JP2003222638A - コンタクトプローブおよびその製造方法 - Google Patents

コンタクトプローブおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクトピンの被検査物に対するスクラブ
で生じる異物がコンタクトピンの先端部に付着すること
がなく、コンタクトピンと被検査物との導電状態を良好
に保持する。 【解決手段】 コンタクトプローブ20のフィルムに被
着されたコンタクトピン21の先端部には、ICチップ
(被検査物)12の電極パッド12aに対面する側の面
(下面)21bに四半球状の突起部21cがバンプめっ
きによって形成されている。コンタクトピン21と電極
パッド12aとの相対移動でスクラブを行う時は、突起
部21cの頂部21eが電極パッド12aに接触され
る。スクラブで生じる異物は断崖壁面状部21gによっ
て後方側方へ追いやられてスクラブ面から排出されるの
で、コンタクトピン21への付着が防止され、コンタク
トピン21と電極パッド12aの導電状態が良好に保持
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ICチップ
やLCD(液晶表示体)等の被検査物に対して回路導通
試験等の電気的なテストを行うためのプローブ装置にお
いて、被検査物の微細な電極にコンタクトピンを電気的
に接触させるコンタクトプローブおよびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プローブ装置は、ICチップや
LSI等の半導体チップ、またはLCD(液晶表示体)
等の各電極パッド(電極)にコンタクトプローブのコン
タクトピンを押圧接触させ、プリント基板を介してテス
ターに接続して電気的な導通テストを行うのに用いられ
る。この種のプローブ装置Aは、例えば、図8〜図11
に示すように、円板形状をなし中央窓部1aを有するプ
リント基板1の上に、中央に四角形状の穴2aを有する
トップクランプ2を取り付け、また、コンタクトプロー
ブ3の先端部3aを両面テープ等で下面に取り付けたマ
ウティングベース4を、前記穴2aの周りに複数個配置
してトップクランプ2にボルト等で固定し、さらに、略
額縁形状のボトムクランプ5でコンタクトプローブ3の
基部3bをプリント基板1に押さえ付けて位置決め固定
する構成とされている。
【0003】前記コンタクトプローブ3は、図9に示す
ように、Ni基合等からなる複数本のパターン配線6の
上に接着剤層を介してフィルム7が被着され、該フィル
ム7から突出するパターン配線6の先端部がコンタクト
ピン6aとされ、また、フィルム7の幅広の基部3bに
窓部8が形成され、この窓部8にパターン配線6の引き
出し配線部9が設けられた構成となっている。前記フィ
ルム7は、ポリイミド等の樹脂フィルム層7a、あるい
はポリイミド等の樹脂フィルム層にCu,Ni等の金属
フィルム層7bがグラウンドとして積層されたもの等か
らなっている(図10参照)。
【0004】そして、コンタクトプローブ3の先端部3
aがマウンテングベース4の下面で下方に向けた傾斜状
態に保持され、各コンタクトプローブ3の基部3bにお
いて、パターン配線6の引き出し配線部9がボトムクラ
ンプ5の弾性体10で、前記窓部8を通してプリント基
板1の下面の電極11に押し付けられて接触状態に保持
されている。
【0005】また、前記コンタクトプローブ3は、図1
1に示すように、ICチップ(被検査物)12の電極パ
ッド12aに対して、コンタクトピン6aが傾斜角度θ
を例えば20°前後になるように傾斜されると共に、コ
ンタクトピン6aの先端部6bが平面視で円弧状に形成
され、かつ該先端部6bの下面が斜めに切り欠かれた接
触面6cとされ、検査時に該接触面6cを前記電極パッ
ド12aに接触させるようになっている。
【0006】前記電極パッド12aはアルミニウム合金
や金等で形成されているが、表面が空気中で酸化して薄
い酸化膜や吸着物で覆われているために、コンタクトピ
ン6aを電極パッド12aに接触させる際には、接触面
6cを電極パッド12aに押し付けながらイ矢方向に動
かして、前記接触面6cで前記酸化膜や吸着物の擦り取
り(スクラブ)を行い、内部のアルミニウムや金等の金
属を露出させて接触面6cでコンタクトピン6aと電極
パッド12aとの確実な導通を図るようにしている。
【0007】ところで、前記ICチップ12の電極パッ
ド12aには、図11に示すように、その縁部にパッシ
ベーションと呼ばれる絶縁膜(保護壁)13が電極パッ
ド12aの表面よりH1だけ高く隆起して設けられて、
電極パッド12aの大きさが制限されているものがある
が、前記コンタクトピン6aでは、前記スクラブの長さ
を大きくすると、角度θで傾斜した状態のコンタクトピ
ン6aが前記絶縁膜13に接触して絶縁膜13を破損す
るおそれがある。
【0008】そこで、前記絶縁膜13を破損することな
く、前記ICチップ12の電極パッド12aに電気的に
良好な接触を行わせるために、図12に示すように、コ
ンタクトピン6a1の先端部6b1に、前記電極パッド
12aに接触する側の面を凸曲面状とし、幅W、突出量
Hをそれぞれ10〜20μmとした突起部14を設け、
コンタクトピン6a1の突起部14より基端部側の部分
(コンタクトピン6a1の下面)が、前記絶縁膜13か
ら離間されてそれとの接触を回避する凹部15として形
成されたものも提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
に示す従来のコンタクトピン6aは、先端部の接触面6
cが電極パッド12aから離れる際、電極パッド12a
を引っ掻く動作をするために、スクラブによって擦り取
られた前記酸化膜や吸着物等の異物Gが、コンタクトピ
ン6aの接触面6cの後方(コンタクトピン6aの基端
側)に掻き取られて付着して溜まりやすく、接触動作を
続けていくと、前記異物Gの量が増えて、コンタクトピ
ン6aと電極パッド12aの間が導電できなくなるおそ
れがある。また、図12に示すコンタクトピン6a1
も、程度の差はあるが、図11に示すコンタクトピン6
aと同様に異物Gが突起部6eの後方部に付着する状態
が起こり、次のスクラブ時に異物ごと電極パッド12a
に接触するので、接触抵抗が大きくなる原因となると共
に、異物Gが突起部14に強固に付着することとなり、
容易に除去できなくなる問題がある。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、コンタクトピンの被検査物に対するスクラブ
によって生じる異物がコンタクトピンの先端部に付着す
ることなく、コンタクトピンと被検査物との導電状態を
良好に保持することできるコンタクトプローブおよびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、以下の点を特徴としている。すなわち、
請求項1に係るコンタクトプローブは、フィルムが被着
された複数のパターン配線の各先端側がコンタクトピン
とされ、該コンタクトピンに被検査物の電極に接触する
突起部が設けられたコンタクトプローブにおいて、前記
突起部は、コンタクトピンの先端部における被検査物に
対面する側の面に突出され、かつコンタクトピンの先端
側が球面状部とされ基端側が断崖壁面状部とされた四半
球状に形成されていることを特徴とする。
【0012】このコンタクトプローブでは、被検査物に
対してコンタクトピンを接触させてスクラブを行う際
に、被検査物の縁部等の周囲に絶縁膜等の障害物があっ
ても、コンタクトピンは、その先端面に固着して形成し
た四半球状の突起部の頂部が被検査物に接触し、自体の
基部側が被検査物から十分に離れた状態となるので、前
記障害物に接触してそれを破損するといった事態を起こ
すことなく、スクラブ量を十分大きく確保して被検査物
の酸化膜等の剥離を良好に行う。しかも、コンタクトピ
ンのスクラブ時に、被検査物の表面にスクラブにより異
物が生じても、それらを突起部の断崖壁面状部で後方、
側方に追いやる効果が発揮され、自体に前記異物が付着
することがなく、コンタクトピンと被検査物との間の導
電性が良好に保たれる。
【0013】請求項2に係るコンタクトプローブは、請
求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、突起部が
バンプめっきによって形成され、該バンプめっきの一部
の切除により断崖壁面状部が形成されていることを特徴
とする。このコンタクトプローブでは、コンタクトピン
の先端部のバンプめっきの切除によりコンタクトピンの
基端側の部分に断崖壁面状部を有する四半球状の突起部
が的確、容易に形成される。
【0014】請求項3に係るコンタクトプローブは、請
求項1に記載のコンタクトプローブの製造方法におい
て、コンタクトピンの先端部にバンプめっきをした後
に、該バンプめっきのコンタクトピンの基端部側におけ
る一部を機械的に切除して四半球状の突起部を形成する
ことを特徴とする。このコンタクトプローブの製造方法
では、コンタクトピンの先端部に十分な長さにわたって
バンプめっきをした後に、被検査物の保護壁との接触を
避けるに必要なコンタクトピンの基端部側の部分が切除
されるので、バンプめっきの不良率が低減されて、気泡
のない密度の均質な四半球状の突起部がコンタクトピン
の先端部に形成され、被検査物に対し良好な導電性を有
して接触できるコンタクトピンが容易に形成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
コンタクトプローブおよびその製造方法について、図1
〜図7を参照して説明する。図1において、20は本発
明の実施の形態に係るコンタクトプローブである。この
コンタクトプローブ20は、パターン配線6のコンタク
トピン21の構成以外は、図8〜図12に示す従来のコ
ンタクトプローブ3とほぼ同一とされているので、従来
技術と同一または同様の構成部分には同一の符号を付し
て示し、それらの詳細説明は省略する。前記コンタクト
プローブ20の複数本のパターン配線6は、その上面に
従来と同様に接着層を介して、ポリイミド等の樹脂フィ
ルム層7a、あるいはポリイミド等の樹脂フィルム層に
Cu,Ni等の金属フィルム層7bがグラウンドとして
積層されたものからなるフィルム7が被着され、該フィ
ルム7から突出する先端部がコンタクトピン21とされ
ている。
【0016】前記コンタクトピン21は、横断面が矩形
状に形成されると共に、先端面21aが平面視で外側に
凸の円弧状に形成されており、先端側のICチップ(被
検査物)の電極パッド12aに対面する側の面(下面)
21bに、導電性材料からなる四半球状の突起部21c
が固着して形成され、該突起部21cより基端部側の前
記面21bが電極パッド12aの絶縁膜(保護壁)13
との接触を回避する面21kとなっている。
【0017】前記突起部21cは、例えば、図4(a)
に示すように、およそ50μmの厚みDを有するNi基
合金製のコンタクトピン21に、その先端側から約10
0μmの長さS1にわたって、導電性材料としてNiを
使用して高さH2が10〜20μmのバンプめっきMを
施した後、図4(b)に示すように、前記コンタクトピ
ン21の先端から約10〜20μmの長さS2の部分を
残して、それよりも基端側にある前記バンプめっきMを
ダイサーTでコンタクトピン21から機械的に切除して
形成する。
【0018】前記コンタクトピン21のバンプめっきM
は、例えば、図5、図6に示すように、フレックス製造
工程で、フィルム7の樹脂フィルム層7aに厚く付着さ
せた接着剤22にコンタクトピン21の上面側(図6で
下面側)をめり込ませ、下面側(図6で上面側)の一部
を接着剤22から露出させるようにしてフィルム7にコ
ンタクトピン21を被着しておき、コンタクトプローブ
3の最終工程で、コンタクトピン21の先端側を除いた
部分にマスキングテープ(絶縁フィルム)23を接着
し、しかる後に、前記接着剤22とマスキングテープ2
3とから露出されたコンタクトピン21の下面側の先部
分にバンプめっき処理を行うことによって形成する(図
6(a)参照)。
【0019】前記マスキングテープ23と接着剤22に
よって各コンタクトピン21の両側面21d,21dに
バンプめっきMが固着されることなく、各コンタクトピ
ン21の先端部のみの下面側に突起部21cを構成する
ための突起物が確実に形成される。前記めっき処理後
に、コンタクトピン21の先端部より基端側に位置させ
たフィルム7の金属フィルム層7bの先端よりも先端側
にある樹脂フィルム層7aと接着剤22の部分および前
記マスキングテープ23を除去する後処理(図6(b)
参照)及び前記ダイサーTによるバンプめっきMの切除
を行う。前記バンプめっきMの切除に際して、コンタク
トピン21の電極パッド12aに対向する側の面(下
面)21bに面一となるように切除して面21kとして
形成してもよいが、前記面21bも一緒に僅少量切り込
むように切除すると、ダイサーTによる切り込み量の制
御を厳しくしなくてもよいので、加工が簡単に行える。
【0020】上記のようにしてコンタクトピン21の先
端側にバンプめっきMにより固着して形成された突起部
21cは、コンタクトピン21の先端面21aと側面2
1d,21d(図3参照)にやや張り出すと共に、被検
査物に対向する側の面21bに高く盛り上がり、コンタ
クトピン21の先端側における部分が頂部21eを有す
る球面状部21fとされ、コンタクトピン21の基端側
における部分がダイサーTで機械的に切除された断崖壁
面状部21gとされて、全体として四半球状に形成され
ている。そして、コンタクトピン21の突起部21cよ
り基端部側の部分は、前記電極パッド12aの絶縁膜
(保護壁)13との接触を回避する面21kとして、前
記断崖壁面状部21gの基部に連続して形成されてい
る。前記バンプめっきMの側面21d,21dへの張り
出し部分は、必要に応じてレーザー加工等により切除し
てもよい。
【0021】通常、コンタクトピン21に突起部21c
のような突起物を形成する場合、図7(a)に示すよう
に、コンタクトピン21の先端部の突起物を形成しよう
とする部分を除いてレジスト層25でマスキングを行
い、該マスキングの開口部25aにめっき26を行った
り、図7(b)に示すように、予め形成したバンプ状突
起物27を形成し、これにコンタクトピン21を接着剤
28で固着させる方法がある。しかし、前者では微小な
突起物用のマスキングの開口部25aを、また、後者で
は微小なバンプ状突起物27を、それぞれコンタクトピ
ン21の先端の所定位置に高精度に位置決めしなければ
ならず、製造が難しい問題がある。
【0022】これに対して、前記バンプめっきMによる
コンタクトピン21への突起部21cの形成方法によれ
ば、前記のようにバンプめっきMを形成した後にその基
端側の部分を切除する加工を行うので、バンプめっきM
は比較的広い範囲に形成してもよく、その形成位置の精
度をそれほど正確にする必要がないので、製造が容易で
あり、バンプめっきの不良率を低減できる利点がある。
【0023】次に、前記構成のコンタクトプローブ20
の作用について説明する。このコンタクトプローブ20
は、図9〜図12に示すコンタクトプローブ3と同様
に、図8に示すコンタクトプローブ装置Aに装着し、コ
ンタクトプローブ20の各コンタクトピン21がICチ
ップ(被検査物)12の各電極パッド12aの表面に対
して角度θで傾斜した状態に配置される。この時、各コ
ンタクトピン21は、図2に示すように、下面21bが
ICチップ12の手前側の絶縁膜13の角部13aに近
接した非接触の位置(一点鎖線)で前記ICチップ12
の電極パッド12aの表面に対面する状態となる。
【0024】前記状態からコンタクトピン21に対して
電極パッド12aをイ矢方向に相対移動させて、コンタ
クトピン21の突起部21cの頂部21eを電極パッド
12aの表面に押圧接触させながらスクラブを行うと、
突起部21cの頂部21eで電極パッド12aの表面の
アルミ酸化膜や吸着物を剥離させて、ICチップ12と
コンタクトピン21との間の導電接触が可能となる。前
記スクラブはコンタクトピン21の先端面21aの上端
21hがICチップ12の他方の絶縁膜13の角部13
bに接触する直前の位置(二点鎖線)に至る範囲内で行
うことができる。
【0025】前記スクラブによって擦り取られた前記酸
化膜や吸着物等の異物Gは、コンタクトピン21におけ
る突起部21cの断崖壁面状部21gによって、後方
(コンタクトピン6aの基端側)の側方に追いやられて
スクラブ面から排出される。これにより、コンタクトピ
ン自体に前記異物が付着することがなく、コンタクトピ
ン21と電極パッド12aとの間の導電接触が良好に維
持されると共に、コンタクトピン21と電極パッド12
aとの接触抵抗が過大にならずに常に安定に維持されて
スクラブが円滑に行われる。
【0026】前記実施の形態のコンタクトプローブ20
によれば、ICチップ(被検査物)12に対してコンタ
クトピン21を接触させてスクラブを行う際に、ICチ
ップ12の縁部等の周囲に絶縁膜13等の障害物があっ
ても、コンタクトピン21は、その先端の下面21bに
固着して形成した四半球状の突起部21cの頂部21e
がICチップ12の電極パッド12aに接触し、自体の
基部側における下面21b(21k)がICチップ1
2と対向して、該ICチップ12から十分に離れた状態
となるので、前記障害物に接触してそれを破損すること
なく、スクラブ量を十分大きく確保してICチップ12
の電極パッド12aのアルミ酸化膜等の剥離が良好に行
われる。
【0027】また、コンタクトピン21の下面21bに
先端側が球面状部21fとされ基端側が断崖壁面状部2
1gとされた四半球状の突起部21が形成されているの
で、コンタクトピン21のスクラブ時に、突起部21c
の頂部21eがICチップ12の電極パッド12aに接
触することとなり、該電極パッド12aの表面にスクラ
ブによりアルミ酸化膜等の異物Gが生じても、その異物
Gを前記突起部21cの断崖壁面状部21gが後方、側
方に追いやる効果を発揮するため、コンタクトピン自体
に前記異物Gが付着するのを防止することができる。
【0028】したがって、従来のコンタクトピン6a,
6a1のように、スクラブ時、接触動作を続けることに
よって異物Gがコンタクトピンに付着、増加してコンタ
クトピンと電極パッド12との間の導電接触ができなく
なったり、接触抵抗が過大になったりすることがなく、
コンタクトピン21と電極パッド12aとの間の導電性
を良好に維持することができると共に、コンタクトピン
21と電極パッド12aとの接触抵抗を常に安定に維持
してスクラブを円滑に行うことができる。そのうえ、前
記突起部21cの頂部21eが摩耗しても、その電極パ
ッド12aの表面との接触面積が極端に増加することが
ないので、スクラブ時のコンタクトピン21の移動範囲
が狭められることがなく、所要のスクラブ量を確保する
ことができる。
【0029】また、前記実施の形態のコンタクトプロー
ブの製造方法によれば、コンタクトピン21の電極パッ
ド12aに対面する側の面(下面21b)に、コンタク
トピン21の先端部から基端側に向う比較的長い範囲に
わたってバンプ状めっきMを施した後に、その先端部側
の一部を残して基端部側の部分を切除して、四半球状の
突起部21cを形成するようにしたので、バンプめっき
の不良率が低減できて、気泡のない密度の均質な四半球
状の突起部21cをコンタクトピン21の先端部に容易
に形成することができ、これにより、ICチップ12に
対し良好な導電性を有して接触できるコンタクトピン2
1を形成することができる。
【0030】なお、前記実施の形態のコンタクトプロー
ブ20においては、コンタクトピン21の先端部に突起
部21cの形成用突起物をバンプめっき処理により形成
したので、そのバンプ状突起物によって突起部21cを
容易に四半球状にして形成することができて好ましい
が、本発明はこれに限らず、その他のめっき処理によっ
て突起物21cの形成用突起物を形成することもでき
る。
【0031】また、前記実施の形態のコンタクトプロー
ブ20においては、突起部21cの導電性材料としてN
iを使用したが、これに限らず、Rh、Pd、Au、A
g、Pt等の金属、もしくはこれらの金属の合金を使用
することができる。Rh、Pdは耐食性が大であり、硬
度も高いので、コンタクトピン21に固着する耐久性に
優れた四半球状の突起部21cとして好適に使用し得
る。
【0032】また、前記実施の形態のコンタクトプロー
ブ20においては、コンタクトピン21の電極パッド1
2aに対面する側の面(下面21b)に形成されたバン
プめっきMの一部の切除によって、四半球状の突起部2
1cの断崖壁面状部が形成されているが、これに限ら
ず、コンタクトピン21の先端の所定位置に所定大きさ
のバンプめっきを施して形状が整った四半球状の突起部
を形成するようにしてもよい。この場合には、バンプ状
めっきの一部を切除する加工を省略することができるの
で、製作工数を低減することができる。
【0033】また、前記実施の形態のコンタクトプロー
ブ20においては、前記コンタクトピン21の突起部2
1cの断崖壁面状部21gを、コンタクトピン21の下
面21bに対して略垂直状に形成したが、これに限ら
ず、突起部21cのコンタクトピン21の下面21bに
結合される基部側を幅広にし、頂部21e側を狭く傾斜
した側面視で略台形状に形成してもよい。このようにす
ると、幅が微小な突起部21cの強度が増して基部から
折れるおそれがない。
【0034】また、前記実施の形態のコンタクトプロー
ブ20においては、フィルム7に被着された複数のパタ
ーン配線6のフィルム7から突出した先端部をコンタク
トピン21としたコンタクトプローブ3に適用したが、
本発明はこれに限らず、図6に2点鎖線で示すように、
複数のパターン配線6にコンタクトピンの先端部まで突
出させてフィルム7(7a,7b)を被着させた形式の
コンタクトプローブにも適用することができる。
【0035】さらに、前記コンタクトプローブ3のよう
に、フィルム7に被着された複数のパターン配線6のフ
ィルム7から突出した先端部をコンタクトピンとしたも
のにおいて、前記フィルム7の裏面に、バネ鋼(例えば
JIS G 4801に規定されるSUP材等)よりな
る薄板で構成されたバネ層を、コンタクトピンの裏面と
対向する位置まで突出させて被着し、前記バネ層とコン
タクトピンの裏面との間に位置する空間に緩衝材層を介
在させた構成のコンタクトプローブにも本発明を適用す
ることができる。前記緩衝材層は、バネ層とコンタクト
ピンの裏面との間で収縮可能な弾性体層としてのシリコ
ンゴム中に、窒化ケイ素、窒化アルミ等からなる非弾性
体層としてのセラミックスを埋設して構成されている。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の優れた効果を奏する。請求項1に係るコンタクトプ
ローブによれば、コンタクトピンの先端部に先端側が球
面状部とされ基端側が断崖壁面状部とされた四半球状の
突起部が形成されているので、コンタクトピンのスクラ
ブ時に、被検査物の表面にスクラブにより異物が生じて
も、それらを前記突起部の断崖壁面状部が後方、側方に
追いやる効果を発揮するため、コンタクトピン自体に前
記異物が付着することがなく、コンタクトピンと被検査
物との間の導電性を良好に維持することができると共
に、コンタクトピンと被検査物との接触抵抗を常に安定
に維持してスクラブを円滑に行わせることができる。
【0037】請求項2に係るコンタクトプローブによれ
ば、コンタクトピンの先端部のバンプめっきの切除によ
りコンタクトピンの基端側の部分に断崖壁面状部を有す
る四半球状の突起部を的確、容易に形成することがで
き、実施が容易である。
【0038】請求項3に係るコンタクトプローブの製造
方法によれば、コンタクトピンの先端部に十分な長さに
わたってバンプめっきを施した後に、被検査物の保護壁
との接触を避けるに必要なコンタクトピンの基端部側の
部分を切除することができるので、バンプめっきの不良
率を低減できて、気泡のない密度の均質な四半球状の突
起部をコンタクトピンの先端部に形成することができ、
被検査物に対し良好な導電性を有して接触できるコンタ
クトピンを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係るコンタクトプロ
ーブの先端部分の斜視図である。
【図2】 図1に示すコンタクトピンをICチップの電
極パッドに接触させてスクラブを行う状態の側面図であ
る。
【図3】 図2のX−X断面図である。
【図4】 コンタクトピンにバンプ状の突起物を固着し
て形成する方法の一例を示す側面図である。
【図5】 バンプめっきの製造工程の一例を示す平面図
である。
【図6】 図5のX−X断面図である。
【図7】 コンタクトピンに突起部を形成する方法の一
例を示す説明図である。
【図8】 コンタクトプローブ装置を示す縦断面図であ
る。
【図9】 コンタクトプローブ装置における従来のコン
タクトプローブの平面図である。
【図10】 図9のY−Y断面拡大図である。
【図11】 図10に示すコンタクトピンをICチップ
の電極パッドに接触させてスクラブを行う状態の側面図
(図8のZ部拡大図)である。
【図12】 従来の他のコンタクトプローブにおけるコ
ンタクトピンをICチップの電極パッドに接触させてス
クラブを行う状態の側面図である。
【符号の説明】
3,20 コンタクトプローブ 6 パターン配線 7 フィルム 12 ICチップ(被検査物) 12a 電極パッド 13 絶縁膜(保護壁) 21 コンタクトピン 21a 先端面 21b 下面 21c 突起部 21e 頂部 21f 球面状部 21g 断崖壁面状部 21k 面 M バンプめっき
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 達雄 兵庫県三田市テクノパーク十二番地の六 三菱マテリアル株式会社三田工場内 Fターム(参考) 2G003 AA07 AB01 AG03 AG04 AG12 AG20 AH07 2G011 AA03 AA15 AA17 AA21 AB06 AB08 AC06 AC14 AE22 AF07 2G132 AA00 AB01 AD01 AF02 AF06 AL03 4M106 AA01 BA01 DD03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムが被着された複数のパターン配
    線の各先端側がコンタクトピンとされ、該コンタクトピ
    ンに被検査物の電極に接触する突起部が設けられたコン
    タクトプローブにおいて、 前記突起部は、コンタクトピンの先端部における被検査
    物に対面する側の面に突出され、かつコンタクトピンの
    先端側が球面状部とされ基端側が断崖壁面状部とされた
    四半球状に形成されていることを特徴とするコンタクト
    プローブ。
  2. 【請求項2】 前記突起部がバンプめっきによって形成
    され、該バンプめっきの一部の切除により前記断崖壁面
    状部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のコンタクトプローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のコンタクトプローブの
    製造方法において、コンタクトピンの先端部にバンプめ
    っきをした後に、該バンプめっきのコンタクトピンの基
    端部側における一部を機械的に切除して四半球状の前記
    突起部を形成することを特徴とするコンタクトプローブ
    の製造方法。
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