JP2003222158A - 自動二輪車用クラッチ装置 - Google Patents

自動二輪車用クラッチ装置

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JP2003222158A JP2002020602A JP2002020602A JP2003222158A JP 2003222158 A JP2003222158 A JP 2003222158A JP 2002020602 A JP2002020602 A JP 2002020602A JP 2002020602 A JP2002020602 A JP 2002020602A JP 2003222158 A JP2003222158 A JP 2003222158A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチを遮断する際にアウタ,インナ摩擦
板同士が貼付くのを回避することにより、噛み合い音や
ショックの発生を防止できる自動二輪車用クラッチ装置
を提供する。 【解決手段】 クランク軸12側に連結されるアウタド
ラム46と、変速機構3側に連結されるインナドラム4
7との間に、上記アウタドラム46とともに回転しかつ
軸方向移動可能のアウタ摩擦板48と上記インナドラム
47とともに回転しかつ軸方向移動可能のインナ摩擦板
49とを交互に配置し、上記上記アウタ,インナ摩擦板
48,49同士をプレッシャプレート50により圧接
し、又は該圧接を解放することにより上記クランク軸1
2の回転を変速機構3側に伝達し、又は遮断するように
した自動二輪車用クラッチ装置において、アウタ摩擦板
48に半径方向に延びて外方に開放された溝48bを周
方向に所定間隔あけて形成し、上記インナ摩擦板49に
隣合うアウタ摩擦板48,48の溝48bに連通し得る
よう貫通孔49bを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク軸の回転
を後輪側に伝達又は遮断するようにした自動二輪車用ク
ラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動二輪車に用いられる湿式多
板クラッチ装置では、クランク軸側に連結されるアウタ
ドラムと、後輪側に連結されるインナドラムとの間に、
アウタ摩擦板とインナ摩擦板とを交互に重ね合わせて配
置し、このアウタ,インナ摩擦板同士をプレッシャプレ
ートによりクラッチばねで圧接させることによりクラン
ク軸の回転を後輪側に伝達し、またシフト時などの動力
伝達を切る際には、クラッチ遮断操作により上記プレッ
シャプレートをクラッチばねの付勢力に抗して移動させ
て上記圧接を解放する構成となっている。
【0003】この種のクラッチ装置には、クラッチレバ
ーの操作によりクラッチを遮断状態とし、しかる後にシ
フトペダルの踏み込み操作により何れかのシフト段に切
り替えるようにしたハンドクラッチタイプのものと、シ
フトペダルの踏み込み操作に連動して、その前半でクラ
ッチを遮断し、後半で何れかのシフト段に切り替えるよ
うにしたシフト連動タイプのものとがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
クラッチ装置では、クラッチを切る操作をしても隣合う
アウタ,インナ摩擦板同士の貼付きや引きずりによりク
ラッチが遮断状態になり難い場合がある。そのためシフ
ト操作時に不快なドッグの噛み合い衝撃音や体感ショッ
クが発生する場合がある。特に、上記シフト連動タイプ
のクラッチ装置の場合には、クラッチを切る操作をして
からシフトするまでの時間が上記ハンドクラッチタイプ
のものと比べて短いことから、噛み合い音やショックが
発生し易いという問題がある。
【0005】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たもので、クラッチを遮断する際に摩擦板同士が容易に
離れるようにすることにより、素早くクラッチが切れる
ようにして上記噛み合い音やショックの発生を防止でき
る自動二輪車用クラッチ装置を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、クラ
ンク軸側に連結されるアウタドラムと、後輪側に連結さ
れるインナドラムとの間に、上記アウタドラムとともに
回転するアウタ摩擦板と上記インナドラムとともに回転
するインナ摩擦板とを交互にかつ軸方向移動可能に配置
し、上記アウタ,インナ摩擦板同士をプレッシャプレー
トにより圧接し、又は該圧接を解放することにより上記
クランク軸の回転を後輪側に伝達し、又は遮断するよう
にした自動二輪車用クラッチ装置において、上記圧接の
解放時に隣合う上記アウタ,インナ摩擦板の間に空気を
導入するための空気導入通路を形成したことを特徴とし
ている。
【0007】請求項2の発明は、請求項1において、上
記空気導入通路は、上記アウタ摩擦板に半径方向に延び
て外方に開放された溝を周方向に所定間隔あけて形成
し、上記インナ摩擦板に多数の貫通孔を両隣りの上記ア
ウタ摩擦板の溝に連通し得るよう形成することにより構
成されていることを特徴としている。
【0008】
【発明の作用効果】請求項1の発明に係るクラッチ装置
によれば、圧接の解放時に、隣合うアウタ,インナ摩擦
板の間に空気を導入する空気導入通路を形成したので、
該空気導入通路を介して隣合うアウタ,インナ摩擦板の
間に空気が導入されることとなり、貼付いた摩擦板同士
の離間が小さな力で容易に行えることとなる。これによ
りクラッチの切れが良くなり、シフト時の不快な噛み合
い衝撃音や体感ショックをなくすことができる。
【0009】請求項2の発明によれば、インナ摩擦板に
貫通孔をアウタ摩擦板に半径方向に延びて外方に解放形
成された溝と連通し得るよう形成したので、空気が上記
溝及び貫通孔を介してアウタ,インナ摩擦板の間に導入
されることとなる。このようにアウタ,インナ摩擦板に
溝,貫通孔を形成するだけという、新たな部品を追加す
ることのない低コストで簡単な構造で摩擦板同士の貼付
きを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0011】図1ないし図5は、本発明の一実施形態に
よる自動二輪車用クラッチ装置を説明するための図であ
り、図1は本実施形態のクラッチ装置を内蔵したエンジ
ンユニットの断面図、図2はクラッチ装置の断面背面図
(図3のII-II 線断面図)、図3はクラッチ装置のイン
ナ摩擦板部分の断面側面図(図2のIII-III 線断面
図)、図4はクラッチ装置のアウタ摩擦板部分の断面側
面図(図2のIV-IV 線断面図)、図5はアウタ,インナ
摩擦板の圧接状態の断面図である。本実施形態では、本
発明をシフト連動タイプの湿式多板クラッチ装置に適用
した場合を例にとって説明する。なお、本実施形態でい
う左右,前後とは車両後方から見た状態での左右,前後
を意味する。
【0012】図において、1は自動二輪車の車体フレー
ム(不図示)に搭載されたエンジンユニットを示してお
り、これは空冷式4サイクル単気筒型のエンジン本体1
aとクラッチ装置2及び変速機構3とを一体化した構造
を有している。
【0013】上記エンジン本体1aは、シリンダブロッ
ク5の上合面にシリンダヘッド6を接続するとともに該
シリンダヘッド6にヘッドカバー7を装着し、上記シリ
ンダブロック5の下合面にクランクケース8aと変速ケ
ース8bとを一体化したユニットケース8を接続し、該
ユニットケース8の右合面にクラッチカバー9を装着し
た概略構造となっている。
【0014】上記シリンダブロック5のシリンダボア5
a内にはピストン10が摺動自在に挿入され、該ピスト
ン10はコンロッド11によりクランク軸12のクラン
クピン12aに連結されており、また上記シリンダヘッ
ド6の燃焼凹部6aには点火プラグ13が挿入されてい
る。上記シリンダブロック5,シリンダヘッド6の左側
部にはクランクケース8a内とシリンダヘッド6内とを
連通するチェーン室14aが形成されており、該チェー
ン室14aにはクランク軸12により不図示のカム軸を
介して吸気,排気バルブを開閉駆動するタイミングチェ
ーン14が配設されている。
【0015】上記クランク軸12はユニットケース8の
分割合面に形成されたボス部8c,8dに軸受15,1
5を介して支持されている。このクランク軸12の左側
端部には発電機16が、右側端部には遠心クラッチ17
が装着されている。
【0016】この遠心クラッチ17は、上記クランク軸
12にスプライン結合された入力側ドラム20のボス部
20aにより一方向クラッチ21を介して出力側ドラム
22を回転自在に支持するとともに、該出力側ドラム2
2に減速小ギヤ24を結合し、上記入力側ドラム20に
複数のウェイト23を軸支した構造のものである。上記
クランク軸12が所定の回転数を越えると、遠心力でも
ってウェイト23が出力側ドラム22に接合し(図1の
クランク軸線より下側部分参照)、もってクランク軸1
2の回転が減速小ギヤ24に伝達される。
【0017】上記変速機構3は、上記クランク軸12の
後方に第1,第2,第3速入力ギヤ27,28,29が
装着された入力軸25を、該入力軸25の後方に第1,
第2,第3速出力ギヤ30,31,32が装着された出
力軸34をそれぞれ上記クランク軸12と平行に配置
し、上記入力軸25,出力軸34を変速ケース8bのボ
ス部により各軸受35,36を介して支持した構造とな
っている。上記出力軸34の左外端部には駆動スプロケ
ット37が装着され、該駆動スプロケット37はチェー
ン38により不図示の後輪の従動スプロケットに連結さ
れている。
【0018】上記第1速入力ギヤ27は入力軸25に一
体形成され、上記出力軸34に相対回転可能に装着され
た第1速出力ギヤ30に噛合している。また第2速入力
ギヤ28は入力軸25に軸方向移動可能にスプライン嵌
合され、出力軸34に相対回転可能に装着された第2速
出力ギヤ31に噛合している。また上記第3速入力ギヤ
29は入力軸25に相対回転可能に装着され、出力軸3
4に軸方向移動可能にスプライン嵌合された第3出力ギ
ヤ32に噛合している。
【0019】上記第2速入力ギヤ28,第3速出力ギヤ
32には不図示のシフトフォークが係合している。そし
てシフトペダル(不図示)の踏み込み操作により、上記
シフトフォークが上記第2速入力ギヤ28,第3速出力
ギヤ32の何れかを軸方向に移動させ、もって1速から
3速の間で切り替えが行われる。
【0020】上記出力軸34の後方にはキック軸40が
クランク軸12と平行に配設されており、該キック軸4
0の右外端部にはキックアーム41が装着されている。
このキック軸40の左側端部には上記第1速出力ギヤ3
0に一体形成された大ギヤ30aに噛合するキック小ギ
ヤ42が相対回転可能に装着されている。キックアーム
41を踏み込むと、キック軸40が回転するとともにラ
チェット43が軸方向移動してキックギヤ42に噛合
し、これによりキック軸40の回転がクランク軸12に
伝達される。
【0021】上記クラッチ装置2は、上記入力軸25の
右側端部に同軸配置されており、上記クランク軸12側
の減速小ギヤ24に噛合する減速大ギヤ45が結合され
たアウタドラム46とインナドラム47との間に5枚の
アウタ摩擦板48と4枚のインナ摩擦板49とを交互に
重ね合わせて配置し、プレッシャプレート50を図示左
方にばね付勢することにより上記インナドラム47とプ
レッシャプレート50とでアウタ,インナ摩擦板48,
49同士を圧接させ、又はばねに抗してプレッシャプレ
ート50を図示右方に移動させることにより上記圧接を
解放するように構成されている。
【0022】上記減速大ギヤ45はこれの筒状のボス部
45aが入力軸25にカラー44a,軸受ブッシュ44
bを介在させて回転自在に装着されており、該減速大ギ
ヤ45に上記アウタドラム46がダンパ51を介して結
合されている。これによりアウタドラム46は減速大ギ
ヤ45とともに一体に回転し、クランク軸側に連結され
ていることとなる。
【0023】上記入力軸25の軸心孔25a内にはレリ
ーズロッド53が軸方向に移動可能に挿入されている。
また上記入力軸25の軸心孔25aの右側端部にはプレ
ッシャロッド54が上記レリーズロッド53に当接する
ように挿入されている。該プレッシャロッド54は、プ
レッシャプレート50の軸心を貫通して右外方に延びて
おり、上記クラッチカバー9に形成された凹部9aによ
りシール部材59を介して軸方向に摺動可能に支持され
ている。上記プレッシャロッド54の軸方向中央部には
上記プレッシャプレート50の内壁面に当接する鍔部4
5aが形成されている。
【0024】上記レリーズロッド53の左端面には上述
のシフトペダルに連結されたプッシュレバー60が当接
している。このシフトペダルの踏み込み操作を行なう
と、該踏み込みに連動してこれの前半でプッシュレバー
60がレリーズロッド53,プレッシャロッド54を介
してプレッシャプレート50を図示右方に移動させてク
ラッチを遮断し、後半で上述のシフトフォークが上記第
2速入力ギヤ28,第3速出力ギヤ32の何れかを軸方
向に移動させてシフトの切替えを行なうようになってい
る。
【0025】上記アウタドラム46は外周壁46aに底
壁46bを一体形成してなる右側方に開口する概ね碗状
のものである。上記外周壁46aには軸方向に延びる割
溝46cが所定の角度間隔をあけて形成されており、該
各割溝46cに上記各アウタ摩擦板48の外周に所定の
角度間隔をあけて形成された凸部48aが係合してい
る。この各アウタ摩擦板48は、互いに軸方向に間隔を
あけてかつ軸方向に移動可能に配置されており、上記ア
ウタドラム46とともに一体に回転する。
【0026】また上記各アウタ摩擦板48の両摩擦面に
は半径方向に延びる溝48bが周方向に所定の角度間隔
をあけて形成されており、該各溝48bの両端は該アウ
タ摩擦板49の外周縁,内周縁に開放されている。な
お、上記各溝48bはアウタ,インナ摩擦板48,49
の接触面に潤滑油を分布,供給することによって半クラ
ッチ状態等での摩擦係数の安定化や摩耗を防止するため
のものである。
【0027】上記各アウタ摩擦板48の間には上記イン
ナ摩擦板49が軸方向に移動可能に配置されている。こ
の各インナ摩擦板49は、これの内周面に所定の角度間
隔をあけて形成された凹部49aに上記インナドラム4
7の外周ボス部47aに所定の角度間隔をあけて形成さ
れた凸部47bを係合させることによりインナドラム4
8とともに一体に回転するようになっている。
【0028】上記インナドラム47は、アウタドラム4
6内に配置されており、外周端部に上記アウタ摩擦板4
8が当接するフランジ部47cを有し、その内周ボス部
47dは上記入力軸25にスプライン嵌合しており、ロ
ックナット52により軸方向移動不能に締め付け固定さ
れている。これによりインナドラム47は入力軸25と
ともに一体に回転し、後輪側に連結されていることとな
る。
【0029】上記プレッシャプレート50は、上記イン
ナドラム47と同軸をなすよう対向配置されており、そ
の外周部50aが上記インナドラム47のフランジ部4
7cと各アウタ,インナ摩擦板48,49を介在させて
対向するように配置されている。
【0030】上記プレッシャプレート50には4つのば
ね受け筒部50bが90度間隔毎に一体形成されてお
り、該各ばね受け筒部50b内には上記インナドラム4
7に一体形成されたボス部47eが同軸をなすよう挿入
配置されている。この各ボス部47eにはばね座63が
ボルト64により締結されており、該ばね座63と上記
ばね受け筒部50bの底壁との間にはクラッチばね62
が介設されている。このクラッチばね62は上記プレッ
シャプレート50をインナドラム47のフランジ部47
c側に常時付勢している。これにより上記各アウタ,イ
ンナ摩擦板48,49はインナドラム47のフランジ部
47cとプレッシャプレート50の外周部50aとで挟
持され互いに圧接されている。
【0031】そして、上記各インナ摩擦板49には厚さ
方向に軸線と平行な多数の貫通孔49bが形成されてい
る。この貫通孔49bはインナ摩擦板49の接触面全域
に渡って形成されており、何れかの貫通孔49bが隣合
うアウタ摩擦板48の溝48bと連通し得るようになっ
ている。このため上記溝48bと貫通孔49bとによ
り、クラッチばね62による圧接が解放されたとき隣合
うアウタ,インナ摩擦板48,49の間に空気を導入す
る空気導入通路が構成されることになる。
【0032】次に本実施形態の作用効果について説明す
る。
【0033】クラッチ接続状態では、アウタ,インナ摩
擦板48,49同士はクラッチばね62の付勢力により
プレッシャプレート50とインナドラム47とで挟持圧
接されている。これによりクランク軸12の回転は遠心
クラッチ17からアウタドラム46,アウタ,インナ摩
擦板48,49,インナドラム47を介して変速機構3
の入力軸25に伝達され、出力軸34,駆動スプロケッ
ト37を介して後輪に伝達される。
【0034】クラッチ遮断時には、シフトペダルの踏み
込み操作により、プッシュレバー60によりレリーズロ
ッド53,プレッシャロッド54が図示右方に移動さ
れ、これによりプレッシャプレート50がクラッチばね
62のばね力に抗して図示右方に移動され、該プレッシ
ャプレート50とインナドラム47との間の圧接が解放
され、このようにしてクラッチ遮断状態となる。このク
ラッチ遮断動作に続いて何れかのシフト段に切り替えら
れる。
【0035】そして上記クラッチ遮断時において、プレ
ッシャプレート50の移動に伴って、空気a(図5の矢
印参照)が一方のアウタ摩擦板48の溝48bから貫通
孔49bを通り、さらに他方のアウタ摩擦板48の溝4
8bから外部に流通することとなる。また逆に他方のア
ウタ摩擦板48の溝48bから一方のアウタ摩擦板48
の溝48bに連通することにもなる。このようにしてイ
ンナ,アウタ摩擦板48,49の間に空気が導入される
ことから両摩擦板48,49の貼付きが生じにくく、ま
た剥離し易くなる。
【0036】このように本実施形態によれば、各インナ
摩擦板49に隣合うアウタ摩擦板48,48の各溝48
bに連通し得る貫通孔49bを形成したので、該貫通孔
49bを介して隣合うアウタ摩擦板48同士が外部と連
通し得ることとなり、貼付いた摩擦板同士の離間を小さ
な力で容易に行うことができる。これにより潤滑油の粘
度等によって強く貼付いている低温時においても、容易
に引き離すことができ、その結果シフト時の不快な噛み
合い衝撃音や体感ショックをなくすことができる。
【0037】また本実施形態では、上記インナ摩擦板4
9に貫通孔49bを形成するだけの新たな部品を追加す
ることのない簡単な構造でもって摩擦板同士の貼付きを
防止できる。
【0038】なお、上記実施形態では、インナ摩擦板4
9に軸線と平行に貫通孔49bを形成した場合を例にと
って説明したが、本発明の貫通孔はこれに限られるもの
ではない。例えば、図6に示すように、貫通孔49b´
をインナ摩擦板49の軸線に対して傾斜するように斜め
に形成してもよく、あるいは図7に示すように、貫通孔
49b″をインナ摩擦板49の周方向に延びるように形
成してもよい。
【0039】また上記実施形態では、シフト連動タイプ
のクラッチ装置を例にとったが、本発明はハンドクラッ
チタイプのクラッチ装置にも勿論適用できる。
【0040】ここで、ハンドクラッチタイプのクラッチ
装置では、クラッチの小型化を図る場合、半クラッチ時
の焼き付けを防止するために潤滑油量を増やすことが有
効である。しかし、潤滑油量を増やすと摩擦板同士の貼
付きが顕著となり、クラッチの切れが悪化するという懸
念がある。これに対して、本発明では、アウタ,インナ
摩擦板同士を確実に離間させることができるので、潤滑
油量を増やした場合にもクラッチの切れが良好となり、
ひいては小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動二輪車用クラッ
チ装置を内蔵したエンジンユニットの断面図である。
【図2】上記クラッチ装置の断面背面図(図3のII-II
線断面図)である。
【図3】上記クラッチ装置のインナ摩擦板部分の断面側
面図(図2のIII-III 線断面図)である。
【図4】上記クラッチ装置のアウタ摩擦板部分の断面側
面図(図2のIV-IV 線断面図)である。
【図5】上記アウタ,インナ摩擦板の圧接状態の断面図
である。
【図6】上記実施形態の変形例を示す断面図である。
【図7】上記実施形態の他の変形例を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
2 クラッチ装置 3 変速機構 12 クランク軸 25 入力軸(後輪側) 46 アウタドラム 47 インナドラム 48 アウタ摩擦板 48b 溝 49 インナ摩擦板 49b 貫通孔 50 プレッシャプレート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸側に連結されるアウタドラム
    と、後輪側に連結されるインナドラムとの間に、上記ア
    ウタドラムとともに回転するアウタ摩擦板と上記インナ
    ドラムとともに回転するインナ摩擦板とを交互にかつ軸
    方向移動可能に配置し、上記アウタ,インナ摩擦板同士
    をプレッシャプレートにより圧接し、又は該圧接を解放
    することにより上記クランク軸の回転を後輪側に伝達
    し、又は遮断するようにした自動二輪車用クラッチ装置
    において、上記圧接の解放時に隣合う上記アウタ,イン
    ナ摩擦板の間に空気を導入するための空気導入通路を形
    成したことを特徴とする自動二輪車用クラッチ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記空気導入通路
    は、上記アウタ摩擦板に半径方向に延びて外方に開放さ
    れた溝を周方向に所定間隔あけて形成し、上記インナ摩
    擦板に多数の貫通孔を両隣りの上記アウタ摩擦板の溝に
    連通し得るよう形成することにより構成されていること
    を特徴とする自動二輪車用クラッチ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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