JP2003221135A - 記録メディア収納ケース - Google Patents

記録メディア収納ケース

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JP2003221135A
JP2003221135A JP2002023462A JP2002023462A JP2003221135A JP 2003221135 A JP2003221135 A JP 2003221135A JP 2002023462 A JP2002023462 A JP 2002023462A JP 2002023462 A JP2002023462 A JP 2002023462A JP 2003221135 A JP2003221135 A JP 2003221135A
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media
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Application number
JP2002023462A
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English (en)
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Junichi Yoshikawa
淳一 吉川
Tama Hanabusa
瑞 花房
Kiichiro Takahashi
喜一郎 高橋
Tetsuhiro Ohashi
哲洋 大橋
Masahiro Taniguro
昌宏 谷黒
Katsuyuki Yokoi
克幸 横井
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧板で記録メディアを給紙ローラに押圧して
記録メディアを給送するように構成されている給送部に
よって、内部に収納した記録メディアを送出することが
できる記録メディア収納ケースを提供する。 【解決手段】 収納ケース21は、画像が記録される記
録メディア24を複数枚重ねた状態で収納するように構
成されている。収納ケース21は、内部に収納された記
録メディア24を送出する前面22cに、少なくとも1
枚の記録メディア24を通過させることができる隙間部
26が形成されているとともに、内部に収納した記録メ
ディア24を隙間部26に対向する位置に配置するため
に、複数枚重ねられた記録メディア24の積載方向に記
録メディアを移動させることが可能な可動板23が収納
ケース21の内部に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像が記録される
記録メディアを複数枚重ねた状態で収納する記録メディ
ア収納ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録ヘッドのノズ
ルからカラーインクの液滴を吐出して記録メディアに画
像を記録するカラーインクジェットプリンタによる記録
画像の品位には、銀塩写真並の美しさが求められてきて
いる。これを実現するために、記録ヘッドは、ノズルか
ら吐出するインク滴の粒子を小さくし、かつノズルから
インク滴を正確な位置に噴射できるように改良され、記
録メディアは、表面状態が超光沢調、光沢調、およびマ
ット調(つや消し)等の様々なタイプのものが開発され
てきている。そして、ユーザーは自分の好みの記録品位
に応じて記録メディアを選択できるようになってきてい
る。
【0003】ところが、一般に、プリンタの色画像処理
やインクの吐出量が同じであっても、記録メディアの表
面状態が異なれば記録された画像の発色状態が異なるた
め、適切な品位の記録画像を得るためには、色画像処理
やインクの吐出量を記録メディアの種類ごとに変えて最
適なものにする必要がある。色画像処理やインク吐出量
の最適化は、プリンタに接続されたホストコンピュータ
(以下、「PC」という。)にプリンタドライバのソフ
トウェアがインストールされて構成されたプリンタドラ
イバシステムにて処理される。ユーザーは、プリンタを
用いて記録メディアに画像記録を行う際に、記録を行お
うとする記録メディアの種類をPCを用いてプリンタド
ライバの画面上で選択する操作を行う必要がある。
【0004】また、記録メディアは、通常の銀塩写真の
サービスサイズである「L版」、その2倍である「2L
版」、そして「はがき版」等、用途に応じて様々な大き
さがある。したがって、記録メディアの大きさも、上述
のプリンタドライバの画面上でユーザーがPCを用いて
選択するようになっている。
【0005】また、従来は、記録メディアをプリンタの
給送部にセットする場合は、ユーザーが記録メディアを
むき出し(裸)のまま直接手で持って、必要な枚数をプ
リンタの給送部に補充する動作を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録メ
ディアの種類や大きさをプリンタドライバの画面上で選
択する操作を行うことは、PCの操作に慣れないユーザ
ーにとっては難しい。
【0007】そのような理由から、近年ではPCに接続
せずに画像記録を行うことができるプリンタのニーズが
高まってきており、プリンタにデジタルカメラを直接接
続したり、記録画像を記憶したメモリーカードをプリン
タに直接挿入したりすることにより、PCに接続しなく
ても画像記録を行うことができるプリンタが多数開発さ
れてきている。このようなプリンタは、プリンタ本体に
設けられた表示画面やデジタルカメラの表示画面を使っ
て記録メディアを選択する操作が行われるように構成さ
れている。しかしながら、プリンタやデジタルカメラの
小型化や製造コスト削減の観点から、通常はいずれの表
示画面も小さく構成されるため、記録メディアの選択操
作を行い難い場合が多い。
【0008】通常の使用状況として、例えば文書の記録
には普通紙を用い、写真の記録には光沢調の記録メディ
アを用いるというように、記録対象に応じて記録メディ
アの種類を使い分けることが想定される。しかし、例え
ば光沢調の記録メディアを用いて画像記録を行った後に
使い掛けの記録メディアを保管する場合には、記録メデ
ィアをむき出しのままの状態で保管しておくと埃や外光
の影響を受けて記録メディアが劣化してしまい好ましく
ないので、記録メディアが収納されていた元の収納袋等
に記録メディアを戻して保管する必要がある。ところ
が、使い掛けの記録メディアを元の収納袋等に一々戻す
ことは、ユーザーにとって手間となる。
【0009】また、ユーザーが記録メディアをむき出し
(裸)のまま直接手で持ってプリンタの給送部に補充す
ると、記録メディアが光沢調等の特殊な表面状態を有す
るものである場合には記録メディアの光沢面に指紋が付
くことなどにより、記録品位に悪影響を及ぼすことがあ
る。
【0010】上記のような理由から、特殊な表面状態を
有する記録メディアは、収納ケースに収納された状態で
プリンタの給送部に給紙されることが好ましい。プリン
タは一般に記録メディアの給送部を構成する圧板と給紙
ローラを有し、給送部に給紙された記録メディアを圧板
と給紙ローラで狭持して記録部内に給紙するように構成
されているが、このような給送部に加えて、収納ケース
に収納された記録メディアを給紙するための給送部をプ
リンタに別途設けることは、プリンタの大型化と製造コ
ストの高コスト化を招くこととなり好ましくない。した
がって、収納ケース内に収納された記録メディアも、む
き出しの記録メディアを給送するための給送部によって
記録部内に給送することができれば、記録メディアの取
り扱いや保管が便利になる。
【0011】そこで本発明は、圧板で記録メディアを給
紙ローラに押圧して記録メディアを給送するように構成
されている給送部によって、内部に収納した記録メディ
アを送出することができる記録メディア収納ケースを提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の記録メディア収納ケースは、画像が記録さ
れる記録メディアを複数枚重ねた状態で収納する記録メ
ディア収納ケースにおいて、前記記録メディア収納ケー
ス内に収納された前記記録メディアを送出する面に形成
された、少なくとも1枚の前記記録メディアを通過させ
ることができる隙間部と、前記記録メディア収納ケース
内に収納された前記記録メディアを前記隙間部に対向す
る位置に配置するために、複数枚重ねられた前記記録メ
ディアの積載方向に前記記録メディアを移動させること
が可能な可動板と、を有していることを特徴とする。
【0013】上記本発明の記録メディア収納ケースは、
プリンタの給送部に装着されると、記録メディア収納ケ
ース内の記録メディアが給送部によって隙間部から繰り
出されて、プリンタの記録部に給送される。そして、記
録メディア収納ケース内の記録メディアの枚数は、記録
メディアが記録メディア収納ケース内から繰り出されて
いくのにしたがって減っていく。このとき、上記本発明
の記録メディア収納ケースによれば、繰り出された記録
メディアの量に応じて可動板を移動させることにより、
収納ケース内部に積載された複数枚の記録メディアの一
番上にある記録メディアを隙間部に対向する位置に配置
することができる。
【0014】このように、本発明の記録メディア収納ケ
ースは、次に送出すべき記録メディアを隙間部に対向す
る位置に配置することができるので、記録メディアをス
ムーズに繰り出すことが可能であり、これによって、記
録メディアをむき出しの状態ではなく内部に収納した状
態でもプリンタの給紙部から記録部へ給紙することが可
能である。そのため、本発明の記録メディア収納ケース
は、内部の記録メディアに触れずに記録メディアを給送
部に装填でき、また、記録メディアを内部に収納したま
ま保管できるので、記録メディアに指紋を付けたり、埃
や光で記録メディアが劣化することを防止できる。
【0015】また、前記可動板の、前記記録メディア収
納ケース内に収納された前記記録メディアに接する面と
は反対側の面には、少なくとも前記記録メディア収納ケ
ース内に前記記録メディアが収納されている状態では前
記記録メディア収納ケースの外に突出している突起部が
設けられている構成としてもよい。
【0016】プリンタの給送部は、一般に、むき出し状
態の複数枚の記録メディアを支持する圧板を有する積載
部と、この積載部から記録メディアを1枚ずつ分離して
記録部側に給送する給送ローラおよび分離ローラと、こ
の給送ローラを回転駆動する駆動機構とを備えている。
そして、圧板によって記録メディアを給送ローラに押し
当てることで、給送ローラおよび分離ローラで記録メデ
ィアを1枚づつ分離して給送するようになっている。
【0017】そのため、可動板に上記のような突起部が
設けられている収納ケースを、突起部が圧板で押圧され
る向きにプリンタの給送部に装填することにより、収納
ケースの可動板は突起部を介して圧板によって押圧さ
れ、次に送出すべき記録メディアを隙間部に対向する位
置に配置することが可能になる。
【0018】さらに、前記突起部は、前記記録メディア
の積載方向における前記記録メディア収納ケースの厚み
と少なくとも同じ厚みを有している構成とすることが好
ましい。
【0019】上述したように、記録メディア収納ケース
内の記録メディアの枚数は記録メディアが記録メディア
収納ケース内から繰り出されていくのにしたがって減っ
ていき、それに伴って、上記の突起部も圧板によって収
納ケース内に徐々に押し込まれていく。このとき、突起
部の厚みが記録メディアの積載方向における収納ケース
の厚みよりも小さいと、突起部が収納ケースの中に完全
に押し込まれた状態では、たとえ収納ケース内に記録メ
ディアが残っている場合であっても、圧板による押圧力
を可動板に伝達することができなくなる。そのため、上
記のように突起部が記録メディアの積載方向における収
納ケースの厚みと少なくとも同じ厚みを有している構成
とすることにより、収納ケース内の記録メディアの量に
関わらず、圧板による押圧力を可動板に伝達することが
可能になり、内部の記録メディアを最後の1枚まで良好
に送出できる。
【0020】また、前記記録メディア収納ケース内に収
納された前記記録メディアを、前記記録メディアの積載
方向に関して、前記隙間部に対向する位置から遠ざける
方向に付勢する付勢手段を備えている構成とすることに
より、収納ケース内に収納された記録メディアが隙間部
から不用意に送出されてしまうことを防ぐことが可能に
なる。
【0021】また、前記記録メディア収納ケースの、前
記可動板の前記記録メディアに接する面に対向する面に
開口部が形成されている構成としてもよい。この開口部
を通して収納ケース内の記録メディアを上述した給送ロ
ーラに当接させることで、給送ローラを用いて収納ケー
ス内から記録メディアを取り出すことが可能になる。
【0022】さらに、前記記録メディア収納ケースの前
記隙間部が形成されている面には前記記録メディアの送
出を規制する規制手段が設けられており、前記隙間部
は、前記記録メディア収納ケースの前記開口部が形成さ
れている面と前記隙間部が形成されている面の前記規制
手段との間に形成されている構成としてもよい。この規
制手段によっても、収納ケース内に収納された記録メデ
ィアが隙間部から不用意に送出されてしまうことを防ぐ
ことが可能になる。
【0023】また、前記記録メディア収納ケースは紙素
材で構成されていてもよい。記録メディア収納ケースが
紙素材で構成されていれば、収納していた記録メディア
を使い尽くした後に収納ケースを再生紙用にリサイクル
することができる。また、収納ケースを廃棄する場合で
あっても、特に分別することなく「燃えるごみ」として
容易に廃棄することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0025】<第1の実施形態>図1は、本発明の記録
メディア収納ケースの一実施形態が適用されるインクジ
ェットプリンタの概略的な全体構成を示す斜視図であ
る。以下、本実施形態のシリアル型のインクジェットプ
リンタを図面を参照して説明する。
【0026】本実施形態のインクジェットプリンタは、
インクジェット記録方式の中でも特に、液体のインクを
吐出するために利用されるエネルギーとして熱エネルギ
ーを発生する手段を備え、その熱エネルギーによってイ
ンクの状態変化を生起させる方式が採用された記録ヘッ
ドが搭載されたプリンタである。この方式が用いられる
ことにより、記録される文字や画像等の高密度化および
高精細化を達成している。特に本実施形態では、熱エネ
ルギーを発生する手段として発熱抵抗素子を用い、この
発熱抵抗素子によりインクを加熱して膜沸騰させたとき
に生じる気泡による圧力を利用してインクを吐出する構
成を採用しているが、インクを吐出させる方式として
は、発熱抵抗素子による方式に限定されることなく、例
えばピエゾ素子等の電気機械変換素子を用いて、インク
に機械的な振動を与え、この振動による圧力を利用して
インクを吐出する方式が採用されてもよい。
【0027】また、本発実施形態において、文字や画像
等の情報が記録される記録メディアとしては、記録紙が
適用されるが、例えばフィルム等の他の記録メディアが
適用されてもよいことは勿論である。また、本実施形態
のインクジェットプリンタには、むき出しの状態で積み
重ねられた複数の記録メディア、および、複数の記録メ
ディアが収納ケース内に積載された状態で収納された収
納ケースがそれぞれ装填可能であり、むき出しの記録メ
ディアおよび収納ケースのいずれか一方が選択されて装
填される。
【0028】本実施形態に係るインクジェットプリンタ
は、図1に示すように、記録メディアに画像等の情報を
記録する記録部2と、この記録部2に記録メディアを給
送する給送部7とを備えている。
【0029】記録部2は、記録メディアに情報を記録す
る記録ヘッド(不図示)と、この記録ヘッドを支持する
キャリッジ1と、このキャリッジ1を移送する移送機構
13と、この給送部7から給送された記録メディアを記
録ヘッドに搬送するとともに情報が記録された記録メデ
ィアを送出する搬送機構14と、インクジェットプリン
タ全体を駆動制御する制御回路等を有する制御系9とを
備えている。
【0030】記録ヘッドは、記録メディアの搬送路に隣
接して設けられており、記録メディアの搬送路に対向す
る位置にインクを吐出する吐出口(図示せず)が設けら
れている。記録ヘッドは、供給されたインクを吐出する
ための熱エネルギーを発生する電気抵抗素子(図示せ
ず)を有している。そして、記録ヘッドは、電気抵抗素
子により印加される熱エネルギーを用いることによっ
て、例えば膜沸騰によりインクを吐出する。
【0031】キャリッジ1は、図示しないが、インク供
給部から供給されたインクを収容するタンク部も支持す
る。このタンク部は、例えばイエロー、シアン、マゼン
タ、ブラックの4色の各インクがそれぞれ収容される各
収容部が、隔壁によって分離されて設けられている。
【0032】また、キャリッジ1には、移送機構13に
移動可能に支持される軸受け部が設けられている。さら
に、キャリッジ1は、各収容部から記録ヘッドにインク
を供給するインク供給路を有しており、このインク供給
路を介してタンク部の各収容部と記録ヘッドが連通され
ている。
【0033】移送機構13は、図示しないが、キャリッ
ジ1を主走査方向である図1中の矢印a1方向およびa2
方向に移動可能に支持する主軸および副軸と、キャリッ
ジ1をキャリッジベルト6を介して駆動するキャリッジ
モータ(不図示)とを備えている。
【0034】搬送機構14は、記録ヘッドの主走査方向
に交差する副走査方向である記録メディアの搬送方向の
上流側に位置されて記録ヘッド側に記録メディアを搬送
するための一対の搬送ローラ10およびピンチローラ1
1と、記録ヘッドに対して搬送方向の下流側に位置され
て記録ヘッド側から記録メディアを搬送して排出するた
めの排出ローラ12と、記録ヘッドによって記録される
記録メディアを支持するプラテン15と、搬送ローラ1
0を回転駆動するLF(ラインフィード)モータ(不図
示)とを備えている。
【0035】以上のように構成された記録部2は、給送
部7から供給された記録メディアが、搬送ローラ10と
ピンチローラ11とに挟持されて、搬送ローラ10がL
Fモータによって回転されることで、図1中の矢印b方
向に搬送される。また、記録ヘッドを搭載するキャリッ
ジ1は、キャリッジモータによりキャリッジベルト6を
介して矢印a1方向およびa2方向に往復駆動される。搬
送される記録メディアには、プラテン15上に位置する
箇所で、記録ヘッドからインクが吐出されることによ
り、所望の画像等の情報が記録される。そして、搬送機
構14は、プラテン15上の記録メディアを排出ローラ
12によって搬送して、記録部2の外に排出する。
【0036】なお、記録メディア24としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0037】また、プリンタは、各種の紙やOHPシー
ト等に対して記録を行うプリンタ、コンパクトディスク
等のプラスチック材に記録を行うプラスチック用プリン
タ、金属板に記録を行う金属用プリンタ、皮革に記録を
行う皮革用プリンタ、木材に記録を行う木材用プリン
タ、セラミックス材に記録を行うセラミックス用プリン
タ、スポンジ等の三次元網状構造体に対して記録を行う
プリンタ、また、布帛に記録を行う捺染装置等をも含む
ものである。
【0038】図2は本実施形態にかかるインクジェット
プリンタの記録部における制御系のブロック図である。
ホストコンピュータ400から、記録すべき文字や画像
等のデータ(以下、画像データと称する。)が、記録部
2の受信バッファ401に入力される。また、正しくデ
ータが転送されているか否かを確認するデータ、インク
ジェットプリンタの動作状態を知らせるデータ等が記録
部2からホストコンピュータ400に返される。受信バ
ッファ401のデータは、CPUを有する制御部402
の管理の元でメモリ部403に転送されRAM(ランダ
ムアクセスメモリ)に一時的に記憶される。メカコント
ロール部404は、制御部402からの指令に基づい
て、キャリッジモータ、LFモータ等のメカ部405を
駆動制御する。センサ/SWコントロール部406は、
各種センサおよびSW(スイッチ)を有するセンサ/S
W部407からの信号を制御部402へ送る。表示素子
コントロール部408は、制御部402からの指令に基
づいて、表示パネル群のLEDや液晶表示素子等からな
る表示素子部409を制御する。記録ヘッドコントロー
ル部410は、制御部402からの指令に基づいて、記
録ヘッド411を制御する。また、記録ヘッドコントロ
ール部410は、記録ヘッド411の状態を示す温度情
報等を検知し制御部402に伝える。画像処理部402
aは、受信バッファ401に入力された画像データの処
理を行い、各色間の境界や空白を検知して、記録のため
のデータを生成する。
【0039】本実施形態に係るインクジェットプリンタ
が備える給送部7は、図1および図6に示すように、複
数の記録メディアまたは複数枚の記録メディアが収納さ
れた収納ケースを支持する圧板42を有する積載部35
と、この積載部35から記録メディアを1枚ずつ分離し
て記録部側に給送する給送ローラ40および分離ローラ
44と、この給送ローラ40を回転駆動する駆動機構
(不図示)とを備えている。積載部35は、記録メディ
アが積載される給送トレイ8と、記録メディアの給送方
向の前端部を給送ローラ40側に圧接する圧板42とを
有している。
【0040】次に、本実施形態に係る収納ケースの構成
について説明する。図3は収納ケースを上方から見た状
態を示す外観斜視図であり、図4は収納ケースを下方か
ら見た状態を示す斜視図である。
【0041】図3および図4に示すように、収納ケース
21は、複数枚の記録メディア24を収納する外ケース
22で構成されている。外ケース22内には、内部に収
納された記録メディア24を後述する隙間部26に対向
する位置に配置するために、複数枚重ねられた記録メデ
ィア24の積載方向に記録メディア24を移動させるこ
とが可能な可動板23が設けられている。可動板23の
底面22b側の面、すなわち可動板23の記録メディア
24に接する面とは反対側の面には、少なくとも収納ケ
ース21内に記録メディア24が収納されている状態で
は外ケース22の外に突出している突起部31が設けら
れている。この突起部31の機能説明については後述す
る。また、外ケース22の上面22aには、外ケース2
2内に収納されている記録メディア24の一部を外方に
臨ませる開口部30が設けており、この開口部30を通
して、後述する給送ローラ40が、外ケース22内に積
載された記録メディア24の最上部24dに位置する1
枚の記録メディア24上に直接圧接できるように構成さ
れている。この圧接力と回転する給送ローラ40とによ
って、収納ケース21の隙間部26から記録メディア2
4が1枚ずつ繰り出されていく。
【0042】開口部30の横幅は、給送ローラ40が当
接する位置に、給送ローラ40の横幅よりもやや大きく
形成されている。この一方で、開口部30は、塵埃や外
光によって記録メディア24が劣化するのを防止するた
めに、極力小さく形成されている。
【0043】また、外ケース22の前面22cには、開
口部30の幅方向の両端に位置し、外ケース22内から
記録メディア24が不用意に送出されてしまうことを防
止する規制手段として、せき止め爪27がそれぞれ設け
られている。さらに、外ケース22の前面22c側に
は、外ケース22の上面22aと、この上面22aに対
向する各せき止め爪27の上端との間に、内部に収納さ
れている記録メディア24の最上部24dの少なくとも
1枚を円滑に通過可能とする隙間部26が設けられてい
る。
【0044】外ケース22内から繰り出される1枚の記
録メディア24は、この隙間部26を通過して図3中の
矢印cの方向に進行し、図1に示した記録部2に給送さ
れる。
【0045】また、収納ケース21は、外ケース22の
側面22dに、内部に収納されている記録メディア24
の種類および大きさを識別するための識別マーク28が
印刷されている。この識別マーク28は、記録メディア
24の種類および大きさ、例えば光沢紙、超光沢紙、マ
ット紙等の紙種と、L版、2L版、はがき版等の用紙サ
イズとに関するメディア情報を、あらかじめ規定された
決まりに従ってコード化して示している。本実施形態で
は、図4に示すように、識別マーク28は黒・白・黒・
白の順に並べた4つのマークで構成されており、4ビッ
トの情報量を有している。この識別マーク28は、給送
部7に備えられた後述する検知機構で読み取られるよう
になっている。
【0046】また、収納ケース21は、外ケース22の
上面22aに、内部に収納されている記録メディア24
の種類および大きさに関するメディア情報を、あらかじ
め規定された決まりに従ってコード化して示した識別記
号29が、比較的大きく目立つように印刷されている。
この識別記号29の詳細については後述するが、ユーザ
ーがプリンタドライバの設定画面で容易に入力すること
を可能にする記号であり、ユーザーが容易に確認するこ
とができる文字で表示していることに特徴がある。
【0047】このように、収納ケース21の外ケース2
2には、内部に収納される記録メディア24の紙種や用
紙サイズに応じて異なる識別マーク28および識別記号
29が印刷されている。これらの識別マーク28および
識別記号29は、収納ケース21の内部に収納された記
録メディアの種類や大きさによって異なるが、同じ外ケ
ース22に印刷された識別マーク28と識別記号29は
同じ情報を示している。
【0048】次に、図5を参照して収納ケース21の構
造をさらに詳しく説明する。
【0049】図5(a)は図3等に示した収納ケースを
透視した平面図を示し、図5(b)および図5(c)
は、図5(a)の線A−Aにおける側断面を、内部の記
録メディアの残量の違いで2つの状態に分けてそれぞれ
示している。図5(b)は記録メディアの残量が多い場
合を示す側断面図であり、図5(c)は記録メディアの
残量が1枚の場合を示す側断面図である。
【0050】ここで、上述した外ケース22や可動板2
3は、材料として、例えばシート状の厚紙やプラスチッ
ク板によって形成することが好ましく、このようなシー
ト材を折り曲げて形成することにより、製造コストの低
減を図ることができる。特に、これらを紙素材で構成す
れば、収納していた記録メディア24を使い尽くした後
に収納ケース21を再生紙用にリサイクルすることがで
きる。また、収納ケース21を廃棄する場合であって
も、特に分別することなく「燃えるごみ」として容易に
廃棄することができる。
【0051】また、可動板23は、複数の記録メディア
24の最上部24dにおける可動板23の幅方向の両端
部に、記録メディア24の最下部24eの側に折り返さ
れた付勢手段としての折り返し片32がそれぞれ形成さ
れている。すなわち、可動板23は、記録メディア24
の最下部24e側に突起部31を有し、この突起部31
から記録メディア24の後端部24bを囲みこむように
して記録メディア24の最上部24d側に回り込み、記
録メディア24の最上部24d側に折り返し片32を有
する形状のものである。もちろん、可動板23は上述し
た形状に限るものではなく、他の形状に構成することも
可能である。
【0052】折り返し片32は、自身の復元力による弾
性を有しており、外ケース22の上面22aに対して離
間する方向に開くように、記録メディア24に付勢力を
付与している。この付勢力によって、折り返し片32
は、外ケース22内の記録メディア24の残量に応じ
て、上面22aに対する傾斜角が変化し、記録メディア
24を可動部23に対して常に外ケース22の底面22
b側に付勢するようになっている。このため、収納ケー
ス21は、上述した隙間部26に対向する位置に内部の
記録メディア24が位置するのを妨げるようにして、記
録メディア24の位置を確実に規制している。すなわ
ち、給送部7から収納ケース21を使用途中で取り外し
た場合等の状況においても、隙間部26から記録メディ
ア24が不用意に飛び出ることがないようになってい
る。
【0053】次に、収納ケース21を図1に示したプリ
ンタの給送部7に装着したときの動作を説明する。
【0054】図6に、収納ケースが装着された給送部の
斜視図を示す。給送部7は、記録メディア24を挿入す
る挿入口7aに収納ケース21を装填できる構成となっ
ている。この給送部7は、収納ケース21の開口部30
に対向する位置に給送ローラ40が配置されており、こ
の給送ローラ40は、不図示の駆動機構によって回転駆
動される給送軸41と一体的に回転される。
【0055】また、給送部7は、圧板42が、給送軸4
1の回転に同期して、不図示の駆動機構によって給送軸
41と平行に設けられた回転軸42aを回動中心として
回動する(図7中の矢印d方向)ことにより、記録メデ
ィア24の給送方向の前端部を、給送ローラ40に対し
て適正な圧接力で圧接させるように構成されている。し
たがって、給送部7は、圧板42の圧接力と給送ローラ
40の回転とにより、収納ケース21内の最上部24d
に位置する1枚の記録メディア24に前進力を付与し、
不図示の分離機構により1枚ずつ記録メディア24を給
送するように構成されている。
【0056】給送部7の圧板42には、記録メディア2
4の給送方向を案内するサイドガイド43が、適度の保
持摩擦力をもって記録メディア24の幅方向に移動可能
に設けられており、ユーザーが記録メディア24または
収納ケース21の幅方向の一側面にサイドガイド43を
突き当てることで幅方向の位置を調節できるようになっ
ている。このサイドガイド43によって、記録メディア
24や収納ケース21が記録部2に対して略直角に姿勢
を保持されるため、記録メディア24が斜めに傾いた状
態で給送されてしまうことが防止される。
【0057】図7は、記録メディアや収納ケースが装填
されていない状態の給送部の、給紙ローラを含む位置に
おける断面図である。
【0058】給送部7には、給送ローラ40に対向する
位置に分離ローラ44が設けられている。この分離ロー
ラ44は、一定、かつ適度な摩擦負荷トルク値を有して
おり、一定値以上の外力が加わった場合に回転するが、
それ未満のトルクでは回転しないように構成されてい
る。そして、給送部7は、給送ローラ40と分離ローラ
44との接点部(以下、ニップ部と称する。)に進入し
てきた複数枚の記録メディア24を1枚ずつに分離し
て、先に通過させる機能を担っている。
【0059】図8は、収納ケースに収納されていない状
態の、むき出しの記録メディアが複数枚装填されている
状態の給送部を示す断面図である。
【0060】図8に示す圧板42は待機状態にあり、記
録メディア24は給送ローラ40に当接していない。給
送動作を開始すると、圧板42が回転軸42aを回動中
心として、図8中の時計回り方向に回動することによ
り、記録メディア24が給送ローラ40に圧接される。
この分離機構は、記録メディア24が装填位置からニッ
プ部に複数枚進んだ後、上述の分離機構で分離され、残
された記録メディア24がレバーや爪部材で元の装填位
置に戻されるように駆動される、いわゆる戻し機構(不
図示)も備えている。これら分離機構と戻し機構は公知
技術であるため、詳細な説明を省略する。また、分離機
構と戻し機構は、上述した方式に限るものでなく他の方
式を用いてもよいことは勿論である。
【0061】図9は、記録メディアを満載した収納ケー
スが装填された状態の給送部を示す断面図である。
【0062】図9に示す圧板42も図8と同様に待機状
態にあるので、収納ケース21に押圧力は付加されてお
らず、内部に収納された記録メディア24は給送ローラ
40に当接していない。この状態では、ユーザーは、給
送部7に対して収納ケース21を容易に着脱できる。
【0063】重力によって、収納ケース21全体が圧板
42上に支持されており、内部の記録メディア24も重
力の作用で収納ケース21の底面22b側に位置してい
る。したがって、収納ケース21は、記録メディア24
が隙間部26に臨む位置に位置していないため、収納ケ
ース21内から記録メディア24が不用意に飛び出るこ
となく安定して収納された状態にある。
【0064】そして、圧板42が回動すると、この圧板
42に当接した収納ケース21の突起部31が、重力に
抗して外ケース22の底面22b側から上面22a側に
向かって移動する。これにより、上面22a側の隙間部
26に対向する位置に、積載された記録メディア24の
最上部24dが初めて移動されて、記録メディア24を
収納ケース21の外に送出することが可能になる。
【0065】このように、給送ローラ40と隙間部26
が収納ケース21の上面22a側に配置され、かつ、突
起部31が収納ケース21の底面22b側に配置される
ことが、重力作用との関連では重要である。
【0066】図10は、図9に示した状態から給紙動作
が開始された状態を示している。
【0067】圧板42が回転軸42aを中心として回動
すると、圧板42は突起部31を押圧し、可動板23を
介して記録メディア24を押し上げて、給紙ローラ40
に当接させる。可動板23は、外ケース22の後面付近
に位置するヒンジ部47を中心に自由に曲がることがで
きるようになっており、外ケース22内に残っている記
録メディア24の枚数に応じて曲がり角度が変動する。
具体的には、外ケース22内に多くの記録メディア24
が収納されているときには可動板23の曲がり角度は小
さいが、外ケース22内の記録メディア24が減ってい
くのにしたがって、圧板42による突起部31の押し込
み量が増していき、可動板23の曲がり角度が大きくな
る。
【0068】図11は、図10に示した状態から給紙動
作が進行し、収納ケース内の最後の1枚の記録メディア
を給紙している状態を示している。
【0069】図11に示すように、外ケース22内の記
録メディア24が減ると積載された記録メディア24の
総厚が小さくなるので、記録メディア24を給紙ローラ
40に当接させるために圧板42の回動量が大きくな
る。それに伴って圧板42による突起部31の押し込み
量が増し、それに追従して可動板23の曲がり角度eも
大きくなっている。
【0070】図10と図11を用いて説明した可動部の
動作について、図12および図13を参照してさらに詳
しく説明する。図12は図10に示した給送部の収納ケ
ースの先端部近傍を拡大して示し、図13は図11に示
した給送部の収納ケースの先端部近傍を拡大して示して
いる。
【0071】外ケース22内部の記録メディア24が給
紙ローラ40に当接することは先に述べた通りである
が、ここで給紙ローラ40について詳説すると、給紙ロ
ーラ40は概半月形の形状を有しており、その外周には
記録メディア24に対する摩擦係数が高い材質でからな
るゴム材が設けられている。
【0072】ここで図6も参照すると、給紙ローラ40
が設けられている給紙軸41の複数箇所には、外ケース
22が圧板42によって給紙ローラ40側に過剰に押し
出されることを防ぐために円形のパック浮き防止リブ4
6が形成されている。これらのパック浮き防止リブ46
は給紙軸41に一体的に形成されており、給紙ローラ4
0と一緒に回動する。これらのパック浮き防止リブ46
の半径は、給紙ローラ40の円形部の半径よりも若干小
さく形成され、さらに、外ケース22を構成するシート
部材の厚さよりも約0.5mm程度大きく形成されてい
ることが好ましい。よって、例えば外ケース22のシー
ト部材の厚さが0.5mmである場合には、給紙ローラ
40の円形部の半径よりも1mm程度小さく形成されて
いることが好ましい。
【0073】外ケース22は、圧板42に押圧されると
パック浮き防止リブ46に当接する。これにより、突出
部31が圧板42に押圧されて可動板23が上昇した時
に、外ケース22も上昇してしまうことを防ぎ、積層さ
れた複数の記録メディア24の最上部の1枚が隙間部2
6に対向する位置に配置されるようになっている。前述
した給紙ローラ40とパック浮き防止リブ46との径差
によって、記録メディア24は給紙ローラ40に適正な
圧力で押圧されるようになっている。なお、以上に説明
した動作は、外ケース22内の記録メディア24の量が
変動しても同じである。
【0074】ここで、図13に示すように外ケース22
内の記録メディア24が最後の1枚になった場合でも、
その記録メディア24を外ケース22から取り出すため
には、圧板42による押圧力が記録メディア24を介し
て給紙ローラ40に伝わることが必要である。そのため
には、外ケース22内の記録メディア24が最後の1枚
になった場合でも突起部31が圧板42に当接している
必要があるので、突起部31は、その厚みが外ケース2
2の厚みと概略同じか、それよりも若干大きくなるよう
に構成されている。突起部31の厚みが記録メディア2
4の積載方向における収納ケース21の厚みよりも小さ
いと、突起部31が収納ケース21の中に完全に押し込
まれた状態では、たとえ収納ケース21内に記録メディ
ア24が残っている場合であっても、圧板42による押
圧力を可動板23に伝達することができなくなる。その
ため、上記のように突起部31が記録メディア24の積
載方向における収納ケース21の厚みと少なくとも同じ
厚みを有している構成とすることにより、収納ケース2
1内の記録メディア24の量に関わらず、圧板42によ
る押圧力を可動板23に伝達することが可能になり、内
部の記録メディア24を最後の1枚まで良好に送出する
ことができる。
【0075】突起部31の厚みが上記よりも厚い分に
は、圧板42からの押圧力により記録メディア24を最
後の1枚まで押圧するという機能上は問題がない。しか
し、突起部31の厚みをあまりに大きくすると外ケース
22からの突出量が大きくなり、収納ケース21が無駄
に大型化して使いづらくなるので、突起部31の厚みは
上記の程度の厚みとすることが好ましい。
【0076】なお、図6に示すように、パック浮き防止
リブ46は、給紙軸41に沿って3カ所に設けられてお
り、先述した記録メディアの大きさ(例えば、L版、2
L版、はがき版等)に応じた様々な幅を有する各種の収
納ケース21が装着されたときに、それぞれの収納ケー
ス21の幅方向における概略端部付近に位置するように
なっている。パック浮き防止リブ46が3カ所に設けら
れているのはこのような事情によるものであり、さらに
多種の大きさの収納ケース21が装着される場合には、
それぞれの大きさに応じた位置にパック浮き防止リブ4
6をさらに設ければよいので、パック浮き防止リブ46
を設けることができるのが3カ所に限られないことは言
うまでもない。パック浮き防止リブ46は給紙軸41に
一体成形により樹脂で形成できるので、パック浮き防止
リブ46の数を増やしても製造コストはさほど増加しな
い。さらに、パック浮き防止リブ46が給紙軸41に一
体に設けられている場合でも別体に設けられている場合
でも、パック浮き防止リブ46の外周部は回転時には外
ケース22に対して摺動するが、パック浮き防止リブ4
6の外周部は滑らかな滑面になっており摩擦係数が小さ
いため、この摺動によって給紙軸41の回動が妨げられ
ることはない。
【0077】また、先に説明した戻し機構は、収納ケー
ス21が装着されたときも同様に機能し、隙間部26を
通過した2〜3枚の記録メディア24がニップ部に送ら
れて1枚のみ分離された後には、残りの記録メディア2
4はこの戻し機構によって外ケース22内に戻されるよ
うになっている。このように、上述した給送部7は、む
き出しの状態で装填された記録メディアを1枚ずつ給紙
する分離機構および戻し機構をそのまま用いて、収納ケ
ース21内に収納された状態の記録メディア24の給紙
を実現している。
【0078】次に、給送部7が備える収納ケース種類識
別手段について、再び図1を参照して説明する。
【0079】給送部7には、給送部7に装着された状態
の収納ケース21の識別マーク28(図3および図4を
参照)に対向する位置にセンサ部50が設けられてい
る。このセンサ部50は、識別マーク28の4つのマー
クに合わせて4個の光学式の反射型センサを有してお
り、一定の周期(例えば1秒間に1回)毎に、記録部2
内のシステムによって読み取られるように構成されてい
る。したがって、このセンサ部50によれば、収納ケー
ス21の装着の有無と、装着されている収納ケース21
の種類を識別することが可能である。例えば上述の黒・
白・黒・白の順に配列された識別マーク28が印刷され
た収納ケース21が装着された場合、この識別マーク2
8をプリンタ側で認識することが可能であるため、この
情報によって、例えば光沢紙、超光沢紙、マット紙等の
紙種とL版、2L版、はがき版等の大きさに関するメデ
ィア情報が認知できることになる。このメディア情報を
ホストコンピュータ400に送出することで、装着され
た収納ケース21の種類に適応した画像処理や記録方法
等を自動的に選択することができる。
【0080】なお、センサ部50について、4個のセン
サを使用する一例を示したが、1個のセンサを走査させ
ることにより、4つのマークを読み取る構成にすること
も可能であり、またマーク数も4つに限らず必要に応じ
て増減した構成にすることも勿論可能である。また、読
み取り方式として、光学式反射型を採用したが、例えば
磁気式、電波式等の他の方式を採用して構成することも
可能である。あるいは、収納ケースに例えば不揮発性メ
モリ(ROM)等の情報記憶媒体を組み付けて、記録部
側で電気的に接続することで、記憶されている各種情報
を取り込むような構成にすることも可能である。
【0081】次に、上述した識別記号29について、そ
の仕組みを詳述する。一般的なPCのプリンタドライバ
の設定画面に合わせて、本発明の機能を追加した実施形
態の設定画面の一例を図14に示す。
【0082】図14に示すように、この設定画面には、
識別記号29を入力するための入力欄70が設けられて
いる。上述のセンサ部50を備えているプリンタでは、
給送部7に収納ケース21を装着したときに周期的に行
われる読み取り動作によって収納ケース21が装着され
たことが自動的に検知される。そのため、その情報はプ
リンタからホストコンピュータ400に送出され、プリ
ンタドライバの入力欄70に自動的に、例えば「3A」
等の識別記号29が表示される。
【0083】ところで、収納ケース21は消耗品である
ため、1種類の収納ケース21が複数機種のプリンタに
使用可能であることが望ましい。また、プリンタは、製
品として通常売値ごとに上位機種から下位機種までライ
ンアップされる。そして、上位機種は、上述のようなセ
ンサ部50を有して収納ケース21の装着の有無と収納
ケース21の種類との両方を自動識別する形態の製品
(第1のプリンタ)として構成することが可能である。
【0084】一方、中位機種は、上述のセンサ部50に
1つのセンサのみを設け、収納ケース21の装着の有無
のみを検知して、収納ケース21の種類を検知しない形
態の製品(第2のプリンタ)とすることも想定できる。
【0085】そして、下位機種として、センサ部50を
全く有しておらず、収納ケース21の装着の有無および
収納ケース21の種類を全く検知しない形態の製品(第
3のプリンタ)も、製造コストを削減する面から必要と
されている。
【0086】これら上位、中位、下位機種の3種類の各
プリンタは、センサ部50の構成のみに関して差異を設
け、他の構成を上述した第1のプリンタの構成と同一に
して提供することによって、収納ケース21に収納され
ていないむき出しの記録メディア24と、収納ケース2
1内に収納されている記録メディア24との両方の給送
動作を行うことができる。
【0087】また、中位機種および下位機種である第2
および第3のプリンタにおいては、センサ部50による
収納ケース21の種類の検知が行われないので、プリン
タからPCへ識別記号29の情報が送られてこないた
め、図14に示したプリンタドライバの画面の入力欄7
0は空欄のままである。そのため、第2および第3のプ
リンタのユーザーは、この状態で、収納ケース21の外
ケース22に印刷されている「3A」という識別記号2
9を読み取って、自らPCを操作して手動で入力する。
【0088】従来のプリンタドライバの画面における操
作は、記録メディアの「大きさ」と「種類」との少なく
とも2カ所を手動で入力する必要があるのに対して、本
実施形態によれば少なくとも1つの入力操作で済み、ま
た、入力する必要がある場合であっても入力する情報は
簡素に記号化されているため、装着した記録メディア2
4の種類や大きさをユーザー自身で調べて入力すること
に比べて、格段に容易かつ簡便に入力することができ
る。このため、記録メディア24の種類や大きさの選択
を誤ったまま操作してしまうといったことを生じにくく
することができる。
【0089】また、中位機種である第2のプリンタの場
合には、収納ケース21の装着の有無を検知できるた
め、収納ケース21を検知したときに入力欄70への入
力をユーザーに促す等のシーケンスをプリンタドライバ
に組み込むことで、さらに誤操作を防止することも可能
となる。
【0090】次に、収納ケース21内から給送された記
録メディア24の位置について、図15を参照して説明
する。給送部7の図示右側には給送される記録メディア
24に対する記録位置の基準となる基準壁51がある
(図1参照)。ここに収納ケース21を装着して給送す
る場合には、記録位置は、収納ケース21の外ケース2
2の板厚の寸法分である寸法Xだけ基準壁51から右に
ずれてしまう。むき出しの記録メディア24を給送する
場合には、記録メディア24の側端を基準壁51に突き
当てて給送するので、この寸法分のずれは無い。したが
って、記録メディア24が給送される幅方向の位置が、
収納ケース21を使用しないときと、収納ケース21を
使用するときとで異なることになる。そこで、記録部2
(図1参照)は、収納ケース21の装着時は、このずれ
分である寸法X分だけ記録位置を左側にずらしてプリン
トを行うように構成されている。収納ケース21の装着
の有無は、上述のセンサ部50からの情報、または、セ
ンサ部50が無いプリンタにおいてはプリンタドライバ
の操作により入力欄70に入力された識別記号29の情
報から識別するようになっている。
【0091】<第2の実施形態>次に、第1の実施形態
で説明した給送部とは異なる形態の給送部を備える第2
の実施形態のインクジェットプリンタについて、図16
等を参照して説明する。本実施形態のインクジェットプ
リンタの構成の多くは、上述した第1の実施形態のイン
クジェットプリンタの構成と同一であるため、同一部材
には同一符号を付して説明を省略する。
【0092】給送部63には、突出部材60a,60b
が圧板42から突出して設けられている。さらに、給送
部63には、突出部材60a,60bに不図示の伝達機
構を介して機械的に接続されている操作レバー61が設
けられている。
【0093】給送部63は、操作レバー61を操作する
ことによって、突出部材60a,60bが圧板42から
図16に示すように飛び出た状態と、圧板42と同じ面
まで引き込まれる状態との2つのモードをとることがで
きるようになっている。その他の構成は図1に示した給
送部7と同じである。
【0094】一方、図17および図18に示す収納ケー
ス62は、第1の実施形態で説明した収納ケース21が
有する突起部31を持たない構成にしてあることを除い
て、収納ケース21と同様に構成されている。収納ケー
ス62を下方から見た状態を示す斜視図である図17か
らわかるように、可動板23が収納ケース62の下面側
に第1の実施形態の収納ケース21と同様に存在してお
り、上述した突出部材60a,60bはこの可動板23
に当接するように構成されている。
【0095】収納ケース62を装着した際に、ユーザー
は操作レバー61を操作して、突出部材60a.60b
を突出させたモードにして動作させ、一方で、収納ケー
ス62に収納されていないむき出しの記録メディア24
を直接プリントするときには、操作レバー61を逆方向
に操作して突出部材60a,60bを引込めたモードに
して動作させるようにする。このような構成とすること
で、上述の構成(第1の実施形態)と同じ機能を果たす
ことができる。
【0096】なお、図16に示していないが、給送部6
3にも第1の実施形態のセンサ部50を付加することが
可能である。また、このセンサ部50による検知、ある
いはプリンタドライバの画面の入力欄70への入力によ
り、収納ケース62の装着を検知したときに給送部63
内部の駆動機構によって突出部材60a,60bを自動
的に動作させることも可能であり、この場合には操作レ
バー61を削除した機構系で構成することができる。さ
らに、この場合、突出部材60a,60bの突出量を調
整可能な構成とすることもでき、記録メディアの残量に
応じて制御手段と組み合わせて実施することによって、
収納ケース62の収納枚数を増加させることも可能であ
る。
【0097】詳述すると、記録メディアの残量の多いと
きに突出量を少なく、一方、記録メディアの残量が少な
いときに突出量を多くするように構成する。給送部63
に挿入できる記録メディアや収納ケース62の厚みは当
然限界があり、収納ケース装着時の総厚の限界から、 (給送部63の容量限界の厚み値)>(記録メディアの
残量の厚み)+(突出部材60a,60bの突出量) を満たす必要がある。
【0098】収納ケース62内の記録メディアが多い場
合(初期状態)には、可動板23を押し込む量が少なく
て良いので突出部材60a,60bの突出量を少なく
し、一方、記録メディアが少なくなったときには、突出
部材60a,60bの突出量を多くすることによって、
同じ容量限界の厚み値ならば、初期状態の記録メディア
の厚みを増やすことができるので、収納枚数を増加させ
ることができる。
【0099】なお、本実施形態では、2つの突出部材6
0a,60bを圧板42に備える構成を一例として説明
したが、例えば、突出部材を圧板42の中央に1つのみ
備えた構成、あるいは突出部材を圧板42に3つ以上備
えた構成とすることも可能であり、突出部材の数は特に
2つに限定するものではない。
【0100】<第3の実施形態>次に、第3の実施形態
として、収納ケースに設けられたメディア情報に応じ
て、記録方法を自動的に収納ケースの記録メディアに最
適な設定にするプリンタについて説明する。
【0101】図19に、本実施形態の記録部および収納
ケース間での情報処理に関するブロック図の一例を示
す。プリンタ70内のCPU102は、プリンタ70に
設置されている読み取りセンサ101(図1に示したセ
ンサ部50に相当)を介して、収納ケース71の情報記
録部100(図3に示した識別マーク28や識別記号2
9に相当)から、収納ケース71内に収納された記録メ
ディアに関するメディア情報を取得する。本実施形態で
用いる収納ケース71の情報記録部100は、記録メデ
ィアの種類、記録メディアの幅あるいは長さ、記録メデ
ィアの厚み、収納ケース内の積載枚数、等のメディア情
報を有している。プリンタ70は、得られたメディア情
報に応じて、その記録メディアへプリントを行うのに適
切な制御動作を設定する。
【0102】以下に、具体的な制御例である、記録モー
ド、給送方法、駆動方法を自動設定する実施形態につい
て説明をする。なお、以下の説明では、情報記録部10
0に記録されたメディア情報は、第1の記録メディア2
4a、第2の記録メディア24b、第3の記録メディア
24cでそれぞれ異なるものとする。
【0103】図20に、メディア情報に応じて記録モー
ドを自動設定するフローチャートの一例を示す。なお、
図20に示す処理フローは、上述した上位機種のプリン
タに関するものである。
【0104】まず、ステップ1から開始して、ステップ
2に示すように、読み取りセンサ101により収納ケー
ス71内の情報記録部100にアクセスして、メディア
情報の読み取り動作を行う。次に、ステップ3に示すよ
うに、CPU102は記録する記録メディアのメディア
情報を読み取りセンサ101から取得する。次に、ステ
ップ4に示すように、CPU102は、記録する記録メ
ディアを識別して、プリンタ70に装着された収納ケー
ス71内の記録メディアの種別が第1の記録メディア2
4aである場合には、ステップ5で第1の記録メディア
24a用の記録モードに設定をする。また、第2の記録
メディア24bである場合には、ステップ6で第2の記
録メディア24b用の記録モードに設定をする。さら
に、第3の記録メディア24cである場合には、ステッ
プ7で第3の記録メディア24c用の記録モードに設定
をする。
【0105】以上のステップを経て記録モードが設定さ
れると、ステップ8で記録モードの設定の制御フローを
終了する。
【0106】このようにして、本制御フローは、記録す
る記録メディアのメディア情報に応じて、それぞれ独立
に記録モードを設定することができる。本制御フローに
よれば、ユーザーが、装着した記録メディアに合わせて
記録メディアの種類やその記録メディアに適切な記録モ
ードをわざわざ設定する必要が無く、収納ケース71を
プリンタ70に装着するだけで、収納ケース71内に収
納されている記録メディアに最適な記録モードをプリン
タ70が自動的に設定することができる。
【0107】なお、本実施形態では、3種類の記録メデ
ィアを用いた例を説明したが、この種類の数はいくつで
あっても当然同様の効果が得られる。対応する記録メデ
ィアの種類の数だけ識別する選択フローがあれば良い。
また、収納ケース71の対応する記録メディアが1種類
でも良く、むき出しの記録メディアを通常の給送部を介
して給送して記録を行う場合と、収納ケース71内から
給送した記録メディアに記録を行う場合とを識別するだ
けでも、同様の効果を得られる。
【0108】次に、メディア情報に応じて、給送方法を
自動的に設定する制御動作のフローチャートの一例を図
21に示す。なお、図21に示す制御動作の基本的な流
れは、図20に示したフローチャートと同様であるた
め、便宜上、同一符号を付して説明を省略する。なお、
図21に示す処理フローは、上述した上位機種のプリン
タに関するものである。
【0109】図21に示すステップ4において、CPU
102は記録する記録メディアを識別して、記録メディ
アの種別が第1の記録メディア24aであればステップ
5aで第1の記録メディア24a用の給送制御を設定す
る。また、第2の記録メディア24bであればステップ
6aで第2の記録メディア24b用の給送制御を設定す
る。さらに、第3の記録メディア24cであればステッ
プ7aで第3の記録メディア24c用の給送制御を設定
する。このようにして、記録する記録メディアのメディ
ア情報に応じて、それぞれ独立に適切な給送制御を自動
的に設定することができる。
【0110】次に、メディア情報に応じて、駆動方法を
自動的に設定する制御フローの一例を図22に示す。基
本的な制御の流れは図20と同様である。なお、図22
に示す処理フローは、上述した上位機種のプリンタに関
するものである。
【0111】図22のステップ4において、CPU10
2は記録する記録メディアを識別して、記録メディアの
種別が第1の記録メディア24aであればステップ5b
で第1の記録メディア24a用の駆動制御を設定する。
また、第2の記録メディア24bであればステップ6b
で第2の記録メディア24b用の駆動制御を設定する。
さらに、第3の記録メディア24cであればステップ7
bで第3の記録メディア24c用の駆動制御を設定す
る。このようにして、記録する記録メディアのメディア
情報に応じて、それぞれ独立に適切な駆動制御を自動的
に設定することができる。
【0112】さらに、メディア情報に応じて記録モード
を自動設定する制御フローの変形例を図23に示す。
【0113】一般的に求められるプリンタの記録特性
(ここでは記録速度と画像品質に着目する)は、ユーザ
ーが希望する用途により異なる場合がある。例えば、ビ
ジネスユースで記録速度が極力高速であることを求める
場合や、家庭等のホームユースである程度の画質を要求
する場合、プロユースで最高画質を要求する場合などが
ある。このため、本実施形態では、高速記録と高画質記
録との2つの記録モードを選択できるように構成されて
いる。
【0114】図23に、メディア情報に応じて記録モー
ドを自動設定する制御動作のフローチャートの一例を示
す。なお、図23に示す処理フローは、上述した上位機
種のプリンタに関するものである。
【0115】図23に示すように、まず、ステップ1に
おいて、読み取りセンサ101により収納ケース71内
の情報記録部100にアクセスして、読み取り動作を行
う。次に、ステップ2において、CPU102が、記録
する記録メディアのメディア情報を読み取りセンサ10
1より取得する。
【0116】次に、ステップ4において、CPU102
は記録する記録メディアを識別して、記録メディアの種
類が第1の記録メディア24aであればステップ10で
記録モードの識別をする。ここでの記録モードは、ユー
ザーが予め「高速記録」および「高画質記録」のどちら
を採用して記録を行うかを設定しておき、この設定をプ
リンタ70側で記憶しておく。高速記録であれば、ステ
ップ11で第1の記録メディア24a用の高速記録モー
ドを設定する。また、高画質記録であれば、ステップ1
2で第1の記録メディア24a用の高画質記録モードを
設定する。次に、ステップ4において、CPU102は
記録する記録メディアを識別して、記録メディアの種別
が第2の記録メディア24bであれば、ステップ20で
ステップ10と同様の記録モードの判断を行う。高速記
録であれば、ステップ21で第2の記録メディア24b
用の高速記録モード設定をする。また、高画質記録であ
れば、ステップ22で第2の記録メディア24b用の高
画質記録モード設定をする。このようにして、記録する
記録メディアのメディア情報に応じて、それぞれ独立に
用途に応じた複数の記録モードを設定することができ
る。
【0117】本制御フローによれば、ユーザーが、装着
した記録メディアに合わせて、記録メディアの種類やそ
の記録メディアに適切な記録モードをわざわざ設定する
必要が無く、予め高速記録か高画質記録かを設定して、
収納ケース71をプリンタ70に装着するだけで、収納
ケース71に搭載している記録メディアに最適で、かつ
ユーザーニーズに合った適切な記録モードをプリンタ7
0が自動的に設定することができる。
【0118】以上のように、本実施形態の制御方法によ
れば、装着した収納ケース71に最適なプリンタ70の
制御方法を自動設定して記録を行うことができる。つま
り、それぞれの記録メディアの特性に合わせた適切な記
録モード、給送方法、制御方法などを自動的に設定する
ことができ、ユーザーがわざわざ記録メディアの情報を
設定しなくても、最適な記録を行うことができる。これ
により、ユーザーの使い勝手に優れたプリンタを提供す
ることが可能となる。
【0119】<第4の実施形態>次に、第4の実施形態
として、収納ケースが備えるメディア情報に応じて、画
像処理方法を自動的に収納ケースの記録メディアに最適
な設定にするプリンタおよびプリンタドライバシステム
について説明する。
【0120】図24に、本実施形態で用いられる収納ケ
ース、プリンタ、およびプリンタドライバシステムのブ
ロック図の一例を示す。一般的にプリンタドライバシス
テムは、ホストコンピュータのOS(オペレーティング
・システム)内にプリンタドライバのソフトウェアがイ
ンストールされて構成されることが多い。また、プリン
タドライバシステムは画像処理装置としてプリンタの内
部に搭載されている場合もある。
【0121】以下に、プリンタドライバシステム、プリ
ンタ、収納ケースの情報の流れについて説明をする。
【0122】まず、プリンタ80内のCPU202は、
プリンタに設置されている読み取りセンサ201(図1
に示したセンサ部50に相当)を介して、収納ケース8
1の情報記録部200(図3に示した識別マーク28や
識別記号29に相当)からメディア情報を取得する。収
納ケース81は、記録メディアの種類、記録メディアの
幅もしくは長さ、記録メディアの厚み、収納ケース81
内の積載枚数、等のメディア情報を有している。また、
このCPU202は、I/F(インターフェース)20
3,204を介してプリンタドライバシステム82と情
報の送受信を行うことができ、得られたメディア情報を
プリンタドライバシステム82、具体的にはそのデータ
処理部205へと通信する構成になっている。プリンタ
ドライバシステム82のデータ処理部205は、得られ
たメディア情報に応じて、その記録メディアへプリント
を行うのに適切な画像処理を実施する。
【0123】画像処理方法を自動設定する具体的な制御
フローの一例について図25を用いて説明する。なお、
以下の説明では、情報記録部200に記録されたメディ
ア情報は、第1の記録メディア124a、第2の記録メ
ディア124b、第3の記録メディア124cでそれぞ
れ異なるものとする。また、図25に示す処理フロー
は、上述した上位機種のプリンタに関するものである。
【0124】図25で、まず、ステップ101から開始
して、ステップ102に示すように、プリンタドライバ
システム82からのメディア情報の取得命令が発信され
ると、プリンタ80がその取得命令をI/F204,2
03を介して受け取る。次に、ステップ103におい
て、プリンタ80は読み取りセンサ201で収納ケース
81内の情報記録部200にアクセスして、読み取り動
作を行う。ここで、収納ケース情報を読み込む際に、メ
ディア情報の他に、収納ケース81が装着されているか
否かの確認を行うこともできる。もし、装着されていな
ければ、プリンタドライバシステム82に通信して、収
納ケース81が装着されていないことをユーザーに知ら
せることができる。また、記録部80は命令毎に収納ケ
ース情報の読み込みを行っても良いし、収納ケース81
が装着された場合にのみ、収納ケース情報の読み込みを
行い、その情報を記憶媒体等に記憶しておいても良い。
【0125】次に、ステップ104において、プリンタ
80のCPU202は収納ケース81より取得したメデ
ィア情報をI/F203,204を介してプリンタドラ
イバシステム82に送信する。次に、ステップ105に
おいて、プリンタドライバシステム82はプリンタ80
から送られたメディア情報を取得する。次に、プリンタ
ドライバシステム82は、ステップ106において、記
録する記録メディアを識別して、記録メディアの種別が
第1の記録メディア124aであればステップ107で
第1の記録メディア124a用の画像処理方法を設定す
る。また、第2の記録メディア124bであればステッ
プ108で第2の記録メディア124b用の画像処理方
法を設定する。さらに、第3の記録メディア124cで
あればステップ109で第3の記録メディア124c用
の画像処理方法を設定する。それぞれの記録メディアに
対して、プリンタドライバシステム82のデータ処理部
205はそれぞれの画像処理を実行する。
【0126】次に、ステップ110でプリンタドライバ
システム82のデータ処理部205により生成された記
録データを、記録部80にI/F204,203を介し
て送信して、プリンタ80はその記録データを受信す
る。次に、ステップ111において、プリンタ80は記
録データに基づいて記録動作を実行して、ステップ11
2で本制御を終了する。
【0127】以上のように、本制御フローによれば、記
録する記録メディアのメディア情報に応じて、それぞれ
独立に画像処理方法を設定および実行することができ
る。また、本制御フローによれば、ユーザーが、装着し
た記録メディアに合わせて、その記録メディアに適切な
画像処理をわざわざ設定する必要が無く、収納ケース8
1をプリンタに装着するだけで、収納ケース81に収納
されている記録メディアに最適な画像処理をプリンタド
ライバが自動的に設定することができる。
【0128】ここで、画像処理を実行することにより生
成された記録データに、メディア情報を例えばヘッダ情
報として付加することにより、第3の実施形態で図20
〜図23に示した制御フローをプリンタドライバシステ
ム82側から制御することが可能であり、プリンタ80
は記録毎に収納ケース81にアクセスしてメディア情報
を取得する必要が無くなり、プリンタ80の制御負荷を
軽減できる。
【0129】また、本実施形態では3種類の記録メディ
アを用いた例について説明を行ってきたが、記録メディ
アの種類数がいくつであっても、当然同様の効果が得ら
れる。すなわち、対応する記録メディアの種類の数だけ
識別する選択フローがあれば良い。また、収納ケース8
1の対応する記録メディアが1種類でも良く、むき出し
の記録メディアを通常の給送部を介して給送して記録を
行う場合と、収納ケース81内から給送した記録メディ
アに記録を行う場合とを識別するだけでも、同様の効果
がある。
【0130】以上のように、本実施形態の制御方法によ
れば、装着した収納ケースに応じた最適な画像処理方法
を自動設定して記録を行うことができる。つまり、それ
ぞれの記録メディアの特性に合わせた適切な画像処理を
自動的に設定することができ、ユーザーがわざわざ記録
メディアの情報を設定しなくても、最適な記録を行うこ
とができ、さらにはメディア情報を用いることで、その
記録メディアに最適なプリンタの制御も同時に行うこと
も可能である。これにより、ユーザーの使い勝手に優れ
たプリンタおよびプリンタドライバシステムを提供する
ことが可能となる。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録メデ
ィア収納ケースは、内部に収納した記録メディアを送出
する面に形成された隙間部と、内部に収納した記録メデ
ィアを隙間部に対向する位置に配置するために、複数枚
重ねられた記録メディアの積載方向に記録メディアを移
動させることが可能な可動板とを有しているので、次に
送出すべき記録メディアを隙間部に対向する位置に配置
することができ、記録メディアをスムーズに繰り出すこ
とが可能であるため、記録メディアをむき出しの状態で
はなく内部に収納した状態でプリンタの給紙部から記録
部へ給紙することができる。そのため、本発明の記録メ
ディア収納ケースは、内部の記録メディアに触れずに記
録メディアを給送部に装填でき、また、記録メディアを
内部に収納したまま保管できるので、記録メディアに指
紋を付けたり、埃や光で記録メディアが劣化することを
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録メディア収納ケースの一実施形態
が適用されるインクジェットプリンタの概略的な全体構
成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリンタの記録部
における制御系のブロック図である。
【図3】第1の実施形態にかかる収納ケースを上方から
見た状態を示す外観斜視図である。
【図4】第1の実施形態にかかる収納ケースを下方から
見た状態を示す外観斜視図である。
【図5】図3に示した収納ケースの構造を示す透視平面
図および側断面図である。
【図6】図3に示した収納ケースを、図1に示したプリ
ンタの給送部に装着した状態を示す斜視図である。
【図7】第1の実施形態における、記録メディアや収納
ケースが装填されていない状態の給送部の、給紙ローラ
を含む位置における断面図である。
【図8】第1の実施形態における、収納ケースに収納さ
れていない状態の、むき出しの記録メディアが複数枚装
填されている状態の給送部を示す断面図である。
【図9】第1の実施形態における、記録メディアを満載
した収納ケースが装填された状態の給送部を示す断面図
である。
【図10】図9に示した状態から給紙動作が開始された
状態を示す図である。
【図11】図10に示した状態から給紙動作が進行し、
収納ケース内の最後の1枚の記録メディアを給紙してい
る状態を示す図である。
【図12】図10に示した給送部の収納ケースの先端部
近傍を拡大して示す図である。
【図13】図11に示した給送部の収納ケースの先端部
近傍を拡大して示す図である。
【図14】図1に示したプリンタを操作するためのプリ
ンタドライバの設定画面を示す図である。
【図15】図3等に示した収納ケースから給送された記
録メディアの位置を説明するための図である。
【図16】第2の実施形態に係るプリンタの給送部を示
す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る収納ケースを
示す斜視図である。
【図18】図17に示した収納ケースの断面図である。
【図19】第3の実施形態に係る、記録部および収納ケ
ース間での情報処理に関するブロック図である。
【図20】第3の実施形態に係るプリンタの記録モード
をメディア情報に応じて自動設定する動作の一例を示す
フローチャートである。
【図21】第3の実施形態に係るプリンタの給送方法を
メディア情報に応じて自動設定する動作の一例を示すフ
ローチャートである。
【図22】第3の実施形態に係るプリンタの駆動方法を
メディア情報に応じて自動設定する動作の一例を示すフ
ローチャートである。
【図23】第3の実施形態に係るプリンタの記録モード
をメディア情報に応じて自動設定する動作の変形例を示
すフローチャートである。
【図24】第4の実施形態に係る収納ケース、プリン
タ、およびプリンタドライバシステムのブロック図であ
る。
【図25】第4の実施形態に係る構成により画像処理方
法を自動設定する制御フローを示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2,70,80 記録部 6 キャリッジベルト 7 給送部 7a 挿入口 8 給送トレイ 9 制御系 10 搬送ローラ 11 ピンチローラ 12 排出ローラ 15 プラテン 21 収納ケース 22 外ケース 22a 上面 22b 底面 22c 前面 22d 側面 23 可動板 24 記録メディア 24a,124a 第1の記録メディア 24b,124b 第2の記録メディア 24c,124c 第3の記録メディア 24d 最上部 24e 最下部 26 隙間部 27 せき止め爪 28 識別マーク 29 識別記号 30 開口部 31 突起部 32 折り返し片 35 積載部 40 給送ローラ 41 給送軸 42 圧板 43 サイドガイド 44 分離ローラ 46 パック浮き防止リブ 47 ヒンジ部 50 センサ部 51 基準壁 60a,60b 突出部材 61 操作レバー 62,71,81 収納ケース 63 給送部 70 入力欄 82 プリンタドライバシステム 100,200 情報記録部 101,201 読み取りセンサ 102,202 CPU 203,204 I/F(インターフェイス) 205,402a データ処理部 400 ホストコンピュータ 401 受信バッファ 402 制御部 403 メモリ部 404 メカコントロール部 405 メカ部 406 センサ/SWコントロール部 407 センサ/SW部 408 表示素子コントロール部 409 表示素子部 410 記録ヘッドコントロール部 411 記録ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大橋 哲洋 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 谷黒 昌宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 横井 克幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C059 AA04 AA09 AA50 AA66 3F343 FA02 FB04 FC01 GA01 GB01 GC01 HB03 HB06 HD17 KA05 KA13 KA14 KB03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像が記録される記録メディアを複数枚
    重ねた状態で収納する記録メディア収納ケースにおい
    て、 前記記録メディア収納ケース内に収納された前記記録メ
    ディアを送出する面に形成された、少なくとも1枚の前
    記記録メディアを通過させることができる隙間部と、 前記記録メディア収納ケース内に収納された前記記録メ
    ディアを前記隙間部に対向する位置に配置するために、
    複数枚重ねられた前記記録メディアの積載方向に前記記
    録メディアを移動させることが可能な可動板と、 を有していることを特徴とする記録メディア収納ケー
    ス。
  2. 【請求項2】 前記可動板の、前記記録メディア収納ケ
    ース内に収納された前記記録メディアに接する面とは反
    対側の面には、少なくとも前記記録メディア収納ケース
    内に前記記録メディアが収納されている状態では前記記
    録メディア収納ケースの外に突出している突起部が設け
    られている、請求項1に記載の記録メディア収納ケー
    ス。
  3. 【請求項3】 前記突起部は、前記記録メディアの積載
    方向における前記記録メディア収納ケースの厚みと少な
    くとも同じ厚みを有している、請求項2に記載の記録メ
    ディア収納ケース。
  4. 【請求項4】 前記記録メディア収納ケース内に収納さ
    れた前記記録メディアを、前記記録メディアの積載方向
    に関して、前記隙間部に対向する位置から遠ざける方向
    に付勢する付勢手段を備えている、請求項1から3のい
    ずれか1項に記載の記録メディア収納ケース。
  5. 【請求項5】 前記記録メディア収納ケースの、前記可
    動板の前記記録メディアに接する面に対向する面に開口
    部が形成されている、請求項1から4のいずれか1項に
    記載の記録メディア収納ケース。
  6. 【請求項6】 前記記録メディア収納ケースの前記隙間
    部が形成されている面には前記記録メディアの送出を規
    制する規制手段が設けられており、 前記隙間部は、前記記録メディア収納ケースの前記開口
    部が形成されている面と前記隙間部が形成されている面
    の前記規制手段との間に形成されている、請求項5に記
    載の記録メディア収納ケース。
  7. 【請求項7】 前記記録メディア収納ケースは紙素材で
    構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載
    の記録メディア収納ケース。
JP2002023462A 2002-01-31 2002-01-31 記録メディア収納ケース Pending JP2003221135A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101659358B (zh) * 2008-08-27 2012-03-28 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 压纸装置

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