JP2003219832A - 呈味改善剤 - Google Patents

呈味改善剤

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JP2003219832A
JP2003219832A JP2002023122A JP2002023122A JP2003219832A JP 2003219832 A JP2003219832 A JP 2003219832A JP 2002023122 A JP2002023122 A JP 2002023122A JP 2002023122 A JP2002023122 A JP 2002023122A JP 2003219832 A JP2003219832 A JP 2003219832A
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Taichi Yamamoto
太一 山本
Tadahiro Hiramoto
忠浩 平本
Toshinori Saima
俊昇 済間
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Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】食品自体が本来有する味をよりいっそう高める
ことを可能にする優れた効果を示し、しかも環境やヒト
に優しい呈味改善剤を提供すること。 【解決手段】 下記式1で表される骨格を有するステロ
ール類を呈味改善剤の有効成分とし、このステロール類
を食品中に添加・配合する。 【化1】 それら化合物のなかでもとくに上記骨格を有し、炭素数
が27ないし30である化合物が好ましい。上記ステロ
ール類を食品中に添加・配合することにより、食品の本
来の味に対して、ボリューム感、ジューシー感、こく味
感、まろやかさを顕著に高める効果、いわゆる呈味改善
効果を高めることを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、呈味改善剤に関
する。すなわち、本発明はステロール類を有効成分とし
て含有することを特徴とする呈味改善剤に関する。
【0002】
【従来技術】よりおいしいものを食べたいという願いを
満足するためにいろいろな工夫がなされているが、その
一つとして、各種化合物を予め食品中に配合させる方法
が知られている。例えば特許第3133182号には飲料の渋
味や苦味を除去あるいは低減するためにプロタミン及び
/またはその塩を添加する技術が開示され、特開平9-94
080号公報には有機酸を含む飲食品の酸味を和らげるた
めにコーヒー豆加水分解抽出物を添加することが示され
ている。また、特開2001-133号公報には酸味料特有の味
を改善するために水溶性食物繊維を酸味料に添加配合す
ることが報告されている。これらの方法は渋みや苦味を
低減させたり酸味を和らげる点で一定の効果がある。し
かし、これらの技術は食品が本来有する味を向上させる
点ではあまり有効ではない。
【0003】その点を解決する工夫として、特開平8-15
4619号公報にはバニラの生のさやを極性溶媒で抽出して
得られる抽出物を各種飲食品に添加することを開示して
いるが、その技術をもってしても未だ十分ということが
できない。さらに環境やヒトに優しく、しかも食品自体
が本来有する味をよりいっそう高める呈味改善剤が求め
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食品
自体が本来有する味をよりいっそう高めることを可能に
する優れた効果を示す呈味改善剤を提供することにあ
る。また、環境やヒトに優しい呈味改善剤を提供するこ
とでもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を開発すべく鋭意研究した結果、ステロール類が優れた
呈味改善剤効果を示すという知見を得、さらに検討を加
え、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、 1)ステロール類を有効成分として含有することを特徴
とする呈味改善剤、 2)ステロール類がシトステロール、スチグマステロー
ル、カンペステロール、ブラシカステロール、スピナス
テロール、コレステロール、エルゴステロールあるいは
それら配糖体から選ばれた少なくとも一つの化合物であ
る呈味改善剤、 3)上記呈味改善剤を含有する食品、である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。
【発明の実施の形態】本発明でいう呈味改善剤は、ステ
ロール類を有効成分とするものである。該ステロール類
は下記式1で表される骨格を有する化合物のすべてをい
う。即ち、式1で表される化合物、その誘導体、それら
の配糖体あるいはそれらの混合物をいう。ここで、その
誘導体とは式1で表される化合物の水素原子がアルキル
基などの有機基で置換された化合物を意味する。
【0008】式1
【0009】それら化合物の中でも、上記骨格を有し、
炭素数が27〜30の化合物が好ましい。さらにシトス
テロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブ
ラシカステロール、スピナステロール、コレステロー
ル、エルゴステロールあるいはそれら配糖体が好まし
く、より好ましいものとしてシトステロール、コレステ
ロール、エルゴステロールあるいはそれら配糖体が挙げ
られる。
【0010】本発明でいうステロール類は、広く植物、
動物、微生物内に存在する。以下、具体的な化合物につ
いて説明する。植物内に存在するステロール類として
は、スチグマステロール、シトステロール、カンペステ
ロール、スピナステロール、ブラシカステロールなどが
知られている。微生物内に存在するステロール類として
は、エルゴステロールなどが広く知られている。動物内
に存在するステロール類としては、コレステロールなど
が知られている。これらの中では、食品劣化防止能や調
製方法の容易さなどからみて植物に由来するステロール
類あるいは微生物に由来するステロール類が好ましい。
その中でも、とくに植物ステロール類が好ましく、具体
的にはシトステロール、スチグマステロール、カンペス
テロール、スピナステロール、ブラシカステロールとい
った植物ステロールあるいはそれらの配糖体が好ましい
ステロール類として挙げられる。
【0011】ステロール類を含む植物の代表的なものと
しては、大根の葉、サラダ菜、アスパラガス、キュウ
リ、ジュンサイ、シロウリ、ニンニク、ツクシ、ミョウ
ガなどの野菜類、玄米、米糠、ソバの実、ゴマの実、ヒ
マワリの種、胡桃、落花生、菜種などの穀類あるいは植
物種子類、大豆類あるいはオカラなどの大豆類由来品、
米油、ゴマ油、菜種油、綿実油、オリーブ油、大豆油、
パーム油、ココナッツ油などの植物油などが挙げられ
る。ステロール類を含む微生物としては、酵母などが挙
げられる。 ステロール類を含む動物としては、魚油、
鯨などの動物油、獣脂などが挙げられる。
【0012】本発明でいうステロール類は、市販されて
いるが、上記ステロール類を含む動物組織、植物、微生
物を原料として、分子蒸留法、抽出法などの常法により
調製することもできる。また、動植物油脂の不ケン化物
の主要成分をなしており、これらから常法により調製し
てもよい。以下、具体的に説明する。植物などの葉や
茎、植物種子などを原料としてステロール類を調製する
ときには通常上記原料に前処理を施す。即ち、原料を乾
燥し、次いで細かく破砕する方法が代表的なものであ
る。ついで、この処理した原料に溶媒を接触させ、ステ
ロール類を溶媒層に移す。溶媒としては例えばトルエ
ン、ヘキサン、ベンゼン、石油エーテル、クロロホル
ム、酢酸エチル、エタノール、クロロホルム/メタノー
ル混合溶媒が好ましい。その中でもとくにエタノールが
好ましい。また、大豆油や綿実油などの植物油の精製時
に生じるスカム(脱臭濃縮物)やトール油精製の際の副
産物から、常法によってステロール類を調製することも
できる。例えば、特公昭40-17599号公報には、溶媒抽出
法によって得られた粗植物油の脱臭処理法を開示してい
るが、その方法を実施すると、つまり上記粗植物油に高
温・高圧下、水蒸気を吹き込むと、スカムが副生する
が、そのスカムをヘキサンやメタノール等を用いてステ
ロール類を析出分離させることができる。
【0013】魚油の不ケン化物などを原料としてステロ
ール類を調製するときには、通常、ケン化処理などの前
処理を行って反応物を除去した後に、溶媒を接触させ、
ステロール類を溶媒層に移す。これ以後の操作は上記ス
テロール類を含む植物を原料として溶媒抽出する操作と
基本的には同じである。
【0014】別な方法として、例えば羊毛ロウ(ラノリ
ン)などを原料としてステロール類を調製する操作は、
上記ステロール類を含む植物を原料として溶媒抽出する
操作と基本的には同じである。
【0015】かくして得られたステロール類を含む溶媒
をそのまま呈味改善剤として使用することもできるが、
通常この溶媒を加熱揮散させて濃縮物を得、さらに常法
の精製方法を適用して本発明でいう呈味改善剤を調製す
る。
【0016】精製方法の代表的なものとしてシリカゲル
カラムクロマト法などがある。この方法は、例えば、予
めシリカゲルを充填したカラムに上記濃縮物を注ぎ込
み、シリカゲルに担持させ、ついで、溶媒から構成され
る溶出液を注ぎ込んでカラム内に保持されたものを溶媒
とともに流しさり、流出する溶媒を公知の手段で幾つか
に分ける方法を採用すればよい。溶媒としては、n−ペ
ンタン、n−ヘキサン、分岐ヘキサン、ベンゼン、トル
エンなどの炭化水素類、エチルエーテルなどのエーテル
類や酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類が
使用可能である。通常のシリカゲルクロマトグラフィー
を用いた場合、ヘキサン、酢酸エチルあるいはそれらの
混合溶媒にて流出することが好ましい。混合溶媒を用い
た場合、それら各溶媒の割合はとくに限定されるもので
はない。溶出温度は通常室温で行うが、とくに限定され
るものではなく、低温下あるいは高温下で行ってもよ
い。
【0017】上記呈味改善剤を食品内に添加・配合し、
食品が本来有する味を向上させることができる。味を向
上させることができる食品としては、例えば無果汁飲
料、果汁入り飲料、乳酸菌飲料、粉末飲料、茶飲料、コ
ーヒー飲料などの飲料類、アイスクリーム、シャーベッ
ド、氷菓などの冷菓類、プリン、ゼリー、ババロアなど
のデザート類、ハードヨーグルト、ソフトヨーグルト、
ドリンクヨーグルト、フローズンヨーグルトなどのはっ
酵乳食品、バター、マーガリン、チーズなどの乳製品、
ガム、パイ、チューインガム、キャンディなどの菓子
類、水産練り製品、ラーメンスープ、カレーやクリーム
シチュー等のルー、コンソメやポタージュなどを挙げる
ことができる。
【0018】それら食品中に配合される呈味改善剤の量
は、食品などにより異なるものであるが、通常、製品中
1 ppb〜100ppmとすることが好ましい。より好ましくは5
ppb〜50ppmである。さらに好ましくは10 ppb〜30ppmで
ある。
【0019】上記呈味改善剤を上記対象物内に直接添加
・配合してもよいが、通常予め呈味改善剤溶液あるいは
分散液を調製し、ついでこの溶液あるいは分散液を食品
に添加・配合する方法を用いる。この溶液あるいは分散
液には、増粘剤、抗酸化剤などの各種添加剤をあらかじ
め共存させておいてもよい。上記溶液あるいは分散液を
得るために用いられる媒体としては、エタノール、グリ
セリンなどの中鎖脂肪酸エステル、ヤシ油やコーンサラ
ダ油などの精製植物油、食用油を例示できる。この溶媒
に添加する呈味改善剤の量は添加・配合する対象物など
により、大幅に変わるものであるが、例えば10ppm
ないし50重量%である。
【0020】
【発明の効果】本発明の呈味改善剤を食品中に配合する
ことにより、食品の本来の味に対して、ボリューム感、
ジューシー感、こく味感、まろやかさを顕著に高める効
果、いわゆる呈味改善効果を高めることを可能にする。
即ち、各種のフルーツフレーバー、セイボリーフレーバ
ー、緑茶、種々の合成甘味料に対して、本発明で規定す
るステロール類を添加すると、本来の味に対して、ボリ
ューム感、ジューシー感、こく味感、まろやかさを顕著
に高める効果が認められ、天然のフレーバーに近い調合
香料が実現できた。しかも、呈味改善剤の配合量は少な
くて済むので経済的に有利である。さらに、本発明の呈
味改善剤を含有する調合香料を食品、とくに飲料に添加
・配合することにより、果実やコーヒー等、天然の味や
香りを再現でき、ボリューム感やこく味感、まろやかさ
を可能にした。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定さ
れるものではない。なお.実施例中とくに断らない限り
数値は重量(%)を意味する。
【実施例1】米糠からの呈味改善剤含有溶液の調製 米糠1kgを酢酸エチル5L中に50度で3時間浸漬ま
たは穏やかに撹拌する。ろ過後、濾液をエバポレーター
を用いて濃縮する。濃縮物をシリカゲルカラム(2kg
のシリカゲルを充填)にチャージした後、10%酢酸エ
チル/ノルマルヘキサン溶液(容量比)10Lで流去す
る。次いで、25%酢酸エチル/ノルマルヘキサン溶液
(容量比)10Lで流出させ、流出物をエバポレーター
を用いて濃縮乾固する。濃縮物をエタノールに溶解して
終濃度10%の溶液に調製し、呈味改善剤を得た。収率
は8.9%(固形物換算、米糠に対して)ステロール類
含量9.3%であった。
【0022】
【実施例2】オカラを50℃で一昼夜かけて乾燥する。
乾燥物1Kgを実施例1と同様の方法で処理することによ
り終濃度10%の呈味改善剤を得た。収率は2.4%
(固形物換算、乾燥物に対して)ステロール類含量7.
9%であった。
【実施例3】市販植物ステロール(ナカライテスク社、
大豆由来品)をエタノールに溶解して終濃度1%溶液に
調製し、呈味改善剤aを得た。
【0023】
【実施例4】市販植物ステロール(ナカライテスク社、
大豆由来品)を中鎖脂肪酸エステルに溶解して終濃度1
%溶液に調製し、呈味改善剤bを得た。
【実施例5】市販植物ステロール(ナカライテスク社、
大豆由来品)をベンジルアルコールに溶解して終濃度5
%溶液に調製し、呈味改善剤cを得た。
【0024】
【試験例1】アップルフレーバー含有チューインガムへ
の応用 実施例3の呈味改善剤aの呈味改善能を下記の条件で評
価した。得られた結果をグラフ1に示す。 評価試料の調製 下記処方に記載されたガムベース、キシリトール、水飴
をニーダにて十分に混練する。リンゴ酸を添加し、混練
を続け、さらに、フレーバー、呈味改善剤aを添加し、
混練を続け十分に混ぜ合わせる(50℃、30分間)。こ
の混練物を押し出し処理して、幅、長さ、厚さがそれぞ
れ20mm、70mm、2mmのチューインガムを得
た。
【0025】 [チューインガム処方] ガムベース 24.000 % 水飴 5.000 リンゴ酸 0.800 アップルフレーバー 1.000 呈味改善剤a 0.010キシリトール 適量 計 100.000ガムベース
【0026】b) 評価方法 下記〜項目の評価基準に対して下記4段階の点数評
価を行った。 4段階点数: 1点)全く感じられない 2点)やや感じられる 3点)感じられる 4点)強く感じられる
【0027】[結果]パネル6名の評価平均値 グラフ1 対照区として、呈味改善剤aの代わりに、エタノールを
最終濃度で0.01%添加した。
【0028】総合的な呈味改善効果に対する評価 上記試料の総合的な呈味改善効果を下記の基準に基づき
評価した。 1点)対照区と同等であり、呈味改善効果なし 2点)やや呈味改善効果を認める 3点)はっきりと呈味改善効果を認める 4点)強く呈味改善効果を認める 評価結果 パネル6名の評価平均値は3.9点であった。
【0029】
【試験例2】メロンフレーバー含有チューインガムへの
応用 実施例5の呈味改善剤cの呈味改善能を下記の条件で評
価した。得られた結果をグラフ2に示す。 評価試料の調製 下記処方に記載されたガムベース、キシリトール、水飴
をニーダにて十分に混練する。クエン酸を添加し、混練
を続け、さらに、フレーバー、呈味改善剤cを添加し、
混練を続け十分に混ぜ合わせる(50℃、30分間)。こ
の混練物を押し出し処理して、幅、長さ、厚さがそれぞ
れ20mm、70mm、2mmのチューインガムを得
た。
【0030】 [チューインガム処方] ガムベース 24.000 % 水飴 5.000 クエン酸 0.800 メロンフレーバー 1.000 呈味改善剤c 0.002キシリトール 適量 計 100.000 b) 評価方法 試験例1と同様な方法にて上記試料を6名のパネルによ
り官能評価した。
【0031】[結果]パネル6名の評価平均値 グラフ2 対照区として、呈味改善剤cの代わりに、ベンジルアル
コールを最終濃度で0.002%添加した。
【0032】総合的な呈味改善効果に対する評価 上記試料の総合的な呈味改善効果を試験例1と同様な基
準に基づき評価した。パネル6名の評価平均値は3.8
点であった。
【0033】
【試験例3】ナシフレーバー含有チューインガムへの応
用 実施例5の呈味改善剤cの呈味改善能を下記の条件で評
価した。得られた結果をグラフ3に示す。 評価試料の調製 呈味改善剤cの量を0.03%とする以外は試験例2と同様
な方法にて評価試料を得た。 b) 評価方法 試験例2と同様な方法で評価試料を評価した。
【0034】[結果]パネル6名の評価平均値 グラフ3 対照区として、呈味改善剤cの代わりに、ベンジルアル
コールを最終濃度で0.03%添加した。
【0035】総合的な呈味改善効果に対する評価 上記試料の総合的な呈味改善効果を試験例1と同様な基
準に基づき評価した。パネル6名の評価平均値は3.8
点であった。
【0036】
【試験例4】 ニボシフレーバーを附香したラーメンス
ープへの応用 実施例4の呈味改善剤bの呈味改善能を下記の条件で評
価した。 [フレーバーの調製]醤油味のラーメンスープとマッチす
る油溶性のニボシフレーバーとして下記の3点を調製し
た。 ニボシフレーバー ニボシフレーバーに中鎖脂肪酸エステルを1%添加した
もの ニボシフレーバーに呈味改善剤bを1%添加したもの
【0037】評価試料の調製 カップラーメン(スープ、かやく、麺などの合計80g)
および上記フレーバー 0.3gが入った容器内に沸騰水をカップ内側の線ま
で注いだ(428g)。同様にして、上記フレーバー
0.3gが入った容器および上記フレーバー0.3gが入っ
た容器内に沸騰水をカップ内側の線まで注いだ(428
g)
【0038】b) 評価方法 上記フレーバー賦香カップラーメンのラーメンスープの
味をパネル8名で比較評価した。 c) 評価結果 ニボシフレーバーへの植物ステロールの添加効果につい
ては、塩角がとれマイルドな味になる、後味に呈味感残
る、まるみ、まとまり、ふくらみがあり、きれが良いと
の共通コメントを得た。また、ニボシフレーバーに中鎖
脂肪酸エステルを加えたものと加えないものとの間では
官能的に有意な差は認められなかった。
【0039】
【試験例5〜7】 カレー、シチュー、コンソメスープ
への応用 実施例4の呈味改善剤bの呈味改善能を下記の条件で評
価した。 [評価試料の調製] カレー 中辛タイプのカレールー44gに対して水300mLを加
え、湯中で溶解する。そこへ呈味改善剤bを最終濃度
0.01%、あるいは0.1%あるいは1%となるよう
添加し、十分に攪拌する。 [評価試料の調製] シチュー クリームシチューのルー34.5gに対して水300mL
を加え、湯中で溶解する。そこへ呈味改善剤bを最終濃
度0.01%、あるいは0.1%あるいは1%となるよ
う添加し、十分に攪拌する。 [評価試料の調製] コンソメスープ コンソメスープの素5.3gに対して水300mLを加
え、湯中で溶解する。そこへ呈味改善剤bを最終濃度
0.01%、あるいは0.1%あるいは1%添加し、十
分に攪拌する。なお、対照区として、呈味改善剤bを添
加する代わりに、中鎖脂肪酸エステルを呈味改善剤bと
同量添加したもの、及び無添加区を設けた。
【0040】[評価方法]評価試料は全て、60℃の湯
中に置くことにより温度を一定にして、パネル3名によ
って官能評価した。 [結果]カレールー、クリームシチューのルー、コンソ
メスープの素のいずれの場合においても、呈味改善剤b
を添加したものでは、対照区に比べて、顕著な呈味改善
効果を認めた。即ち、呈味改善剤bを添加した区では、
対照区に比べて、本来の味に対して、こく味、深味、ボ
リューム感、まろやかさが確認された。その効果は、呈
味改善剤bの添加量が0.1%および1%でより顕著で
あった。また、中鎖脂肪酸エステルの添加量が少なくと
も1%以下の濃度では、無添加区のものに比べて、味に
何ら差は認められなかった。
【0041】
【試験例8】緑茶への応用 実施例4の呈味改善剤bの呈味改善能を下記の条件で評
価した。 [評価試料の調整]静岡産やぶきた茶40gに水1Lを加
えて、60℃、3分間攪拌・抽出した。ろ過して茶葉を
除いたろ過液に、ビタミンCを0.01%、呈味改善剤
aを0.01%添加した後、水を加えてBrix.0.2に
調整し、炭酸水素ナトリウム溶液でpH6.2に調整し
て、評価試料を調整した。なお、対照区は呈味改善剤a
のかわりにエタノールを0.01%添加した。
【0042】[評価方法] 専門パネル8名による官能評価 [評価結果]呈味改善剤aを添加した緑茶では、対照区
に比べて、顕著な呈味改善効果を認めた。即ち、呈味改
善剤aを添加した緑茶では、対照区に比べて、緑茶本来
の味に対して、ボリューム感、まろやかさが確認され
た。
【0043】
【試験例9】 甘味料への応用 実施例4の呈味改善剤bの呈味改善能を下記の条件で評
価した。 [実験方法]キシリトール5%水溶液あるいはアスパル
テーム0.0125%水溶液に対して、呈味改善剤aを
0.1%加えて十分に混合する。対照区は呈味改善剤a
の代わりにエタノールを0.1%加えた。
【0044】評価方法 上記試料を5℃あるいは25℃あるいは50℃に温度コント
ロールして、パネル5名による呈味改善剤a添加区と対
照区との官能評価比較を行った。 [評価結果]無添加区に対する呈味改善剤a添加区の効
砂糖の主な代替甘味料としてキシリトール、アスパルテ
ームが広く用いられている。しかしこれら甘味料は独特
のエグ味、雑味を有しており、砂糖の「おいしさ」まで
は代替しきれていない。しかし、本発明の呈味改善剤を
添加すると上記不都合さが改善された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 済間 俊昇 神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4B014 GB13 GK01 GL03 4B027 FB01 FC02 FK02 FP90 4B036 LC01 LF01 LH05 LK01 4B047 LB03 LB08 LF08 LF09 LF10 LG06 LG17 LG25 LP01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステロール類を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする呈味改善剤。
  2. 【請求項2】ステロール類がシトステロール、スチグマ
    ステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、
    スピナステロール、コレステロール、エルゴステロール
    あるいはそれら配糖体から選ばれた少なくとも一つの化
    合物である請求項1記載の呈味改善剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載の呈味改善剤を含有すること
    を特徴とする食品。
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