JP2005264969A - 遊星型の摩擦伝動減速装置 - Google Patents

遊星型の摩擦伝動減速装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 遊星型の摩擦伝動減速装置において、遊星摩擦輪の回転の円滑性を向上させると共に、簡単な構成によってキャリヤ軸と遊星摩擦輪間のガタを解消できるようにすることを課題とする。
【解決手段】 本摩擦伝動減速装置は、キャリヤ軸41の直径がインナーリング40の内径よりも小さく、該キャリヤ軸41に該インナーリング40を遊嵌させ、上記キャリヤ軸41とインナーリング40との間の隙間に介在する金属接着剤45によってキャリヤ軸41とインナーリング40が接着・固定される。そして、前記キャリヤ軸41とインナーリング40間の隙間が、遊星摩擦輪42を太陽軸31と固定摩擦輪32との間に圧入したときのインナーリング40の弾性変形を阻害しない程度に大きく設定される。
【選択図】 図6


Description

この発明は転がり軸受を用いた遊星型の摩擦伝動減速装置に関するものであり、遊星摩擦輪とキャリヤ軸との間の嵌合部に生じるガタをなくして回転伝達を円滑にして追従性(正逆転の切り替わり時の追従性)を確実にするものである。さらに具体的には、ステッピングモータを駆動源とするスライダーや昇降体等(以下、スライダー等という。)の駆動装置に適用される減速装置であり、スライダー等の停止位置を迅速に高精度で制御することができるものである。
半導体製造装置や液晶製造装置等における高精密駆動装置用の伝動装置としては、回転伝達が平滑で振動の小さい摩擦伝動減速装置が用いられる。
スライダー等の停止位置を高精度で制御する駆動装置としては、該スライダー等をステッピングモータで駆動し、これらの停止位置を高精度(例えば、1μm単位)で検出して、この位置検出信号によってフィードバック制御して、所定位置に停止させるものがあるが、前記ステッピングモータからスライダー等へ駆動力を伝達する伝動装置として、機構が単純で小型である遊星型の摩擦伝動減速装置(以下、摩擦伝動減速装置という。)がよく用いられる。
前記スライダー等の駆動装置は、例えば図1に示すように、ベッド8のガイドレールで案内されるスライダー1を精密ねじ軸2により往復動させるものであり、該ねじ軸2は遊星摩擦伝動減速装置3を介してステッピングモータ4で駆動される。前記スライダー1の位置を位置センサ5によって高精度(例えば1μm単位)で検出し、制御目標位置との誤差をCPU6で演算し、誤差修正のための制御信号を駆動手段7に送信して必要な回転角度だけステッピングモータ4を回転させ、最終的に高精度で目標位置に停止させるものである。
前記遊星摩擦伝動減速装置3は、図2に示されている構成を備えており、その駆動軸(図1の例では、ステッピングモータ軸)11の回転量に対する被駆動軸12(図1の例では、ねじ軸2)の回転量の追従性が低いと、スライダー1の停止位置の制御効率や制御精度は当然低くなり、高速で目標位置に移動させて迅速且つ高精度で目標位置に停止させることはできない。
図2に示す従来の遊星摩擦伝動減速装置3は、太陽軸15と固定摩擦輪16との間に遊星摩擦輪13を圧入嵌合させてこれを微小に潰して楕円状に弾性変形させ、その弾発力によって遊星摩擦輪13を太陽軸15と固定摩擦輪16に摩擦係合させて、キャリヤ17を減速駆動するものである。
したがって、遊星摩擦輪13は図2(c)のm−m’方向に微小に潰されて楕円状に弾性変形され、この状態では圧縮方向に対して直角の方向(同図n−n’方向、キャリヤの公転方向)に遊星摩擦輪13が膨らむ(拡張する)ので、この方向において遊星摩擦輪13とキャリヤ軸14との間の嵌合部にガタ(微小間隙k)が生じる。このガタ(バックラッシュ)のために遊星摩擦輪13がキャリヤ軸14に対して公転方向に変位(2〜3μmの極めて微小な変位)して、駆動軸11の回転に対する被駆動軸(キャリヤ17が固定されている出力軸)12の回転の追従精度が低下する。
また、この従来の摩擦伝動減速装置においては、遊星摩擦輪13とインナーリング13aとの間に介在させたニードルローラ13bがキャリヤ軸14の周りを一回公転する間に、前記キャリヤ軸14と遊星摩擦輪13の間で強圧されて自転しながら公転する高負荷領域(楕円状に変形された遊星摩擦輪13の短軸m−m’方向領域)と、キャリヤ軸14と遊星摩擦輪13の間で無負荷でガタのある状態で自転しないで公転する無負荷領域(同じく遊星摩擦輪13の長軸n−n’方向領域)とを交互に2回繰り返して通過し、この間に前記ニードルローラ13bは自転と非自転とを繰り返すことになる。このようにニードルローラ13bが自転しない状態から自転する状態へ切り替わるとき、該ニードルローラ13bはキャリヤ軸14と遊星摩擦輪13に対してスリップするばかりでなく、斜行する傾向を示し、さらには該遊星摩擦輪13に対して衝撃を与えてこれを微小に振動させることになる。
このようなガタの発生を防止して高精度の位置決め制御を効率的に行うことができる遊星摩擦伝動減速装置は、例えば、特公平4−32256号公報、及び特開平6−174026号公報に記載されているように従来から公知のものである。前記特公平4−32256号公報(従来例1)に記載されたものは、図3に示すように、遊星摩擦輪23とインナーリング23aとの間に、転動体としての剛性が高いニードルローラ23bを介在させると共に、前記インナーリング23aとキャリヤ軸24との間には微小な間隙が形成されている。前記キャリヤ軸24の公転方向両側は切り欠かれており、太陽軸25とキャリヤ軸24の中心を通る仮想の平面に対してそれぞれ平行な面に形成されている。これらの平行な面と前記インナーリング23aの内面とにより囲まれる弓形空間の一方には、1個の弓形の可動部材23cが組み込まれ、また他方の弓形空間には弾性部材23eを間に挟んで2個の扇形の可動部材23d,23dが組み込まれている。このような構成によって、前記インナーリング23aとキャリヤ軸24との間に生じるキャリヤ軸の公転方向のガタを吸収している。
前記従来例1に記載されているキャリヤ軸24による遊星摩擦輪の支持機構は、その機構構造が複雑であって成形加工コストが高くなり、また弾性部材23eの作用によってガタを防止しているので、キャリヤ軸24に対する遊星摩擦輪23の支持剛性が不足して安定しないという問題がある。
前記特開平6−174026号公報(従来例2)には、遊星摩擦伝動減速装置における従来例1の上記問題を解決することを目的として、該従来例1のものにおける弾性部材やインナーリングを用いることなしに、キャリヤ軸の断面をほぼ楕円形状にすることによって、遊星摩擦輪とキャリヤ軸との間に生じるガタを防止することが記載されている(以下、「従来技術」という)。
次に、前記従来技術の概要について図4を参照しながら説明する。
遊星摩擦輪30は、リテーナ(保持器)34で保持されているニードルローラ33によって、キャリヤ軸39に対して回転自在に支持されている。前記キャリヤ軸39はその断面がほぼ楕円形状に形成されており、このキャリヤ軸39にニードルローラ33を介在させて前記遊星摩擦輪30を圧入嵌合させているので、該遊星摩擦輪30はキャリヤ軸39の長径方向に膨らまされて(拡張されて)楕円形状に弾性変形される(予備変形)。しかし、この時点では、前記キャリヤ軸39の短径方向において遊星摩擦輪30とキャリヤ軸39との間に遊び隙間が確保されている。この遊び隙間は、前記遊星摩擦輪30を太陽軸31と固定摩擦輪32との間に圧入するとき、前記固定摩擦輪32と太陽軸31とに挾まれて潰されるようになっている。
そして、前記遊星摩擦輪30が太陽軸(駆動側)31と固定摩擦輪32との間に圧入されるとき、該遊星摩擦輪30は太陽軸31と固定摩擦輪32との間に挟まれて微小に(例えば5μm)潰される(変形される)。このように遊星摩擦輪30が潰されると、該遊星摩擦輪30はキャリヤ軸39の楕円形状の長径方向に膨らもうと(拡張しようと)するが、前記キャリヤ軸39の圧入嵌合によって同方向に予め膨らまされているので、該遊星摩擦輪30はそれ以上同方向に膨らむことはない。
したがって、前記キャリヤ軸39の長径方向(キャリヤ軸39の公転方向)において、該キャリヤ軸39と遊星摩擦輪30との間にガタが生じることはない。これが従来技術においてガタの発生を防止する基本原理である。
図2に示された前記従来の遊星摩擦伝動減速装置においては、ニードルローラ13bがキャリヤ軸14の周りを一回公転する間に、前記キャリヤ軸14と遊星摩擦輪13との間で強圧されて自転しながら公転する高負荷領域(楕円状に変形した遊星摩擦輪13の短径方向領域)と、キャリヤ軸14と遊星摩擦輪13との間で無負荷でガタのある状態で自転しないで公転する無負荷領域(楕円状に変形した遊星摩擦輪13の長径方向領域)とを交互に2回繰り返して通過し、この間に前記ニードルローラ13bは自転と非自転とを繰り返すことになる。このようにニードルローラ13bが自転しない状態から自転する状態へ切り替わるとき、該ニードルローラ13bはキャリヤ軸14と遊星摩擦輪13に対してスリップするばかりでなく、斜行する傾向を示し、該遊星摩擦輪13に対して衝撃を与えてこれを微小に振動させることになる。
また、図4に示された前記従来技術は、キャリヤ軸39の断面形状をほぼ楕円形状にし、その長径方向の径を、リテーナ34で保持されているニードルローラ33が自由状態にあるときの仮想内接円径よりも大きくすると共に、その短径方向の径を同ニードルローラ33の仮想内接円径よりも小さくしたものであり、このキャリヤ軸39を前記ニードルローラ33間に押し込んで組み立てる(圧入嵌合する)とき、該ニードルローラ33をキャリヤ軸39の長径方向に押し拡げて、遊星摩擦輪30を同方向に予め膨らませて楕円状に弾性変形(以下、予備変形という)させる。次に、前記遊星摩擦輪30を太陽軸(駆動側)31と固定摩擦輪32との間に圧入して組み立てると、該遊星摩擦輪30が太陽軸31と固定摩擦輪32との間でその直径方向に微小(例えば5μm)に潰されて(変形されて)、該遊星摩擦輪30の横方向(潰し方向に対して直角の方向)へ膨らむ(拡張する)が、この膨らみ分を前記予備変形と相殺させることにより、該遊星摩擦輪30の横方向へのこれ以上の膨らみを無くし、これによって上記ガタの発生を回避しているものである。
しかし、この従来技術によれば、前記キャリヤ軸39の断面形状が概ね楕円形であるので、それを高精度に成形、研磨加工することは容易ではなく、また、前記ニードルローラ33の自転及び公転運動の円滑性も害される。このために、固定摩擦輪32に微小な振動を生じさせることになる。
また、キャリヤ軸39の半径方向位置には微小な誤差が避けられず(例えば4μm程度)、この誤差のために、太陽軸31の転動面と固定摩擦輪32の転動面間の隙間の中心からずれている。そして、遊星摩擦輪30はキャリヤ軸39の中心を回転軸心を中心にして自転するので、上記ずれ分だけ偏心した軸線を中心に回転(自転)することになり、固定摩擦輪32の転動面と太陽軸31の転動面に対する圧接力が不均等になるという問題もある。
特公平4−32256号公報 特開平6−174026号公報
この発明は、インナーリング(内輪)をキャリヤ軸に嵌合させた遊星摩擦輪(外輪)の支持機構について、前記インナーリングと遊星摩擦輪の間で転動する転動体が円形の転動面を転動するようにして、該遊星摩擦輪の回転の円滑性を向上させると共に、簡単な構成によってキャリヤ軸と遊星摩擦輪間のガタを解消できるように、また、太陽軸と固定摩擦輪の間に遊星摩擦輪を圧入するとき、太陽軸の転動面と固定摩擦輪の転動面間の間隔の半径方向中心に遊星摩擦輪が自動調心されるように、遊星摩擦輪のキャリヤ軸による支持機構を工夫することをその課題とするものである。
〔解決手段1〕(請求項1に対応)
上記課題を解決するために講じた手段1は、駆動軸である太陽軸と、固定ケーシングに固定された固定摩擦輪と、被駆動軸に連結されるキャリヤとが同心に配置され、
前記キャリヤは複数のキャリヤ軸を備えており、
前記各キャリヤ軸には、遊星摩擦輪が多数の転動体とインナーリングによって回転自在に支承され、
前記それぞれのキャリヤ軸に支持された遊星摩擦輪は、前記太陽軸と固定摩擦輪の間に圧入され微小に潰されて楕円状に弾性変形されることにより、前記駆動軸から被駆動軸へ摩擦により回転を伝達する遊星型の摩擦伝動減速装置を前提として、次の(イ)〜(ハ)によるものである。
(イ)前記転動体がボールまたはローラであること、
(ロ)前記キャリヤ軸の直径が前記インナーリングの内径よりも小さく、該キャリヤ軸に該インナーリングを遊嵌させ、上記キャリヤ軸とインナーリング間の隙間に介在する金属接着剤によってキャリヤ軸とインナーリングが接着・固定されていること、
(ハ)前記キャリヤ軸とインナーリング間の上記隙間が、遊星摩擦輪を太陽軸と固定摩擦輪との間に圧入したときのインナーリングの弾性変形を阻害しない程度に大きいこと。
なお、キャリヤ軸の断面形状は基本的には円形であり、切削研磨加工の容易さ、加工精度等からしてこれが最も望ましいが、キャリヤ軸とインナーリングとの間に空隙が介在し、接着剤層が介在するものであるから、多角形など非円形断面のものでも支障は無い。
〔作 用〕
次いで、図6を参照しながら前記解決手段の作用を説明する。
この図6においては、インナーリング40をキャリヤ軸41に遊び2x(μm)で遊嵌して遊星摩擦輪42がキャリヤ軸41に支持されており、自由状態において内径d(mm)の遊星摩擦輪42が固定摩擦輪32と太陽軸31との間で2y(μm)だけ潰れている状態を示している。
このとき、インナーリング40はキャリヤ軸41に対して半径方向に自由であるから、ボール43を介して潰されて楕円状に弾性変形する。このときの遊星摩擦輪42とともにインナーリング40も潰れて楕円形状に弾性変形する。
ただし、インナーリング40の潰れ量yはインナーリング40の半径方向剛性の大小により左右されるので、遊星摩擦輪42の潰れに伴ってインナーリング40が所要量潰れて弾性変形するようにその半径方向剛性を選択する。
キャリヤ軸41に対する遊嵌の遊び量がインナーリング40の弾性変形を阻害しない程度に大きいので、インナーリング40が遊星摩擦輪42と同様に弾性変形することで、楕円状に弾性変形したインナーリング40と遊星摩擦輪42の長径方向における隙間の増大をほとんどなくすることができる。
また、太陽軸31と固定摩擦輪32との間に遊星摩擦輪42が圧入されるとき、この時点ではインナーリング40はキャリヤ軸41に対して半径方向に自由度があるので、遊星摩擦輪42は太陽軸31と固定摩擦輪32間の隙間の中心位置に自動調心され、この調心位置で自転することになる。したがって、太陽軸31、固定摩擦輪32の転動面に対する遊星摩擦輪42の圧接力の、1自転の間の変化は少なく、したがってその間に伝動トルクの変動は少ない。
なお、上記金属接着剤については、いわゆる瞬間的に硬化する接着剤を使用する必要はなく、通常の金属接着剤(例えば、嫌気性接着剤)を使用すればよく、通常の金属接着剤は、インナーリング40をキャリヤ軸41に嵌合させて若干の時間後に硬化し始めるので、インナーリング40の内周面、キャリヤ軸41の外周面に金属接着剤を塗布した状態でインナーリング40をキャリヤ軸41に遊嵌させ、金属接着剤が硬化する前に遊星摩擦輪42を太陽軸31と固定摩擦輪32の間に圧入してこれらに組み付ければよい。
また、多数のボール43は図示しないリテーナ(保持器)によって保持されている。
また、図6では転動体はボールであるが、以上の作用から明らかなとおり、ボールであることが不可欠の必要条件ではないから、転動体がニードルローラ等のローラであるものにも解決手段1を適用することができる。
〔実施態様1〕(請求項2に対応)
実施態様1は、前記解決手段1の遊星型の摩擦伝動減速装置において、各キャリヤ軸41にそれぞれ支持されている遊星摩擦輪42が、該キャリヤ軸41の軸方向に互いにずれて配置されていることである。
〔作 用〕
太陽軸31、キャリヤ軸41及び固定摩擦輪32の中心軸線の微小な傾きのために、遊星摩擦輪42は太陽軸31や固定摩擦輪32に対して微妙に片当たりし、該遊星摩擦輪42の角が太陽軸31や固定摩擦輪32の転動面に強く当ることになり、このため、太陽軸31や固定摩擦輪32の転動面が偏磨耗する。
この実施態様1においては、複数の遊星摩擦輪42が互いに軸方向にずらして配置されているので、その片当り面の偏磨耗が分散され、集中することが避けられる。したがって、その耐久性が向上し、長期間に亘って円滑な伝動が維持される。
〔実施態様2〕(請求項3に対応)
実施態様2は、前記解決手段1又は実施態様1の遊星型の摩擦伝動減速装置において、インナーリング40、ボール43及び遊星摩擦輪42が、それぞれ規格品である「ボールベアリング」のインナーリング、ボール及びアウターリングであることである。
なお、上記の「規格品」は、JISの規格品、ベアリングメーカーの規格品等、一般に流通して汎用されている定型品を意味する。
〔作 用〕
キャリヤ軸41の直径を上記「ボールベアリング」のインナーリング40の内径よりも所定の遊び代分だけ小さくして、これにボールベアリングのインナーリングを遊嵌させることにより、キャリヤCに遊星摩擦輪42を組み付けてサブアセンブリとする。これを太陽軸31と固定摩擦輪32の間に圧入させることによって、遊星摩擦伝動減速装置が組み立てられる。ここで使用される「ボールベアリング」は規格品であり極めて廉価であるため、遊星摩擦伝動減速装置の製作に要する加工工数や製作コストが大幅に低減される。また、規格品である「ボールベアリング」のインナーリング、ボール及びアウターリングの成形加工精度、寸法精度が極めて高いので、これを利用した遊星摩擦伝動減速装置の回転精度や伝動精度は共に高い。
〔実施態様3〕(請求項4に対応)
実施態様3は、前記解決手段1、実施態様1又は実施態様2の遊星型の摩擦伝動減速装置において、固定摩擦輪32が、固定ケーシングHの端面開口に嵌合固定される閉蓋カバーと一体に形成されていることである。
〔作 用〕
固定摩擦輪32が上記閉蓋カバーと一体に形成されているので、固定摩擦輪32はその成形加工、研磨加工が容易であり、また、圧入嵌合された遊星摩擦輪42からの拡張作用に対する剛性が高く変形が小さい。
〔実施態様4〕(請求項5に対応)
実施態様4は、前記解決手段1、又は実施態様1〜実施態様3のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置において、前記各キャリヤ軸41に対して、インナーリング40、ボール43及び遊星摩擦輪42を2組以上組み込むことである。
〔作 用〕
伝動トルクを大きくする等のために軸方向に長い遊星摩擦輪を用いる場合、これを高精度で成形加工するのは容易でなく、したがって、製作コストが高い。しかし、実施態様4は、実質的に軸方向長さが長い遊星摩擦輪を構成することができるから、伝動トルクの大きい遊星型の摩擦伝動減速装置を低コストで製作することができる。
〔実施態様5〕(請求項6に対応)
実施態様5は、前記解決手段1、又は実施態様1〜実施態様4のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置において、上記キャリヤ軸41aが中空軸である。
〔作 用〕
上記キャリヤ軸41は中実軸でよいが、インナーリング40が圧入嵌合されるものではないから中空軸にすることもできる。中空軸にするとその撓み方向剛性が低下して撓み方向の弾性を有し、遊星摩擦輪42の公転軌道の太陽軸31、固定摩擦輪32の軸心に対する微小な偏心に対する調心が、中空軸としたキャリヤ軸41aの弾性撓みによって成される。
〔解決手段2〕(請求項7に対応)
上記課題を解決するために講じた手段2は、太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤとが同心に配置され、
前記キャリヤは複数のキャリヤ軸を備えており、
前記各キャリヤ軸には、遊星摩擦輪が多数の転動体とインナーリングによって回転自在に支承され、
前記それぞれのキャリヤ軸に支持された遊星摩擦輪は、前記太陽軸と外側摩擦輪の間に圧入され微小に潰されて楕円状に弾性変形されることにより、前記太陽軸と外側摩擦輪に圧接されて摩擦により回転を伝達するようになっており、
前記太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤのうちのどれか一つを固定し、残り二つのうちの一方を駆動側とし、他方を被駆動側とする遊星型の摩擦伝動装置を前提として、次の(ニ)〜(ヘ)によるものである。
(ニ)前記転動体がボールまたはローラであること、
(ホ)前記キャリヤ軸の直径が前記インナーリングの内径よりも小さく、該キャリヤ軸に該インナーリングを遊嵌させ、上記キャリヤ軸とインナーリング間の隙間に介在する金属接着剤によってキャリヤ軸とインナーリングが接着・固定されていること、
(ヘ)前記キャリヤ軸とインナーリング間の上記隙間が、遊星摩擦輪を太陽軸と外側摩擦輪との間に圧入したときのインナーリングの弾性変形を阻害しない程度に大きいこと。
〔作 用〕
この遊星型の摩擦伝動装置は、前記太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤのうちのどれか一つを固定し、残り二つのうちの一方を駆動側とし、他方を被駆動側とすることにより、減速装置、増速装置又は逆転装置として機能する。
例えば、キャリヤを駆動部材とし、太陽軸を被駆動軸部材とすれば、この遊星摩擦伝動減速装置は増速装置となり、また、太陽軸を駆動部材とし、キャリヤを固定し、外周輪(解決手段1においては「固定摩擦輪」)を回転可能にして被駆動部材とすることで、減速比が異なる遊星摩擦伝動減速装置になる。同様に、太陽軸を固定し、外側摩擦輪を回転可能にして、キャリヤと外側摩擦輪との間で伝動することもできる。
さらに、外側摩擦輪とキャリヤの一方を選択的に固定して、他方を被駆動部材とすることで、2段変速装置とすることもできる。
上記の外の作用は上述した解決手段1の作用と違いはない。
この発明の効果を主な請求項毎に整理すれば次のとおりである。
(1)請求項1に係る発明の効果
転動体としてボールまたはローラを用いると共に、キャリヤ軸の直径をインナーリングの内径より小さくして、該キャリヤ軸に該インナーリングを遊び代をもって遊嵌させて、太陽軸転動面と固定摩擦輪の転動面の間に遊星摩擦輪を圧入させたとき、インナーリングが遊星摩擦輪と同様に楕円形状に潰されるようにし、楕円形状に潰されたインナーリングと太陽軸との間に金属接着剤を介在させて固着することにより、キャリヤ軸と遊星摩擦輪間でガタが発生することを防止できるので、構成が非常に簡単であり、成形・研磨加工も容易であり、製作コストを低減することができる。
また、転動体の自転及び公転が円滑であり遊星摩擦輪の回転も円滑であるため、遊星摩擦伝動減速装置の回転伝達がより一層円滑になり、耐久性も向上する。
また、遊星摩擦輪が太陽軸と固定摩擦輪間に圧入される時点においてキャリヤ軸にインナーリングが遊び代をもって遊嵌されているので、このとき、遊星摩擦輪は太陽軸の半径方向に自由度があり、太陽軸と固定摩擦輪間との間隔の中心位置へ自動的に調心される。したがって、遊星摩擦輪の太陽軸の転動面と固定摩擦輪の転動面に対する圧接力が均等になり、遊星摩擦輪が1自転する間の伝動トルクの変動が少なく、回転伝達が一層円滑である。
(2)請求項2に係る発明の効果
遊星摩擦輪がキャリヤ軸の軸方向に互いにずれた状態で配置されているので、遊星摩擦輪が太陽軸や固定摩擦輪に対して片当たりしても、その片当りによる偏磨耗が分散されて集中することがないので、偏摩耗による耐久性の低下が防止される。
(3)請求項3に係る発明の効果
使用する「ボールベアリング」は規格品であるため極めて廉価であり、また各部品の成形加工精度や寸法精度は極めて高いので、遊星摩擦伝動減速装置の製作工数、製作コストが大幅に低減されると共に、遊星摩擦伝動減速装置の回転精度(殊に遊星摩擦輪の回転精度)が向上し、回転伝達精度がさらに向上する。
(4)請求項4に係る発明の効果
固定摩擦輪が固定ケーシングの端面開口の閉蓋カバーと一体に形成されているので、固定摩擦輪の成形加工や研磨加工が容易であり、また固定摩擦輪の剛性が高くなり、圧入嵌合される遊星摩擦輪から受ける拡張作用による変形が小さくなる。
(5)請求項5に係る発明の効果
各キャリヤ軸に対して、インナーリング、ボール及び遊星摩擦輪を2組以上組み込むことにより、実質的に軸方向に長い遊星摩擦輪を構成することができるので、伝動トルクの大きい遊星型の摩擦伝動減速装置を低コストで製作することができる。
また、転動体がボールである「ボールベアリング」は個々に調心作用を有しており、各遊星摩擦輪は太陽軸と固定摩擦輪に対して個々に作用するので、その面圧がその全長においてほぼ均一になり、上記面圧の不均一による耐久性の低下が回避される。
(6)請求項6に係る発明の効果
請求項1乃至請求項5の遊星型の摩擦伝動減速装置のキャリヤ軸が中空軸であるから、その撓み方向の剛性が低く、撓み方向に弾性変形しやすいので、遊星摩擦輪の公転円の中心と太陽摩擦軸、固定摩擦輪の軸心間の微小偏心に対する調心が、キャリヤ軸の弾性撓みよって成される。したがって、伝動特性が安定し向上する。
(7)請求項7に係る発明の効果
上記請求項1に係る発明の効果に加え、さらに次の効果を生じるものである。
太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤのうち、固定部材、駆動部材及び被駆動部材を適宜選択することにより、減速装置、増速装置又は逆転装置として機能させることができる。
キャリヤ軸に対する嵌合関係に因るキャリヤ軸と遊星摩擦輪の間のガタを防止し、振動することなしに遊星摩擦輪を円滑に回転させて、駆動軸の回転に対する被駆動軸の回転追従精度を高くするという目的を遊星摩擦輪を回転支持するキャリヤ軸の構造を特別なものにすることなしに簡単な構造によって達成するものであり、規格品であるボールベアリングのアウターリングを遊星摩擦輪として利用して廉価に製作することができるものである。
この発明の実施例1について、図5及び図6を参照しながら説明する。
この実施例1の摩擦伝動減速装置は、減速装置における駆動軸となる断面円形の太陽軸31と、被駆動軸Sと一体のキャリヤCに一体に同心円上に設けられた3本の片持ちのキャリヤ軸41と、該キャリヤ軸41に回転可能に取り付けられた遊星摩擦輪42と、固定ケーシングHに回転不能に固定された固定摩擦輪32を備えている。前記遊星摩擦輪42は、規格品である「ボールベアリング」のアウターリングからなり、そのインナーリング40は該インナーリングの内径より小さい直径を有する前記キャリヤ軸41に遊び代をもって遊嵌され、キャリヤ軸41との隙間に金属接着剤45を充填した状態で、キャリヤ軸41に固着されており、複数個のボール43を介して前記アウターリング(遊星摩擦輪42)を回転可能に支持している。なお、複数個のボール43は図示しないリテーナ(保持器)によって保持されている。
上記金属接着剤45としてはいわゆる嫌気性接着剤がある。このものは、インナーリング40をキャリヤ軸41に組み込んでから10〜15分ほどで硬化が始まり、10時間ほどで接着力は極めて強固になる。
さらに、この実施例1をさらに具体的に説明すれば、前記太陽軸31の直径は6mm、前記固定摩擦輪32の内径は36mmで外径は39mmであり、前記遊星摩擦輪42の外径は15mmで軸方向の幅は5mmである。また、前記インナーリング40の内径は6mmである。そして、前記キャリヤ軸41の直径は5.98mmであって、前記インナーリング40の内径よりも0.02mm小さい。 前記固定摩擦輪32は高剛性の固定ケーシングHに嵌合固定されており、半径方向外方へ拡径することがないので、この固定摩擦輪32の内径は前記のとおりの36mmにほぼ維持される。
なお、上記ベアリングがJIS696ベアリングである。
前記インナーリング40をキャリヤ軸41に遊び代0.02mmをもって遊嵌させているので、インナーリング40はこの遊び代の範囲内で楕円状に潰されることが可能である。
前記キャリヤCのキャリヤ軸41に前記インナーリング40を遊嵌させたサブアセンブリにおける3個の遊星摩擦輪(アウターリング)42の仮想内接円径は6mmであり、仮想外接円径は36mmである。このサブアセンブリを内径36mmの固定摩擦輪32と直径6mmの太陽軸31との間に圧入させると、前記固定摩擦輪32と太陽軸31は半径方向への剛性が高いので、前記遊星摩擦輪42が潰されて楕円状に弾性変形する(図5(b),図6参照)と共に、この潰れ方向に対して直角の方向に膨らむ。このときの膨らみ量(図6における膨らみ量z)は8μmである。
このとき、ボール43を介してインナーリング40も楕円状に潰されるが、ボール43も同様に潰される。インナーリング40の潰れ量yは遊星摩擦輪42の潰れ量yに比して若干小さく、また、インナーリング40の長径方向の膨らみ量z(μm)は、遊星摩擦輪42の長径方向の膨らみ量zに比して、若干小さい。インナーリング40の半径方向剛性を小さくすることにより、その差を微小にすることができるので、前記遊星摩擦輪42が楕円状に弾性変形したときでも、このためにボール43が前記インナーリング40、遊星摩擦輪42に対してガタつくようになることはない。ただし、規格品のうちの汎用的なボールベアリングでは、自由状態でボールとインナーリング及びアウターリングの間に極めて微小な遊びがあり、インナーリングは締め代なしにキャリヤ軸に装着されるので、上記遊びは依然として残ることなる。しかし、この微小な遊びによるガタがスライダーの停止位置の高精度制御を著しく損なうことはないが、上記微小な遊びによるガタが問題になる場合は、特に遊びのないボールベアリングを使用すればよい。
キャリヤ軸41の半径方向位置の製作誤差は、この実施例においては±5μmであるが、インナーリング40は上記遊び代0.02mmの範囲でキャリヤ軸41に対して自由度を有するので、キャリヤ軸41の半径方向位置の製作誤差に関わらず、遊星摩擦輪42は太陽軸41の転動面と固定摩擦輪32の転動面との間の半径方向の中心位置に調心される。
そして、調心された状態においてキャリヤ軸41とインナーリング40間の隙間に介在する金属接着剤45が徐々に硬化してインナーリング40をキャリヤ軸41に強固に固定する。
前記キャリヤ軸41の公転半径は10.5mmであり、太陽軸31の円形断面の真円度は0.01、固定摩擦輪32の真円度は0.01、遊星摩擦輪42の自由状態での真円度は0.005である。
この実施例1においては、前記太陽軸31はステッピングモータの駆動軸であり、モータフランジ(閉蓋フランジを兼用するモータフランジ)Mに設けられたボールベアリングBにより支承されている。また、前記モータフランジMの環状凸部は固定ケーシングHの開口部に嵌合されて、該固定ケーシングHの開口部を閉蓋している。
また、実施例1では、モータフランジMの環状凸部と固定摩擦輪32が別部材とされているが、このモータフランジMに長い環状凸部を一体に突設し、これを固定摩擦輪32として固定ケーシングHの開口部に嵌め込むこともできる。このような形態にすることにより、図5に示されている実施例1よりも固定摩擦輪32の成形加工が容易になり、モータフランジMと固定摩擦輪32の成形加工コストが低減される。
以上の摩擦伝動減速装置の減速比は1/7であり、太陽軸の駆動トルク0.1kg/m以下で、トラクションオイルで内部を潤滑した状態で回転力の伝達がなされる。この摩擦伝動減速装置は、太陽軸の回転速度3000rpm、駆動トルク0.1kg/mで連続運転したとき、極めて長時間(少なくとも1万時間)に亘って被駆動軸Sの回転速度の振動、遅延はなく極めて安定しており、また、バックラッシュもゼロである。
なお、図7に示すように、キャリヤ軸41aを内径3mmの中空軸(厚さ1.3mm)とすれば、このキャリヤ軸41aは必要な強度と撓み方向(太陽軸の半径方向)の微小な弾性を有するから、遊星摩擦輪42の公転軌道中心の太陽軸31、固定摩擦輪32の中心に対する調心が、キャリヤ軸41aの上記撓み方向弾性によって成されるようになる。したがって、伝動特性が安定し向上する。
次に、実施例2(請求項5に対応)について、図8を参照しながら説明する。この実施例2は、前記実施例1の摩擦伝動減速装置において伝達トルクを大きくするように、遊星摩擦輪を軸方向に長くした実施例である。
図8(a)のものは円筒状の遊星摩擦輪42の両端をそれぞれ別個のボールベアリングで支持させたものであるが、このようにすると、遊星摩擦輪42の転動面に対する面圧が長手方向において不均一になり、伝動特性が安定しなくなる可能性がある。そこで、この実施例2は、ボールベアリングを複数個設けてこれを一組にして遊星摩擦輪を構成したものである。
この実施例2においても金属接着剤45として嫌空性接着剤を用い、当該接着剤を塗布したキャリヤ軸41に、内面に同接着剤を塗布したインナーリング40を順次遊嵌させてサブアセンブリにしてから、これを固定摩擦輪32に組み込むようにする。
その他の点は前記実施例1と同じである。
因みにいえば、摩擦伝動減速装置において伝動トルクを大きくしようとする場合は、遊星摩擦輪に対する締め代を大きくして太陽軸と遊星摩擦輪、及び遊星摩擦輪と固定摩擦輪の摩擦力を大きくすることが考えられるが、これは、遊星摩擦輪の転がり抵抗、伝動の平滑性や耐久性の観点から好ましくないので、図8(a)に示されているように遊星摩擦輪を長くすることが実用可能な単純な実施形態なのである。
実施例2は図8(b)に示すとおりであり、図5に示された実施例の遊星摩擦輪42を構成する規格品である「ボールベアリング」を3個並べて一組の遊星摩擦輪を構成したものである。この3個の「ボールベアリング」は個々に調心作用(回転軸線に対する調心作用)を有しており、太陽軸31と固定摩擦輪32に対して個々に作用し、その面圧がその全長においてほぼ均一になるので、その伝達トルク容量は図5に示された実施例1の約3倍弱で、安定している。
この場合も上記金属接着剤45を予めキャリヤ軸41に塗布し、内面に同接着剤を塗布したインナーリング40をキャリヤ軸41に遊嵌させてサブアセンブリにしてからこれを固定摩擦輪32に組み込むようにするが、固定摩擦輪32に組み込まれるときは金属接着剤45はまだ硬化していないから、キャリヤ軸41位置の製作誤差に対する前記の調心作用がなされる。
次に、実施例3(請求項2に対応)について図9を参照しながら説明する。
この実施例3は、前記実施例1の摩擦伝動減速装置において各キャリヤ軸41にそれぞれ嵌合された3つの遊星摩擦輪42の軸方向位置を互いに軸方向に0.5〜1.0mmずらしたものであり、その他の点は前記実施例1と同じである。遊星摩擦輪42の軸方向位置は、各キャリヤ軸41の根元の段部47a,47b,47cの高さ(軸方向厚さ)によって規定されている。固定摩擦輪32の転動面に対する遊星摩擦輪42の偏当りによる同転動面の偏摩耗による耐久性への影響を低減するには、部品の寸法誤差、組み立て誤差等を勘案して、上記軸方向の基準ずれを0.5〜1.0mm(幅の10〜20%)程度にすることが必要である。
は、背景技術の一例を模式的に示す、スライダー駆動機構の側面図である。 (a)は、遊星摩擦伝動減速装置の公知例の断面図であり、(b)は図(a)におけるB−B断面図であり、(c)は、図(b)の一部拡大図である。 は、従来技術の主要部を示す断面図である。 は、他の従来技術の主要部を示す断面図である。 は、この発明の実施例1を説明する模式的な断面図であり、(a)は一部断面を示す側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 は、この発明の解決手段の作用、及び実施例1について説明する模式図である。 は、キャリヤ軸を中空軸とした例を示す模式的な断面図である。 は、この発明の実施例2を説明する模式的な断面図であり、(a)は遊星摩擦輪を長くした場合の説明図、(b)は実施例2の説明図である。 は、この発明の実施例3の主要部を説明する模式図である。
符号の説明
1・・・・スライダー
2・・・・ねじ軸
3・・・・遊星摩擦伝動減速装置
4・・・・ステッピングモータ
5・・・・位置センサ
6・・・・CPU
7・・・・駆動手段
8・・・・ベッド
11・・・・駆動軸
12・・・・被駆動軸
13・・・・遊星摩擦輪
13a・・・・インナーリング
13b・・・・ニードルローラ
14・・・・キャリヤ軸
15・・・・太陽軸
16・・・・固定摩擦輪
17・・・・キャリヤ
30・・・・遊星摩擦輪
31・・・・太陽軸
32・・・・固定摩擦輪
33・・・・ニードルローラ
34・・・・ボール
39・・・・キャリヤ軸
40・・・・インナーリング
41・・・・キャリヤ軸
42・・・・遊星摩擦輪
45・・・・金属接着剤
H・・・・固定ケーシング
M・・・・モータフランジ(閉蓋フランジ)
S・・・・被駆動軸


Claims (8)

  1. 駆動軸である太陽軸と、固定ケーシングに固定された固定摩擦輪と、被駆動軸に連結されたキャリヤとが同心に配置され、
    前記キャリヤは複数のキャリヤ軸を備えており、
    前記各キャリヤ軸には、遊星摩擦輪が多数の転動体とインナーリングによって回転自在に支承され、
    前記それぞれのキャリヤ軸に支持された遊星摩擦輪は、前記太陽軸と固定摩擦輪の間に圧入され微小に潰されて楕円状に弾性変形されることにより、前記駆動軸から被駆動軸へ摩擦により回転を伝達する遊星型の摩擦伝動減速装置において、
    前記転動体がボールまたはローラであり、
    前記キャリヤ軸の直径が前記インナーリングの内径よりも小さく、該キャリヤ軸に該インナーリングを遊嵌させ、上記キャリヤ軸とインナーリングとの間の隙間に介在する金属接着剤によってキャリヤ軸とインナーリングが接着・固定されており、
    前記キャリヤ軸とインナーリング間の隙間が、遊星摩擦輪を太陽軸と固定摩擦輪との間に圧入したときのインナーリングの弾性変形を阻害しない程度に大きいことを特徴とする遊星型の摩擦伝動減速装置。
  2. 前記各キャリヤ軸にそれぞれ支持されている遊星摩擦輪が、該キャリヤ軸の軸方向に互いにずれて配置されていることを特徴とする請求項1の遊星型の摩擦伝動減速装置。
  3. 前記インナーリング、ボール及び遊星摩擦輪が、規格品である「ボールベアリング」のインナーリング、ボール及びアウターリングであることを特徴とする請求項1又は請求項2の遊星型の摩擦伝動減速装置。
  4. 前記固定摩擦輪が、前記固定ケーシングの端面開口に嵌合固定される閉蓋カバーと一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置。
  5. 前記各キャリヤ軸に対して、インナーリング、ボール及び遊星摩擦輪を2組以上組み込むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置。
  6. 上記キャリヤ軸が中空軸である請求項1乃至請求項5のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置。
  7. 太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤとが同心に配置され、
    前記キャリヤは複数のキャリヤ軸を備えており、
    前記各キャリヤ軸には、遊星摩擦輪が多数の転動体とインナーリングによって回転自在に支承され、
    前記それぞれのキャリヤ軸に支持された遊星摩擦輪は、前記太陽軸と外側摩擦輪の間に圧入され微小に潰されて楕円状に弾性変形されることにより、前記太陽軸と外側摩擦輪に圧接され摩擦により回転を伝達するように構成されており、
    前記太陽軸と外側摩擦輪とキャリヤのうちのどれか一つを固定し、残り二つのうちの一方を駆動側とし、他方を被駆動側とする遊星型の摩擦伝動装置において、
    前記転動体がボールまたはローラであり、
    前記キャリヤ軸の直径が前記インナーリングの内径よりも小さく、該キャリヤ軸に該インナーリングを遊嵌させ、前記キャリヤ軸とインナーリング間の隙間に介在する金属接着剤によってキャリヤ軸とインナーリングが接着・固定されており、
    前記キャリヤ軸とインナーリング間の前記隙間が、遊星摩擦輪を太陽軸と外側摩擦輪との間に圧入したときのインナーリングの弾性変形を阻害しない程度に大きいことを特徴とする遊星型の摩擦伝動装置。
  8. スライダーをねじ機構で駆動し、当該ねじ機構を摩擦伝動減速装置を介してステッピングモータにより駆動し、スライダーの停止位置を高精度で検出して、この位置検出信号によってフィードバック制御して、所定位置に停止させるスライダー駆動装置であって、上記摩擦伝動減速装置が請求項1乃至請求項6のいずれかの遊星型の摩擦伝動減速装置であるスライダー駆動装置。

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