JP2003224123A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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Abstract
板面内分布を大きく低減し、製造コストを低減する。 【解決手段】 基板に対して直接又は間接にエピタキシ
ャル積層された強誘電体薄膜を有する半導体装置の製造
方法であって、STO基板21上にスパッタ法にてSR
O薄膜22を形成した後、厚さt=40nm、基板温度
T=550℃、基板とターゲットとのなす角度φ=90
度、基板と強誘電体ターゲットの最短距離l=65m
m、基板の自転速度ω=12rpm、スパッタガス圧p
=0.27Pa、スパッタガス中の酸素分圧pO2=0.
034Pa、ターゲット面積当たりのRF電力Ps=
7.3W/cm2 のスパッタ条件で、SRO薄膜22上
にBTO薄膜23を形成し、さらにその上にスパッタ法
にてSRO薄膜24を形成する。
Description
る半導体装置の製造方法に係わり、特に誘電体薄膜をス
パッタによって形成するようにした半導体装置の製造方
法に関する。
O3 等のエピタキシャル強誘電体薄膜を用いた半導体メ
モリが種々提案されている。この種の用途に用いられる
エピタキシャル強誘電体薄膜は、基板上で均一な電気特
性を示す薄膜でなくてはならない。
によって形成されるが、この方法では良質の薄膜を形成
するのは難しい。従来は、電気特性の基板内位置変化が
あまりに大きいため、幅2cm以内の小さな帯状の基板
領域上においてのみ、かろうじて実用となる強誘電体電
気特性を得る方法しか存在しなかった。このような小さ
な基板領域上に強誘電体薄膜を作製する従来手法では、
1回の成膜当たりで作製できる半導体装置の数が限られ
るため、製品の付加価値に対する製造コストが見合わ
ず、実際の製品には適用できなかった。
電体薄膜を用いた半導体装置をスパッタ法にて作製する
場合、従来は作製した薄膜層の下層部分にダメージを与
えてしまう問題点があった。
ッタ法でエピタキシャル強誘電体薄膜を作製する場合、
該薄膜を基板内均一性良く作製することは困難であっ
た。このため、大きな基板の全面にエピタキシャル強誘
電体薄膜を成膜することはできず、1回の成膜当たり作
製される半導体装置の数は少ないものであり、これがエ
ピタキシャル強誘電体薄膜を用いた半導体装置の製造コ
ストを増大させる要因となっていた。また、アモルファ
ス誘電体薄膜をスパッタ法にて作製する場合、該薄膜の
下層部分にダメージを与えてしまう問題があった。
ので、その目的とするところは、エピタキシャル強誘電
体薄膜の基板内均一性を向上させることができ、エピタ
キシャル強誘電体薄膜を用いた半導体装置の製造コスト
の低減に寄与し得る半導体装置の製造方法を提供するこ
とにある。
誘電体薄膜の下層にダメージを与えないように成膜する
ことを可能にした半導体装置の製造方法を提供すること
にある。
するために本発明は次のような構成を採用している。
にエピタキシャル積層された強誘電体薄膜、又はアモル
ファス誘電体薄膜を有する半導体装置の製造方法であっ
て、(1)強誘電体薄膜に加える電圧Vを増加させなが
ら測定したキャパシタンスCに対して|max(dC/dV)|<
|min(dC/dV)|で、かつ電圧Vを減少させながら測定し
たキャパシタンスCに対して|max(dC/dV)|>|min(dC
/dV)|が、基板中心からの基板内距離r[cm]と基板
面内角度方向θを用いて0≦θ<2π及び0≦r<20
[cm]の範囲において成り立つような積層膜を作製す
るに際し、(2)強誘電体薄膜における誘電損失 tanδ
に対して max(tanδ)<0.07で、かつ基板位置での
電圧の絶対値|V|>3[V]が、基板中心からの基板
内距離r[cm]と基板面内角度方向θを用いて0≦θ
<2π及び0≦r<20[cm]の範囲において成り立
つような積層膜を作製するに際し、(3)強誘電体薄膜
の表面に垂直な方向の結晶格子定数cに対して 0.410n
m≦c<0.433nmが、基板中心からの基板内距離r
[cm]と基板面内角度方向θを用いて0≦θ<2π及
び0≦r<20[cm]の範囲において成り立つような
積層膜を作製するに際し、(4)強誘電体薄膜の面内方
向の結晶格子定数aに対して 0.390nm≦a<0.398n
mが、基板中心からの基板内距離r[cm]と基板面内
角度方向θを用いて0≦θ<2π及び0≦r<30[c
m]の範囲において成り立つような積層膜を作製するに
際し、強誘電体薄膜の厚さt[nm]、基板温度T
[℃]、基板表面と強誘電体ターゲット面とのなす角度
φ[度]、基板と強誘電体ターゲットとの間の最短距離
l[cm]、基板の自転速度ω[rpm]、スパッタガ
ス圧p[Pa]、スパッタガス中の酸素分圧pO2[P
a]、ターゲット面積当たりのRF電力Ps[W/cm
2 ]の間に、
うな条件でRFマグネトロンスパッタを行い、スパッタ
粒子のエネルギーを前記条件によって適切な状態に制御
することで前記積層膜の下層に前記強誘電体薄膜の構成
原子が混入した遷移層電極を形成し、前記遷移層電極内
に面内欠陥を導入することで前記強誘電体薄膜の面内方
向の欠陥を抑制することを特徴とする。
に積層されたアモルファス誘電体薄膜を有する半導体装
置の製造方法であって、前記アモルファス誘電体薄膜の
誘電率εに対して、4.1≦ε≦16.0が基板中心か
らの基板内距離r[cm]と基板面内角度方向θを用い
て0≦θ<2π及び0≦r<30[cm]の範囲におい
て成り立つような積層膜を作製するに際し、アモルファ
ス誘電体薄膜の厚さt[nm]、基板温度T[℃]、基
板とアモルファス誘電体ターゲット面のなす角度φ
[度]、基板とアモルファス誘電体ターゲットの間の最
短距離l[cm]、基板の自転速度ω[rpm]、スパ
ッタガス圧p[Pa]、スパッタガス中の酸素分圧p
O2[Pa]、ターゲット面積当たりのRF電力Ps[W/
cm2 ]の間に、
うな条件でRFマグネトロンスパッタを行い、スパッタ
粒子のエネルギーを前記条件によって適切な状態に制御
することで前記積層膜の下層にアモルファス誘電体薄膜
の構成原子が混入した遷移層を形成し、アニール又はプ
ラズマ酸化等によって前記遷移層中に微量の酸素を拡散
させてを前記アモルファス誘電体薄膜と同一化させるこ
とを特徴とする。
は、エピタキシャル強誘電体薄膜の場合も、アモルファ
ス誘電体薄膜の場合も、スパッタ法の持つ本質的に同一
の原理によって発生していると予想される。即ち、酸化
物などのスパッタ法では、スパッタターゲット面に対し
て垂直な方向に、数十から数百エレクトロンボルトに達
する高エネルギーを持つ粒子ビームのフラックスが発生
することが避けられない。高い運動エネルギーを持つ粒
子が基板に入射すると、基板の結晶を破壊してしまい、
基板上の薄膜もエピタキシャル成長できない。
に、本発明は上記に示した条件でスパッタを行った。
以上)結晶性が悪くなり、後述する図4、5の特性が得
られなくなる。tが薄すぎると(25nm以下)、漏れ
電流の増大を招く。基板温度Tが高すぎると(600℃
以上)、LSI製造工程で他の部品プロセスに悪影響を
及ぼす。Tが低すぎると(450℃以下)、後述する図
4、5の特性が得られなくなる。
基板にダメージが発生する。φが小さすぎると(70度
以下)、成長速度が遅くなり結晶品質の低下を招く。距
離lが遠すぎると(125cm以上)、基板に入射する
エネルギーが弱くなり結晶性が悪くなる。lが短すぎる
と(35cm以下)、基板に入射するエネルギーが強く
なりダメージの発生を招く。自転速度ωが速すぎると
(25rpm以上)、ダストの発生を招く。
上)、エネルギーが低下し結晶成長を補助できなり、結
果として成長速度が遅くなる。酸素分圧pO2が高すぎる
と(0.01Pa以上)、他の材料の成長が阻害されて
結晶性が悪くなる。RF電力Psが大きすぎると(7.
4W/cm2 以上)と、基板にダメージが発生する。Psが
小さすぎると(2W/cm2 以下)、成長速度が遅くなり結
晶品質の低下を招く。
のと等価である。
しく、ターゲットの直径は4〜15cmが望ましい。さ
らに、基板はSi,SOI,SiGe,SrTiO3 ,
又はLaAlO3 が望ましい。このとき、下地として基
板上にバッファ層を形成するのが望ましく、バッファ層
としては、SrRuO3 ,Sr(Ti1-x,Rux)
O 3 ,SrNbO3 ,SrVO3 ,(Ti,Al)N,
Pt,Ir,又はRuが望ましい。
電体薄膜に関する条件は、それぞれ良質のエピタキシャ
ル強誘電体薄膜となる条件である。同様に、前記(5)
で定義した誘電体薄膜に関する条件は、良質のアモルフ
ァス誘電体薄膜となる条件である。さらに、0≦θ<2
π及び0≦r<30[cm]の範囲という条件は、この
種の薄膜を形成するために用いられる基板として、十分
に大きなものを含む条件である。
形態によって説明する。
の実施形態に使用したスパッタ装置の基本構成を示す図
である。
基板、13を基板12を保持して回転する回転機構、1
4は基板12を加熱するためのヒータ、15はスパッタ
ターゲット、16はターゲット15を保持すると共にR
F電力を印加するためのスパッタカソード、17は基板
12とターゲット15との間にスパッタガスを供給する
ためのガス導入管、18はチャンバ11内を排気するた
めの排気ポンプを示している。
ゲット15との空間に磁場を印加するためのマグネット
がカソード内に配置されており、これによりマグネトロ
ンスパッタが可能となっている。また、ターゲット15
は基板表面に対して90度傾けて配置するようになって
いる。このように、ターゲット15を傾けて配置するの
は、ある程度の成長速度を確保しながらも、基板12に
対するダメージ発生を防止するためである。
半導体装置の製造工程を示す断面図である。
O3 (以下、STOと略記する)基板21上にスパッタ
法によってSrRuO3 (以下、SROと略記する)薄
膜22をエピタキシャル積層し、その上にスパッタ法に
てBaTiO3 (以下、BTOと略記する)薄膜23を
エピタキシャル積層し、さらにその上にスパッタ法にて
SRO薄膜24をエピタキシャル積層した。ここで、B
TO薄膜22の形成に際してのスパッタ条件としては、
BTO薄膜の厚さt=40nm、基板温度T=550
℃、基板表面とターゲット面とのなす角度φ=90度、
基板と強誘電体ターゲットとの間の最短距離l=65m
m、ターゲット直径Rt=5.08cm、ターゲット個
数n=1個、基板の自転速度ω=12rpm、スパッタ
ガス圧p=0.27Pa、スパッタガス中の酸素分圧p
O2=0.034Pa、ターゲット面積当たりのRF電力
PsPs=7.3W/cm2 とした。
層薄膜上に大気中でレジスト25を塗布し、このレジス
ト25に紫外線で電極パターンを露光した。その後、レ
ジスト25をマスクに、電極部の上部SRO薄膜24と
BTO薄膜23を順番にエッチングして、下層のSRO
薄膜22の電極パターンを作製した。
(c)に示すように、再びレジスト26を塗布し、この
レジスト26に紫外線でキャパシタパターンを露光し
た。この状態で上部にレジスト26のパターンと上層の
SRO薄膜24の表面が露出している。
ト26上及び露出したSRO薄膜24上に真空中でPt
をスパッタし、Pt膜27を形成した。その後、レジス
ト26を除去することにより、Ptのキャパシタ上部電
極パターンを作製した。
27が付着していない部分の上部SRO薄膜24をエッ
チング除去することにより、上下SRO電極に挟まれた
BTOキャパシタが作製されることになる。
電極)を成膜後、BTO強誘電体薄膜23を成膜する過
程が本発明において特に重要な点である。この過程では
スパッタターゲットから発生した高速酸素負イオンビー
ムによって様々な励起状態にある粒子が存在する。これ
らは数エレクトロンボルト程度の内部エネルギーを持っ
ているため、下層のSRO薄膜22の表面のみならず、
表面から数原子層下まで到達する。従ってこの領域にお
いて、SRO薄膜22からBTO薄膜23に連続的に遷
移する層が形成される。
いため、図3に示すように、SRO薄膜22に混入され
て(Sr,Baδ)RuO3 からなる遷移層31が出現
する。この層31の格子定数はSROの格子定数より若
干大きいため、面内方向に格子欠陥が導入される。金属
状態である電極中の欠陥は、本半導体装置の動作に与え
る影響を無視できる。但し、この遷移層31は形成され
ない場合もある。
図3に示すように、SRO薄膜22に混入されて(Sr
1-x ,Bax+δ)(Ru1-x ,Tix )O3+δというも
う一つの遷移層32が上記の遷移層31の上に形成され
る。ここで、xは0から1の間を無限連続的に変化し、
下部SRO層付近でx=0、上部BTO層方向でx=1
となる。らさに、δは下層のSRO層付近で0≦δ≦
0.1なる値をとり、上部BTO層付近でδ=0とな
る。なお、この遷移層32も形成されない場合もある。
には金属であるため、本半導体装置においては電極とし
て作用する。これらの遷移層31,32の格子定数はS
ROの格子定数より若干大きいため、面内方向に格子欠
陥が導入される。金属状態である電極中の格子欠陥は、
本半導体装置の動作に与える影響を無視できる。遷移層
31,32の上にBTO薄膜23を形成するため、BT
O薄膜23は遷移層薄膜上にキューブオンキューブ型の
成長形式をとりやすくなる。この欠陥がBTO強誘電体
中に導入された場合、誘電損失などが大きくなって半導
体装置として動作しなくなる。
格子定数より小さな格子定数を取らざるを得ない。従っ
て、BTO薄膜23には面内方向の圧縮応力が働いてい
ることになる。この圧縮応力によってBTO中のTi原
子のダブルポテンシャルの底が深くなり、本来のBTO
結晶より高い臨海温度まで強誘電体となる。従って、B
TO薄膜23の強誘電体電気特性が前記(1)に示した
ような望ましい状態となる。
ない成膜方法、即ちゾルゲル法或いは各種CVD法など
では生成されない。この場合、薄膜成長はキューブオン
キューブ型ではなく、BTO本来の結晶格子定数のまま
薄膜成長する。一方で並行平板型のスパッタなど、ター
ゲットからの高エネルギービームが直接基板に入射する
成膜方法では、薄膜がダメージを受けてエピタキシャル
成長しない。或いは基板に直接高エネルギービームを入
射させない方法でも、高エネルギービームによって励起
された各種粒子のエネルギー分布が不均一となる場合
は、上記遷移層が均一に作製されない。このことが従来
技術にて均一なエピタキシャル薄膜を作製できなかった
原因である。
ット面に対して鉛直方向に発生する高エネルギービーム
が、基板表面に近いところを基板表面に対して平行に飛
来するように基板とターゲットを配置する。このときの
基板12とターゲット15のなす角度φ及び距離lの好
ましい値は、(作用)の項に示した範囲に存在する。φ
が小さすぎれば基板にダメージが発生し、φが大きすぎ
れば励起粒子が基板に到達する量が少なすぎる。lが小
さすぎれば上記遷移層が厚くなりすぎ、lが大きすぎれ
ば上記遷移層が不足する。
べたものが、図4である。直径20cmの基板内のr=
1.5cmの位置に作製したキャパシタと、r=3.5
cmの位置に作製したキャパシタと、r=8.5cmの
位置に作製したキャパシタのCV電気特性を図4の上か
ら順に(a)(b)(c)で並べた。
た電圧Vが増大しているとき、キャパシタンスはなだら
かな曲線を描いて増大する。分極反転電圧Vc1(Vc1>
0)を超えて増大すると、キャパシタンスは急激に減少
し、その後非常に緩やかに減少する。キャパシタンスが
増大して、その増加率dC/dVが最大となった値ma
x(dC/dV)と、キャパシタンスが減少して、その
増加率(減少率)dC/dVが最小となった値min
(dC/dV)を比較すると、 |max(dC/dV)|<|min(dC/dV)| が成り立っている。図4で示した全ての基板位置で、C
V曲線は上記特徴を満足している。
減少させているとき、キャパシタンスはなだらかな曲線
を描いて増大する。再び分極が反転電圧する−|Vc2|
(Vd2>0)を超えて電圧が減少すると、キャパシタン
スは急激に減少し、その後非常に緩やかに減少する。キ
ャパシタンスが増大して、その増加率dC/dVが最大
となった値max(dC/dV)と、キャパシタンスが
減少して、その増加率(減少率)dC/dVが最小とな
った値min(dC/dV)を比較すると、 |max(dC/dV)|<|min(dC/dV)| が成り立っている。図4で示した全ての基板位置で、C
V曲線は上記特徴を満足している。
に、電圧Vに対してキャパシタンスの変化率dC/dV
をプロットしたものである。即ち、図5(a)に示すよ
うな前記図4(a)と同様のCV曲線に対し、キャパシ
タンスの変化率dC/dVをプロットすると図5(b)
のようになり、このdC/dV曲線から、全ての基板位
置で上に述べた関係式が成り立っていることが分かる。
うなスパッタ装置を用い、STO基板21上に下部電極
としてのSRO薄膜22を形成し、その上にエピタキシ
ャル強誘電体薄膜としてのBTO薄膜23を形成し、さ
らにその上に上部電極としてのSRO薄膜24を形成す
ることにより、強誘電体キャパシタを作製することがで
きる。そしてこの場合、BTO薄膜23をスパッタで形
成する際の条件を最適に設定することにより、BTO薄
膜23の基板内均一性を向上させることができ、BTO
薄膜を用いた強誘電体キャパシタ等の半導体装置の製造
コストの低減をはかることができる。
の実施形態に係わる半導体装置の概略構造を示す断面図
である。
iAlN膜52をエピタキシャル積層し、その上にスパ
ッタ法によってIr膜53をエピタキシャル積層し、さ
らにその上にスパッタ法によってSr(Ru,Ti)O
3 膜(図示せず)をエピタキシャル積層した。
様に、スパッタ法によってSRO薄膜54をエピタキシ
ャル積層し、その上に第1の実施形態と同じスパッタ条
件でBTO薄膜55をエピタキシャル積層し、さらにそ
の上にスパッタ法によってSRO薄膜56をエピタキシ
ャル積層した。その後、第1の実施形態と同様に、レジ
ストパターンの形成、選択エッチングを行うことによ
り、SRO電極に挟まれたBTOキャパシタが作製され
ることになる。
特性を調べたものが、図7である。直径20cmの基板
内のr=1.5cmの位置に作製したキャパシタと、r
=3.5cmの位置に作製したキャパシタと、r=8.
5cmの位置に作製したキャパシタのtanδ−V電気
特性を、図7の上から順に(a)(b)(c)で並べ
た。
誘電損失 tanδ が上昇し、分極反転電圧以上で tanδ
が減少する。このとき電圧を増大させても誘電損失、即
ちリーク電流が増大しない。分極反転後、電圧を低下さ
せると誘電損失 tanδ が上昇し、再び分極が反転する
電圧以下で tanδ が減少する。このときも電圧を負に
増大させても、誘電損失すなわちリーク電流が減少しな
い。
対値が|V|>3Vであるときに誘電損失tanδ<
0.07を満たし、BTO薄膜54が良質のエピタキシ
ャル膜であることが分かった。
第1の実施形態と同様に、STO基板上にスパッタ法に
よってSRO薄膜をエピタキシャル積層し、その上に第
1の実施形態と同様のスパッタ条件でBTO薄膜をエピ
タキシャル積層し、さらにその上にスパッタ法によって
SRO薄膜を積層した。
薄膜の面に垂直な方向の格子定数を調べたものが、図8
(a)である。図8(b)には、比較のためにSi上に
積層膜を形成した場合の例を示している。図8では薄膜
面内方向の結晶格子定数に対応した位置にX線回折ピー
クが現れるようにして測定した結果である。
層薄膜の面内方向の格子定数を調べたものが、図9
(a)〜(c)である。図9は、横軸が面内方向、縦軸
が面に垂直方向とした、逆格子マップである。
m≦c<0.433nmを満たしている。また、STO
基板、SRO薄膜、BTO薄膜の面内方向の格子定数が
全て0.390nm≦a<0.395nmなる関係を満
たしている。なお、図10(a)〜(c)には、第2の
実施形態のようにSi上に積層膜を形成した場合の結果
を示しておく。
4の実施形態に係わる半導体装置の概略構造を示す断面
図である。
液及び希フッ酸の水溶液にて処理した後、Si基板71
上にスパッタ法にてアモルファス(Si1-x ,Zrx )
O2(但しxは0.01〜0.95の範囲)薄膜74を
作製した。このときのスパッタ条件は、t=40nm、
T=500℃、φ=90度、l=65mm、Rt=5.
08cm、n=1個、ω=12rpm、p=0.27P
a、pO2=0.000Pa、Ps=7.4W/cm2 と
した。
(Si1-x ,Zrx )O2 薄膜74を作製すると、スパ
ッタガス中の酸素はターゲット酸化物由来のものしか存
在せず、最小限に抑制できる。酸素の存在量が僅かなの
で、ターゲット鉛直方向の高速酸素負イオンビームの強
度も最小限になる。さらに、高速ビームは基板に対して
平行に飛来するので、直接基板を損傷することもない。
i1-x ,Zrx )O2 薄膜74を作製する場合、アモル
ファス薄膜中のSi原子やZr原子に対する酸素原子の
配位数が充分に大きくないと、アモルファス(S
i1-x ,Zrx )O2 薄膜74の誘電率ε SiZrOが充分
大きくならない。Si原子やZr原子に対する酸素原子
の配位数を大きくするためには、アモルファス(Si
1-x ,Zrx )O2 薄膜74中のSi原子やZr原子の
エネルギーが充分高く、酸素の配位数が多くなるよう再
配置が起こる必要がある。
i原子やZr原子の再配置を起こすことを狙うと、高温
下におけるSi基板の自然酸化が起こる。この場合、ア
モルファス(Si1-x ,Zrx )O2 薄膜の誘電率ε
SiZrOは、直列静電容量の計算式 (1/εSiZrO)=(1/εSiO)+(1/εZrO) によってSiO2 の誘電率εZrOと比較して僅かしか上
昇しない。
てアモルファス(Si1-x ,Zrx)O2 薄膜74を作
製すると、図11に示すように、Zrの質量がSiやO
の質量より重いことに対応し、Si基板直上にZrが混
入した遷移層72,73ができる。但し図11におい
て、ZrリッチなSi1-x Zrx+δO2+δ(但し0.0
1≦x≦0.95の範囲、0.0≦δ≦0.1の範囲)
遷移層73は存在しない場合もある。
rが混入した遷移層中に微量の酸素が移動し、図12に
示すようなSi基板上の誘電体薄膜構造となる。但し、
図12におけるSi(1-α) ZrαO2 アモルファス誘
電体遷移層薄膜75において0≦α≦0.7を満たす。
9などを成膜することで、図13のような界面層の存在
しないSi1-x Zrx O2 アモルファス誘電体のゲート
絶縁膜構造が製造された。上記スパッタ条件が、αを最
適な値となる条件であったためであると考えられる。
がxより遙かに小さくなり、直列誘電率が低下する。Z
rのエネルギーが高すぎると、Si1-x Zrx 遷移層が
残留し、ゲート電極の移動度を低下させるなどの悪い作
用がある。上記のスパッタ条件にて作製した場合のみ、
実用に耐えうるアモルファス(Si1-x ,Zrx )O 2
誘電体薄膜を有するゲート絶縁膜が作製される。
されるものではない。本発明に使用するスパッタ装置は
前記図1に示す構造に限るものではなく、基板表面とタ
ーゲット面との成す角φを90±20度の範囲に設定で
きる機構、基板を回転させる機構を有するものであれば
よい。また、製造する薄膜はBTOやSiZrO2 にに
限るものではなく、エピタキシャル成長できる強誘電
体、又はアモルファス誘電体であればよい。さらに、電
体薄膜の厚さt、基板温度T、基板表面と強誘電体ター
ゲット面とのなす角度φ、基板と誘電体ターゲットとの
間の最短距離l、基板の自転速度ω、スパッタガス圧
p、スパッタガス中の酸素分圧pO2、ターゲット面積当
たりのRF電力Ps等のスパッタ条件は、実施形態に何
ら限定されるものではなく、前述した(作用)の項に示
した望ましい範囲内で適宜変更可能である。
で、種々変形して実施することができる。
板に対して直接又は間接にエピタキシャル積層された強
誘電体薄膜を有する半導体装置を製造するに際し、スパ
ッタ条件を最適化してRFマグネトロンスパッタを行う
ことにより、強誘電体の強誘電電気特性の基板内分布を
抑制することができ、エピタキシャル強誘電体薄膜を用
いた半導体装置の製造コストの低減に寄与することがで
きる。
構成を示す図。
を示す断面図。
する遷移層を示す図。
示す図。
を示す図。
を示す断面図である。
得られたtanδ-V電気特性を示す図。
膜で得られた面内方向のX線回折プロファイルを示す
図。
膜で得られた面内及び面に垂直な方向の逆格子マッピン
グを示す図。
薄膜で得られた面内及び面に垂直な方向の逆格子マッピ
ングを示す図。
程を説明するためのもので、アモルファス積層薄膜を成
膜している最中に遷移層が生じる様子を示す図。
モルファス積層薄膜を成膜後にアニールすることで生じ
る積層薄膜構造を示す図。
ート電極を作製後に生じる積層薄膜構造を示す図。
膜 77…Si1-x Zrx O2 アモルファス誘電体のゲート
絶縁膜 79…ゲート電極
Claims (5)
- 【請求項1】基板に対して直接又は間接にエピタキシャ
ル積層された強誘電体薄膜を有する半導体装置の製造方
法であって、 前記強誘電体薄膜に加える電圧Vを増加させながら測定
したキャパシタンスCに対して|max(dC/dV)|<|min
(dC/dV)|で、かつ電圧Vを減少させながら測定したキ
ャパシタンスCに対して|max(dC/dV)|>|min(dC/dV)
|が、基板中心からの基板内距離r[cm]と基板面内
角度方向θを用いて0≦θ<2π及び0≦r<20[c
m]の範囲において成り立つような積層膜を作製するに
際し、 強誘電体薄膜の厚さt[nm]、基板温度T[℃]、基
板表面と強誘電体ターゲット面とのなす角度φ[度]、
基板と強誘電体ターゲットとの間の最短距離l[c
m]、基板の自転速度ω[rpm]、スパッタガス圧p
[Pa]、スパッタガス中の酸素分圧pO2[Pa]、タ
ーゲット面積当たりのRF電力Ps[W/cm2 ]の間
に、 【数1】 (但しpはp>40の偶数)という関係式が成り立つよ
うな条件でRFマグネトロンスパッタを行い、 スパッタ粒子のエネルギーを前記条件によって適切な状
態に制御することで前記積層膜の下層に前記強誘電体薄
膜の構成原子が混入した遷移層電極を形成し、 前記遷移層電極内に面内欠陥を導入することで前記強誘
電体薄膜の面内方向の欠陥を抑制することを特徴とする
半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】基板に対して直接又は間接にエピタキシャ
ル積層された強誘電体薄膜を有する半導体装置の製造方
法であって、 前記強誘電体薄膜における誘電損失 tanδ に対して ma
x(tanδ)<0.07で、かつ基板位置での電圧の絶対値
|V|>3[V]が、基板中心からの基板内距離r[c
m]と基板面内角度方向θを用いて0≦θ<2π及び0
≦r<20[cm]の範囲において成り立つような積層
膜を作製するに際し、 強誘電体薄膜の厚さt[nm]、基板温度T[℃]、基
板表面と強誘電体ターゲット面とのなす角度φ[度]、
基板と強誘電体ターゲットとの間の最短距離l[c
m]、基板の自転速度ω[rpm]、スパッタガス圧p
[Pa]、スパッタガス中の酸素分圧pO2[Pa]、タ
ーゲット面積当たりのRF電力Ps[W/cm2 ]の間
に、 【数2】 (但しpはp>40の偶数)という関係式が成り立つよ
うな条件でRFマグネトロンスパッタを行い、 スパッタ粒子のエネルギーを前記条件によって適切な状
態に制御することで前記積層膜の下層に前記強誘電体薄
膜の構成原子が混入した遷移層電極を形成し、 前記遷移層電極内に面内欠陥を導入することで前記強誘
電体薄膜の面内方向の欠陥を抑制することを特徴とする
半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】基板に対して直接又は間接にエピタキシャ
ル積層された強誘電体薄膜を有する半導体装置の製造方
法であって、 前記強誘電体薄膜の表面に垂直な方向の結晶格子定数c
に対して 0.410nm≦c<0.433nmが、基板中心から
の基板内距離r[cm]と基板面内角度方向θを用いて
0≦θ<2π及び0≦r<20[cm]の範囲において
成り立つような積層膜を作製するに際し、 強誘電体薄膜の厚さt[nm]、基板温度T[℃]、基
板表面と強誘電体ターゲット面とのなす角度φ[度]、
基板と強誘電体ターゲットとの間の最短距離l[c
m]、基板の自転速度ω[rpm]、スパッタガス圧p
[Pa]、スパッタガス中の酸素分圧pO2[Pa]、タ
ーゲット面積当たりのRF電力Ps[W/cm2 ]の間
に、 【数3】 (但しpはp>40の偶数)という関係式が成り立つよ
うな条件でRFマグネトロンスパッタを行い、 スパッタ粒子のエネルギーを前記条件によって適切な状
態に制御することで前記積層膜の下層に前記強誘電体薄
膜の構成原子が混入した遷移層電極を形成し、 前記遷移層電極内に面内欠陥を導入することで前記強誘
電体薄膜の面内方向の欠陥を抑制することを特徴とする
半導体装置の製造方法。 - 【請求項4】基板に対して直接又は間接にエピタキシャ
ル積層された強誘電体薄膜を有する半導体装置の製造方
法であって、 前記強誘電体薄膜の面内方向の結晶格子定数aに対して
0.390nm≦a<0.398nmが、基板中心からの基板内
距離r[cm]と基板面内角度方向θを用いて0≦θ<
2π及び0≦r<30[cm]の範囲において成り立つ
ような積層膜を作製するに際し、 強誘電体薄膜の厚さt[nm]、基板温度T[℃]、基
板表面と強誘電体ターゲット面とのなす角度φ[度]、
基板と強誘電体ターゲットとの間の最短距離l[c
m]、基板の自転速度ω[rpm]、スパッタガス圧p
[Pa]、スパッタガス中の酸素分圧pO2[Pa]、タ
ーゲット面積当たりのRF電力Ps[W/cm2 ]の間
に、 【数4】 (但しpはp>40の偶数)という関係式が成り立つよ
うな条件でRFマグネトロンスパッタを行い、 スパッタ粒子のエネルギーを前記条件によって適切な状
態に制御することで前記積層膜の下層に前記強誘電体薄
膜の構成原子が混入した遷移層電極を形成し、 前記遷移層電極内に面内欠陥を導入することで前記強誘
電体薄膜の面内方向の欠陥を抑制することを特徴とする
半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】基板に対して直接又は間接に積層されたア
モルファス誘電体薄膜を有する半導体装置の製造方法で
あって、 前記アモルファス誘電体薄膜の誘電率εに対して、4.
1≦ε≦16.0が基板中心からの基板内距離r[c
m]と基板面内角度方向θを用いて0≦θ<2π及び0
≦r<30[cm]の範囲において成り立つような積層
膜を作製するに際し、 アモルファス誘電体薄膜の厚さt[nm]、基板温度T
[℃]、基板とアモルファス誘電体ターゲット面のなす
角度φ[度]、基板とアモルファス誘電体ターゲットの
間の最短距離l[cm]、基板の自転速度ω[rp
m]、スパッタガス圧p[Pa]、スパッタガス中の酸素
分圧pO2[Pa]、ターゲット面積当たりのRF電力Ps
[W/cm2 ]の間に、 【数5】 (但しpはp>40の偶数)という関係式が成り立つよ
うな条件でRFマグネトロンスパッタを行い、 スパッタ粒子のエネルギーを前記条件によって適切な状
態に制御することで前記積層膜の下層にアモルファス誘
電体薄膜の構成原子が混入した遷移層電極を形成し、 アニール又はプラズマ酸化によって前記遷移層中に酸素
を拡散させて前記アモルファス誘電体薄膜と同一化させ
ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002019060A JP3615188B2 (ja) | 2002-01-28 | 2002-01-28 | 半導体装置の製造方法 |
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JP2002019060A JP3615188B2 (ja) | 2002-01-28 | 2002-01-28 | 半導体装置の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003224123A true JP2003224123A (ja) | 2003-08-08 |
JP3615188B2 JP3615188B2 (ja) | 2005-01-26 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002019060A Expired - Fee Related JP3615188B2 (ja) | 2002-01-28 | 2002-01-28 | 半導体装置の製造方法 |
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JP (1) | JP3615188B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7893471B2 (en) | 2006-02-28 | 2011-02-22 | Sony Corporation | Semiconductor apparatus with a crystalline dielectric film and method of manufacturing said semiconductor apparatus |
US8012315B2 (en) | 2007-04-25 | 2011-09-06 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Lanthanoid aluminate film fabrication method |
US10403815B2 (en) | 2013-07-04 | 2019-09-03 | Toshiba Memory Corporation | Semiconductor device and dielectric film |
CN113277466A (zh) * | 2021-05-19 | 2021-08-20 | 上海芯物科技有限公司 | 一种小角度斜坡结构及其制作方法 |
-
2002
- 2002-01-28 JP JP2002019060A patent/JP3615188B2/ja not_active Expired - Fee Related
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