JP2003224091A - 化学機械研磨装置 - Google Patents

化学機械研磨装置

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JP2003224091A
JP2003224091A JP2002019327A JP2002019327A JP2003224091A JP 2003224091 A JP2003224091 A JP 2003224091A JP 2002019327 A JP2002019327 A JP 2002019327A JP 2002019327 A JP2002019327 A JP 2002019327A JP 2003224091 A JP2003224091 A JP 2003224091A
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Japan
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motor
speed reducer
platen
chemical mechanical
mechanical polishing
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JP2002019327A
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Ryoichi Otaki
大滝  亮一
Toshiharu Kajita
敏治 梶田
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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  • Friction Gearing (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば高速低トルク仕様のモータを用いても、
プラテンを低速で高精度に回転させることができる化学
機械研磨装置を提供する。 【解決手段】トラクションドライブ減速機130が、歯
車のごときかみ合い変動が生じないトラクションドライ
ブによって、モータ120の回転軸124からプラテン
140へとトルクをなめらかに伝達させることができ、
それにより研磨されるウェハWの平面度をより向上させ
ることができ、又、歯車を用いないため、騒音も低減さ
せることができる。更に、ダイレクトドライブモータを
用いる場合に比べれば、構成をより小型化することがで
きる。加えて、プラテン140の負荷が増大したような
場合には、可動ローラ136B、136Cにおける縮径
円筒部124a及び外輪132との当接力を高めること
で、スリップ率を増大させる(モータ回転速度に対して
保持部材回転速度が低下する)ことがないため、回転制
御構成をより単純化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばウェハの
表面を研磨して、高精度な平面を形成できる化学機械研
磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度半導体集積回路素子の形成プロセ
スの過程で、絶縁膜や金属膜のパターン形成等によって
ウェハ表面に複雑な凹凸が生じる場合がある。この凹凸
を持ったウェハ表面上に引き続きパターン形成を行う
と、リソグラフィプロセスにおける焦点深度の余裕が無
いなどに起因してパターン転写での解像度が不足した
り、凹凸の段差部における金属配線膜の欠損が生じるな
どの恐れがある。かかる問題を解消するために、ウェハ
を回転させつつ、そのウェハ表面に研磨パッドを押しつ
けながら摺動させ、凹凸を研磨により平坦化する化学機
械研磨(CMP)が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
ては、LSIなどにおいて高集積化が図られ、LSI用
ウェハに要求される平面度の要求も、ますます厳しくな
っている。しかるに、そのようなウェハに対して化学機
械研磨を行う場合、ウェハの回転変動に起因して研磨量
が許容範囲を超えてバラツくという問題が顕在化するに
至った。
【0004】本発明者らの研究によれば、回転トルクを
発生させるモータの回転が均一であったとしても、ウェ
ハを載置したプラテンに至るまでに、例えば歯車式の減
速機を用いた場合、歯車のかみ合いによるわずかなトル
ク変動が、プラテンの回転変動を招き、それにより研磨
量のバラツキが生じることが分かった。又、かかる問題
は、特に、超精密なLSI用ウェハを研磨するに当たっ
ては、無視できない大きな問題であることも分かった。
更に、歯車式の減速機の場合、歯車のかみ合いに起因し
た騒音も問題となっている。
【0005】これに対し、プラテンとの間に減速機を介
在させない、いわゆるダイレクトドライブモータを用い
ることも考えられるが、プラテンの回転は比較的低速で
あるため、ダイレクトドライブモータを低速高トルク仕
様としなければならず、モータ自体が大型化するという
問題がある。又、プラテンは高精度に一定速で回転させ
なければならないため、その要求を満たすためには、モ
ータのコストが上昇することとなる。
【0006】本発明は、かかる問題に鑑みてなされたも
のであり、例えば高速低トルク仕様のモータを用いて
も、プラテンを低速で高精度に回転させることができる
化学機械研磨装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の化学機械研磨装
置は、ウェハ又は研磨パッドを取り付けるための保持部
材と、回転軸にトルクを発生するモータと、前記モータ
から前記保持部材にトルクを伝達するトラクションドラ
イブ減速機と、を有し、前記トラクションドライブ減速
機は、前記モータの回転軸に連結された駆動部と、前記
回転部材に連結された被駆動部と、前記駆動部と前記被
駆動部とに摩擦係合する中間転動体とを有し、前記中間
転動体における前記駆動部及び前記被駆動部との当接力
は、前記中間転動体を介して前記駆動部から前記被駆動
部に伝達されるトルクに応じて増大することを特徴とす
る。
【0008】
【作用】本発明の化学機械研磨装置は、ウェハ又は研磨
パッドを取り付けるための保持部材と、回転軸にトルク
を発生するモータと、前記モータから前記保持部材にト
ルクを伝達するトラクションドライブ減速機と、を有
し、前記トラクションドライブ減速機は、前記モータの
回転軸に連結された駆動部と、前記回転部材に連結され
た被駆動部と、前記駆動部と前記被駆動部とに摩擦係合
する中間転動体とを有し、前記中間転動体における前記
駆動部及び前記被駆動部との当接力は、前記中間転動体
を介して前記駆動部から前記被駆動部に伝達されるトル
クに応じて増大するので、歯車のごときかみ合い変動が
生じないトラクションドライブによって、前記モータの
回転軸から前記保持部材へとトルクをなめらかに伝達さ
せることができ、それにより研磨されるウェハの平面度
をより向上させることができ、又、歯車を用いないた
め、騒音も低減させることができる。更に、低速高トル
クを得るため大型となるダイレクトドライブモータを用
いる場合に比べれば、小型のモータを用いるため、減速
機と組み合わせた場合でも、構成をより小型化すること
ができる。加えて、例えば前記保持部材の負荷が増大し
たような場合にも、前記中間転動体における前記駆動部
及び前記被駆動部との当接力を高めることで、スリップ
率を増大させる(モータ回転速度に対して保持部材回転
速度が低下する)ことがないため、回転制御構成をより
単純化することができる。
【0009】尚、前記トラクションドライブ減速機が、
くさび作用を利用した摩擦ローラ式(以下、「くさびロ
ーラ式」ともいう)のものであれば、前記モータへの組
み込みが容易であるという利点がある。
【0010】又、前記トラクションドライブ減速機が、
交差軸式であると、前記回転部材の回転軸線方向の寸法
を小さく抑えることができるという利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施の形態について説明する。図1は、第1の実施
の形態にかかる、くさびローラ式のトラクションドライ
ブ減速機(以下、「くさびローラ減速機」ともいう)を
有する化学機械研磨装置の正面断面図である。図2は、
図1の構成をII-II線で切断して矢印方向に見た図であ
る。図3は、図1の構成をIII-III線で切断して矢印方
向に見た図である。
【0012】図1に示すように、本実施の形態の化学機
械研磨装置100は、ウェハWの保持部材であるプラテ
ン140を駆動する駆動部110と、研磨パッドPの保
持部材140’を駆動する駆動部110’とを有してい
る。まず、ウェハの保持部材であるプラテン140を駆
動する駆動部110について説明する。
【0013】図1の下方において、駆動部110は、モ
ータ120と、トラクションドライブ減速機130とを
有している。モータ120は、図1で下端を閉じた円筒
状のモータハウジング121と、その内周に固定された
円筒状のステータ122と、ステータ122に内包され
るロータ123と、ロータ123の中央に固定され一体
的に回転する回転軸124と、モータハウジング121
の開いた上端を遮蔽する隔壁125とを有している。回
転軸124は、モータハウジング121と隔壁125に
対して、軸受126,127により回転自在に支承され
ている。軸受126の下方には、隔壁125と回転軸1
24との間を密封するシール128が設けられている。
【0014】くさびローラ減速機130は、図1で上端
が縮径し下端が隔壁125で遮蔽された円筒状の減速機
ハウジング131と、この減速機ハウジング131内に
配置された円管状の被駆動部である外輪132と、外輪
132内に配置され、ボルト133で隔壁125に取り
付けられたローラハウジング134と、隔壁125に一
端を取り付けられ、且つローラハウジング134に他端
を取り付けられた3本の枢軸135A〜135Cと、枢
軸135A〜135Cの周囲にそれぞれ配置された中間
転動体である中間ローラ136A〜136Cと、中間ロ
ーラ136A〜136Cを回転自在に支承するラジアル
軸受137とを有している(但し、図1では枢軸135
A,中間ローラ136Aのみ図示)。ラジアル軸受13
7は、枢軸135A〜135Cの周囲に配置された複数
のニードルローラ137aと、ニードルローラ137a
を等間隔に支持するケージ137bとから構成されてい
る。各中間ローラ136A〜136Cは、外輪132の
内周面と、駆動部である回転軸124の縮径円筒部12
4aとに当接係合している。減速機ハウジング131内
にはトラクション油が満たされており、該トラクション
油が各当接部に介在することにより、摩擦伝動が良好に
行われるようになっている。
【0015】図2、3に示すように、3本の枢軸135
A〜135Cのうち、図2,3の右部中央に位置する1
本の枢軸135Aは、隔壁125の孔125aに一端を
圧入固定し、ローラハウジング134の孔134aに他
端を圧入固定している。従って、この枢軸135Aは、
ローラハウジング134に対して円周方向或は直径方向
に変位することはない。
【0016】これに対して、図2,3の左部上下両側に
位置する残り2本の枢軸135B、135Cは、各々両
端を、隔壁125及びローラハウジング134に対し、
その円周方向及び直径方向に沿って変位自在に支持して
いる。この為に、隔壁125及びローラハウジング13
4には、枢軸135B、135Cの両端が変位する部分
には、図3に示す様に、両枢軸135B、135Cの外
径よりも大きな内径を有する支持孔134d、134d
(隔壁125の支持孔は不図示)を形成し、これら各支
持孔134d、134dに、両枢軸135B、135C
の両端を緩く係合させている。又、中間ローラ136
B、136Cの変位を阻害しないよう、図2に示すごと
く、ローラハウジング134にはローラ逃げ134e、
134eが形成されている。
【0017】又、外輪132は、図1で上端に一対の切
り欠き132aを形成しており、ここに出力軸141の
図1で下端に形成された対向する爪部141aが係合
し、両者は一体的に回転可能となっている。出力軸14
1は、減速機ハウジング131の図1で上端から突出
し、ウェハWを載置したプラテン140に連結されてい
る。出力軸141は、減速機ハウジング131に対し
て、軸受142,143により回転自在に支持されてい
る。軸受142の図1で上方において、出力軸141と
減速機ハウジング131との間をシール144が密封し
ている。
【0018】図2,3において、固定された枢軸135
Aの周囲に配置された中間ローラを、ガイドローラ13
6Aと呼び、変位自在な枢軸135B、135Cの周囲
に配置された中間ローラを、可動ローラ136B、13
6Cと呼ぶ。
【0019】回転軸124の縮径円筒部124aの中心
と出力軸141及び外輪132の中心とは、量δ(図
1)だけ互いに偏心している。従って、ガイドローラ1
36Aを設けた側の外輪131の内周面から、縮径円筒
部124aの外周面までの距離は、可動ローラ136
B、136Cを設けた側の外輪131の内周面から、縮
径円筒部124aの外周面までの距離よりも大きくなっ
ており、そのため、ガイドローラ136Aの外径は、可
動ローラ136B、136Cの外径より大きくなってい
る。
【0020】更に、それぞれが中間ローラである、上記
1個のガイドローラ136A及び2個の可動ローラ13
6B、136Cのうち、ガイドローラ136Aを支持し
た枢軸134は、前述の様に、ローラハウジング134
に固定している。これに対して、可動ローラ136B、
136Cを支持した枢軸135B、135Cは、やはり
前述した様に、ローラハウジング134に対して、円周
方向及び直径方向に沿って若干の変位を自在に支持して
いる。従って、可動ローラ136B、136Cも、ロー
ラハウジング134に対して円周方向及び直径方向に沿
って若干の変位自在である。
【0021】更に、図3に示すように、ローラハウジン
グ134には、図で左方の外周面から右斜め上方及び下
方に向かって延在する袋穴状のシリンダ孔134b、1
34bが形成されている。シリンダ孔134b、134
bの奥には、圧縮コイルばね134c、134c等の弾
性材が配置され、各可動ローラ136B、136Cを支
持した枢軸135B、135Cを、シリンダ孔134
b、134bの軸線方向に付勢している。それにより、
可動ローラ136B、136Cは、外輪132と回転軸
124の縮径円筒部124aの間の、より狭い空間に向
かって弾性的に軽く押圧されていることとなる。
【0022】図1において、研磨パッドPの保持部材1
40’を駆動する駆動部110’に関しては、上述した
プラテン140を駆動する駆動部110に対し、同様な
構成をより小型化したのみであるため、駆動部110’
の主要な要素についてのみ、駆動部110の対応した要
素の符号にダッシュを付して、その説明を省略する。
尚、駆動部110のモータハウジング120は固定され
ているが、駆動部110’のモータハウジング120’
は、不図示のアームに取り付けられて、ウェハWの半径
方向に移動可能に支持されている。
【0023】次に、本実施の形態の化学機械研磨装置の
動作に付いて説明する。駆動部110において、不図示
の電源から電力が供給されることで、モータ120の回
転軸124が回転する。このとき、回転軸124の縮径
円筒部124aの外周面と、外輪132の内周面に係合
した中間ローラ136A〜136Cは、摩擦力により連
れ回りし、回転軸124から外輪132へと減速しつつ
トルクを伝達可能となっている。外輪132に伝達され
たトルクは、切欠132aと係合する爪部141aを介
して出力軸141に伝達され、それが連結されたプラテ
ン140をウェハWと一体で回転させることとなる。
【0024】一方、駆動部110’においては、不図示
の電源から電力が供給されることで、モータ120’の
回転軸124’が回転する。このとき、回転軸124’
の縮径円筒部外周面と、外輪132’の内周面に係合し
た中間ローラ136A’等は、摩擦力により連れ回り
し、回転軸124’から外輪132’へと減速しつつト
ルクを伝達可能となっている。外輪132’に伝達され
たトルクは、出力軸141’に伝達され、それが連結さ
れたパッドPの保持部材140’を回転させることとな
る。パッドPは、回転しながらウェハWの表面に対して
適切な当接力で押しつけられ、且つウェハWの半径方向
に往復移動することで、ウェハWの表面を研磨すること
ができる。
【0025】本実施の形態によれば、歯車のごときかみ
合い変動が生じないトラクションドライブ減速機130
によって、モータ120の回転軸124からプラテン1
40へとトルクをなめらかに伝達させることができ、そ
れにより研磨されるウェハWの平面度をより向上させる
ことができ、又、歯車を用いないため、騒音も低減させ
ることができる。更に、モータ120はダイレクトドラ
イブモータでなくて良いため、化学機械研磨装置の構成
をより小型化することができる。
【0026】加えて、本実施の形態によれば、回転軸1
24の縮径円筒部124aが、図2,3の時計方向(又
は反時計方向)に、外輪132が同じく反時計方向(又
は時計方向)に、それぞれ回転すると、図2,3の下側
の枢軸135C(又は上側の枢軸135B)に回転自在
に支持した可動ローラ136C(又は136B)が、縮
径円筒部124aと外輪132との間の狭い空間(図
2,38の左側中央部分)に向け移動する。この結果、
上記枢軸135C(又は135B)に回転自在に支持し
た可動ローラ136C(又は136B)の外周面が、縮
径円筒部124aの外周面と外輪132の内周面とを強
く押圧する。
【0027】このように、1個の可動ローラ136C
(又は136B)の外周面の当接圧が高くなると、縮径
円筒部124aと外輪132の少なくとも一方が、組み
付け隙間、或は弾性変形等に基づき、それぞれの直径方
向に僅かに変位する。この結果、残り2個の中間ローラ
である、ガイドローラ136A及び可動ローラ136B
(又は136C)の、縮径円筒部124aの外周面と外
輪132の内周面に対する当接圧(力)が高くなる。
【0028】ここで、1本の枢軸135C(又は135
B)に回転自在に支持した可動ローラ136C(又は1
36B)を、縮径円筒部124aの外周面と外輪132
の内周面との間の狭い空間に向け移動させようとする力
は、縮径円筒部124aから上記外輪132に伝達され
るトルクの大きさに応じて変化する。即ち、縮径円筒部
124aの駆動トルクが大きくなる程、上記可動ローラ
136C(又は136B)を狭い空間に向け移動させよ
うとする力が大きくなる。かかる力が大きくなる程、中
間ローラ136A〜136Cと、縮径円筒部124aの
外周面及び外輪132の内周面との当接圧(力)が大き
くなる。従って、プラテン140の負荷が増大もしくは
減少したような場合には、中間ローラ136A〜136
Cにおける縮径円筒部124aの外周面と外輪132の
内周面との当接力を高め、或いは低めることで、スリッ
プ率を一定に維持することができるので、回転制御のた
めに回転数を検出するエンコーダを、例えばモータ側に
設けるだけで済み、複数設ける必要がないから、回転制
御構成をより単純化することができる。尚、同様の効果
は、研磨パッドPの保持部材140’を駆動する駆動部
110’についてもいえる。なお、上記第1の実施の形
態においては、可動ローラを2つとした場合について示
したが、出力軸が一方向のみの回転で用いられる場合、
モータの回転方向に合わせて、くさび作用を発揮するロ
ーラのみを可動ローラとし、残り2つの中間ローラは枢
軸を固定とするガイドローラとしてもよい。
【0029】図4は、第2の実施の形態にかかる、軸交
差式のトラクションドライブ減速機とくさびローラ式の
トラクションドライブ減速機とを有する化学機械研磨装
置200の正面断面図である。図4に示すように、本実
施の形態の化学機械研磨装置200は、ウェハWの保持
部材であるプラテン240を駆動する駆動部210と、
研磨パッドPの保持部材140’を駆動する駆動部11
0’とを有している。尚、研磨パッドPを駆動するため
に用いるくさびローラ減速機130’を含む駆動部11
0’は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略
する。
【0030】ウェハの保持部材であるプラテンを駆動す
る駆動部210について説明する。図4の下方におい
て、駆動部210は、モータ220と、トラクションド
ライブ減速機230とを有している。モータ220は、
ハウジング221にボルト225により取り付けられて
おり、その回転軸222をハウジング221内に突出さ
せており、回転軸222は、一対の転がり軸受223
(一方は不図示)によりハウジング221に対して回転
自在に支持されている。軸受223とトラクションドラ
イブ減速機230との間は、シールにより密封されてい
る。
【0031】トラクションドライブ減速機230は、ハ
ウジング221内に配置されている。図4で上端にウェ
ハWを載置する保持部材であるプラテン240を取り付
けた出力軸241は、ハウジング221の中央に配置さ
れ、1対の転がり軸受231,231により、ハウジン
グ221に対して回転自在に支承されている。これら両
転がり軸受231,231は、深溝型、或はアンギュラ
型の玉軸受の如く、ラジアル荷重の他にスラスト荷重も
支承自在なものを使用するとよい。出力軸241の大径
部241aを、転がり軸受231,231の内輪同士で
挟み込み、さらに転がり軸受231の外輪を、ハウジン
グ221に螺合させたナット部材233により押圧する
ことで、転がり軸受231,231に所定の予圧が付与
されるようになっている。出力軸241の中心軸αと、
モータ220の回転軸222の中心軸βとは、点Oで交
差する。プラテン240側寄りの方の軸受231と外界
との間は、シールにより密封されている。
【0032】回転軸222の先端部は、円錐駆動面22
4となっており、相補する截頭円錐形状の駆動部である
従動ディスク232に係合している。円錐駆動面224
は、先端部に向かう程外径が細くなる先細の截頭円すい
状に形成したもので、回転軸222と同心に設けられ共
に回転する。円錐駆動面224の外周面の母線の延長線
は、回転軸222の中心軸β上の点Oで交差する。
【0033】回転軸222と反対側には、アイドル軸2
52が配置されている。アイドル軸252は、ナット部
材255により取り付けられた軸受251,253によ
り、ハウジング221に対して回転自在に支持されてい
る。アイドル軸252の先端部は、円錐駆動面224と
同様な形状であるアイドル面254となっており、相補
する截頭円錐形状の従動ディスク232に係合してい
る。すなわちアイドル面254は、先端部に向かう程外
径が細くなる先細の截頭円すい状に形成したもので、ア
イドル軸252と同心に設けられ共に回転する。アイド
ル軸254の外周面の母線の延長線は、回転軸222の
中心軸β上の点Oで交差する。
【0034】出力軸241の大径部241aの外周に
は、フランジ付き円管状のカム板部235が配置されて
いる。被駆動部であるカム板部235は、内周にスプラ
イン溝235fを形成している。一方、大径部241a
の外周面には、スプライン溝241bが形成され、両ス
プライン溝235f、241bの間には、複数のボール
236が、出力軸241の軸線方向に沿って転動自在に
配置されている。従って、カム板部235は、出力軸2
41に対して軸線方向に移動可能であるが、相対回転不
能となっている。
【0035】カム板部235の円筒外周面235gに
は、フランジ付き円盤状の従動ディスク232が、複数
のニードルローラ244を介して回転自在に支持されて
いる。従動ディスク232の下面には、周溝232aが
形成され、一方、カム板部235の上面には、周溝23
2aに対向してカム溝235aが形成され、周溝232
a、カム溝235aとで形成する環状の転動路内には、
複数(例えば4個)の中間転動体であるボール245が
転動自在に配置されている。
【0036】図5は、カム溝235aを、その中心(最
深部)を通過する円筒面で切断して展開した図である。
図5に示すように、周溝232aは深さが一定である
が、カム溝235aの深さは周期的に変化し、最も浅い
部分235bと、最も深い部分235cとを有し、互い
に隣接する最も浅い部分235bの間に1個のボール2
45を配置している。最も深い部分235cを中心に、
カム溝235aにおける図5で左側には、左斜面235
dが形成され、カム溝235aにおける図5で右側に
は、右斜面235eが形成されている。
【0037】図4において、従動ディスク232に対し
て、回転軸222の円錐駆動面224とアイドル軸25
2のアイドル面254を挟むようにして、略円盤状のア
イドルディスク237が配置されている。アイドルディ
スク237の図で上面には、周方向に連続した周溝23
7aが形成されている。更に、カム板部235の円筒外
周面235gに、内輪238が螺合取り付けされてお
り、内輪238は、その下面縁部に、周溝237aに対
向して周溝238aを形成している。周溝237a、2
38aとの間には、ボール239が転動自在に配置され
ている。従って、アイドルディスク237は、ボール2
39を介して内輪238に対して回転自在に支持されて
いる。又、図4で、内輪238の上方から、カム板部2
35に対しワッシャ246を介してロックナット247
を螺合させ、内輪238の緩み止めを図っている。尚、
この内輪238の締め付けトルクは、周溝232a、カ
ム溝235aとボール245との予圧、及び周溝237
a、238aとボール239との予圧を適正にすべく規
制される。トラクションドライブ減速機230内は、ト
ラクション油で満たされており、各摩擦伝動部に介在す
ることにより、摩擦伝動が良好に行われるようになって
いる。
【0038】次に、本実施の形態の化学機械研磨装置の
動作に付いて説明する。駆動部210において、不図示
の電源から電力が供給されることで、モータ220の回
転軸222が回転する。このとき、回転軸222の円錐
駆動面224と、従動ディスク232のそれに対向する
面及びアイドルディスク237のそれに対向する面との
間に働く摩擦力により連れ回りし、回転軸222から従
動ディスク232へと減速しつつトルクを伝達可能とな
っている。従動ディスク232がカム板部235に対し
て相対回転すると、図5に示すように、カム溝235a
に沿ってボール245が転動し、回転方向に応じていず
れかの斜面235dまたは235e(図5の例では右斜
面235e)に乗り上げる。すると、ボール245が、
カム溝235aと周溝232aの間の狭い空間に入り込
み、くさびの作用により、従動ディスク232からカム
板部235にトルクを伝達できるようになっている。カ
ム板部235に伝達されたトルクは、スプライン溝23
5f、241b及びボール236を介して、出力軸24
1に伝達され、それが連結されたプラテン240をウェ
ハWと一体で回転させることとなる。
【0039】本実施の形態によれば、歯車のごときかみ
合い変動が生じないトラクションドライブ減速機230
によって、モータ220の回転軸224からプラテン2
40へとトルクをなめらかに伝達させることができ、そ
れにより研磨されるウェハWの平面度をより向上させる
ことができ、又、歯車を用いないため、騒音も低減させ
ることができる。更に、モータ220はダイレクトドラ
イブモータでなくて良いため、化学機械研磨装置の構成
をより小型化することができる。
【0040】加えて、本実施の形態によれば、従動ディ
スク232とカム板部235との間で伝達されるトルク
が大きくなる程、ボール245が、カム溝235aの最
も浅い部分235bに近づき、従動ディスク232の図
4で下面及びカム板部235の図4で上面に対する当接
圧(力)が大きくなる。従って、プラテン240の負荷
が増大もしくは減少したような場合には、それに応じて
かかる当接力を高め、或いは低めることで、スリップ率
を一定に維持することができるため、上述したように回
転制御構成をより単純化することができる。
【0041】更に、本実施の形態によれば、軸交差式の
トラクションドライブ減速機230を用いることで、出
力軸241の半径方向外方にモータ220を配置できる
ため、装置の高さを抑えることができ、コンパクト化に
貢献する。なお、上記第2の実施の形態においては、従
動ディスク232の下面に深さ一定の周溝232aを設
けた場合について示したが、これに代えて、対向するカ
ム板部235のカム溝235aと同様の周期的に深さが
変化するカム溝としてもよい。あるいは、逆に、従動デ
ィスク232下面をカム溝とし、対向するカム板部の溝
を深さ一定の溝としてもよい。
【0042】図6は、第3の実施の形態にかかる、軸交
差式のトラクションドライブ減速機を有する化学機械研
磨装置300の正面断面図である。図6に示す本実施の
形態においては、ウェハWの保持部材であるプラテン2
40を駆動する駆動部210は、第2の実施の形態の駆
動部210と同様な構成であるため、主要な要素に同じ
符号を付すことで、重複する構成及び作用効果の説明を
省略する。
【0043】又、研磨パッドPの保持部材を駆動する駆
動部210’については、上述したプラテン240を駆
動する駆動部210に対し、同様な構成をより小型化し
たのみであるため、駆動部210’の主要な要素につい
てのみ、駆動部210の対応した要素の符号にダッシュ
を付して、重複する構成及び作用効果の説明を省略す
る。尚、駆動部210のハウジング221は固定されて
いるが、駆動部210’のハウジング221’は、不図
示のアームに取り付けられて、ウェハWの半径方向に移
動可能に支持されている。尚、本実施の形態によれば、
軸交差式のトラクションドライブ減速機230’を用い
ることで、出力軸241’の半径方向外方にモータ22
0’を配置できるため、第2の実施の形態よりも、更に
装置の高さを抑えることができ、コンパクト化に貢献す
る。
【0044】図7は、第4の実施の形態にかかる、くさ
びローラ減速機を有する化学機械研磨装置400の正面
断面図である。図7に示す本実施の形態においては、第
1の実施の形態に対して、ウェハWより大径の研磨パッ
ドPの保持部材140を駆動するために駆動部110を
用い、且つ複数のウェハを保持するプラテン140’を
駆動するために複数(図7の例では2つ)の駆動部11
0’を設けることによって処理効率を向上させた点のみ
が異なるため、駆動部110,110’の主要な要素に
ついてのみ、同じ符号を付して、重複する構成及び作用
効果の説明を省略する。尚、駆動部110’は、3個以
上設けても勿論良い。尚、図7に示す実施の形態におい
て、駆動部110或いは110’の代わりに、軸交差式
のトラクションドライブ減速機を用いた駆動部210或
いは210’を用いても良いのはもちろんである。
【0045】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。
【0046】
【発明の効果】本発明の化学機械研磨装置は、ウェハ又
は研磨パッドを取り付けるための保持部材と、回転軸に
トルクを発生するモータと、前記モータから前記保持部
材にトルクを伝達するトラクションドライブ減速機と、
を有し、前記トラクションドライブ減速機は、前記モー
タの回転軸に連結された駆動部と、前記回転部材に連結
された被駆動部と、前記駆動部と前記被駆動部とに摩擦
係合する中間転動体とを有し、前記中間転動体における
前記駆動部及び前記被駆動部との当接力は、前記中間転
動体を介して前記駆動部から前記被駆動部に伝達される
トルクに応じて増大するので、歯車のごときかみ合い変
動が生じないトラクションドライブによって、前記モー
タの回転軸から前記保持部材へとトルクをなめらかに伝
達させることができ、それにより研磨されるウェハの平
面度をより向上させることができ、又、歯車を用いない
ため、騒音も低減させることができる。更に、低速高ト
ルクを得るため大型となるダイレクトドライブモータを
用いる場合に比べれば、小型のモータを用いるため、減
速機と組み合わせた場合でも、構成をより小型化するこ
とができる。加えて、例えば前記保持部材の負荷が増大
したような場合にも、前記中間転動体における前記駆動
部及び前記被駆動部との当接力を高めることで、スリッ
プ率を増大させる(モータ回転速度に対して保持部材回
転速度が低下する)ことがないため、回転制御構成をよ
り単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる、くさびローラ式の
トラクションドライブ減速機を有する化学機械研磨装置
の正面断面図である。
【図2】図1の構成をII-II線で切断して矢印方向に見
た図である。
【図3】図1の構成をIII-III線で切断して矢印方向に
見た図である。
【図4】図4は、第2の実施の形態にかかる、軸交差式
のトラクションドライブ減速機とくさびローラ式のトラ
クションドライブ減速機とを有する化学機械研磨装置の
正面断面図である。
【図5】カム溝235aを、その中心(最深部)を通過
する円筒面で切断して展開した図である。
【図6】第3の実施の形態にかかる、軸交差式のトラク
ションドライブ減速機を有する化学機械研磨装置の正面
断面図である。
【図7】第4の実施の形態にかかる、くさびローラ式の
トラクションドライブ減速機を有する化学機械研磨装置
の正面断面図である。
【符号の説明】
110,110’、210、210’ 駆動部 120、120’、220、220’ モータ 130,130’、230,230’ トラクションド
ライブ減速機 140,240 プラテン 140’、240’ 保持部材 141,141’、241、241’ 出力軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C034 AA08 BB03 BB22 3C058 AA07 AA11 CB01 DA10 DA13 DA17 3J051 AA01 BA03 BB05 BC02 BE03 EC02 EC03 ED08 FA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェハ又は研磨パッドを取り付けるため
    の保持部材と、 回転軸にトルクを発生するモータと、 前記モータから前記保持部材にトルクを伝達するトラク
    ションドライブ減速機と、を有し、 前記トラクションドライブ減速機は、前記モータの回転
    軸に連結された駆動部と、前記回転部材に連結された被
    駆動部と、前記駆動部と前記被駆動部とに摩擦係合する
    中間転動体とを有し、前記中間転動体における前記駆動
    部及び前記被駆動部との当接力は、前記中間転動体を介
    して前記駆動部から前記被駆動部に伝達されるトルクに
    応じて増大することを特徴とする化学機械研磨装置。
  2. 【請求項2】 前記トラクションドライブ減速機は、く
    さびローラ式であることを特徴とする請求項1に記載の
    化学機械研磨装置。
  3. 【請求項3】 前記トラクションドライブ減速機は、交
    差軸式であることを特徴とする請求項1に記載の化学機
    械研磨装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006102890A (ja) * 2004-10-06 2006-04-20 Waida Seisakusho:Kk 研削盤
CN103894920A (zh) * 2014-03-26 2014-07-02 广东工业大学 一种平面研磨机的下盘驱动结构
CN106018183A (zh) * 2016-05-18 2016-10-12 北京理工大学 一种可控滑滚比的边界滑移试验装置

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