JP5142317B2 - 剥離処理剤及びこれを用いた粘着テープ、粘着シート及び剥離シート - Google Patents

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本発明は、粘着テープ、粘着シートや剥離シートに用いられる剥離処理剤に関する。更に詳しくは、ポリビニルアルコールなどの活性水素含有高分子と、脂肪族イソシアネート、なかでもステアリルイソシアネート化合物との反応生成物を有効成分とする剥離処理剤に関する。
粘着テープに用いられる剥離処理剤としては、シリコーン樹脂、長鎖アルキルビニルモノマー重合物、フッ化アルキルビニルモノマー重合物、ポリビニルアルコールカルバメートなどが知られている。このうちシリコーン樹脂は剥離性能などの特性に優れている。しかしながら、シリコーン樹脂には価格的問題があり、かつ高温での熱セットを必要とするところから熱可塑フィルムには使用できないという欠点もある。上記その他の化合物による剥離処理剤は、剥離性、残留接着性の点で、現状では未だ十分満足し得るものではない。
特許文献1には、エチレンとビニルアルコールの共重合物に炭素数が8以上のアルキルイソシアネート化合物と反応させた反応生成物を主体とする剥離処理剤が記載されている。この剥離処理剤は、上記のシリコーン樹脂等と比較して剥離性能は非常に優れている。
特公昭60−30355号公報
しかし、この剥離処理剤は、耐熱性が不十分で、70〜90℃の加熱を受けると、その剥離性能が大きく低下するという欠点を有していることから、その応用用途が限定されていた。例えば、幼児に使用する使い捨て紙おむつが多用されるようになって久しいが、これに用いる接着テープは、繰り返し接着する必要があるため、剥離処理がなされている。かかる紙おむつに用いる粘着テープに、特許文献1の剥離処理剤を用いた場合、通常の使用では特段の問題は生じない。しかし、夏場に、紙おむつが、自動車内等に置かれたままにされたような場合には、車内温度が80℃近くになる可能性があるため、その紙おむつの粘着テープはその高温加熱を受けたことが原因となって、剥離性能が大きく低下し、容易に剥離できなくなるおそれがある。従って、特許文献1記載の剥離処理剤は、紙おむつに用いる粘着テープ用の剥離処理剤としては、剥離性能が不十分であった。
また、両面テープを生産する場合、両面テープの支持体の両面に粘着剤が塗布されるが、その生産工程において、支持体の片面に粘着剤が塗布され、加熱乾燥後両面剥離処理された紙あるいはフィルムの片面に貼り合わされ、さらに支持体のもう一方の面に粘着剤が塗布され、加熱乾燥後、両面剥離処理された紙あるいはフィルムのもう一方の面を内側に巻取り生産される。この生産工程において、粘着剤面と剥離剤処理面が貼り合わされた状態で加熱乾燥される際、80〜100℃の高温下にさらされるため、通常は耐熱性のあるシリコーン樹脂系の剥離処理剤が使用され、耐熱性の低い特許文献1の剥離処理剤を使用することは困難であった。
そこで、本発明では、ポリビニルアルコールなどの活性水素含有高分子とステアリルイソシアネート化合物との反応生成物を有効成分とする剥離処理剤において、70〜90℃の高温下に放置された場合でも、その後の使用における剥離性能の低下がほとんどなく、支持体への密着性に優れる剥離処理剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の活性水素含有高分子に、主成分がオクタデシルイソシアネートであり、かつ炭素数17以下の脂肪族イソシアネートが1〜5重量%含まれるステアリルイソシアネート化合物を反応させて得られる反応生成物を有効成分とする剥離処理剤であれば、高温加熱を受けても剥離性能の低下が少なく、しかも支持体への密着性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の剥離処理剤は、シリコーン樹脂の剥離処理剤に比較し、圧倒的に安価・経済的であり、かつ常温の使用においてシリコーン樹脂等と比較して剥離性能は非常に優れているという、従来のポリビニルアルコールなどの活性水素含有高分子と脂肪族イソシアネートの反応生成物を有効成分とする剥離処理剤の利点を維持したまま、従来の前記剥離処理剤と比較して、70〜90℃といった高温放置後の剥離性能の低下度合いを著しく抑制できる。
ポリビニルアルコールなどの活性水素含有高分子と、ステアリルイソシアネート化合物とを反応させて得られた反応生成物を有効成分とする剥離処理剤は既に知られている。また、ステアリルイソシアネート化合物は、天然由来の原料であることから、研究室レベルの使用は格別、剥離処理剤の原料として産業上使用されるステアリルイソシアネート化合物は、オクタデシルイソシアネートのみで構成されているものを使用することは殆どなく、主成分であるオクタデシルイソシアネートの他に、炭素数17以下の脂肪族イソシアネートを10重量%程度含むものであることが知られている。
しかし、オクタデシルイソシアネートを主成分とし、炭素数17以下の脂肪族イソシアネートの含有割合が、特に1重量%以上及び5重量%以下であるステアリルイソシアネート化合物が、剥離処理剤の原料として使用された例は見当たらず、加えて高温放置後の剥離特性劣化抑制効果という有利な効果に関して、前記ステアリルイソシアネートに含まれる炭素数17以下の脂肪族イソシアネートの含有割合に、1重量%以上及び5重量%以下という臨界点があることは、本発明で初めて得られた知見である。
また、剥離処理剤は、トルエンなどを溶媒とする使用浴の中に溶解させたうえで、該溶解液を支持体などに塗布して剥離処理層を形成して使用する様態が通常であるが、従来の剥離処理剤では、冬季においては環境温度が低くなるため、前記使用浴において異物が発生する問題があった。
しかし、本発明の剥離処理剤によれば、−5℃程度の低温においても、トルエン液に溶解させた状態での異物析出の抑制効果が高いので、冬季、使用浴を用いて剥離処理層の形成を行なう際にも、安定した剥離処理層の形成が可能となる。
(活性水素含有高分子)
本発明で用いるエチレン/ビニルアルコール共重合体は、従来公知の物質であり、そのエチレン含有率は90モル%以下、好ましくは20〜60モル%である。また、その平均重合度は500〜3,000、好ましくは800〜2,500である。本発明で用いるポリビニルアルコールは、従来公知の物質であり、その平均重合度は100〜3,000、好ましくは150〜2,000の範囲である。ポリビニルアルコールは、ポリビニルアセテートをケン化することにより得られるが、この場合、そのケン化度は、80%以上、好ましくは90〜100%である。
(ステアリルイソシアネート化合物)
本発明で用いるステアリルイソシアネート化合物は、主成分がオクタデシルイソシアネートであり、かつ炭素数17以下の脂肪族イソシアネートが1〜5重量%含まれるものである。ステアリルイソシアネート化合物は、天然由来の成分を用いているから、一般に市販されているものは、純粋な単一の化合物で構成されているものではなく、主成分である炭素数18のオクタデシルイソシアネートの他に、炭素数が17以下、或いは炭素数が19以上の脂肪族イソシアネート10〜20%程度が含まれる混合物である。従来から用いられているステアリルイソシアネート化合物には、炭素数17以下の脂肪族イソシアネートが10%前後含まれている。しかし、本発明で用いるステアリルイソシアネート化合物は、炭素数17以下の脂肪族イソシアネートの含有割合を1〜5重量%のものとする。これを用いて製造した剥離処理剤は、高温放置後の剥離性能の低下抑制効果に関し、前記範囲の境界に臨界点を持つからである。
なお、ステアリルイソシアネート化合物は、一般にオクタデシルイソシアネートを80%以上含まれているという現実から、『主成分』の語句に対する、いわゆる当業者の認識としては、およそ80%程度以上であるといえる。ただし、本発明で用いるステアリルイソシアネート化合物は、従来よりも炭素数17以下の脂肪族イソシアネートの含有割合が少ないことを反映として、オクタデシルイソシアネートの含有量が従来よりも高いことが好ましく、90重量%以上、さらには93重量%以上が好ましく、最適には95重量%以上、すなわち1〜5重量%炭素数17以下の脂肪族イソシアネートを除く全成分がオクタデシルイソシアネートであるステアリルイソシアネート化合物を用いることが理想的である。
(反応生成物)
次に本発明の剥離処理剤の製造方法について説明する。前記活性水素含有高分子を、キシレン、ジメチルスルホキシドなどのイソシアネート基に不活性な溶媒中に溶解あるいは分散させたのち、100℃〜150℃にて、前記ステアリルイソシアネート化合物を反応させる。このとき、イソシアネートの反応割合は、エチレン/ビニルアルコール共重合及び/又はポリビニルアルコール中の水酸基に対して90モル%〜100モル%の範囲が最も好ましい。水酸基の残量が多すぎると得られる剥離処理剤が剥離性に劣るものとなり、好ましくない。反応は、反応原料が溶媒に溶解した時点から、又は反応混合物中のイソシアネート基に基づく吸収スペクトルが消失した時点から、さらに2時間程度反応を続けて停止する。反応混合物は、これを80℃程度まで冷却し、3〜6倍量のメタノールやイソプロパノール等の貧溶媒中に注加して反応生成物を析出させ、析出物を濾過分離した後、乾燥して、目的物を得る。このようにして得られた反応生成物は、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒に適度の溶解性を示し、さらに、剥離性、残留接着性にすぐれ、特に、高温加熱を受けた後でもすぐれた剥離性、残留接着性を有する。
本発明の剥離処理剤は、前記反応生成物を有効成分としているものであり、溶融或いはトルエン等の溶媒に溶解して、さらには、界面活性剤等の乳化剤等と併用したエマルションとして、液体状で適用することができる。また、この剥離処理剤には、補助成分として、架橋剤等を添加することもできる。
(用途例)
本発明の剥離処理剤は、主要な用途例として下記用途を挙げることができる。
(1.粘着テープ、粘着シート)
一般に、シート状支持体の片面または両面に粘着剤を塗布して粘着層を形成した粘着テープ、粘着シート等の粘着体においては、粘着体をロール状に巻いて使用する場合が多い。プラスチックや紙からなるフィルム、シート、テープ等の支持体の片面に粘着層を設け、一方、反対側の面には、剥離剤を固形分として、0.01〜1.0g/m2、好ましくは0.05〜0.5g/m2の厚みで塗布乾燥して処理された剥離処理層を設けて巻き取る。従って、前記粘着層は、一周前の前記支持体に処理された剥離処理層と接触することになるが、前記剥離処理層を有する粘着テープや粘着シートでは、前記粘着層の粘着力を低下させることなく、使用の際、手の力のような小さい剥離力でも容易に一周前の支持体から前記粘着層を剥離することができる。
粘着テープや粘着シートに用いる粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、ホットメルト系等の粘着剤など公知の粘着剤を使用できる。なお、粘着テープと粘着シートは、構成されている材料については、大きな差異はないが、一般的に、巻物形状のものは粘着テープ、平板形状のものは粘着シートといわれている。
(2.剥離シート)
また、前記粘着層が形成された支持体は、上述のように巻き取られることなく、前記粘着層の粘着面の保護するために、前記粘着面に剥離紙、剥離性のフィルム、シート、テープ等の製品(まとめて「剥離シート」という)を粘着添付されて使用される場合がある。この使用様態において、本発明の剥離処理剤は、プラスチックや紙からなるフィルム、シート、テープ等の支持体(剥離シート用支持体)に、固形分として、0.01〜1.0g/m2、好ましくは0.05〜0.5g/m2の厚みで塗布乾燥して、剥離層を形成した剥離シートとしても用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
撹拌機、冷却器、滴下ロートを備えた反応容器中でエチレン/ビニルアルコール共重合物(エチレン共重合割合30モル%、平均重合度1,500)10重量部をキシレン50重量部に分散させたのち、還流温度にてステアリルイソシアネート化合物[1](炭素数17以下の脂肪族基を1.8%)57重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)を加える。反応進行にともないエチレン/ビニルアルコール共重合物の粒子が溶解する。このエチレン/ビニルアルコール共重合物の粒子が完全に溶解してから、更に2時間反応を続けた後、80℃まで冷却し、反応混合物を5倍量のメタノール中へ注いで白色沈殿物を得る。この沈殿物をメタノールで洗浄し、乾燥粉砕して目的の剥離処理剤を得た。
(実施例2)
ステアリルイソシアネート化合物[2] (炭素数17以下の脂肪族基を3.7%)57重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)用いる以外、実施例1と同様にして、剥離処理剤を得た。
(実施例3)
ステアリルイソシアネート化合物[3](炭素数17以下の脂肪族基を4.7%)57重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)用いる以外、実施例1と同様にして、剥離処理剤を得た。
(実施例4)
ポリビニルアルコール(ケン化度99%、平均重合度200)25重量部、キシレン50重量部、ステアリルイソシアネート化合物[2](炭素数17以下の脂肪族基を3.7%)166重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)を実施例1と同様の操作にて反応させて剥離処理剤を得た。
(実施例5)
ポリビニルアルコール(ケン化度99%、平均重合度2,000)25重量部、キシレン50重量部、ステアリルイソシアネート化合物[2](炭素数17以下の脂肪族基を3.7%)166重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)を実施例1と同様の操作にて反応させて剥離処理剤を得た。
(実施例6)
エチレン/ビニルアルコール共重合物(エチレン共重合割合30モル%、平均重合度1500)10重量部、キシレン50重量部、ステアリルイソシアネート化合物[1](炭素数17以下の脂肪族基を1.8%)51重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し90モル%)を実施例1と同様の操作にて反応させて剥離処理剤を得た。
(比較例1)
エチレン/ビニルアルコール共重合物(エチレン共重合割合30モル%、平均重合度1500)10重量部、キシレン50重量部、ステアリルイソシアネート化合物[4](炭素数17以下の脂肪族基を0.5%)57重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)を反応させ、実施例1と同様の操作にて剥離処理剤を得た。
(比較例2)
ステアリルイソシアネート化合物[5](炭素数17以下の脂肪族基を6.8%)57重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)用いる以外、実施例1と同様にして、剥離処理剤を得た。
(比較例3)
ステアリルイソシアネート化合物[6](炭素数17以下の脂肪族基を8.8%)57重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)用いる以外、実施例1と同様にして、剥離処理剤を得た。
(比較例4)
ステアリルイソシアネート化合物[7](炭素数17以下の脂肪族基を11.1%)57重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)用いる以外、実施例1と同様にして、剥離処理剤を得た。
(比較例5)
ポリビニルアルコール(ケン化度80%、平均重合度400)21重量部、キシレン50重量部、ステアリルイソシアネート化合物[7](炭素数17以下の脂肪族基を11.1%)112重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)を実施例1と同様の操作にて反応させて剥離処理剤を得た。
(比較例6)
ポリビニルアルコール(ケン化度99%、平均重合度2,000)25重量部、キシレン50重量部、ステアリルイソシアネート化合物[7](炭素数17以下の脂肪族基を11.1%)166重量部(前記活性水素含有高分子の水酸基に対し100モル%)を実施例1と同様の操作にて反応させて剥離処理剤を得た。
表1には、上記実施例、比較例で用いたステアリルイソシアネート化合物に含まれる脂肪酸イソシアネートの含有割合を、脂肪族イソシアネートの炭素数ごとにまとめた。
Figure 0005142317
(剥離力の測定)
実施例1〜6、比較例1〜6で得られた剥離処理剤をトルエン溶媒に溶解し濃度1wt%のトルエン溶液を作り、この溶液をPETフィルムの非コロナ面に、固形物として0.05g/m2付着するように塗布し、乾燥した。この様にして作製した剥離フィルム上に、25mm幅のアクリル系粘着テープ(日東電工製)を自重2kgのゴムローラーにて圧着し、前記粘着テープから前記剥離フィルムを引き剥がす剥離力を、オートグラフ(島津社製AGS−100型)を使って、温度23℃、湿度65%の環境において測定した。なお、この条件による測定を「常態(23℃×65%RH)」と呼ぶものとする。
他方、同様に粘着テープを貼着した試料を50℃、70℃、80℃及び90℃の各温度にて、20g/cm2の荷重を加えた状態で24時間保持した後、室温で2時間放置後同様にして剥離力を測定した。
(残留接着力の測定)
前記剥離力の試験を経た各粘着テープを、SUS304のステンレス板に自重2kgのゴムローラーで圧着し、温度23℃湿度65%RHの恒温恒湿室に2時間放置後、ステンレス板から粘着テープを引き剥がす剥離力を測定し、その際の剥離力から、残留接着力を求め、支持体への密着性を判断した。
(冷却安定性)
また、冷却安定性として合成した合成物を2%トルエン溶液として、実施例1〜6、比較例1〜6で得られた剥離処理剤を−5℃×30分で冷却した場合の液状態を観察し、各剥離剤の冷却安定性を下記の評価基準で目視にて判断した。なお、基準として冷却前の23℃における状態も目視にて評価した。
○:異物の析出なし
△:異物析出少量あり
×:異物析出あり
前記剥離力及び前記残留接着力の測定結果を表2に、前記冷却安定性の評価結果を表3にまとめて示す。
Figure 0005142317
Figure 0005142317
上記実施例、比較例のうち、ステアリルイソシアネート化合物以外は条件が同じ例(実施例1〜3、比較例1〜4)の剥離処理剤を用いた粘着テープの剥離力、残留接着力と(Y軸)、炭素数17以下の脂肪族イソシアネートの含有割合(X軸)を放置温度ごとの折れ線グラフを図1、図2にそれぞれ示した。
図1及び図2より、次のことが明らかになった。すなわち、高温放置しないものや、50℃までの温度で放置した場合は、炭素数17以下の脂肪族イソシアネートの含有割合に対する粘着テープの剥離力、残留接着力は、あまり変化が見られない。ところが70〜90℃℃で放置した場合、炭素数17以下の脂肪族イソシアネートが1〜5重量%の範囲内と範囲外では、前記境界を臨界点として大きく変化し、前記範囲外では、必要とされる剥離力が急激に大きくなり、一方、残留接着力は急激に低下していることが分かる。
また、表3より、低温におけるトルエン溶媒への溶解状態において、実施例1〜6の剥離処理剤は、比較例2〜6の剥離処理剤よりも異物析出が抑制されていることがわかる。
炭素数17以下の脂肪族イソシアネートの含有割合と剥離力の関係を示す、折れ線グラフである。 炭素数17以下の脂肪族イソシアネートの含有割合と残留力の関係を示す、折れ線グラフである。
本発明の剥離処理剤は、粘着テープ、粘着シート、剥離シートなどの材料として産業上利用できるものであるが、特に70〜90℃の高温に放置した後でも剥離力の維持が求められる用途に用いられる粘着テープなどの材料として特に有用である。

Claims (3)

  1. ポリビニルアルコール及びエチレン−ビニルアルコール共重合体の中から選ばれる少なくとも1種の活性水素含有高分子と、ステアリルイソシアネート化合物との反応生成物を有効成分とする剥離処理剤であって、
    前記ステアリルイソシアネート化合物は、主成分がオクタデシルイソシアネートであり、かつ炭素数17以下の脂肪族イソシアネートが1〜5重量%含まれることを特徴とする剥離処理剤。
  2. 支持体の一の面に粘着層を具備し、前記支持体の前記一の面と反対側の面に、請求項1記載の剥離処理剤を含有する剥離処理層を具備する粘着テープまたは粘着シート。
  3. 支持体の少なくとも一の面に、請求項1記載の剥離処理剤を含有する剥離処理層を具備する剥離シート。
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