JP2003225941A - 成形時の溶着インサート部品保持治具 - Google Patents
成形時の溶着インサート部品保持治具Info
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- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 特にブロー成形される自動二輪車用燃料タン
クを含む成形品全般にわたって広く、成形品に各種イン
サート部品を溶着する際に、成形金型内のキャビティ壁
面にインサート部品を一時的に位置決め保持しておくの
に便利で機能的な成形時の溶着インサート部品保持治具
を提供する。 【解決手段】 燃料タンク内のガソリンをエンジンに供
給する吐出弁を取り付けるための吐出弁取付座10をイ
ンサート部品として溶着する場合、ブロー成形金型40
内のキャビティ壁面41の所定位置に保持治具30を固
定し、この保持治具30によって吐出弁取付座10を埋
込ナット13に自在に係脱させて保持する。その保持状
態でタンク本体のパリソンが成形金型40内に押し出し
成形される。
クを含む成形品全般にわたって広く、成形品に各種イン
サート部品を溶着する際に、成形金型内のキャビティ壁
面にインサート部品を一時的に位置決め保持しておくの
に便利で機能的な成形時の溶着インサート部品保持治具
を提供する。 【解決手段】 燃料タンク内のガソリンをエンジンに供
給する吐出弁を取り付けるための吐出弁取付座10をイ
ンサート部品として溶着する場合、ブロー成形金型40
内のキャビティ壁面41の所定位置に保持治具30を固
定し、この保持治具30によって吐出弁取付座10を埋
込ナット13に自在に係脱させて保持する。その保持状
態でタンク本体のパリソンが成形金型40内に押し出し
成形される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に自動二輪車等
の車両に装備される燃料タンクのごとき成形品に各種部
品をインサート部品として溶着するに際して、各種部品
を成形金型内のキャビティ壁面に一時的に位置決め保持
しておくための成形時の溶着インサート部品保持治具に
関する。
の車両に装備される燃料タンクのごとき成形品に各種部
品をインサート部品として溶着するに際して、各種部品
を成形金型内のキャビティ壁面に一時的に位置決め保持
しておくための成形時の溶着インサート部品保持治具に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両搭載の燃料タンクの多くは中
空(ブロー)成形された樹脂製のものが採用されてお
り、原料となる溶融樹脂を押出機で可塑化してパリソン
として押し出し、型締めを終えた後、ブロー成形金型内
のパリソンにエアーを吹き込んで所要の形状に成形す
る。その後、適当な冷却時間を置いてから離型し、バリ
取りなどトリミングを行って製品とされる。
空(ブロー)成形された樹脂製のものが採用されてお
り、原料となる溶融樹脂を押出機で可塑化してパリソン
として押し出し、型締めを終えた後、ブロー成形金型内
のパリソンにエアーを吹き込んで所要の形状に成形す
る。その後、適当な冷却時間を置いてから離型し、バリ
取りなどトリミングを行って製品とされる。
【0003】そうした燃料タンクのタンク本体には、車
体フレームに固定して取り付けるためのブラケット、燃
料のガソリンを注入して補給するための筒形の給油口、
またエンジンにガソリンを強制的に吐出して送り込むた
めの吐出弁を取り付ける吐出弁取付座といった各種部品
が設けられている。
体フレームに固定して取り付けるためのブラケット、燃
料のガソリンを注入して補給するための筒形の給油口、
またエンジンにガソリンを強制的に吐出して送り込むた
めの吐出弁を取り付ける吐出弁取付座といった各種部品
が設けられている。
【0004】ところで、特に上記吐出弁取付座のごとき
部品の場合、吐出弁をボルトで結合するための金属製ナ
ットが埋め込まれているのが一般的である。この場合、
そのような金属製の埋込ナットを備えているために、ブ
ロー成形を行ってタンク本体と一体に成形することがで
きない。
部品の場合、吐出弁をボルトで結合するための金属製ナ
ットが埋め込まれているのが一般的である。この場合、
そのような金属製の埋込ナットを備えているために、ブ
ロー成形を行ってタンク本体と一体に成形することがで
きない。
【0005】そこで予め埋込ナットを埋め込んで射出成
形などされた吐出弁取付座がインサート部品として準備
され、成形時にタンク本体の所定個所に溶着される。す
なわち、タンク本体のブロー成形時、エア吹き込みによ
って膨らんで展開中のパリソンにインサート部品である
吐出弁取付座を溶着させる。
形などされた吐出弁取付座がインサート部品として準備
され、成形時にタンク本体の所定個所に溶着される。す
なわち、タンク本体のブロー成形時、エア吹き込みによ
って膨らんで展開中のパリソンにインサート部品である
吐出弁取付座を溶着させる。
【0006】その際、タンク本体のブロー成形に備え
て、予め吐出弁取付座をブロー成形金型内のキャビティ
(作形空洞)壁面の所定位置に位置決めし、一時的に保
持してパリソン押し出し時まで待機させておく必要があ
る。そのような吐出弁取付座をキャビティ壁面に位置決
めして保持する手段としては、吐出弁取付座に埋め込ま
れている金属製埋込ナットの雌ねじ部を利用してこの雌
ねじに棒状のピン部材を挿入して保持させておくことが
考えられる。すなわち、棒状のピン部材をキャビティ壁
面から立ち上げて固定し、その立ち上げ先端部に埋込ナ
ットの雌ねじ部を挿入して仮係合させることで、吐出弁
取付座を一時的に位置決め保持する。また、かかるピン
部材としては、吐出弁取付座をタンク本体に溶着後、タ
ンク本体を金型から離型する工程でそれと一緒に吐出弁
取付座の埋込ナットから抜かれ、簡単に取り外しできる
ような着脱容易な機能が求められる。
て、予め吐出弁取付座をブロー成形金型内のキャビティ
(作形空洞)壁面の所定位置に位置決めし、一時的に保
持してパリソン押し出し時まで待機させておく必要があ
る。そのような吐出弁取付座をキャビティ壁面に位置決
めして保持する手段としては、吐出弁取付座に埋め込ま
れている金属製埋込ナットの雌ねじ部を利用してこの雌
ねじに棒状のピン部材を挿入して保持させておくことが
考えられる。すなわち、棒状のピン部材をキャビティ壁
面から立ち上げて固定し、その立ち上げ先端部に埋込ナ
ットの雌ねじ部を挿入して仮係合させることで、吐出弁
取付座を一時的に位置決め保持する。また、かかるピン
部材としては、吐出弁取付座をタンク本体に溶着後、タ
ンク本体を金型から離型する工程でそれと一緒に吐出弁
取付座の埋込ナットから抜かれ、簡単に取り外しできる
ような着脱容易な機能が求められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】吐出弁取付座を一時保
持するピン部材としては、ピン外径や長さのサイズがあ
まり細く小さいと保持中の吐出弁取付座が脱落し易くて
機能しない。一方、ピン外径や長さのサイズが太く過大
になると、埋込ナットへの着脱が困難で作業に支障をき
たし、無理に着脱しようとすると埋込ナットの雌ねじ部
のねじ山を傷めてしまい、吐出弁をボルトで固定できな
くなるといった深刻な事態を招くようになる。
持するピン部材としては、ピン外径や長さのサイズがあ
まり細く小さいと保持中の吐出弁取付座が脱落し易くて
機能しない。一方、ピン外径や長さのサイズが太く過大
になると、埋込ナットへの着脱が困難で作業に支障をき
たし、無理に着脱しようとすると埋込ナットの雌ねじ部
のねじ山を傷めてしまい、吐出弁をボルトで固定できな
くなるといった深刻な事態を招くようになる。
【0008】本発明の目的は、特にブロー成形される自
動二輪車用燃料タンクを含む成形品全般にわたって広
く、成形品に各種インサート部品を溶着する際に、成形
金型内のキャビティ壁面にインサート部品を一時的に位
置決め保持しておくのに便利で機能的な成形時の溶着イ
ンサート部品保持治具を提供することにある。
動二輪車用燃料タンクを含む成形品全般にわたって広
く、成形品に各種インサート部品を溶着する際に、成形
金型内のキャビティ壁面にインサート部品を一時的に位
置決め保持しておくのに便利で機能的な成形時の溶着イ
ンサート部品保持治具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる成形時の溶着インサート部品保持治
具は、孔部を有するインサート部品、例えば埋込ナット
を保持するインサート部品を成形金型内に一時的に保持
した状態にして、成形金型内に溶融樹脂を注入してイン
サート部品を溶着するためのものであって、ピン形状の
治具本体が基端部を成形金型内に固定して立ち上げら
れ、その治具本体の先端部に係止した係止ばねにインサ
ート部品の孔部、例えば埋込ナットの雌ねじ部を係脱自
在に係合させることにより、インサート部品を成形金型
内に保持可能とさせていることを特徴とする。
に、本発明にかかる成形時の溶着インサート部品保持治
具は、孔部を有するインサート部品、例えば埋込ナット
を保持するインサート部品を成形金型内に一時的に保持
した状態にして、成形金型内に溶融樹脂を注入してイン
サート部品を溶着するためのものであって、ピン形状の
治具本体が基端部を成形金型内に固定して立ち上げら
れ、その治具本体の先端部に係止した係止ばねにインサ
ート部品の孔部、例えば埋込ナットの雌ねじ部を係脱自
在に係合させることにより、インサート部品を成形金型
内に保持可能とさせていることを特徴とする。
【0010】以上から、成形金型内にインサート部品を
係止ばねに係合させることで脱落の心配もなく確実に保
持し、成形後の離型工程では治具本体からそのインサー
ト部品を容易に抜いて離脱させることができる。
係止ばねに係合させることで脱落の心配もなく確実に保
持し、成形後の離型工程では治具本体からそのインサー
ト部品を容易に抜いて離脱させることができる。
【0011】この成形時の溶着インサート部品保持治具
は、係止ばねが、治具本体の先端部に止ピンを挿通させ
て係止する部分の鉢巻き状のリング部を有し、またその
リング部の両端から延長して設けられてインサート部品
の孔部、例えば埋込ナットの雌ねじ部に弾力を利かして
係脱可能に係合する両側一対の保持腕部を有している。
は、係止ばねが、治具本体の先端部に止ピンを挿通させ
て係止する部分の鉢巻き状のリング部を有し、またその
リング部の両端から延長して設けられてインサート部品
の孔部、例えば埋込ナットの雌ねじ部に弾力を利かして
係脱可能に係合する両側一対の保持腕部を有している。
【0012】以上の構成により、治具本体にピン止めさ
れる係止ばねは弾力の利く一対の保持腕部を有している
ので、それら保持腕部がインサート部品の孔部、例えば
埋込ナットの雌ねじ部に適度な弾力で係脱することによ
り、インサート部品を位置決め保持することおよび成形
後の離型に際して抜き取ることが容易に行われるので、
成形作業の能率化が図れる。また、係止ばねの保持腕部
による適度な弾力は、埋込ナットに無理な力で押し込ん
だり引き抜いたりして雌ねじのねじ山を傷めることはな
い。
れる係止ばねは弾力の利く一対の保持腕部を有している
ので、それら保持腕部がインサート部品の孔部、例えば
埋込ナットの雌ねじ部に適度な弾力で係脱することによ
り、インサート部品を位置決め保持することおよび成形
後の離型に際して抜き取ることが容易に行われるので、
成形作業の能率化が図れる。また、係止ばねの保持腕部
による適度な弾力は、埋込ナットに無理な力で押し込ん
だり引き抜いたりして雌ねじのねじ山を傷めることはな
い。
【0013】また、本発明の成形時の溶着インサート部
品保持治具が有効に適用される態様の一つにあっては、
車両の燃料タンクをブロー成形する成形する際、タンク
本体に溶着されるインサート部品がガソリンをエンジン
に供給する吐出弁を取りつけるための吐出弁取付座であ
り、この吐出弁取付座が埋込ナットを埋め込んで成形さ
れた射出成形品であって、その埋込ナットの雌ねじ部に
係止ばねの一対の保持腕部を係合させることにより、吐
出弁取付座を前記治具本体に保持させた状態で成形金型
内の所定位置に位置決めすることを可能とする。
品保持治具が有効に適用される態様の一つにあっては、
車両の燃料タンクをブロー成形する成形する際、タンク
本体に溶着されるインサート部品がガソリンをエンジン
に供給する吐出弁を取りつけるための吐出弁取付座であ
り、この吐出弁取付座が埋込ナットを埋め込んで成形さ
れた射出成形品であって、その埋込ナットの雌ねじ部に
係止ばねの一対の保持腕部を係合させることにより、吐
出弁取付座を前記治具本体に保持させた状態で成形金型
内の所定位置に位置決めすることを可能とする。
【0014】以上から、車両搭載用のガソリンの燃料タ
ンクをブロー成形する際、それに溶着されるインサート
部品の具体例である埋込ナットを保持する吐出弁取付座
を保持治具でもってブロー成形金型内のキャビティ壁面
に簡易かつ確実に一時的に位置決め保持することがで
き、インサート部品溶着成形の作業効率が格段に向上す
る。
ンクをブロー成形する際、それに溶着されるインサート
部品の具体例である埋込ナットを保持する吐出弁取付座
を保持治具でもってブロー成形金型内のキャビティ壁面
に簡易かつ確実に一時的に位置決め保持することがで
き、インサート部品溶着成形の作業効率が格段に向上す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明にかかる成形時の溶着イン
サート部品保持治具の実施の形態について、図面を参照
して詳細に説明する。図1は、成形品の具体例としてブ
ロー成形される自動二輪車用の燃料タンク1にあって、
タンク本体2のブロー成形時にインサート部品として一
体に溶着される吐出弁取付座10を他のインサート部品
とともに示す斜視図である。
サート部品保持治具の実施の形態について、図面を参照
して詳細に説明する。図1は、成形品の具体例としてブ
ロー成形される自動二輪車用の燃料タンク1にあって、
タンク本体2のブロー成形時にインサート部品として一
体に溶着される吐出弁取付座10を他のインサート部品
とともに示す斜視図である。
【0016】タンク本体2の天地方向でいう上部にはガ
ソリンをタンク内に充満させて給油するためのインサー
ト部品である筒形の給油口3が設けられ、また同じくイ
ンサート部品としてタンク本体2を車体フレームに取り
付けて固定するためのブラケット4などが設けられてい
る。これら給油口3やブラケット4は射出成形によって
単体成形して準備されるインサート部品であり、タンク
本体2のブロー成形時にパリソンを展開させて押し込む
ことにより一体に溶着される部品である。
ソリンをタンク内に充満させて給油するためのインサー
ト部品である筒形の給油口3が設けられ、また同じくイ
ンサート部品としてタンク本体2を車体フレームに取り
付けて固定するためのブラケット4などが設けられてい
る。これら給油口3やブラケット4は射出成形によって
単体成形して準備されるインサート部品であり、タンク
本体2のブロー成形時にパリソンを展開させて押し込む
ことにより一体に溶着される部品である。
【0017】図2に示すように、タンク本体2に一体に
溶着されるインサート部品である上記吐出弁取付座10
には、エンジンにガソリンを供給するための燃料吐出口
として吐出弁20がボルト24で結合して取り付けられ
る。この吐出弁取付座10は、長円形などの形状の本体
ベース11を有し、本体ベース11の背面側に2つの膨
出部12,12が山形状に並んで設けられている。そう
した2つの膨出部12,12に2つの金属製の埋込ナッ
ト13,13が射出成形して一体成形されている。タン
ク本体2への溶着後、吐出弁取付座10の本体ベース1
1とタンク本体2を機械加工して弁挿入用の貫通孔1
4,5が穿たれて開口される。吐出弁20は弁本体21
から垂下する吸引管25を有し、これをタンク本体2の
内部に貫通孔14,5から挿入してガソリンを吸引する
ようになっている。吸引管25の下端にはフィルタ26
が取り付けられている。また、この吐出弁20にはガソ
リンの吐出量などを調整する切換レバー23も備わって
いる。
溶着されるインサート部品である上記吐出弁取付座10
には、エンジンにガソリンを供給するための燃料吐出口
として吐出弁20がボルト24で結合して取り付けられ
る。この吐出弁取付座10は、長円形などの形状の本体
ベース11を有し、本体ベース11の背面側に2つの膨
出部12,12が山形状に並んで設けられている。そう
した2つの膨出部12,12に2つの金属製の埋込ナッ
ト13,13が射出成形して一体成形されている。タン
ク本体2への溶着後、吐出弁取付座10の本体ベース1
1とタンク本体2を機械加工して弁挿入用の貫通孔1
4,5が穿たれて開口される。吐出弁20は弁本体21
から垂下する吸引管25を有し、これをタンク本体2の
内部に貫通孔14,5から挿入してガソリンを吸引する
ようになっている。吸引管25の下端にはフィルタ26
が取り付けられている。また、この吐出弁20にはガソ
リンの吐出量などを調整する切換レバー23も備わって
いる。
【0018】図3〜図6の各図は、タンク本体2をブロ
ー成形金型40で成形する際、インサート部品である吐
出弁取付座10を一時的に保持治具30で保持した状態
にして、キャビティ壁面41にタンク本体2を造形原材
料であるパリソンを押し出してエアを吹き込み、膨らん
で展開するそのパリソンに溶着させて離型するまでの成
形工程を順に示す断面図である。
ー成形金型40で成形する際、インサート部品である吐
出弁取付座10を一時的に保持治具30で保持した状態
にして、キャビティ壁面41にタンク本体2を造形原材
料であるパリソンを押し出してエアを吹き込み、膨らん
で展開するそのパリソンに溶着させて離型するまでの成
形工程を順に示す断面図である。
【0019】図3のように、キャビティ壁面41の所定
位置に保持治具30が固定され、この固定された保持治
具30に吐出弁取付座10を保持させる。図4はその保
持状態を示している。なお、金属製埋込ナット13を保
持する吐出弁取付座10は説明の便宜上帽子形のものが
図示されているが、本来はこの帽子形のものが両側に2
つ有する図1〜2に示すものである。
位置に保持治具30が固定され、この固定された保持治
具30に吐出弁取付座10を保持させる。図4はその保
持状態を示している。なお、金属製埋込ナット13を保
持する吐出弁取付座10は説明の便宜上帽子形のものが
図示されているが、本来はこの帽子形のものが両側に2
つ有する図1〜2に示すものである。
【0020】ここで、図7〜図10の各図を参照して保
持治具30の構造を示す。治具本体31の一端側は雄ね
じ33が設けられ、この雄ねじ33で上記図3のように
ブロー成形金型40のキャビティ壁面41の所定位置に
螺合させて固定される。雄ねじ33の上部は立ち上がり
長さを決める位置決め用のフランジ部32として鍔状に
なっている。フランジ部32の上部は長手方向に切り込
んでスリット34が設けられ、このスリット34に直交
して端部に止ピン孔35が貫通して設けられている。そ
うした形状の治具本体31に付属する部品としてばね鋼
などによる金属製の係止ばね36と、金属製または合成
樹脂製の止ピン37が備わっている。
持治具30の構造を示す。治具本体31の一端側は雄ね
じ33が設けられ、この雄ねじ33で上記図3のように
ブロー成形金型40のキャビティ壁面41の所定位置に
螺合させて固定される。雄ねじ33の上部は立ち上がり
長さを決める位置決め用のフランジ部32として鍔状に
なっている。フランジ部32の上部は長手方向に切り込
んでスリット34が設けられ、このスリット34に直交
して端部に止ピン孔35が貫通して設けられている。そ
うした形状の治具本体31に付属する部品としてばね鋼
などによる金属製の係止ばね36と、金属製または合成
樹脂製の止ピン37が備わっている。
【0021】その係止ばね36は、鉢巻き状に巻いた形
にして止ピン37が挿通する内径のリング部36bを有
し、リング部36bの両端は長く延びて両側一対の保持
腕部36a,36aとなっており、間隔を拡大したり縮
小してばね力を利かすような形状に加工されている。ま
た、そうした両側一対の保持腕部36a,36aの先端
は平行な係止脚部36c,36cとなっており、それら
係止脚部36c,36cを開いた定常状態から弾性ばね
力に抗して閉じるようになっている。
にして止ピン37が挿通する内径のリング部36bを有
し、リング部36bの両端は長く延びて両側一対の保持
腕部36a,36aとなっており、間隔を拡大したり縮
小してばね力を利かすような形状に加工されている。ま
た、そうした両側一対の保持腕部36a,36aの先端
は平行な係止脚部36c,36cとなっており、それら
係止脚部36c,36cを開いた定常状態から弾性ばね
力に抗して閉じるようになっている。
【0022】再び図3〜図6において、かかる保持治具
30に吐出弁取付座10を一時的に保持させた状態でタ
ンク本体2をブロー成形する工程を説明する。タンク本
体2のブロー成形に備えて、金型内のキャビティ壁面4
1の所定位置に固定した保持治具30の治具本体31に
吐出弁取付座10を金属製埋込ナット13の雌ねじ部1
3aに挿入して保持した状態にする(図4)。すなわ
ち、それに備えて治具本体31では、図7〜図10に示
すように、係止ばね36がスリット34に挿入され、貫
通孔35に止ピン37を挿通させてリング部36bに通
し、係止ばね36が治具本体31から抜けて脱落しない
ように保持している(図8)。そうした係止ばね36の
両側一対の保持腕部36a,36aを互いに押し縮める
ようにして係止脚部36c,36cに力Pを加え(図
9,図10)、吐出弁取付座10側の埋込ナット13の
雌ねじ13aに保持腕部36a,36aを係合させる
(図4参照)。
30に吐出弁取付座10を一時的に保持させた状態でタ
ンク本体2をブロー成形する工程を説明する。タンク本
体2のブロー成形に備えて、金型内のキャビティ壁面4
1の所定位置に固定した保持治具30の治具本体31に
吐出弁取付座10を金属製埋込ナット13の雌ねじ部1
3aに挿入して保持した状態にする(図4)。すなわ
ち、それに備えて治具本体31では、図7〜図10に示
すように、係止ばね36がスリット34に挿入され、貫
通孔35に止ピン37を挿通させてリング部36bに通
し、係止ばね36が治具本体31から抜けて脱落しない
ように保持している(図8)。そうした係止ばね36の
両側一対の保持腕部36a,36aを互いに押し縮める
ようにして係止脚部36c,36cに力Pを加え(図
9,図10)、吐出弁取付座10側の埋込ナット13の
雌ねじ13aに保持腕部36a,36aを係合させる
(図4参照)。
【0023】次に、図5に示すように、キャビティ壁面
41に吐出弁取付座10を保持治具30で保持した状態
から、タンク本体2をブロー成形すべくパリソンが成形
金型40内に押し出される。そのパリソンにエアなどが
吹き込まれて膨らませ、展開させて吐出弁取付座10を
押し込んで包むように溶着する。溶着後、一定の時間冷
却する。
41に吐出弁取付座10を保持治具30で保持した状態
から、タンク本体2をブロー成形すべくパリソンが成形
金型40内に押し出される。そのパリソンにエアなどが
吹き込まれて膨らませ、展開させて吐出弁取付座10を
押し込んで包むように溶着する。溶着後、一定の時間冷
却する。
【0024】冷却後、図6に示すように、ブロー成形金
型40を離型すると、タンク本体2に溶着して保持され
た吐出弁取付座10が保持治具30から離れる。このと
き、保持治具30側の係止ばね36の両側一対の保持腕
部36a,36aは吐出弁取付座10を離す力で押し縮
められ、それにより係合から解放されて吐出弁取付座1
0が保持治具30から容易に抜ける。係止ばね36によ
る係止力は好適に設定してあるので、抜く際の力で吐出
弁取付座10に埋設されている金属製埋込ナット13の
雌ねじ部13aのねじ山を傷めることはない。
型40を離型すると、タンク本体2に溶着して保持され
た吐出弁取付座10が保持治具30から離れる。このと
き、保持治具30側の係止ばね36の両側一対の保持腕
部36a,36aは吐出弁取付座10を離す力で押し縮
められ、それにより係合から解放されて吐出弁取付座1
0が保持治具30から容易に抜ける。係止ばね36によ
る係止力は好適に設定してあるので、抜く際の力で吐出
弁取付座10に埋設されている金属製埋込ナット13の
雌ねじ部13aのねじ山を傷めることはない。
【0025】なお、本保持治具30を用いる対象として
車両装備の燃料タンク1のごときブロー成形品の場合に
ついて説明されたが、ブロー成形品へのインサート部品
溶着成形に限ることなく、広く成形品一般へのインサー
ト部品溶着成形に本保持治具30を用いることが可能で
ある。
車両装備の燃料タンク1のごときブロー成形品の場合に
ついて説明されたが、ブロー成形品へのインサート部品
溶着成形に限ることなく、広く成形品一般へのインサー
ト部品溶着成形に本保持治具30を用いることが可能で
ある。
【0026】また、インサート部品の具体例として吐出
弁取付座10について説明されたが、勿論そうした吐出
弁取付座10だけが対象ではなく射出成形されたインサ
ート部品一般に適用できる。その際、埋込ナット13の
雌ねじ部13aに治具本体31を挿入する例が開示され
たが、そうした雌ねじ部13aに限ることなく、盲孔や
貫通孔など「孔部」を有するインサート部品であれば適
用可能である。
弁取付座10について説明されたが、勿論そうした吐出
弁取付座10だけが対象ではなく射出成形されたインサ
ート部品一般に適用できる。その際、埋込ナット13の
雌ねじ部13aに治具本体31を挿入する例が開示され
たが、そうした雌ねじ部13aに限ることなく、盲孔や
貫通孔など「孔部」を有するインサート部品であれば適
用可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明にかかる成形時の溶着インサート
部品保持治具は、成形金型内にインサート部品を係止ば
ねに係合させることで脱落の心配もなく確実に保持し、
成形後の離型工程では治具本体からそのインサート部品
を容易に抜いて離脱させることができる。
部品保持治具は、成形金型内にインサート部品を係止ば
ねに係合させることで脱落の心配もなく確実に保持し、
成形後の離型工程では治具本体からそのインサート部品
を容易に抜いて離脱させることができる。
【0028】また、この溶着インサート部品保持治具
は、治具本体にピン止めされる係止ばねは弾力の利く一
対の保持腕部を有しているので、それら保持腕部がイン
サート部品の埋込ナットの雌ねじ部に適度な弾力で係脱
することにより、インサート部品を位置決め保持するこ
とおよび成形後の離型に際して抜き取ることが容易に行
われるので、成形作業の効率化が図られる。また、係止
ばねの保持腕部による適度な弾力は、埋込ナットに無理
な力で押し込んだり引き抜いたりして雌ねじのねじ山を
傷めることはない。
は、治具本体にピン止めされる係止ばねは弾力の利く一
対の保持腕部を有しているので、それら保持腕部がイン
サート部品の埋込ナットの雌ねじ部に適度な弾力で係脱
することにより、インサート部品を位置決め保持するこ
とおよび成形後の離型に際して抜き取ることが容易に行
われるので、成形作業の効率化が図られる。また、係止
ばねの保持腕部による適度な弾力は、埋込ナットに無理
な力で押し込んだり引き抜いたりして雌ねじのねじ山を
傷めることはない。
【0029】また、本発明の成形時の溶着インサート部
品保持治具が有効に適用される態様の一つにあっては、
車両搭載用のガソリンの燃料タンクをブロー成形する
際、それに溶着されるインサート部品の具体例である埋
込ナットを保持する吐出弁取付座を保持治具でもってブ
ロー成形金型内のキャビティ壁面に簡易かつ確実に一時
的に位置決め保持することができ、インサート部品溶着
成形の作業効率が格段に向上する。
品保持治具が有効に適用される態様の一つにあっては、
車両搭載用のガソリンの燃料タンクをブロー成形する
際、それに溶着されるインサート部品の具体例である埋
込ナットを保持する吐出弁取付座を保持治具でもってブ
ロー成形金型内のキャビティ壁面に簡易かつ確実に一時
的に位置決め保持することができ、インサート部品溶着
成形の作業効率が格段に向上する。
【図1】本発明に係わる保持治具を使用してインサート
部品である吐出弁取付座などが溶着された燃料タンクを
示す斜視図である。
部品である吐出弁取付座などが溶着された燃料タンクを
示す斜視図である。
【図2】吐出弁取付座に吐出弁が取り付けられる態様を
示す一部断面による分解図である。
示す一部断面による分解図である。
【図3】ブロー成形金型キャビティ壁面に保持治具を介
してインサート部品である吐出弁取付座を保持する前の
段階の工程を示す分解図である。
してインサート部品である吐出弁取付座を保持する前の
段階の工程を示す分解図である。
【図4】インサート部品の吐出弁取付座を保持した状態
を示す工程の側面組立図である。
を示す工程の側面組立図である。
【図5】保持状態の吐出弁取付座をタンク本体に溶着し
た状態の工程を示す側面組立図である。
た状態の工程を示す側面組立図である。
【図6】保持治具から吐出弁取付座を離脱させるときの
離型工程を示す側面分解図である。
離型工程を示す側面分解図である。
【図7】一部拡大して示す保持治具の分解図である。
【図8】保持治具の組立図である。
【図9】保持治具に備わる係止ばね単体の拡開状態を示
す正面図である。
す正面図である。
【図10】係止ばね単体の収縮状態を示す正面図であ
る。
る。
1 燃料タンク(ブロー成形体)
2 タンク本体
3 筒形の給油口
4 車体フレーム取付用のブラケット
10 吐出弁取付座(インサート部品)
13 金属製の埋込ナット
13a 雌ねじ
30 保持治具
31 治具本体
33 雄ねじ
34 ばね収容用のスリット
35 ピン挿通用の貫通孔
36 係止ばね
36a 保持腕部
36b 止ピン挿通用のリング部
36c 係止脚部
37 止ピン
40 ブロー成形金型
41 キャビティ壁面
Claims (4)
- 【請求項1】 孔部を有するインサート部品を成形金型
内に一時的に保持した状態にして、成形金型内に溶融樹
脂を注入してインサート部品を溶着するための溶着イン
サート部品保持治具であって、 ピン形状の治具本体が基端部を成形金型内に固定して立
ち上げられ、その治具本体の先端部に係止した係止ばね
にインサート部品の孔部を係脱自在に係合させることに
より、インサート部品を成形金型内に保持可能とさせて
いることを特徴とする成形時の溶着インサート部品保持
治具。 - 【請求項2】 係止ばねが、治具本体の先端部に止ピン
を挿通させて係止する部分の鉢巻き状のリング部を有
し、またそのリング部の両端から延長して設けられてイ
ンサート部品の孔部に弾力を利かして係脱可能に係合す
る両側一対の保持腕部を有してなっている請求項1記載
の溶着インサート部品保持治具。 - 【請求項3】 孔部を有するインサート部品が埋込ナッ
トを保持するインサート部品である請求項1または2記
載の溶着インサート部品保持治具。 - 【請求項4】 車両の燃料タンクをブロー成形する成形
する際、タンク本体に溶着されるインサート部品がガソ
リンをエンジンに供給する吐出弁を取りつけるための吐
出弁取付座であり、この吐出弁取付座が埋込ナットを埋
め込んで成形された射出成形品であって、その埋込ナッ
トの雌ねじ部に係止ばねの一対の保持腕部を係合させる
ことにより、吐出弁取付座を治具本体に保持させた状態
で成形金型内の所定位置に位置決めすることを可能とす
る請求項3記載の溶着インサート部品保持治具。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002027706A JP2003225941A (ja) | 2002-02-05 | 2002-02-05 | 成形時の溶着インサート部品保持治具 |
TW91134512A TW200303812A (en) | 2002-02-05 | 2002-11-27 | Insert retention jig embedded in forming |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002027706A JP2003225941A (ja) | 2002-02-05 | 2002-02-05 | 成形時の溶着インサート部品保持治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003225941A true JP2003225941A (ja) | 2003-08-12 |
Family
ID=27749140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002027706A Pending JP2003225941A (ja) | 2002-02-05 | 2002-02-05 | 成形時の溶着インサート部品保持治具 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003225941A (ja) |
TW (1) | TW200303812A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009298089A (ja) * | 2008-06-16 | 2009-12-24 | Kyoraku Co Ltd | 座部材付き中空成形品およびその製造方法 |
CN102006983A (zh) * | 2008-04-16 | 2011-04-06 | 本田技研工业株式会社 | 嵌入部件熔敷成形方法 |
JP2017032062A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 株式会社キッツ | ライニング形バタフライバルブの弁体とその成形装置並びに成形方法及びバタフライバルブ |
-
2002
- 2002-02-05 JP JP2002027706A patent/JP2003225941A/ja active Pending
- 2002-11-27 TW TW91134512A patent/TW200303812A/zh unknown
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102006983A (zh) * | 2008-04-16 | 2011-04-06 | 本田技研工业株式会社 | 嵌入部件熔敷成形方法 |
JP2009298089A (ja) * | 2008-06-16 | 2009-12-24 | Kyoraku Co Ltd | 座部材付き中空成形品およびその製造方法 |
JP2017032062A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 株式会社キッツ | ライニング形バタフライバルブの弁体とその成形装置並びに成形方法及びバタフライバルブ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW200303812A (en) | 2003-09-16 |
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