JP2003220666A - 離型フィルム - Google Patents

離型フィルム

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JP2003220666A
JP2003220666A JP2002021379A JP2002021379A JP2003220666A JP 2003220666 A JP2003220666 A JP 2003220666A JP 2002021379 A JP2002021379 A JP 2002021379A JP 2002021379 A JP2002021379 A JP 2002021379A JP 2003220666 A JP2003220666 A JP 2003220666A
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JP2002021379A
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Masashi Chiisako
雅司 竪
Osamu Nishizawa
理 西澤
Masanori Kunitake
真紀 國武
Motohiro Seki
基弘 関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】珪素およびハロゲン元素を実質的に含有せず、
軽剥離の離型フィルムを提供する。 【解決手段】基材フィルムの少なくとも一方の表面に離
型層を有するフィルムであって、離型層表面での珪素原
子と炭素原子との存在比が0.01以下、ハロゲン原子
と炭素原子との存在比が0.1以下であり、且つ、離型
フィルムの剥離力が75mN/cm以下、残留接着率が
80%以上である離型フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型フィルムに関
し、詳しくは、電子部品の製造工程などで好適に使用さ
れる離型フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および本発明が解決しようとする課題】離
型フィルムは、粘着面あるいは接着面を保護するものと
して、広く使用されて来ている。離型フィルムの離型面
を構成する素材として、最も一般的に使用されているの
はシロキサン単位を含有するシリコーン系ポリマーであ
る。ところが、シリコーン系離型剤は、空気中に揮散し
て酸化され易いシロキサン系低分子物を含有するため、
電子部材などの精密用途に適用した場合、シロキサン系
低分子物の酸化物が固着するトラブルを生じる場合があ
る。そこで、シロキサン源を持たず且つシリコーン系離
型フィルムと同等の離型性を有するフィルムが求められ
ている。
【0003】上記の様な用途に適した離型剤として、弗
化物などのハロゲン化合物により表面エネルギーを低減
した離型剤が提案されている。例えば、特開昭55−1
65925号、特開平1−198349号、特開平4−
246532号、特開平4−270649号、特開平4
−290746号、特開2001−129940号、特
開2001−138338号、特開2000−2637
14号、特開2001−129940号などの各公報が
挙げられる。しかしながら、斯かる離型剤は、大部分、
現行シリコーン系に比べて重剥離であり、また、昨今の
廃棄物処理における環境負荷軽減のための脱ハロゲン化
の趨勢に必ずしも従うものではない。
【0004】そこで、珪素もハロゲン元素も含まない離
型剤の例として、ポリオレフィン又は長鎖アルキル含有
ポリマーが知られている。例えば、特開昭54−744
2号、特開昭55−69675号、特開平5−3299
94号、特開平10−183078号、特開平11−2
8708号、特開2000−303019号などの各公
報が挙げられる。しかしながら、これらの離型剤は、何
れも、剥離力が100mN/cmを超える重剥離であ
り、適用できる用途に制限がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、特定の処方によって得られた長
鎖アルキル系ポリマーを離型層に使用することにより、
珪素およびハロゲン元素を実質的に含有せず、優れた離
型層を構成し得ることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、基材フィルム
の少なくとも一方の表面に離型層を有するフィルムであ
って、離型層表面における炭素原子に対する珪素原子の
存在比(Si/C)が0.01以下、炭素原子に対する
ハロゲン原子の存在比(X/C)が0.1以下であり、
且つ、離型フィルムの剥離力が75mN/cm以下、残
留接着率が80%以上であることを特徴とする離型フィ
ルムに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう基材フィルムとは、ポリエステル、ポリオ
レフィン、ポリアミド等から適宜選択されたポリマーか
ら構成される、一層または複数の層より成るシート状成
形体を指する。基材フィルムの厚さは、通常10〜25
0μmである。
【0008】基材フィルムに使用するポリマーとして
は、耐熱性・強度などの観点より、ポリエステル、特
に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート、これらの誘導体などが好適である。
基材フィルムは、押出成形法、流延法などの常法によっ
て得ることが出来るが、耐熱性の観点から、シートに成
形後、必要に応じて延伸・熱固定を施すことが好まし
い。なお、基材フィルムには、各種安定剤、紫外線吸収
剤、滑剤、顔料、酸化防止剤および可塑剤などが添加さ
れていてもよい。
【0009】本発明でいう離型層とは、基材フィルム上
の少なくとも一方の表面に設けられた、離型性を有する
表面層であって、離型性を有するポリマー等を塗工した
場合はポリマー塗工層を指す。
【0010】本発明における離型層は、離型層表面にお
ける炭素原子に対する珪素原子の存在比(Si/C)が
0.01以下でなければならない。Si/Cは好ましく
は0.001以下であり、離型層表面に珪素原子が実質
的含まれていないのが最も好ましい。Si/Cが0.0
1を超えると、使用に際して粘着面などの被保護体表面
上または外環境へ珪素が転着し汚染の著しい要因となる
ために好ましくない。
【0011】本発明における離型層は、離型層表面にお
ける炭素原子に対するハロゲン原子の存在比(X/C)
が0.1以下でなければならない。ここに、ハロゲン原
子(X)は、弗素、塩素、臭素などを指す。X/Cは好
ましくは0.01以下であり、離型層表面にハロゲン原
子が実質的含まれていないのが最も好ましい。X/Cが
0.1を超えると、環境負荷低減の観点から好ましくな
い。
【0012】なお、離型層中の、珪素密度・ハロゲン元
素密度を実質的に零とするためには、塗工前のコート剤
中の珪素密度・ハロゲン元素密度を実質的に零とすれば
よい。
【0013】本発明の離型フィルムは、離型面における
剥離力が75mN/cm以下、好ましくは50mN/c
m以下、更に好ましくは40mN/cm以下である。剥
離力が75mN/cmを超えると、軽剥離用途に適さな
いため好ましくない。剥離力の下限は、通常5mN/c
mとされる。
【0014】本発明の離型フィルムは、残留接着率が8
0%以上、好ましくは90%以上である。残留接着率が
80%に満たない場合、離型層が被着体へ移行量が多く
なるために好ましくない。
【0015】珪素もハロゲン元素も実質的に含有せず、
離型フィルムとした場合、その剥離力が75mN/cm
以下(軽剥離)であり、その残留接着率が80%以上を
実現する離型剤として使用される化合物は、例えば、活
性水素を持たない極性溶媒に溶解性を示す水酸基含有高
分子と脂肪族イソシアネート化合物とを、両者の合計量
100重量部に対し、活性水素を持たない極性溶媒10
0〜1000重量部の存在下に反応する方法で得ること
が出来る。
【0016】上記の水酸基含有高分子としては、ポリビ
ニルアルコール(以下、PVAと略記)、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(以下、PEVAと略記)、ポ
リ酢酸ビニル重合体などの部分的加水分解物、繊維素、
澱粉、糖類、これらの誘導体の様な天然物またはその加
工品などが挙げれる。これらは、粉末状またはペレット
状で反応に供することが出来る。
【0017】本発明においては、PVA又はPEVAが
好ましく使用されるが、この場合のPVAの重合度は、
通常100〜2500、好ましくは150〜2000で
あり、そのケン化度は、通常50〜100%、好ましく
は70〜100%である。また、PEVAの重合度は、
通常500〜4000、好ましくは800〜3000で
あり、そのエチレン含有率は、通常1〜90モル%、好
ましくは10〜60モル%である。
【0018】上記の脂肪族イソシアネート化合物として
は、反応条件で反応系内に液体または溶液状態で存在し
得る限り、その種類は特に制限されない。本発明で好ま
しく使用される脂肪族イソシアネート化合物の炭素数
は、通常8以上、好ましくは12以上である。脂肪族基
は、飽和または不飽和の何れでもよく、これらの例に
は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル等が包含さ
れる。脂肪族イソシアネート化合物の炭素数の上限は通
常30である。
【0019】上記の様な脂肪族イソシアネート化合物の
具体例としては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシ
ル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナ
デシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリ
コシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、
オクタコシル、ノナコシル等の様な長鎖脂肪族基を持つ
脂肪族イソシアネート化合物が挙げられる。
【0020】上記の活性水素を持たない極性溶媒として
は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホロト
リアミド(HMPA又はHMPT)、アセトニトリル、
プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
【0021】本発明においては、極性溶媒中に含まれる
水などの活性水素を有する不純物を除去することが好ま
しい。斯かる不純物の除去方法としては、仕込み前の極
性溶媒または反応開始前の原料を溶解した溶液を、窒素
バブリング、シリカゲルや分子ふるい等の乾燥剤によっ
て前処理する方法が挙げられる。
【0022】脂肪族イソシアネート化合物の使用量は、
式(1)に示されるウレタン化反応に必要とされる量で
あり、水酸基含有高分子中の水酸基1当量当り、通常
0.3〜1.2当量、好ましくは0.5〜1.1当量で
ある。
【0023】
【化1】 -OH+RNCO → -O-CO-NH-R ・・・・・(1)
【0024】本発明においては、極性溶媒の使用量が重
要であり、水酸基含有高分子と脂肪族イソシアネート化
合物の両者の合計量100重量部に対し、極性溶媒10
0〜1000重量部の存在下に反応を行なう必要があ
る。極性溶媒の使用量は、好ましくは150〜1000
重量部である。上記の様に多量の極性溶媒の使用によ
り、脂肪族イソシアネート化合物の3量化物の副生や加
水分解による低分子量化合物の副生が低減され、前記し
た剥離性能を実現することが出来る化合物が得られる。
【0025】水酸基含有高分子と脂肪族イソシアネート
化合物の反応の方式は、特に制限されず、(1)極性溶
媒中に水酸基含有高分子と脂肪族イソシアネート化合物
とを溶解して反応してもよいし、(2)水酸基含有高分
子を溶媒に溶解させて後、脂肪族イソシアネート化合物
単独または同じ極性溶媒に溶解した脂肪族イソシアネー
ト化合物の溶液を一括または少量ずつ滴下してもよい。
特に後者が好ましい。反応温度は、通常20〜180
℃、好ましくは50〜150℃である。反応温度は、最
初から温度を一定に保ってもよいし、脂肪族イソシアネ
ート化合物の滴下後に昇温してもよい。
【0026】上記の反応は、反応速度の点から触媒の存
在下で行なうのが好ましい。触媒としては、慣用の金属
化合物が使用される。この様な触媒の具体例としては、
例えば、ジメチルスズジクロライド、ジブチルスズジラ
ウレート等が挙げられる。触媒の使用割合は、反応液中
の濃度として、通常1〜1000ppm、好ましくは5
0〜500ppmである。
【0027】反応生成物の単離方法としては、通常行わ
れる方法が使用されるが、反応後の溶液から沈殿化する
方法が好ましい。この沈殿化に使用される溶媒は、生成
物に対する貧溶媒であれば何でもよいが、脂肪族イソシ
アネート化合物に対して良溶媒であることが好ましい。
斯かる溶媒の使用により残留低分子量物を更に低減する
ことが出来る。
【0028】離型層を形成する化合物には、必要に応
じ、消包剤、塗布性改良剤、増粘剤、界面活性剤、潤滑
剤、有機系粒子、無機系粒子、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、染料、顔料、高分子化合物、架橋剤などを添加して
もよい。また、耐溶剤性・耐熱性を高めるため、架橋点
を導入し、熱硬化、UV硬化、電子線硬化などを行って
もよい。
【0029】基材フィルムの表面に離型層を形成する方
法としては、例えば、ホットメルト法、塗布法、共押出
法などの方法が挙げられる。塗布法の場合には、原崎勇
次著、槇書店、1979年発行、「コーティング方式」
に示されるリバースロールコーター、グラビアコータ
ー、ロッドコーター、エアドクターコーター又はこれら
以外の塗布装置を使用し、基材フィルム製造工程外で塗
布液を塗布する方法、フィルム製造工程内で塗布する方
法が挙げられる。
【0030】離型層は基材フィルムの片面にのみに形成
してもよいし、両面に形成してもよい。片面のみに形成
した場合は、その反対面に、必要に応じ、易滑層、帯電
防止層などの層を形成してもよい。また、基材フィルム
と離型層との間には、易接着層、帯電防止層などの中間
層を設けてもよい。更に、必要に応じ、基材フィルムの
表面には、コロナ処理などの易接着処理を行ってもよ
い。
【0031】離型層の厚さは、通常10nm以上、好ま
しくは50nm以上である。離型層の厚さが10nm未
満の場合には、均一な層が得難いために剥離性が劣る様
になることがある。一方、上限は、特に限定は無いが、
厚過ぎる場合はコストアップ要因となること、場合によ
っては10μm以上で滑り性が低下すること等から、1
0μm以下にすることが推奨される。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0033】(1)表面の原子の存在比:離型層表面に
おける原子存在比は、X線光電子分光法を使用して求め
られる表面に存在する原子種と濃度とから、ハロゲン原
子濃度/炭素原子濃度、珪素原子濃度/炭素原子濃度で
与えられる。島津製作所「ESCA−1000」を使用
して8kV、300mAの条件で得られたMgのKα線
を使用し、C(1S)、Si(2S)、Cl(2P)、
F(1S)、Br(3d)由来のスペクトルを測定し、
それらのピーク面積を次の原子感度係数を使用して補正
し表面濃度を見積もった。次いで、C(1S)由来の濃
度を使用して各原子濃度を規格化することにより、珪素
原子存在比(Si/C)、塩素原子存在比(Cl/
C)、フッ素原子存在比(F/C)、臭素原子存在比
(Br/C)を求めた。原子感度係数は次の通りであ
る。C(1S)=1.0、Si(2S)=0.86、C
l(2P)=2.36、F(1S)=4.26、Br
(3d)=3.04
【0034】(2)剥離力[mN/cm]:離型層表面
に、粘着テープ「No.502」(日東電工(株)製)
を貼り付けて、室温にて1時間放置後、引張試験機にて
引張速度300mm/分で180°剥離を行い、剥離が
安定した領域における平均剥離荷重を粘着テープ幅で除
した値を剥離力とした。
【0035】(3)残留接着率[%]:離型層表面に粘
着テープ「No.31B」(日東電工(株)製)を2k
gゴムローラーにて1往復圧着し、100℃で1時間加
熱処理する。次いで、圧着した離型フィルムを剥がし、
粘着テープ「No.31B」を使用し、JIS−C−2
107(ステンレス板に対する粘着力、180°引き剥
がし法)の方法に準じて接着力Fを測定する。粘着テー
プ「No.31B」を直接ステンレス板に粘着・剥離し
た際の接着力F0に対するFの百分率を残留接着率とし
た。
【0036】(4)離型層厚さ[nm]:離型フィルム
の5°正反射による絶対反射率を測定し、反射率が極小
となる波長λ[nm]を求めた。また、別途離型層を構
成するポリマーをガラス板上にキャスト・固化して得ら
れたものの589nmにおける屈折率nを求め、下式に
従い離型層厚さd[nm]を算出した。
【0037】
【数1】d=0.25λ/n
【0038】(ポリエステルフィルムの製造)無定形シ
リカを0.1重量%含有し、固有粘度が0.70dl/
gであるポリエチレンテレフタレートペレットを2軸押
出機にて溶融し、Tダイよりキャストドラム上に押し出
し、ガラス転移点未満まで急冷し、実質的に非晶質のシ
ートを得た。得られた非晶質シートをロール延伸機にて
80℃で3.5倍長手方向に延伸し、更に、テンター延
伸機にて100℃で4.0倍横方向に延伸した。引き続
き、定幅のまま230℃で2秒間熱固定を施し、更に、
160℃で幅方向に5%の弛緩を施し、厚さ38μmの
ポリエステルフィルムを得た。
【0039】(離型層用コート剤の調製) 離型剤A:500mlのフラスコに、エチレン−ビニル
アルコール共重合体(エチレン含量約20mol%、以
下「EVOH」と略記)10gを仕込み、ジメチルホル
ムアミド100mlを加えて50℃に加熱して溶解し
た。これにジブチル錫ラウレート25mgを加えた後、
ステアリルイソシアネート58gを50mlのジメチル
ホルムアミドに溶解した溶液を滴下漏斗から1時間30
分で滴下し、その後、100℃で6時間反応を行った。
室温まで冷却した後、メタノール1Lに注いでポリマー
を析出させた。濾過後、80℃で12時間減圧乾燥して
63.5gの付加体を得た。これを濃度2重量%となる
様にトルエンに溶解し、離型剤Aを得た。
【0040】離型剤B:ファウドラー羽根を有する撹拌
機、還流冷却器、滴下フロートを備えると共に、加熱お
よび冷却が可能な反応容器中に、ステアリルイソシアネ
ート57重量部を入れ、これに、原料高分子としてヤン
グ率が2.7×104kg/cm2、曲げ弾性率が3.
6×104kg/cm2であり、エチレン−ビニルアル
コール共重合体(PEVA)中のエチレン含有率が30
モル%であり、平均重合度が1,500であるエチレン
−ビニルアルコール共重合体(以下、エチレン−ビニル
アルコール共重合体を「PEVA−27/36」と略記
する)を10重量部加え、撹拌して分散させた。この溶
液を約30分で80℃まで加温し、更に、0.036重
量部のジブチル錫ジラウレートを徐々に加え、撹拌して
溶解させた。この溶液を撹拌、昇温しながら、10重量
部のジメチルスルホキシド(以下「DMSO」と略記す
る)を約30分間かけて滴下し、滴下終了後、撹拌しな
がら反応温度をDMSO滴下終了時温度(約90℃)か
ら、60分間で140℃まで昇温させた。反応温度が1
40℃に到着後、更に、充分な撹拌下にて反応を継続さ
せた。
【0041】反応の進行状況を確認しつつ、約140℃
で、約120分間撹拌をしたところ、反応が完結してい
ることが確認できた。なお、反応の進行状況は、適宜反
応液をサンプリングして、赤外分光方法により反応液中
のステアリルイソシアネートの量を測定することにより
確認した。反応完結後、反応液を80℃まで冷却し、反
応混合物全量に対して5倍量のメタノール中に注いだと
ころ、白色沈殿物が得られた。反応液中のDMSOはメ
タノールに溶解するため、濾過方法により、DMSOを
沈殿物から除去することが出来る。従って、濾過によ
り、白色沈殿物を分離し、更に、この白色沈殿物をメタ
ノールで洗浄して乾燥後、粉砕することにより、高分子
ウレタン化物を得た。これを濃度2重量%となる様にト
ルエンに溶解し、離型剤Bを得た。
【0042】離型剤C:1Lのオートクレーブを乾燥し
た窒素ガスで加圧脱圧を繰り返し置換した。これに脱気
・乾燥トルエン400mlを仕込み、触媒としてジメチ
ルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド6.97mg(2マイクロモル)のトルエン
溶液7ml、シェリング社製メチルアルモキサンのトル
エン溶液5.4ml(Alとして2ミリモル)を加え、
プロピレン圧0.15MPa、エチレン圧0.35MPa
で定圧に保ち、75℃で2時間重合した。終了後、得ら
れた粘調溶液をメタノール2Lに沈殿させ、濾過、乾燥
を行って42gの重合体を得た。これを濃度2重量%と
なる様にトルエンに溶解し、離型剤Cを得た。
【0043】実施例1 離型剤Aをウェット厚さが10μmとなる様にポリエス
テルフィルム上に塗布し、引き続き120℃2分間の乾
燥を行い、離型フィルムを得た。
【0044】比較例1 離型剤Aを離型剤Bに替えた他は実施例1と同様にして
離型フィルムを得た。
【0045】比較例2 離型剤Aを離型剤Cに替えた他は実施例1と同様にして
離型フィルムを得た。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の離型フィルムは、シロキサンフ
リーであることを必要とする用途、更には、シリコーン
ゴム成形用工程フィルム、シリコーン系接着剤表面保護
などの用途に好適であり、その工業的価値は非常に高
い。
フロントページの続き (72)発明者 國武 真紀 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 関 基弘 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA20 AH03B AK21B AK22B AK42 AK69 AK69B AT00A BA02 EH46 EJ38 GB90 JK06 JL00 JL11 JL14 JL14B YY00 YY00B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも一方の表面に
    離型層を有するフィルムであって、離型層表面における
    炭素原子に対する珪素原子の存在比(Si/C)が0.
    01以下、炭素原子に対するハロゲン原子の存在比(X
    /C)が0.1以下であり、且つ、離型フィルムの剥離
    力が75mN/cm以下、残留接着率が80%以上であ
    ることを特徴とする離型フィルム。
  2. 【請求項2】 離型層が、活性水素を持たない極性溶媒
    に溶解性を示す水酸基含有高分子と脂肪族イソシアネー
    ト化合物とを、両者の合計量100重量部に対し、活性
    水素を持たない極性溶媒100〜1000重量部の存在
    下に反応する方法で得られた化合物にて形成されている
    請求項1に記載の離型フィルム。
JP2002021379A 2002-01-30 2002-01-30 離型フィルム Pending JP2003220666A (ja)

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