JP2003221610A - ニッケル粉末の製造方法及びニッケル粉末 - Google Patents

ニッケル粉末の製造方法及びニッケル粉末

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JP2003221610A JP2002023349A JP2002023349A JP2003221610A JP 2003221610 A JP2003221610 A JP 2003221610A JP 2002023349 A JP2002023349 A JP 2002023349A JP 2002023349 A JP2002023349 A JP 2002023349A JP 2003221610 A JP2003221610 A JP 2003221610A
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治男 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液相化学還元法により、略球形状で、分散性
に優れた、微細なニッケル粉末を効率よく、しかも安定
して製造することが可能なニッケル粉末の製造方法及び
該製造方法により製造される略球形で、所望の粒径を有
し、分散性に優れた微細なニッケル粉末を提供する。 【解決手段】 ニッケル(II)塩水溶液と還元剤水溶液
を混合して、ニッケルイオン(Ni2+)を還元すること
によりニッケル粉末を得る液相反応において、還元剤水
溶液中の有機不純物量を300ppm以下とする。還元剤
水溶液中に含まれる有機不純物が、1,3−ベンゼンジ
アミンやp−アミノフェニールエーテルである場合に
は、これらの有機不純物量を300ppm以下にすること
が特に好ましい。還元剤としてヒドラジン、ヒドラジン
水和物、ホスフィン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラ
ン、及びテトラヒドロホウ酸カリウムから選ばれた少な
くとも1種を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ニッケル粉末の
製造方法に関し、詳しくは、積層セラミックコンデンサ
などの積層セラミック電子部品の内部電極材料として用
いるのに適したニッケル粉末の製造方法及びニッケル粉
末に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年の
電子機器の小型化や軽量化、あるいは高機能化に伴っ
て、電子部品の小型化が進行し、特に、チップ部品であ
る積層セラミックコンデンサについては、その小型化、
大容量化が急速に進んでいる。
【0003】従来、積層セラミックコンデンサの内部電
極形成に用いられる導電性ペーストとしては、パラジウ
ムや銀などの貴金属粉末を導電成分とする導電性ペース
トが広く使用されていた。しかし、積層セラミックコン
デンサの大容量化による積層枚数の増加により、生産コ
ストの増大を招く結果となった。そこで、その対応策と
して、ニッケル粉末などの卑金属粉末を導電成分とする
導電性ペーストを用いて積層セラミックコンデンサの内
部電極を形成する方法が広く用いられるに至っている。
【0004】ところで、ニッケル粉末などの金属粉末の
製造方法として、一般に、物理的方法と化学的方法が知
られている。そして、物理的方法の一つに、金属バルク
を機械的に粉砕する方法がある。しかし、この方法で
は、サブミクロンオーダーで粒径の揃った球形の金属粉
末を得ることは困難であり、積層セラミックコンデンサ
の内部電極用の金属粉末として使用するのに適した金属
粉末を得ることは極めて困難であるのが実情である。
【0005】一方、金属粉末の製造方法の、もう一つの
方法である化学的方法には、気相法及び液相法がある。
気相法は、例えば特開平11−80817号公報に開示
されているように、塩化ニッケルなどの金属塩を加熱蒸
発させ、水素還元雰囲気下で還元析出させる方法であ
る。しかしながら、気相法は、生産性が低く、しかも高
価な設備を必要とするため実用性に欠けるという問題点
がある。また、気相法により得られる金属粉末は、粒径
が不揃いで、異常成長した粒子が内在しており、このよ
うな金属粉末を導電成分として含有する導電性ペースト
を用いて内部電極を形成した積層セラミックコンデンサ
は、十分な耐電圧特性を得ることができず、信頼性が低
いという問題点がある。
【0006】また、液相法には、例えば特開昭53−9
5165号公報に開示されているように、固体ニッケル
塩を還元する方法や、特開平5−51610号公報に記
載されているように、水酸化ニッケルを還元する方法な
どがある。
【0007】しかし、これらの難溶性ニッケル塩を還元
する方法の場合、還元反応に要する時間が長くなり、効
率が悪いという問題点があるばかりでなく、反応が不均
一になり、ニッケル粉末の粒径のばらつきや、凝集、あ
るいは粗大化などが発生するという問題点がある。
【0008】すなわち、従来の還元法によるニッケル粉
末の製造方法では、生成する金属ニッケルの粒子径が大
きく変化し、かつ、その制御が困難で、積層セラミック
コンデンサの高積層化に必要とされる、微細で、分散性
に優れたニッケル粉末を安定して製造することができな
いという問題点がある。
【0009】本願発明は、上述のような実情に鑑みてな
されたものであり、低コストで量産性に優れた液相化学
還元法により、略球形状で、分散性に優れた、微細なニ
ッケル粉末を効率よく、しかも安定して製造することが
可能なニッケル粉末の製造方法及び該製造方法により製
造される略球形で、所望の粒径を有し、分散性に優れた
微細なニッケル粉末を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明(請求項1)のニッケル粉末の製造方法
は、ニッケル(II)塩水溶液と還元剤水溶液を混合し
て、ニッケルイオン(Ni2+)を還元することによりニ
ッケル粉末を得る液相反応において、還元剤水溶液中の
有機不純物量を300ppm以下とすることを特徴として
いる。
【0011】本願発明(請求項1)のニッケル粉末の製
造方法においては、還元剤水溶液中の有機不純物量を3
00ppm以下にしているので、還元反応に要する時間を
短縮することが可能になるとともに、反応を均一に進行
せしめることが可能になり、一次粒子の形状が略球形
で、所望の粒径を有し、分散性に優れた微細なニッケル
粉末を効率よく製造することが可能になる。
【0012】なお、有機不純物量を300ppm以下とし
ているのは、有機不純物量が300ppmより多くなる
と、還元反応に要する時間が急激に長くなるばかりでな
く、反応が不均一になり、粒度分布幅が広くなるととも
に、平均一次粒子径が1.5μm以上の粗大粒となり、
コンデンサの高積層化に必要となる微細なニッケル粉末
を得ることができなくなることによる。また、還元剤水
溶液中の有機不純物としては、1,3−ベンゼンジアミ
ン、p−アミノフェニールエーテル、フェニレンジアミ
ン、安息香酸メチル、3,4,5−トリメチルピラゾー
ル、2−メチルアセトイジン、ジメチルフラザンなどが
挙げられるが、その中でも特に、1,3−ベンゼンジア
ミン及びp−アミノフェニールエーテルの総量を300
ppm以下の範囲とすることにより、一次粒子の形状が略
球形で、所望の粒径を有し、分散性に優れた微細なニッ
ケル粉末を効率よく製造することが可能になる。
【0013】また、本願発明において、好適に用いるこ
とが可能なニッケル(II)塩としては、塩化ニッケル、
硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケルなどが例示
され、これらのニッケル塩の一種類又は複数種類を水に
溶解させることより、ニッケル(II)塩水溶液が得られ
る。
【0014】また、請求項2のニッケル粉末の製造方法
は、前記還元剤水溶液に含まれる還元剤が、ヒドラジ
ン、ヒドラジン水和物、ホスフィン酸ナトリウム、ジメ
チルアミノボラン、及びテトラヒドロホウ酸カリウムか
らなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴
としている。
【0015】還元剤水溶液に含まれる還元剤として、ヒ
ドラジン、ヒドラジン水和物、ホスフィン酸ナトリウ
ム、ジメチルアミノボラン、及びテトラヒドロホウ酸カ
リウムから選ばれた少なくとも1種を用いることによ
り、ニッケル(II)塩水溶液中のニッケルイオン(Ni
2+)を効率よく還元し、一次粒子径の揃った微細なニッ
ケル粉末を得ることが可能になる。
【0016】また、請求項3のニッケル粉末の製造方法
は、前記還元剤水溶液が苛性アルカリを含有しているこ
とを特徴としている。
【0017】ニッケル(II)塩水溶液中のニッケルイオ
ン(Ni2+)を還元する場合、酸性領域では、還元反応
の速度が小さく、かつ還元反応が不安定になるが、還元
剤水溶液中に苛性アルカリを含有させることにより、ア
ルカリ領域で還元反応を行わせることが可能になり、還
元反応の速度を大きくし、かつ還元反応を安定させるこ
とが可能になり、一次粒子の形状が略球形で、所望の粒
径を有し、分散性に優れた微細なニッケル粉末を効率よ
く製造することが可能になる。なお、苛性アルカリとし
ては、通常、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウ
ムを用いることが望ましい。
【0018】また、請求項4のニッケル粉末の製造方法
は、前記ニッケル(II)塩水溶液が錯化剤を含有してい
ることを特徴としている。
【0019】ニッケル(II)塩水溶液に錯化剤を含有さ
せることにより、アルカリ領域で還元反応を行わせるよ
うにした場合にも、錯化剤がニッケルイオン(Ni2+
と安定な可溶性錯体を形成して、水酸化ニッケルの沈殿
生成を防止することが可能になる。
【0020】また、請求項5のニッケル粉末の製造方法
は、前記金属塩水溶液中に含有される錯化剤が、モノカ
ルボン酸、ポリカルボン酸、及びそれらの塩の少なくと
も1種であることを特徴としている。
【0021】金属塩水溶液中に含有される錯化剤とし
て、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、及びそれらの塩
の少なくとも1種を用いるようにした場合、難溶性ニッ
ケル塩の析出を抑制して、反応を均一にすることが可能
になるとともに、還元反応に要する時間を短縮してニッ
ケル粉末の生産性を向上させることが可能になる。モノ
カルボン酸、ポリカルボン酸、又はそれらの塩は、錯化
剤として作用する以外にニッケル(II)塩水溶液のpH
緩衝剤としても働き、ニッケルイオン(Ni2+)の還元
を安定化させる機能を果たす。
【0022】また、本願発明(請求項6)のニッケル粉
末は、請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造
されたニッケル粉末であって、一次粒子の形状が略球形
であり、平均粒径が0.1〜1.5μmの範囲にあるこ
とを特徴としている。
【0023】本願発明(請求項6)のニッケル粉末は、
請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造された
ものであり、一次粒子の形状は略球形であり、平均粒径
が0.1〜1.5μmの範囲にあるため、分散性に優れ
ており、取扱性も容易であることから、例えば、高積層
化された積層セラミックコンデンサなどの内部電極材料
として用いるのに適している。なお、ニッケル粉末の一
次粒子の形状が扁平形状である場合には、ニッケル粉末
の粉末の分散性が悪くなる。また、ニッケル粉末の平均
粒径が0.1μm未満になると、ニッケル粉末の取り扱
いが困難になるばかりでなく、自然発火の恐れが生じ、
また、平均粒径が1.5μmを超えると、高積層化した
積層セラミックコンデンサの内部電極形成用の導電性ペ
ーストに用いるのに適さなくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。本
願発明のニッケル粉末の製造方法においては、(a)塩化
ニッケル,硫酸ニッケル,硝酸ニッケル,酢酸ニッケル
などのニッケル塩を水に溶解させたニッケル塩水溶液
と、(b)ヒドラジン、ヒドラジン水和物、ホスフィン酸
ナトリウム、ジメチルアミノボラン、及びテトラヒドロ
ホウ酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種
を水に溶解させた有機不純物量が300ppm以下の還元
剤水溶液とを混合して、ニッケルイオン(Ni2+)を還
元することにより、一次粒子の形状が略球形で、所望の
粒径を有し、分散性に優れた微細なニッケル粉末が得ら
れる。なお、還元剤水溶液中の有機不純物としては、
1,3−ベンゼンジアミン、p−アミノフェニールエー
テル、フェニレンジアミン、安息香酸メチル、3,4,
5−トリメチルピラゾール、2−メチルアセトイジン、
ジメチルフラザンなどが挙げられるが、その中でも特
に、1,3−ベンゼンジアミン及びp−アミノフェニー
ルエーテルの総量を300ppm以下の範囲とすることに
より、一次粒子の形状が略球形で、所望の粒径を有し、
分散性に優れた微細なニッケル粉末を効率よく製造する
ことが可能になる。
【0025】また、還元剤水溶液中に苛性アルカリを含
有させることにより、ニッケル塩の還元速度を大きく
し、かつ還元反応を安定させて、さらに効率よく高品質
のニッケル粉末を得ることが可能になる。また、金属塩
水溶液に、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、及びそれ
らの塩などの錯化剤を含有させることにより、難溶性ニ
ッケル塩の析出を抑制して、反応を均一にすることが可
能になるとともに、還元反応時間を短縮してニッケル粉
末の生産性を向上させることが可能になる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を示して、本願発明をさらに具
体的に説明する。
【0027】(1)苛性アルカリとして水酸化ナトリウム
50gを純水50mlに溶解した後、有機不純物を、1,
3−ベンゼンジアミン及びp−アミノフェニールエーテ
ルの合計量で5ppm〜1000ppmの割合で含有するヒド
ラジン水和物(還元剤)を100g添加し、さらに純水
を100ml加えて還元剤水溶液を調製した。そして、こ
の還元剤水溶液をウォーターバスにて60℃に加温保持
した。 (2)また、硫酸ニッケル6水和物(ニッケル塩)100
gと、クエン酸三ナトリウム(錯化剤)36gを純水2
40mlに溶解して、ニッケル(II)塩水溶液を調製し
た。そして、このニッケル(II)塩水溶液をウォーター
バスにて60℃に加温保持した。 (3)次いで、ニッケル(II)塩水溶液を還元剤水溶液中
に80ml/分の速度で添加して還元反応を行わせた。な
お、ニッケル(II)塩水溶液を添加後、5〜60分後に
還元反応は終了した。 (4)還元反応の終了後、反応液を濾過することによりニ
ッケル粉末を分離し、純水で洗浄した後、有機溶剤で洗
浄して乾燥した。
【0028】そして、得られたニッケル粉末の平均粒径
及び粉末形状をSEM写真により計測した。その結果を
表1及び図1に示す。なお、表1に還元反応時間を併せ
て示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1及び図1に示すように、還元剤水溶液
中に含まれる有機不純物量(1,3−ベンゼンジアミン
及びp−アミノフェニールエーテルの合計量)が300
ppmより多くなると、還元反応に要する時間が急激に長
くなり、それにともなって、一次粒子径(平均粒径)が
大きくなり、粗粒化すること、及び、一次粒子どうしの
凝集が激しくなり、いびつなアメーバー状の粗大粒が生
成することがわかる。
【0031】一方、有機不純物量(1,3−ベンゼンジ
アミン及びp−アミノフェニールエーテルの合計量)が
300ppm以下の場合には、還元反応に要する時間が短
くなること、及び、一次粒子の平均粒径が小さく球形
で、分散性に優れたニッケル粉末が得られることがわか
る。
【0032】なお、上記実施例では、錯化剤としてクエ
ン酸三ナトリウムを用いた場合について説明したが、錯
化剤としては、その他の、モノカルボン酸、ポリカルボ
ン酸、及びそれらの塩などを用いることが可能である。
また、上記実施例では、ニッケル塩として、硫酸ニッケ
ル6水和物を用いたが、硝酸ニッケル,酢酸ニッケルな
どを用いることも可能である。また、上記実施例では、
苛性アルカリとして水酸化ナトリウムを用いた場合を例
にとって説明したが、水酸化カリウムを用いることも可
能である。
【0033】本願発明は、さらにその他の点において
も、上記実施例に限定されるものではなく、ニッケル塩
水溶液と還元剤水溶液を混合して、ニッケルイオン(N
2+)を還元する際の具体的な条件や操作方法などに関
し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加える
ことが可能である。
【0034】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
ニッケル粉末の製造方法は、還元剤水溶液中の有機不純
物量を300ppm以下にしているので、還元反応に要す
る時間を短縮することが可能になるとともに、反応を均
一に進行せしめることが可能になり、一次粒子の形状が
略球形で、所望の粒径を有し、分散性に優れた微細なニ
ッケル粉末を効率よく製造することができる。
【0035】また、請求項2のニッケル粉末の製造方法
のように、還元剤水溶液に含まれる還元剤として、ヒド
ラジン、ヒドラジン水和物、ホスフィン酸ナトリウム、
ジメチルアミノボラン、及びテトラヒドロホウ酸カリウ
ムから選ばれた少なくとも1種を用いた場合、ニッケル
(II)塩水溶液中のニッケルイオン(Ni2+)を効率よ
く還元し、一次粒子径の揃った微細なニッケル粉末を得
ることが可能になる。
【0036】また、ニッケル(II)塩水溶液中のニッケ
ルイオン(Ni2+)を還元する場合、酸性領域では、還
元反応の速度が小さく、かつ還元反応が不安定になる
が、請求項3のニッケル粉末の製造方法のように、還元
剤水溶液中に苛性アルカリを含有させることにより、ア
ルカリ領域で還元反応を行わせることが可能になり、還
元反応の速度を大きくし、かつ還元反応を安定させるこ
とが可能になり、一次粒子の形状が略球形で、所望の粒
径を有し、分散性に優れた微細なニッケル粉末を効率よ
く製造することができるようになる。
【0037】また、請求項4のニッケル粉末の製造方法
のように、ニッケル(II)塩水溶液に錯化剤を含有させ
た場合、アルカリ領域で還元反応を行わせるようにした
場合にも、錯化剤がニッケルイオン(Ni2+)と安定な
可溶性錯体を形成して、水酸化ニッケルの沈殿生成を防
止することができる。
【0038】また、請求項5のニッケル粉末の製造方法
のように、金属塩水溶液中に含有される錯化剤として、
モノカルボン酸、ポリカルボン酸、及びそれらの塩の少
なくとも1種を用いるようにした場合、難溶性ニッケル
塩の析出を抑制して、反応を均一にすることが可能にな
るとともに、還元反応に要する時間を短縮してニッケル
粉末の生産性を向上させることができる。
【0039】また、本願発明(請求項6)のニッケル粉
末は、請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造
されたものであり、一次粒子の形状が略球形で、平均粒
径が0.1〜1.5μmの範囲にあるため、分散性に優
れており、取扱性も容易であることから、例えば、高積
層化された積層セラミックコンデンサなどの内部電極材
料として用いるのに好適なニッケル粉末を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】還元剤水溶液中の有機不純物量と、ニッケル粉
末の平均粒径及び還元反応時間の関係を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル(II)塩水溶液と還元剤水溶液を
    混合して、ニッケルイオン(Ni2+)を還元することに
    よりニッケル粉末を得る液相反応において、 還元剤水溶液中の有機不純物量を300ppm以下とする
    ことを特徴とするニッケル粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】前記還元剤水溶液に含まれる還元剤が、ヒ
    ドラジン、ヒドラジン水和物、ホスフィン酸ナトリウ
    ム、ジメチルアミノボラン、及びテトラヒドロホウ酸カ
    リウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のニッケル粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記還元剤水溶液が苛性アルカリを含有し
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載のニッケル
    粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ニッケル(II)塩水溶液が錯化剤を含
    有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のニッケル粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】前記金属塩水溶液中に含有される錯化剤
    が、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、及びそれらの塩
    の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の方法によ
    り製造されたニッケル粉末であって、一次粒子の形状が
    略球形であり、平均粒径が0.1〜1.5μmの範囲に
    あることを特徴とするニッケル粉末。
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