JP2003223843A - 電界放出電子源およびその製造方法 - Google Patents

電界放出電子源およびその製造方法

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JP2003223843A
JP2003223843A JP2002334850A JP2002334850A JP2003223843A JP 2003223843 A JP2003223843 A JP 2003223843A JP 2002334850 A JP2002334850 A JP 2002334850A JP 2002334850 A JP2002334850 A JP 2002334850A JP 2003223843 A JP2003223843 A JP 2003223843A
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field emission
graphite sheet
electron source
emission electron
temperature
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JP2002334850A
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English (en)
Inventor
Akira Taomoto
昭 田尾本
Toyoichi Ozaki
豊一 尾崎
Masahiro Deguchi
正洋 出口
Motoji Shibata
元司 柴田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族高分子フィルムを原料としたグラファ
イトシートを用いて、電界放出特性に優れた電界放出電
子源及びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 表面に凹凸構造を持ったグラファイトシ
ートを電界放出素子11のエミッタ部12として用いる
ことにより、電界放出特性が良好な電界放出電子源を容
易に形成することができる。また、原料の芳香族高分子
フィルムに穴やスリット、溝を開けたり、グラファイト
シートの表面を熱処理することにより、電界放出特性に
優れたグラファイトシートを用いた電界放出電子源を形
成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラファイトシー
トを用いた電界放出電子源およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】フィールドエミッションディスプレイ
(FED)は、電界放出で真空中に放出された電子によ
り、蛍光体を発光させて画像を表示するデバイスであ
り、CRTディスプレイと同等の優れた画像表示性能を
持つとともに、画素数分だけ電子源を並べた平面状の冷
電子源を用いるので、低消費電力で薄型のディスプレイ
を実現することができる。
【0003】固体表面に強い電界がかかると、電子を固
体内に閉じ込めている表面のポテンシャル障壁が低くか
つ薄くなり、電子がトンネル効果により、真空中に放出
される現象を電界放出という。電界放出を観測するため
には、表面に107V/cmオーダーの強い電界をかけ
る必要がある。このような強い電界を実現するために
は、通常は先端を鋭く尖らせた金属針を用いて、針に負
の電圧をかけると、尖った先端に電界が集中し、必要と
される強電界が実現される。
【0004】半導体加工技術を利用した電界放出型冷陰
極装置の開発が行われており、その代表的な例として、
スピント(C. A. Spindt)らによるものがある(例え
ば、非特許文献1参照。)。この電界放出型冷陰極装置
はSi単結晶基板上にSiO2層とゲート電極層を形成
した後、直径1.5μm程度の穴をさらに形成し、この
穴の中に、電界放出を行う円錐状のエミッタを蒸着法に
より作製したものである。
【0005】また、最近、カーボンナノチューブを電界
放出電子源として利用する開発が行われている。カーボ
ンナノチューブは鋭い先端を持ち、化学的に安定で機械
的にも強靱で、しかも高温での安定性に優れているな
ど、電界放出のエミッタ材料として、優れた物理化学的
性質を備えている。
【0006】屋外大型表示用の画素として使用されてい
る蛍光管のフィラメント状熱陰極の代わりにカーボンナ
ノチューブ冷陰極を配置した高電圧型蛍光表示素子が試
作されている(例えば、非特許文献2参照。)。
【0007】フラットパネルディスプレイとしては、印
刷法あるいは吹き付け方により形成されたカーボンナノ
チューブ陰極を用いた蛍光表示管型パネルが試作されて
いる。多層および単層カーボンナノチューブを用いた2
極型フラットパネルディスプレイパネルや、3極型のフ
ラットパネルディスプレイの試作も行われている(例え
ば、非特許文献2参照。)。
【0008】
【非特許文献1】スピント(C. A. Spindt), 外3名,
ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journa
l of Applied Physics), 1976年12月, Vol.47, No.12,
p.5248-5263
【非特許文献2】齋藤弥八、外1名、「カーボンナノチ
ューブからの電界放出とディスプレイデバイスへの応
用」、応用物理、社団法人応用物理学会、2000年3月、
第69巻、第3号、p.314-317
【0009】
【発明が解決しようとする課題】半導体加工技術を利用
した電界放出型冷陰極装置は、エミッタの高さ、先端部
の形状などにばらつきがあると電界放出の均一性が悪く
なる。このため、エミッタの形状がそろった電界放出電
子源を広い面積にわたって形成することが必要となる。
しかしながら、半導体加工技術を利用して作製したエミ
ッタは、形状の再現性や歩留まりが悪いため、特性のそ
ろった多数の電界放出電子源を同一基板上に作製するの
が難しく、大型のパネルを作製するのが困難であった。
【0010】また、カーボンナノチューブを用いた電界
放出電子源は、原料となるカーボンナノチューブの大量
生産が難しく、コストが高いことが普及に向けた課題と
なっている。また、基板にカーボンナノチューブを塗布
する際には、印刷法やスプレー法が用いられているが、
面内での輝度むらの解消が課題となっている。
【0011】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、電界放出特性に優れ、容易に形成でき
る、電界放出電子源を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、グラファイトシートにより形成した電界放
出電子源であり、特にグラファイトシート表面が凹凸構
造をもっていることにより、電界放出特性が良好とな
る。また、グラファイトシートのグラファイト平面構造
が折れ曲がっていたり、表面にグラファイト積層面の断
面構造が露出していることにより、電界放出特性が良好
となる。
【0013】一般のグラファイトは、グラファイト平面
構造が平行に積層しているため、グラファイト積層構造
の折れ曲がりがなく、表面に凹凸構造がみられない。こ
れに対して、本発明の電界放出電子源に用いるグラファ
イトシートは、芳香族高分子フィルムを熱処理してグラ
ファイトシート化するため、シート内部が発泡して空間
を生じ、グラファイト積層構造に折れ曲がりが生じるこ
とで、表面に凹凸構造をもっている。
【0014】また、本発明は、原料の芳香族高分子フィ
ルムに穴やスリット、溝を形成しておいてからグラファ
イト化したものであり、グラファイトシートの表面に貫
通した穴や、窪み状の穴、またはスリットや溝を形成す
ることができ、電界放出特性が良好となる。
【0015】また、本発明は、芳香族高分子フィルムを
原料として作成したグラファイトシートを熱処理するこ
とにより表面に凹凸構造を形成したものである。あるい
は、本発明は、グラファイトシートの表面に、貫通した
穴や、窪み状の穴、またはスリットや溝を形成したもの
で、これにより、電界放出特性が良好となる。
【0016】グラファイトシートとしては、芳香族高分
子フィルムを原料として不活性ガス中で2500℃以上
の温度で焼成してつくられるものが、表面が凹凸構造を
もっているために、電界放出特性が良好であり、熱伝導
性、柔軟性に優れており、電界放出電子源として望まし
い。
【0017】さらに芳香族高分子フィルムとしては、ポ
リイミド(PI)、ポリフェニレンオキサジアゾール(PO
D)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリアミド(P
A)、ポリアミドイミドのいずれかを使用することができ
る。とりわけ、ポリイミドフィルムが良好なグラファイ
トシートを形成するために望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
グラファイトシートを用いて形成した電界放出電子源で
あり、簡単な構成で安定した電子源を供給することがで
きる。
【0019】グラファイトシートは、請求項2に記載の
ように、表面に凹凸構造をもつことにより、電界放出特
性が良好となる。
【0020】グラファイトシート表面に凹凸構造があ
り、シート面内方向の凸部と凹部の距離が、請求項3に
記載のように、5μm〜50μmであることが好まし
い。5μmより小さい場合はシート状で凹凸を形成する
ことが難しくなり、50μmより大きい場合は、最大1
mmを超えると曲率が大きくなるため電界放出に良い影
響を与えなくなる。
【0021】また、グラファイトシート表面の凹凸構造
の厚さ方向の深さは、請求項4に記載のように、1〜5
0μmであることが好ましい。深さが1μmより小さか
ったり、50μmより大きい場合には、電界放出に良い
影響を与えなくなる。
【0022】グラファイトシートのグラファイト平面積
層構造は、請求項5に記載のように、折れ曲がっている
ことが好ましい。
【0023】請求項6に記載のように、グラファイトシ
ートのグラファイト平面に5員環及び/又は7員環構造
を含むことにより、グラファイト平面に曲率があり折れ
曲がっているため、電界放出特性が良好となる。
【0024】また、請求項7に記載のように、グラファ
イトシート内に空間が存在することにより、グラファイ
ト積層平面が折れ曲がり、電界放出特性が良好となる。
【0025】さらに、請求項8に記載のように、グラフ
ァイトシート表面にグラファイト積層面の断面構造が露
出していることにより、電界放出特性が良好となる。こ
のため、請求項9に記載のように、グラファイトシート
に貫通した穴が開いていることや、請求項10に記載の
ように、グラファイトシートに窪み状の穴が開いている
ことにより、電界放出特性を良好とすることができる。
このようなグラファイトシートの穴の窪みの深さは、請
求項11に記載のように、10μm以上であることが好
ましい。窪みの深さが10μmより小さい場合には、電
子の放出に寄与する効果が少なく、電界放出電子の量は
溝なしのグラファイトシートと差がみられなかった。
【0026】また、このようなグラファイトシート表面
の穴の直径は、請求項12に記載のように、80μm以
下であることが好ましい。なお、最大2mm程度まで電
子の放出は可能であるが、2mmより大きな穴の場合に
は、電子の放出に寄与する効果が少なく、電界放出電子
の量は溝なしのグラファイトシートと差がみられなかっ
た。
【0027】また、グラファイトシート表面にグラファ
イト積層面の断面構造が露出しているようにするために
は、請求項13に記載のように、グラファイトシートに
貫通したスリットまたは窪み状の溝を形成することでも
実現できる。このようなグラファイトシートの窪み状の
溝の深さは、請求項14に記載のように10μm以上で
あることが好ましい。10μm以下としても電子の放出
は可能であるが、10nm程度の極めて浅い溝を形成す
ることは現状では実質的に困難と思われる。
【0028】また、グラファイトシートのスリットまた
は溝の幅は、請求項15に記載のように2mm以下であ
ることが好ましい。なお、2mmより広い幅の溝の場合
には、電子の放出に寄与する効果が少なく、電界放出電
子の量は溝なしのグラファイトシートと差がみられなか
った。
【0029】また、請求項16に記載のように、グラフ
ァイトシートを熱処理することにより、グラファイトシ
ート表面に凹凸構造を設けることができ、電界放出特性
が良好となる。
【0030】グラファイトシートの厚さは、請求項17
に記載のように、1mm以下であることが望ましい。1
mm以下としても電子の放出は可能であるが、10μm
より薄いグラファイトシートでは電界放出特性が良好な
ものを得ることができない。
【0031】電界放出電子源としてのグラファイトシー
トとしては、請求項18に記載のように、芳香族高分子
フィルムを原料として不活性ガス中で2500℃以上の
温度まで焼成してつくられるグラファイトシートである
ことが望ましい。
【0032】さらに、請求項19に記載のように、グラ
ファイトシートが芳香族高分子フィルムを原料として不
活性ガス中で室温から昇温して1000℃から1600
℃の温度範囲までで焼成する予備処理工程と、前記予備
処理工程後室温から昇温して2500℃以上の温度まで
焼成してつくられるグラファイトシートであることが望
ましい。
【0033】また、請求項20に記載のように、穴を開
けた芳香族高分子フィルムを原料として不活性ガス中で
2500℃以上の温度まで焼成することにより、電界放
出特性が良好なグラファイトシートを実現することがで
きる。
【0034】さらに、請求項21に記載のように、スリ
ットまたは溝を形成した芳香族高分子フィルムを原料と
して不活性ガス中で2500℃以上の温度まで焼成する
ことにより、電界放出特性が良好なグラファイトシート
を実現することができる。
【0035】請求項22に記載のように、芳香族高分子
フィルムが、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンオキサジ
アゾール(POD)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポ
リアミド(PA)、ポリアミドイミドのいずれかから選ぶこ
とができ、とりわけポリイミドフィルムを原料として使
用することにより、容易に電界放出特性が良好なグラフ
ァイトシートを実現することができる。
【0036】請求項23に記載の電界放出電子源の製造
方法において、芳香族高分子フィルムを原料として準備
する工程と、このシートを不活性ガス中で2500℃以
上の温度まで焼成してグラファイトシートを得る工程を
含むことにより、電界放出特性が良好な電界放出電子源
を得ることができる。
【0037】請求項24に記載の電界放出電子源の製造
方法において、芳香族高分子フィルムを原料として不活
性ガス中で室温から昇温して1000℃から1600℃
の温度範囲までで焼成する予備処理工程と、前記予備処
理工程後室温から昇温して2500℃以上の温度まで焼
成する工程を有することにより、電界放出特性が良好な
電界放出電子源を得ることができる。
【0038】請求項25に記載の電界放出電子源の製造
方法において、芳香族高分子フィルムを原料として不活
性ガス中で室温から昇温して1000℃から1600℃
の温度範囲までで焼成する予備処理工程と、前記予備処
理工程後室温から昇温して2500℃以上の温度まで焼
成する工程において、1800℃から2400℃の間の
温度で中間保持する工程を有することにより、電界放出
特性が良好な電界放出電子源を得ることができる。
【0039】請求項26に記載の電界放出電子源の製造
方法において、厚さ225μm以下の芳香族高分子フィ
ルムを原料とすることにより、電界放出特性が良好な電
界放出電子源を得ることができる。なお、最大300μ
m程度までは可能であるが、厚さが300μmより厚い
芳香族高分子フィルムを原料とすると、焼成によりボロ
ボロになってしまい、グラファイトシートを得ることが
できない。
【0040】請求項27に記載のように、原料の芳香族
高分子フィルムに穴を開ける工程を有したり、請求項2
8に記載のように、原料の芳香族高分子フィルムにスリ
ットまたは溝を形成する工程を有することにより、電界
放出特性が良好な電界放出電子源を得ることができる。
【0041】また、芳香族高分子フィルムを原料として
不活性ガス中で2500℃以上の温度まで焼成してグラ
ファイトシートを作成し、作成したグラファイトシート
に、請求項29に記載の製造方法のように穴を形成する
工程を有したり、請求項30に記載の製造方法のように
スリットまたは溝を形成する工程を有することにより、
電界放出特性が良好な電界放出電子源を得ることができ
る。
【0042】また、請求項31に記載のように、原料の
芳香族高分子フィルムが、ポリイミド(PI)、ポリフェニ
レンオキサジアゾール(POD)、ポリパラフェニレンビニ
レン(PPV)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミドのいず
れかから選ぶことが好ましく、とりわけ、ポリイミドフ
ィルムを使用することで電界放出特性が良好な電界放出
電子源を得ることができる。
【0043】以下、本発明の実施の形態について、詳細
に説明する。
【0044】図1は、本実施の形態の電界放出電子源を
エミッタ部12として使用した電子放出素子11の概略
断面図を示したものである。電子放出素子11は、構成
要素として、エミッタ部12とアノード部13、エミッ
タ部12とアノード部13を微少距離をおいて向かい合
わせて形成される真空部14、及びカソード部15から
なる。
【0045】エミッタ部12を負、アノード部13を正
として電界を印加することにより、電界放出特性に優れ
た材料からなるエミッタ部12の表面から電子が真空部
14へ電圧により加速されて飛び出す。飛び出した電子
は真空部14中で減速されることなく、アノード部13
へ衝突する。本実施の形態では、このような電界放出電
子源としてグラファイトシートを用いる。
【0046】図2は、本実施の形態の電界放出電子源に
使用するグラファイトシートの製造方法を示す工程図で
ある。まず、不活性ガス中で、1000〜1600℃の
温度範囲までで焼成する予備熱処理工程で、原料の芳香
族高分子フィルム中の炭素以外の元素である窒素、酸
素、水素の大部分がフィルム中から放出され、炭素が大
部分となる炭素化が起こる。予備熱処理後のフィルムは
固い炭素質フィルムであり、これを室温で取り出し、高
温熱処理炉へ移す。前記予備熱処理工程後、室温から昇
温して2500℃以上の温度まで焼成することにより、
フィルム中から炭素以外の残留元素がフィルム中から放
出され、それと平行して、グラファイトの積層構造が発
達し、フィルムのグラファイト化がおこる。高温熱処理
後、炉を室温に下げて取り出すとグラファイトシートを
得ることができる。
【0047】なお、予備熱処理工程と、2500℃以上
の焼成工程との間に、1800℃から2400℃の間の
温度で中間保持する工程を設けると、より電界放出特性
の良いグラファイトシートが得られる。
【0048】(実施の形態1)出発原料のポリイミドフ
ィルムとして、東レ・デュポン社製(商品名カプトン
(登録商標))の厚さ75μmのものを用いて実験を行
った。予備熱処理として、窒素雰囲気中で最高処理温度
を1200℃まで上げた後、室温まで温度を下げて取り
出した。さらに高温熱処理として、Arガス雰囲気下
で、最高処理温度2700℃まで上昇させた後に、室温
まで温度を下げて焼成を行い、グラファイトシートを作
製した。図3は作製したグラファイトシートの模式図を
示し、(a)は外観図、(b)は平面図、(c)は断面
図である。なお、模式的に表示しているため、縦横比等
のスケールは必ずしも正確ではない。
【0049】作成したグラファイトシートの厚さは約1
50μmであり、グラファイトシートの表面状態を走査
電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸の大きさ
(シート面内方向の凸部と凹部の距離)が5〜50μ
m、凹凸の深さが1〜10μmであった。また、断面構
造を観察すると、グラファイト平面構造が折れ曲がって
いるのがみられ、グラファイト積層面間に空間があり、
発泡状態にあることがわかった。SEMで観察したグラ
ファイトシートの表面と断面の模式図を図3に示す。
【0050】さらに、グラファイトシートをより正確に
観察し、断面を模式的に示したものが図4である。図4
のように表面の凹凸構造の一部が切れて、まくりあがっ
た状態になっている個所がみられ、表面にグラファイト
積層面の断面構造が露出しているのが観察された。
【0051】なお、グラファイト平面の曲率を有する折
れ曲がり構造は、グラファイト平面に5員環又は/及び
7員環が形成されるように作製しても得ることができ
る。
【0052】以上に示したグラファイトシートの作成条
件は、代表例であり、確実にグラファイト化されシート
形状を示すものであれば、かかる条件に限定されるもの
でないことはもちろんである。たとえば、原料の芳香族
高分子フィルムを、ポリイミド(PI)ではなく、ポリフェ
ニレンオキサジアゾール(POD)、ポリパラフェニレンビ
ニレン(PPV)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミドのい
ずれかとしても良い。
【0053】このようにして作製されたグラファイトシ
ートを、面積1cm2 の大きさに切り取り、エミッタ部
12として、アノード部13との距離を1mmとして、
3kVの電圧を印加して評価した結果、電界強度が3k
V/mmの場合に100μAの放出電流が観測され、電
界放出電子源として良好な電界放出特性を示した。
【0054】(実施の形態2)本実施の形態では、実施
の形態1と同様にして形成したグラファイトシートを、
酸素ガス雰囲気中で400℃で熱処理を行って、表面に
凹凸構造を形成したグラファイトシートを作成した。熱
処理時間としては10分、30分、1時間として行った
結果、1時間ではグラファイトシートが酸化されボロボ
ロになりかかっていたが、10分、30分の熱処理につ
いては、表面に良好な凹凸構造をもつグラファイトシー
トを作成することができた。
【0055】作成したグラファイトシートの表面状態
を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、熱処
理時間が10分の場合が凹凸の大きさは5〜10μm、
凹凸の深さが1〜10μm、熱処理時間が30分の場合
が凹凸の大きさは15〜50μm、凹凸の深さが5〜5
0μmであった。
【0056】このグラファイトシートを面積1cm2
大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノード部
13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して
評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合に、熱処
理時間が10分の場合に180μAの放出電流が観測さ
れ、熱処理時間が30分の場合に220μAの放出電流
が観測され、電界放出電子源として良好な電界放出特性
を示した。
【0057】(実施の形態3)本実施の形態では、出発
原料のポリイミドフィルムに、金属針で直径100μm
の穴を多数開けておいてから、実施の形態1と同様にし
て、熱処理をおこない、貫通した穴の開いたグラファイ
トシートを作成した。図5は作製したグラファイトシー
トの模式図を示す。なお、模式的に表示しているため、
縦横比等のスケールは必ずしも正確ではない。
【0058】作成したグラファイトシートの表面状態
を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、穴の
大きさ(直径)は80μmであった。穴の密度は20個
/cm 2 であった。
【0059】なお、ポリイミドフィルムに穴を開ける方
法として、本実施の形態では金属針を用いたが、何らこ
れに限定されるものではない。また、レーザー照射によ
り穴を開けることも可能であり、レーザーのスポット径
を絞ることにより穴の大きさを調節することができる。
さらに所定の穴のあいたマスクを用いることにより、大
面積のポリイミドフィルムに同時に多数の穴を開けるこ
とも可能である。
【0060】このグラファイトシートを面積1cm2
大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノード部
13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して
評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合に120
μAの放出電流が観測され、電界放出電子源として良好
な電界放出特性を示した。
【0061】なお、本実施の形態では、出発原料に穴を
開けておいてから熱処理を行ってグラファイトシートを
作製したが、出発原料に熱処理を行ってグラファイトシ
ートを作製してからシートに多数の穴を開けたものを用
いても同様の効果が得られる。
【0062】(実施の形態4)ポリイミドフィルムにエ
キシマレーザを照射して穴を開けた以外は実施の形態3
と同様にして実験を行った。レーザのスポット径を1、
5、20、50μmとして穴開け加工を行った。それぞ
れの場合のポリイミドフィルムにあいた穴の径は、1.
5、7、25、58μmであった。穴の密度はいずれも
20個/cm2であった。
【0063】実施の形態1と同様にして、穴の開いたポ
リイミドフィルムの熱処理を行い、穴の開いたグラファ
イトシートを作成した。
【0064】作成したグラファイトシートの表面状態
を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、穴の
大きさはそれぞれ、1.2、6、23、55μmであっ
た。
【0065】これらのグラファイトシートを面積1cm
2 の大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノー
ド部13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加
して評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合にそ
れぞれ、80、110、100、110μAの放出電流
が観測され、良好な電界放出特性を示した。
【0066】なお、本実施の形態では実施の形態3と同
様に、出発原料に穴を開けておいてから熱処理を行って
グラファイトシートを作製したが、出発原料に熱処理を
行ってグラファイトシートを作製してからシートに多数
の穴を開けたものを用いても同様の効果が得られる。
【0067】(実施の形態5)本実施の形態では、出発
原料のポリイミドフィルムに、金属針で表面をつついて
貫通しない程度の穴(窪み状の穴)を多数開けておいて
から、実施の形態3と同様にして熱処理をおこない、窪
み状の穴の開いたグラファイトシートを作成した。図6
は作製したグラファイトシートの模式図を示す。なお、
模式的に表示しているため、縦横比等のスケールは必ず
しも正確ではない。
【0068】作成したグラファイトシートの表面状態
を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、穴の
大きさは40μmで、穴の深さは約10〜50μmであ
り、穴の密度は20個/cm2 であった。
【0069】このグラファイトシートを面積1cm2
大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノード部
13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して
評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合に75μ
Aの放出電流が観測され、電界放出電子源として良好な
電界放出特性を示した。
【0070】なお、本実施の形態では、出発原料に窪み
状の穴を開けておいてから熱処理を行ってグラファイト
シートを作製したが、出発原料に熱処理を行ってグラフ
ァイトシートを作製してからシートに多数の窪み状の穴
を開けても同様の効果が得られる。
【0071】(実施の形態6)本実施の形態では、出発
原料のポリイミドフィルムに、カッターで幅10μmの
貫通したスリットを多数開けておいてから、実施の形態
1と同様にして、熱処理をおこない、スリットの開いた
グラファイトシートを作成した。図7は作製したグラフ
ァイトシートの模式図を示す。なお、模式的に表示して
いるため、縦横比等のスケールは必ずしも正確ではな
い。
【0072】作成したグラファイトシートの表面状態
を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、スリ
ットの幅は8μmであり、スリットの密度は10本/c
mであった。なお、同様にして幅5〜100μmのスリ
ットを開けることができた。
【0073】なお、ポリイミドフィルムにスリットを開
ける方法として、本実施の形態ではカッターを用いた
が、何らこれに限定されるものではない。また、レーザ
ー照射によりスリットを開けることも可能であり、レー
ザーのスポット径を絞ることによりスリットの幅を調節
することができる。さらに所定のスリットのあいたマス
クを用いることにより、大面積のポリイミドフィルムに
同時に多数のスリットを開けることも可能である。レー
ザー照射により、幅0.1μm〜2mmのスリットを形
成することができた。
【0074】このグラファイトシートを面積1cm2
大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノード部
13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して
評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合に200
μAの放出電流が観測され、電界放出電子源として良好
な電界放出特性を示した。
【0075】なお、本実施の形態では、出発原料にスリ
ットを開けておいてから熱処理を行ってグラファイトシ
ートを作製したが、出発原料に熱処理を行ってグラファ
イトシートを作製してからシートに多数のスリットを開
けても同様の効果が得られる。
【0076】(実施の形態7)本実施の形態では、出発
原料のポリイミドフィルムに、カッターで貫通しないよ
うに窪み状の溝を形成した。幅10μmの溝を多数開け
ておいてから、実施の形態1と同様にして、熱処理をお
こない、溝を形成したグラファイトシートを作成した。
図8は作製したグラファイトシートの模式図を示す。な
お、模式的に表示しているため、縦横比等のスケールは
必ずしも正確ではない。
【0077】作成したグラファイトシートの表面状態
を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、溝の
幅は8μmであり、深さは約10〜30μmであり、溝
の密度は10本/cmであった。
【0078】このグラファイトシートを面積1cm2
大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノード部
13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して
評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合に120
μAの放出電流が観測され、電界放出電子源として良好
な電界放出特性を示した。
【0079】なお、本実施の形態では、出発原料に窪み
状の溝を開けておいてから熱処理を行ってグラファイト
シートを作製したが、出発原料に熱処理を行ってグラフ
ァイトシートを作製してからシートに多数の溝を開けて
も同様の効果が得られる。
【0080】(実施の形態8)本実施の形態では、出発
原料のポリイミドフィルムとして、東レ・デュポン社製
(商品名カプトン(登録商標))の厚さ50μmのもの
を用いた以外には実施の形態1と同様にして実験を行っ
た。
【0081】作成したグラファイトシートの厚さは約4
0μmであり、グラファイトシートの表面状態を走査電
子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸の大きさが
0.1〜1μm、凹凸の深さが0.1〜1μmであっ
た。
【0082】このグラファイトシートを面積1cm2
大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノード部
13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して
評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合に60μ
Aの放出電流が観測され、良好な電界放出特性を示し
た。
【0083】(実施の形態9)本実施の形態では、出発
原料のポリイミドフィルムとして、東レ・デュポン社製
(商品名カプトン(登録商標))の厚さ125μmのも
のを用いた以外には実施の形態1と同様にして実験を行
った。
【0084】作成したグラファイトシートの厚さは約2
00μmであり、グラファイトシートの表面状態を、走
査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸の大き
さが5〜50μm、凹凸の深さが5μm〜50μmであ
った。
【0085】このグラファイトシートを面積1cm2
大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノード部
13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して
評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合に240
μAの放出電流が観測され、良好な電界放出特性を示し
た。
【0086】(実施の形態10)本実施の形態では、出
発原料のポリイミドフィルムとして、カネカ社製(商品
名AH)の厚さ225μmのものを用いた以外には実施
の形態1と同様にして実験を行った。
【0087】作成したグラファイトシートの厚さは約1
mmであり、グラファイトシートの表面状態を、走査電
子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸の大きさが
5〜50μm、凹凸の深さが5μm〜50μmであっ
た。
【0088】このグラファイトシートを面積1cm2
大きさに切り取り、エミッタ部12として、アノード部
13との距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して
評価した結果、電界強度が3kV/mmの場合に100
μAの放出電流が観測され、良好な電界放出特性を示し
た。
【0089】(比較例)比較例として高配向性熱分解グ
ラファイト(HOPG:Highly Oriented Pyrolytic Gr
aphite)ブロックを使用した。SEMでHOPGブロッ
クを観察するとグラファイトの積層構造が平行してお
り、表面に凹凸はみられなかった。このHOPGブロッ
クを厚さ0.5mmに劈開して、面積1cm2 の大きさ
に切り取り、エミッタ部12として、アノード部13と
の距離を1mmとして、3kVの電圧を印加して評価し
た結果、電界強度が3kV/mmの場合に15μAの放
出電流が観測された。発泡したグラファイトシートに比
較すると、放出電流は少なかった。
【0090】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、芳香族高
分子フィルムを原料として、高温で焼成することにより
形成した、表面に凹凸構造を持ったグラファイトシート
を用いて、あるいは、グラファイト平面構造が折れ曲が
っていたり、表面にグラファイト積層面の断面構造が露
出したグラファイトシートを用いて電界放出電子源を形
成することにより、電界放出特性が良好な電界放出電子
源を容易に形成することができる。また、グラファイト
シートに貫通した穴や、窪み状の穴、またはスリットや
溝を形成することにより、電界放出特性が良好な電界放
出電子源を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による電界放出電子源を
エミッタ部として使用した電子放出素子の概略断面図
【図2】本発明の一実施の形態による電界放出電子源に
使用するグラファイトシートの製造方法を示す流れ図
【図3】本発明の一実施の形態によるSEMで観察した
グラファイトシートの表面と断面の模式図
【図4】本発明の一実施の形態によるSEMで観察した
グラファイトシート表面の凹凸構造の一部が切れてまく
りあがった状態を示す模式図
【図5】本発明の一実施の形態による貫通した穴の開い
たグラファイトシートの模式図
【図6】本発明の一実施の形態による窪み状の穴の開い
たグラファイトシートの模式図
【図7】本発明の一実施の形態による貫通したスリット
の開いたグラファイトシートの模式図
【図8】本発明の一実施の形態による窪み状の溝の開い
たグラファイトシートの模式図
【符号の説明】
11 電界放出素子 12 エミッタ部 13 アノード部 14 真空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 正洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 柴田 元司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C127 AA01 BA09 BA13 BB08 CC03 DD64 EE04 EE15 5C135 AA09 AA13 AB08 AC05 AC07 GG20 HH04 HH15

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラファイトシートを用いて形成した電
    界放出電子源。
  2. 【請求項2】 グラファイトシートの表面が凹凸構造を
    もつ請求項1記載の電界放出電子源。
  3. 【請求項3】 グラファイトシートの表面に凹凸構造を
    もち、そのシート面内方向の凸部と凹部の距離が5μm
    〜50μmである請求項1または2記載の電界放出電子
    源。
  4. 【請求項4】 グラファイトシートの表面に凹凸構造を
    もち、その厚さ方向の深さが1〜50μmである請求項
    1から3のいずれかに記載の電界放出電子源。
  5. 【請求項5】 グラファイトシートのグラファイト平面
    積層構造が折れ曲がっていることを特徴とする電界放出
    電子源。
  6. 【請求項6】 グラファイトシートのグラファイト平面
    に5員環及び/又は7員環構造を含むことにより、グラ
    ファイト平面に曲率があり折れ曲がっていることを特徴
    とする請求項5に記載の電界放出電子源。
  7. 【請求項7】 グラファイトシート内に空間が存在する
    ことにより、グラファイト積層平面が折れ曲がっている
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の電界放出電
    子源。
  8. 【請求項8】 グラファイトシート表面にグラファイト
    積層面の断面構造が露出していることを特徴とする電界
    放出電子源。
  9. 【請求項9】 グラファイトシートに貫通した穴が開い
    ていることを特徴とする電界放出電子源。
  10. 【請求項10】 グラファイトシートに窪み状の穴が開
    いていることを特徴とする電界放出電子源。
  11. 【請求項11】 グラファイトシートの窪み状の穴の深
    さが10μm以上であることを特徴とする請求項10に
    記載の電界放出電子源。
  12. 【請求項12】 グラファイトシートの穴の直径が80
    μm以下であることを特徴とする請求項9から11のい
    ずれかに記載の電界放出電子源。
  13. 【請求項13】 グラファイトシートに貫通したスリッ
    トまたは窪み状の溝が形成してあることを特徴とする電
    界放出電子源。
  14. 【請求項14】 グラファイトシートの窪み状の溝の深
    さが10μm以上であることを特徴とする請求項13に
    記載の電界放出電子源。
  15. 【請求項15】 グラファイトシートのスリットまたは
    溝の幅が2mm以下であることを特徴とする請求項13
    または14に記載の電界放出電子源。
  16. 【請求項16】 グラファイトシートを熱処理すること
    により、シート表面に凹凸構造を形成したことを特徴と
    する請求項1から4のいずれかに記載の電界放出電子
    源。
  17. 【請求項17】 グラファイトシートの厚さが1mm以
    下であることを特徴とする請求項1から16のいずれか
    に記載の電界放出電子源。
  18. 【請求項18】 グラファイトシートが、芳香族高分子
    フィルムを原料として不活性ガス中で2500℃以上の
    温度まで焼成してつくられるグラファイトシートである
    ことを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の
    電界放出電子源。
  19. 【請求項19】 グラファイトシートが、芳香族高分子
    フィルムを原料として不活性ガス中で室温から昇温して
    1000℃から1600℃の温度範囲までで焼成する予
    備処理工程と、前記予備処理工程後、室温から昇温して
    2500℃以上の温度まで焼成してつくられるグラファ
    イトシートであることを特徴とする請求項18に記載の
    電界放出電子源。
  20. 【請求項20】 穴を開けた芳香族高分子フィルムを原
    料として不活性ガス中で2500℃以上の温度まで焼成
    してつくられるグラファイトシートであることを特徴と
    する請求項9から12のいずれかに記載の電界放出電子
    源。
  21. 【請求項21】 スリットまたは溝を形成した芳香族高
    分子フィルムを原料として不活性ガス中で2500℃以
    上の温度まで焼成してつくられるグラファイトシートで
    あることを特徴とする請求項13から15のいずれかに
    記載の電界放出電子源。
  22. 【請求項22】 芳香族高分子フィルムが、ポリイミド
    (PI)、ポリフェニレンオキサジアゾール(POD)、ポリパ
    ラフェニレンビニレン(PPV)、ポリアミド(PA)、ポリア
    ミドイミドのいずれかから選ばれることを特徴とする請
    求項18から21のいずれかに記載の電界放出電子源。
  23. 【請求項23】 芳香族高分子フィルムを原料として準
    備する工程と、このシートを不活性ガス中で2500℃
    以上の温度まで焼成してグラファイトシートを得る工程
    を含む、電界放出電子源の製造方法。
  24. 【請求項24】 芳香族高分子フィルムを原料として不
    活性ガス中で室温から昇温して1000℃から1600
    ℃の温度範囲までで焼成する予備処理工程と、前記予備
    処理工程後室温から昇温して2500℃以上の温度まで
    焼成する工程を有することを特徴とする請求項23に記
    載の電界放出電子源の製造方法。
  25. 【請求項25】 芳香族高分子フィルムを原料として不
    活性ガス中で室温から昇温して1000℃から1600
    ℃の温度範囲までで焼成する予備処理工程と、前記予備
    処理工程後室温から昇温して2500℃以上の温度まで
    焼成する工程において、1800℃から2400℃の間
    の温度で中間保持する工程を有することを特徴とする請
    求項24に記載の電界放出電子源の製造方法。
  26. 【請求項26】 厚さ225μm以下の芳香族高分子フ
    ィルムを原料とすることを特徴とする請求項23から2
    5のいずれかに記載の電界放出電子源の製造方法。
  27. 【請求項27】 原料の芳香族高分子フィルムに穴を開
    ける工程を有する請求項23から26のいずれかに記載
    の電界放出電子源の製造方法。
  28. 【請求項28】 原料の芳香族高分子フィルムにスリッ
    トまたは溝を形成する工程を有する請求項23から26
    のいずれかに記載の電界放出電子源の製造方法。
  29. 【請求項29】 芳香族高分子フィルムを原料として不
    活性ガス中で2500℃以上の温度まで焼成してグラフ
    ァイトシートを作成し、作成したグラファイトシートに
    穴を形成する工程を有することを特徴とする電界放出電
    子源の製造方法。
  30. 【請求項30】 芳香族高分子フィルムを原料として不
    活性ガス中で2500℃以上の温度まで焼成してグラフ
    ァイトシートを作成し、作成したグラファイトシートに
    スリットまたは溝を形成する工程を有することを特徴と
    する電界放出電子源の製造方法。
  31. 【請求項31】 芳香族高分子フィルムが、ポリイミド
    (PI)、ポリフェニレンオキサジアゾール(POD)、ポリパ
    ラフェニレンビニレン(PPV)、ポリアミド(PA)、ポリア
    ミドイミドのいずれかから選ばれることを特徴とする請
    求項23から30のいずれかに記載の電界放出電子源の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004107380A1 (ja) * 2003-06-02 2004-12-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 電子放射材料及びその製造方法
WO2005066993A1 (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 電子放出材料とその製造方法ならびにこれを用いた電子放出素子
KR20120029173A (ko) * 2010-09-16 2012-03-26 삼성엘이디 주식회사 그래핀을 이용한 양자점 발광소자

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