JP2003222536A - 光学式エンコーダ及びエンコーダ用スケール - Google Patents
光学式エンコーダ及びエンコーダ用スケールInfo
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Abstract
ール移動量を検出することができる光学式エンコーダ及
びエンコーダ用スケールを提供する。 【解決手段】レーザ光源10から出力されたレーザ光は
透過型スケール12に照射され、記録された偏光ホログ
ラムにより回折される。回折光のうち±1次回折光の偏
光方向だけが90°回転される。これら±1次回折光は
相互に干渉し、光検出器18の受光表面上には干渉縞が
形成される。±1次回折光の干渉光は偏光板14を透過
し、透過光の一部がスリット板16の各スリットを通過
して、光検出器18に照射され、照射光の強度が検出さ
れる。一方、偏光方向が回転されなかった0次回折光、
±2次回折光等は、偏光板14を透過することができ
ず、光検出器18で検出される前に遮断される。
Description
及びエンコーダ用スケールに関し、特に、スケールの移
動に伴う回折干渉パターンの変化を利用してスケールの
移動量を検出する光学式エンコーダと、光学式エンコー
ダに使用されるエンコーダ用スケールとに関する。
精密化に伴い、レーザ干渉測長器等の高分解能且つ高精
度の変位検出システムが使用されるようになった。最近
では、レーザ干渉測長器に匹敵する高性能の変位検出シ
ステムとして、ホログラムスケールを用いた超高精度の
光学式リニアエンコーダ(以下、「ホログラムエンコー
ダ」という)が注目されている。
ラムの形で目盛面上に直接記録したものであり、その製
法原理上、光の波長オーダの最も細かい目盛ピッチを実
現することができる。ホログラムエンコーダは、このス
ケールに記録されたホログラムによる回折光の干渉現象
を利用して変位を検出するものであり、様々な方式のリ
ニアエンコーダの中でも最も高い分解能と精度とを備え
ている。
ーダは、検出原理に回折光の干渉現象を利用しており、
ホログラムスケールは回折格子として扱うことができ
る。図9に回折格子(ホログラムスケール)による回折
の様子を示す。一般に、回折格子は0次回折光、±1次
回折光等、複数の次数の回折光を生じるが、変位検出に
は±1次回折光の干渉を利用する。Pは回折格子のピッ
チ、即ち、ホログラムスケールの目盛ピッチである。
回折格子にθ0で入射した光線の+M次回折光と+N次
回折光との干渉を考える。θNは+N次回折光の回折角
であり、θMは+M次回折光の回折角である。回折角と
入射角θ0との関係は次式で与えられる。λは光源の波
長である。
ときのQ点での光の強度Iは次式で与えられる。
に移動させると、Q点における光強度Iがx=P/(N
−M)の周期で正弦波状に変化することを示している。
ホログラムエンコーダの検出光学系はこの現象を利用し
たものである。例えば、±1次回折光を干渉させる検出
光学系においては、スケールを目盛1ピッチ分移動させ
ると、光の強度は2周期分完全正弦波状に変化する。即
ち、この場合は、スケールの目盛ピッチPが光学的に2
分割され、基本分解能が2倍になったことになる。ま
た、この光の強度変化を光電変換して得られる電気信号
を後段の内挿回路で電気的に分割することで、基本分解
能以上の高分解能を得ることができる。
ては、例えば「ホログラムスケールを用いた超高精度光
電式リニアエンコーダ」、富谷雅樹、大崎基弘、光技術
コンタクト、Vol. 38, No. 6 (2000) pp. 368-376に記
載されている。
た従来のホログラムエンコーダには、検出信号のノイズ
が大きい、という重大な問題が有る。その原因は、ホロ
グラムスケールにより干渉に寄与する±1次回折光の外
に、望まれない回折光(例えば、0次回折光や2次以上
の高次回折光)が発生することに起因する。検出器上に
は±1次回折光の干渉パターンを検出するための透過ス
リットが配置されているが、0次回折光や2次以上の高
次回折光も透過スリットを透過して同時に光検出器に入
射してしまう。これがノイズの原因となる。ノイズが大
きくなると前記した正弦波信号の振幅変化の検出が困難
となり、位置変位に対するシステムの感度が低下する。
その結果、変位測定の分解能が低下する。
り、本発明の目的は、検出信号のノイズを低減して、高
分解能でスケール移動量を検出することができる光学式
エンコーダ及びエンコーダ用スケールを提供することに
ある。
に、本発明の光学式エンコーダは、入射されたレーザ光
を回折すると共に所定次数の回折光の偏光方向を所定偏
光方向に選択的に回転させる光学異方性部位が形成され
たスケールと、該スケールにレーザ光を照射する光源、
前記スケールを透過又は前記スケールで反射された回折
光から前記所定偏光方向の偏光成分を分離する偏光分離
手段、及び分離された偏光成分による干渉パターンの所
定位置での光強度を検出する光強度検出手段を備えた検
出光学系と、が相対移動又は相対回転可能に配置された
光学センサ部と、該光学センサ部で検出された光強度の
変化に基づいて前記スケールの移動量を演算する移動量
演算手段と、を備えたことを特徴としている。
おいて、光源からスケールに照射されたレーザ光は、ス
ケールに形成された光学異方性部位により回折される。
このとき、所定次数の回折光の偏光方向は所定偏光方向
に選択的に回転される。偏光分離手段はスケールを透過
又はスケールで反射された回折光から所定偏光方向の偏
光成分、即ち所定次数の回折光を分離し、光強度検出手
段は分離された回折光による干渉パターンの所定位置で
の光強度を検出する。
ルとが相対移動又は相対回転可能に配置されており、検
出光学系とスケールとが相対移動又は相対回転すると回
折干渉パターンが変化して、光強度検出手段で検出され
る光強度が変化する。そして、移動量演算手段は、光学
センサ部で検出された光強度の変化に基づいてスケール
の移動量を演算する。例えば、光強度検出手段で検出さ
れた光強度が周期的に変化する場合に、該光強度の変化
の周期をスケールの回折ピッチに関連付けてスケールの
移動量を演算することができる。
は、レーザ光がスケールに形成された光学異方性部位に
より回折される際に、所定次数の回折光の偏光方向が回
転され、偏光方向が回転された回折光の干渉光だけが光
検出器で検出されるので、ノイズが低減された検出信号
を得ることができ、スケール移動量を高分解能で検出す
ることができる。
面発光レーザが好適である。面発光レーザを光源に用い
た場合には、ビーム径の広がりを比較的小さく抑えるこ
とができるので、コリメータレンズや集光レンズが不要
で部品点数が少なくなり、更に装置の小型化を図ること
ができる。
光方向の直線偏光成分を通過させる偏光板や偏光フィル
タ等の偏光子を用いることができる。
用スケールは、入射されたレーザ光を回折すると共に所
定次数の回折光の偏光方向を所定方向に選択的に回転さ
せる光学異方性部位が形成されたことを特徴とするもの
である。
光照射により誘起された光誘起異方性を備えた部位とす
ることができる。光誘起異方性には光誘起複屈折と光誘
起二色性とがある。この光学異方性部位は、例えば、側
鎖に光異性化する基を有する高分子化合物(高分子液晶
も含む)を含む記録材料、又は光異性化する分子を分散
させた高分子化合物を含む記録材料に、光照射により複
屈折を誘起して形成することができる。
を有するものが好ましく、主鎖に芳香族炭化水素基を有
するものがより好ましく、前記一般式(1)で表される
ポリエステルが特に好ましい。一般式(1)中、Xはシ
アノ基、メチル基、メトキシ基、又はニトロ基を表し、
Yはエーテル結合、ケトン結合、又はスルホン結合によ
る2価の連結基を表す。lおよびmは2から18の整数
を表し、nは5から500の整数を表す。
ログラム記録により形成することができる。
施の形態を詳細に説明する。 (第1の実施の形態) [光学式エンコーダの構成]本発明の第1の実施の形態
に係る光学式エンコーダは、図1に示すように、所定の
偏光方向の直線偏光を出力するレーザ光源10を備えて
おり、レーザ光源10の光出射側には、偏光ホログラム
が記録された長尺状の透過型スケール12、所定偏光方
向の直線偏光を選択的に透過する偏光板14、所定間隔
でスリットが形成されたスリット板16、及びスリット
板16を通過したレーザ光の強度を検出する光検出器1
8がこの順に配置されている。
からレーザ光が略垂直に入射するように配置されると共
に、駆動装置22により制御される図示しない駆動機構
を介してスケール長手方向に沿った矢印A方向に移動可
能に構成されている。また、光検出器18は、その検出
信号に基づいて移動量を演算する移動量演算装置20に
接続されている。移動量演算装置20は、例えば、CP
U、ROM、RAMを備えたパーソナル・コンピュータ
で構成することができる。
を取り出すことができる面発光レーザで構成されてい
る。面発光レーザは、開口形状の設計によりビーム径の
広がりを比較的小さく抑えることができるので、コリメ
ータレンズや集光レンズが不要で、装置の小型化、低コ
スト化に有利である。例えば、IEEE Photon. Technol.L
ett., 11, 1539 (1999)に記載された面発光レーザ等を
好適に用いることができる。
グラムは、回折格子として作用する。ここで、偏光ホロ
グラムの回折原理を、従来のホログラムの回折原理と比
較して説明する。従来のホログラムは、図2に示すよう
に、光感応媒体にコヒーレントな二光波の干渉縞を照射
し、この光強度分布に対応した屈折率変化あるいは吸収
率の変化を記録したものである。この場合、干渉縞のコ
ントラストを高くするために、二光波の偏光は同じ方位
の直線偏光に設定される。このホログラムでは、入射光
はその偏光方向を変えることなく回折される。
は、図3(A)に示すように、光誘起異方性(Weigert's
effect)を示す偏光感応媒体に互いに直交する偏光状態
の二光波(例えば、紙面に平行なp偏光とこれに直交す
るs偏光)が照射される。このとき、媒体中には二光波
による干渉縞は生じないが、二光波の電場ベクトルの合
成による空間偏光分布が形成され、この空間偏光分布に
対応して光誘起異方性が発現し、これが記録される。こ
れが偏光ホログラムである。なお、偏光ホログラムの詳
細については、T. Todorov, L. Nikilova, and N. Tomo
va, Appl. Opt. 23, 4309 (1984)等に記載されている。
と同様に回折格子として作用して入射光を回折すると共
に、奇数次数の回折光の偏光方向だけを90°回転させ
る。例えば、図3(B)に示すように、入射するレーザ
光をs偏光とすると、偏光ホログラムによる±1次回折
光は入射光の偏光方向と90°直交するp偏光となり、
0次回折光、±2次回折光はs偏光のままである。通
常、3次以上の高次回折光は無視することができる。こ
のように回折光の次数により作用が異なる理由は、F.La
gugne Labarthet, P.Rochon, A.Natansohn, Appl. Phy
s. Lett., Vol.75,No.10, 1377(1999)等に詳細に説明さ
れている。
回折光の回折効率が各々約30%となるように偏光ホロ
グラムが記録された透過型スケール12にp偏光を入射
すると、p偏光の0次回折光とs偏光の±1次回折光と
が略均等に出力される。
れるレーザ光の偏光方向と直交する透過軸方位を備えて
おり、偏光ホログラムにより偏光方向が90°回転され
た±1次回折光だけが偏光板14を透過する。
る±1次回折光の干渉により形成される光強度パターン
(回折干渉パターン)に対応したピッチでスリットが形
成されている。これにより、生成される回折干渉パター
ンの特定部分がスリットを通過して光検出器に入射さ
れ、検出強度が向上する。
の各スリットに対応した複数の受光領域が形成されてい
る。受光領域の形状をスリットに対応した形状とするこ
とにより、光強度の検出効率が向上する。
12は、図4(A)に示す、ガラス基板等の透明基板2
4の一方の表面に、光誘起異方性(複屈折又は二色性)を
示すと共に誘起された異方性を記録、保持可能な偏光感
応媒体からなる記録層26が形成された記録媒体を用
い、この記録媒体の記録層26に偏光ホログラムを記録
して作製することができる。
は、光誘起複屈折が大きく高い回折効率を得ることがで
き、記録安定性にも優れたアゾベンゼン骨格を有する高
分子(以下、「アゾポリマー」と称する。)が好適であ
る。アゾベンゼンに直線偏光が照射されると、この直線
偏光の偏光方向に配列したアゾベンゼンは下記に示すよ
うにトランス−シス−トランスの光異性化サイクルを示
す。
和した場合には、もはや光により励起されずその方位に
安定にとどまる。このように、アゾベンゼンは照射光の
偏光方向と直交する方向にトランス体が配向する。この
配向によって複屈折及び二色性が誘起される。アゾポリ
マーの中でも、下記式に示すような、主鎖に芳香族炭化
水素基を有し且つ側鎖にアゾベンゼン骨格を有するポリ
エステルは、特に高い光誘起複屈折と安定性を有するた
め記録層の構成材料として好適である。
トキシ基、またはニトロ基を表し、Yはエーテル結合、
ケトン結合、またはスルホン結合による2価の連結基を
表す。また、l及びmは2から18の整数、より好まし
くは4から10の整数を表し、nは5から500の整
数、より好ましくは10から100の整数を表す。
を作製した例を以下に示す。レーザ光源70には発振線
515nmのアルゴンイオンレーザを用い、レーザ光源
70から出力されたレーザ光をコリメートレンズ71、
72により広い口径の平行光にして、偏光ビームスプリ
ッタ74に入射させ、入射光を互いに直交する偏光状態
の二光波(例えば、s偏光とp偏光のように互いに直交
方位を有する直線偏光)に分離した。厚さ10μmのア
ゾポリマー層を記録層26として備えた記録媒体78
に、反射光(例えばs偏光)を反射鏡76により反射さ
せて照射すると共に、透過光(例えばp偏光)を照射し
て偏光ホログラムを記録した。なお、アゾポリマー層の
厚さは、所望のホログラム回折効率に応じて適宜変更す
ることができる。
1J/cm2としたとき、アゾポリマーに感度の無い波
長600nm以上のレーザ光での回折効率は約50%で
あり、最も高い回折効率を得た。
示す光学式エンコーダの動作について説明する。レーザ
光源10から所定の偏光方向を有する直線偏光として出
力されたレーザ光は、光出射側に配置された透過型スケ
ール12に照射され、透過型スケール12に記録された
偏光ホログラムにより回折される。回折光のうち±1次
回折光の偏光方向だけが90°回転される。これら±1
次回折光は相互に干渉し、光検出器18の受光表面上に
は干渉による光強度パターン(干渉縞)が形成される。
の干渉光は、レーザ光源10から出力されるレーザ光の
偏光方向と直交する透過軸方位を備えた偏光板14を透
過する。偏光板14を透過した干渉光の一部は、スリッ
ト板16の各スリットを通過し、各スリットに対応して
形成された光検出器18の受光領域の各々に照射され、
照射光の強度が光検出器18で検出される。一方、偏光
方向が回転されなかった0次回折光、±2次回折光、及
びそれらの干渉光は、偏光板14を透過することができ
ず、光検出器18で検出される前に遮断される。
図示しない駆動機構を介して矢印A方向に移動される
と、前記したホログラムエンコーダの検出原理に従い、
光検出器18の各受光領域で検出される光強度は透過型
スケール12の移動に伴い周期的に変化し、正弦波状の
検出信号が移動量演算装置20に出力される。透過型ス
ケール12が回折格子1ピッチ分移動すると2周期分の
正弦波信号が検出され、移動量演算装置20では、上記
の検出信号に基づいて透過型スケール12の移動量を演
算する。例えば、検出信号の波数と回折格子1ピッチ分
の長さとを用いて移動量を演算することができる。
学式エンコーダでは、透過型スケールに記録された偏光
ホログラムにより±1次回折光の偏光方向を90°回転
させると共に、偏光板により不要なノイズ光を遮断して
移動量(変位)測定に必要な回折干渉光だけを光検出器
で検出するので、検出信号のS/Nが向上し、スケール
移動量を高分解能で検出することができる。
さく抑えることができる面発光レーザを用いているの
で、コリメータレンズや集光レンズが不要で、装置の小
型化、低コスト化を図ることができる。
リットが形成されたスリット板を配置し、生成される回
折干渉パターンの特定部分がスリット通過して光検出器
に入射するようにしたので、検出強度を向上させること
ができる。また、各スリットに対応した複数の受光領域
が形成された光検出器を用いているので、効率良く光強
度を検出することができる。
に係る光学式エンコーダは、図6に示すように、所定の
偏光方向の直線偏光を出力するレーザ光源30を備えて
おり、レーザ光源30の光出射側には、偏光ホログラム
が記録された長尺状の反射型スケール32が配置されて
いる。反射型スケール32による反射光の光路上には、
所定偏光方向の直線偏光を選択的に透過する偏光板3
4、所定間隔でスリットが形成されたスリット板36、
及びスリット板36を通過したレーザ光の強度を検出す
る光検出器38がこの順に配置されている。
を取り出すことができる面発光レーザで構成されてお
り、レーザ光源30と光検出器38とは共通基板28上
にモノリシックに形成されている。
とは異なる方向に反射されるように、レーザ光源30上
方に該光源の光出射方向に対し所定角度傾けて配置され
ると共に、駆動装置42により制御される図示しない駆
動機構を介してスケール長手方向に沿った矢印B方向に
移動可能に構成されている。また、光検出器38は、光
検出器38の検出信号に基づいて移動量を演算する移動
量演算装置40に接続されている。移動量演算装置40
は、例えば、CPU、ROM、RAMを備えたパーソナ
ル・コンピュータで構成することができる。
グラムが、回折格子として作用して入射光を回折すると
共に、奇数次数の回折光の偏光方向だけを90°回転さ
せる点は透過型スケールの場合と同様であり、入射する
レーザ光をp偏光とすると、偏光ホログラムによる±1
次回折光は入射光の偏光方向と90°直交するs偏光と
なり、0次回折光、±2次回折光はp偏光のままであ
る。例えば、図7に示すように、±1次回折光の回折効
率が各々約30%となるように偏光ホログラムが記録さ
れた反射型スケール32にp偏光を入射すると、p偏光
の0次回折光とs偏光の±1次回折光とが略均等に出力
される。
れるレーザ光の偏光方向と直交する透過軸方位を備えて
いる。また、スリット板36には、偏光ホログラムによ
る±1次回折光の干渉により形成される光強度パターン
に対応したピッチでスリットが形成されており、光検出
器38には、このスリット板36の各スリットに対応し
た複数の受光領域が形成されている。
32は、図4(B)に示す、金属等の反射部材46の一
方の表面に、光誘起異方性を示すと共に誘起された異方
性を記録、保持可能な偏光感応媒体からなる記録層48
が形成された記録媒体を用い、この記録媒体の記録層4
8に偏光ホログラムを記録して作製することができる。
反射型スケール32の記録層48側から入射したレーザ
光は、記録層48を通過して反射部材46の表面で反射
され、再度、記録層48を通過して射出される。記録層
48を構成する記録材料としては、透過型スケールと同
様にアゾポリマーが好適である。また、透過型スケール
の場合と同様の方法により、アゾポリマーで構成された
記録層48に偏光ホログラムを記録することができる。
示す光学式エンコーダの動作について説明する。レーザ
光源30から所定の偏光方向を有する直線偏光として出
力されたレーザ光は、光出射側に配置された反射型スケ
ール32に照射され、反射型スケール32に記録された
偏光ホログラムにより回折される。回折光のうち±1次
回折光の偏光方向だけが90°回転される。これら±1
次回折光は相互に干渉し、光検出器38の受光表面上に
は干渉による光強度パターン(干渉縞)が形成される。
の干渉光は、レーザ光源30から出力されるレーザ光の
偏光方向と直交する透過軸方位を備えた偏光板34を透
過する。偏光板34を透過した干渉光の一部は、スリッ
ト板36の各スリットを通過し、各スリットに対応して
形成された光検出器38の受光領域の各々に照射され、
照射光の強度が光検出器38で検出される。一方、偏光
方向が回転されなかった0次回折光、±2次回折光、及
びそれらの干渉光は、偏光板34を透過することができ
ず、光検出器38で検出される前に遮断される。
図示しない駆動機構を介して矢印B方向に移動される
と、光検出器38の各受光領域で検出される光強度は反
射型スケール32の移動に伴い周期的に変化し、正弦波
状の検出信号が移動量演算装置40に出力される。移動
量演算装置40では、上記の検出信号に基づいて透過型
スケール32の移動量を演算する。
学式エンコーダでは、反射型スケールに記録された偏光
ホログラムにより±1次回折光の偏光方向を90°回転
させると共に、偏光板により不要なノイズ光を遮断して
移動量(変位)測定に必要な回折干渉光だけを光検出器
で検出するので、検出信号のS/Nが向上し、スケール
移動量を高分解能で検出することができる。
さく抑えることができる面発光レーザを用いているの
で、コリメータレンズや集光レンズが不要であると共
に、面発光レーザと光検出器とを共通基板上にモノリシ
ックに形成することができ、更に装置の小型化、低コス
ト化を図ることができる。
リットが形成されたスリット板を配置し、生成される回
折干渉パターンの特定部分がスリット通過して光検出器
に入射するようにしたので、検出強度を向上させること
ができる。また、各スリットに対応した複数の受光領域
が形成された光検出器を用いているので、効率良く光強
度を検出することができる。
実施の態様等について説明する。
において、レーザ光源とスケールとの間に偏光子を配置
することが好ましい。レーザ光源から出射される光の偏
光状態が変動する場合に、偏光子によりこの変動による
影響を低減して、ノイズを低減することができる。ま
た、レーザ光源とスケールとの間にアパーチャを配置す
ることが好ましい。ビーム径及びスケール周期に応じて
検出信号の振幅が変動するので、光源から出射されるレ
ーザ光のビーム径が変動する場合に、アパーチャにより
所定ビーム径のレーザ光がスケールに照射されるように
して検出信号の振幅の変動を防止し、ノイズを低減する
ことができる。
では、直線偏光であるレーザ光をスケールに照射する例
について説明したが、円偏光・楕円偏光をスケールに照
射してもよい。この場合には、1/4波長板を備えたス
ケールを用いて直線偏光に変換する。
光板、スリット板、及び光検出器を各々別々に構成する
例について説明したが、光検出器の表面に偏光フィルム
及びフィルム状のスリットを貼り付ける等して一体に構
成してもよい。
ーザ光源に面発光レーザを用いる例について説明した
が、従来の光学式エンコーダの光源に使用されている一
般のレーザ光源を用いることもできる。
ニアスケールを用いた光学式リニアエンコーダについて
説明したが、光源に対して相対的に回転するディスク状
スケールを用いてスケールの回転量を測定するロータリ
ーエンコーダにも本発明を適用することができる。
ケールが駆動装置により所定方向に移動する例について
説明したが、スケールはレーザ光源に対して相対的に移
動すればよく、スケールを固定配置してレーザ光源を移
動させてもよい。この場合、スケールで偏光変調された
レーザ光が光検出器で検出されるように、光検出器等も
レーザ光源に伴い移動させる必要がある。また、上記で
は、1個のスケールに対しレーザ光源及び光検出器を含
む検出光学系を配置する例について説明したが、1個の
スケールに対し複数の検出光学系を配置することもでき
る。
備えた記録媒体の記録層に偏光ホログラムを記録して反
射型スケールを作製する例について説明したが、図4
(A)に示す、透明基板24の一方の表面に偏光感応媒
体からなる記録層26が形成された記録媒体を用い、図
8に示すように、この記録媒体に互いに直交する偏光状
態の二光波を異なる側から照射して偏光ホログラムを記
録することにより、反射型スケールを作製することがで
きる。
ダ用スケールは、検出信号のノイズを低減して、高分解
能でスケール移動量を検出することができる、という効
果を奏する。
成を示す概略図である。
である。
図であり、(B)は(A)で記録された偏光ホログラム
による回折原理を説明する斜視図であり、(C)は透過
型スケールにp偏光を入射した場合の回折光の偏光分布
の1例を示す概略図である。
体の層構成を示す断面図であり、(B)は反射型スケー
ル作製に使用する記録媒体の層構成を示す断面図であ
る。
ための光学系の構成を示す光軸に沿った断面図である。
成を示す概略図である。
光の偏光分布の1例を示す概略図である。
ある。
様子を示す図である。
明する説明図である。
Claims (12)
- 【請求項1】入射されたレーザ光を回折すると共に所定
次数の回折光の偏光方向を所定方向に選択的に回転させ
る光学異方性部位が形成されたスケールと、該スケール
にレーザ光を照射する光源、前記スケールを透過又は前
記スケールで反射された回折光から前記所定偏光方向の
偏光成分を分離する偏光分離手段、及び分離された偏光
成分による干渉パターンの所定位置での光強度を検出す
る光強度検出手段を備えた検出光学系と、が相対移動又
は相対回転可能に配置された光学センサ部と、 該光学センサ部で検出された光強度の変化に基づいて前
記スケールの移動量を演算する移動量演算手段と、 を備えた光学式エンコーダ。 - 【請求項2】前記光源に面発光レーザを用いた請求項1
に記載の光学式エンコーダ。 - 【請求項3】前記移動量演算手段は、光強度検出手段で
検出された光強度が周期的に変化する場合に、該光強度
の変化の周期をスケールの回折ピッチに関連付けて、前
記スケールの移動量を演算する請求項1又は2に記載の
光学式エンコーダ。 - 【請求項4】前記偏光分離手段は、入射光から所定偏光
方向の直線偏光成分を通過させる偏光子である請求項1
乃至3のいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。 - 【請求項5】光学式エンコーダに使用されるエンコーダ
用スケールであって、入射されたレーザ光を回折すると
共に所定次数の回折光の偏光方向を所定方向に選択的に
回転させる光学異方性部位が形成されたエンコーダ用ス
ケール。 - 【請求項6】前記光学異方性部位は、光照射により誘起
された光誘起異方性を備えた部位である請求項5に記載
のエンコーダ用スケール。 - 【請求項7】前記光誘起異方性は光誘起複屈折である請
求項6に記載のエンコーダ用スケール。 - 【請求項8】前記光学異方性部位が、側鎖に光異性化す
る基を有する高分子化合物を含む記録材料、又は光異性
化する分子を分散させた高分子化合物を含む記録材料に
光照射により複屈折を誘起して形成された請求項5乃至
7のいずれか1項に記載のエンコーダ用スケール。 - 【請求項9】前記高分子化合物が側鎖にアゾベンゼン骨
格を有する請求項8に記載のエンコーダ用スケール。 - 【請求項10】前記高分子化合物が主鎖に芳香族炭化水
素基を有する請求項8又は9に記載のエンコーダ用スケ
ール。 - 【請求項11】前記高分子化合物が下記一般式(1)で
表されるポリエステルである請求項8乃至10のいずれ
か1項に記載のエンコーダ用スケール。 【化1】一般式(1) 上記式中、Xはシアノ基、メチル基、メトキシ基、又は
ニトロ基を表し、Yはエーテル結合、ケトン結合、又は
スルホン結合による2価の連結基を表す。l及びmは2
から18の整数を表し、nは5から500の整数を表
す。 - 【請求項12】前記光学異方性部位が偏光ホログラム記
録により形成された請求項5乃至11のいずれか1項に
記載のエンコーダ用スケール。
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