JP2021126838A - タイヤ加硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加硫用モールドとグリーンタイヤとの間に存在する不要な空気を外部に排出する工程を、閉型する加硫用モールドにグリーンタイヤが挟まれることを防止しつつ、加硫工程に要する時間を延ばすことなく効率的に行えるタイヤ加硫方法を提供する。【解決手段】加硫用コンテナ10に取り付けられた加硫用モールド7を閉型する過程で、加硫用モールド7のタイヤ成型面9aに突出している溝形成突起9cにグリーンタイヤTの外周面が接触したことをセンサ20により検知し、この検知した時点で、空気吸引機18を用いて加硫用モールド7とグリーンタイヤTとの間から不要な空気aの吸引を開始して加硫用モールド7の外部に排出する。【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤ加硫方法に関し、さらに詳しくは、加硫用モールドとグリーンタイヤとの間に存在する不要な空気を排出した状態で加硫を行うタイヤ加硫方法に関するものである。
タイヤ加硫工程では、閉型した加硫用モールドの中で加硫用ブラダを膨張させた状態にして、グリーンタイヤを所定温度で加熱するとともに所定圧力で押圧する。これにより、グリーンタイヤを形成している未加硫ゴムが加硫用モールドのタイヤ成型面で型付けされる。閉型した加硫用モールドとグリーンタイヤとの間に不要な空気が残留していると、未加硫ゴムを十分に加圧および加熱できずに加硫故障の原因になることがある。
そこで、加硫用モールドとグリーンタイヤとの間に存在する不要な空気を真空ポンプによって吸引して外部に排出した状態で加硫を行うタイヤ加硫方法が種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1で提案されている加硫方法では、加硫用モールドを閉型する前に密閉状態にした加硫用コンテナ内部の空気を吸引する。残留する空気を確実に無くすために、真空ポンプによる吸引力を大きくすると、加硫用ブラダに保持されているグリーンタイヤの外径が大きくなって、閉型する加硫用モールドどうし間に挟まれるという問題が生じる。
一方、特許文献2で提案されている加硫方法では、加硫用モールドの閉型後に加硫用コンテナ内部を負圧状態に所定時間維持して、加硫用モールドとグリーンタイヤとの間に残存する空気を確実に十分に吸引して外部に排出する。その後、グリーンタイヤを保持している加硫用ブラダに加熱加圧媒体を注入してインフレートさせてグリーンタイヤの加硫を行う(段落0032〜0035)。この方法では、不要な空気を確実に外部に排出するまでには相応の時間を要する。そのため、加硫工程に要する時間を短縮するには不利になる。それ故、加硫用モールドとグリーンタイヤとの間に存在する不要な空気を外部に排出する工程を、閉型する加硫用モールドにグリーンタイヤが挟まれることを防止しつつ、加硫工程に要する時間を延ばすことなく効率的に行うには改善の余地がある。
特開平4−197713号公報 特開2014−51032号公報
本発明の目的は、加硫用モールドとグリーンタイヤとの間に存在する不要な空気を外部に排出する工程を、閉型する加硫用モールドにグリーンタイヤが挟まれることを防止しつつ、効率よく行うことができるタイヤ加硫方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のタイヤ加硫方法は、加硫用コンテナに取り付けられた加硫用モールドを閉型し、この加硫用モールドの中に配置されたグリーンタイヤを、このグリーンタイヤの内側に設置された加硫用ブラダを膨張させて加硫するタイヤ加硫方法において、前記加硫用モールドを閉型する過程で、前記加硫用モールドのタイヤ成型面に突出している溝形成突起に前記グリーンタイヤが接触した時点で、前記加硫用モールドと前記グリーンタイヤとの間の空気の吸引を開始して外部に排出することを特徴とする。
本発明によれば、前記加硫用モールドを閉型する過程で、前記加硫用モールドのタイヤ成型面に突出している溝形成突起に前記グリーンタイヤが接触した時点で、前記加硫用モールドと前記グリーンタイヤとの間の空気の吸引を開始するので、空気を吸引してもグリーンタイヤの外周面が溝形成突起に支持される。そのため、グリーンタイヤの外径が大きくなることが抑制されて、閉型する加硫用モールドにグリーンタイヤが挟まれる不具合を防止するには有利になる。また、不要な空気を外部に排出する工程は、前記加硫用モールドが完全に閉型する直前から開始されるので、加硫工程に要する時間を延ばすことなく、効率的に行うことが可能になる。
加硫用モールドが開型状態になっているタイヤ加硫装置の左半分を縦断面視で例示する説明図である。 図1の一部拡大図である。 図1の加硫装置の一部を平面視で例示する説明図である。 図1の加硫用モールドを閉型する過程で溝形成突起にグリーンタイヤが接触した状態(空気吸引機により空気を吸引している状態)を例示する説明図である。 図4の一部拡大図である。 図4の加硫用モールドが閉型した状態を例示する説明図である。 図6の加硫装置の一部を平面視で例示する説明図である。 図6の加硫用ブラダの内部に加熱媒体および加圧媒体を注入してグリーンタイヤを加硫している状態を例示する説明図である。 別のタイヤ加硫装置を用いて空気を吸引している状態を例示する説明図である。
以下、本発明のタイヤ加硫方法を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜図3に例示するタイヤ加硫装置1(以下、加硫装置1という)は、中心機構3と、中心機構3の上方で上下移動する上下移動板部2と、加硫用モールド7(以下、モールド7という)と、加硫用コンテナ10(以下、コンテナ10という)とを備えている。さらに、この加硫装置1は、コンテナ10の内部と外部とを気密に遮断する隔壁15、16と、コンテナ10の外部に配置された空気吸引機18と、制御部19とを備えている。コンテナ10と空気吸引機18とは連通配管17によって接続されている。
コンテナ10の必要箇所には、コンテナ10の内部の気密性を確保するシール材Pが設置されている。空気吸引機18としては真空ポンプ等が用いられる。図1では加硫装置1の左半分が図示されているが、右半分も左半分と実質的に同じ構造である。図中の一点鎖線CLは中心機構3の中心位置を示している。
上下移動板部2は油圧シリンダ等によって上下移動し、モールド7の開閉機構として機能する。中心ポスト3Aには上下に間隔をあけて円盤状のクランプ部6が取り付けられている。それぞれのクランプ部6には、円筒状の加硫用ブラダ5の上端部、下端部が把持されている。中心機構3は加硫用ブラダ5を上下に挿通している。
上側のクランプ部6と下側のクランプ部6の間の位置で、中心機構3の外周面には注入口4aおよび排出口4bが設けられている。注入口4aおよび排出口4bはそれぞれ、中心機構3を下方に延びる配管に接続されている。注入口4aからは加熱媒体や加圧媒体が加硫用ブラダ5に注入される。排出口4bからは加硫用ブラダ5の内部の流体(加熱媒体および加圧媒体)が外部に排出される。
中心機構3を囲むようにコンテナ10が設置される。コンテナ10は、上部プレート11、下部プレート12、複数のセグメント13、コンテナリング14を有している。コンテナリング14はボルト等によって上下移動板部2に取り付けられている。
このコンテナ10にはセクショナルタイプのモールド7が取付けられている。このモールド7は、円環状の上側サイドモールド7Aと、円環状の下側サイドモールド7Bと、平面視で円弧状の複数のセクタモールド7Cとを有している。上側サイドモールド7Aの下面、下側サイドモールド7Bの上面、セクタモールド7Cの内周面がそれぞれ、タイヤ成型面9aになる。
上側サイドモールド7Aおよび下側サイドモールド7Bのタイヤ成型面9aは、グリーンタイヤTの両サイド部を成型し、セクタモールド7Cのタイヤ成型面9aは主に、グリーンタイヤTのトレッド部および両ショルダ部を成型する。セクタモールド7Cのタイヤ成型面9aにはタイヤ溝を形成する溝形成突起9cが突出している。一般的には、タイヤ周方向に連続して環状に延在する溝形成突起9cやタイヤ幅方向に延在する溝形成突起9cが混在している。タイヤ仕様に応じた溝形成突起9cがタイヤ成型面9aに突設される。
図2、図3に例示するように、この実施形態では、幾つかの溝形成突起9cにセンサ20が埋設されている。このセンサ20は、その溝形成突起9cにグリーンタイヤTが接触したか否かを検知する。センサ20としては例えば、圧力センサや温度センサを用いることができる。センサ20は、グリーンタイヤTのトレッド部を成型する範囲に、タイヤ周方向に間隔をあけた3か所以上に設置するとよい。例えば、タイヤ周方向に等間隔で4か所〜8か所にセンサ20を設置する。また、センサ20は、グリーンタイヤTのトレッド部を成型する範囲に、タイヤ幅方向に間隔をあけた3か所以上に設置するとよい。例えば、タイヤ幅方向に等間隔で3か所〜4か所にセンサ20を設置する。
センサ20による検知データは、センサ20に接続されたリード線などを介して制御部19に逐次入力される。この制御部19は、加硫装置1の動作を制御する。したがって、モールド7の開閉動作、加硫用ブラダ5の内部への加熱媒体、加圧媒体の注入動作および外部への排出動作、空気吸引機18の動作は制御部19によって制御される。
上部プレート11の下面10a(後述する対向面10a)には上側サイドモールド7Aの上面9b(後述する取付け面9b)が対向して取り付けられている。上部プレート11は図示されていない駆動手段によって、上下移動板部2(コンテナリング14)とは独立して上側サイドモールド7Aとともに上下移動する。下部プレート12の上面10a(後述する対向面10a)には下側サイドモールド7Bの下面9b(後述する取付け面9b)が対向して取り付けられている。下部プレート12は不動状態で地盤ベースに固定されている。それぞれのセグメント13には、その内周面10a(後述する対向面10a)にセクタモールド7Cの外周面9b(後述する取付け面9b)が対向して取り付けられている。
それぞれのセクタモールド7C(セグメント13)は中心機構3を中心にして環状に配置されている。即ち、図3に例示するように、それぞれのセクタモールド7C(セグメント13)は、平面視で円環状に配置されていて、その円環状中心がCLで示されている。この円環状中心CLは、上側サイドモールド7Aおよび下側サイドモールド7Bの円環状中心になる。
それぞれのセグメント13の外周面は、上方から下方に外周側に向かって傾斜している。それぞれのセグメント13には、その外周傾斜面に沿ってガイド溝が上下方向に延在している。
円筒状のコンテナリング14は、中心機構3(円環状中心CL)を中心にして配置されていて、それぞれのセグメント13の外周側で上下移動する。コンテナリング14の内周面は上方から下方に外周側に向かって傾斜している。コンテナリング14のこの内周傾斜面とそれぞれのセグメント13の外周傾斜面とは互いが対向するように配置される。
コンテナリング14の内周傾斜面には、複数のガイドキーが周方向に間隔をあけて配置されている。これらガイドキーは、コンテナリング14の内周傾斜面に沿って上下方向に延在している。それぞれのガイドキーは対応するセグメント13のガイド溝に係合していて、ガイドキー(コンテナリング14の内周傾斜面)とガイド溝(それぞれのセグメント13の外周傾斜面)とが摺動する構成になっている。この実施形態では、ガイド溝に係合するガイドキーによってそれぞれのセグメント13がコンテナリング14から吊り下げられる構成になっている。
上下移動板部2の外周面近傍には下方に延びる筒状の上側隔壁15が取り付けられている。下部プレート12の外周面近傍には上方に延びる筒状の下側隔壁16が取付けられている。上側隔壁15の下端部と下側隔壁16の上端部とが上下にオーパーラップして、互いの間に環状のシール材Pが介在することで、コンテナ10の内部と外部とが気密に遮断される。モールド7を閉型する過程および閉型した状態で、コンテナリング14の外周側に配置された隔壁15、16は、後述するように、コンテナ10の内部に空間Sを形成する。
モールド7には、タイヤ成型面9aとコンテナ部品11、12、13に対する取付け面9bとの間で連通するモールド内通気路8h(以下、通気路8hという)が延在している。通気路8hは、平面視で周方向に間隔をあけて複数本形成されている。通気路8hは、加硫工程において排気が必要とされるタイヤ成型面9aに開口して形成されている。
通気路8hについて詳述すると、上側サイドモールド7A、下側サイドモールド7Bにはそれぞれ、上下方向(厚み方向)に貫通する通気路8hが形成されている。それぞれのセクタモールド7Cには、平面視で半径方向(厚み方向)に貫通する通気路8hが形成されている。図面では通気路8hが大きく誇張されて記載されているが、いわゆるベントホールが通気路8hとなる。
コンテナ部品11、12、13には、取付け面9bに対向する対向面10aから空間Sの間で連通するコンテナ内通気路10h(以下、通気路10hという)が延在している。通気路10hについて詳述すると、上部プレート11には、対向面10aから外周面に貫通する通気路10hが形成されている。下部プレート12には、対向面10aから外周面近傍の上面(空間Sに露出する面)に貫通する通気路10hが形成されている。それぞれのセグメント13には、対向面10aから外周面(空間Sに露出する面)に貫通する通気路10hが形成されている。コンテナリング14には、内周面(上部プレート11の外周面と接する面)から外周面(後述する空間Sに露出する面)に貫通する通気路10hが形成されている。
取付け面9bには周方向に延在する環状の周溝8gが形成されている。この周溝8gは、取付け面9bに開口するそれぞれの通気路8hを連通させる。この周溝8gに代えて或いは加えて、対向面10aに周方向に延在する環状の周溝を形成して、取付け面9bに開口するそれぞれの通気路8hを連通させることもできる。
コンテナリング14の内周面にも周溝8gが形成されている。この周溝8gは、他の周溝8gよりも上下寸法が大きくなっている。その理由は、モールド7が完全に閉型した後だけでなく、閉型する直前から完全に閉型するまでの閉型過程においても、下方移動するコンテナリング14に形成されたコンテナ内通気路10hと上部プレート11に形成されたコンテナ内通気路10hとを連通させるためである。尚、加硫装置1は例示した構造に限らず、タイヤ成型面9aとグリーンタイヤTとの間を含むコンテナ10の内部空間を気密に維持できる構造であればよい。
次に、この加硫装置1を用いてグリーンタイヤTを加硫する手順の一例を説明する。
グリーンタイヤTを加硫する際には、モールド7が取付けられたコンテナ10を、中心機構3を囲むように設置する。そして、大きく型開したモールド7の内部にグリーンタイヤTを下側サイドモールド7Bの上に横倒し状態で配置する。
次いで、図1に例示するように上方の待機位置にある上部プレート11とともに上側サイドモールド7Aを下方移動させ、上下移動板部2とともにコンテナリング14およびそれぞれのセグメント13を下方移動させる。これにより、それぞれのセグメント13を下部プレート12の上面に載置して、上部プレート11と下部プレート12の上下間にそれぞれのセグメント13を挟んだ状態にする。
この状態では、上側サイドモールド7Aおよび下側サイドモールド7Bのタイヤ成型面9aはグリーンタイヤTに接触している。そして、図3に例示するようにそれぞれのセクタモールド7C(セグメント13)は平面視で拡径した位置に配置されている。そのため、それぞれのセクタモールド7Cのタイヤ成型面9a(溝形成突起9c)はグリーンタイヤTに接触していない。
次いで、上下移動板部2とともにコンテナリング14を、図1の状態からさらに下方移動させる。これにより、それぞれのセグメント13の外周傾斜面が、下方移動するコンテナリング14の内周傾斜面により押圧される。その結果、図4、図5に例示するように、それぞれのセクタモールド7Cは円環状中心CLに対して近接移動して、溝形成突起9cがグリーンタイヤTの外周面に接触する。
これにより、センサ20は溝形成突起9cにグリーンタイヤTが接触したことを検知して、その検知データは制御部19に入力される。この時、上側隔壁15の下端部と下側隔壁16の上端部とが上下にオーパーラップして、コンテナ10の内部と外部とが気密に遮断され、隔壁15、16によってコンテナ10の内部に空間Sが形成されている。そして、それぞれの通気路8h、10hと空間Sとが自動的に連通した状態になる。空間Sは連通配管17を通じて空気吸引機18に接続される。即ち、タイヤ成型面9aとグリーンタイヤTとの間は空間Sと連通し、タイヤ成型面9aとグリーンタイヤTとの間の空間を含んだコンテナ10の内部は、シール材Pによって気密状態に維持される。
制御部19は、入力されたセンサ20による検知データに基づいて、空気吸引機18を稼働させて、連通している通気路8h、10hおよび空間Sを通じて空気aの吸引を開始する。即ち、溝形成突起9cにグリーンタイヤTが接触した時点で、空気aの吸引を開始する。これにより、モールド7の内側(タイヤ成型面9aとグリーンタイヤTとの間)に存在している不要な空気aを、連通配管17を通じてコンテナ10の外部に排出する。尚、セグメント13とコンテナリング14との間など、部材どうしの間にすき間がある場合は、そのすき間を通じても不要な空気aは空間Sに排出されて、結果的にコンテナ10の外部に除去される。
図6に例示するように、上下移動板部2とともにコンテナリング14を引き続き下方移動させる。これにより、それぞれのセクタモールド7Cは円環状中心CLに対してさらに近接移動する。その結果、図7に例示するように、これらセクタモールド7Cが円環状に組み付けられてモールド7が完全に閉型する。溝形成突起9cはグリーンタイヤTの外周面に埋入された状態になる。
次いで、図8に例示するように、モールド7を完全に閉型した状態で、グリーンタイヤTを保持している加硫用ブラダ5に注入口4aから加熱媒体(および加圧媒体)に注入してさらに膨張させて、グリーンタイヤTに所定の圧力を付加するとともに、所定の温度で加熱して加硫を行う。即ち、加硫用ブラダ5の内圧を、保持内圧から一段と上昇させて加硫用ブラダ5とともにグリーンタイヤTを膨張させて加硫を行う。
本発明では、溝形成突起9cがグリーンタイヤTに接触した時点から、空気吸引機18を稼働させて、連通している通気路8h、10hおよび空間Sを通じて空気aの吸引を開始する。即ち、モールド7の閉型直前に空気aの吸引を開始して、モールド7の内側(タイヤ成型面9aとグリーンタイヤTとの間)に存在している不要な空気aをコンテナ10の外部に排出する。
このようにして不要な空気aを吸引しつつグリーンタイヤTの加硫を行う。所定の加硫時間が経過するとグリーンタイヤTの加硫が終了して加硫されたタイヤが完成する。空気aの吸引は例えば、グリーンタイヤTを形成している未加硫ゴムの流動が概ね停止する時まで行うが、この吸引時間はタイヤ仕様や未加硫ゴムの特性などに応じて、適宜、短縮または延長することができる。タイヤの完成後は、モールド7を閉型する手順とは逆の手順で開型してタイヤを加硫装置1から取り出す。
上述したように、モールド7を閉型する過程で、溝形成突起9cにグリーンタイヤTが接触した時点で空気aを吸引する。この時点でグリーンタイヤTの外周面は溝形成突起9cに支持されているので、空気aを強く吸引してもグリーンタイヤTの外径が大きくなることが抑制される。そのため、閉型するモールド7によってグリーンタイヤTが挟まれる不具合を防止するには有利になる。換言すると、空気aを吸引する吸引力を強くするには有利である。
また、不要な空気aを外部に排出する工程は、モールド7が完全に閉型する直前から開始されるので、空気aを吸引することに起因して加硫工程に要する時間が長くなることもない。即ち、空気aの吸引を行うことに伴ってタイヤの生産性が低下することを回避できる。
さらには、モールド7は閉型直前なので、空気aを吸引する対象となるスペースは小さくなっている。そのため、空気吸引機18の負荷を軽減することができる。
不要な空気aを除去することで、グリーンタイヤTをタイヤ成型面9aに十分に押圧しつつ加熱することができる。それ故、加硫したタイヤTaには加硫故障が生じ難くなり、タイヤ品質を向上させるには有利になる。
また、不要な空気aを除去する目的で、加硫用ブラダ5を過度に膨張させる必要がなくなるという利点もある。加硫用ブラダ5の外面に空気抜き用の深い溝等を形成する必要がなくなるという利点もある。加硫用ブラダ5は、高温で膨張および収縮させて繰り返し使用するので、これら利点は、加硫用ブラダ5の損傷を抑えるには非常に有利なる。
この実施形態ではセンサ20を用いて、溝形成突起9cにグリーンタイヤTが接触した時点を検知しているが、センサ20を用いることなく、空気aの吸引を開示する時点を決定することもできる。例えば、グリーンタイヤTの外径はタイヤ仕様毎に所定値に設定されていて既知である。また、上下移動板部2の下方移動量に応じたセクタモールド7Cの円環状中心CLに対する近接移動量、セクタモールド7Cの仕様は既知である。したがって、これら既知のデータに基づいて、溝形成突起9cにグリーンタイヤTが接触する時の上下移動板部2の下方移動量(以下、吸引開始移動量という)を算出することができる。そこで、この吸引開始移動量を制御部19に入力しておく。モールド7を閉型する過程では、上下移動板部2の下方移動量が、吸引開始移動量になった時点で空気aの吸引を開始する。これにより、溝形成突起9cにグリーンタイヤTが接触した時点で空気aの吸引を開始することができる。
図9に例示する加硫装置1は、図1に例示する加硫装置1に対して連通配管17に接続されたリザーブタンク21が追加されている。連通配管17のリザーブタンク21とコンテナ10(空間S)との間には連通配管17の連通および遮断を行う制御弁22が備わっている。制御弁22の開閉動作は制御部19により制御される。
リザーブタンク21の内部は、稼働中の空気吸引機18が定常的に作用させることができる負圧よりも大きな所定の負圧状態になっている。制御弁22を開弁すると、リザーブタンク21と空間Sとが連通して、リザーブタンク21の内部の負圧によって空気aがコンテナ10から排出される。したがって、このリザーブタンク21を用いることで、不要な空気aをより迅速に、タイヤ成型面9aとグリーンタイヤTとの間から吸引するには有利になる。したがって、短時間に不要な空気aをより多量に排出するには有効である。
本発明は、空気入りタイヤに限らず、その他のタイヤを製造する場合にも適用できる。
1 加硫装置
2 上下移動板部
3 中心機構
3A 中心ポスト
4a 注入口
4b 排出口
5 加硫用ブラダ
6 クランプ部
7 加硫用モールド
7A 上側サイドモールド
7B 下側サイドモールド
7C セクタモールド
8g 周溝
8h モールド内通気路
9a タイヤ成型面
9b 取付け面
9c 溝形成突起
10 加硫用コンテナ
10a 対向面
10h コンテナ内通気路
11 上部プレート(コンテナ部品)
12 下部プレート(コンテナ部品)
13 セグメント(コンテナ部品)
14 コンテナリング(コンテナ部品)
15 上側隔壁
16 下側隔壁
17 連通配管
18 空気吸引機
19 制御部
20 センサ
21 リザーブタンク
22 制御弁
T グリーンタイヤ
a 空気
P シール材

Claims (4)

  1. 加硫用コンテナに取り付けられた加硫用モールドを閉型し、この加硫用モールドの中に配置されたグリーンタイヤを、このグリーンタイヤの内側に設置された加硫用ブラダを膨張させて加硫するタイヤ加硫方法において、前記加硫用モールドを閉型する過程で、前記加硫用モールドのタイヤ成型面に突出している溝形成突起に前記グリーンタイヤが接触した時点で、前記加硫用モールドと前記グリーンタイヤとの間の空気の吸引を開始して外部に排出することを特徴とするタイヤ加硫方法。
  2. 前記溝形成突起に前記グリーンタイヤが接触したことを検知するセンサを前記タイヤ成型面に設置しておき、前記センサによる検知データに基づいて、前記空気の吸引を開始する請求項1に記載のタイヤ加硫方法。
  3. 前記センサを、前記タイヤ成型面の前記グリーンタイヤのトレッド部を成型する範囲に、周方向に間隔をあけた少なくとも3か所に設置しておく請求項1または2に記載のタイヤ加硫方法。
  4. 空気吸引機にリザーブタンクを接続して前記リザーブタンクを所定の負圧状態にしておき、前記リザーブタンクの内部と前記加硫用モールドと前記グリーンタイヤとの間を連通させることで前記空気を吸引する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ加硫方法。
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KR20230131719A (ko) * 2022-03-07 2023-09-14 한국타이어앤테크놀로지 주식회사 타이어 가류용 진공컨테이너 사전 진공압 점검 장치
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