JP2003220612A - タイヤ加硫方法及びそのタイヤ加硫装置 - Google Patents
タイヤ加硫方法及びそのタイヤ加硫装置Info
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Abstract
のないタイヤを効率良く生産でき、また未加硫タイヤの
過膨張による不良タイヤの生産を防止することが出来る
タイヤ加硫方法及びそのタイヤ加硫装置を提供すること
を目的とする。 【解決手段】下部支持プレート1のベースプレート1a
には、バキュームチャンバー7内と連通する吸引穴13
と連通穴14とが形成してあり、吸引穴13には吸引手
段を構成するバキューム弁15,真空タンク16及び真
空ポンプ17を備えた吸引通路18が接続され、このよ
うな吸引手段により、未加硫タイヤWの加硫開始時にバ
キュームチャンバー7内、及び下型2と上型4とから構
成される金型と未加硫タイヤWとの間を真空状態にする
ようにしている。
Description
及びそのタイヤ加硫装置に係わり、更に詳しくはタイヤ
の加硫時に未加硫タイヤの表面に欠陥を生じさせること
なく、タイヤの外観品質を向上させることが出来るタイ
ヤ加硫方法及びそのタイヤ加硫装置に関するものであ
る。
タイヤとの間のエアーを除去するために、金型にエアー
を逃がすための細穴や、または微細な隙間を設けること
が一般に行われている。
除去するために、通常はブラダーの表面にエアーを逃が
すための溝や、これと同様な機能を有する凹凸を設けて
いる。更に、上記のようなエアーを除去する手段とし
て、加硫開始前に金型と未加硫タイヤとの間を真空状態
にする方法も提案されている。
うな加硫開始前にタイヤ外側を真空状態にする方法は、
タイヤ外側のエアー溜まりによる故障は防止することは
出来るが、タイヤ内側のブラダーとの間にもエアーが存
在するため、タイヤ内側の故障は防止するが出来ない。
の間を真空状態にすると、ブラダーが圧力差により必要
以上に膨張し、エアーの排出を妨げたり、未加硫タイヤ
が金型分割面に膨出して型締め時に未加硫タイヤが噛み
込まれて不良タイヤを成形する問題があった。
は、ブラダーのシェーピング圧力(成形圧力)をタイヤ
外側の圧力に対して適正な圧力とすることが望ましい。
加硫開始前に未加硫タイヤの内面と外面とを同時に真空
状態にすると共に、この真空雰囲気に対してブラダーの
内圧を制御することで、空気溜まりによるタイヤの表面
及び内面に欠陥のないタイヤを効率良く生産でき、また
未加硫タイヤの過膨張による不良タイヤの生産を防止す
ることが出来るタイヤ加硫方法及びそのタイヤ加硫装置
を提供することを目的とするものである。
成するため、この発明のタイヤ加硫方法は、金型内に設
置した未加硫タイヤの加硫開始前の型締め直前にバキュ
ームチャンバー内を密閉カバーで密閉し、該バキューム
チャンバー内及び金型と未加硫タイヤとの間を吸引手段
により真空状態にすると同時に、未加硫タイヤとブラダ
ーとの間を真空状態にし、更にブラダーの内部圧力と前
記バキュームチャンバー内の圧力とを比較し、ブラダー
の内部圧力が適正なシェーピング圧力となるように制御
ながら型締めして、ブラダー内に最適な圧力を供給して
加硫を行うことを要旨とするものである。
内面と外面とを同時に真空状態にすると共に、この真空
雰囲気に対してブラダーの内圧を制御することで、タイ
ヤの表面及び内面に欠陥のないタイヤを効率良く生産で
きる。
支持プレートに設置した下型と、昇降可能な上部支持プ
レートに取付けた上型と、前記下部支持プレートと上部
支持プレートとの少なくとも一方に取付けた密閉カバー
とでバキュームチャンバーを区画形成し、前記バキュー
ムチャンバーに、未加硫タイヤの加硫開始時にバキュー
ムチャンバー内及び金型と未加硫タイヤとの間を真空状
態にする吸引手段を接続し、前記バキュームチャンバー
内と未加硫タイヤとブラダーとの間の空間部を吸引通路
を介して接続すると共に、前記バキュームチャンバー内
と前記ブラダー内とを圧力通路を介して接続し、この圧
力通路に、ブラダーの内部圧力とバキュームチャンバー
内の圧力との圧力差を調整する差圧調整弁を設けたこと
を要旨とするものである。
ートとの少なくとも一方に、密閉カバーが気密的に摺接
する可動式シール部材を設け、また前記差圧調整弁に制
御装置を介してブラダーのシェーピング圧力を制御する
ものである。
加硫タイヤとブラダーとの間の空間部を接続する吸引通
路を形成し、前記バキュームチャンバー内と前記ブラダ
ー内とを接続する圧力通路に、ブラダーの内部圧力とバ
キュームチャンバー内の圧力との圧力差を調整する差圧
調整弁を設けたことにより、ブラダーの内部圧力と前記
バキュームチャンバー内の圧力とを比較して、ブラダー
の内部圧力が適正なシェーピング圧力となるように制御
ながら型締めして、ブラダー内に最適な圧力を供給して
加硫を行うことが出来る。
明の実施形態を説明する。
を実施するためのタイヤ加硫装置の第1実施形態を示す
概略断面図、図2は図1のX部の一部拡大断面図を示
し、このタイヤ加硫装置は、下部支持プレート1の上面
側に設置した下型2と、昇降可能な上部支持プレート3
の下面側に取付けた上型4と、前記下型2及び上型4の
外周を覆うように上部支持プレート3に吊設した環状の
密閉カバー5及び下部支持プレート1に設置した可動式
シール部材6とで構成され、下部支持プレート1に設置
した下型2と、上部支持プレート3に取付けた上型4
と、密閉カバー5及び可動式シール部材6との間には、
バキュームチャンバー7が区画形成される。
れたブラダー、Wは未加硫タイヤを示し、ブラダー中心
機構9は、ブラダー8の上下内周縁部8aをクランプす
るクランプリング10a,10bと、クランプリング1
0aを昇降させる昇降ロッド11と、ブラダー8内に蒸
気や空気等の加熱,加圧流体Qを給排させる流体給排通
路12とで構成されている。
1aには、バキュームチャンバー7内と連通する吸引穴
13と連通穴14とが形成してあり、吸引穴13には吸
引手段を構成するバキューム弁15,真空タンク16及
び真空ポンプ17を備えた吸引通路18が接続され、こ
のような吸引手段により、未加硫タイヤWの加硫開始時
にバキュームチャンバー7内、及び下型2と上型4とか
ら構成される金型と未加硫タイヤWとの間を真空状態に
するようにしている。
通する圧力通路19に接続し、この圧力通路19には、
ブラダー8の内部圧力とバキュームチャンバー7内の圧
力との圧力差を調整する差圧計20を備えた差圧調整弁
21が設けてあり、この差圧調整弁21に図示しない制
御装置を介して前記ブラダー8のシェーピング圧力を制
御するように構成してある。更に、前記下型2と上型4
との一部には、図1及び図2に示すように、前記バキュ
ームチャンバー7内と未加硫タイヤWとブラダー8との
間の空間部Xとを接続するエアー逃がし用の細穴通路2
2及びエアー逃がし用の細溝23が形成してあり、前記
バキュームチャンバー7内を吸引手段により真空状態に
した時に、未加硫タイヤWとブラダー8との間の空間部
Xも同時に同圧の真空状態にとなるように構成してい
る。
の密閉カバー5と可動式シール部材6とは、上部支持プ
レート3と下部支持プレート1とにそれぞれ取付けられ
ているが、逆に下部支持プレート1に環状の密閉カバー
5を設け、上部支持プレート3に可動式シール部材6を
設けても良い。
加硫モールドについて説明したが、図3に示すようなセ
クショナルモールドを用いた加硫方法についても実施す
ることは可能である。
レート1の上面側に設置した下型2と、昇降可能な上部
支持プレート3の下面側に取付けた上型4との他に、ブ
ラダー中心機構9を中心として、その周方向に、複数に
分割されたセクターモールド24を配設し、その周囲
に、第1実施形態と同様な密閉カバー5及び可動式シー
ル部材6を配設したものである。
実施形態と同様なので、同一符号を付して説明は省略す
る。
タイヤ加硫方法について説明する。
る金型内に未加硫タイヤWをセットし、この状態で加硫
開始前の型締め直前(例えば、下型2と上型4との間の
隙間が10mm前後) に、上部支持プレート3に吊設した
環状の密閉カバー5及び下部支持プレート1に設置した
可動式シール部材6とでバキュームチャンバー7内を密
閉状態にする。
下型2及び上型4と未加硫タイヤWとの間を真空ポンプ
17等の吸引手段により真空状態にすると同時に、未加
硫タイヤWとブラダー8との間の空間部Xをバキューム
チャンバー7内と接続するエアー逃がし用の細穴通路2
2及びエアー逃がし用の細溝23により同圧の真空状態
にする。
ムチャンバー7内の圧力とを比較して、ブラダー8の内
部圧力が適正なシェーピング圧力となるように制御なが
ら型締めして、ブラダー8内に最適な圧力を供給して加
硫を行うことが必要となる。
張すると、エアーの排出を妨げたり未加硫タイヤWが下
型2と上型4との分割面によって噛まれたりする不具合
が発生するので、ブラダー8の圧力をその外側に比べて
適度なシェーピング圧に調整する。通常は、金型全閉近
くでの適正なシェーピング圧は、50〜150Kpa 程度
なので外側を真空状態(絶対真空)にした時の内部圧力
は、−50〜50Kpa程度となる。
及び上型4と未加硫タイヤWとの間を真空状態にした状
態で加硫を行うことで、エアー溜まりに起因するタイヤ
外側の故障を従来のようなエアー逃がしの細穴、微細隙
間または溝に頼ることなく防止することが出来る。
態としては、100Tor程度の真空度でも効果は現れ
るが、金型のエアー逃がし加工無しで加硫可能とするた
めには、20Tor以下とする事が望ましい。
イヤWとブラダー8との間の空間部材Xも真空状態に
し、エアー溜まりに起因するタイヤの内側の故障を防止
することが出来る。従来の深さ3mm程度の逃がし溝加工
を、0.1mm程度まで浅くしたり、ビード部周辺だけに
したりすることが出来る。
で、以下のような優れた効果を奏するものである。 (a).未加硫タイヤの内面、外面が共に真空状態になって
いるので、その後のゴム流れが空気によって阻害され
ず、表面に欠陥の無いタイヤを生産することが出来る。 (b).真空雰囲気に対して、ブラダーの内圧を制御してい
るので、未加硫タイヤが膨張し過ぎる事によるタイヤの
ユニフォミティの悪化を防止することが出来る。また、
未加硫タイヤが下型と上型との分割面によって噛まれた
りする不具合を防止することが出来る。 (c).真空雰囲気に対して、ブラダーの内圧を制御してい
るので、ブラダーと未加硫タイヤとの間のエアーが逃げ
易く、ブラダーのエアー逃がし加工を軽減することが出
来、この結果、ライナーゲージを薄くして軽量化、コス
トダウンを図ることが出来る。
めのタイヤ加硫装置の第1実施形態を示す概略断面図で
ある。
めのタイヤ加硫装置の他の実施形態を示す概略断面図で
ある。
部材 7 バキュームチャンバー 8 ブラダー 9 ブラダー中心機構 8a ブラダーの上
下内周縁部 10a,10b クランプリング 11 昇降ロッド 12 流体給排通
路 12 流体給排通路 13 吸引穴 14 連通穴 15 バキューム
弁 16 真空タンク 17 真空ポンプ 18 吸引通路 19 圧力通路 20 差圧計 21 差圧調整弁 22 細穴通路 23 エアー逃が
し用の細溝 24 セクターモールド X 空間部 W 未加硫タイヤ Q 加熱,加圧流
体
Claims (4)
- 【請求項1】 金型内に設置した未加硫タイヤの加硫開
始前の型締め直前にバキュームチャンバー内を密閉カバ
ーで密閉し、該バキュームチャンバー内及び金型と未加
硫タイヤとの間を吸引手段により真空状態にすると同時
に、未加硫タイヤとブラダーとの間を真空状態にし、更
にブラダーの内部圧力と前記バキュームチャンバー内の
圧力とを比較して、ブラダーの内部圧力が適正なシェー
ピング圧力となるように制御ながら型締めし、ブラダー
内に最適な圧力を供給して加硫を行うことを特徴とする
タイヤ加硫制御方法。 - 【請求項2】 下部支持プレートに設置した下型と、昇
降可能な上部支持プレートに取付けた上型と、前記下部
支持プレートと上部支持プレートとの少なくとも一方に
取付けた密閉カバーとでバキュームチャンバーを区画形
成し、前記バキュームチャンバーに、未加硫タイヤの加
硫開始時にバキュームチャンバー内及び金型と未加硫タ
イヤとの間を真空状態にする吸引手段を接続し、前記バ
キュームチャンバー内と未加硫タイヤとブラダーとの間
の空間部を吸引通路介して接続すると共に、前記バキュ
ームチャンバー内と前記ブラダー内とを圧力通路を介し
て接続し、この圧力通路に、ブラダーの内部圧力とバキ
ュームチャンバー内の圧力との圧力差を調整する差圧調
整弁を設けたことを特徴とするタイヤ加硫装置。 - 【請求項3】 前記下部支持プレートと上部支持プレー
トとの少なくとも一方に、密閉カバーが気密的に摺接す
る可動式シール部材を設けた請求項2に記載のタイヤ加
硫装置。 - 【請求項4】 前記差圧調整弁に制御装置を介してブラ
ダーのシェーピング圧力を制御するようにした請求項2
または3に記載のタイヤ加硫装置。
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JP2002019983A JP3878855B2 (ja) | 2002-01-29 | 2002-01-29 | タイヤ加硫方法及びそのタイヤ加硫装置 |
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