JP2003222096A - 磁気軸受式ターボ分子ポンプ - Google Patents
磁気軸受式ターボ分子ポンプInfo
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Abstract
ンス性の良い磁気軸受式ターボ分子ポンプの提供。 【解決手段】 磁気軸受16によりロータ4を磁気浮上
させる磁気軸受式ターボ分子ポンプにおいて、電圧セン
サ13により停電時の電力供給停止が検出されると、イ
ンバータ制御回路9は通常運転におけるモータ駆動制御
から回生制御へと制御を切り換えてロータ4の磁気浮上
を維持させる。回生制御においては、磁気軸受16の励
磁電流を制御してロータ4の浮上位置を落下方向の保護
ベアリング17へと近づける。その結果、回生電力によ
る磁気浮上が停止してタッチダウンした際の、保護ベア
リング17への衝撃を軽減することができる。
Description
分子ポンプに関する。
備えており、回転翼が設けられた回転体をモータで高速
回転することにより真空排気を行っている。特に磁気軸
受方式のターボ分子ポンプでは、回転体を磁気軸受によ
り磁気浮上させることによって低振動やオイルフリー等
の向上を図っている。なお、磁気軸受式ターボ分子ポン
プでは、磁気軸受による磁気浮上が行われていないとき
の回転体を支持するために、機械式の保護ベアリングが
設けられている。
分子ポンプへの電力供給が停止すると、磁気軸受による
回転体の支持ができなくなる。そのため、従来の磁気軸
受式ターボ分子ポンプでは電源装置にバッテリが設けら
れていて、停電等の緊急時にはバッテリから磁気軸受に
給電して回転体を磁気浮上させるようにしている。ま
た、最近では、バッテリの搭載を省略し、停電時にはモ
ータを減速駆動することにより得られる回生電力を用い
て、回転体を磁気浮上させるようにしている。
は、回転体がほぼ回転停止状態または低速回転状態(数
10rpm程度)になってから保護ベアリングに落下
(以下ではタッチダウンと呼ぶことにする)させるよう
にしている。しかし、停電時にバッテリまたは回生電力
により磁気軸受を作動させて停止する場合には、低速回
転となる前の数1000rpmとなった時点で保護ベア
リングにタッチダウンさせている。なぜならば、バッテ
リ駆動の場合には、バッテリ容量の関係で回転体がほぼ
停止するまで磁気浮上を維持するのが難しいためであ
り、回生電力を利用する場合には、回転速度が低下する
に従って回生電力も減少することに起因している。例え
ば、6000rpm程度まで減速すると磁気浮上を維持
するのに必要な回生電力が得られなくなるため、磁気浮
上を終了して保護ベアリング上にタッチダウンさせてい
る。
ッチダウンは保護ベアリングに大きな衝撃を与えるた
め、タッチダウンが許容回数を超えた場合には交換が必
要となる。そのため、停電が頻繁に起こるような使用環
境では、保護ベアリング交換の間隔が短くなってオーバ
ーホールの回数が増加するという不都合があった。特
に、大型のターボ分子ポンプの場合には保護ベアリング
の寿命が小型のものに比べて短くなるため、頻繁にオー
バーホールを実施する必要がある。
向上させ、メンテナンス性の良い磁気軸受式ターボ分子
ポンプを提供することにある。
図3に対応付けて説明する。 (1)請求項1の発明は、回転体4を磁気浮上させる磁
気軸受装置11,16と、磁気軸受装置11,16が動
作していないときに回転体4を支持する保護ベアリング
17と、外部電源3から供給される電力により磁気軸受
装置11,16を動作させて回転体4を磁気浮上させる
通常運転モードと、回転体4の減速回転時における回生
電力により磁気軸受装置11,16を動作させて回転体
4を磁気浮上させる回生運転モードとを備える磁気軸受
式ターボ分子ポンプに適用され、回生運転モード時に、
回転体4と保護ベアリング17との間の落下方向のギャ
ップが通常運転モード時よりも小さくなるように回転体
4の磁気浮上位置を変更する制御装置11を設けたこと
により上述の目的を達成する。 (2)請求項2の発明は、請求項1に記載の磁気軸受式
ターボ分子ポンプにおいて、回生電力の電圧が磁気軸受
装置11,16による磁気浮上が不能となる磁気浮上不
能電圧に低下する前に、磁気浮上位置を所定位置まで移
動するようにしたものである。 (3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の磁
気軸受式ターボ分子ポンプにおいて、外部電源3からの
電力供給の停止を検出するセンサ13を備え、センサ1
3の検出により回生運転モードを起動するようにしたも
のである。 (4)請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記
載の磁気軸受式ターボ分子ポンプにおいて、磁気軸受装
置11,16に供給される電力の電圧を検出する電圧セ
ンサ14を備え、電圧センサ14の検出電圧が所定値以
下の場合に回生運転モードを起動するようにしたもので
ある。 (5)請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記
載の磁気軸受式ターボ分子ポンプにおいて、ターボ分子
ポンプ1の設置姿勢を検出する姿勢検出装置11,16
を備え、姿勢検出装置11,16の検出結果に基づいて
回転体の磁気浮上位置の変更を行うようにしたものであ
る。
では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態
の図を用いたが、これにより本発明が発明の実施の形態
に限定されるものではない。
の形態を説明する。図1は磁気軸受式ターボ分子ポンプ
のポンプ本体1を示す断面図である。ケーシング20の
内部には、複数段のロータ翼21およびネジ溝部22が
形成されたロータ4と、ロータ翼21に対して交互に配
設されるステータ翼23と、上記ネジ溝部22と対向す
るように配設される筒状部材24とが設けられている。
ロータ4はラジアル電磁石51,52およびアキシャル
電磁石53の吸引力により非接触支持され、これらの電
磁石51〜53は後述するように5軸制御型磁気軸受を
構成している。
およびアキシャル電磁石53に対応して、ラジアル変位
センサ71,72およびアキシャル変位センサ73が設
けられており、これらの変位センサ71〜73によりロ
ータ4の支持位置が検出される。ロータ翼21およびネ
ジ溝部22が形成されたロータ4を、電磁石51〜53
により非接触支持しつつモータ6により回転駆動する
と、吸気口側のガスは矢印G1のように背圧側(空間S
1)に排気され、背圧側に排気されたガスは排気口フラ
ンジ26に接続された補助ポンプによりポンプ本体外へ
排気される。磁気軸受が作動していない場合には、ロー
タ4は保護ベアリング27,28により支持される。
り、ロータ4の回転軸Jがz軸に一致するように示し
た。図2に示すように、図1のラジアル電磁石51は、
4つの電磁石51a,51b,51c,51dで構成さ
れている。電磁石51a,51bはそれぞれx軸に沿っ
たX1−方向、X1+方向に配設され、電磁石51c,51
dはそれぞれy軸に沿ったY1−方向、Y1+方向に配設さ
れている。同様に、ラジアル電磁石52も4つの電磁石
52a,52b,52c,52dで構成されており、電
磁石52a,52bはそれぞれx軸に沿ったX2−方向、
X2+方向に配設され、電磁石52c,52dはそれぞれ
y軸に沿ったY2−方向、Y2+方向に配設されている。ま
た、アキシャル電磁石53は、ロータ4の下端に設けら
れたディスク41をz軸に沿って挟むように対向して配
設された電磁石53a,53bから成る。電磁石53
a,53bは、それぞれz軸に沿ったZ−方向、Z+方向
に配設される。
(51c,51d),(52a,52b),(52c,
52d),(53a,53b)により5軸制御型磁気軸
受が構成されている。なお、図2には図示していない
が、図1の変位センサ71,72は電磁石(51a,5
1b),(51c,51d),(52a,52b),
(52c,52d)に対応してそれぞれ2組のラジアル
変位センサで構成されている。
の駆動制御回路を説明するブロック図である。ターボ分
子ポンプはポンプ本体1と電源装置2とで構成される。
電源装置2には一次電源3から交流電力が供給される。
図3において、磁気軸受16は、図2に示した電磁石
(51a,51b),(51c,51d),(52a,
52b),(52c,52d),(53a,53b)と
図1のセンサ71,72,73で構成されている。同様
に、保護ベアリング17は、図1の保護ベアリング2
7,28で構成される。
5に入力される交流電力の電圧を検出する。AC/DC
コンバータ5は、一次電源3から供給された交流電力を
直流電力に変換する。AC/DCコンバータ5から出力
された直流電力は、モータ6を駆動する3相インバータ
8とDC/DCコンバータ7に入力される。電圧センサ
14は、DC/DCコンバータ7に入力される直流電力
の電圧を検出する。DC/DCコンバータ7の出力は、
3相インバータ8をPWM制御等で制御するインバータ
制御回路9、および磁気軸受16による浮上制御の制御
を行う磁気軸受制御回路11のそれぞれに入力される。
回転体4の単位時間当たりの回転数は回転数センサ18
により検出され、インバータ制御回路9は回転数センサ
18の検出結果に基づいて3相インバータ8を制御す
る。
センサ71〜73の出力信号に基づいて電磁石51〜5
3の励磁電流を制御し、ロータ4を所定位置に磁気浮上
させる。通常運転の際にはロータ4を保護ベアリング2
7,28の中心に支持するように制御されるが、さらに
各電磁石51〜53の励磁電流を調整することによって
ロータ4の浮上位置を自在に変更することができる。イ
ンバータ制御回路9は、3相インバータを制御してポン
プ本体1のモータ6を回転駆動するとともに、スイッチ
ング素子として機能するトランジスタ12の動作を制御
するトランジスタ制御回路19もコントロールしてい
る。インバータ制御回路9と磁気軸受制御回路11とは
個別のCPUで構成されることもあるし、一つのCPU
に両方の機能を持たせることもある。
電等により磁気軸受回路への電力供給が停止する異常事
態の場合には、従来の磁気軸受式ターボ分子ポンプと同
様にロータ減速による回生電力を利用して磁気浮上を維
持させる。そして、従来のポンプでは、回生電力はロー
タ回転の減速とともに小さくなるので、磁気浮上を維持
できなくなった時点でロータが保護ベアリング上にタッ
チダウンするようにしている。
でのロータ浮上位置を示す図である。縦軸はロータ落下
方向に関する保護ベアリングとロータとのギャップ量Δ
gを表しており、横軸は時間tを表している。すなわ
ち、Δgは、ポンプ本体が正立姿勢の場合にはスラスト
方向のギャップ量を表し、水平姿勢の場合にはラジアル
方向のギャップ量を表す。従来のターボ分子ポンプの場
合には、破線L1で示すように停電発生(t1)後もギ
ャップ量Δgが一定(Δg0)となるように制御され、
磁気浮上が維持できなくなった時点(t4)で保護ベア
リング上にタッチダウンさせている。Δg0は、ロータ
が中心位置に浮上制御されているときのギャップ量であ
る。
は、磁気浮上を維持した後に、実線L2のように制御す
る。すなわち、時刻t2以後はギャップ量Δgが小さく
なるようにロータ4の浮上位置を徐々に保護ベアリング
に近づけ、ロータ4と保護ベアリングとのギャップ量Δ
gを十分に小さくさせた後にタッチダウンするようにす
る。図4では、ギャップ量がΔg1となるまでベアリン
グに近づけている。
いて説明する。通常運転状態の場合には、AC/DCコ
ンバータ5に入力される一次電源3の電力により、モー
タ6の回転駆動および磁気軸受16によるロータ4の磁
気浮上が行われる。また、ロータ4の回転を停止する際
には。モータ駆動制御から回生制御に切り換えてモータ
6を回生ブレーキとして機能させる。すなわち、通常運
転時に非導通状態であったトランジスタ12を回生動作
時には導通状態とし、回生電力を抵抗10で消費して回
生ブレーキを動作させる。このとき、磁気軸受16はA
C/DCコンバータ5からの電力によって駆動される。
止した場合、モータ6および磁気軸受16への供給電力
が停止してしまうので、このような場合にはターボ分子
ポンプを減速運転へと切り換えるとともに、減速時の回
生電力により磁気軸受16を駆動してロータ4の磁気浮
上を維持させる。AC/DCコンバータ5の入力電力の
低下は電圧センサ13により検出され、その検出信号は
インバータ制御回路9に送られる。インバータ制御回路
9は入力電力低下の検出信号を受信すると、モータ駆動
制御から回生制御へと制御を切り換える。
オード15が設けられているのでAC/DCコンバータ
5側へ戻らずDC/DCコンバータ7に供給される。D
C/DCコンバータ7に入力される電力の電圧は電圧セ
ンサ14により検出され、検出結果はインバータ制御回
路9に送られる。トランジスタ12の導通・非導通は、
トランジスタ制御回路19を介してインバータ制御回路
9によりコントロールされている。
値だけでなく、電圧センサ14の検出値をモニタするこ
とによっても検出することができる。さらに、電圧セン
サ14の検出値を利用することにより、一次電源3の電
力停止に加えて、例えば、AC/DCコンバータ5の故
障等によるDC/DCコンバータ7への電力供給停止も
検出することができる。すなわち、インバータ制御回路
9は電圧センサ13,14の検出値に基づいてDC/D
Cコンバータ7への電力供給停止状態を検出し、電力供
給停止状態が検出された場合には回生制御に切り換えて
磁気浮上を継続させる。例えば、電圧センサ14で検出
される電圧値が、通常運転時の電圧よりも10%以上低
下したならば、停電またはAC/DCコンバータ5の異
常とみなして回生制御に切り換える。
DCコンバータ7に入力される回生電力が磁気浮上に必
要な電力に比べて大きい場合には、すなわち、電圧セン
サ14で検出された電圧値が所定電圧値よりも大きい場
合にはトランジスタ12は導通状態とされ、余分な電力
は抵抗10によって消費される。一方、ロータ回転速度
が減少して回生電力が必要電力範囲内となった場合に
は、トランジスタ12は非導通状態とされ、回生により
得られた電力の100%が磁気浮上に利用される。
説明するフローチャートである。電源装置の電源スイッ
チがオンされると図5に示す一連の処理がスタートす
る。ステップS1では、以下の〜の手順によりロー
タ4と保護ベアリング27,28との間のギャップ量を
確認する。
てロータ4をx軸マイナス方向に吸引し、ロータ4を保
護ベアリングに当接させる。そして、当接させた状態
で、ラジアル変位センサ71,72のx軸方向に関する
センサ出力を記憶する。 電磁石51b,52bのみに電流を流してロータ4を
x軸プラス方向に吸引し、ロータ4を保護ベアリングに
当接させた状態でラジアル変位センサ71,72のx軸
方向に関するセンサ出力を記憶する。 電磁石51c,52cのみに電流を流してロータ4を
y軸マイナス方向に吸引し、ロータ4を保護ベアリング
に当接させた状態でラジアル変位センサ71,72のy
軸方向に関するセンサ出力を記憶する。 電磁石51d,52dのみに電流を流してロータ4を
y軸プラス方向に吸引し、ロータ4を保護ベアリングに
当接させた状態でラジアル変位センサ71,72のy軸
方向に関するセンサ出力を記憶する。 電磁石53aのみに電流を流してロータ4をz軸マイ
ナス方向に吸引し、ロータ4を保護ベアリングに当接さ
せた状態でアキシャル変位センサ73のセンサ出力を記
憶する。 電磁石53bのみに電流を流してロータ4をz軸プラ
ス方向に吸引し、ロータ4を保護ベアリングに当接させ
た状態でアキシャル変位センサ73のセンサ出力を記憶
する。
関数やテーブルとして記憶されており、それらと得られ
たセンサ出力とから各軸方向のギャップ量を算出するこ
ができる。また、図4のギャップ量Δg1に対応するセ
ンサ出力も算出し、その結果を記憶しておく。ステップ
S2では、励磁電流を磁気軸受の各電磁石に供給してロ
ータ4の磁気浮上制御を開始する。このときの磁気浮上
制御は通常運転時の浮上制御であって、ロータ4は保護
ベアリングに対して中心位置に保持するように制御され
る。
磁気浮上して、そのときの各電磁石51〜53に流れて
いる電流の大きさから、ポンプ本体1の取付姿勢を確認
してそれを記憶する。例えば、ポンプ本体1が鉛直方向
に対して90(dge)横向きに設置されていて、電磁石5
1a〜51dの配置が図6に示すような配置となってい
る場合には、電磁石51b,51dに比べて電磁石51
a,51cの方が電流値が大きくなる。また、正立状態
で取り付けられている場合には電磁石53aよりも電磁
石53bの方が電流値が大きく、倒立取付の場合には逆
に電磁石53aの方が電流値が大きくなる。この取付姿
勢の確認および記憶は、磁気軸受制御回路11によって
行われる。
ータ回転開始)前の準備動作であり、これらの処理が完
了したならばステップS4において準備完了の信号を出
力したり、表示をしたりする。ステップS5では、ポン
プ運転開始を指示するスタートスイッチがオンされたか
否かを判定する。ステップS5でオンと判定されるとス
テップS6へ進んでモータ6の回転駆動が開始され、オ
フの場合にはオンとなるまでステップS5の処理が繰り
返し実行される。ステップS7では、電圧センサ13,
14の検出値に基づいて、停電等の電力供給異常が発生
したか否かを判定する。ステップS7において電力供給
異常が発生したと判定されるとステップS8へ進み、発
生していないと判定された場合にはステップS7の処理
を再び実行する。
合には、回生制御を開始してロータ浮上を回生電力によ
り維持させる。その結果、ロータ4は回生ブレーキによ
り減速を開始する。ステップS9では、インバータ制御
回路9において回生電力の電圧値が予め設定された所定
電圧V1以下となったか否かを判定し、所定電圧V1以
下と判定されたならばステップS10へ進む。図7は電
圧センサ14の検出電圧の時間変化を示す図であり、縦
軸は検出電圧、横軸は時間を表している。ステップS9
における所定電圧V1は、図7の時刻t2の時の電圧値
である。ここでの所定電圧値V1はDC/DCコンバー
タ7の入力電圧仕様(動作可能入力電圧範囲)に依存し
ており、例えば、電圧範囲の下限値に対して「下限値+
10%」程度に設定すれば良い。」
を移動させずに、所定時間(=t2−t1)経過してか
ら浮上位置を移動させているのは、高速回転中は回転体
をできるだけベアリングから遠ざけたいという意図から
である。回転数の低下した状態、すなわち、図7に示す
ように回生電力の電圧値が下がりだした状態から移動さ
せるようにする。
圧値が所定電圧V1となるときの回転速度R1を用い
て、ロータ回転速度がR1以下か否かで判定しても良
い。ステップS10では、ステップS3で確認されたポ
ンプ取付姿勢に基づいて、上述したロータ浮上位置の変
更を開始する。すなわち、タッチダウン時のロータ落下
方向にロータ浮上位置を変化させて、落下方向の保護ベ
アリングとのギャップ量を小さくする。
たは種々ある。例えば、ギャップ量をΔg1にしたとき
の回生電圧値V2を予め定めておき、大気リークなどの
減速時の条件を考慮して回生電圧値がV1からV2に低
下するまでの減速時間Δt(=t3−t2)を推定す
る。当然ながら、回生電力による磁気浮上が不能となっ
てタッチダウンする回生電圧値、すなわち磁気浮上不能
電圧をV3とすれば、V2>V3のように設置される。
そして、ギャップ量Δgの変化率が(V1−V2)/Δ
tとなるようにロータ浮上位置を変化させる。この場
合、所定時間間隔毎に回生電圧値を検出し、その都度、
変化率ΔV/Δtを修正することにより、回生電圧値が
ほぼV2となったときにギャップ量をΔg1とすること
ができる。
転速度を用いて制御しても良い。すなわち、回生電圧値
V1,V2に対応するロータ回転速度をR1,R2とす
れば、ギャップ量Δgの変化率が(R1−R2)/Δt
となるようにロータ浮上位置を変化させる。
1になったか否かを判定し、Δg1と判定されるとステ
ップS12へ進む。ステップS12では回生電圧値がV
3になった否かを判定し、V3と判定されるとステップ
S13へ進んで磁気浮上制御を停止する。その結果、ロ
ータ4は保護ベアリング27,28上にタッチダウンし
て保護ベアリング27,28によって支持され、一連の
制御処理が終了する。
式ターボ分子ポンプでは、停電等の電力供給停止状態に
おいて回生電力による磁気浮上に移行したならば、落下
方向に関する保護ベアリングとのギャップΔg1が通常
運転時のギャップΔg0よりも小さくなるようにロータ
4の浮上位置を変更するようにした。その結果、回生電
力による磁気浮上が不能となってロータ4がタッチダウ
ンしたときに、保護ベアリングに対する衝撃を従来より
も小さくすることができ、保護ベアリングの寿命の向上
を図ることができる。
回生電圧値がV1となってから浮上位置変更を開始した
が、停電直後から浮上位置変更を開始しても良い。ま
た、図4に示した例では、L2の特性を直線(変化率一
定)としたが、時間の経過とともに変化率を変えたもの
やステップ状に変化等、種々のものがある。さらに、時
刻t3におけるΔg1は、ポンプ取付姿勢によって異な
る場合もある。なお、ポンプ取付姿勢を水平とした場合
には、ロータ4の磁気浮上位置は保護ベアリング27,
28のベアリング中心に対して偏心した位置となる。
の要素との対応において、ロータ4は回転体を、磁気軸
受制御回路11は制御装置を、磁気軸受制御回路11,
磁気軸受16は磁気軸受装置および姿勢検出装置をそれ
ぞれ構成する。
回生運転モード時には、回転体と保護ベアリングとの間
の落下方向のギャップを通常運転モード時のギャップよ
りも小さくされるので、回生電力による磁気浮上が不能
となってタッチダウンした際の保護ベアリングに対する
衝撃を軽減することができる。その結果、保護ベアリン
グの寿命が向上する。また、タッチダウン時に、ターボ
分子ポンプが接続された装置などの周辺機器に伝わる振
動を低減することができる。
示す断面図である。
路を説明するブロック図である。
上位置を示す図である。
ローチャートである。
との配置を示す図である。
である。
53a,53b 電磁石 71〜73 変位センサ
Claims (5)
- 【請求項1】 回転体を磁気浮上させる磁気軸受装置
と、 前記磁気軸受装置が動作していないときに前記回転体を
支持する保護ベアリングと、 外部電源から供給される電力により前記磁気軸受装置を
動作させて前記回転体を磁気浮上させる通常運転モード
と、 前記回転体の減速回転時における回生電力により前記磁
気軸受装置を動作させて前記回転体を磁気浮上させる回
生運転モードとを備える磁気軸受式ターボ分子ポンプに
おいて、 前記回生運転モード時に、前記回転体と前記保護ベアリ
ングとの間の落下方向のギャップが通常運転モード時よ
りも小さくなるように前記回転体の磁気浮上位置を変更
する制御装置を設けたことを特徴とする磁気軸受式ター
ボ分子ポンプ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の磁気軸受式ターボ分子
ポンプにおいて、 前記制御装置は、前記回生電力の電圧が前記磁気軸受装
置による磁気浮上が不能となる磁気浮上不能電圧に低下
する前に、磁気浮上位置を所定位置まで移動することを
特徴とする磁気軸受式ターボ分子ポンプ。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の磁気軸受式タ
ーボ分子ポンプにおいて、 前記外部電源からの電力供給の停止を検出するセンサを
備え、 前記センサの検出により前記回生運転モードを起動する
ことを特徴とする磁気軸受式ターボ分子ポンプ。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の磁気軸
受式ターボ分子ポンプにおいて、 前記磁気軸受装置に供給される電力の電圧を検出する電
圧センサを備え、 前記電圧センサの検出電圧が所定値以下の場合に前記回
生運転モードを起動することを特徴とする磁気軸受式タ
ーボ分子ポンプ。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の磁気軸
受式ターボ分子ポンプにおいて、 前記ターボ分子ポンプの設置姿勢を検出する姿勢検出装
置を備え、 前記制御装置は、前記姿勢検出装置の検出結果に基づい
て前記回転体の磁気浮上位置の変更を行うことを特徴と
する磁気軸受式ターボ分子ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002020355A JP4136385B2 (ja) | 2002-01-29 | 2002-01-29 | 磁気軸受式ターボ分子ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
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