JP6613898B2 - 空洞含有積層ポリエステルフィルム - Google Patents
空洞含有積層ポリエステルフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6613898B2 JP6613898B2 JP2015557269A JP2015557269A JP6613898B2 JP 6613898 B2 JP6613898 B2 JP 6613898B2 JP 2015557269 A JP2015557269 A JP 2015557269A JP 2015557269 A JP2015557269 A JP 2015557269A JP 6613898 B2 JP6613898 B2 JP 6613898B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester
- film
- layer
- void
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B5/00—Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts
- B32B5/18—Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts characterised by features of a layer of foamed material
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/36—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyesters
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/26—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
- B41M5/382—Contact thermal transfer or sublimation processes
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Description
1. ポリエステル樹脂と前記ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる空洞含有層(A層)と、A層の両面に積層された白色無機粒子を1〜45質量%含有するポリエステル層(B層)からなるB層/A層/B層の層構造を有するポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に易接着層を有する空洞含有積層ポリエステルフィルムであって、空洞含有積層ポリエステルフィルム全体の見かけ密度が1.12〜1.25g/cm 3 であり、一方の表面から他方の表面のへの最大熱流速度(Q−max値) が0.81W/cm2以上0.90W/cm2以下であることを特徴とする空洞含有積層ポリエステルフィルム。
2. 易接着層が、共重合ポリエステル樹脂または自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a)と、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤またはポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(b)とで主として構成された樹脂組成物からなることを特徴とする上記第1に記載の空洞含有積層ポリエステルフィルム。
3. (a)と(b)の質量比(a)/(b)が、90/10〜10/90であることを特徴とする上記第2に記載の空洞含有積層ポリエステルフィルム。
4. 上記第1〜第3のいずれかに記載の空洞含有積層ポリエステルフィルムを基材とする感熱記録用受容シート。
本発明の空洞含有積層ポリエステルフィルムは、内部に形成された多数の独立空洞(ボイド)によって構成されたフィルムに、特定の樹脂構成を有する易接着層が積層されている。特に、感熱記録用受容シート素材として用いられる場合、受容シート中の微細な空洞により受容シートの断熱効果が高まりサーマルヘッドの熱低下を起こさないことから、結果として、少しの熱エネルギーで容易にインクリボン上のインク成分を溶融・昇華させて、受容シート側へ転写でき、かすれや欠け、ムラのない安定した画像を形成することが可能である。さらに良好な成型追従性と、耐湿熱環境下においても良好な印刷層との接着性を有しており、そのため、各種記録材料用、配送伝票用、ラベル用、カード用、特に感熱記録用基材として好適である。
本発明における易接着層について詳細に述べる。
本発明における易接着層は後述する共重合ポリエステル樹脂または自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a)と、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤またはポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(b)から主として構成された樹脂組成物からなる塗布層である。易接着層が、共重合ポリエステル樹脂または自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a)と、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤またはポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(b)とで主として構成された樹脂組成物からなるとは、共重合ポリエステル樹脂または自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a)と、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤またはポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(b)との合計が、易接着層を構成する樹脂組成物全100質量%に対して、80質量%以上であることを言う。
本発明では前述のように易接着層に自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体を含有することが好ましい。自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体は基材フィルム及び印刷層との接着性を付与させることに寄与する。自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体は、高度な自己架橋構造を形成することができるため耐湿熱性にも良好な効果を奏し、さらに、自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体は、基材フィルムと易接着層の接着性を向上させることができる。本発明で用いる自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体は、易接着層の耐湿熱性の点から、疎水性共重合ポリエステル樹脂に少なくとも1種の二重結合を有する酸無水物を含む重合性不飽和単量体がグラフトされたものを用いることが好ましい。以下、本発明に用いる自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体について説明する。
本発明において、疎水性共重合性ポリエステル樹脂とは、本来それ自身で水に分散または溶解しない本質的に水不溶性であるものである。水に分散するまたは溶解するポリエステル樹脂を、グラフト重合に使用すると、本発明の目的である耐湿熱環境下での接着性が悪くなる。この疎水性共重合性ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分の組成は、芳香族ジカルボン酸60〜99.5モル%、脂肪族ジカルボン酸および/または脂環族ジカルボン酸0〜40モル%、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸0.5〜10モル%であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸が60モル%未満である場合や脂肪族ジカルボン酸および/または脂環族ジカルボン酸が40モル%を超えた場合は、印刷層との接着性が低下する場合があり、あまり好ましくない。
疎水性共重合性ポリエステル樹脂にグラフトさせる重合性不飽和単量体とは、親水性のラジカル重合性単量体をいい、親水基を有するか、後で親水基に変化できる基をもつラジカル重合可能な単量体である。親水基として、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、亜リン酸基、スルホン酸基、アミド基、第4級アンモニウム塩基等を挙げることができる。一方、親水基に変化できる基として、酸無水物基、グリシジル基、クロル基等を挙げることができる。これらの基の中でも水分散性、グラフト共重合体の酸価を上げる点から、カルボキシル基が好ましい。したがって、重合性不飽和単量体として二重結合を有する酸無水物を少なくとも1種含むことが望ましい。
本発明で用い得るグラフト重合開始剤としては、当業者には公知の有機過酸化物類や有機アゾ化合物類を用い得る。有機過酸化物として、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、有機アゾ化合物として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等を挙げることができる。グラフト重合を行うための重合開始剤の使用量は、重合性不飽和単量体に対して少なくとも0.2質量%、好ましくは0.5質量%以上である。重合開始剤の他に、枝ポリマーの鎖長を調節するための連鎖移動剤、例えばオクチルメルカプタン、メルカプトエタノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール等を必要に応じて用い得る。この場合、重合性不飽和単量体に対して0〜5質量%の範囲で添加されるのが望ましい。上記のようにして、自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体が得られる。
共重合ポリエステル樹脂は、塗工性の点から水溶性もしくは水分散性を有することが好ましい。このような共重合ポリエステルとしては、スルホン酸基又はそのアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくとも1種の基が結合した共重合ポリエステル(以下、スルホン酸基含有共重合ポリエステルという)を用いるのが好ましい。
本発明において、ポリウレタンは易接着層の柔軟性を付与し、優れた成形性のために添加される。しかしながら、ポリウレタンによる柔軟性が増すと、さらに加温条件下の高速加工での耐ブロッキング性や耐湿熱性が低下する場合がある。そのため、本発明においては、ポリウレタンとしてポリカーボネート系ポリウレタンを用いることが好ましい。
(Rは脂肪族系、または脂環族系置換基)
本発明において好ましく用いられる架橋剤としては、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤を挙げることができる。ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤を添加することにより、高度に接着性、耐ブロッキング性を両立させることが可能となる。
本発明のフィルムを情報記録体の部材として用いる場合、好ましい態様としては、25℃で65%RHにおける易接着層表面の表面固有抵抗値が1×106〜1014Ω/□であることが好ましい。表面抵抗値が上記範囲を超えた場合、印刷時の湿し水適性(水負け性)が悪化し、かすれ、にじみを生じやすくなり、好ましくない。また、印刷様式によってはインキのはじきが発生してムラとなったり、工程内異物の吸着やでスパークが発生する場合があり、あまり好ましくない。
本発明のポリエステル基材フィルムに用いるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは、(1)芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させ、次いで重縮合反応を行う方法(直重法)のほか、(2)芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させ、次いで重縮合反応を行う方法(エステル交換法)、あるいは(3)芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法、などの公知の方法によって製造することができる。
本発明の空洞含有積層ポリエステルフィルムは、逐次二軸延伸もしくは同時二軸延伸により得られた二軸配向積層ポリエステルが望ましい。以下、最も好んで用いられる逐次二軸延伸方法について説明する。
本発明の空洞含有積層ポリエステルフィルムは、特に感熱転写記録方式の受容シートに用いられた場合、微細な空洞による空気層のため断熱効果が高まり、印字ヘッドの熱エネルギーを有効に印字することができる。断熱効果を評価する方法に特に制限はないが、例えばQ−max値(W/cm2)を用いることができる。
Q−max値を測定する試料(フィルム)は、あらかじめ恒温恒湿室(室温20℃、湿度65%RH)に1週間以上放置しておく。面積25cm2の純銅板の温度は30℃に設定する。Water boxの温度を20℃に設定する。この状態で試料(フィルム)をWater boxの上に置き、その後30℃に設定された純銅板をWater box上の試料(フィルム)上に速やかに移動させ、最大熱伝達量Q−max値(W/cm2)を読み取る。Q−max値は、貯熱板である純銅板から試料(フィルム)への熱伝達量Qを銅板温度Tで微分して時間の関数として表わす。最大熱伝達量(Q−max値)は、値が小さいほど、試料(フィルム)の瞬間的な断熱効果が高いことを示す。
(シャープ性)
熱転写リボン(リコー株式会社製、B−110Cレジンタイプ 黒色)をボン電気株式会社製BLP−323に装着させ、任意に作成したバーコード柄を印刷させる。転写されたリボンインキの細線が印刷不良による抜け、濃淡差が起きていないか、15倍ルーペにて観察した。
(密着性)
また、印刷部分にセロテープ(登録商標)(ニチバン株式会社製、CT−24)を気泡が入らないように貼りつけ、さらにその上をこすって十分に密着させる。その後、上記インキ面のセロテープ(登録商標)が密着されていない前後の両端部を手で押さえ、90°方向に急速に剥離した。剥離箇所に於けるバーコード柄が密着しているか目視にて判定した。
○:抜け、濃淡が無くシャープな細線が印字されており、リボンインキが密着している。△:抜け、濃淡差がある。リボンインキは密着している。(実用上問題になると思われる)
×:抜け、濃淡差があり、リボンインキが基材より剥離を起こす。(実用上問題)
UV硬化型インキ(株式会社セイコーアドバンス製、UVA710 ブラック)をフィルム表面(易接着層が設けられている場合は、易接着層表面)にテトロン・スクリーン(#300メッシュ)によって印刷した後に、500mJ/cm2でUV露光した。
硬化した印刷層に対し、カッターナイフにより2mm角100マスのクロスカット面を入れ、その上にセロテープ(登録商標)(ニチバン株式会社製、CT−24)を気泡が入らないように貼りつけ、さらにその上をこすって十分に密着させる。その後、上記インキ面のセロテープ(登録商標)が密着されていない前後の両端部を手で押さえ、90°方向に急速に剥離した。
剥離後のインキ面を観察し、100個のマス目におけるインキ残留率(マス目の一部分でも剥がれたものも剥がれた個数として扱う)を以下の4段階の基準で接着性を評価し、◎及び○を合格とした。なお、本発明でいう易接着性とは、上記評価を行った際にインキ残留率が90%以上を有するものと定義する。
○:残留率70%以上100%以下(全く剥離しないか、又は実用上問題なく使用できる)
×:残留率70%未満(接着性不良)
フィルムを5.00cm角の正方形に4枚切り出して試料とした。これを4枚重ねにして、その厚みをマイクロメーターにより場所を変え任意の10箇所を有効数字4桁で測定し、重ね厚みの平均値を求めた。この平均値を4で除して有効数字3桁に丸め、一枚あたりの平均厚み(t:μm)とした。同試料4枚の質量(w:g)を有効数字4桁で自動上皿天秤を用いて測定し、次式より見かけ密度を求めた。なお、見かけ密度は有効数字3桁に丸めた。
見かけ密度(g/cm3)=(w×104)/(5.00×5.00×t)
ジメチルテレフタレート95質量部、ジメチルイソフタレート95質量部、エチレングリコール35質量部、ネオペンチルグリコール145質量部、酢酸亜鉛0.1質量部および三酸化アンチモン0.1質量部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6.0質量部を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減圧下(10〜0.2mmHg)、2時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量19,500の共重合ポリエステル系樹脂(a1)を得た。
攪拌機、温度計および部分還流式冷却器を具備したステンレス製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート218質量部、ジメチルイソフタレート194質量部、エチレングリコール488質量部、ネオペンチルグリコール200質量部およびテトラ−N−ブチルチタン0.5質量部を仕込み、160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで、フマル酸13質量部およびセバシン酸51質量部を加え、200℃から220℃まで1時間かけて昇温しエステル化反応を行った。次いで、255℃まで昇温し反応系を徐々に減圧した後、0.22mmHgの減圧下で1時間30分反応させ、疎水性共重合ポリエステル樹脂を得た。得られた疎水性共重合ポリエステルは、淡黄色透明であった。
撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応器に、疎水性共重合ポリエステル75質量部、メチルエチルケトン56質量部およびイソプロピルアルコール19質量部を入れ、65℃で加熱、撹拌し樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、無水マレイン酸15質量部をポリエステル溶液に添加した。次いで、スチレン10質量部およびアゾビスジメチルバレロニトリル1.5質量部を12質量部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を0.1ml/分でポリエステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。反応溶液から分析用のサンプリングを行った後、メタノールを5質量部添加した。次いで、イオン交換水300質量部とトリエチルアミン15質量部を反応溶液に加え、1時間半撹拌した。その後、反応器内温を100℃に上げメチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のトリエチルアミンを蒸留により留去し、水分散した自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体を得た。得られた自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体は、淡黄色透明で、ガラス転移点は40℃であった。この樹脂を自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a2)とした。
ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物とマレイン酸とのポリエス
テル(分子量2000)200部に、ヘキサメチレンジイソシアネート33.6部を添加し、100℃×2時間反応を行い、遊離イソシアネート基4質量%を有するウレタンプレポリマーを得た。次いで系の温度を一旦50℃まで下げ、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液84部を添加し、45℃で60分間攪拌を行った後、水で希釈し樹脂分を25%としたブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤(b1)とした。
還流冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコ中に、ポリイソシアネートとして、1,3−シクロヘキサンビス(メチルイソシアネート)73.0質量部と、数平均分子量2000のポリヘキサンジオールカーボネート112.7質量部と、ネオペンチルグリコール11.7質量部と、ジメチロールプロピオン酸12.6質量部と、有機溶媒として、アセトニトリル60質量部、N−メチルピロリドン30質量部とを仕込み、窒素雰囲気下で、反応液温度を75〜78℃に調整して、反応触媒としてオクチル酸第1錫を0.06質量部加え、7時間で反応率99%以上まで反応させた。次いで、これを30℃まで冷却し、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、イソシアネート基末端プレポリマーを添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトニトリルおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水分散性ポリカーボネート系ポリウレタン(b2)の水溶液を調製した。ガラス転移点(Tg)は86℃であった。
上記で得られた共重合ポリエステル樹脂(a1)、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤(b1)の固形分の割合が(a1)/(b1)(質量比)=50/50であり、水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とした。
(空洞形成剤の製造)
溶融粘度1,300ポイズのポリメチルペンテン(PMP)樹脂60質量%、溶融粘度2,000ポイズのポリプロピレン(PP)樹脂20質量%、及び溶融粘度3,900ポイズのポリスチレン(PS)樹脂20質量%をペレット混合して、285℃に温調したベント式二軸押出機に供給、混練して空洞形成剤(原料c)を製造した。
シリカ粒子含有ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を次の方法で得た。エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.03質量部及び酢酸マグネシウム4水和物を0.088質量部、トリエチルアミンを0.16質量部添加した。
上記のポリエチレンテレフタレート(原料d)と表面にシロキサン処理を施した平均粒径 0.2μmのアナターゼ型二酸化チタン粒子(堺化学工業株式会社製)を質量比50/50で混合し、ベント式混練機で混練して、二酸化チタン粒子含有マスターバッチ(原料e)を製造した。
加熱真空乾燥を施した前記原料をc/d/e=7/88/5(質量比)となるように連続計量・連続攪拌してA層の原料とした。次に、この原料をダブルフライトの単軸押出機に供給して溶融混練し、ギアポンプ、フィルター、直径50mmの短管内部に装着された12エレメントのスタティックミキサーを経由して、直ちにフィードブロック(共押出し接合器)に供給した。このとき、スタティックミキサー部で生じた圧損は3.7MPaであった。
上記で得られた自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a2)、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤(b1)の固形分の割合が(a2)/(b1)(質量比)=60/40であり水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とした。
実施例1において、塗布液Aを塗布液Bに代えたこと以外は実施例1と同様にして、易接着層を有する、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(実施例2)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
上記で得られた共重合ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート系ウレタン樹脂(b2)の固形分の割合が(a1)/(b2)(質量比)=60/40であり、水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とした。
実施例2において塗布液Bを塗布液Cに代えたこと以外は実施例1と同様にして、易接着層を有する、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(実施例3)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
上記で得られた自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a2)、ポリカーボネート系ウレタン樹脂(b2)の固形分の割合が(a2)/(b2)(質量比)=70/30であり、水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とした。
実施例3において、塗布液Cを塗布液Dに代えたこと以外は実施例1と同様にして、易接着層を有する、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(実施例4)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
実施例1において、フィルムの製造におけるA層原料をc/d/e=12/83/5(質量比)に変更し、塗布液Dを水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とし、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(参考例5)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
実施例1において、フィルムの製造におけるA層原料をc/d/e=4/91/5(質量比)に変更し、塗布液Dを水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とし、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(実施例6)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
実施例1において、空洞成型剤cをポリプロピレン樹脂100質量%に変更し、フィルムの製造におけるA層原料をc/d/e=13/82/5(質量比)に変更し、塗布液Aを水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とし、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(参考例7)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
上記で得られた共重合ポリエステル樹脂(a1)、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤(b1)、ポリカーボネート系ポリウレタン(b2)の固形分の割合が(a1)/(b1又はb2)(質量比)=100/0であり、水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=70/30;質量比)で希釈して水系塗布剤とした。
実施例1において、フィルムの製造におけるA層原料をc/d/e=1/94/5(質量比)に変更し、塗布液Aを塗布液Eに代えたこと以外は実施例1と同様にして、易接着層を有する、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(比較例1)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
上記で得られた共重合ポリエステル樹脂液(a1)、自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a2)、ポリカーボネート系ウレタン樹脂(b2)の固形分の割合が(a1又はa2)/(b2)(質量比)=0/100であり、、水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=70/30;質量比)で希釈して水系塗布剤とした。
実施例1において、フィルムの製造におけるA層原料をc/d/e=1/94/5(質量比)に変更し、塗布液Aを塗布液Fに代えたこと以外は実施例1と同様にして、易接着層を有する、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(比較例2)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
実施例1において、易接着層の塗布を実施せず空洞含有複合ポリエステル系フィルム(比較例3)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
実施例1において、フィルムの製造におけるA層原料をc/d/e=0/95/5(質量比)に変更し、塗布液Dを水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とし、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(比較例4)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
実施例1において、フィルムの製造におけるA層原料をc/d/e=19/76/5(質量比)に変更し、塗布液Dを水/イソプルピルアルコールの混合溶媒(=65/35;質量比)で希釈して水系塗布剤とし、空洞含有複合ポリエステル系フィルム(比較例5)を製造した。得られたフィルムの特性と評価結果を表1に示す。
Claims (4)
- ポリエステル樹脂と前記ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる空洞含有層(A層)と、A層の両面に積層された白色無機粒子を1〜45質量%含有するポリエステル層(B層)からなるB層/A層/B層の層構造を有するポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に易接着層を有する空洞含有積層ポリエステルフィルムであって、空洞含有積層ポリエステルフィルム全体の見かけ密度が1.12〜1.25g/cm 3 であり、一方の表面から他方の表面のへの最大熱流速度(Q−max値) が0.81W/cm2以上0.90W/cm2以下であることを特徴とする空洞含有積層ポリエステルフィルム。
- 易接着層が、共重合ポリエステル樹脂または自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(a)と、ブロック型イソシアネート基を含有する架橋剤またはポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(b)とで主として構成された樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の空洞含有積層ポリエステルフィルム。
- (a)と(b)の質量比(a)/(b)が、90/10〜10/90であることを特徴とする請求項2に記載の空洞含有積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の空洞含有積層ポリエステルフィルムを基材とする感熱記録用受容シート。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014236328 | 2014-11-21 | ||
JP2014236328 | 2014-11-21 | ||
PCT/JP2015/081701 WO2016080256A1 (ja) | 2014-11-21 | 2015-11-11 | 空洞含有積層ポリエステルフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2016080256A1 JPWO2016080256A1 (ja) | 2017-08-31 |
JP6613898B2 true JP6613898B2 (ja) | 2019-12-04 |
Family
ID=56013798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015557269A Active JP6613898B2 (ja) | 2014-11-21 | 2015-11-11 | 空洞含有積層ポリエステルフィルム |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6613898B2 (ja) |
TW (1) | TWI664081B (ja) |
WO (1) | WO2016080256A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109572128B (zh) * | 2018-10-25 | 2020-10-16 | 惠州市浩明科技股份有限公司 | Pet保护膜 |
CN116887985A (zh) * | 2021-02-17 | 2023-10-13 | 东洋纺株式会社 | 含空洞聚酯系膜 |
EP4174585A1 (fr) * | 2021-10-29 | 2023-05-03 | The Swatch Group Research and Development Ltd | Procédé de fabrication d'un composant horloger luminescent |
JP7127726B1 (ja) * | 2021-11-24 | 2022-08-30 | 王子ホールディングス株式会社 | 紫外線レーザー印刷用フィルム、印刷物、および加工品 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2674342B2 (ja) * | 1991-03-06 | 1997-11-12 | 東レ株式会社 | 感熱記録用受容シート基材 |
JP2005281396A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Toray Ind Inc | 空洞含有ポリエステル系樹脂フィルムまたはシート |
JP5493939B2 (ja) * | 2009-04-28 | 2014-05-14 | 東洋紡株式会社 | 白色積層ポリエステルフィルム |
KR101404875B1 (ko) * | 2009-12-04 | 2014-06-09 | 도요보 가부시키가이샤 | 이접착성 열가소성 수지 필름 |
-
2015
- 2015-11-11 JP JP2015557269A patent/JP6613898B2/ja active Active
- 2015-11-11 WO PCT/JP2015/081701 patent/WO2016080256A1/ja active Application Filing
- 2015-11-18 TW TW104138050A patent/TWI664081B/zh active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TWI664081B (zh) | 2019-07-01 |
JPWO2016080256A1 (ja) | 2017-08-31 |
WO2016080256A1 (ja) | 2016-05-26 |
TW201625420A (zh) | 2016-07-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5720218B2 (ja) | インサート成型用ポリエステルフィルム | |
JP5493938B2 (ja) | 成型用積層ポリエステルフィルム | |
JP6613898B2 (ja) | 空洞含有積層ポリエステルフィルム | |
TW201000317A (en) | Readily bondable polyester film | |
CN102529492B (zh) | 具有耐刮擦饰面的顶层的安全和/或贵重文件 | |
JP5928334B2 (ja) | 積層フィルムおよび成型体 | |
JP5493940B2 (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
JP5874632B2 (ja) | モールド工程用離型ポリエステルフィルム | |
JP2006206771A (ja) | 光学用易接着性ポリエステルフィルム及び光学用積層ポリエステルフィルム | |
JP2008094089A (ja) | 成型用ポリエステルフィルム | |
TWI573688B (zh) | Laminated polyester film | |
JP2022125074A (ja) | 空洞含有ポリエステル系樹脂フィルム | |
JP4161251B2 (ja) | 白色被覆ポリエステルフィルム | |
JP5493939B2 (ja) | 白色積層ポリエステルフィルム | |
JP4792693B2 (ja) | 成型用ポリエステルフィルム及びそれから得られたダミー容器 | |
JP2001232738A (ja) | 記録用白色ポリエステルフィルム | |
JP5720174B2 (ja) | 成型用ポリエステルフィルム | |
WO2012057072A1 (ja) | 成型用ポリエステルフィルム | |
JP2017100399A (ja) | 積層フィルム | |
JP2004223714A (ja) | 白色積層ポリエステルフィルム | |
JP2003231230A (ja) | 白色積層ポリエステルフィルム | |
JP2005066939A (ja) | 成型用ポリエステルフィルム及びそれから得られたダミー容器 | |
JP2003225983A (ja) | 白色積層ポリエステルフィルム | |
JP4178839B2 (ja) | 印刷用積層ポリエステルフィルム | |
US20230392049A1 (en) | Highly adhesive polyester film |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181023 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190716 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190909 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191008 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191021 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6613898 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |