JP2003222817A - 光走査装置、光走査モジュール及び画像形成装置 - Google Patents

光走査装置、光走査モジュール及び画像形成装置

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JP2003222817A
JP2003222817A JP2002022274A JP2002022274A JP2003222817A JP 2003222817 A JP2003222817 A JP 2003222817A JP 2002022274 A JP2002022274 A JP 2002022274A JP 2002022274 A JP2002022274 A JP 2002022274A JP 2003222817 A JP2003222817 A JP 2003222817A
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mirror
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Yukito Sato
幸人 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロマシニング技術を用いて作製される
光走査装置の作製プロセスにおける問題点を解決し、加
工精度が良く、かつ歩留まりの高い光走査装置を提供す
る。 【解決手段】 枠状フレームと、該枠状フレームの上面
に設けられた絶縁体と、該絶縁体の上面であって対向す
る辺にそれぞれ設けられた固定電極と、前記絶縁体上で
あって前記固定電極が設けられた辺と直交する辺にそれ
ぞれ設けられたねじり梁支持部と、各ねじり梁支持部よ
り伸び、同一直線上に設けられたねじり梁と、該ねじり
梁に接合し、前記固定電極と対向する位置に可動電極を
有し、かつ上面に反射面を有するミラー基板とからな
り、前記固定電極と可動電極との間に生じる静電引力に
よって前記ねじり梁をねじり回転軸として前記ミラー基
板を往復振動させる光走査装置において、前記枠状フレ
ームの枠の内側から外側に通じる少なくとも一つの連通
口を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシニン
グ技術を応用した光走査装置に関し、特にデジタル複写
機やレーザプリンタ等の書き込み系に用いられる光走査
装置やバーコードリーダー、スキャナ等の光学読み取り
装置に用いられる光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】同一直線上に設けられた2本の梁でミラ
ー基板を支持し、このミラー基板に隣接し、かつそれぞ
れが対向する位置に設けた2つの電極の静電引力により
2本の梁をねじり回転軸としてミラー基板を往復振動さ
せるねじり振動型の光走査装置が従来より提案されてい
る。このような機械的構造をシリコン表面や内部に形成
するマイクロマシニング技術を用いて形成される光走査
装置は、例えばIBM J.Res.Develop Vol.24(1990)やThe
13th Annual International Workshop on MEMS2000(200
0), p.473-478、MEMS1999 p.333-338 に開示されてお
り、ポリゴンミラーをモータで回転させる光走査装置と
比較し、構造が簡単で半導体プロセスでの一括形成が可
能であるため、小型化が容易で製造コストも低くするこ
とができるという利点がある。また、ポリゴンミラーが
複数の反射面を用いているのに対し、反射面が単一であ
るため精度のばらつきが少なく、かつ、往復走査である
ため高速化にも対応できる等の効果が期待され、電子写
真プロセスで光書き込みを行って画像を形成する画像形
成装置や、光走査を行って読み取りを行うバーコードリ
ーダー等の読取装置等に採用されることが提案されてい
る。上記のような、ねじり振動型光走査装置のミラー基
板は、シリコン基板上に数10μm厚のダイアフラムを
形成し、さらに当該ダイアフラム部をドライエッチング
等により所望の形状に抜き、ミラー部を形成する、いわ
ゆるマイクロマシニング技術を用いて作製されるのが一
般的である。上記従来技術のうち、The 13thAnnual Int
ernational Workshop on MEMS2000(2000), p.473-478
に記載された光走査装置では、板厚が30μmで最大
1.5mm□のミラー基板が開示され、また、MEMS1999
p.333-338では板厚20μmで最大3mm□のミラー基
板が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように板厚が薄
く、かつ比較的大きなダイアフラムからミラー基板を貫
通形成する作製工程のうち、例えば、フォトリソ工程の
レジストコート塗布時にシリコン基板をスピンコーター
のウェハステージに載置するため真空チャックにより把
持する際や、ダイアフラム部をエッチングにより貫通さ
せるため、シリコン基板凹部の開口部を下にしてダミー
基板に貼り付けた状態でエッチング装置内にて減圧する
場合等、ダイアフラムが形成された基板の凹部が閉じた
空間となる工程がしばしば含まれる。前者の場合には凹
部空間内は減圧され、後者の場合には凹部空間内が加圧
された状態となる。したがって、ダイアフラムの板厚や
面積によってはダイアフラムが大きく変形する可能性が
高く、このように凹部が閉じた空間となった状態で行わ
れる工程における処理精度が悪くなったり、あるいはダ
イアフラムを破損したりするという問題点があった。本
発明は、このようなマイクロマシニング技術を用いて作
製される光走査装置の作製プロセスにおける問題点を解
決し、加工精度が良く、かつ歩留まりの高い光走査装置
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る光走査装置の請求項1記載の発明は、
枠状フレームと、該枠状フレームの上面に設けられた絶
縁体と、該絶縁体の上面であって対向する辺にそれぞれ
設けられた固定電極と、前記絶縁体上であって前記固定
電極が設けられた辺と直交する辺にそれぞれ設けられた
ねじり梁支持部と、各ねじり梁支持部より伸び、同一直
線上に設けられたねじり梁と、該ねじり梁に接合し、前
記固定電極と対向する位置に可動電極を有し、かつ上面
に反射面を有するミラー基板とからなり、前記固定電極
と可動電極との間に生じる静電引力によって前記ねじり
梁をねじり回転軸として前記ミラー基板を往復振動させ
る光走査装置において、前記枠状フレームの枠の内側か
ら外側に通じる少なくとも一つの連通口を備えた。この
ように、ねじり梁が固定されている枠状フレームの枠体
内側から外側に通じる少なくとも一つの連通口を備えた
ので、光走査装置の作製プロセス中にダイアフラム型構
造体の凹部空間が減圧あるいは加圧されることが無く、
ダイアフラムが変形せず、加工精度を上げ、歩留まりの
高い光走査装置の作製が可能である。本発明に係る光走
査装置の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に
加え、前記連通口が前記枠状フレームの絶縁体が形成さ
れた面と対向する面に設けた。連通口を枠状フレームの
底面に設けたので、連通口の形成プロセスが簡単で、多
様な方法により形成することができるので、低コストの
光走査装置の作製が可能となる。本発明に係る光走査装
置の請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明に加
え、前記連通口の長手方向は前記枠状フレームを構成す
るシリコンの(111)面と非平行方向とした。これに
より連通口の断面がシリコンの(111)面で構成され
たV字型となり、連通口の壁面が平滑で、清浄度を維持
しやすく、歩留まりの高い光走査装置の作製が可能とな
る。
【0005】本発明に係る光走査装置の請求項4記載の
発明は、請求項2記載の発明に加え、前記連通口を前記
枠状フレームに複数設け、かつ、複数の連通口は非同一
直線上に配置される。複数の連通口が同一直線上にこな
いように配置したので、外力による破損が連通口部分か
ら発生することを少なくし、歩留まりの高い光走査装置
の作製が可能となる。請求項5記載の発明は、ミラー基
板で偏向した光ビームの透過部と、ミラー駆動手段に結
線する端子部とを具備する減圧容器内に請求項1記載の
光走査装置を収容し、光走査モジュールとした。光走査
装置を減圧容器内に封入し、光走査モジュールを構成し
ているので、光走査装置のミラー雰囲気の流体の粘性抵
抗を小さくすることができ、ミラーの振れ角を大きくす
ることができる。請求項6記載の画像形成装置に係る発
明は、潜像形成手段としての光走査装置と、光走査装置
によって静電潜像が形成される像担持体と、静電潜像を
トナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像
を記録紙に転写する転写手段を有する。潜像形成手段に
光走査装置を用いているため、画像形成装置を小型化す
ることができ、また、光走査装置の騒音、振動はモータ
およびポリゴンミラーを用いた走査装置と比較して少な
いので、画像形成装置の動作時の環境を向上させること
ができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る光走査
装置1の斜視図、図2は光走査装置中央の断面(A−A
断面)を示す図であり、2はシリコンで形成されたフレ
ーム(枠状フレーム)、3は酸化膜(絶縁体)、4はミ
ラー基板、5はミラー部、6はミラー面、7および8は
ねじり梁、9および10はねじり梁支持部、13および
14は櫛歯状の可動電極、15および16は櫛歯状の固
定電極、11、12、17および18は電極引き出しパ
ッド、19は連通口である。光走査装置1は枠状に形成
されたフレーム2の上部に酸化膜3が形成され該酸化膜
3の上面であって、対向する2つの辺のほぼ中央部には
低抵抗シリコン基板で形成されたねじり梁支持部9、1
0が設けられている。さらに、前記ねじり梁支持部9、
10が設けられた辺と直交する各辺のほぼ中央部には低
抵抗シリコン基板で形成された駆動用の固定電極15、
16が設けられている。駆動用の固定電極15、16の
前記ミラー基板4との対向側には櫛歯状の前記可動電極
13,14が形成されており、また、ねじり梁支持部
9、10および固定電極15、16の上部にはそれぞれ
アルミ(Al)薄膜による電極引き出しパッド11、1
2、17、18が形成されている。ミラー基板4は低抵
抗シリコン単結晶の薄板で形成されたミラー部5と、ミ
ラー部5の表面に形成されたミラー面6とからなり、ミ
ラー面6は使用する光に対して十分な反射率をもつ金属
薄膜が形成されている。ミラー基板4側面の中央部両側
をねじり梁7および8により支持し、このねじり梁7お
よび8はミラー基板4のねじり振動の回転軸となるよう
同一直線上に設けられている。各ねじり梁7および8は
ねじり振動の繰り返し動作に対して十分な耐性があり、
かつ適度なねじり剛性が得られるようミラー部5と一体
のシリコン単結晶により形成されている。また、ねじり
梁7、8はそのねじり剛性を考慮した上で、振動子とし
て所望の共振周波数となるよう、高さ、幅、長さが設計
されている。
【0007】ミラー部5の共振周波数fは、ねじり梁
7、8のねじり弾性係数をk、ミラー部5の慣性モーメ
ントをIとすると次式であらわすことができる。 f=1/2π√(k/I) ここで、ねじり弾性係数kは、各ねじり梁7、8の幅を
c、高さをt、長さをLとすると次式であらわすことが
できる。なお、βは断面形状係数、Eはヤング率、νは
ポアソン比である。 k=βtc3E/L(1+ν) また、ミラー部5の慣性モーメントIは、ミラー部5の
重量をM、ミラー部の幅、長さ、厚さをそれぞれb、
a、tとすると次式であらわすことができる。 I=M(a2+b2)/12 これによれば、1mm×4mmの大きさで、板厚60μ
mのミラーを3kHzで共振駆動するためには、梁の形
状として断面が50μm×60μm、長さが500μm
であればよいことがわかる。ねじり梁7、8のミラー部
5と結合していない他端は前記ねじり梁支持9、10に
結合している。すなわち、ミラー部5、ねじり梁7、
8、ねじり梁支持部9、10は低抵抗シリコン基板によ
り一体形成されている。ミラー部5の水平方向の4辺の
うち、ねじり梁7および8が結合していない2辺にはそ
れぞれ櫛歯状の可動電極13および14が形成され、こ
の可動電極13および14の各電極指間に微小ギャプを
隔てて前記固定電極15、16の櫛歯状電極が噛合うよ
うに間挿されている。この可動電極13、14は、ミラ
ー基板4、ねじり梁7、8およびねじり梁支持部9、1
0が低抵抗のシリコン基板で形成されているので、ねじ
り梁支持部9または10に設けられた電極引き出しパッ
ド11または12と電気的に導通している。したがっ
て、電極引き出しパッド11、12、17、18に適宜
駆動電圧を印加すると、ねじり梁7および8を軸として
ミラー基板4を回動する静電引力が働き、ミラー基板4
をねじり振動させることができる。また、前記フレーム
2の底面(酸化膜3が形成された面と対向する面)には
フレーム2の枠の内側から外側に通じる断面が矩形の連
通口19が形成されているので、後述するように本発明
に係る光走査装置1を作製するにあたり、フレーム2の
上部に形成された低抵抗シリコン基板からなるダイアフ
ラムからミラー基板4やねじり梁7、8等をエッチング
により抜く際、シリコン基板凹部内は前記連通口19を
介して同一気圧を保つことができ、ダイアフラムの変形
や破損を生じることがない。図3(a)及び(b)は本
発明に係る光走査装置の他の実施形態を示す底面図およ
び側面図であり、構造としては図1に示した実施例と比
較して連通口19aの断面が矩形からV字型とした点を
除き同じであり、同一の部位には同一の符号を付す。連
通口19aの長手方向はフレーム2を構成するシリコン
の(111)面と非平行方向であり、V字型連通口19
aを構成する面はフレーム2を構成するシリコンの(1
11)面となっている。
【0008】図4(a)〜図4(f)は図3に示した光
走査装置1の製造方法を示す図、図5(a)〜図5
(e)は製造過程の状態を示す図であり、以下、光走査
装置1の製造方法をSOI基板を用いた例をあげて説明
する。なお、SOI基板において酸化膜を介して下側の
ウエハをベースウエハ、上側のウエハをボンドウエハと
呼ぶ。フレームとして使用するベースウエハ20は中抵
抗の(100)ウエハであり、厚さ525μmのものを
用い、ミラー基板4、ねじり梁7、8、ねじり梁支持部
9、10、固定電極15、16として使用するボンドウ
エハ21は低抵抗の(100)ウエハで、厚さ60μm
のものを用い、さらに両ウエハ間に介在する酸化膜22
の厚さは500nmとした。なお、図4においては各構
成部材を模式的に記載しており、各部材の厚み等は寸法
比率とは異なる状態で記載している。上記ボンドウエハ
21の厚さは、ミラー基板4およびねじり梁7、8の共
振周波数の設計にあわせて設定したものである。また、
このようなSOI基板は、十分に清浄化された2枚のシ
リコンウエハを酸化膜を介して減圧雰囲気中で接触させ
仮接合したあと、1000℃以上の高温で熱処理、本接
合したあと、上側ウエハであるボンドウエハ21を所望
の厚さまで研磨することにより作製することができる。
【0009】まず、図4(a)に示すように、SOI基
板の両面にLP−CVD法により厚さ1000ÅのSi
N膜23を形成する。SiN膜は525μm厚のベース
ウエハ20全てをKOH溶液により異方性エッチングで
除去する際にエッチングマスクとして十分な耐性を有す
るので好適であるが、SiN膜同様に一般に異方性エッ
チングに用いられる厚さ1μm程度の酸化膜はエッチン
グレートがSiN膜と比較して大きいためエッチング量
の大きい(深い)処理のマスクとしては適さない。ただ
し、ベースウエハ20の厚みによってはエッチングによ
り除去する量が異なるので、SiN膜以外のエッチング
マスクも用いることができることは勿論である。次に、
このSiN膜23をレジストマスクでドライエッチング
によりパターニングし、パターニングされたSiN膜2
3aをエッチングマスクとして図4(b)に示すように
ミラー基板およびねじり梁を形成する領域(ダイアフラ
ム)21aと、連通口24を形成する領域をそれぞれエ
ッチング除去した。エッチングに際しては、85℃に昇
温させた30wt%KOH溶液を用いて異方性エッチン
グを行った。なお、異方性エッチングによりエッチング
マスク(SiN膜)の端部から54.7°の角度をもっ
てベースウエハ20はエッチングされていくので、エッ
チング処理完了後に最終的に残されるボンドウエハ20
aの領域はエッチングマスク23aのパターンよりも内
側の領域となることを考慮したうえでエッチングマスク
パターンを設計する必要がある。
【0010】図5(a)〜(e)はSOI基板(ただ
し、ベースウエハ20、ボンドウエハ21および酸化膜
22は区分して表示せず、一体として記載している)の
エッチング前後の形状を示しており、(a)の実線で示
すSOI基板の上下両面にSiN膜を形成し、(b)お
よび(c)に示すようにベースウエハ20側のSiN膜
をパターニングし、エッチング用マスクとしてのSiN
膜23aを得、この状態で上記のようにKOH溶液を用
いてベースウエハ20をエッチングすることにより、図
5(a)の破線で示したような凹陥部を得る。この状態
におけるSOI基板の各断面は(d)、(e)に示すと
おりである。異方性によりベースウエハ20のエッチン
グ面が54.7°の傾斜となるようエッチングが進行
し、その傾斜が交わった時点で溝としてエッチングが停
止し、連通口が形成される。一方、領域21aも同様に
54.7°の傾斜でエッチングが進行し、ベースウエハ
20とボンドウエハ21との間に介在する酸化膜22に
到達するが、酸化膜22のKOH溶液に対するエッチン
グレートがベースウエハ20を構成するシリコンと比較
して遅いので、酸化膜22をエッチングストップ層とし
て利用することができる。このように連通口24の長手
方向をシリコン(111)面と非平行方向としたので、
連通口24の壁面はシリコン(111)面となり、平滑
で清浄度を維持しやすく、歩留まりの高い光走査装置の
作製が可能である。この状態でベースウエハ20をフレ
ームとした60μm厚のボンドウエハ21からなるシリ
コンダイアフラム21aと連通口24が形成され、後の
工程ではこのダイアフラム部分にミラー基板とねじり
梁、櫛歯状電極を作りこんで行く。
【0011】次に、図4(c)に示すようにボンドウエ
ハ21の表面に成膜したSiN膜を全面エッチングによ
り除去し、その後、厚さ3000Åの酸化膜25を形成
する。さらに、図4(d)に示すように、ボンドウエハ
21の裏面側で、かつ、ダイアフラム21aに形成され
ている酸化膜22aをエッチングによって除去し、ま
た、同時にボンドウエハ21の表面に形成した酸化膜2
5をレジストマスクで、櫛歯状のギャップ、ミラー基
板、ねじり梁の形状にドライエッチングでパターニング
し、酸化膜25をマスクとしてボンドウエハ21をエッ
チングすると図4(e)に示すようなSOI基板を得る
ことができる。この際、エッチング速度が大きく異方性
の高いドライエッチング装置を用いてミラー基板とその
周囲の厚さ60μmのシリコンを貫通エッチングする。
その後、図4(f)に示すように、2つの固定電極1
5、16の表面酸化膜の一部をメタルマスクを使ったド
ライエッチングで除去し、得られたシリコン基板表面
と、ミラー基板の表面にメタルマスクを使ってアルミ
(Al)薄膜をスパッタ成膜し、電極引き出しパッド1
7、18およびミラー面6を得る。なお、固定電極1
5、16やミラー基板4等の抵抗を下げるために400
℃の熱処理を行い、それぞれ、ミラー面6および電極引
き出しパッド17、18を形成した。ここではアルミ薄
膜を電極引き出しパッド用の材料として用いているが、
他に導電性が高く、シリコンとの密着性が確保できれ
ば、金(Au)やチタン(Ti)等、他の材料を使用し
てもよい。また、成膜方法としてスパッタ法を用いた
が、真空蒸着、イオンプレーティング法等の他の方法で
成膜してもよい。なお、一般に酸化膜やスパッタ成膜し
た金属薄膜は圧縮応力をもっているため、ミラー部5が
上に凸の形状になるが、引張内部応力をもつSiN膜等
を合わせて成膜することにより酸化膜25及び電極引き
出しパッド等に用いる金属薄膜17、18の圧縮応力を
キャンセルし、多層膜全体としては応力バランスをとり
ミラー部4の変形を所望の値まで抑えることが可能であ
る。また、ここではミラー面6の金属薄膜としてアルミ
(Al)を成膜したが、使用するレーザ光に対し必要十
分な反射率が得られる金属薄膜ならば金(Au)等の他
の材料も選択可能であり、この場合マスク成膜を電極引
き出しパッド部とミラー面とに2回に分けて実施すれば
よい。
【0012】図6は本発明に係る光走査装置1の他の形
態を示す図であり、図3と同様に光走査装置の裏面を示
した図である。この実施例が図3に示した形態と異なる
点は連通口19bの断面形状が矩形であると共にフレー
ム2の同一直線上に2本配置している点である。このよ
うに連通口19bをフレーム2の同一直線上に2本配置
するには、例えば、図7に示すようにシリコンウエハ2
6上に本発明に係る光走査装置のチップ1a、1b、1
cを隣接して配置し、同一直線上に並んだチップ毎にま
とめてダイシングによるハーフカットを実施することに
より連通口19bを形成することができる。したがっ
て、本実施例における光走査装置ではウエハ処理する際
に、チップが隣接配置できるので、ウエハ当たりのチッ
プ取り数が多く、低コストで作製が可能である。
【0013】図8は本発明に係る光走査装置1の他の形
態を示す図であり、図3と同様に光走査装置の裏面を示
した図である。この実施例が図6に示した形態と異なる
点は連通口19cの断面形状が半円形であると共にフレ
ーム2の非同一直線上に2本配置している点であり、こ
のように連通口を同一直線上に配置しないため、外力に
よる破損が連通口部分から発生することを少なくするこ
とができ、光走査装置の作製歩留まりを高めることがで
きる。断面形状が半円形の連通口19cは、SiN膜に
よるマスクを使用し、フッ酸による等方性エッチングで
形成することができる。図9は本発明に係る光走査装置
1を含む画像形成装置30のブロック図であり、31は
像担持体である感光体ドラム、32は潜像形成手段、3
3は現像手段である現像装置、34は帯電手段である帯
電装置、35は転写手段である転写装置、36は定着手
段である定着装置、37は排紙トレイ、38はクリーニ
ング手段であるクリーニングブレードである。潜像形成
手段32は本発明に係る光走査装置1と、レーザダイオ
ード等の光源32aと、光源32aから出射した光を光
走査装置1のミラー面に集光させるための第1レンズシ
ステム32bと、光走査装置1のミラー面にて反射した
光を感光体ドラム31上に集光させるための第2レンズ
システム32cとを備えている。感光体ドラム31は図
示を省略した回転軸に固定され矢印(D)方向に回転す
る。感光体ドラム31の周辺には帯電ローラ34が当接
し、感光体ドラム1の表面が所定の極性に均一に帯電さ
れる。その感光体ドラム31の帯電面に潜像形成手段3
2からのレーザ光の書き込み走査による画像露光が行わ
れ、感光体ドラム1の表面に画像データの階調情報に基
づく静電潜像が形成される。画像露光に際しては、光源
32aから出射したレーザ光を第1レンズシステム32
bにより光走査装置1のミラー面に照射し、このミラー
面にて反射した光を第2レンズシステム32cにより集
光させるが、この際、光走査装置1の固定電極15、1
6および可動電極13、14に対し、各電極引き出しパ
ッド11、12、17、18を介して図示を省略したミ
ラー駆動手段より駆動電圧を印加することにより、ねじ
り梁7および8を軸としてミラー基板4を回動する静電
引力が働き、ミラー基板4をねじり振動させ、感光体ド
ラム31の所望の箇所に静電潜像を形成させることがで
きる。このようにして形成された静電潜像は現像装置3
3内の現像ローラで搬送されたトナーによりトナー画像
として顕像化され、転写装置35により感光体ドラム3
1上のトナー画像は記録紙Pに転写される。記録紙Pに
転写されたトナー画像は定着装置36によって定着され
る。一方、トナー画像の転写後、感光体ドラム31の表
面に残留付着しているトナーや微細な紙粉などは、感光
体ドラム31の表面に当接したクリーニングブレード3
8により除去される。クリーニング工程のあとに感光体
表面を除電する場合、図示しない除電手段にて除電を行
う。なお、上述したようなねじり梁を用いた静電駆動の
光走査装置では、ミラーを高速駆動するとミラー雰囲気
の空気の粘性が影響し、ミラーの振れ角が小さくなると
いう問題点がある。これを防止するためには、例えば以
下のような光走査モジュールとすればよい。
【0014】図10は本発明に係る光走査装置を含む光
走査モジュールの一実施例を示す分解斜視図である。こ
の実施例では光走査装置1の固定電極および可動電極と
接続し、画像形成装置のミラー駆動手段(図示せず)に
結線する端子部41を備えたベース40に、光源となる
レーザダイオードチップ42および光走査装置1を載置
し、さらに光走査装置1のミラー基板4の上部にはレー
ザダイオードチップ42からの出射光をミラー基板4の
ミラー面6に折り返すためのミラー43を設けている。
さらにカバー44はベース40全体を覆うように設けら
れ、カバー44とベースとにより形成される空間は減圧
した状態を維持するよう封止され、減圧容器を構成して
いる。なお、カバー44には光走査装置1のミラー基板
4で偏向した光ビームを透過させる透過部45を有す。
このように光走査装置1を減圧容器内に配置した光走査
モジュールとすることにより、光走査装置のミラー雰囲
気の粘性抵抗を小さくすることができ、ミラー面の振れ
角を大きくとることができる。
【0015】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ねじり梁
が固定されている枠状フレームの枠体内側から外側に通
じる少なくとも一つの連通口を備えたので、光走査装置
の作製プロセス中にダイアフラム型構造体の凹部空間が
減圧あるいは加圧されることが無く、ダイアフラムが変
形せず、加工精度を上げ、歩留まりの高い光走査装置の
作製が可能である。請求項2記載の発明によれば、連通
口を枠状フレームの底面に設けたので、連通口の形成プ
ロセスが簡単で、多様な方法により形成することができ
るので、低コストの光走査装置の作製が可能となる。請
求項3記載の発明によれば、連通口の断面がシリコンの
(111)面で構成されたV字型となり、連通口の壁面
が平滑で、清浄度を維持しやすく、歩留まりの高い光走
査装置の作製が可能となる。請求項4記載の発明によれ
ば、複数の連通口が同一直線上にこないように配置した
ので、外力による破損が連通口部分から発生することを
少なくし、歩留まりの高い光走査装置の作製が可能とな
る。請求項5記載の発明によれば、光走査装置を減圧容
器内に封入しているので、光走査装置のミラー雰囲気の
流体の粘性抵抗を小さくすることができ、ミラーの振れ
角を大きくすることができる。請求項6記載の発明によ
れば、潜像形成手段に光走査装置を用いているため、画
像形成装置を小型化することができ、また、光走査装置
の騒音、振動はモータおよびポリゴンミラーを用いた走
査装置と比較して少ないので、画像形成装置の動作時の
環境を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光走査装置の斜視図。
【図2】本発明に係る光走査装置中央の断面を示す図。
【図3】(a)及び(b)は本発明に係る光走査装置の
他の形態を示す底面図および側面図。
【図4】(a)〜(f)は図3に示した光走査装置の製
造方法を示す図。
【図5】(a)〜(e)は光走査装置の製造過程の状態
を示す図。
【図6】本発明に係る光走査装置の他の形態を示す図。
【図7】本発明に係る光走査装置のチップをシリコンウ
エハ上に隣接して配置した状態を示す図。
【図8】本発明に係る光走査装置の他の形態を示す図。
【図9】本発明に係る光走査装置を含む画像形成装置の
ブロック図。
【図10】本発明に係る光走査装置を含む光走査モジュ
ールの一実施例を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1 光走査装置、2 枠状フレーム、3 酸化膜(絶縁
体)、4 ミラー基板、5 ミラー部、6 ミラー面、
7、8 ねじり梁、9、10 ねじり梁支持部、13、
14 可動電極、15、16 固定電極、11、12、
17、18 電極引き出しパッド、19 連通口、30
画像形成装置、31 感光体ドラム(像担持体)、3
2 潜像形成手段、33 現像装置(現像手段)、34
は帯電装置(帯電手段)、35 転写装置(転写手
段)、36 定着装置(定着手段)、37 排紙トレ
イ、38 クリーニングブレード(クリーニング手段)
40 ベース、41 端子部、42 レーザダイオード
チップ、43 ミラー、44 カバー、45 透過部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠状フレームと、該枠状フレームの上面
    に設けられた絶縁体と、該絶縁体の上面であって対向す
    る辺にそれぞれ設けられた固定電極と、前記絶縁体上で
    あって前記固定電極が設けられた辺と直交する辺にそれ
    ぞれ設けられたねじり梁支持部と、各ねじり梁支持部よ
    り伸び、同一直線上に設けられたねじり梁と、該ねじり
    梁に接合し前記固定電極と対向する位置に可動電極を有
    しかつ上面に反射面を有するミラー基板とからなり、前
    記固定電極と可動電極との間に生じる静電引力によって
    前記ねじり梁をねじり回転軸として前記ミラー基板を往
    復振動させる光走査装置において、 前記枠状フレームの枠の内側から外側に通じる少なくと
    も一つの連通口を備えたことを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】 前記連通口が前記枠状フレームの絶縁体
    が形成された面と対向する面に設けられたことを特徴と
    する請求項1記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記連通口の長手方向は前記枠状フレー
    ムを構成するシリコンの(111)面と非平行方向であ
    ることを特徴とする請求項2記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 前記連通口を前記枠状フレームに複数設
    け、かつ、複数の連通口は非同一直線上に配置されてい
    ることを特徴とする請求項2記載の光走査装置。
  5. 【請求項5】 ミラー基板で偏向した光ビームの透過部
    と、ミラー駆動手段に結線する端子部とを具備する減圧
    容器内に請求項1記載の光走査装置を収容したことを特
    徴とする光走査モジュール。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、又は3に記載の光走査装
    置と、該光走査装置によって静電潜像が形成される像担
    持体と、静電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、顕
    像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段と、を
    有することを特徴とする画像形成装置。
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