JP2023045336A - 給油構造及びクラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡易な構成でクラッチ装置へのオイルの供給をクラッチ操作のみに応じて調整することを可能にする構成を提供する。【解決手段】一実施形態に係る給油構造OS1はシャフト部材14に相対回転可能であるクラッチアウタ18の内側でシャフト部材14に固定されるクラッチセンタ20に対向するプレッシャープレート22と、クラッチセンタ20との間に交互に嵌挿されるクラッチ板24と、プレッシャープレート22をクラッチセンタ20側に付勢するクラッチスプリング26と、プレッシャープレート22に相対回転可能に設けられシャフト部材に差し込まれる差込部60aを備えたクラッチリフター部材60を備えたクラッチ装置10の給油構造であって、クラッチ断接の切り換えに伴うクラッチリフター部材の軸方向の移動により開口面積が変化する供給油路80がクラッチリフター部材60に形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、クラッチ装置の給油構造及びそれを備えたクラッチ装置に関する。
従来、自動二輪車などでは、動力源である内燃機関と変速機構との間にクラッチ装置が設けられている。クラッチ装置には、摩擦板及びクラッチ板をそれぞれ複数備えた多板式クラッチ装置がある。このクラッチ装置に対してオイルが過剰に供給されると、オイルの粘性による抵抗力つまり摩擦力を受けたクラッチ板には引き摺りトルクが生じる。この引き摺りトルクを低減するための構成の一例を特許文献1は開示する。特許文献1は、一対のガバナーウェイトなどの種々の部品を必要とするオイル制御機構を備え、自動二輪車が停止してクラッチが切れた状態となり変速機構の回転も停止した場合、クラッチ装置へのオイルの供給を停止し、一方、クラッチ接続の状態となり自動二輪車が走行を開始して変速機構の回転が増加した場合、変速機構の回転数(rpm)に応じた量のオイルをクラッチに供給する構成を開示する。
特許文献1が開示する構成は、複雑な構成を備えかつ多くの部品を必要とするオイル制御機構を必要とし、また、クラッチ操作のみに応じてクラッチ装置へのオイルの供給量を調整できない。本発明の目的は、クラッチ装置へのオイルの供給をクラッチ断接の切り換えのみに応じて調整することを可能にするより簡易な構成を提供することにある。
本発明の一態様は、
シャフト部材に相対回転可能に軸支されるクラッチアウタと、
該クラッチアウタの内側に配置され、前記シャフト部材に固定されるクラッチセンタと、
前記シャフト部材の軸方向において前記クラッチセンタに対向するプレッシャープレートと、
前記プレッシャープレートと前記クラッチセンタとの間に交互に嵌挿される摩擦板及びクラッチ板と、
前記プレッシャープレートを前記クラッチセンタ側に付勢するクラッチスプリングと、
前記プレッシャープレートの径方向内側において該プレッシャープレートに相対回転可能に設けられたクラッチリフター部材を備えており、
該クラッチリフター部材は前記軸方向に並ぶ差込部及び支持部を備え、前記差込部は前記シャフト部材の軸方向油路に差し込まれるように構成され、前記支持部は前記プレッシャープレートを支持するように構成され、該クラッチリフター部材はクラッチ断接の切り換えに伴い前記軸方向において動かされるように構成されているクラッチ装置の給油構造であって、
クラッチ断接の切り換えに伴う前記クラッチリフター部材の前記軸方向の移動により開口面積が変化する供給油路が、前記シャフト部材及び前記クラッチリフター部材の少なくともいずれか一方に形成されている
ことを特徴とする給油構造
を提供する。
シャフト部材に相対回転可能に軸支されるクラッチアウタと、
該クラッチアウタの内側に配置され、前記シャフト部材に固定されるクラッチセンタと、
前記シャフト部材の軸方向において前記クラッチセンタに対向するプレッシャープレートと、
前記プレッシャープレートと前記クラッチセンタとの間に交互に嵌挿される摩擦板及びクラッチ板と、
前記プレッシャープレートを前記クラッチセンタ側に付勢するクラッチスプリングと、
前記プレッシャープレートの径方向内側において該プレッシャープレートに相対回転可能に設けられたクラッチリフター部材を備えており、
該クラッチリフター部材は前記軸方向に並ぶ差込部及び支持部を備え、前記差込部は前記シャフト部材の軸方向油路に差し込まれるように構成され、前記支持部は前記プレッシャープレートを支持するように構成され、該クラッチリフター部材はクラッチ断接の切り換えに伴い前記軸方向において動かされるように構成されているクラッチ装置の給油構造であって、
クラッチ断接の切り換えに伴う前記クラッチリフター部材の前記軸方向の移動により開口面積が変化する供給油路が、前記シャフト部材及び前記クラッチリフター部材の少なくともいずれか一方に形成されている
ことを特徴とする給油構造
を提供する。
上記構成によれば、クラッチ断接の切り換えに伴うクラッチリフター部材の軸方向の移動により開口面積が変化する供給油路が、シャフト部材及びクラッチリフター部材の少なくともいずれか一方に形成されている。したがって、クラッチ断接の切り換えのみに応じてクラッチ装置へのオイルの供給を調整することが可能になる。また、上記構成によれば、そのような供給油路を備えるという簡易な構成でクラッチ装置へのオイルの供給の調整を行うことが可能になる。
好ましくは、前記クラッチリフター部材は、前記軸方向に並ぶ前記差込部、前記支持部及び係合部を備え、前記係合部は作動部材が係合するように構成され、前記クラッチリフター部材は、クラッチ切断に伴い動かされる前記作動部材により前記軸方向において前記クラッチセンタから離れる向きに動かされるように、設けられている。この構成により、クラッチ切断に伴い動かされる作動部材により、クラッチリフター部材は軸方向においてクラッチセンタから離れる向きに、シャフト部材に対して相対移動することができる。
好ましくは、前記供給油路は、クラッチ接続のときよりもクラッチ切断のときに開口面積が大きくなるように設けられている。この構成により、クラッチ接続時に必要なオイル供給量を維持した上で、クラッチ切断のとき、その開始時から開放時にかけて、オイルの供給量を増やすことが可能となる。よって、例えば、クラッチ接続状態からクラッチを切るときの、クラッチ切れを好適な状態に維持することができるとともに、クラッチの摩耗タフネスをより好適に高めることが可能になる。
好ましくは、前記クラッチリフター部材は、前記差込部側に開きかつ前記係合部側で閉じる軸方向油路を備え、前記供給油路は、前記クラッチリフター部材の前記軸方向油路に連通し、前記クラッチリフター部材の前記差込部に設けられている。この構成により、クラッチリフター部材の軸方向の移動に伴いより好適にクラッチ装置内部へのオイルの供給を調整することが可能になる。
好ましくは、前記クラッチリフター部材の前記差込部は、前記支持部から離れるに従い前記クラッチリフター部材の軸線に近づく傾斜部を備えている。この構成より、クラッチ接続のとき又は半クラッチのときにおける、クラッチリフター部材周囲からのオイルの供給量を、傾斜部を設けないときに比べて増やすことが可能になる。
好ましくは、前記供給油路は、前記シャフト部材に設けられていて、前記クラッチリフター部材の前記差込部が前記シャフト部材の前記軸方向油路を移動することにより前記シャフト部材の前記軸方向油路との連通量が変化するように設けられている。この構成により、クラッチリフター部材の移動に伴いシャフト部材に設けた供給油路の軸方向油路への連通量が変化し、例えば供給油路が軸方向油路に開いたり閉じたりすることが可能になり、よってクラッチ装置へのオイルの供給量を好適に調整することが可能になる。
好ましくは、前記クラッチリフター部材の前記差込部は、前記支持部から離れるに従い前記クラッチリフター部材の軸線に近づく傾斜部を備えていて、該傾斜部が前記供給油路からずれるように前記クラッチリフター部材は前記シャフト部材に配置されている。この構成により、クラッチ接続のときにおける、クラッチリフター部材周囲からのオイルの供給量を、傾斜部を設けないときに比べて増やすことができ、その一方でその供給量が過度になることを防ぐことが可能になる。
本発明は、上記構成のクラッチ給油構造を備えたクラッチ装置にも存する。
本発明の上記態様によれば、上記構成を備えるので、クラッチ装置へのオイルの供給をより簡易な構成で、クラッチ断接の切り換えのみに応じて調整することが可能になる。
以下、本発明に係る実施形態を添付図に基づいて説明する。同一の部品(又は構成)には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
本発明の第1実施形態に係るクラッチ装置10及びその周囲の断面図を図1に示す。クラッチ装置10はエンジンと変速機との間に設けられている。当該エンジンは、自動二輪車に搭載されていて、ここでは水冷式の多気筒4ストローク内燃機関であるが、この形式に限定されず、例えば単気筒4ストローク内燃機関であってもよい。なお、クラッチ装置10が設けられる車両は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の車両、及び、4輪以上を備えた車両であってもよい。
エンジンのクランク軸16は、車両の車幅方向でもある左右方向に指向してクランクケース12内に軸支される。クランクケース12は、クラッチケース13などと接続され、それらはクランク軸16が配置されるクランク室を形成するとともに、クランク室の後方に変速機を収容するミッション室を形成する。
変速機は、互いに噛み合う複数の変速歯車をそれぞれ軸支するメイン軸14及びカウンタ軸15を備える。メイン軸14は、クラッチ装置10を介してエンジンの駆動力が伝達されて回転される。メイン軸14及びカウンタ軸15は、エンジンのクランク軸16と平行に延びている。メイン軸14は、本発明におけるシャフト部材である。
クラッチ装置10は、クランク軸16側から変速機への駆動力の伝達を、任意に接続及び切断することが可能である。クラッチ装置10は、変速機の上記メイン軸14上に設けられる。クラッチ装置10の軸方向は、メイン軸14の軸方向に一致する。
クラッチ装置10は、所謂多板式クラッチ装置である。クラッチ装置10は、メイン軸14に相対回転可能に軸支されるクラッチアウタ18と、クラッチアウタ18の内側に配置され、メイン軸14に固定されるクラッチセンタ20と、クラッチ装置10の軸方向においてクラッチセンタ20に対向するプレッシャープレート22と、プレッシャープレート22とクラッチセンタ20との間に交互に嵌挿されて狭持され得る摩擦板24a及びクラッチ板24bと、プレッシャープレート22をクラッチセンタ20側に付勢するクラッチスプリング26と、クラッチリフター部材60とを備える。なお、以下では、摩擦板24aとクラッチ板24bとを含めて、クラッチ板24と称する場合がある。
メイン軸14上には、エンジンの駆動力が入力される入力部材28が設けられている。入力部材28は、エンジンのクランク軸16に設けられたプライマリドライブギア30に噛み合う歯車であり、プライマリドリブンギアである。入力部材28は、ここではニードルベアリングであるベアリング28aを介して、メイン軸14に相対回転可能に軸支されている。
クラッチアウタ18は、アウタ円筒部32と、アウタ円筒部32の一端を塞ぐように設けられた円板部34とを備える。このように、クラッチアウタ18は、有底円筒状である。円板部34は、その中央部をメイン軸14が貫通するように形成されていて、メイン軸14に相対回転可能に軸支される。クラッチアウタ18は、円板部34に挿通されるリベット36によって、入力部材28の外側面に一体に固定されている。すなわち、クラッチアウタ18は、入力部材28にクランク軸16の駆動力が伝達されると、メイン軸14上において、入力部材28と同期回転する。円板部34の外周縁から軸方向に延出するアウタ円筒部32は、その内側に、クラッチセンタ20、プレッシャープレート22、それらの間に交互に嵌挿される摩擦板24a及びクラッチ板24bを収容する空間を区画形成する。
クラッチセンタ20は、中央部がメイン軸14に固定されてクラッチアウタ18の円板部34に対向するように配置される円板状のベース部38と、クラッチアウタ18のアウタ円筒部32と同軸にベース部38からクラッチ装置10の軸線10Aの方向つまり軸方向に延出するセンタ円筒部40と、ベース部38の外周部から径方向外側に延出するフランジ状の受圧部42と、センタ円筒部40の内側でベース部38からクラッチ装置10の軸方向に延出する複数のクラッチセンタ側ボス部44とを備える。クラッチセンタ20は、ベース部38がメイン軸14に相対回転を規制されてその中央部が軸支されていてつまりメイン軸14に固定されており、メイン軸14と同期回転する。また、クラッチセンタ20は、メイン軸14の軸方向つまりクラッチ装置10の軸方向に移動不能に固定されている。
クラッチセンタ側ボス部44は、クラッチセンタ20の周方向に互いに等間隔で複数設けられている。ここでは、3つのクラッチセンタ側ボス部44が設けられているが、クラッチセンタ側ボス部44の数はこれに限定されない。クラッチセンタ側ボス部44は、図1において、クラッチセンタ20のクラッチアウタ18の円板部34側とは反対側に延出する。
また、クラッチセンタ20は、複数のクラッチセンタ側ボス部44の先端面に取り付けられるストッパプレート46を備える。ストッパプレート46は、クラッチセンタ側ボス部44の先端面に挿通されるボルト48によって、クラッチセンタ側ボス部44に固定されている。
プレッシャープレート22は、円板状の板部50と、板部50からクラッチセンタ20側へクラッチ装置10の軸方向に延出する複数の筒状部52と、筒状部52の径方向外側において板部50の外周部に形成されて受圧部42に対向する加圧部54とを備える。筒状部52は、クラッチスプリング収容部に相当する。
プレッシャープレート22の板部50の中央部には、メイン軸14が挿通される貫通孔を定める筒状ボス部55が設けられている。その筒状ボス部55の内径側には、図1に示すようにベアリング保持部55hが設けられ、そこにベアリング56が設けられる。筒状ボス部55の内径側において突出すように設けられるベアリング保持部55hは、プレッシャープレート22においてクラッチセンタ20側ではなく、その反対側に位置付けられている。
筒状部52は、筒状の収容空間形成面52fを有する。この収容空間形成面52fにより、クラッチスプリング26を収容する収容空間52sが区画形成される。ここでは、収容空間52sは孔である。図1のクラッチ装置10においてプレッシャープレート22のクラッチセンタ20側に位置する筒状部52の先端部には、収容空間52sに張り出すように筒状部52の径方向内側に延びるフランジ状のスプリング座面52aが形成されている。筒状部52には、更に、筒状部52の先端を軸方向に貫通する貫通孔52bが形成されている。スプリング座面52aにクラッチスプリング26の一端が接するように、収容空間52sにクラッチスプリング26は配置される。
プレッシャープレート22は、各筒状部52の貫通孔52bにクラッチセンタ20の各クラッチセンタ側ボス部44が挿通された状態で、クラッチセンタ20に組み付けられている。プレッシャープレート22は、クラッチ装置10の軸方向に移動可能である。また、プレッシャープレート22は、貫通孔52b内をクラッチセンタ側ボス部44が移動可能な範囲内において、クラッチセンタ20に対して相対回転可能である。
クラッチスプリング26はコイルスプリングである。クラッチスプリング26の内周部にクラッチセンタ側ボス部44が挿通された状態で、クラッチスプリング26は収容空間52sに配置されるつまり収容される。クラッチスプリング26は、一端26aがプレッシャープレート22のスプリング座面52aに当接し、他端26bがストッパプレート46に当接するように、クラッチセンタ20に保持される。なお、クラッチ装置10では3つのクラッチセンタ側ボス部44が設けられているので、3つのクラッチスプリング26が用いられる。本開示は、クラッチスプリング26の数を限定せず、1つ以上幾つでもよいが、好ましくは複数のクラッチスプリング26が用いられ得る。
クラッチ板24つまり摩擦板24aとクラッチ板24bとは、クラッチアウタ18のアウタ円筒部32とクラッチセンタ20のセンタ円筒部40との間の環状空間CSに配置されるとともに、受圧部42と加圧部54との間に挟まれる。リング状に形成された駆動側クラッチ板である摩擦板24aは、その外周縁に複数形成された外周突部がクラッチアウタ18のアウタ円筒部32の内周面に軸方向に指向して周方向に複数形成された溝条に摺動自在に係合し、クラッチ装置10の軸方向に移動可能であるとともに、クラッチアウタ18とともに一体的に回転する。リング状に形成された被動側クラッチ板であるクラッチ板24bは、その内周縁に複数形成された内周突部がクラッチセンタ20のセンタ円筒部40の外周面に軸方向に指向して周方向に複数形成された溝条に摺動自在に係合し、クラッチ装置10の軸方向に移動可能であるとともに、クラッチセンタ20とともに一体的に回転する。摩擦板24aとクラッチ板24bとは、交互に軸方向に積層して、それぞれ複数枚が配置されている。
クラッチスプリング26は、加圧部54と受圧部42とでクラッチ板24を圧着する方向、すなわち、クラッチ接続方向にプレッシャープレート22を付勢している。図1に示す状態は、クラッチ接続状態であり、クラッチ板24がクラッチスプリング26の付勢力により軸方向に押圧されることで、クラッチアウタ18とクラッチセンタ20とが摩擦板24aとクラッチ板24bとの摩擦によって接続されている。クラッチ接続状態では、クラッチセンタ20及びプレッシャープレート22は一体に回転する。
詳細には、クラッチ接続状態では、エンジンの駆動力は、入力側から順に、入力部材28、クラッチアウタ18、摩擦板24a、クラッチ板24b、クラッチセンタ20、及び、メイン軸14の順番で伝達される。その後、エンジンの駆動力は、メイン軸14からカウンタ軸及び駆動チェーンを経て、駆動輪である後輪に伝達される。
図1に示すように、メイン軸14は中空に形成されていて、その内部に軸方向に延びる油路(軸方向油路)となる軸孔14hを区画形成する。エンジンが稼動してクランク軸16が回転しているときに、オイルポンプであるスカベンジポンプPが駆動されて、図1に示すようにメイン軸14の軸孔14hに導入されたオイルは、例えば軸孔14hから径方向に分岐した枝孔14hhに分流して、メイン軸14上の複数の変速歯車の各軸支部に供給されるとともに、クラッチアウタ18を支持するプライマリドリブンギアである入力部材28の軸支部であるニードルベアリング28aにも供給される。
中空に形成されたメイン軸14のクラッチ装置10側の先端部には、クラッチリフター部材60が軸方向に移動可能に差し込まれている。図1に示すように、メイン軸14と同芯にクラッチリフター部材60は設けられている。つまり、クラッチ装置10において、クラッチリフター部材60の軸線60xは、クラッチ装置10の軸線10Aに一致する。なお、クラッチリフター部材60の以下で説明する差込部60aは、メイン軸14の軸孔14hにおいて周方向に回転しないように軸方向に延びる平面を有し、所謂断面D型を有している。メイン軸14の軸孔14hもその差込部60aの形状に対応する形状を有する。しかし、差込部60a等の形状はこれに限定されるものではない。
クラッチリフター部材60は、ほぼ円柱状である棒状の部材である。そして、クラッチリフター部材60は、一端が閉じられた中空の部材でもあり、軸方向油路60fをそこに区画形成する。クラッチリフター部材60は、クラッチ装置10の軸方向に順に並ぶ差込部60a、支持部60b及び係合部60cを備える。
差込部60aは、メイン軸14の軸方向油路つまり軸孔14hに差し込まれるように構成されていて、特に軸孔14hの内壁面に沿って摺動するように寸法付けされている。支持部60bはプレッシャープレート22を支持するように、つまり軸支するように構成されている。ここでは、支持部60bは、差込部60aよりも径方向に拡張した部分であり、差込部60aがメイン軸14に差し込まれているとき、支持部60bの少なくとも一部はメイン軸14の端面14aに面するように構成されている。つまり、支持部60bは、メイン軸14の軸孔14hに挿入不可能な寸法を有し、非差込部と称され得る。この支持部60bには、ベアリング保持部60eが設けられ、そのベアリング保持部60eにはプレッシャープレート22のベアリング保持部55hに設けられる前述のベアリング56が嵌合する。したがって、クラッチリフター部材60はプレッシャープレート22の径方向内側においてプレッシャープレート22に相対回転可能であり、プレッシャープレート22をベアリング56を介して支持する。係合部60cは、作動部材である作動ロッド62が係合するように構成されている。具体的には、係合部60cはここで環状にかつ径方向に突出する突出部60dを備えている。突出部60dは係合部60cの先端つまり係合部60cにおける支持部60bとは反対側の端部に設けられている。なお、突出部60dは環状であることに限定されず、例えば周方向の一部にのみ延びてもよい。
図2に示すように、運転者によるクラッチレバー64に対する矢印A1方向への操作によって手動式レリーズ機構66が作動し、クラッチリフター部材60がメイン軸14の軸方向に動かされる。手動式レリーズ機構66は、クラッチレバー64に一端がつながるクラッチケーブル68と、クラッチケーブル68の他端がつながるアーム部材72とを備える。アーム部材72には前述の作動ロッド62の一端が接続されている。図2に示すように二点破線の状態から実線の状態に向けてクラッチレバー64が動かされると、クラッチケーブル68がクラッチレバー64側に引かれ、これによりアーム部材72が作動ロッド62の中心軸62A周りにクラッチレバー64の動きに応じた所定範囲で回転する。作動ロッド62には、クラッチリフター部材60の係合部60cに係合することができる爪部74が設けられている。この爪部74は、クラッチレバー64を切断方向へ動かすことで生じる作動ロッド62の回転に応じて係合部60cに作用し、クラッチリフター部材60を軸方向においてクラッチ切断の方向に移動させるように構成されている。したがって、クラッチリフター部材60はクラッチ切断に伴い動かされる作動部材である作動ロッド62により軸方向においてクラッチセンタ20から離れる向きに動かされる。なお、作動ロッド62は、図1から明らかなようにケース部材、ここではクラッチケース13内の所定箇所にその軸線62A周りにのみ実質的に回転可能なように設けられている。
クラッチレバー64の操作によりクラッチリフター部材60が軸方向において図1中右側に動かされることで、クラッチリフター部材60とプレッシャープレート22との相対回転を許容するベアリング56を介してプレッシャープレート22が押圧される。つまり、クラッチリフター部材60の移動に伴いプレッシャープレート22がクラッチスプリング26の付勢力に抗してクラッチ接続方向(図1において紙面右側から左側)とは反対のクラッチ切断方向(図1において紙面左側から右側)に移動させられると、クラッチ装置10は、クラッチ切断状態となる。クラッチ切断状態では、クラッチスプリング26の付勢力によるクラッチ板24の押圧が解除され、クラッチアウタ18からクラッチセンタ20に駆動力が伝達されなくなる。
一方、例えば運転者がクラッチレバー64から手を離すことでクラッチレバー64が図2に2点破線で示す位置に戻り、クラッチスプリング26の付勢力でプレッシャープレート22はクラッチセンタ20側に押圧されるようになり、クラッチ装置10はクラッチ接続状態になる。このとき、クラッチスプリング26の付勢力で、クラッチリフター部材60つまりその差込部60aは、作動ロッド62の爪部74及びアーム部材72をクラッチ切断方向とは反対向きのクラッチ接続方向に動かしつつ、メイン軸14の軸孔14h内に進む。
なお、クラッチ装置10は、アシスト・スリッパークラッチ(A/Sクラッチ)の構成を備え、具体的にはクラッチセンタ20とプレッシャープレート22との前述の相対回転の回転差をクラッチ装置10の軸方向の移動に変換するカム機構63を備える。カム機構63は、クラッチセンタ側カム部63aと、プレッシャープレート側カム部63bとを備える。複数のクラッチセンタ側カム部63aはクラッチセンタ20に設けられ、複数のプレッシャープレート側カム部63bはプレッシャープレート22に設けられている。クラッチセンタ側カム部63aとプレッシャープレート側カム部63bとは、対向して互いに摺動可能に組み合わされるように、設計されている。
さて、上記構成のクラッチ装置10において、そこへの給油を、例えばクラッチ板24つまり摩擦板24aとクラッチ板24bとへの給油をより効果的に行うように、クラッチ装置10の給油構造OS1は、更なる油路である油路(以下、供給油路)80を備える。供給油路80は、以下の説明から明らかなように、クラッチ接続とクラッチ切断つまりクラッチ断接の切り換えに伴う作動ロッド62の作動によりその開口面積が変化するように形成されている。なお、給油構造OS1は、ポンプPからのオイルが供給されるメイン軸14hの軸孔14hである軸方向油路を備える。
ここで、図1におけるクラッチリフター部材60周囲の拡大図を図3に示す。また、図3のクラッチ接続状態から、クラッチ切断時にクラッチリフター部材60がメイン軸14の軸方向に動かされた状態を図4に示す。なお、図3及び図4では、前述のアーム部材72を二点破線で重ねて示す。
クラッチ装置10では、供給油路80は、クラッチリフター部材60に形成されている。クラッチリフター部材60は、図1、図3及び図4に示すように、差込部60a側に開きかつ係合部60c側で閉じる軸方向油路60fが形成されている。この軸方向油路60fは、クラッチリフター部材60の差込部60aがメイン軸14に差し込まれているとき、その軸方向油路である軸孔14hに連通するので、オイルが満たされ得る。ここでは、軸方向油路60fは差込部60aにおいて端から端まで延び、支持部60bにまでクラッチリフター部材60において延びている。供給油路80は、クラッチリフター部材60の軸線60xの方向つまり軸方向に直交する径方向油路として形成されているが、これに限定されず、例えば軸方向に斜めに延びる油路であってもよい。そして、供給油路80は、一端がクラッチリフター部材60の外周面に開き、他端がクラッチリフター部材60の軸方向油路60fに連通するように形成されている。この供給油路80は、クラッチリフター部材60の差込部60aに設けられていて、特にここでは差込部60aにおける支持部60b近傍に設けられている。したがって、供給油路80は、クラッチ接続時つまりクラッチ接続状態においてメイン軸14の軸方向油路に位置し、そのメイン軸14の軸孔14hの内壁面により覆われて閉じる。
一方、図4に示すように、前述のようにクラッチ切断時にクラッチリフター部材60が軸方向に移動することに伴い、供給油路80はメイン軸14の軸孔14hから出ることができる。これにより、供給油路80は開くようになる。つまり、供給油路80は、クラッチ接続のときよりもクラッチ切断のときに開くように、つまりその開口面積が大きくなるように設けられている。図4では、供給油路80は部分的に開いているが、クラッチ切断時にその全部が開くように構成されてもよい。クラッチレバー64の可動範囲、手動式レリーズ機構66の構成、爪部74の形状などは、クラッチ断接に伴うクラッチリフター部材60の移動量、供給油路80の大きさ及び形状、クラッチ切断時の供給油路80の開口面積などに応じて設計されるとよい。なお、図4では供給油路80は、クラッチセンタ20とプレッシャープレート22との間の領域又は空間に開口する。
上記構成のクラッチ装置10は、前述のようにクラッチ断接の切り換えに伴うクラッチリフター部材60の移動により開口面積が変化する供給油路80を備えた給油構造OS1が設けられている。したがって、クラッチ装置10では、クラッチ装置10へのオイルの供給をより簡易な構成で、クラッチ断接の切り換えのみに応じて調整することが可能になる。
特に、クラッチ装置10の給油構造OS1では、クラッチ接続状態のとき供給油路80は閉じられ、クラッチ切断に伴い供給油路80は開かれる。クラッチ切断に伴い供給油路80は開かれるので、クラッチ装置10へのオイルの供給を好適に行うことが可能になる。より詳しくは、クラッチ接続時に必要なオイル供給量を維持した上で、クラッチ切断のとき、その開始時から開放時にかけて、オイルの供給量を増やすことが可能となる。よって、例えば、クラッチ接続状態からクラッチを切るときの、クラッチ切れを好適な状態に維持することができるとともに、クラッチの摩耗タフネスを好適に向上させることができる。
なお、クラッチリフター部材60は上記構成に限定されず、例えば軸方向において係合部60cを差込部60aと支持部60bとの間に有してもよい。また、クラッチリフター部材60は係合部60cを備えないことも可能である。この場合、作動ロッド62以外の部材又は機構を用いて、クラッチ断接の切り換えに伴いクラッチリフター部材60の軸方向移動がなされるとよい。これは、以下に説明する第2実施形態においても同様である。
次に本発明の第2実施形態に係るクラッチ装置110について説明する。以下では、クラッチ装置110における第1実施形態に係るクラッチ装置10との相違点について主に説明し、その他の既に説明した構成又はそれに相当する構成については既に用いた符号を同様に用いてそれらの重複説明を省略する。
クラッチ装置110及びその周囲の断面図を図5に示す。また、図5におけるクラッチ装置110のクラッチリフター部材112周囲の拡大図を図6に示し、クラッチ切断時のクラッチリフター部材112周囲の拡大図を図7に示す。なお、クラッチリフター部材112は、クラッチリフター部材60と同様に、差込部112a、ベアリング保持部112eを有する支持部112b及び突出部112dを備える係合部112cを備えるが、前述の軸方向油路60fに相当する構成を備えない。差込部112a、ベアリング保持部112eを有する支持部112b及び突出部112dを備える係合部112cは、差込部60a、ベアリング保持部60eを有する支持部60b及び突出部60dを備える係合部60cのそれぞれに相当する。
第2実施形態のクラッチ装置110の給油構造OS2では、上記供給油路80の代わりに、油路つまり供給油路114が、シャフト部材であるメイン軸14に設けられている。供給油路114は枝孔14hhよりもクラッチリフター部材112側に位置付けられている。供給油路114は、軸方向においてクラッチアウタ18より具体的にはその円板部34と、プレッシャープレート22より具体的にはその板部50との間に位置し、特にここではクラッチセンタ20の径方向内側に位置付けられている。供給油路114は径方向油路であり、クラッチ装置110の軸線110A方向に延びるメイン軸14の軸孔14hに連通することができ、メイン軸14の外周面に開くように形成されている。
供給油路114は、クラッチリフター部材112の差込部112aがシャフト部材14の軸孔14hを移動することによりシャフト部材14の軸孔14hつまり軸方向油路との連通量が変化するように、つまりその開口面積が変化するように設けられている。具体的には、供給油路114は、図5及び図6に示すように、クラッチ接続状態つまりクラッチ接続時にクラッチリフター部材112の差込部112aつまりその外周面で実質的に塞がれる位置に設けられている。そして、供給油路114は、第1実施形態において説明したようにクラッチ切断時にクラッチリフター部材112が軸方向に移動されることに伴い差込部112aの軸孔14hへの差込量が減少することで開くように、つまり供給油路114の開口面積が増加するような箇所に位置付けられている。
したがって、クラッチ装置110の給油構造OS2によれば、前述のようにクラッチ断接の切り換えに伴うクラッチリフター部材112の移動により開口面積が変化する供給油路114が設けられているので、クラッチ装置110へのオイルの供給をより簡易な構成で、クラッチ操作のみに応じて調整することが可能になる。
ここで、図8にクラッチリフター部材112の正面図つまり図5に示す向きと同じ向きのクラッチリフター部材112を示し、図9にクラッチリフター部材112の下面図を示す。クラッチ装置110では、クラッチリフター部材112は、差込部112a、ベアリング保持部112eを有する支持部112b及び突出部112dを備える係合部112cを備えることに加えて、傾斜部116を備えている。傾斜部116は、差込部112aに設けられ、支持部112bから離れるに従いクラッチリフター部材112の軸線112xに近づくように形成されている。ここでは、傾斜部116は平面であり、図9に示すように支持部112bから離れるに従い傾斜部116の面積が増加するように構成されている。しかし、傾斜部116は平面であることに限定されず、例えば湾曲面であってもよい。なお、第1実施形態のクラッチ装置10における断面D型のクラッチリフター部材60の平らな面を傾斜面にすることで、クラッチリフター部材112では傾斜部116が形成されている。
この傾斜部116が供給油路114に重ならないようにつまりずれるように、クラッチリフター部材112はクラッチ装置110のメイン軸14の軸孔14hに配置される。図5から図7に示すように、傾斜部116を設けることにより、クラッチリフター部材112の差込部112aの外面とメイン軸14の軸孔14hの内壁面との間に隙間ができる。これにより、クラッチリフター部材112の差込部112aを単に断面D型にする場合に比して、メイン軸14に供給されたオイルはクラッチリフター部材112の差込部112aの外面、特に傾斜部116とメイン軸14の軸孔14hとの間からクラッチ装置110内に漏れて供給され易くなる。したがって、図5及び図6に示すクラッチ接続状態又は半クラッチの状態においても、クラッチ装置10内にオイルをより好適に供給し続けることができる。よって、例えば半クラッチの状態でのクラッチ板24の摩耗タフネスを向上させることができる。一方で、傾斜部116を設けることで、クラッチ接続状態又は半クラッチの状態におけるオイルの供給量が過度になることを防ぐことも可能になる。
なお、この傾斜部116は、第1実施形態のクラッチ装置10のクラッチリフター部材60においても同様に適用されるとよい。クラッチ装置10に傾斜部116を適用する場合、図3に破線で示すように傾斜部116は供給油路80と重ならないように供給油路80からずれてクラッチリフター部材60に設けられるとよい。
また、第1実施形態のクラッチ装置10においてクラッチリフター部材60に設けられた供給油路80と、第2実施形態のクラッチ装置110においてメイン軸14に設けられた供給油路114とをともに備えてクラッチ装置は構成されてもよい。このとき、例えば、供給油路80は第1供給油路と称され、供給油路114は第2供給油路と称されてもよい。また、このとき、上記傾斜部116もクラッチリフター部材に設けられることができる。このとき、傾斜部116は、上記のように、供給油路80及び供給油路114のそれぞれからずれて設けられるとよい。なお、クラッチリフター部材に設けられる供給油路の数は1つに限定されず、複数でもよい。例えば1つのクラッチリフター部材60に複数の供給油路80が設けられるとき、複数の供給油路80は周方向にずらされるとよく、軸方向にずらされてもよい。同様に、シャフト部材であるメイン軸14に設けられる供給油路の数は1つに限定されず、複数でもよい。メイン軸14に複数の供給油路114が設けられるとき、複数の供給油路114は周方向にずらされるとよく、更に軸方向にずらされてもよい。
以上、本発明に係る実施形態及びその変形例について説明したが、本発明はそれらに限定されない。本願の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、種々の置換、変更が可能である。
なお、本発明に係る給油構造は、上記構成の多板式クラッチ装置に適用されることに限定されず、種々の構成を備えるクラッチ装置に適用され得る。
10、110…クラッチ装置、14…メイン軸(シャフト部材)、16…クランク軸
18…クラッチアウタ、20…クラッチセンタ、22…プレッシャープレート、
24a…摩擦板、24b…クラッチ板、26…クラッチスプリング、46…ストッパプレート
60、112…クラッチリフター部材、80、114…供給油路、OS1、OS2…給油構造
18…クラッチアウタ、20…クラッチセンタ、22…プレッシャープレート、
24a…摩擦板、24b…クラッチ板、26…クラッチスプリング、46…ストッパプレート
60、112…クラッチリフター部材、80、114…供給油路、OS1、OS2…給油構造
Claims (8)
- シャフト部材(14)に相対回転可能に軸支されるクラッチアウタ(18)と、
該クラッチアウタ(18)の内側に配置され、前記シャフト部材(14)に固定されるクラッチセンタ(20)と、
前記シャフト部材(14)の軸方向において前記クラッチセンタ(20)に対向するプレッシャープレート(22)と、
前記プレッシャープレート(22)と前記クラッチセンタ(20)との間に交互に嵌挿される摩擦板(24a)及びクラッチ板(24b)と、
前記プレッシャープレート(22)を前記クラッチセンタ(20)側に付勢するクラッチスプリング(26)と、
前記プレッシャープレート(22)の径方向内側において該プレッシャープレート(22)に相対回転可能に設けられたクラッチリフター部材(60、112)を備えており、
該クラッチリフター部材(60,120)は前記軸方向に並ぶ差込部(60a,112a)及び支持部(60b,112b)を備え、前記差込部(60a,112a)は前記シャフト部材(14)の軸方向油路に差し込まれるように構成され、前記支持部(60b,112b)は前記プレッシャープレート(22)を支持するように構成され、該クラッチリフター部材(60,112)はクラッチ断接の切り換えに伴い前記軸方向において動かされるように構成されているクラッチ装置(10,110)の給油構造(OS1,OS2)であって、
クラッチ断接の切り換えに伴う前記クラッチリフター部材(60,112)の前記軸方向の移動により開口面積が変化する供給油路(80,114)が、前記シャフト部材(14)及び前記クラッチリフター部材(60)の少なくともいずれか一方に形成されている
ことを特徴とする給油構造(OS1,OS2)。 - 前記クラッチリフター部材(60、112)は、前記軸方向に並ぶ前記差込部(60a、112a)、前記支持部(60b、112b)及び係合部(60c、112c)を備え、前記係合部(60c、112c)は作動部材(62)が係合するように構成され、
前記クラッチリフター部材(60、112)は、クラッチ切断に伴い動かされる前記作動部材(62)により前記軸方向において前記クラッチセンタ(20)から離れる向きに動かされるように、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の給油構造(OS1,OS2)。 - 前記供給油路(80,114)は、クラッチ接続のときよりもクラッチ切断のときに開口面積が大きくなるように設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給油構造(OS1,OS2)。 - 前記クラッチリフター部材(60)は、前記差込部(60a)側に開きかつ前記係合部(60c)側で閉じる軸方向油路(60f)を備え、
前記供給油路(80)は、前記クラッチリフター部材(60)の前記軸方向油路(60f)に連通し、前記クラッチリフター部材(60)の前記差込部(60a)に設けられている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の給油構造(OS1)。 - 前記クラッチリフター部材(60)の前記差込部(60a)は、前記支持部(60b)から離れるに従い前記クラッチリフター部材(60)の軸線に近づく傾斜部(116)を備えている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の給油構造(OS1)。 - 前記供給油路(114)は、前記シャフト部材(14)に設けられていて、前記クラッチリフター部材(112)の前記差込部(112a)が前記シャフト部材(14)の前記軸方向油路を移動することにより前記シャフト部材(14)の前記軸方向油路との連通量が変化するように設けられている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の給油構造(OS2)。 - 前記クラッチリフター部材(112)の前記差込部(112a)は、前記支持部(112b)から離れるに従い前記クラッチリフター部材(112)の軸線(112x)に近づく傾斜部(116)を備えていて、
該傾斜部(116)が前記供給油路(114)からずれるように前記クラッチリフター部材(112)は前記シャフト部材(14)に配置されている
ことを特徴とする請求項6に記載の給油構造(OS2)。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の給油構造(OS1,OS2)を備えた
ことを特徴とするクラッチ装置(10,110)。
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Patent Citations (2)
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