JP4477816B2 - 剥離処理剤及び剥離処理剤の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
エチレン−ビニルアルコール共重合体と炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートとの反応生成物を有効成分とする剥離処理剤および剥離処理剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリビニルアルコールまたは、エチレン−ビニルアルコール共重合体にアルキルイソシアネートを付加させたウレタン系付加剥離処理剤が知られている。具体例としては、特公平2−7988号にはポリビニルアルコールのウレタン系剥離処理剤が開示されている。特公昭60−30355号には、エチレン−ビニルアルコール共重合体のウレタン系剥離処理剤が開示されている。また、特公平4−28002号には、前記エチレン−ビニル共重合体のウレタン系剥離処理剤の製造方法として、水溶性溶媒を用いて反応開始から反応終了に至るまでその中間生成物も含めて溶液状態下で反応させる剥離処理剤の製造方法が開示されている。
【0003】
通常、前記剥離処理剤を製造する際に、原料であるエチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニルアルコールをトルエン等の有機溶媒に分散させて、加温してジメチルスルホキシド等の水溶性溶媒を加えて、オクタデシルイソシアネート等の脂肪族イソシアネートを加えて反応させる。エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニルアルコールは、ジメチルスルホキシド等の水溶性溶媒を添加した際に徐々に溶解するので、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の粉体の周りからイソシアネートと反応し、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニルアルコールと脂肪族イソシアネートとのウレタン生成物(以下ウレタン生成物)を得ることができる。ウレタン生成物は、トルエンに溶解するため溶液状態で反応を進行させることができる。その際に、目的のウレタン生成物のほかにビスウレア体が生成され反応液中に析出または、反応液中に含有され最終的に目的のウレタン生成物中に含有されてしまう。生成されるビスウレア体とは、使用する脂肪族イソシアネートが水と反応し、分子の両末端が脂肪族由来の、例えばアルキル基で封鎖された、中心が−NH−CO−NH−の結合を有している化合物である。
【0004】
反応液中にビスウレア体が析出していると、反応器から反応溶液を移送する際に、送液ポンプをいためたり、ゴミ等を捕捉するためのネット(ストレーナ)の目詰まりによる生産性の低下が生じる。また、目的のウレタン生成物中にビスウレア体が含有されてしまうと、テープの背面に剥離処理剤を塗布し粘着剤と対向させテープとして保管した際に、ビスウレア体が粘着剤層に移行し粘着力を低下させる恐れがある。加えて、目的とする剥離力にするために原料のエチレン−ビニルアルコール共重合体と脂肪族イソシアネートとの付加率を適宜調整しているが、イソシアネートがビスウレア体の生成に消費されてしまうために、設計した通りの剥離力を有する剥離処理剤を得ることができない等の問題があった。更に、通常剥離処理剤は粉体でテープメーカーに供給されるが、剥離処理剤を溶解する設備がないテープメーカーでは、10%溶液を購入し輸送し、常温(25℃前後)で貯蔵タンクに保存している。常温で保存している際に、気温の差により貯蔵タンク内の温度が少しでも下がるとビスウレア体が析出して、貯蔵の最中や反応釜への移送時の計量に影響を及ぼしトラブルの原因になっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ウレタン生成物中のビスウレア体含量が3重量%以下であることを特徴とする剥離処理剤及び当該剥離処理剤の製造方法であり、ウレタン生成物中のビスウレア体が3重量%以下であることにより、本発明の剥離処理剤を用いた粘着テープにおいて、剥離処理剤を塗布した剥離処理層から粘着剤が塗布してある粘着層にビスウレア体の移行の現象によって生じる粘着剤の性能の劣化がなく、また、10%トルエン溶液として、常温で安定に貯蔵または輸送できる剥離処理剤を提供する。また本発明の剥離処理剤の製造方法は、剥離処理剤の収率向上および品質のバラツキがない製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体と、炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上との反応生成物を有効成分とする剥離処理剤であって、(1)エチレン−ビニルアルコール共重合体の粒子径を10メッシュ以下とした後、水と共沸するトルエンを添加して共沸脱水を行うことによって水分含量を減少させる工程と、(2)水溶性溶媒のジメチルスルホキシドを添加する工程と、(3)炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上とを反応させる工程と、(4)反応終了後、水を加え油層と水層を分離し、油層をメタノール中に導入する工程とによって得られた、反応生成物中のビスウレア体含量が3重量%以下であることを特徴とする剥離処理剤である。
【0007】
また本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体と、炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上と反応させるに際して
(1)エチレン−ビニルアルコール共重合体の粒子径を10メッシュ以下とした後、水と共沸するトルエンを添加して共沸脱水を行うことによって水分含量を減少させる工程と(2)水溶性溶媒のジメチルスルホキシドを添加する工程と(3)炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上とを反応させる工程と(4)反応終了後、水を加え油層と水層を分離し、油層をメタノール中に導入する工程を有することによって、反応生成物中のビスウレア体含量を3重量%以下とすることを特徴とする剥離処理剤の製造方法である。
また、(4)油層と水層を分離し、油層を、密閉式加圧ろ過機を用いて精製し、反応生成物中のビスウレア体含量を3重量%以下としたことを特徴とする剥離処理剤の製造方法である。そして、密閉式加圧ろ過機として、葉状(リーフ)密閉式加圧ろ過機を使用していることも特徴としている。
【0008】
また本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体と、炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上との反応生成物を有効成分とする剥離処理剤であって、(1)エチレン−ビニルアルコール共重合体の粒子径を10メッシュ以下とした後、水と共沸するトルエンを添加して共沸脱水を行うことによって水分含量を減少させる工程と、(2)水溶性溶媒のジメチルスルホキシドを添加する工程と、(3)炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上とを反応させる工程と、(4)反応終了後、水を加え油層と水層を分離し、油層をメタノール中に導入する工程とによって得られた、反応生成物中のビスウレア体含量が3重量%以下である剥離処理剤を含有する剥離処理層と、さらに支持体、粘着剤層を有する粘着テープまたは粘着シートである。さらに本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体と、炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上との反応生成物であり、該反応生成物中のビスウレア体含量が3重量%以下である剥離処理剤を含有する剥離処理層と、さらに支持体を有する剥離シートである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のウレタン生成物中のビスウレア体含量が3重量%以下である剥離処理剤の製造例としては、次のようにして製造することができる。10メツシュ以下の大きさの粒子状エチレン−ビニルアルコール共重合体をトルエンに分散し例えば共沸脱水し、温度を下げてから、必要によりジメチルスルホキシド等の水溶性の溶媒を添加し、オクタデシルイソシアネート等の脂肪族イソシアネートを滴下し反応させる。エチレン−ビニルアルコール共重合体を10メツシュ以下の大きさにした後に、水分を除く方法として特に限定されないが、例示すると乾燥機等により水分を除く方法があげられる。水分を除く方法として、共沸脱水の方法を用いるのが工業的に好ましく、共沸脱水の操作として、還流を行いながら還流装置の途中で水分を分離除去する方法等も含む。また使用する溶剤は水と共沸する溶剤であれば特に限定されないが、本発明の剥離処理剤を基材に塗布する際に使用できる溶剤と同種の溶剤のほうが好ましく、トルエンが好ましい。
【0010】
反応の完結または終点は、反応混合物中のイソシアネート化合物の残存量を赤外分光光度計により測定して、確認することができる。なお、上記の反応を完結させるに際し、必要に応じて水酸基とイソシアネート基との反応を促進させる触媒、例えば有機錫化合物等を用いることができる。反応終了後、水を加え油層と水層を分離し、望ましくは油層をろ過機(フィルター)を通してろ過し、微量のビスウレア体を捕捉する。使用できるろ過機は特に限定はされないが、使用する溶剤がトルエンで、ろ液中に反応生成物が含まれていることにより、ろ液を取ることを目的とすることから、密閉型加圧ろ過機が好ましく、密閉型葉状式加圧ろ過機が特に好ましい。密閉式の加圧ろ過機として市販されているものの例としては、石川島播磨重工業社製、商品名:フンダバックフィルターまたは商品名:リーフフィルターが市販されており、密閉型葉状式加圧ろ過機としては、前記、商品名リーフフィルターの他、ミウラ化学装置株式会社製の商品名:ウルトラフィルターが市販されている。溶液をいれた器からフィルターを通し別の受器で溶液を受ける方式、あるいは、溶液を入れた器からフィルターを通し、再び溶液をいれてある器に戻す循環方式のどちらでも使用できる。最後に、予めメタノールを入れてある器に油層(トルエン、剥離処理剤)を導入し、反応生成物をろ別して乾燥させ目的のウレタン生成物である剥離処理剤を得る。
【0011】
エチレン−ビニルアルコール共重合体と炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートとの割合は、特に限定されないが、エチレン−ビニルアルコール共重合体の水酸基に対して0.5当量〜1.5当量、好ましくは0.6〜1.1当量程度である。本発明の製造方法に用いるエチレン−ビニルアルコール共重合体の粒子の大きさは、10メツシュより大きさが細かいものが好ましく、20メツシュより細かいものが更に好ましい。
【0012】
本発明で使用できるエチレン−ビニルアルコール共重合体の重合度は500〜3000、好ましくは800〜2500であり、そのエチレンの含有率は、5〜90モル%、好ましくは20〜60%である。市販品としては、株式会社クラレ製の商品名エバール:グレードEP−F101、EP−H101、EP−E105、EP−G110と、日本合成化学工業株式会社製のソアノール:グレードZL、Z、ZT、E、ET等があげられる。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体のビニル基に酸化エチレンを付加重合することによって合成される酸化エチレンを付加したエチレン−ビニルアルコールの共重合体も使用できる。市販されているものとしては、住友化学社製の商品名スミガード グレード300K又は商品名スミガード グレード300Gが挙げられる。以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0013】
本発明で使用する脂肪族イソシアネートの脂肪族基は特に限定されず、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが用いられ、好ましくはアルキル基が挙げられる。脂肪族基としては、分岐鎖状であってもよいが、直鎖状の方が好ましい。脂肪族基の炭素数は8以上であることが必要であるが、上限は特に限定されない。好ましくは30以下、より好ましくは20以下のものが使用できる。
【0014】
具体的に例示すると、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート(ラウリルイソシアネート)等のモノアルキルイソシアネートが挙げられるが、好ましくはオクタデシルイソシアネート(ステアリルイソシアネート)が挙げられる。
【0015】
一般にオクタデシルイソシアネートは、アルキル基の炭素の数が12、炭素数14、炭素数16、炭素数17、炭素数18、炭素数20のモノアルキルイソシアネートを含有しており、その含有割合はアルキル基の炭素数が16のイソシアネートが1〜10重量%、アルキル基の炭素数が17のイソシアネートが0.5〜4重量%、アルキル基の炭素数が18のアルキル基が80〜98重量%の混合物が市販されているが、好ましい混合物としては、主成分の混合比がアルキル基の炭素数が16のイソシアネートが8〜9重量%、アルキル基の炭素数17のイソシアネートが3〜4重量%、炭素数18のイソシアネートが85〜87重量%のものがよく、前記混合物の市販品としては、保土谷化学工業社製、商品名:ミリオネートOがあげられる。また以上のイソシアネートは単独または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0016】
本発明の粘着テープと剥離シートに使用できる基材としては、例えば、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等のポリオレフィン等の材料からなるフィルム、上質紙、クラフト紙、クレープ紙等の繊維状物質からなる紙等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
支持体フィルムは、延伸されていても無延伸でもよいが、強度の点からも延伸されたものが好ましく、例えば、延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ポリエステルフィルムが挙げられる。延伸倍率は特に限定されない。
上記支持体の厚みは、通常10〜500μm、好ましくは30〜200μmである。
【0017】
粘着テープの場合、上記支持体の粘着剤層と反対面に剥離処理層が形成されている。かかる剥離処理層は粘着テープ巻回転からのまき戻しを容易にするために設けられているものである。剥離処理剤を上記支持体に塗布する方法としては、従来公知の方法を用いればよく、例えば、前記剥離処理剤をトルエン等の溶剤に溶解した剥離処理剤溶液をグラビアコーター、エアーナイフ等の塗工機を用いて塗布する方法が挙げられる。剥離処理層の厚さは、0.1〜4μm程度、好ましくは0.2〜1μm程度である。
【0018】
本発明の剥離処理剤は10%程度のトルエン溶液として、常温で安定に貯蔵、輸送することが可能である。また、静電気を防止するため、あるいはゲル化防止のため、前記剥離処理剤にジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の水溶性溶媒を含有させてもよく、本発明の剥離処理剤をトルエンに溶解した剥離処理剤溶液に前記の水溶性溶媒を含有させていてもよい。
【0019】
粘着テープ、粘着シート、剥離シートの支持体の片面には粘着剤層が形成されている。この粘着剤層は、粘着剤を主成分とするものである。本発明に使用される粘着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ゴム系およびアクリル系粘着剤が挙げられる。
【0020】
ゴム系粘着剤としては、天然ゴム系および合成ゴム系どちらでも使用することが可能であり、合成ゴム系の粘着剤としては、例えばスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体が挙げられる。
【0021】
アクリル系接着剤としては、アクリル酸またはメタクリル酸等のアルキルエステル系ポリマー、あるいはアクリル酸またはメタクリル酸等のアルキルエステル50〜99.5重量%と、これと共重合可能な他の不飽和単量体0.5〜50重量%との共重合体からなる平均分子量が5000〜3000000のアクリル系ポリマー等を主体とする粘着剤等が挙げられる。 粘着剤層は、必要に応じて石油系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、クマロン系樹脂等の粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、着色剤等を配合しても良い。
【0022】
支持体に粘着剤を塗布する方法としては、例えば、上記の粘着剤をトルエン等の溶剤に溶解し、得られる粘着剤溶液をロールコーター、グラビアコーター、エアーナイフ等を用いて塗布する方法等が挙げられる。粘着剤層の厚さは、通常1〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
【0023】
【実施例】
以下実施例においてさらに詳細に説明する。(部はすべて重量部とする。)
[実施例1]
(剥離処理剤の製造方法)
エチレン−ビニルアルコール共重合体(商品名エバール、グレードF101、クラレ社製)の粒子を10メツシュの篩いで分級し、篩いを通過した10メツシュより小さいエチレン−ビニルアルコール共重合体100部をトルエン2000部に分散し、2時間還流しながら還流装置の途中で水分を分離除去し、40℃まで冷却して、ジメチルスルホキシドを730部加えて、オクタデシルイソシアネート(商品名:ミリオネートO、保土谷化学工業社製)562部を撹拌しながら滴下し、120℃、4時間反応させる。この間に系中の残存イソシアネート基を赤外分光光度計で定量し、その残存分が消失した時点をもって終点とした。
反応終了後、335部の水を加えて、反応液を分液し、トルエン層である反応液を4130部のメタノール中に注ぎ白色沈殿物を析出させ、ろ別後メタノールで洗浄し、乾燥粉砕して目的物であるウレタン生成物636部を得た。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)でウレタン生成物中のビスウレア体を分析した結果、ビスウレア体は検出されなかった。
GPCの分析条件
GPCは東ソー製HLC−8020、溶媒:テトロヒドロフラン、流速1ml/分、カラム:G−6000、G−4000、G−2500、計3本。
【0024】
[比較例1]
エチレン−ビニルアルコール共重合体(商品名エバール、グレードF101、クラレ社製)100部をトルエン2000部に分散し、2時間還流しながら還流装置の途中で水分を分離除去し、40℃まで冷却して、ジメチルスルホキシドを730部加えて、オクタデシルイソシアネート(商品名:ミリオネートO、保土谷化学工業社製)562部を撹拌しながら滴下し、120℃、4時間反応させる。この間に系中の残存イソシアネート基を定量し、その残存分が消失した時点をもって終点とした。
反応終了後、335部の水を加えて、反応液を分液し、トルエン層である反応液を4130部のメタノール中に注ぎ白色沈殿物に析出させた。ろ別後メタノールで洗浄し、乾燥粉砕して目的物であるウレタン生成物636部を得た。
製造例1と同様な条件でGPCでウレタン生成物中のビスウレア体を分析した結果、ビスウレア体が4重量%検出された。
【0025】
(貯蔵試験)
実施例1と比較例1で作製したウレタン生成物を10重量%になるようにトルエンに溶解し、30分撹拌した後、常温(25℃)で1日放置し、析出物の有無を目視で確認した。実施例1の生成物を溶解したトルエン溶液は、析出物が認められなかった。比較例1の生成物を溶解したトルエン溶液は析出物が認められた。
【0026】
実施例1で製造したウレタン生成物をトルエンに溶解させて1重量%溶液を調製し、基材としてのポリプロピレンフィルム(以下OPPと略称する)のコロナ放電処理(片面)側に、バーコーターを用いて塗布した。剥離処理剤の塗布量は、固形分換算で16g/m2となるようにした。次いで90℃で1分間乾燥させて、剥離シートを作製した。
次に感圧粘着体として、日東電工社製 ポリエステルテープ31Eを用いてその粘着面と剥離シートの剥離剤塗布面とを対向させた状態で、自重2Kgのローラーを用いて押圧し、両者を圧着させることにより、複数の25mm幅の試験片を作製した。以下JIS Z0237(粘着テープ、粘着シートの試験方法)に準じて以下の通り試験を行った。
上記試験片を、20℃ 相対湿度65%の恒温恒湿下に、1日放置(保存)した。
その後、該試験片を用いて、20℃、相対湿度65%の恒温恒湿下で初期の剥離力(gf/25mm)および初期の残存粘着力(gf/25mm)を測定した。剥離剤は、剥離速度300mm/分、90度剥離の条件で感圧粘着体から剥離シートを引き剥がすことにより測定した。残存粘着力は、上記剥離力を測定した感圧粘着体の粘着面を、ステンレス製パネルに自重2Kgのローラーを用いて押圧したのち、剥離速度300mm/分、180度、剥離の条件でパネルから感圧粘着体を、引き剥がすことにより、該感圧体の粘着力を測定した。剥離力は2.7N/25mm、残存接着力は6.5N/25mmと剥離処理剤として良好な性能を示した。
【0027】
【発明の効果】
実施例1からわかるように、10メツシュより大きさが小さいエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた実施例1の製造方法は比較例1に記載されている製造方法と比較して、ビスウレア体の生成が微量であることから剥離処理剤としての収率が良く、イソシアネートがビスウレア体の生成に消費されないためエチレン−ビニルアルコール共重合体に対する脂肪族イソシアネートの付加率が一定になるため、目的の剥離処理剤を容易に設計することができる。また、10%トルエン溶液で常温で貯蔵しておいてもビスウレア体が析出しないため、トルエン溶液での輸送、貯蔵も容易に行うことができる。本発明の剥離処理剤は十分な剥離力を有するとともに、ビスウレア体の含有量が少ないことにより、粘着テープを作製し長期保管した際に、剥離処理剤と較べて低分子であるビスウレア体の粘着剤層移行による粘着力の低下のおそれがない。

Claims (7)

  1. エチレン−ビニルアルコール共重合体と、炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上との反応生成物を有効成分とする剥離処理剤であって、(1)エチレン−ビニルアルコール共重合体の粒子径を10メッシュ以下とした後、水と共沸するトルエンを添加して共沸脱水を行うことによって水分含量を減少させる工程と、(2)水溶性溶媒のジメチルスルホキシドを添加する工程と、(3)炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上とを反応させる工程と、(4)反応終了後、水を加え油層と水層を分離し、油層をメタノール中に導入する工程とによって得られた、反応生成物中のビスウレア体含量が3重量%以下であることを特徴とする剥離処理剤。
  2. エチレン−ビニルアルコール共重合体と、炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上と反応させるに際して(1)エチレン−ビニルアルコール共重合体の粒子径を10メッシュ以下とした後、水と共沸するトルエンを添加して共沸脱水を行うことによって水分含量を減少させる工程と(2)水溶性溶媒のジメチルスルホキシドを添加する工程と(3)炭素数が8以上の脂肪族基を有する脂肪族イソシアネートの1種または2種以上とを反応させる工程と(4)反応終了後、水を加え油層と水層を分離し、油層をメタノール中に導入する工程を有することによって、反応生成物中のビスウレア体含量を3重量%以下とすることを特徴とする剥離処理剤の製造方法。
  3. 前記した(4)油層と水層を分離し、油層を密閉式加圧ろ過機を用いて精製することを特徴とする請求項2記載の剥離処理剤の製造方法。
  4. 前記した密閉式加圧ろ過機が、葉状密閉式加圧ろ過機であることを特徴とする請求項3記載の剥離処理剤の製造方法。
  5. 前記剥離処理剤がトルエン溶液として常温で輸送、貯蔵に供されることを特徴とする請求項1記載の剥離処理剤。
  6. 請求項1記載の、剥離処理剤を含有する剥離処理層と、さらに支持体、粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープまたは粘着シート。
  7. 請求項1記載の、剥離処理剤を含有する剥離処理層と、さらに支持体を有することを特徴とする剥離シート。
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