JP4486835B2 - 遊星型の摩擦伝動減速装置 - Google Patents

遊星型の摩擦伝動減速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4486835B2
JP4486835B2 JP2004074384A JP2004074384A JP4486835B2 JP 4486835 B2 JP4486835 B2 JP 4486835B2 JP 2004074384 A JP2004074384 A JP 2004074384A JP 2004074384 A JP2004074384 A JP 2004074384A JP 4486835 B2 JP4486835 B2 JP 4486835B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
shaft
planetary
friction
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004074384A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005264968A (ja
Inventor
正典 望月
健児 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISEL Co Ltd
Original Assignee
ISEL Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISEL Co Ltd filed Critical ISEL Co Ltd
Priority to JP2004074384A priority Critical patent/JP4486835B2/ja
Publication of JP2005264968A publication Critical patent/JP2005264968A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4486835B2 publication Critical patent/JP4486835B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Description

この発明は転がり軸受を用いた遊星型の摩擦伝動減速装置に関するものであり、遊星摩擦輪とキャリヤ軸の間の嵌合部に生じるガタをなくして回転伝達を円滑にし、追従性(正逆転の切り替わり時の追従性)を確実にするものである。さらに具体的には、ステッピングモータを駆動源とするスライダーや昇降体等(以下、スライダー等という。)の駆動装置に適用される減速装置であり、スライダー等の停止位置を迅速に高精度で制御できるようにしたものである。
半導体製造装置や液晶製造装置等における高精密駆動装置用の伝動装置としては、回転伝達が平滑で振動の小さい摩擦伝動減速装置が用いられる。
スライダー等の停止位置を高精度で制御する駆動装置としては、該スライダー等をステッピングモータにより駆動し、これらの停止位置を高精度(例えば、1μm単位)で検出して、この位置検出信号によってフィードバック制御して、所定位置に停止させるものがあるが、前記ステッピングモータからスライダー等へ駆動力を伝達する伝動装置として、機構が単純で小型である遊星型の摩擦伝動減速装置(以下、摩擦伝動減速装置という。)がよく用いられる。
前記スライダー等の駆動装置は、例えば図1に示すように、ベッド8上のガイドレールで案内されるスライダー1を精密ねじ軸2により往復動させるものであり、該ねじ軸2は摩擦伝動減速装置3を介してステッピングモータ4によって駆動される。前記スライダー1の位置を位置センサ5によって高精度(例えば1μm単位)で検出し、制御目標位置との誤差をCPU6で演算し、誤差修正のための制御信号を駆動手段7に送信して必要な回転角度だけステッピングモータ4を回転させ、高精度で最終的な目標位置に停止させるものである。
前記摩擦伝動減速装置3は、図2に示されている構成を備えており、その駆動軸(図1の例では、ステッピングモータ軸)11の回転量に対する被駆動軸12(図1の例では、ねじ軸2)の回転量の追従性が低いと、スライダー1の停止位置の制御効率や制御精度は当然低くなり、高速で目標位置に移動させて迅速且つ高精度で目標位置に停止させることはできない。摩擦伝動減速装置3は、太陽軸15と固定摩擦輪16の間に遊星摩擦輪13を圧入嵌合してこれを微小に潰して楕円状に弾性変形させ、その弾発力によって遊星摩擦輪13を太陽軸15と固定摩擦輪16に摩擦係合させて、キャリヤ17を減速駆動するものである。
したがって、遊星摩擦輪13は微小に潰されて楕円状に弾性変形され、この状態では前記遊星摩擦輪13が圧縮される方向(図2(c)のm−m’方向)に対して直角方向(図2(c)のn−n’方向、キャリヤ17の公転方向)に遊星摩擦輪13が膨らむ(拡大する)ので、この方向において遊星摩擦輪13とキャリヤ軸14の間の嵌合部にガタ(微小間隙k)が生じる。このガタ(バックラッシュ)のために、遊星摩擦輪13がキャリヤ軸14に対して公転方向に変位(2〜3μmの極めて微小な変位)して、駆動軸11の回転量に対する被駆動軸(キャリヤ17が固定されている出力軸)12の回転量の追従精度が低下する。
また、この従来の摩擦伝動減速装置においては、遊星摩擦輪13とインナーリング13aとの間に介在させたニードルローラ13bがキャリヤ軸14の周りを一回公転する間に、前記キャリヤ軸14と遊星摩擦輪13の間で強圧されて自転しながら公転する高負荷領域(楕円状に変形された遊星摩擦輪13の短径m−m’方向領域)と、キャリヤ軸14と遊星摩擦輪13の間で無負荷でガタのある状態で自転しないで公転する無負荷領域(同じく遊星摩擦輪13の長径n−n’方向領域)とを交互に2回繰り返して通過し、この間に前記ニードルローラ13bは自転と非自転とを繰り返すことになる。このようにニードルローラ13bが自転しない状態から自転する状態へ切り替わるとき、該ニードルローラ13bはキャリヤ軸14と遊星摩擦輪13に対してスリップするばかりでなく、該遊星摩擦輪13に対して衝撃を与えてこれを微小に振動させることになる。
このようなガタの発生を防止して高精度の位置決め制御を効率的に行うことができる摩擦伝動減速装置は、例えば、特公平4−32256号公報、及び特開平6−174026号公報に記載されているように従来から公知のものである。
前記特公平4−32256号公報(従来例1)に記載されたものは、図3に示すように、遊星摩擦輪23とインナーリング23aとの間にニードルローラ23bを介在させると共に、前記インナーリング23aとキャリヤ軸24との間には微小な間隙が形成されている。前記キャリヤ軸24の公転方向両側は切り欠かれており、太陽軸25とキャリヤ軸24の中心を通る仮想の平面に対してそれぞれ平行な面に形成されている。これらの平行な面と前記インナーリング23aの内周面とにより囲まれる弓形空間の一方(左側の空間)には、1個の弓形の可動部材23cが組み込まれ、また他方の弓形空間(右側の空間)には弾性部材23eを間に挟んで2個の扇形の可動部材23d,23dが組み込まれている。このように構成することで、前記インナーリング23aとキャリヤ軸24との間に生じるガタのうち、キャリヤ軸24の公転方向のガタを吸収するようになっている。
上記従来例1に記載されているキャリヤ軸24による遊星摩擦輪23の支持機構は、その機構構造が複雑であって成形加工コストが高くなり、また弾性部材23eの作用によってガタを防止しているので、キャリヤ軸24に対する遊星摩擦輪23の支持剛性が不足して安定しないという問題がある。
次に、前記特開平6−174026号公報(従来例2)には、摩擦伝動減速装置において、前記従来例1が有する問題を解決することを目的として、該従来例1のものにおける弾性部材やインナーリングを用いることなく、キャリヤ軸の断面をほぼ楕円形状にすることによって、遊星摩擦輪とキャリヤ軸との間に生じるガタを防止することが記載されている(以下、「従来技術」という)。
この従来技術の概要について図4を参照しながら説明する。
遊星摩擦輪30は、リテーナ(保持器)34により保持されている複数のニードルローラ33によって、キャリヤ軸39に対して回転自在に支持されている。前記キャリヤ軸39はその断面がほぼ楕円形状に形成されており、その長径方向の外径が、前記リテーナ34で保持されているニードルローラ33が自由状態にあるときの仮想内接円径よりも大きく、また、その短径方向の外径が同ニードルローラ33の仮想内接円径よりも小さく形成されている。
前記キャリヤ軸39を前記複数のニードルローラ33間に圧入して組み付ける(サブアセンブリとする)とき、該ニードルローラ33をキャリヤ軸39の長径方向に押し拡げて、前記遊星摩擦輪30を同方向に膨らませて(拡大させて)楕円状に変形させる(以下、予備変形という)。しかし、この時点では、前記キャリヤ軸39の短径方向において遊星摩擦輪30とキャリヤ軸39の間に遊び隙間が確保されており、この遊び隙間は、前記遊星摩擦輪30が太陽軸31と固定摩擦輪32の間に圧入されるとき、該固定摩擦輪32と太陽軸31に挾さまれて潰されるようになっている。
次に、前記遊星摩擦輪30が太陽軸(駆動側)31と固定摩擦輪32の間に圧入されて組み立てられるとき、該遊星摩擦輪30は太陽軸31と固定摩擦輪32の間に挟まれて微小に(例えば5μm)潰される(変形される)。このように遊星摩擦輪30が潰されると、該遊星摩擦輪30はキャリヤ軸39の楕円形状の長径方向に膨らもう(拡大しよう)とするが、前記キャリヤ軸39の圧入によって同方向に予め予備変形されているので、該遊星摩擦輪30はそれ以上同方向に膨らむことはない。このために、前記キャリヤ軸39の長径方向(キャリヤ軸39の公転方向)において、該キャリヤ軸39と遊星摩擦輪30の間にガタが生じることはない。これが従来技術においてガタが発生しない基本原理である。
しかし、この従来技術によれば、前記キャリヤ軸39の断面形状が概ね楕円形であるので、それを高精度に成形、研磨加工することは容易ではなく、また、前記ニードルローラ33の自転及び公転運動の円滑性も害される。このために、固定摩擦輪32に微小な振動を生じさせることになる。
特公平4−32256号公報 特開平6−174026号公報
この発明は、インナーリング(内輪)をキャリヤ軸に嵌合させた遊星摩擦輪(外輪)の支持機構について、前記キャリヤ軸を断面円形にして、前記インナーリングと遊星摩擦輪の間で転動する転動体が円形の転動面を転動するようにして、該遊星摩擦輪の回転の円滑性を向上させると共に、簡単な構成によってキャリヤ軸と遊星摩擦輪間のガタを解消できるように、遊星摩擦輪のキャリヤ軸による支持機構を工夫することをその課題とするものである。
〔解決手段1〕(請求項1に対応)
上記課題を解決するために講じた手段1は、駆動軸である太陽軸と、固定ケーシングに固定された固定摩擦輪と、被駆動軸に連結されるキャリヤとが同心に配置され、
前記キャリヤは、断面が円形である複数のキャリヤ軸を備えており、
前記各キャリヤ軸には、遊星摩擦輪が多数の転動体とインナーリングによって回転自在に支承され、
前記それぞれのキャリヤ軸に支持された遊星摩擦輪は、前記太陽軸と固定摩擦輪の間に圧入され微小に潰されて楕円状に弾性変形されることにより、前記駆動軸から被駆動軸へ摩擦により回転を伝達する遊星型の摩擦伝動減速装置を前提として、次の(イ)〜(ハ)によるものである。
(イ)前記転動体がボールであること、
(ロ)前記キャリヤ軸の直径を前記インナーリングの内径より大きくして、該キャリヤ軸に該インナーリングを締め代をもって圧入嵌合することにより、該インナーリングが半径方向外方に拡張されると共に、前記多数のボールは前記インナーリングと遊星摩擦輪との間に微小に予圧縮されて介在されていること、
(ハ)前記インナーリングの拡張量が、前記太陽軸と固定摩擦輪の締め付けによる前記遊星摩擦輪の弾性変形の長径方向への膨らみ量よりも大きいこと。
〔作 用〕
次いで、図6を参照しながら前記解決手段の作用を説明する。
この図6においては、インナーリング40をキャリヤ軸41に締め代2x(μm)で圧入嵌合することによって遊星摩擦輪42がキャリヤ軸41に支持されており、自由状態において外径d(mm)の遊星摩擦輪42が固定摩擦輪32と太陽軸31との間で2y(μm)だけ潰されている状態を示している。(締め代、潰れ量及び変形量等は極めて微小であり、μm単位である。)
自由状態において内径e(mm)、外径f(mm)のインナーリング40を、直径がe+2xのキャリヤ軸41に圧入嵌合させているので、インナーリング40はその外径がf+2xに拡大している。インナーリング40と遊星摩擦輪42との間に介在しているボール43の直径は自由状態においてa(mm)であり、インナーリング40の外径の拡張によってボール43はXだけ潰されて弾性変形している(ただし、インナーリング40と遊星摩擦輪42の厚さの変化は微小であるので、説明を単純にするためにこれらは無視している。また、遊星摩擦輪42の内径も拡張するが、これも微小であり説明を簡略にするために、この拡張分をボール43の弾性変形Xに含めて説明する。)。
固定摩擦輪32と太陽軸31の間に遊星摩擦輪42が圧入されたとき、転動体が直径方向の圧縮力に対して比較的剛性の低いボール43であるので、遊星摩擦輪42とインナーリング40とボール43との間に遊び隙間がなくても、ボール43を潰しながら、遊星摩擦輪42は容易に楕円状に弾性変形する。なお、多数のボール43は図示しないリテーナ(保持器)によって保持されている。そして、遊星摩擦輪42が例えば2y潰されたとき、遊星摩擦輪42はほぼ楕円状に弾性変形(極めて微視的な変形)し、その短径はd−2y、長径はd+2Zになり、長径方向に2Z(μm)だけ膨らむ。この長径方向への膨らみによって、同方向におけるインナーリング40と遊星摩擦輪42の間の隙間がZだけ拡大されるが(ただし、潰れ量yと膨らみ量Zとの関係は遊星摩擦輪42の半径方向厚さ、剛性などによって異なる)、これに伴って、この隙間の拡大分Zだけボール43が弾性復元する。この隙間の拡大量Zよりも、キャリヤ軸41の圧入嵌合によるインナーリング40の半径方向の拡張量Xの方が大きく、ボール43の弾性変形量Xが遊星摩擦輪42の半径方向への膨らみ量Zよりも大きいので、キャリヤ軸41と遊星摩擦輪42の間の上記長径方向隙間の増分Zがボール43の弾性復元によって補償され、インナーリング40と遊星摩擦輪42に対するボール43の予圧状態が維持される。したがって、遊星摩擦輪42の長径方向の膨らみによって、キャリヤ軸41と遊星摩擦輪42の間にガタ(バックラッシュ)が生じることはない。
そして、遊星摩擦輪42が太陽軸31と固定摩擦輪32の間に圧入された状態において、該遊星摩擦輪42の長径方向におけるインナーリング40と遊星摩擦輪42に対するボール43の予圧状態の大小は、インナーリング40とキャリヤ軸41の圧入嵌合の締め代の大きさによって決まり、インナーリング40とキャリヤ軸41の嵌合締め代の大きさは容易に高精度で管理することができるから、摩擦伝動減速装置の特性は極めて安定しており、そのバラツキも小さく抑制することができる。したがって、本発明の摩擦伝動減速装置は品質が高く、信頼性も大きいものである。
〔実施態様1〕(請求項2に対応)
実施態様1は、前記解決手段1の摩擦伝動減速装置において、インナーリング40、ボール43及び遊星摩擦輪42が、それぞれ規格品である「ボールベアリング」のインナーリング、ボール及びアウターリングであることである。
なお、上記の「規格品」は、JIS規格品やベアリングメーカーのメーカー規格品として、一般に流通し、汎用されている定型製品を意味する。
〔作 用〕
キャリヤ軸41の直径を上記「ボールベアリング」のインナーリング40の内径よりも締め代分だけ大きくして、これにボールベアリングのインナーリング40を圧入嵌合させることにより、キャリヤCに遊星摩擦輪42を組み付けてサブアセンブリとする。これを太陽軸31と固定摩擦輪32の間に圧入させることによって、摩擦伝動減速装置が組み立てられる。ここで使用される「ボールベアリング」は規格品であり極めて廉価であるため、摩擦伝動減速装置の製作に要する加工工数や製作コストが大幅に低減される。また、規格品である「ボールベアリング」のインナーリング、ボール及びアウターリングの成形加工精度、寸法精度は極めて高いので、これを利用した摩擦伝動減速装置の回転精度や伝動精度は共に高い。
〔実施態様2〕(請求項3に対応)
実施態様2は、前記解決手段1又は実施態様1の摩擦伝動減速装置において、固定摩擦輪32が、固定ケーシングHの端面開口に嵌合固定される閉蓋カバーと一体に形成されていることである。
〔作 用〕
固定摩擦輪32が上記閉蓋カバーと一体に形成されているので、固定摩擦輪32はその成形加工、研磨加工が容易であり、また、圧入嵌合された遊星摩擦輪42からの拡張作用に対する剛性が高く、変形が小さい。
〔実施態様3〕(請求項4に対応)
実施態様3は、前記解決手段1、実施態様1又は実施態様2の摩擦伝動減速装置において、各キャリヤ軸41に対して、インナーリング40、ボール43及び遊星摩擦輪42を2組以上組み込むことである。
〔作 用〕
伝動トルクを大きくするために軸方向に長い遊星摩擦輪を用いる場合、これを高精度で成形加工するのは容易ではないから、製作コストが高くなる。
しかし、実施態様3は、各キャリヤ軸41に対して、インナーリング40、ボール43及び遊星摩擦輪42を2組以上組み込むことにより、実質的に軸方向に長い遊星摩擦輪を用いた場合と同じになるから、伝動トルクの大きい摩擦伝動減速装置を低コストで製作することができる。
〔実施態様4〕(請求項5に対応)
実施態様4は、前記解決手段1、実施態様1〜実施態様3のいずれかの摩擦伝動減速装置において、各キャリヤ軸41に支持されている遊星摩擦輪42が、該キャリヤ軸41の軸方向に互いにずらして配置されていることである。
〔作 用〕
太陽軸31、キャリヤ軸41及び固定摩擦輪32の中心軸線の微小な傾きのために、遊星摩擦輪42は前記太陽軸31や固定摩擦輪32に対して微妙に片当たりし、該遊星摩擦輪42の角が太陽軸31や固定摩擦輪32の転動面に強く当ることになるため、太陽軸31や固定摩擦輪32の転動面が偏磨耗する。
この実施態様4においては、各キャリヤ軸41の遊星摩擦輪42が互いに軸方向にずらして配置されているので、その片当りによる転動面の偏磨耗が分散され、集中することが避けられる。したがって、その耐久性が向上し、長期間に亘って円滑な伝動を維持することができる。
〔実施態様5〕(請求項6に対応)
実施態様5は、前記解決手段1、実施態様1〜実施態様4のいずれかの摩擦伝動減速装置において、前記キャリヤ軸41が前記キャリヤCとは別体であり、その一端がキャリヤCの孔に遊嵌され接着剤Bで固着されていることである。
〔作 用〕
これによると、遊星摩擦輪42を太陽軸31と固定摩擦輪32に間に圧入したとき、キャリヤ軸41aがキャリヤCに対して若干の自在性があるので、遊星摩擦輪42が太陽軸31と固定摩擦輪32に対して自然に調心され、調心された状態で接着剤Bでキャリヤ軸41aがキャリヤCに固着される。したがって、遊星摩擦輪42の太陽軸31、固定摩擦輪32に対する圧接の軸方向における均等化が図られて、片当たりが低減される。
〔解決手段2〕(請求項7に対応)
上記課題を解決するために講じた手段2は、太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤとが同心に配置され、
前記キャリヤは、断面が円形である複数のキャリヤ軸を備えており、
前記各キャリヤ軸には、遊星摩擦輪が多数の転動体とインナーリングによって回転自在に支承され、
前記それぞれのキャリヤ軸に支持された遊星摩擦輪は、前記太陽軸と外側摩擦輪の間に圧入され微小に潰されて楕円状に弾性変形されることにより、前記太陽軸と外側摩擦輪に圧接され摩擦により回転を伝達するようになっており、
前記太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤのうちのどれか一つを固定し、残り二つのうちの一方を駆動側とし、他方を被駆動側とする遊星型の摩擦伝動装置(以下、摩擦伝動装置という)を前提として、次の(ニ)〜(ヘ)によるものである。
(ニ)前記転動体がボールであること、
(ホ)前記キャリヤ軸の直径を前記インナーリングの内径より大きくして、該キャリヤ軸に該インナーリングを締め代をもって圧入嵌合することにより、該インナーリングが半径方向外方に拡張されると共に、前記多数のボールは前記インナーリングと遊星摩擦輪との間に微小に予圧縮されて介在されていること、
(ヘ)前記インナーリングの拡張量が、前記太陽軸と外側摩擦輪の締め付けによる前記遊星摩擦輪の弾性変形の長径方向への膨らみ量よりも大きいこと。
〔作 用〕
この摩擦伝動装置は、前記太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤの内、どれか一つを固定し、残り二つのうちの一方を駆動側とし、他方を被駆動側とすることにより、減速装置、増速装置又は逆転装置として機能するものである。
例えば、前記外側摩擦輪を固定して、前記太陽軸又はキャリヤの一方を駆動側に他方を被駆動側にすれば減速装置又は増速装置となり、前記キャリヤを固定して、前記太陽軸又は外側摩擦輪の一方を駆動側に他方を被駆動側にすれば減速又は増速機能を有する逆転装置となり、また前記太陽軸を固定して、前記外側摩擦輪又はキャリヤの一方を駆動側に他方を被駆動側にすれば減速装置又は増速装置となる。
そして、上記以外の作用は、上述した解決手段1の作用と共通するものである。
この発明の効果を主な請求項毎に整理すれば次のとおりである。
(1)請求項1に係る発明の効果
転動体としてボールを用いると共に、キャリヤ軸の断面を円形として、その直径をインナーリングの内径より大きくして、該キャリヤ軸に該インナーリングを締め代をもって圧入嵌合して、多数のボールを前記インナーリングと遊星摩擦輪との間で予圧縮することにより、前記キャリヤ軸と遊星摩擦輪の間で発生するガタを防止することができるので、前記遊星摩擦輪のキャリヤ軸に対する支持機構の構成が非常に簡単であり、成形・研磨加工も容易であり、製作コストを低減することができる。
また、前記ボールの自転及び公転が円滑であり遊星摩擦輪の回転も円滑であるため、摩擦伝動減速装置の回転伝達がより一層円滑であり耐久性が向上するばかりでなく、駆動軸の回転に対する被駆動軸の回転追従精度を高くすることができる。さらに、スライダー等の駆動装置に適用すれば、スライダー等の位置を迅速且つ高精度に制御することができる。
(2)請求項2に係る発明の効果
使用する「ボールベアリング」は規格品であるため極めて廉価であり、また各部品の成形加工精度や寸法精度は極めて高いので、摩擦伝動減速装置の製作加工工数、製作コストが大幅に低減されると共に、摩擦伝動減速装置の回転精度や回転伝達精度はさらに向上する。
(3)請求項3に係る発明の効果
固定摩擦輪が固定ケーシングの端面開口の閉蓋カバーと一体に形成されているので、固定摩擦輪の成形加工や研磨加工が容易であり、また固定摩擦輪の剛性が高くなり、圧入嵌合される遊星摩擦輪から受ける拡張作用による変形が小さくなる。
(4)請求項4に係る発明の効果
各キャリヤ軸に対して、インナーリング、ボール及び遊星摩擦輪を2組以上組み込むことにより、実質的に軸方向長さが長い遊星摩擦輪を用いた場合と同じになるので、伝動トルクの大きい摩擦伝動減速装置を低コストで製作することができる。また、規格品である「ボールベアリング」を用いた場合、ボールベアリングは個々に調心作用(回転軸心に対する調心作用)を有しており、各遊星摩擦輪は太陽軸と固定摩擦輪に対して個々に作用するので、その面圧がその全長においてほぼ均一になり、耐久性が向上する。
(5)請求項5に係る発明の効果
遊星摩擦輪がキャリヤ軸の軸方向に互いにずらされて配置されているので、遊星摩擦輪が太陽軸や固定摩擦輪に対して片当たりしても、その片当りによる偏磨耗が分散されて耐久性が向上する。
(6)請求項6に係る発明の効果
遊星摩擦輪を太陽軸と固定摩擦輪に間に圧入したとき、キャリヤ軸がキャリヤに対して若干の自在性があるので、遊星摩擦輪が太陽軸と固定摩擦輪に対して自然に調心され、調心された状態で接着剤によってキャリヤ軸がキャリヤに固着される。したがって、遊星摩擦輪の太陽軸、固定摩擦輪に対する圧接の軸方向における均等化が図られて、片当たりが低減されるので、その伝動特性が向上される。
(7)請求項7に係る発明の効果
上記請求項1に係る発明の効果に加え、さらに次の効果を生じるものである。
太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤのうち、固定部材、駆動部材及び被駆動部材を適宜選択することにより、減速装置、増速装置又は逆転装置として機能させることができる。
キャリヤ軸と遊星摩擦輪の間で発生するガタを防止し、遊星摩擦輪を振動することなく円滑に回転させて、駆動軸の回転に対する被駆動軸の回転追従精度を高くするという目的を、遊星摩擦輪を回転支持するキャリヤ軸を簡単にした構成で達成する共に、しかも、規格のボールベアリングを利用可能にしたことで上記構成を低製作コストで実現できるものである。
この発明の実施例1について、図5及び図6を参照しながら説明する。
この実施例1の摩擦伝動減速装置は、図5に示されているように、駆動軸となる断面円形の太陽軸31と、被駆動軸Sと一体のキャリヤCにおいて同心円上に一体に設けられた、片持ちの3本のキャリヤ軸41と、該キャリヤ軸41に回転可能に取り付けられた遊星摩擦輪42と、固定ケーシングHに回転不能に固定された固定摩擦輪32を備えて構成される。前記遊星摩擦輪42は、JIS規格品である「ボールベアリング」のアウターリングであり、その場合のインナーリング40は該インナーリングの内径より大きい直径を有する前記キャリヤ軸41に圧入されることにより、複数個のボール43を介して前記アウターリング(遊星摩擦輪42)を回転可能に支持している。なお、複数個のボール43は図示しないリテーナ(保持器)によって保持されている。
さらに、この実施例1を具体的に説明する。前記太陽軸31の直径は6mm、前記固定摩擦輪32の内径は36mmで外径は39mmであり、前記遊星摩擦輪42の外径は15mmで軸方向の幅は5mmである。前記インナーリング40の内径は6mmであり、このものはJIS規格の696ボールベアリングに相当する。そして、前記キャリヤ軸41の直径は6.03mmであって、前記インナーリング40の内径よりも30μm大きい(圧入代は、製作公差等から10〜25μm)。
前記固定摩擦輪32は剛性の高い固定ケーシングHに嵌合固定されており、半径方向外方へ拡径することがないので、この固定摩擦輪32の内径は、ほぼ前記36mmのままに維持される。
前記インナーリング40をキャリヤ軸41に圧入嵌合することにより、前記インナーリング40の内径は6.03mmに拡大される(すなわち、インナーリング40は30μm拡径される。)。これにより、前記ボール43は楕円状に潰されると共に、前記遊星摩擦輪42(アウターリング)の外径は15.01mmに拡大される(すなわち、遊星摩擦輪42は10μmだけ拡径される。)。ただし、前記キャリヤ軸41の直径は依然として6.03mmのままである。
このような圧入状態においては、前記ボール43のインナーリング40での転動面と遊星摩擦輪42での転動面との圧接点において、これらの転動面が凹んでいるのでこの凹み量を勘案すると、拡大したインナーリング40の外径、及び拡大した遊星摩擦輪42の内径から推測して、楕円状に潰された1個当たりのボール43の潰れ量(図6の潰れ量x)はほぼ10μmと推定される。すなわち、キャリヤ軸41に圧入嵌合によって、インナーリング40は30μm拡径されたが、外側の遊星摩擦輪42は10μmしか拡径されないので、その差の20μm相当が前記ボール43の潰れ量となる。そして、ボール43は、インナーリング40の外周に配置されることから、直径方向には2個配置されるので、ボール43の1個当りの潰れ量が前記20μmの半分の10μmと推定されることとなる。
前記キャリヤCの各キャリヤ軸41に前記インナーリング40を圧入して構成されたサブアセンブリにおける3個の遊星摩擦輪(アウターリング)42の仮想内接円径は6mmであり、仮想外接円径は36mmである。このサブアセンブリが内径36mmの固定摩擦輪32と直径6mmの太陽軸31との間に圧入嵌合されると、前記固定摩擦輪32と太陽軸31は半径方向への剛性が高いので、前記遊星摩擦輪42が潰されて楕円状に弾性変形する(図6参照)と共に、この潰れる方向に対して直角の方向に膨らみ、この全体の膨らみ量は8μmである(図6に示す片側の膨らみ量「z」=4μmである。)。すなわち、太陽軸31と固定摩擦輪32との隙間は15mmであって、前記遊星摩擦輪42は、上述のとおり15.01mmに拡径されているから、前記遊星摩擦輪42の上下(短径となる側)の潰れ量「2y」は10μmとなる。ところが、前記遊星摩擦輪42は、キャリヤ軸41の圧入嵌合によって拡径された状態にあって、元の自由状態に復元しようとする復元力(収縮力)が作用しているので、前記8μmであった左右(長径となる側)の膨らみ量「2z」は、前記10μmである潰れ量「2y」よりも小さくなる。
従って、この遊星摩擦輪42の膨らみに伴って、楕円状に潰されていたボール43が弾性復元する。この遊星摩擦輪42の片側の膨らみ量z(4μm)はボール43の前記潰れ量x(10μm)よりも6μmほど小さいので、前記遊星摩擦輪42が楕円状に変形したときでも、前記インナーリング40と遊星摩擦輪42に対してボール43がガタつくことはない。
なお、上記インナーリング40、上記ボール43および上記遊星摩擦輪42を構成するJIS規格の696ボールベアリングは、多少のガタがあるので、上述の具体的な各数値は、適宜に変動するものである。ただし、前記インナーリング42の拡張量xが、太陽軸31と固定摩擦輪32の締め付けによる遊星摩擦輪42の弾性変形の長径方向への膨らみ量zよりも大きく設定されることは担保される必要がある。
なお、前記キャリヤ軸41の公転半径は21mmであり、太陽軸31の円形断面の真円度は0.01、固定摩擦輪32の真円度は0.01、遊星摩擦輪42の自由状態での真円度は0.005である。
この実施例1においては、前記太陽軸31はステッピングモータ等のモータ軸であり、モータフランジ(閉蓋フランジを兼用)Mに設けられたボールベアリングBにより支承されている。また、前記モータフランジMの環状凸部は固定ケーシングHの開口部に嵌合されて、該固定ケーシングHの開口部を閉蓋している。
また、実施例1では、前記モータフランジMの環状凸部と固定摩擦輪32が別部材とされているが、このモータフランジMに長い環状凸部を一体に突設し、これを固定摩擦輪32として固定ケーシングHの開口部に嵌め込むこともできる。このような形態にすることにより、図5に示されている実施例よりも固定摩擦輪32の成形加工が容易になり、モータフランジMと固定摩擦輪32の成形加工コストが低減される。
以上の摩擦伝動減速装置の減速比は1/7であり、太陽軸31の駆動トルク0.1kg/m以下で、トラクションオイルにより内部を潤滑した状態で回転力の伝達が行われる。この摩擦伝動減速装置は、太陽軸の回転速度3000rpm、駆動トルク0.1kg/mで連続運転したとき、極めて長時間(少なくとも1万時間)において被駆動軸Sの回転速度の振動や遅延はなく極めて安定しており、またバックラッシュもゼロである。
次に、実施例2(請求項4に対応)について、図7を参照しながら説明する。この実施例2は、前記実施例1の摩擦伝動減速装置において伝達トルクを大きくするように、各キャリヤ軸41に対して遊星摩擦輪42を複数個設けたものであり、その他の点は前記実施例1と同じである。
ところで、このような摩擦伝動減速装置において伝動トルクを大きくする場合は、遊星摩擦輪42に対する締め代を大きくして太陽軸31と遊星摩擦輪42、及び遊星摩擦輪42と固定摩擦輪32の摩擦力を大きくすることが考えられるが、これは遊星摩擦輪42の転がり抵抗、伝動の平滑性や耐久性の観点から好ましくない。そこで、図7(a)に示されているように遊星摩擦輪42を長くすることで伝動トルクを大きくすることになるが、このようにすると前記遊星摩擦輪42と、太陽軸31及び固定摩擦輪32との間の面圧がその長手方向において不均一になり、所期の伝動特性を発揮することができないこともある。
この問題を解消するためのものが図7(b)に示す実施例2のものである。この実施例2は、図5に示された実施例1の遊星摩擦輪42を構成する規格品である「ボールベアリング」をスペーサ44を介して3個並べて一組としてこれによって各キャリヤ軸41に対する遊星摩擦輪を構成したものである。この3個の「ボールベアリング」は個々に調心作用(回転軸心に対する調心作用)を有しており、太陽軸31と固定摩擦輪32に対して個々に作用し、その面圧がその全長においてほぼ均一になるので、その伝達最大トルク容量は図5に示された実施例1の約3倍弱であって安定している。
次に、実施例3(請求項5に対応)について、図8を参照しながら説明する。この実施例3は、前記実施例1の摩擦伝動減速装置において、遊星摩擦輪42が太陽軸31や固定摩擦輪32に集中して片当たりするのを防止するために、遊星摩擦輪42の軸方向の配置を工夫したものであり、その他の点においては前記実施例1と同じである。
このような摩擦伝動減速装置において、太陽軸31、キャリヤ軸41及び固定摩擦輪32の中心軸線は、加工誤差等のために微小な傾きを有しているのが普通である。このために、遊星摩擦輪42は太陽軸31や固定摩擦輪32に対して微妙に片当たりして、該遊星摩擦輪の角が太陽軸や固定摩擦輪の転動面に集中して強く当ることになり、太陽軸31や固定摩擦輪32の転動面が偏磨耗することになる。
この実施態様3においては、キャリヤ軸41の基部(キャリヤC側)にそれぞれ厚さの異なる段部47a〜47cを設けることにより、各遊星摩擦輪42は互いに軸方向にずらして配置されるので、その片当りによる転動面の偏磨耗が分散され、集中しないように構成されている。このために、前記太陽軸31、キャリヤ軸41及び固定摩擦輪32の耐久性が向上し、長期間に亘って円滑な伝動作用が維持される。
実施例1乃至実施例3はいずれもキャリヤとキャリヤ軸をキャリヤと一体形成したものであるが、上記従来技術(特開平6−174026号公報)のように、実施例1乃至実施例3についてもキャリヤ軸をキャリヤと別体とすることができる。
実施例4(図9)は、キャリヤ軸41aとキャリヤC間の関連構成を変更した実施例であり、具体的には実施例2のキャリヤ軸41をキャリヤCと別体にしたものである。
上記従来技術はキャリヤ軸の一端をキャリヤの孔に圧入嵌合して固定しているが、実施例4はこれとは違って、キャリヤ軸41aの一端をキャリヤCの孔に遊嵌させ、キャリヤ軸41aとキャリヤCを接着剤bで固着している。
実施例4の遊星摩擦輪42を太陽軸31と固定摩擦輪32に間に圧入したとき、キャリヤ軸41aがキャリヤCに対して若干の自在性があるので、遊星摩擦輪42が太陽軸31と固定摩擦輪32に対して自然に調心され、調心された状態で接着剤bでキャリヤ軸41aがキャリヤCに固着される。したがって、遊星摩擦輪42の太陽軸31、固定摩擦輪32に対する圧接の軸方向における均等化が図られて、片当たりが低減されるので、その伝動特性が向上される。
また、実施例2(図7)は3つのボールベアリングを組み合わせて遊星摩擦輪を構成しているものであり、キャリヤ軸41が実施例1のものに比して相当長いために3つの遊星摩擦輪42の太陽軸31と固定摩擦輪32に対する圧力が不均一になり、片当たりする傾向があるという問題があるが、実施例4により上記の問題が大幅に低減される。
以上は、この発明を無変速の摩擦伝動減速装置として利用することを前提にして説明したが、このような遊星型の伝動装置は減速機能を有するだけでなく、それを構成する太陽軸、遊星摩擦輪を有するキャリヤ、及び外側摩擦輪のうち、固定部材、駆動部材又は被駆動部材を適宜選択することにより、増速機能や逆転機能をも備えていることは周知の技術事項である。
したがって、この発明は減速機能、増速機能又は逆転機能を備える遊星型の伝動装置としての発明でもある。
は、遊星型の摩擦伝動減速装置を用いたスライダー駆動装置を模式的に示す側面図である。 は、従来の遊星型の摩擦伝動減速装置を示す模式図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は要部の拡大断面図である。 は、従来の遊星型の摩擦伝動減速装置の主要部を説明する断面図である。 は、従来の遊星型の摩擦伝動減速装置の主要部を説明する断面図である。 は、この発明の実施例1を説明する模式的な断面図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 は、この発明の解決手段の作用、及び実施例1について説明する模式図である。 は、この発明の実施例2を説明する模式的な断面図であり、(a)は遊星摩擦輪を長くした場合の説明図、(b)は実施例2の説明図である。 は、この発明の実施例3の主要部を説明する模式図である。 は、この発明の実施例4を説明する模式的な断面図である。
符号の説明
1・・・・スライダー
2・・・・ねじ軸
3・・・・遊星摩擦伝動減速装置
4・・・・ステッピングモータ
5・・・・位置センサ
6・・・・CPU
7・・・・駆動手段
8・・・・ベッド
11・・・・駆動軸
12,S・・・・被駆動軸
13,23,30,42・・・・遊星摩擦輪
13a,23a,40・・・・インナーリング
13b,23b,33・・・・ニードルローラ
14,24,39,41・・・・キャリヤ軸
15,25,31・・・・太陽軸
16,26,32・・・・固定摩擦輪
17,C・・・・キャリヤ
43・・・・ボール
47a〜47c・・・・段部
b・・・・接着剤
B・・・・ボールベアリング
M・・・・モータフランジ(閉蓋フランジ)
H・・・・固定ケーシング


Claims (8)

  1. 駆動軸である太陽軸と、固定ケーシングに固定された固定摩擦輪と、被駆動軸に連結されるキャリヤとが同心に配置され、
    前記キャリヤは、断面が円形である複数のキャリヤ軸を備えており、
    前記各キャリヤ軸には、遊星摩擦輪が多数の転動体とインナーリングによって回転自在に支承され、
    前記それぞれのキャリヤ軸に支持された遊星摩擦輪は、前記太陽軸と固定摩擦輪の間に圧入され微小に潰されて楕円状に弾性変形されることにより、前記駆動軸から被駆動軸へ摩擦により回転を伝達する遊星型の摩擦伝動減速装置において、
    前記転動体がボールであり、
    前記キャリヤ軸の直径を前記インナーリングの内径より大きくして、該キャリヤ軸に該インナーリングを締め代をもって圧入嵌合することにより、該インナーリングが半径方向外方に拡張されると共に、前記多数のボールは前記インナーリングと遊星摩擦輪との間に微小に予圧縮されて介在されており、
    前記インナーリングの拡張量が、前記太陽軸と固定摩擦輪の締め付けによる前記遊星摩擦輪の弾性変形の長径方向への膨らみ量よりも大きいことを特徴とする遊星型の摩擦伝動減速装置。
  2. 前記インナーリング、ボール及び遊星摩擦輪が、規格品である「ボールベアリング」のインナーリング、ボール及びアウターリングであることを特徴とする請求項1の遊星型の摩擦伝動減速装置。
  3. 前記固定摩擦輪が、前記固定ケーシングの端面開口に嵌合固定される閉蓋カバーと一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2の遊星型の摩擦伝動減速装置。
  4. 前記各キャリヤ軸に対して、インナーリング、ボール及び遊星摩擦輪を2組以上組み込むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置。
  5. 前記各キャリヤ軸に支持されている遊星摩擦輪が、該キャリヤ軸の軸方向に互いにずらされて配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置。
  6. 前記キャリヤ軸が前記キャリヤとは別体であり、その一端がキャリヤの孔に遊嵌され接着剤で固着されている請求項1乃至請求項5のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置。
  7. 太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤとが同心に配置され、
    前記キャリヤは、断面が円形である複数のキャリヤ軸を備えており、
    前記各キャリヤ軸には、遊星摩擦輪が多数の転動体とインナーリングによって回転自在に支承され、
    前記それぞれのキャリヤ軸に支持された遊星摩擦輪は、前記太陽軸と外側摩擦輪の間に圧入され微小に潰されて楕円状に弾性変形されることにより、前記太陽軸と外側摩擦輪に圧接され摩擦により回転を伝達するようになっており、
    前記太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤのうち、どれか一つを固定し、残り二つのうちの一方を駆動側とし、他方を被駆動側とする遊星型の摩擦伝動装置において、
    前記転動体がボールであり、
    前記キャリヤ軸の直径を前記インナーリングの内径より大きくして、該キャリヤ軸に該インナーリングを締め代をもって圧入嵌合することにより、該インナーリングが半径方向外方に拡張されると共に、前記多数のボールは前記インナーリングと遊星摩擦輪との間に微小に予圧縮されて介在しており、
    前記インナーリングの拡張量が、前記太陽軸と外側摩擦輪の締め付けによる前記遊星摩擦輪の弾性変形の長径方向への膨らみ量よりも大きいことを特徴とする遊星型の摩擦伝動装置。
  8. スライダーをねじ機構で駆動し、当該ねじ機構を摩擦伝動減速装置を介してステッピングモータにより駆動し、スライダーの停止位置を高精度で検出して、この位置検出信号によってフィードバック制御して、所定位置に停止させるスライダー駆動装置であって、上記摩擦伝動減速装置が請求項1乃至請求項6のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置であるスライダー駆動装置。
JP2004074384A 2004-03-16 2004-03-16 遊星型の摩擦伝動減速装置 Expired - Fee Related JP4486835B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074384A JP4486835B2 (ja) 2004-03-16 2004-03-16 遊星型の摩擦伝動減速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074384A JP4486835B2 (ja) 2004-03-16 2004-03-16 遊星型の摩擦伝動減速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005264968A JP2005264968A (ja) 2005-09-29
JP4486835B2 true JP4486835B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=35089755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004074384A Expired - Fee Related JP4486835B2 (ja) 2004-03-16 2004-03-16 遊星型の摩擦伝動減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4486835B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005264968A (ja) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6702310B2 (ja) 摩擦ローラ式減速機
JP4608252B2 (ja) 偏心揺動型歯車装置
JP4079691B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4486835B2 (ja) 遊星型の摩擦伝動減速装置
JP7207628B2 (ja) 変速機
JP2004257533A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP2004068845A (ja) 止め輪の外れ止め装置
JP3783626B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP6485180B2 (ja) 摩擦ローラ式減速機
JP6265061B2 (ja) 遊星ローラ式トラクションドライブ装置
KR101301702B1 (ko) 마찰구동을 이용한 감속장치
JP4968082B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2005264969A (ja) 遊星型の摩擦伝動減速装置
JPH11210773A (ja) ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の軸受
JP2007327558A (ja) トロイダル型無段変速機
WO2023276770A1 (ja) 遊星ローラねじ式直動機構および電動ブレーキ装置
JPH06272745A (ja) 摩擦遊星ローラ式減速機
JP2004293691A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP5867132B2 (ja) 摩擦ローラ式減速機
JP4587119B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2003227553A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2008064139A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4745535B2 (ja) トルクコンバータ
JP5810863B2 (ja) 摩擦ローラ式減速機
JP4345289B2 (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees