリコール成分に対して、5〜80モル%共重合
させることが好ましい。共重合組成比は、NMRなどに
より分析可能である。前記グリコールは、全グリコール
成分に対して5モル%未満では、導入の効果が小さい。
一方、80モル%を越えると、重合中の溶融粘度が高く
なりやすい。そのため、高分子量化が困難になり、逆に
樹脂が脆くなる場合がある。
【0070】前記疎水性共重合ポリエステル樹脂中に
は、0〜5モル%の3官能以上のポリカルボン酸および
/またはポリオールを共重合することができる。
【0071】3官能以上のポリカルボン酸としては、
(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、
(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン
酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテー
ト)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテー
ト)等が使用される。
【0072】また、3官能以上のポリオールとしては、
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等が使用される。
【0073】3官能以上のポリカルボン酸および/また
はポリオールは、全酸成分あるいは全グリコール成分に
対し0〜5モル%、好ましくは0〜3モル%の範囲で共
重合される。しかしながら、5モル%を越えると重合時
のゲル化が起こりやすく、好ましくない。
【0074】また、疎水性共重合ポリエステル樹脂の重
量平均分子量は、接着強度の点から下限が5,000で
あることが好ましい。また、重合時のゲル化などの点
で、上限は50,000であることが好ましい。
【0075】(重合性不飽和単量体含有ポリマー)重合
性不飽和単量体としては、各種のものが使用できる。例
えば、各種(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステ
ル、ビニルエーテル、スチレンおよびスチレン誘導体、
マレイン酸およびその無水物やエステル、フマル酸およ
びそのエステル、イタコン酸およびその無水物やエステ
ルなどが挙げられる。
【0076】これらの中でも、グラフト変性ポリエステ
ル樹脂の破断強度を高める点から、(1)フマル酸、フ
マル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチ
ルなどのフマル酸のモノエステルまたはジエステルマレ
イン酸とその無水物、(2)マレイン酸モノエチル、マ
レイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン
酸のモノエステルまたはジエステル、(3)イタコン酸
とその無水物、イタコン酸のモノエステルまたはジエス
テル、(4)フェニルマレイミド等のマレイミド、
(5)スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチ
レン、クロロメチルスチレンなどのスチレン誘導体、
(6)ビニルトルエン、(7)ジビニルベンゼンなどが
好ましい。
【0077】また、上記の成分に対して、各種(メタ)
アクリル酸エステルも使用することができる。例えば、
(1)アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル
基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等)、
(2)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの
ヒドロキシ含有アクリル単量体、(3)アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド、N、N−ジメ
チロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フ
ェニルアクリルアミドのアミド基含有アクリル単量体、
(4)N、N−ジエチルアミノエチルアクリレート、
N、N−ジエチルアミノエチルメタクリレートのアミノ
基含有アクリル単量体、(5)グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレートのエポキシ基含有アクリ
ル単量体、(6)アクリル酸、メタクリル酸及びそれら
の塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)等
のカルボキシル基またはその塩を含有するアクリル単量
体、などが挙げられる。
【0078】これらの重合性不飽和単量体のなかで、マ
レイン酸無水物またはそのエステルは、グラフト変性ポ
リエステルの破断強度を高める点で好ましい。上記単量
体は1種もしくは2種以上を用いて共重合させることが
できる。
【0079】(重合開始剤及びその他添加剤)グラフト
重合開始剤としては、当業者には公知の有機過酸化物類
や有機アゾ化合物類を用いることができる。
【0080】有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、有機アゾ
化合物として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2、2’−アゾビス(2,4−ジメチルパレロニト
リル)などを挙げられる。グラフト重合を行うための重
合開始剤の使用量は、重合性単量体に対して、少なくと
も0.2質量%以上、好ましくは0.5質量%以上であ
る。
【0081】重合開始剤の他に、枝ポリマーの鎖長を調
節するための連鎖移動剤、例えばオクチルメルカプタ
ン、メルカプトエタノール、3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシアニソールなどを必要に応じて用いることができ
る。この場合、重合性単量体に対して0〜5質量%の範
囲で添加することが好ましい。
【0082】(反応溶媒)グラフト化反応溶媒は、沸点
が50〜250℃の水性有機溶媒から主として構成する
ことが好ましい。ここで、水性有機溶媒とは20℃にお
ける水に対する溶解性が少なくとも10g/L以上、好
ましくは20g/L以上であるものをいう。沸点が25
0℃を越えるものは、余りに蒸発速度がおそく、塗膜を
加熱処理しても充分に除去することができないので好ま
しくない。一方、沸点が50℃未満では、それを溶媒と
してグラフト化反応を実施する際に、50℃未満の温度
でラジカルに解裂する開始剤を用いなければならず、取
扱い上の危険が増大するため好ましくない。
【0083】前記水性有機溶媒としては、疎水性共重合
ポリエステル樹脂をよく溶解でき、かつカルボキシル基
含有重合性単量体を含む重合性単量体混合物およびその
重合体を比較的良く溶解できる、下記の第一群の水性有
機溶媒が挙げられる。
【0084】第一群の水性有機溶媒としては、(1)酢
酸エチルなどのエステル類、(2)メチルエチルケトン
などのケトン類、(3)メチルイソブチルケトン、
(4)シクロヘキサノン、(5)テトラヒドロフラン、
ジオキサン、1、3−ジオキソランなどの環状エ−テル
類、(6)エチレングリコールジメチルエーテル、プロ
ピレングリコ−ルメチルエ−テル、プロピレングリコ−
ルプロピルエ−テル、エチレングリコールエチルエーテ
ル、エチレングリコ−ルブチルエ−テルなどのグリコ−
ルエ−テル類、(7)メチルカルビト−ル、エチルカル
ビト−ル、ブチルカルビト−ルなどのカルビトール類、
(8)エチレングリコ−ルジアセテ−ト、エチレングリ
コールエチルエーテルアセテートなどのグリコ−ル類あ
るいはグリコ−ルエ−テルの低級エステル類、(9)ダ
イアセトンアルコールなどのケトンアルコール類、(1
0)ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドンなどのN−置換アミド類、などを例
示することができる。
【0085】また、前記水性有機溶媒として、共重合ポ
リエステル樹脂をほとんど溶解しないが、カルボキシル
基含有重合性単量体を含む重合性単量体混合物およびそ
の重合体を比較的よく溶解することができる、第二群の
水性有機溶媒を用いることもできる。
【0086】第二群の水性有機溶媒としては、水、低級
アルコール類、低級カルボン酸類、低級アミン類などを
挙げることができるが、これらの中でも炭素数1〜4の
アルコール類およびグリコール類が特に好ましい。
【0087】グラフト化反応を単一溶媒で行う場合は、
第一群の水性有機溶媒からただ一種を選んで行うことが
できる。混合溶媒で行う場合は、第一群の水性有機溶媒
からのみ複数種選ぶ場合、あるいは第一群の水性有機溶
媒から少なくとも一種を選びそれに第二群の水性有機溶
媒から少なくとも一種を加える場合がある。
【0088】グラフト重合反応溶媒を第一群の水性有機
溶媒からの単一溶媒とした場合と、第一群および第二群
の水性有機溶媒のそれぞれ一種からなる混合溶媒とした
場合のいずれにおいてもグラフト重合反応を行うことが
できる。しかし、前者の場合、グラフト化反応の進行挙
動、グラフト化反応生成物およびそれから導かれる水分
散体の外観、性状などに差異がみられるため、後者の第
一群および第二群の水性有機溶媒におけるそれぞれ一種
からなる混合溶媒を使用する方が好ましい。
【0089】溶液中の共重合ポリエステルの粘度測定か
ら、第一群の溶媒中では、共重合ポリエステルの分子鎖
は広がりの大きい鎖が伸びた状態にあり、第一群/第二
群の混合溶媒中では、広がりの小さい糸まり状に絡まっ
た状態にあることが、確認された。
【0090】共重合ポリエステルの溶解状態を調節し分
子間架橋を起こりにくくすることがゲル化防止に有効で
ある。効率の高いグラフト化とゲル化抑制の両立は後者
の混合溶媒系において達成される。
【0091】第1群/第2群の混合溶媒の混合比(質量
比)は、95/5〜10/90の範囲が好ましく、さら
に好ましくは90/10〜20/80の範囲、特に好ま
しくは85/15〜30/70の範囲である。最適の混
合比は、使用するポリエステルの溶解性などに応じて決
定される。
【0092】(水分散化)グラフト化反応生成物は、塩
基性化合物で中和することが好ましく、中和することに
よって容易に水分散化することができる。塩基性化合物
としては、塗膜形成時、あるいは硬化剤配合による熱硬
化時に揮散する化合物が望ましく、アンモニア、有機ア
ミン類などが好適である。
【0093】好ましい化合物としては、トリエチルアミ
ン、N、N−ジエチルエタノールアミン、N、N−ジメ
チルエタノ−ルアミン、アミノエタノールアミン、N−
メチル-N、N−ジエタノールアミン、イソプロピルア
ミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエ
チルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチ
ルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロ
ピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルア
ミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミ
ン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを
挙げられる。
【0094】塩基性化合物は、グラフト化反応生成物中
に含まれるカルボキシル基含有量に応じて、少なくとも
部分中和、あるいは完全中和によって水分散体のPH値
を5.0〜9.0の範囲となるように調整することが好
ましい。
【0095】沸点が100℃以下の塩基性化合物を使用
した場合であれば、乾燥後の塗膜中の残留塩基性化合物
も少なく、金属や無機蒸着膜の接着性や他材料と積層し
た時の耐水性や耐熱水接着性が優れる。
【0096】また、100℃以上の塩基性化合物を使用
する、あるいは乾燥条件を制御し、乾燥後の塗膜中に塩
基性化合物を500ppm以上残留させることにより、
印刷インクの転移性を向上させることができる。
【0097】水系分散体では、ラジカル重合性単量体の
重合物の重量平均分子量は、500〜50,000であ
ることが好ましい。前記重量平均分子量を500未満に
コントロールすることは一般に困難であり、グラフト効
率が低下し、共重合ポリエステルへの親水性基の付与が
十分に行なわれない傾向がある。
【0098】また、ラジカル重合性単量体のグラフト重
合物は分散粒子の水和層を形成する。そのため、十分な
厚みの水和層をもたせ、安定な分散体を得るためには、
ラジカル重合性単量体のグラフト重合物は、重量平均分
子量が500以上であることが好ましい。また、前記重
量平均分子量の上限は、溶液重合における重合性の点
で、50,000が好ましい。この範囲内での分子量の
コントロールは開始剤量、モノマー滴下時間、重合時
間、反応溶媒、モノマー組成、あるいは必要に応じて連
鎖移動剤や重合禁止剤を適宜組合せることにより制御す
ることができる。
【0099】上記のように変性して得られたグラフト変
性ポリエステル樹脂は、分子内のカルボキシル基や低級
アルコールのエステルを有するが、これらの官能基は加
熱により容易に主鎖であるポリエステル樹脂とエステル
交換反応を起こすため、自己架橋性を発現し、高度な耐
溶剤性を発揮する。マレイン酸やイタコン酸等の分子内
に複数のカルボキシル基を有する不飽和単量体やこれら
のハーフエステルを側鎖に有する場合には、加熱により
脱水や脱アルコール反応を起こし無水物化し、主鎖であ
るポリエステルとの反応により、自己架橋の効率が更に
高くなり、好ましい。
【0100】被覆層の架橋性については、様々の方法で
評価できるが、疎水性共重合ポリエステル樹脂およびラ
ジカル重合体の両方を溶解するクロロホルム溶媒での不
溶分率で調べることができる。80℃以下で乾燥し、1
20℃で5分間熱処理して得られる塗膜の不溶分率は、
接着性、耐水性、ブロッキング性の点から、好ましくは
50%以上、より好ましくは70%以上である。
【0101】(高分子系帯電防止剤)本発明において、
被覆層Cの他の構成成分として、スルホン酸塩基または
燐酸塩基を分子内に少なくとも1種有する高分子系帯電
防止剤を用いる。この高分子型帯電防止剤の特徴は、親
水性の高いスルホン酸成分や燐酸成分を多数有する構造
にある。これらの高分子系帯電防止剤は単独で用いても
よいし、二種以上を併用してもかまわない。
【0102】分子内にスルホン酸塩基成分を含有する樹
脂としては、ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩、
カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウ
ム塩などのホモポリマー、アクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルなどのアクリル系単量体とスチレン
スルホン酸単量体との共重合物、アクリルアミドメチル
プロパンスルホン酸と不飽和単量体の共重合体などが挙
げられる。本発明において、スルホン酸塩は金属塩とア
ミン塩の混合物でも可能である。
【0103】分子内に燐酸塩基を含有する樹脂として
は、燐酸基を含有する不飽和単量体である各種のホスマ
ー(ユニケミカル製)を重合または共重合した樹脂を挙
げることができる。
【0104】前記帯電防止剤の重量平均分子量は1,000
〜1,000,000であることが好ましく、より好ましくは 5,
000〜1,000,000である。重量平均分子量が1千未満では
塗膜の光沢に優れるものの、塗膜の耐水性が得られにく
くなる。一方、100万を超えると耐水性は高くなるもの
の、変性樹脂との均一混合が困難になり、塗膜光沢が低
下しやすくなる。
【0105】本発明の白色積層ポリエステルフィルム
は、印刷時の鮮明性をさらに良好なものとするために、
被覆層側から測定した色調b値を−5.0〜2.0とす
ることが好ましい。さらに、b値の上限値は1.5とす
ることが好ましく、特に好ましくは0.0である。一
方、基材に青味が好まれない用途では、被覆層側から測
定した色調b値は、下限値を−2.0とすることが好ま
しい。色調b値は黄色みの程度を表わす尺度であり、b
値が大きいほど黄色みが強くなり、b値が負に大きくな
るほど青味が強くなることを意味する。
【0106】被覆層側から測定した色調b値を2.0以
下とするためには、上記ポリスチレンスルホン酸塩を主
成分とする高分子化合物の塩基成分として、ナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩を用いることが好ましい。
色調b値が2.0を越えると、被覆層の見かけの白さが
不足し、黄色みが目立ちやすくなる。
【0107】さらに、本発明の白色積層ポリエステルフ
ィルムは、製膜工程及び加工工程における帯電防止性の
点から、25℃で65%RHにおける被覆層表面の表面
固有抵抗値が1×106〜1×1013Ω/□であること
が必要である。表面固有抵抗値が低いことで、フィルム
ロールを巻き出し、印刷層を設ける際に、静電気による
異物の付着が防止できるため、印刷抜けなどの欠点を無
くすことができる。
【0108】25℃で65%RHにおける被覆層表面の
表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以下とするために
は、前記スルホン酸塩基含有帯電防止剤の含有量を被覆
層の樹脂組成物に対して5質量%以上とすることが好ま
しい。しかしながら、前記含有量が60質量%を超える
と、基材フィルムへの密着力や膜強度、耐溶剤性の性能
が不十分になる場合がある。さらに、オフセット印刷時
に湿し水適性(水負け性)が悪化し、かすれ、にじみの
トラブルを生じやすくなる。また、被覆層表面の表面固
有抵抗値を1×106Ω/□未満にしても、実用上効果
に差異が見られない。
【0109】また、本発明の白色積層ポリエステルフィ
ルムは、被覆層表面の水との接触角は、耐水性の点から
60〜80度とすることが必要である。水との接触角が
60度未満では、オフセット印刷時に湿し水適性(水負
け性)が悪化し、かすれ、にじみのトラブルが生じる。
一方、水との接触角が80度を越えるようにしても、実
用上、効果に差異が見られない。
【0110】本発明において、被覆層を構成する樹脂組
成物には、耐水性を更に向上させるために、さらに各種
の架橋剤を併用することができる。架橋剤としては、メ
ラミン系、エポキシ系、イソシアネート系、アミン系、
アミド系、アジリジン系等を挙げられる。架橋剤の種類
及び配合量は、変性樹脂とスルホン酸塩基含有帯電防止
剤の混合比やそれらの官能基の種類及び含有量に応じて
適宜決定すればよい。例えば、メラミン系架橋剤やイソ
シアネート系架橋剤を用いる場合、通常、上記樹脂成分
100質量部に対し、2〜30質量部が好適である。
【0111】なお、イソシアネート化合物を架橋剤とし
て用いる場合に、ブロック型イソシアネート化合物を用
いることも可能である。白色積層ポリエステルフィルム
の製造方法として、被覆層を基材フィルム面に設けた後
少なくとも一方向に延伸し、次いで熱固定処理を行う、
いわゆるインラインコート法を採用する場合には、ブロ
ック型イソシアネート化合物として、次の条件を満足す
るブロック剤を有するブロック型イソシアネート化合物
を選定することが好ましい。
【0112】すなわち、イソシアネート化合物の末端の
ブロック剤が、熱エネルギーにより脱離する脱ブロック
化温度は、上限が熱固定温度以下であることが必須であ
り、下限は延伸温度の後期から熱固定温度までの間であ
ることが好ましい。このようなイソシアネートのブロッ
ク剤として、重亜硫酸塩類が好ましい。
【0113】前記水系塗布液を基材フィルム表面に塗布
する際には、該フィルムへの濡れ性を上げ、塗布液を均
一にコートするために、公知のアニオン系界面活性剤、
ノニオン系界面活性剤の少なくとも1種を必要量添加す
ることが好ましい。
【0114】被覆層の厚みは特に限定はないが、接着性
と耐ブロッキング性の点から、本発明においては二軸延
伸後の乾燥塗布厚みで0.05〜1.0μmが好まし
く、より好ましくは0.07〜0.5μm、更に好まし
くは0.09〜0.3μmである。
【0115】二軸延伸後の被覆層の厚みは、例えば、白
色積層ポリエステルフィルムをエポキシ樹脂により埋設
させ、フィルム断面をフィルム面に対し直角にミクロト
ームで切断し、透過型電子顕微鏡(TEM)により写真
撮影することで求めることができる。TEM観察は場所
を変えて10点写真撮影し、スケールから読み取った被
覆層厚みの平均値をもって、白色積層ポリエステルフィ
ルムの被覆層厚みとする。
【0116】また、被覆層中を形成するための塗布液中
には、隠蔽性をさらに向上させるために、白色顔料を含
有させてもよい。さらに、本発明の効果を阻害しない範
囲で、公知の添加剤、例えば界面活性剤、酸化防止剤、
耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機潤滑剤、
顔料、染料、無機粒子、耐熱性有機粒子、核剤、抗菌剤
等を添加しても良い。
【0117】[製造方法]本発明の白色積層ポリエステ
ルフィルムの製造方法は任意であり、特に制限されるも
のではないが、例えば以下のようにして製造することが
出来る。
【0118】A層及びB層に用いるフィルム原料を十分
に真空乾燥した後、押出し機で溶融し、T−ダイより回
転冷却金属ロールに静電気を印加しながらシート状に押
出し、未延伸フィルムを得る。
【0119】この際、白色顔料やその他添加剤は押出し
機に粉末添加して混練りするのではなく、予めポリエス
テル樹脂中に白色顔料などをそれぞれ別々に高濃度で含
有させたマスターバッチポリマーを作成し、それらをポ
リエステル樹脂でブレンド希釈する方法が均一混合の点
から好ましい。押出し機は各種フィルム原料をさらに十
分に均一混合するために、二軸押出し機を用いることが
好ましい。また、静電密着性改良のためにポリエステル
を重合する際に、アルカリ土類金属塩及び/またはアル
カリ金属塩とリン酸またはその塩を添加しておくことが
好ましい。また、リン酸またはその塩の添加は色調改善
(特に、b値)できるという効果もある。
【0120】基材を構成するA層とB層との積層は、A
層と他層の樹脂を別々の押出し機に供給した後、溶融状
態で積層して同一のダイから押出す共押出し法を採用す
ることが最も好ましい。
【0121】前記の未延伸フィルムは、さらに速度差を
もったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに把
持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や空
気圧によって拡げることによる延伸(インフレーション
延伸)などによって2軸配向処理を行う。
【0122】未延伸フィルムを延伸・配向処理する条件
は、フィルムの物性と密接に関係する。二軸延伸方法と
しては、逐次二軸延伸法(縦−横、横−縦、縦縦−横、
縦−横−縦など)および同時二軸延伸法(リニアモータ
ー駆動による方法)が良く知られているが、以下では、
最も一般的な逐次二軸延伸法、特に未延伸シートを長手
方向次いで幅方向に延伸する方法を例にとり、延伸・配
向条件を説明する。
【0123】まず、第一段の縦延伸工程では、周速が異
なる2本あるいは多数本のロール間で、ポリエステルの
(ガラス転移温度(Tg)−10℃)以上昇温結晶化温
度(Tc1)未満の温度で2.5〜5倍に延伸する。こ
のときの加熱手段としては、加熱ロールを用いる方法で
も非接触の加熱方法を用いる方法でもよく、それらを併
用してもよい。
【0124】次いで、縦一軸延伸フィルムの端部をクリ
ップで把持しながらテンターに導き、予熱後、幅方向に
ポリエステルのガラス転移温度(Tg)以上昇温結晶化
温度(Tc1)未満の温度で2.5〜5倍に延伸する。
【0125】このようにして得られた二軸延伸フィルム
に対し、寸法安定性を向上させるために、熱処理を施
す。熱処理はテンター中で行うのが好ましく、ポリエス
テルの融点Tm−50℃〜Tmの範囲で行うことが好ま
しい。さらに、用途に応じて、さらに寸法安定性を改善
するために、幅方向及び/または長手方向に1〜10%
の弛緩処理を行っても良い。弛緩処理する際の温度は、
本発明のフィルムを使用する用途で、後加工処理する際
の熱処理温度に応じて適宜設定する。
【0126】被覆層を設ける段階としては、フィルムの
延伸前に塗布する方法、縦延伸後に塗布する方法、二軸
配向処理の終了したフィルム表面に塗布する方法などの
いずれの方法も可能である。これらの中でも、基材ポリ
エステルフィルムの結晶配向が完了する前に塗布し、そ
の後、少なくとも1方向に延伸した後、ポリエステルフ
ィルムの結晶配向を完了させる、インラインコート法が
本発明の効果をより顕著に発現させることができるので
好ましい方法である。被覆層は用途に応じてフィルムの
片面だけに設けても良いし、両面に設けても良い。
【0127】前記の変性樹脂と高分子系帯電防止剤と
は、親水性の差が大きく層分離し易いため、特別な塗布
条件を採用することが好ましい。塗布液は塗布直前に1
000(1/秒)以上のせん断速度をかけた直後から2
秒以内に基材フィルムに塗布し、塗布後2秒以内に70
℃以下、風速10〜20m/秒で1〜3秒間の予備乾燥
を行った後、90℃以上で乾燥する。これにより変性樹
脂と高分子系帯電防止剤およびその他の成分が均一に分
散し、良好な表面抵抗値が得られる。
【0128】塗布、乾燥後の熱処理条件は特に規制は無
いが、グラフト共重合体のもつ自己架橋性を発現するた
めには、熱劣化が起こらない範囲内で、熱量を多くする
条件が好ましい。具体的には90℃〜250℃、さらに
好ましくは150℃〜220℃である。ただし、乾燥時
間を長くすることにより、比較的低い温度でも、十分な
自己架橋性を発現するため、上記の条件に必ずしも限る
必要はない。しかしながら、乾燥時間を長くするために
は、フィルム送り速度を遅くするか、あるいは乾燥ゾー
ンの長さを長くする必要がある。前者は生産性が劣り、
後者は設備的な制約もあり、工業的に実施するためには
好適な方法とはいえない。
【0129】被覆層を設ける方法としては、グラビアコ
ート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコ
ート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方
式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式な
ど通常用いられている方法が適用できる。
【0130】さらに、得られた白色積層ポリエステルフ
ィルム上の所定の面に、磁気記録層を設け、印刷や打ち
抜き等の工程を経て、磁気カードを作成する。また、I
Cチップ及びアンテナを接着剤に包埋させ、所定のサイ
ズに打抜いた2枚以上の印刷インキ層等を設けた前記白
色積層ポリエステルフィルムで挟み込んでICカードを
作成する。
【0131】上記の磁気カードやICカードなどのカー
ド作成工程で、フィルムは擦られたりすることで傷が入
りやすい状況にある。フィルムの被覆層に傷がつくと、
インキの高速転写時や接着剤の高速塗工時における気泡
の巻き込み等によるインキや接着剤と白色ポリエステル
フィルムとの界面での微小な空隙が発生し、これにより
印刷物としての特性や品位の低下が起こる。しかしなが
ら、変性樹脂等からなる被覆層の破断強度を大きくして
表面に傷が入りにくくすることにより、上記の問題を解
消することができる。また、溶剤浸漬後や湿熱雰囲気処
理後のインキや接着剤の耐久性等も改善される。
【0132】前記の傷とは、顕微鏡により観察される長
軸方向の長さが500μm以上で、幅が10μm以上の
ものをいう。長軸方向の長さが500μm以上の傷が、
1cm2あたりに10本を越える場合には、インキや接
着剤の剥離の原因となる場合がある。顕微鏡により観察
される長軸方向の長さが500μm以上で、幅が10μ
m以上の傷は1cm2あたりに10本以下であることが
好ましく、さらに好ましくは前記の長軸方向における長
さ300μm以下の傷が1cm2あたり10個以下、特
に好ましくは長軸方向における長さ200μm以下の傷
が1cm2あたり10本以下である。
【0133】前記接着剤としては、エポキシ系接着剤、
ポリエステル系粘着剤、ポリエステル系ホットメルト接
着剤、オレフィン系ホットメルト接着剤等が挙げられ
る。接着剤層の厚みは、10〜500μmの範囲が好ま
しいが、本発明の白色積層ポリエステルフィルムの厚み
を勘案して適宜調整することが好ましい。
【0134】ホットメルト系接着剤を用いる場合には、
ラミネート温度を200℃以下とすることが好ましい。
ラミネート温度が200℃以上では、白色積層ポリエス
テルフィルムに収縮によるシワや歪が起こりやすい。さ
らに、貼り合わせた状態でカールなども起こりやすくな
る。そのため、射出成型法などの方法を用いて、1分以
下の短時間で成型することが好ましい。
【0135】本発明の白色積層ポリエステルフィルムの
被覆層表面に印刷層を設ける場合、被覆層表面に塗布さ
れる印刷インキは特に限定されないが、紫外線硬化型イ
ンキ、酸化重合型インキ、一般乾燥型インキ等を使用す
ることができる。例えば、紫外線硬化型インキの場合、
樹脂成分としてポリエステル、ウレタン、アクリル樹脂
およびそれらの変性物、架橋成分としてエチレングリコ
ール、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリオー
ルとアクリル酸とのエステル化物等の不飽和結合を複数
有する化合物、及び顔料成分としてカーボンブラック、
水酸化アルミニウムあるいはアルミニウム粉を主たる構
成成分とし、これらにジエチルアミノベンソフェノン等
の重合開始剤が添加されたものを挙げることができる。
これらの印刷層を設ける方法は特に限定されず、活版、
平版、凸版、スクリーン、平台、輪転、転写等の方法で
行うことができる。
【0136】印刷インキの具体例として、ベストキュア
161、VP、VNL、STP(T&K TOKA
製)、FD−O、FD−O−G、FD−O−ニューKR
2(東洋インキ製)などのオフセットインキなどのほ
か、一般に知られているものであれば使用可能である。
さらに、印刷層の耐久性の面で、OPニスの使用が望ま
しい。望ましいOPニスとしては、ビデオOPニスY
(T&K TOKA製)等が使用可能である。
【0137】また、本発明の白色積層ポリエステルフィ
ルムの被覆層表面に磁気記録層を設け、磁気カードを作
成する場合、磁気記録層の構成成分は特に限定されない
が、例えば、以下のものが磁気記録層の構成成分として
挙げられる。すなわち、磁性粉としては、γ−Fe
23、CrO2、Co−γ−Fe23、メタル粉を、
又、バインダーとしては酢酸ビニル、PVC等のビニル
樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体などのゴ
ム系樹脂、アセチルセルロース、ニトロセルロース等の
繊維素、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、単量体の
イソシアネート、変性イソシアネートウレタンプレポリ
マ、ブロックイソシアネート等の形態で用いられるポリ
ウレタン系樹脂、及び必要に応じて添加される分散剤、
滑剤、カーボン等の帯電防止剤、安定剤、可塑剤を調合
したものを挙げることができる。これらの磁気記録層を
設ける方法は特に限定されず、公知の方法を用いること
ができる。
【0138】
【実施例】次に、本発明の実施例および比較例を示す。
また、本発明に用いた測定・評価方法を以下に示す。
【0139】(1)平均粒子径 SEM試料台に両面テープを張り、その上に紛体状態の
粒子を薄くのせ、カーボン蒸着後、走査型電子顕微鏡
(SEM)を用い、粒子の大きさにあわせて適宜倍率を
変え写真撮影を行った。少なくとも100点以上の粒子
の円相当径を画像処理装置にて求め、粒子の個数で除し
て個数基準の平均粒子径(μm)を求めた。
【0140】(2)ポリエステル樹脂の固有粘度 フェノール60質量%と1、1、2、2−テトラクロロ
エタン40質量%の混合溶媒にポリエステル原料を溶解
し、固形分をガラスフィルターで濾過した後、30℃に
て測定した。
【0141】(3)被覆層樹脂の組成分析 試料を重水素化クロロホルム/トリフルオロ酢酸=90
/10(容積比)の混合溶媒に溶解し、NMR分光器
(バリアン社製、Unity−500)を用いて行った。
【0142】(4)ガラス転移温度及び融点 示差走査型熱量計(島津製作所(株)社製、DSC−5
0)、試料10mgをアルミ製のパンに充填し、窒素雰
囲気下20℃/分の昇温速度で290℃まで昇温し、同
温度で3分間保持した後、アルミパンを液体窒素中に投
じ急冷した。急冷したアルミパンを再度示差走査型熱量
計にセットし、20℃/分の昇温速度で昇温した時のチ
ャートより、ガラス転移温度及び融点(吸熱ピークのピ
ーク温度)を求めた。
【0143】(5)破断強度 各実施例および比較例の被覆層に対応する樹脂組成物ま
たは樹脂を二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績
(株)製、P2161、厚み50μm)上に、乾燥後の
塗膜の膜厚が80μmになるように塗布し、120℃、
2時間乾燥させた。次いで、前記塗膜を二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムから剥離し、フィルムサンプルとし
た。このサンプルを幅1cmに片刃カミソリで切り出
し、試料原長4cm、クロスヘッドスピード100mm
/minで引っ張り試験機により評価した。
【0144】(6)フィルムの見かけ密度 フィルムを5.00cm角の正方形に4枚切り出して試
料とした。これを4枚重ねにして、その厚みをマイクロ
メーターにより場所を変え任意の10箇所を有効数字4
桁で測定し、重ね厚みの平均値を求めた。この平均値を
4で除して有効数字3桁に丸め、一枚あたりの平均厚み
(t:μm)とした。同試料4枚の重量(w:g)を有
効数字4桁で自動上皿天秤を用いて測定し、次式より見
かけ密度を求めた。なお、見かけ密度は有効数字3桁に
丸めた。 見かけ密度(g/cm3)=(w×104)/(5.00
×5.00×t)
【0145】(7)色調b値 色差計(日本電色工業社製、Z−1001DP)を用い
て、被覆フィルムの被覆層側から測定した際の色調b値
を用いた。
【0146】(8)接触角 サンプルを23℃、65%RHの雰囲気下で24時間放
置後、その雰囲気下で接触角計(協和界面科学社製、C
A−X)を用い、同様の条件下に保管しておいた蒸留水
を用いて、サンプルの被覆層表面と水との接触角を測定
した。測定は10点行い、それらの平均値を接触角のデ
ータとした。
【0147】(9)酸化重合型インキとの密着性 酸化重合型インキ(十条化工株式会社製、黒)を希釈溶
剤(十条加工株式会社製、テトロン)をインキ:希釈溶
剤=4:1(体積比)で希釈し、フィルム表面(被覆層
が設けられている場合は、被覆層表面)にテトロン・ス
クリーン(#250メッシュ)によって印刷した後、2
4時間放置した。
【0148】次いで、印刷面上にカッターナイフにより
2mm角で100マスのクロスカット面を入れ、その上
に粘着テープ(ニチバン株式会社製、セロテープCT−
24)を気泡が入らないように貼り付け、さらにその上
をこすって十分に密着させる。その後、上記インキ面の
粘着テープが密着されていない前後の両端部を手で押さ
え、90°方向にクロスカット面を急速に剥離した。
【0149】剥離後のインキ面を観察し、100個のマ
ス目におけるインキ残留率(マス目の一部分でも剥がれ
たものも剥がれた個数として扱う)を以下の4段階の基
準で接着性を評価し、◎及び○を合格とした。 ◎:残留率100%(全く剥離しない) ○:残留率90%以上100%未満(実用上問題なく使
用できる) △:残留率70%以上90%未満(接着性が若干弱く、
実用上問題が発生する可能性有り) ×:残留率70%未満(接着性に問題有り)
【0150】(10)紫外線(UV)硬化型インキとの
密着性 UV硬化型インキ(株式会社セイコーアドバンス製、U
VA710 ブラック)をフィルム表面(被覆層が設け
られている場合は、被覆層表面)にテトロン・スクリー
ン(#300メッシュ)によって印刷した後に、500
mJ/cm2でUV露光した。
【0151】硬化したインキ層に対し、カッターナイフ
により2mm角で100マスのクロスカット面を入れ、
その上に粘着テープ(ニチバン株式会社製、セロテープ
CT−24)を気泡が入らないように貼りつけ、さらに
その上をこすって気泡が残らないように十分に密着させ
る。その後、上記インキ面の粘着テープが密着されてい
ない前後の両端部を手で押さえ、90°方向に急速に剥
離した。
【0152】剥離後のインキ面を観察し、100個のマ
ス目におけるインキ残留率(マス目の一部分でも剥がれ
たものも剥がれた個数として扱う)を以下の4段階の基
準で接着性を評価し、◎及び○を合格とした。 ◎:残留率100%(全く剥離しない) ○:残留率90%以上100%未満(実用上問題なく使
用できる) △:残留率70%以上90%未満(接着性が若干弱く、
実用上問題が発生する可能性有り) ×:残留率70%未満(接着性不良)
【0153】(11)耐水密着性 UV硬化型インキ(株式会社セイコーアドバンス製、U
VA710 ブラック)をフィルム表面(被覆層が設け
られている場合は、被覆層表面)にテトロン・スクリー
ン(#300メッシュ)によって印刷した後に、500
mJ/cm2でUV露光した。
【0154】上記フィルムを100℃の沸騰水中で2時
間煮沸処理し、水分をふき取ってからオーブンで40
℃、30分間乾燥させた。
【0155】硬化したインキ層に対し、カッターナイフ
により2mm角で100マスのクロスカット面を入れ、
その上に粘着テープ(ニチバン株式会社製、セロテープ
CT−24)を気泡が入らないように貼りつけ、さらに
その上をこすって気泡が残らないように十分に密着させ
る。その後、上記インキ面の粘着テープが密着されてい
ない前後の両端部を手で押さえ、90°方向に急速に剥
離した。
【0156】剥離後のインキ面を観察し、100個のマ
ス目におけるインキ残留率(マス目の一部分でも剥がれ
たものも剥がれた個数として扱う)を以下の4段階の基
準で接着性を評価し、◎及び○を合格とした。 ◎:残留率100%(全く剥離しない) ○:残留率90%以上100%未満(実用上問題なく使
用できる) △:残留率70%以上90%未満(接着性が若干弱く、
実用上問題が発生する可能性有り) ×:残留率70%未満(接着性不良)
【0157】(12)表面固有抵抗値 フィルムを23℃、65%RHの雰囲気下で24時間放
置後、その雰囲気下で表面抵抗値測定装置(三菱油化株
式会社製、ハイレスタ−IP)を用い、印加電圧500
Vにてフィルム表面(被覆層が設けられている場合は、
被覆層表面)の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した。
表面固有抵抗値が1×1012Ω/□未満の場合を良好と
した。
【0158】(13)フィルム破壊試験 試料フィルム2(白色積層ポリエステルフィルム)と厚
さ150μmのPETフィルム4(東洋紡績社製、E5
100)とを30mm×100mm角のサイズに切り、
接着剤3(東亜合成(株)製、アロンアルファハイスピ
ードEX)を用いて30mm×50mm角の範囲で貼り
合わせた試験片を5枚準備する。
【0159】次いで、図1に記載のように、引張り試験
機(東洋ボールドウィン(株)製、TENSILON
UTM−4−100)のチャック1に、試験片における
試料フィルム2とPETフィルム4のそれぞれ一方の端
部を把持し、ヘッドスピード200mm/分の速度で1
80°方向に引き剥がした(T型剥離)。この試験を5
回行い、試料フィルムの破壊状況を目視で観察し、以下
のように判定した。 ○:試料5枚とも、破壊が片面から反対面に貫通してい
る場合(材料破壊) ×:試料5枚のうち、1枚でも試料の表面層内部または
表面層と中心層との 接合面付近で剥離している場合
【0160】実施例1 [フィルム原料]フィルム原料として、常法により得ら
れた、白色顔料を含有しない固有粘度0.62dl/g
のポリエチレンテレフタレート(以後、PETと略す)
樹脂ペレット(b)49.9質量%に、白色顔料として
平均粒子径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン粒子
(富士チタン株式会社製、TA−300)50.0質量
%、蛍光増白剤(イーストマン・ケミカル社製、OB
1)0.1質量%を混合した樹脂組成物ペレットをベン
ト式二軸押し出し機に供給して予備混練りした。次い
で、この予備混練りした樹脂組成物ペレットを連続的に
ベント式単軸混練り機に供給、混練りしてノズルよりス
トランド状に溶融押出した。得られたストランドを水槽
で冷却固化させ、次いで該ストランドをストランドカッ
ターで連続的に切断して二酸化チタン含有マスターペレ
ット(a)を製造した。
【0161】前記PET樹脂ペレット(b)と二酸化チ
タン粒子(白色顔料)含有マスターペレット(a)をそ
れぞれ別個に140℃で8時間の真空乾燥処理を行った
後、PET樹脂ペレット(b)75質量%、及び上記マ
スターペレット(a)25質量%をペレット混合し、フ
ィルム原料(I)とした。
【0162】一方、PET樹脂ペレット(b)と二酸化
チタン(白色顔料)含有マスターペレット(a)との混
合比を、それぞれ70質量%と30質量%に変更する以
外はフィルム原料(I)と同様にして、フィルム原料
(II)を得た。
【0163】[水系塗布剤の調整] (共重合ポリエステルの調製)撹拌機、温度計、および
部分還流式冷却器を具備したステンレススチール製オー
トクレーブに、テレフタル酸を747質量部、イソフタ
ル酸を664質量部、セバシン酸を202質量部、フマ
ル酸を58質量部、エチレングリコールを744質量
部、ネオペンチルグリコールを720質量部仕込み、1
60℃から220℃まで昇温しながら、3時間かけてエ
ステル化反応を行った。
【0164】次いで、テトラ−n−ブチルチタネートを
0.7質量部加え、200℃から220℃まで1時間か
けて昇温し、エステル化反応を行った。次いで、255
℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、29.3P
aの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステ
ルを得た。得られた共重合ポリエステルは、ガラス転移
温度は40℃、重量平均分子量20,000、淡黄色透
明であった。
【0165】(グラフト変性ポリエステル樹脂)撹拌
機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応器
に、上記共重合ポリエステル樹脂を75質量部、メチル
エチルケトンを56質量部、及びイソプロピルアルコー
ルを19質量部入れ、65℃で加熱下撹拌し、樹脂を溶
解した。樹脂が完全に溶解した後、無水マレイン酸15
質量部をポリエステル溶液に添加した。
【0166】次いで、スチレン10質量部、およびアゾ
ビスジメチルバレロニトリル1.5質量部を12質量部
のメチルエチルケトンに溶解した溶液を0.1mL/分
でポリエステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続
けた。反応溶液から分析用のサンプリングを行った後、
メタノール5質量部を添加した。
【0167】次いで、イオン交換水300質量部とトリ
エチルアミン15質量部を反応溶液に加え、1時間撹拌
した。その後、反応器の内温を100℃に昇温し、メチ
ルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のトリ
エチルアミンを蒸留により留去し、水分散グラフト重合
樹脂を得た。該水分散変性樹脂は淡黄色透明で、ガラス
転移温度が40℃、破断強度が30MPaであった。
【0168】(塗布液)上記で得られた変性樹脂及びポ
リスチレンスルホン酸アンモニウム塩(日本NSC株式
会社製、分子量70,000)を固形分質量比で70/
30で混合し、全樹脂固形濃度が5質量%、溶媒が水/
イソプロピルアルコール=60/40(質量比)となる
よう調整し水系塗布液とした。なお、この被覆層用塗布
液の樹脂組成物を、前記の「(5)破断強度」に記載の
方法で作成したフィルムの破断強度は30MPaであっ
た。
【0169】[積層フィルムの製造]前記フィルム原料
をそれぞれ別の押出し機に供給し、フィードブロックを
用いて原料(I)からなる層(B層)と原料(II)か
らなる層(A層)をA層/B層/A層の順に溶融状態
で、各層の厚み比が10対80対10になるように各押
出機の吐出量を調整して積層し、25℃に調温した回転
冷却金属ロール上にTダイよりシート状に共押出しし、
厚み920μmの未延伸フィルムを作成した。
【0170】得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを
用いて66℃に均一加熱し、周速が異なる二対のニップ
ロール(低速ロール:2.0m/分、高速ロール:6.
2m/分)間で3.1倍に延伸した。このとき、フィル
ムの補助加熱装置として、ニップロール中間部に金反射
膜を備えた赤外線加熱ヒータ(定格出力:74W/c
m)をフィルムの両面に対向してフィルム面から1cm
の位置に設置し、定格の30%で加熱した。このように
して得られた一軸延伸フィルムの両面にコロナ放電処理
を施し、その両方の処理面に上記に示す水系塗剤をリバ
ースコート法で塗布した。
【0171】なお、塗布液をフィルム両面に塗工する際
には、次のような方法で行った。ロールギャップ間で1
000(1/秒)以上のせん断速度をかけ、2秒以内に
基材に塗布後、温度65℃、風速15m/秒の雰囲気下
で2秒間乾燥後、温度130℃、風速20m/秒の雰囲
気下で3秒間乾燥して水分を除去した。
【0172】その後、連続的にフィルム端部をクリップ
で把持しながらテンターに導き、120℃に加熱して
3.7倍に横延伸し、幅方向を固定して230℃で5秒
間の熱処理を施し、さらに200℃で幅方向に4%緩和
させることにより、両面に厚み0.20μmの被覆層を
有する厚さ100μmの白色積層ポリエステルフィルム
を得た。
【0173】実施例2 実施例1において、フィルム原料(II)を表面層(A
層)だけでなく中心層(B層)にも用いる以外は実施例
1と同様にして、両面に厚み0.20μmの被覆層を有
する厚さ100μmの白色積層ポリエステルフィルムを
得た。
【0174】実施例3 実施例1に記載のフィルム原料(I)において、PET
樹脂(b)と二酸化チタン(白色顔料)含有マスターペ
レット(a)との混合比を、それぞれ60質量%と40
質量%に変更する以外はフィルム原料(I)と同様にし
て、フィルム原料(III)を得た。実施例1におい
て、中心層(B層)用フィルム原料としてフィルム原料
(I)の代わりにフィルム原料(III)を用い、かつ
塗布液のポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(日本
NSC株式会社製、分子量70,000)をポリスチレ
ンスルホン酸リチウム塩(日本NSC株式会社製、分子
量10,000)に変更する以外は実施例1と同様にし
て、両面に厚み0.20μmの被覆層を有する厚さ10
0μmの白色積層ポリエステルフィルムを得た。なお、
この被覆層用塗布液の樹脂組成物を、前記の「(5)破
断強度」に記載の方法で作成したフィルムの破断強度は
30MPaであった。
【0175】比較例1 実施例1において、表面層(A層)用フィルム原料とし
て、フィルム原料(II)の代わりに、実施例3で作成
したフィルム原料(III)を用いる以外は実施例1と
同様にして、両面に厚み0.20μmの被覆層を有する
厚さ100μmの白色積層ポリエステルフィルムを得
た。なお、この被覆層用塗布液の樹脂組成物を、前記の
「(5)破断強度」に記載の方法で作成したフィルムの
破断強度は30MPaであった。
【0176】比較例1の白色積層ポリエステルフィルム
は、白色顔料である酸化チタンの含有量が、表面層(A
層)で20質量%で、中心層(B層)が12.5質量%
で、A層とB層との白色顔料の含有量の差が7.5質量
%であるため、請求項1の要件である「A層とB層との
白色顔料の含有量の差が5.0質量%以下」という要件
を満足しない例である。
【0177】比較例2 実施例1に記載のフィルム原料(I)において、PET
樹脂(b)と二酸化チタン(白色顔料)含有マスターペ
レット(a)との混合比を、それぞれ50質量%と50
質量%に変更する以外はフィルム原料(I)と同様にし
て、フィルム原料(IV)を得た。実施例1において、
表面層(A層)用フィルム原料としてフィルム原料(I
I)の代わりにフィルム原料(IV)を用い、かつ中心
層(A層)用フィルム原料としてフィルム原料(I)の
代わりにフィルム原料(II)を用いる以外は実施例1
と同様にして、両面に厚み0.20μmの被覆層を有す
る厚さ100μmの白色積層ポリエステルフィルムを得
た。なお、この被覆層用塗布液の樹脂組成物を、前記の
「(5)破断強度」に記載の方法で作成したフィルムの
破断強度は30MPaであった。
【0178】比較例2の白色積層ポリエステルフィルム
は、白色顔料である酸化チタンの含有量が、表面層(A
層)で25質量%で、中心層(B層)が15質量%で、
A層とB層との白色顔料の含有量の差が10質量%であ
るため、請求項1の要件である「A層とB層との白色顔
料の含有量の差が5.0質量%以下」という要件を満足
しない例である。
【0179】比較例3 実施例1において、被覆層を設けなかったこと以外は実
施例1と同様にして厚さ100μmの白色積層ポリエス
テルフィルムを得た。比較例3のの白色積層ポリエステ
ルフィルムは、被覆層を有しておらず、請求項1記載の
「基材の少なくとも片面に被覆層(C層)を設けた白色
積層ポリエステルフィルム」という要件を満足しない例
である。
【0180】実施例4 実施例1で得られた白色積層ポリエステルフィルムの表
面に傷がないことを顕微鏡で確認した後、片面にUV硬
化型インキ(株式会社セイコーアドバンス製、UVA7
10 ブラック)をフィルム表面(被覆層が設けられて
いる場合は、被覆層表面)にテトロン・スクリーン(#
300メッシュ)によって印刷した後に、500mJ/
cm2でUV露光した。これをJIS−X6311記載
の大きさ及び形状に切り出しカード状サンプルとした。
このサンプルをJIS−X6311記載の方法に従い、
酢酸水溶液に25℃で24時間浸漬した後、サンプルを
取り出して、25℃で1時間放置した。放置後、印刷面
を爪でこすり、剥離の有無を確認したが印刷層の剥離は
観察されず、良好なカードが得られた。
【0181】比較例4 比較例3で得られた、被覆層を設けていない白色積層ポ
リエステルフィルムを用いて、実施例4と同様の操作に
よりカード状サンプルを作製した。このサンプルをJI
S−X6311記載の方法に従い、酢酸水溶液に25℃
で24時間浸漬した後、サンプルを取り出して、25℃
で1時間放置した。放置後、印刷面を爪で擦ったとこ
ろ、印刷層が剥離し、カードとしては不適であった。
【0182】比較例5 実施例1で得られた白色積層ポリエステルフィルムに対
し、UVインキ印刷前の状態で金属ブラシによりあらか
じめ500μm以上の長さの傷を10個以上いれたもの
を用い、実施例1と同様の方法によりカード状サンプル
を得た。この場合には爪での擦りにより傷をつけた付近
からインキ層の剥離が観察され、カードとしては不適で
あった。
【0183】上記の実施例及び比較例で得られた白色積
層ポリエステルフィルムについて、物性を測定した結果
を表1に示す。
【0184】
【表1】
【0185】
【発明の効果】本発明の白色積層ポリエステルフィルム
は、A層とB層との白色顔料の含有量の差が5.0質量
%以下で、A層/B層/A層の3層構成からなる白色積
層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、変性樹脂
と高分子系帯電防止剤から主として構成された被覆層
(C層)を設けているため、白色性、貼り合わせ後の耐
剥離応力性、各種インキとの密着性、耐水密着性、帯電
防止性、耐擦り傷性に優れている。さらに、フィルム製
造工程中で被覆層を設けたり、フィルム製造時に屑とな
ったフィルム片をフィルム原料として再利用したりする
こともできるため、コスト低減の点からも工業的価値は
大きい。そのため、各種情報記録材料や印刷材料、特に
ICカード用基材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの破壊試験における試料の剥離方法を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 チャック 2 試料フィルム 3 接着剤層 4 PETフィルム 5 剥離方向
フロントページの続き (72)発明者 熊谷 栄二 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社フィルム開発研究所堅田フィル ムセンター内 (72)発明者 清水 敏之 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社フィルム開発研究所堅田フィル ムセンター内 (72)発明者 佐々木 靖 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社フィルム開発研究所敦賀フィルムセ ンター内 (72)発明者 西 睦夫 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社フィルム開発研究所敦賀フィルムセ ンター内 Fターム(参考) 4F100 AH04D AH04H AH08D AH08H AK02D AK41A AK41B AK41C AK41D AK41J AK41K AL04D AL05D BA04 BA07 BA10A BA10D BA27 CA13A CA13B CA13C CA13D CA22D EJ38 GB41 GB90 JA05D JB07 JG03 JG04 JK01 JK06 JL10A JL10B JL10C JL10D JL10H YY00 YY00D 4J027 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB17 AB18 AB23 AB24 AB25 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 BA13 BA14 CB04 CB09 CC02 CD00 5B035 AA07 BA05 BB09 CA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂層(B層)の両面にポ
    リエステル樹脂層(A層)を積層した3層の白色積層二
    軸延伸ポリエステルフィルムを基材とし、該基材の少な
    くとも片面に被覆層(C層)を設けた白色積層ポリエス
    テルフィルムであって、前記基材のA層及びB層には白
    色顔料が含有され、かつA層及びB層中の白色顔料の含
    有量が下記式(1)を満足し、さらに前記C層は変性樹
    脂、及びスルホン酸塩基または燐酸塩基を少なくとも1
    種有する高分子系帯電防止剤を含有し、破断強度が10
    〜100MPaであり、かつ25℃で65%RHにおけ
    る表面固有抵抗値が1×106〜1×1013Ω/□であ
    ることを特徴とする白色積層ポリエステルフィルム。 Pa−Pb≦5.0 …(1) ここで、Pa及びPbはそれぞれA層及びB層中の白色
    顔料の含有量(質量%)を示す。
  2. 【請求項2】 前記変性樹脂が10〜100℃のガラス
    転移温度を有することを特徴とする請求項1記載の白色
    積層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記変性樹脂が変性ポリエステル樹脂、
    変性アクリル樹脂、変性ポリウレタン樹脂の少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1または2記載の白
    色積層ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 前記変性ポリエステル樹脂が疎水性ポリ
    エステル系樹脂に二重結合を有する酸無水物を含有する
    モノマーを少なくとも1種含有する重合性不飽和単量体
    がグラフトされた自己架橋性ポリエステル系グラフト共
    重合体であることを特徴とする請求項3記載の白色積層
    ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 前記C層側から測定した色調b値が−
    5.0〜2.0であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の白色積層ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 ICカード用基材として用いることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の白色積層ポリ
    エステルフィルム。
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