JP2005094852A - モータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプ - Google Patents

モータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】 ロータ軸の回転停止時間を必要に応じて延長させることのできるモータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプを提供する。
【解決手段】 ブレーキトランジスタ242とブレーキ抵抗244との間のノードNAに対し、可変ブレーキ抵抗444が並列接続されている。可変ブレーキ抵抗444は、可変の抵抗値Rcを有する可変抵抗素子となっており、外部からの抵抗値設定信号に基づいて、抵抗値Rcが変更されるようになっている。ブレーキトランジスタ242には、抵抗切替スイッチ445が設けられており、この抵抗切替スイッチ445は、外部からの移動信号に基づいて、ブレーキトランジスタ242をノードNAに接続するか、可変ブレーキ抵抗444に接続するかを切り替えるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明はモータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプに係わり、特に、ロータ軸の回転停止時間を必要に応じて延長させることのできるモータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプに関する。
近年のエレクトロニクスの発展に伴い、メモリや集積回路といった半導体の需要が急激に増大している。
これらの半導体は、極めて純度の高い半導体基板に不純物をドープして電気的性質を与えたり、半導体基板上に微細な回路パターンを形成し、これを積層する等して製造される。
そして、これらの作業は空気中の塵等による影響を避けるため高真空状態のチャンバ内で行われる必要がある。このチャンバの排気には、一般に真空ポンプが用いられているが、特に残留ガスが少なく、保守が容易である等の点から真空ポンプの中の1つであるターボ分子ポンプが多用されている。また、半導体の製造工程では、さまざまなプロセスガスを半導体の基板に作用させる工程が数多くあり、ターボ分子ポンプはチャンバ内を真空にするのみならず、これらのプロセスガスをチャンバ内から排気するのにも使用される。
さらに、ターボ分子ポンプは、電子顕微鏡等の設備において、粉塵等の存在による電子ビームの屈折等を防止するため、電子顕微鏡等のチャンバ内の環境を高度の真空状態にするのにも用いられている。
このようなターボ分子ポンプは、半導体製造装置等のチャンバからガスを吸引排気するためのターボ分子ポンプ本体100と、このターボ分子ポンプ本体を制御する制御装置200とから構成されている。
ここで、ターボ分子ポンプの構成図を図5に示す。
図5において、ターボ分子ポンプ本体100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードによる複数の回転翼102a、102b、102c・・・を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103が設けられている。
この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば、いわゆる5軸制御の磁気軸受により浮上支持かつ位置制御されるようになっている。
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104に近接かつ対応されて4個の電磁石からなる上側径方向センサ107が備えられている。この上側径方向センサ107はロータ軸113の径方向変位を検出し、その変位信号を制御装置200に送るように構成されている。
制御装置200では、上側径方向センサ107が検出した変位信号に基づき、図示しないPID調節機能を有する補償回路を介して上側径方向電磁石104を励磁制御し、ロータ軸113の上側の径方向位置を調整するようになっている。
このとき、ロータ軸113は、高透磁率材(鉄等)により形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。
また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
さらに、軸方向電磁石106A、106Bは、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄等の高透磁率材で構成されている。
また、ロータ軸113の下部側には、ロータ軸113の軸方向変位を検出するための軸方向センサ109が設けられている。そして、この軸方向センサ109による軸方向の変位信号は、制御装置200に送られるようになっている。
制御装置200では、軸方向センサ109が検出した変位信号に基づき、軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するようになっている。このとき、軸方向電磁石106Aは、磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bは、金属ディスク111を下方に吸引するようになっている。
このように、磁気軸受は、ロータ軸113に及ぼす磁力を適当に調節することで、ロータ軸113を磁気浮上させ、非接触で保持するようになっている。
一方、モータ121は、いわゆるブラシレスモータとなっている。そして、このモータ121には、回転検出センサ、モータ電流検出センサ、モータ温度センサ等が設けられており、これらのセンサの検出信号に基づいて、制御装置200でロータ軸113の回転数等が制御されるようになっている。このモータ121の制御システムの構成については、後に詳述する。
一方、このロータ軸113には、回転翼102a、102b、102c・・・が形成されている。そして、この回転翼102a、102b、102c・・・とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123a、123b、123c・・・が配設されている。また、回転翼102a、102b、102c・・・は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。さらに、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。
そして、固定翼123の一端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125a、125b、125c・・・の間に嵌挿された状態で支持されている。この固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅等の金属、又はこれらの金属を成分として含む合金等の金属によって構成されている。
さらに、固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設され、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間にはネジ付きスペーサ131が配設されている。そして、ベース部129中のネジ付きスペーサ131の下部には排気口133が形成され、外部に連通されている。
ネジ付きスペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金等の金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。このネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向となっている。
さらに、回転体103の回転翼102a、102b、102c・・・に続く最下部には回転翼102dが垂下されている。この回転翼102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付きスペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付きスペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。
また、ベース部129は、ターボ分子ポンプ本体100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属によって構成されている。ベース部129は、ターボ分子ポンプ本体100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅等の剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
かかる構成において、ロータ軸113がモータ121により駆動されて回転翼102と共に回転すると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバからの排気ガスが吸気される。
そして、吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。このとき、排気ガスが回転翼102に接触する際に生ずる摩擦熱や、モータ121で発生した熱の伝導等により、回転翼102の温度は上昇するが、この熱は輻射又は排気ガスの気体分子等による伝導により固定翼123側に伝達される。さらに、固定翼スペーサ125は、外周部で互いに接合しており、固定翼123が回転翼102から受け取った熱や排気ガスが固定翼123に接触する際に生ずる摩擦熱等を外部へと伝達する。
また、ベース部129に移送されてきた排気ガスは、ネジ付きスペーサ131のネジ溝131aに案内されつつ排気口133へと送られる。
なお、上記では、ネジ付きスペーサ131は回転翼102dの外周に配設し、ネジ付きスペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に回転翼102dの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
また、吸気口101から吸引されたガスが、モータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107等で構成される電装部側に侵入することのないよう、電装部の周囲はステータコラム122で覆われ、この電装部内はパージガスにて所定圧に保たれる。
このため、ベース部129には図示しない配管が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。この導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、ステータコラム122と回転翼102間の隙間を通じて排気口133へ送出される。
ここに、ターボ分子ポンプ本体100は、個々に調整された固有のパラメータ(例えば、機種の特定、機種に対応する諸特性)に基づいた制御を要する。この制御パラメータを格納するために、ターボ分子ポンプ本体100は電子回路部141を有している。
この電子回路部141は、EEP−ROM等の半導体メモリ及びそのアクセスのための半導体素子等の電子部品、その実装用の基板143等から構成されている。そして、この電子回路部141は、ターボ分子ポンプ本体100の下部を構成するベース部129の中央付近の下部に収容され、気密性の底蓋145によって閉じられている。
ところで、プロセスガスは、反応性を高めるため高温の状態でチャンバに導入されることがある。そして、これらのプロセスガスは、排気される際に冷却されてある温度になると固体となり排気系に生成物を析出する場合がある。そして、この種のプロセスガスがターボ分子ポンプ本体100内で低温となって固体状となり、ターボ分子ポンプ本体100内部に付着して堆積する。
例えば、Alエッチング装置にプロセスガスとしてSiCl4が使用された場合、低真空(760[torr]〜10-2[torr])かつ、低温(約20[℃])のとき、固体生成物(例えばAlCl3)が析出し、ターボ分子ポンプ本体100内部に付着堆積することが蒸気圧曲線からわかる。
そして、ターボ分子ポンプ本体100内部にプロセスガスの析出物が堆積すると、この堆積物がポンプ流路を狭め、ターボ分子ポンプ本体100の性能を低下させる原因となる。例えば、前述した生成物は排気口付近の温度が低い部分、特に回転翼102及びネジ付きスペーサ131付近で凝固、付着しやすい状況にあった。
この問題を解決するために、従来はベース部129等の外周に図示しないヒータや環状の水冷管149を巻着させ、かつ例えばベース部129に図示しない温度センサ(例えばサーミスタ)を埋め込み、この温度センサの信号に基づきベース部129の温度を一定の高い温度(設定温度)に保つようにヒータの加熱や水冷管149による冷却の制御(以下、TMSという。TMS;Temperature Management System)が行われている。
ここで、従来のモータ制御システムについて説明する。このモータ制御システムの構成図を図6に示す。
図6において、モータ制御システム300は、そのターボ分子ポンプ本体100側にモータ121を備えている。そして、モータ121には、その回転子側として、ロータ軸113の周囲に図示しない2極(N極、S極)の永久磁石が取り付けられている。
また、このモータ121には、その固定子側に例えば3個の回転検出センサ124が設けられている(図中1個のみ示す)。この回転検出センサ124は、ロータ軸113を取り囲むように配設されており、例えば半導体ホールセンサである。そして、回転検出センサ124は、モータ121の回転子側の永久磁石の磁束密度を検出することで、ロータ軸113の回転数を検出するようになっている。
また、モータ121は、その固定子側に3相のモータ巻線126U、126V、126Wを有している。これらのモータ巻線126U、126V、126Wも、ロータ軸113を取り囲むように配設されている。そして、モータ巻線126U、126V、126Wには、モータ電流検出センサ128が設けられており(図中1個のみ示す)、このモータ電流検出センサ128は、モータ巻線126U、126V、126Wに流れる電流を検出するようになっている。
さらに、モータ巻線126U、126V、126Wは、制御装置200側のモータ駆動回路222に接続されている。
モータ駆動回路222には、電源238から直流電圧(図中+側を正極238a、−側を負極238bとする)が供給されるようになっている。そして、電源238には、制御装置200用のプラグ201が接続されており、外部から交流電力が供給されるようになっている。
モータ駆動回路222には、モータ巻線126U、126V、126Wのそれぞれに対応した図示しない3組のインバータ回路が設けられており、このインバータ回路を介してモータ巻線126U、126V、126Wに電力が供給されるようになっている。
さらに、このモータ駆動回路222には、このインバータ回路からモータ巻線126U、126V、126Wに供給する電力を制御するために、ドライブ制御回路246からドライブ信号が入力されている。このドライブ制御回路のブロック図を図7に示す。
図7において、ドライブ制御回路246には、回転検出センサ124及びモータ電流検出センサ128の検出信号が入力されている。そして、これらの検出信号は、比較器252に入力されている。
さらに、比較器252には、基準値設定回路254で設定された基準回転数や基準電流値を示す基準信号が入力されている。そして、比較器252では、この基準信号が示す基準回転数や基準電流値と、回転検出センサ124及びモータ電流検出センサ128の検出信号が示すモータ121の回転数や電流値とを比較することで、この比較結果をPWM制御回路256に出力するようになっている。
そして、PWM制御回路256では、比較器252からの比較結果に基づいて、ドライブ信号をパルス幅制御(PWM制御)するようになっている。また、このPWM制御回路256には、外部からの回転停止信号が入力されており、この回転停止信号に基づいて、ドライブ信号を活性化するか否か切り替えるようになっている。
さらに、図6において、この回転停止信号は、ブレーキ制御回路240にも入力されている。そして、ブレーキ制御回路240では、この回転停止信号に基づいて、ブレーキトランジスタ242のベース端子に出力するブレーキ信号を活性化するか否か切り替えるようになっている。
また、ブレーキトランジスタ242は、そのエミッタ端子が負極238bに接続されており、さらに、そのコレクタ端子がブレーキ抵抗244に接続されている。
ブレーキ抵抗244は、ブレーキトランジスタ242と正極238aとの間に直列接続されており、所定の抵抗値Rbを有する抵抗素子となっている。もちろん、このブレーキ抵抗244は、ブレーキトランジスタ242よりも負極238b側に接続されても良い。
なお、これ以降、正極238aと負極238bとの間を、ブレーキ抵抗244及びブレーキトランジスタ242を介して接続するパスをブレーキパス250という。
加えて、電源238の正極238a及び負極238bは、磁気軸受にも接続されている。
かかる構成において、ロータ軸113を回転させる場合には、ドライブ制御回路246からPWM制御されたドライブ信号が出力される。そして、このドライブ信号により、モータ駆動回路222からモータ巻線126U、126V、126Wに給電が行われ、モータ巻線126U、126V、126Wに交流電圧が発生する。これにより、ロータ軸113には、回転のための力が発生する。
なお、このようにロータ軸113を回転させる場合、回転停止信号は非活性化される。そのため、ブレーキトランジスタ242はオフにされ、ブレーキパス250に電流が流れることはない。
一方、ロータ軸113を回転停止させる場合には、まず、回転停止信号を活性化する。この回転停止信号の活性化は、例えば制御装置200の筐体等に設けられた図示しない運転停止ボタン等を押すことにより行われる。
そして、この回転停止信号の活性化により、ドライブ制御回路246内のPWM制御回路256から出力されるドライブ信号が非活性化される。そのため、モータ駆動回路222からのモータ巻線126U、126V、126Wへの給電が停止される。
これに対し、モータ駆動回路222からの給電が停止されると、ロータ軸113の回転に伴い、モータ巻線126U、126V、126Wは発電機として作用する。そのため、モータ巻線126U、126V、126Wには電力が発生する。
そして、この際には、モータ巻線126U、126V、126Wで発生した電力を利用するため、電源238から供給される電力がオフにされる。その結果、モータ巻線126U、126V、126Wで発生した電力は、正極238a及び負極238bを介して磁気軸受の回路にも供給される。
また、ロータ軸113の回転数が低くなると、モータ巻線126U、126V、126Wで発生する電力が小さくなるので、停止動作の途中で電源238から磁気軸受の回路に電力が供給されるように、電力の切り替えが行われる。このとき、磁気軸受の回路への電力の切り替えは、例えばロータ軸113の回転数が所定回転数以下になったことや、磁気軸受の回路に供給される電圧や電流が所定値以下になったことや、停止動作開始後所定時間経過したこと等を検知して、行われる。
そのため、磁気軸受ではこれらの電力を利用して、通常と同様の動作を継続することが可能となる。すなわち、ロータ軸113は磁気浮上され、非接触で保持され続ける。
従って、モータ巻線126U、126V、126Wへの給電を停止しただけでは回転体103へのエネルギー損失が発生し難く、ロータ軸113の回転停止時間が長くなってしまう。
ところで、回転停止信号が活性化された場合には、速やかにロータ軸113を回転停止させる必要がある。これは、電源238の停電等の場合にも回転停止信号が活性化されるが、この場合にまで長い時間ロータ軸113が回転し続けると、チャンバ側の動作との関係で問題を生じるおそれがあるからである。
そこで、かかる問題を解決するために、ブレーキ制御回路240では、回転停止信号の活性化により、ブレーキ信号が活性化される。これにより、ブレーキトランジスタ242がオンにされる。
さらに、このブレーキトランジスタ242がオンにされることにより、モータ巻線126U、126V、126Wで発生した電力に伴う電流の一部が、ブレーキパス250内を流れるようになる(以下、この電流をブレーキ電流という)。このとき、ブレーキ電流の流れる向きは、ロータ軸113を回転させる場合と逆向きとなる。
そのため、ロータ軸113には、ブレーキ電流の大きさに応じて、回転を停止させるための力が発生する。これにより、ロータ軸113は速やかに回転停止されるようになる。
ここで、ロータ軸113の回転停止時間は、通常可能な限り最短に設定される。この場合のブレーキ抵抗244の抵抗値Rbは、次のように決定される。
ブレーキ抵抗244の抵抗値Rbを小さくすると、ブレーキトランジスタ242がオンされることで、ブレーキパス250には大きなブレーキ電流が発生する。これにより、ロータ軸113にも回転停止させるための大きな力が発生する。
しかしながら、モータ巻線126U、126V、126Wで発生した電力は、ブレーキ電流として流れた分だけ、磁気軸受の回路に供給される電力が減ってしまう。従って、ロータ軸113の回転停止時に磁気軸受の動作が継続できなくなり、タッチダウンを生じ回転体103等を損傷するおそれがある。
一方、ブレーキ抵抗244の抵抗値Rbを大きくすると、ブレーキ電流が減ってしまうため、ロータ軸113の回転停止時間が長くなってしまう。
これら関係は、モータ巻線126U、126V、126Wに発生する電圧の実効値をVr、ブレーキ電流の実効値をIb、磁気軸受で消費する電流の実効値をIm、磁気軸受の回路全体の抵抗値をRmとすると、ブレーキ電流の実効値Ibが数1の関係を有することからも明らかである。
Figure 2005094852
このように、ロータ軸113の回転停止時間を最短にする場合には、ブレーキ抵抗244の抵抗値Rbの大きさを、磁気軸受の動作を継続できる範囲において、出来るだけ小さな値とする。
ところで、このようなターボ分子ポンプ本体100及び制御装置200は、半導体製造装置等のチャンバからのガスの吸引排気に使用される場合だけでなく、電子管の製造において電子管内を高真空状態とするのにも使用される。
このとき、電子管の製造には、電子管内を高真空状態に維持しつつ、複数の処理を施す工程が存在する。そして、これらの処理は、別々の場所で行われることが多い。そのため、電子管の製造においては、電子管、ターボ分子ポンプ本体100及び制御装置200等を例えば1台の台車に載せて1つのユニットを構成し、このユニットで移動しながら各処理を行う方法が存在する。
しかしながら、この方法では、ユニットの移動の際に、ケーブルの長さ等との関係で、ターボ分子ポンプ本体100及び制御装置200等への電力の供給が困難になる場合があった。
そのため、ユニットへの電力供給を容易にすべく、別途給電用の設備を設けることが考えられる。しかしながら、この場合設備コストが上昇するおそれがあった。また、工場のレイアウト変更や工程の順番変更に対応し難い等の問題もあった。
一方で、このようなユニットの移動においては、ロータ軸113が回転停止されるまでの回転により、ある程度ガスの吸引が可能であることを利用して、制御装置200用のプラグ201を一時的に取り外し、素早く別な場所のコンセントに繋ぎ替えることも考えられる。
しかしながら、従来のモータ制御システム300では、ロータ軸113の回転停止時間は一定(例えば、最短)に設定されているため、工場のレイアウト等によってはプラグ201の繋ぎ替えの間にロータ軸113が回転停止してしまうおそれがあった。そのため、電子管内の真空度が低下して、電子管内の材料が酸化するおそれがあった。また、電子管内の圧力の復旧のために、電子管の製造時間が延びるおそれがあった。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、ロータ軸の回転停止時間を必要に応じて延長させることのできるモータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプを提供することを目的とする。
このため本発明は、モータ制御システムに関し、回転体と、該回転体を磁気浮上させ、径方向及び/又は軸方向に位置調整する磁気軸受回路と、給電時に前記回転体に回転力を与え、給電停止時に前記回転体の回転に伴う電力を発生するモータと、該モータへの給電又は給電停止を行うモータ駆動回路と、該モータ駆動回路から前記モータへの給電又は給電停止を切り替えるための回転停止信号と、該回転停止信号により前記モータ駆動回路から前記モータへの給電が停止されたときに、該モータで発生した電力を回生させるブレーキパスと、該ブレーキパスに設けられた抵抗部と、該抵抗部の抵抗値を調整する抵抗値調整手段とを備えて構成した。
回転停止信号によりモータ駆動回路からモータへの給電が停止されたとき、ブレーキパスを介してモータで発生した電力が回生される。そのため、回転体には、この回生される電力に応じて、回転を停止させるための力が発生する。このとき、ブレーキパスには抵抗部が設けられており、抵抗値調整手段によりその抵抗値が調整される。
このように、抵抗部の抵抗値の調整により、ブレーキパスを介して回生される電力が調整されるので、回転体の回転を停止させるための力を変更させることができる。このことにより、回転体の回転停止時間を必要に応じて延長させることができる。
また、本発明は、モータ制御システムに関し、前記抵抗部は、固定抵抗及び可変抵抗を備えて構成した。
抵抗値調整手段により、可変抵抗を選択しないか、可変抵抗を選択してもこの抵抗値を0とすることで、ブレーキパスを介して回生される電力は固定抵抗の抵抗値で決まるようになる。そのため、従来のモータ制御システムと同じ時間で回転体を回転停止させることができる。
一方、可変抵抗を選択し、かつこの抵抗値を調節することで、ブレーキパスを介して回生される電力は固定抵抗及び可変抵抗の抵抗値で決まるようになる。従って、抵抗値調整手段で、可変抵抗の選択やこの抵抗値の調節を行うことのみで、回転体の回転停止時間を延長させることができる。このことにより、抵抗部及び抵抗値調整手段を簡単に構成することができる。
さらに、本発明は、モータ制御システムに関し、回転体と、該回転体を磁気浮上させ、径方向及び/又は軸方向に位置調整する磁気軸受回路と、給電時に前記回転体に回転力を与え、給電停止時に前記回転体の回転に伴う電力を発生するモータと、該モータへの給電又は給電停止を行うモータ駆動回路と、該モータ駆動回路にPMW制御された信号を出力し、該信号のパルス幅により前記モータ駆動回路からの給電を制御するドライブ制御回路と、前記モータ駆動回路から前記モータへの給電又は給電停止を切り替えるための回転停止信号と、該回転停止信号により前記モータ駆動回路から前記モータへの給電が停止されたときに、該モータで発生した電力を回生させるブレーキパスと、前記回転体が回転停止するまでの経過時間と、前記ドライブ制御回路から出力される信号のパルス幅との関係が規定されたテーブルとを備え、前記ドライブ制御回路は、前記テーブルに基づき、前記経過時間に従って前記パルス幅を制御することを特徴とする。
ドライブ制御回路からは、モータ駆動回路にPMW制御された信号が出力され、この信号のパルス幅によりモータ駆動回路からの給電が制御される。
このとき、ドライブ制御回路は、回転体が回転停止するまでの経過時間と、このパルス幅との関係が規定されたテーブルを備えている。そして、ドライブ制御回路では、このテーブルに基づき、経過時間に従ってそのパルス幅を制御する。その結果、ブレーキパスを介して回生される電力が、このテーブルに従った値に制御される。
このため、ブレーキパスを介して回生される電力の大きさを変えることができるので、回転体の回転停止時間を延長させることができる。そして、抵抗部等を用いずに、ドライブ制御回路における制御のみで達成できるので、部品コストを下げることができる。
さらに、本発明は、モータ制御システムを搭載した真空ポンプであって、該真空ポンプは、被対象設備に設置され、該被対象設備から所定のガスを吸引することを特徴とする。
本発明のモータ制御システムを搭載した真空ポンプは、例えば電子管の製造において電子管内を高真空状態とするのに使用される。そして、ユニットを移動させる際には、真空ポンプ用のプラグを一時的に取り外す。このとき、本発明のモータ制御システムは、回転体の回転停止時間を延長させることができるので、この延長された期間中の回転体の回転により、電子管内の真空度の低下を防止することができる。このため、電子管内の材料の酸化を防止することができる。また、ユニットの移動の度に電子管内の圧力を復旧させる必要もないため、電子管の製造時間を短縮することができる。
以上説明したように本発明によれば、電力を回生させるブレーキパスと、ブレーキパスに設けられた抵抗部と、この抵抗部の抵抗値を調整する抵抗値調整手段とを備えて構成したので、抵抗部の抵抗値の調整により、ブレーキパスを介して回生される電力の大きさを調整することで、回転体の回転を停止させるための力を変えることができる。このことにより、回転体の回転停止時間を必要に応じて延長させることができる。
また、ドライブ制御回路からモータ駆動回路に出力される信号のパルス幅を、テーブルに基づき制御するように構成したので、抵抗部等を用いずにドライブ制御回路における制御のみで回転体の回転停止時間を延長させることができ、部品コストを下げることができる。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態であるモータ制御システムの構成図を図1に示す。なお、図6と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図1において、モータ制御システム500の制御装置400側には、ブレーキトランジスタ242とブレーキ抵抗244との間のノード(図中ノードNAとする)に対し、可変ブレーキ抵抗444が並列接続されている。
この可変ブレーキ抵抗444は、その入力端444aがノードNAに、その出力端444bが後述するノードNBに接続されている。そして、可変ブレーキ抵抗444は、可変の抵抗値Rcを有する可変抵抗素子となっており、外部からの抵抗値設定信号に基づいて、その入力端444aと出力端444bとの間の抵抗値Rcが変更されるようになっている。なお、この抵抗値Rcは、理想的に0〜∞の範囲で変更可能となっている。
さらに、ブレーキトランジスタ242のコレクタ端子には、抵抗切替スイッチ445が設けられている。この抵抗切替スイッチ445は、外部からの移動信号に基づいて、ブレーキトランジスタ242のコレクタ端子をノードNAに接続するか、可変ブレーキ抵抗444の出力端444bのノード(図中ノードNBとする)に接続するかを切り替えるようになっている。
なお、本実施形態においても、正極238aと負極238bとの間を、ブレーキ抵抗244、可変ブレーキ抵抗444あるいはノードNA、抵抗切替スイッチ445、ブレーキトランジスタ242を介して接続するパスをブレーキパス450という。
かかる構成において、従来のモータ制御システム300と同じ時間でロータ軸113を回転停止させたい場合には、移動信号を非活性化する。
これにより、抵抗切替スイッチ445は、ノードNA側に切り替えられる。そのため、ブレーキパス450は、可変ブレーキ抵抗444と無関係にノードNAを通るパスとなり、従来のモータ制御システム300のブレーキパス250と同じになる。
従って、本実施形態のモータ制御システム500でも、従来のモータ制御システム300と同じ時間でロータ軸113を回転停止させることができる。そして、ブレーキ抵抗244の抵抗値Rbを、上述したようなロータ軸113の回転停止時間を最短とする値とすれば、電源238の停電等の場合でもロータ軸113を最短の時間で回転停止させることができる。
一方、電子管の製造工程でユニットを移動させたい場合には、まず、移動信号を活性化する。この移動信号の活性化は、例えば制御装置400の筐体等に設けられた図示しない移動ボタン等を押すことにより行われる。そして、この移動信号の活性化により、抵抗切替スイッチ445が、ノードNB側に切り替えられる。
そこで、実際にユニットを移動させるときには、制御装置400用のプラグ201を一時的に取り外す。これにより、モータ制御システム500では、電源238に停電等が生じたのと同じ状態となり、回転停止信号が活性化される。なお、この場合従来と同様に回転停止ボタン等を押すことで回転停止信号を活性化しても良い。また、電源238用のプラグがターボ分子ポンプ本体100側のみ、あるいはターボ分子ポンプ本体100側にも設けられている場合には、そのプラグも取り外す。
そして、回転停止信号の活性化により、モータ駆動回路222からはモータ巻線126U、126V、126Wへの給電が停止され、このモータ巻線126U、126V、126Wには電力が発生するようになる。また、ブレーキ信号が活性化されて、ブレーキトランジスタ242がオンにされる。
このとき、抵抗切替スイッチ445は、ノードNB側に切り替えられているため、ブレーキパス450は可変ブレーキ抵抗444を通るパスとなる。従って、この場合のブレーキ電流の実効値Ibは、数2の関係を有するようになる。
Figure 2005094852
この数2は、数1のRbに、ブレーキ抵抗244と可変ブレーキ抵抗444との和の抵抗値“Rb+Rc”を代入したものである。従って、可変ブレーキ抵抗444の抵抗値Rcを大きくすることで、ブレーキ電流を減少させることができる。
ここで、可変ブレーキ抵抗444の抵抗値Rcをパラメータとしたロータ軸113の回転停止の様子を示したグラフを図2に示す。
図2において、時刻t0に回転停止信号が活性化されている。そして、この時刻t0からロータ軸113の回転数が低下し始める。その後、時刻t1においてロータ軸113の回転数が0となる。このとき、時刻t1と時刻t0との間の時間がロータ軸113の回転停止時間となる。
ここで、上述した数2の関係から、可変ブレーキ抵抗444の抵抗値Rcを大きく設定することでブレーキ電流は小さくなる。従って、ロータ軸113には、回転を停止させるための力が発生し難くなり、その回転停止時間は長くなる。特に、可変ブレーキ抵抗444を抵抗値Rc≒∞とした場合には、数2においてIb≒0となる。そのため、この場合はブレーキパス450を用いずにロータ軸113を回転停止させたのと同様となり、回転停止時間として最長(例えば30分程度)となる。
逆に、可変ブレーキ抵抗444の抵抗値Rcを小さくすることでブレーキ電流Ibは大きくなり、その結果ロータ軸113の回転停止時間は短くなる。特に、可変ブレーキ抵抗444を抵抗値Rc≒0とした場合には、数2においてIb≒{Vr−(Im×Rm)}/Rbとなる。そのため、この数2は従来の数1と同式となり、ブレーキ抵抗244の抵抗値Rbが上述したようなロータ軸113の回転停止時間を最短とする値であれば、回転停止時間として最短(例えば3分程度)となる。
ここで、可変ブレーキ抵抗444の抵抗値Rcの設定は、可変ブレーキ抵抗444に入力された抵抗値設定信号により行われる。そして、この抵抗値設定信号は、例えば制御装置400の筐体等に設けられた図示しない抵抗値設定ダイヤル等を操作することにより適当な値に設定される。
このことから、移動信号を活性化し、かつ可変ブレーキ抵抗444の抵抗値Rcとして適当な値を設定することで、ロータ軸113の回転停止時間を延長させることができる。
そして、この状態で制御装置400用のプラグ201を一時的に取り外したとしても、ロータ軸113の回転停止時間が延長されているので、この期間中のロータ軸113の回転により、電子管内の真空度の低下を防止することができる。このため、電子管内の材料の酸化を防止することができる。また、ユニットの移動の度に電子管内の圧力を復旧させる必要もないため、電子管の製造時間を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、可変ブレーキ抵抗444を用いたが、これを固定抵抗としても良い。この場合、抵抗値設定信号によりロータ軸113の回転停止時間を細かく変更することはできないが、この抵抗値設定信号による制御がない分だけ、モータ制御システム500の構成を簡単にすることができる。
また、このように可変ブレーキ抵抗444の代わりに固定抵抗素子を用いた場合でも、異なる抵抗値を有する2以上の固定抵抗素子を設けることで、この固定抵抗素子のいずれを選択するかにより、ロータ軸113の回転停止時間を段階的に切り替えることができる。
さらに、本実施形態においては、ブレーキパス450に、ブレーキ抵抗244及び可変ブレーキ抵抗444の2種類の抵抗素子を有していたが、これに限られない。すなわち、可変ブレーキ抵抗444に、ブレーキ抵抗244分の抵抗値Rbを取り込んで、この可変ブレーキ抵抗444の抵抗値RcをRb〜∞の範囲で変更できるようにしてもよい。このことにより、部品コストを下げることができる。
さらに、本実施形態においては、制御装置400の筐体等に設けられた移動ボタンを押すことで移動信号が活性化されるとして説明してきたが、これに限られない。例えば、制御装置400用のプラグ201付近に移動ボタンを設けることで、ユニットの移動の際に忘れずに移動ボタンを押すことができる。特に、プラグ201を引き抜くときに必ず移動ボタンを押すような位置にボタンを設けたり、移動ボタンを押さないとプラグ201が引き抜けないように構成することで、確実に電子管内の真空度の低下を防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態であるモータ制御システム500では、可変ブレーキ抵抗444及び抵抗切替スイッチ445を設けることで、ロータ軸113の回転停止時間を延長させていたが、本実施形態であるモータ制御システムでは、可変ブレーキ抵抗444及び抵抗切替スイッチ445を設けることなくロータ軸113の回転停止時間を延長させるものである。
本発明の第2実施形態であるモータ制御システムの構成図を図3に示す。なお、図6と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図3において、モータ制御システム700の制御装置600側には、従来のモータ制御システム300のドライブ制御回路246の代わりにドライブ/停止制御回路646が設けられている。そして、このドライブ/停止制御回路646には、外部から停止時間指定信号が入力されている。
このドライブ/停止制御回路のブロック図を図4に示す。なお、図7と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図4において、ドライブ/停止制御回路646には、従来のドライブ制御回路246の構成に加え、ドライブ切替スイッチ657が設けられている。このドライブ切替スイッチ657には、第1実施形態と同様の移動信号と、回転停止信号とのAND信号が入力されている。
そして、ドライブ切替スイッチ657は、このAND信号に基づいて、ドライブ信号として、PWM制御回路256の出力信号を用いるか、後述するブレーキ電流制御回路656の出力信号を用いるかを切り替えるようになっている。具体的には、移動信号と回転停止信号の両方が活性化されたときに、ドライブ切替スイッチ657はブレーキ電流制御回路656側に切り替えられるようになっている。
このブレーキ電流制御回路656は、内蔵されたソフトウェアの制御に基づき、その出力信号はPWM制御となっている。
具体的には、ブレーキ電流制御回路656は、その内部に、ロータ軸113の各回転停止時間毎に作表された所定のテーブルを備えている。このテーブルには、ロータ軸113が回転停止に至るまでの経過時間と出力信号のパルス幅との関係が、各回転停止時間毎に規定されている。
そして、このテーブルは、この経過時間と出力信号のパルス幅とブレーキ電流の大きさとの関係に基づき、予め実験的に作表されている。しかしながら、このテーブルに規定されるパルス幅は、各回転停止時間毎にモータ121やブレーキパス250等をモデル化して、演算により算出されても良い。
さらに、ブレーキ電流制御回路656には、外部から停止時間指定信号が入力されている。そして、このブレーキ電流制御回路656では、停止時間指定信号の示す回転停止時間の指定値に基づいて、その指定値に対応したテーブルが選択されるようになっている。その結果、ブレーキ電流制御回路656は、選択されたテーブルの関係に従って、出力信号のパルス幅を制御するようになっている。
このとき、停止時間指定信号による回転停止時間の指定は、例えば制御装置600の筐体等に設けられた図示しない停止時間指定ダイヤル等を操作することにより行われる。ただし、この回転停止時間の指定は、内蔵により予め定められても良い。
かかる構成において、従来のモータ制御システム300と同じ時間でロータ軸113を回転停止させたい場合には、第1実施形態と同様に移動信号を非活性化する。
これにより、ドライブ/停止制御回路646のドライブ切替スイッチ657は、PWM制御回路256側に切り替わる。そのため、ドライブ/停止制御回路646から出力されるドライブ信号は、従来のドライブ制御回路246と同様に、非活性化される。従って、本実施形態のモータ制御システム700でも、従来のモータ制御システム300と同じ時間でロータ軸113を回転停止させることができる。
一方、電子管の製造工程でユニットを移動させたい場合には、まず、第1実施形態と同様に、移動信号を活性化する。また、実際にユニットを移動させるときに、制御装置600用のプラグ201を一時的に取り外す。これにより、回転停止信号が活性化される。そのため、回転停止信号の活性化により、モータ巻線126U、126V、126Wには電力が発生する。
これに対し、移動信号及び回転停止信号の活性化により、ドライブ/停止制御回路646のドライブ切替スイッチ657が、ブレーキ電流制御回路656側に切り替わる。このため、ドライブ/停止制御回路646の出力信号が、モータ駆動回路222に印加される。そして、モータ駆動回路222には、停止時間指定信号の指定値に対応して選択されたテーブルの関係に従ってPWM制御されたドライブ信号が入力される。その結果、ブレーキパス250に流れるブレーキ電流の大きさは、このテーブルの関係に従った値に制御される。
このことから、停止時間指定信号の示す回転停止時間の指定値を適当な値とすることで、モータ駆動回路222への出力信号のパルス幅を変えることができ、ブレーキパス250に流れるブレーキ電流の大きさを変えることができる。従って、ロータ軸113の回転停止時間を延長させることができる。そして、可変ブレーキ抵抗444及び抵抗切替スイッチ445を用いずに、ブレーキ電流制御回路656におけるソフトウェアの制御のみで達成できるので、部品コストを下げることができる。
なお、本実施形態においては、制御装置600にブレーキ電流制御回路656を設け、この出力信号に基づいてモータ駆動回路222が制御されるとして説明してきたが、これに限られない。例えば、制御装置600にブレーキ電流制御回路656を設けずに、外部からのソフトウェアの制御によりモータ駆動回路222を制御するようにしても良い。このことにより、制御装置600の構成を大きく変更させることなく、ロータ軸113の回転停止時間を延長させることができる。
また、本実施形態においては、ドライブ/停止制御回路646内のブレーキ電流制御回路656のみがソフトウェアの制御に基づき動作するとして説明してきたが、これに限られず、ドライブ/停止制御回路646の入出力信号を除く全ての回路をソフトウェアで構成しても良い。
本発明の第1実施形態であるモータ制御システムの構成図 ロータ軸の回転停止の様子を示したグラフ 本発明の第2実施形態であるモータ制御システムの構成図 ドライブ/停止制御回路のブロック図 従来のターボ分子ポンプの構成図 モータ制御システムの構成図 ドライブ制御回路のブロック図
符号の説明
100 ターボ分子ポンプ本体
103 回転体
121 モータ
200、400、600 制御装置
222 モータ駆動回路
244 ブレーキ抵抗
246 ドライブ制御回路
250、450 ブレーキパス
256 PWM制御回路
300、500、700 モータ制御システム
444 可変ブレーキ抵抗
445 抵抗切替スイッチ
646 ドライブ/停止制御回路
656 ブレーキ電流制御回路

Claims (4)

  1. 回転体と、
    該回転体を磁気浮上させ、径方向及び/又は軸方向に位置調整する磁気軸受回路と、
    給電時に前記回転体に回転力を与え、給電停止時に前記回転体の回転に伴う電力を発生するモータと、
    該モータへの給電又は給電停止を行うモータ駆動回路と、
    該モータ駆動回路から前記モータへの給電又は給電停止を切り替えるための回転停止信号と、
    該回転停止信号により前記モータ駆動回路から前記モータへの給電が停止されたときに、該モータで発生した電力を回生させるブレーキパスと、
    該ブレーキパスに設けられた抵抗部と、
    該抵抗部の抵抗値を調整する抵抗値調整手段とを備えたことを特徴とするモータ制御システム。
  2. 前記抵抗部は、
    固定抵抗及び可変抵抗を備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ制御システム。
  3. 回転体と、
    該回転体を磁気浮上させ、径方向及び/又は軸方向に位置調整する磁気軸受回路と、
    給電時に前記回転体に回転力を与え、給電停止時に前記回転体の回転に伴う電力を発生するモータと、
    該モータへの給電又は給電停止を行うモータ駆動回路と、
    該モータ駆動回路にPMW制御された信号を出力し、該信号のパルス幅により前記モータ駆動回路からの給電を制御するドライブ制御回路と、
    前記モータ駆動回路から前記モータへの給電又は給電停止を切り替えるための回転停止信号と、
    該回転停止信号により前記モータ駆動回路から前記モータへの給電が停止されたときに、該モータで発生した電力を回生させるブレーキパスと、
    前記回転体が回転停止するまでの経過時間と、前記ドライブ制御回路から出力される信号のパルス幅との関係が規定されたテーブルとを備え、
    前記ドライブ制御回路は、
    前記テーブルに基づき、前記経過時間に従って前記パルス幅を制御することを特徴とするモータ制御システム。
  4. 請求項1、2又は3記載のモータ制御システムを搭載した真空ポンプであって、
    該真空ポンプは、
    被対象設備に設置され、該被対象設備から所定のガスを吸引することを特徴とする真空ポンプ。
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