JP2008214233A - 脂質組成物の製造方法、及びその方法で得られる脂質組成物 - Google Patents

脂質組成物の製造方法、及びその方法で得られる脂質組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2008214233A
JP2008214233A JP2007052195A JP2007052195A JP2008214233A JP 2008214233 A JP2008214233 A JP 2008214233A JP 2007052195 A JP2007052195 A JP 2007052195A JP 2007052195 A JP2007052195 A JP 2007052195A JP 2008214233 A JP2008214233 A JP 2008214233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
menthol
lipid composition
eutectic mixture
composition
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007052195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5160800B2 (ja
Inventor
Yuichi Sasaki
優一 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2007052195A priority Critical patent/JP5160800B2/ja
Publication of JP2008214233A publication Critical patent/JP2008214233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5160800B2 publication Critical patent/JP5160800B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

【課題】 メントールが製剤表面に析出することを防ぎ、製品としての外観および使用感に優れるメントール含有成型製剤を提供すること。また、夏場の倉庫などにおいても温度の影響を受けることなく、製造時の形状を保つことができる保形性に優れるメントール含有成型製剤を提供すること。
【解決手段】 成分(A)メントール:成分(B)ステロール類が、50:50〜90:10(質量比)である組成物を加熱溶解し、共融混合物を得る工程、および該共融混合物を40℃以上該共融混合物の融点より低い温度以下で静置する工程を少なくとも含む工程により脂質組成物を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は脂質組成物の製造方法、その方法で得られる脂質組成物及び該脂質組成物から構成させる成型製剤に関する。詳しくはメントールとステロール類を特定の割合で含有する組成物を加熱溶解して得られる共融混合物を、特定の温度で静置することを特徴とする脂質組成物の製造方法、その方法で得られた脂質組成物及び該脂質組成物から構成させる成型製剤に関する。
従来から、メントールは清涼感を付与することができる物質として広く利用されており、たとえばシャンプー、ヘアリンス、ヘアトニック、リップクリーム等の化粧料にも、皮膚に清涼感を付与する目的で利用されている(特許文献1)。また、その剤型も乳液、スティック状などと多岐に渡っている。とくに、メントール含有成型製剤は、簡単に持ち運びできるという携帯性の便利さや、皮膚に塗りつけるだけという簡単な操作で、その使用時の場所も制限されない手軽さなどから、広く利用されているところである。
ところが、メントール含有成型製剤は、製造初期はともかくとして、製造後にメントールが製剤表面に析出するという、いわゆる粉ふきが生じ、製品の外観の点で劣るという問題点が指摘されており、その問題点を解決する新たな技術の開発が求められている。
また、メントールは粉末、フレーク状などの形態で保管され製品に配合されるが、メントールは融点が約40℃であり、メントール含有製品は夏場の倉庫などは高温になることが多く、それにより製造時の形状が変化しやすくなるという不都合さがあり、その不都合さを解消するあらたな技術の開発が求められている。
特開2004−18411号公報
そこで、本発明の課題は、メントールが製剤表面に析出することを防ぎ、製品としての外観に優れるメントール含有成型製剤を提供することにある。また、夏場の倉庫などにおいても温度の影響を受けることなく、製造時の形状を保つことができる保形性に優れるメントール含有成型製剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決しようとする目的でいろいろと研究を進めていく間に、特定の割合のメントールとステロール類を加熱溶解して得られる共融混合物を特定の温度で静置することで得られる脂質組成物が意外にも上記問題点を見事に解決できるという知見を得た。この意外な知見に基づきさらに研究を重ね、ついに本発明を完成させた。
すなわち、本発明の以下の発明を包含する。
(1)成分(A)メントール:成分(B)ステロール類が、50:50〜90:10(質量比)である組成物を加熱溶解し、共融混合物を得る工程、および該共融混合物を40℃以上該共融混合物の融点より低い温度以下で静置する工程からなることを特徴とする脂質組成物の製造方法。
(2)第1項記載の製造方法で得られたことを特徴とする脂質組成物。
(3)第2項記載の脂質組成物から構成されることを特徴とする成型製剤。
(4)飲食品、トイレタリー製品、香粧品、入浴剤または医薬品であることを特徴とする第3項記載の成型製剤。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の加熱溶解する組成物を構成する成分の一つがメントールである。メントールは既に知られた物質であり、光学活性体およびラセミ体が存在する。本発明においては、メントールであればいかなるものでも使用可能であるが、清涼感の点でl−メントールのみを使用するのが好ましいが、l−メントールに、l−メントール以外の異性体が共存していても、dl-メントールのみであってもよい。上記l−メントール以外の異性体量は特に制限されない。
上記メントールの形状は特に限定されないのであって、必要に応じて適宜最適な形状のメントールを用いればよい。なお、メントールの形状としては、粉末状、粒状、フレーク状などがあるがこれに限定されない。また、メントールの結晶でもよいし、無定形でもよい。
本発明の加熱溶解する組成物を構成する他の成分がステロール類である。このステロール類は、下記式1で表される骨格を有する化合物であって、炭素数が27〜30の化合物をいう。即ち、式1で表される化合物、その誘導体、それらの配糖体あるいはそれらの混合物をいう。ここで、その誘導体とは式1で表される化合物の水素原子がアルキル基などの有機基で置換された化合物を意味する。
(式1)
Figure 2008214233
上記ステロール類はすでに公知の化合物である。本発明では、コレステロール、フィトステロール、エルゴステロール、スチグマステロール 、カンペステロール 、スピナステロール 、ブラシカステロールなどの一種あるいは二種以上が用いられるが、それらに何ら限定されない。
本発明の加熱溶解する組成物は、メントールを50〜90質量%およびステロール類を50〜10質量%の割合で含む。この割合とすることで、粉ふきの抑制および保形性に優れ、かつ肌との相性(使用感)に優れた脂質組成物とすることができる。この割合としては、得られる脂質組成物の粉ふきの抑制および保形性を維持しつつ、肌との相性をさらに向上させることができる点からメントールを70〜90質量%およびステロール類を30〜10質量%の割合で含むことがより好ましい。
本発明の脂質組成物を製造するためには、まずメントールとステロール類とを含む組成物を加熱溶解し、共融混合物とすることが必要である。ここで、加熱条件は特に制限されないのであって、メントールとステロール類との共融混合物が得られる限り、どのような条件を設定してもよい。加熱温度は用いるメントールとステロール類の種類と量により変動するので一概に規定することができないが、メントールあるいはステロール類の一部が溶け始める温度よりも高い温度以上に設定することが求められ、通常は、使用するメントールの融点以上の温度で加熱することが望ましく、得られる共融混合物の融点(共融点)以上の温度で加熱することがより望ましい。例えば、メントールを90質量%およびコレステロールを10質量%の共融混合物の共融点は45℃付近であり、メントールを50質量%およびコレステロールを50質量%の共融混合物の共融点は72℃付近であるので、目的とする共融混合物に応じて、それぞれ共融点以上の温度で加熱するのが望ましい。加熱温度を高くすると、得られる脂質組成物の粉ふきを効果的に防ぎ、肌との相性を向上させるうえに、製造時間を短縮できる点で好ましい。
ここで、本発明において融点とは、自動融点測定器(メトラー・トレド株式会社製METTLER TOLEDO−FP900)を用い、30℃〜80℃(1℃/分)で実施した温度をいう。
また、加熱時間も用いるメントールとステロール類の種類と量により変動するので一概に規定することができないが、1時間以上が望ましく、3時間以上がより望ましい。加熱時間を長くすることで、溶け残りを防ぐことができるので、得られる脂質組成物の粉ふきを効果的に防ぐことができるうえに、肌との相性を向上させることができる点で好ましい。
本発明では、次いでメントールとステロール類の前記共融混合物を40℃以上該共融混合物の融点よりも低い温度以下で静置する必要がある。静置温度は、粉ふき抑制の効果および肌との相性を維持しつつ、製造コストを抑制できる点から、上限は共融混合物の融点よりも2〜3℃低い温度であることが好ましい。この温度で静置する時間は共融混合物全体が静置温度になれば(固化すれば)特に制限されないが、例えば3時間以上が好ましく、5時間以上がより好ましい。共融混合物を融点付近で静置する場合には、製造時間短縮のために、共融混合物を予め冷却固化しておくことが好ましい。
この静置する工程を経ることにより、得られる脂質組成物の粉ふきを抑えることができる。
また、こうして製造される本発明の脂質組成物は保形性に優れている。ここで保形性とは、メントールまたはそれを含む組成物の形状が保持される性質をいい、本発明の脂質組成物を、例えば粉末状あるいはフレーク状に成形したときに、45℃に8時間以上おいてもその形状が保持されるという意味である。
また、本発明の脂質組成物を使用することで、外観および保形性に優れるだけでなく、肌との相性、すなわち使用感に優れるメントール含有成型製剤とすることができる。
本発明では、l−メントールとステロール類とから本質的に構成されるが、さらにパラフィン類を含んでもよい。
ここでいうパラフィン類は、鎖状の飽和炭化水素であり、炭素数は30以下の化合物である。
このパラフィン類の組成物における配合量は加熱溶解される組成物を基準として20質量%以下とすることが好ましい。このパラフィン類が組成物に存在すると保形性の点で好ましい効果をもたらすことができる。
本発明の加熱溶解される組成物には、l-メントールが配合される対象製品で常用される配合剤を予め配合させておくことができる。
それらの配合剤はとくに制限されない。具体的に例示すると、例えば、界面活性剤、油剤、一価アルコール、香料、染料、還元剤、酸化剤、金属キレート剤、抗酸化剤、色素、粘度調整剤、防腐剤、動植物抽出物、消炎剤、殺菌剤、パール化剤、紫外線吸収剤、保湿剤、有機塩、無機塩、pH調整剤などが挙げられる。
それら配合剤の配合量は特に制限されない。
かくして調製された脂質組成物を出発原料として成型製剤とすることができる。すなわち、本発明は前記脂質組成物から成型製剤を製造する方法を含む。成型製剤の製法は特に制限されないのであり、公知の製法を適宜利用することによって成型製剤を調製することが出来る。成型製剤の具体例としては、スティック状成型製剤が好ましい例として挙げられるが、それに限定されないのであり、他の成型製剤としても応用可能である。
本発明の脂質組成物の成型製剤への配合量は、成型製剤を調製するときに用いられる物質の種類とその量、成型製剤の使用形態などによっても異なるのであり、一概に規定することができない。あえて記載すれば、例えば成型製剤中に成型製剤を基準として10%程度以上であり、本発明によれば、脂質組成物100%からなる製剤としても、メントールが製剤表面に析出することがないため、外観に優れ、かつ保形性を有するうえに、肌との相性に優れる成型製剤とすることができる。
本発明の脂質組成物は、例えば、使用者が肌に塗布することによって、清涼感と独特の香味をもたらすことができ、それを利用して、多方面の成型製剤に利用可能である。例えば、緊張性頭痛、片頭痛などの頭痛において痛みを感じる箇所(例えば、額、こめかみ、後頭部など)に塗布することで頭痛を解消することができる皮膚外用剤などに利用可能である。また、本発明の脂質組成物からなる皮膚外用剤において、メントールを70〜90質量%およびステロール類を30〜10質量%の割合とすることで、より効果的な頭痛緩和効果を得ることができる。
さらに、成型製剤に利用可能なその他の形態としては、例えば、飲食品、トイレタリー製品、香粧品、入浴剤、医薬品、医薬部外品などを例示できるがこれに何ら限定されない。
本発明の脂質組成物を用いることで、メントールの製剤表面への析出を防ぐことができるため、外観に優れるメントール含有成型製剤を提供することができる。しかもその成型製剤は製造時の形状を保つことができる保形性に優れるため種々の製剤に利用可能である。また、肌との相性にとくに優れるため、医薬品や香粧品など肌に直接塗布するような製剤にも好適に利用可能である。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
(実施例1〜5)
l−メントール及びコレステロールの粉末を表1記載の成分比率となるように所定量秤取り、ガラス容器内にて混合した後、ガラス容器を密閉して80℃にて3時間加温処理してl−メントール及びコレステロールの共融混合物を得た。その混合物を円柱状のアルミニウム製容器(底面が半径1cmの円であり、高さが5cmである)に充填し、室温にて冷却固化させた後、40℃の恒温室にて14時間静置した。14時間後、室温(25℃)に2時間置いて型を外して室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
(比較例1)
l−メントール及びコレステロールを表1記載の成分比率となるように所定量秤取り、これ以降は実施例1〜5と同様に操作したが、共融混合物を得ることができなかった。
(比較例2)
l−メントール及びコレステロールを表1記載の成分比率となるように所定量秤取り、これ以降は実施例1〜5と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
(比較例3)
コレステロールを使用せず、l−メントールのみを使用した以外は、実施例1〜5と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物(以下、組成物ということがある)を得た。
(試験例1)
実施例1〜5、比較例2及び3で得たそれぞれの組成物を恒温室(45℃)に8時間静置し、初期の形状と2時間後の形状を比較し、下記評価基準に基づきそれぞれの組成物の保形性を評価した。
評価結果を表1に示した。
評価基準
○ 初期の形を保っている
× 初期の形を保っていない
(試験例2)
実施例1〜5、比較例2及び3で得たそれぞれの組成物を肌に塗り、それぞれの組成物のすべり性(肌との相性)を下記評価基準に基づき評価した。評価は10名のパネラーにより行い、その平均点から3.5点以上のものを「◎」、2.5点以上3.5点未満のものを「○」、2.5点未満のものを「×」とした。
評価結果を表2に示した。
評価基準
4点 肌のすべり性が良い
3点 肌のすべり性がやや良い
2点 肌のすべり性がやや悪い
1点 肌のすべり性が悪い
(試験例3)
実施例1〜5、比較例2及び3で得たそれぞれの組成物の表面の粉ふき性について、組成物を製造してから16時間後に下記評価基準に基づきそれぞれ評価した。
評価結果を表2に示した。
評価基準
〇 表面に白く粉がふかない
× 表面に白く粉がふく
表1
Figure 2008214233
(実施例6〜11)
l−メントールとコレステロールを50対50の比率で配合したl−メントールとコレステロールの粉末をガラス容器内にて混合した後、ガラス容器を密閉して80℃にて3時間加温処理してl−メントール及びコレステロールの共融混合物を得た。その混合物を円柱状のアルミニウム製容器(底面が半径1cmの円であり、高さが5cmである)に充填し、室温にて冷却固化させた後、表2記載の静置温度の恒温室にて14時間静置した。14時間後、室温(25℃)に2時間置いて型を外して室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
ここで、当該共融混合物の融点は72.0℃であった。融点の測定は自動融点測定器(メトラー・トレド株式会社製METTLER TOLEDO−FP900)を用い、30℃〜80℃(1℃/分)で実施した
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表2に示した。なお、保形性についてはいずれの実施例も「○」であった。
(比較例4〜7)
表2記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例6と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表2に示した。なお、保形性についてはいずれの比較例も「○」であった。
表2
Figure 2008214233
(実施例12〜16)
l−メントールとコレステロールを60対40の比率で配合し、表3記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例6と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
ここで、当該共融混合物の融点は68.0℃であった。
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表3に示した。なお、保形性についてはいずれの実施例も「○」であった。
(比較例8〜11)
表3記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例12と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表3に示した。なお、保形性についてはいずれの比較例も「○」であった。
表3
Figure 2008214233
(実施例17〜20)
l−メントールとコレステロールを70対30の比率で配合し、表4記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例6と同様に操作し、l−メントール及びコレステロールからなる脂質組成物を得た。
ここで、当該共融混合物の融点は63.6℃であった。
それぞれの脂質組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表4に示した。なお、保形性についてはいずれの実施例も「○」であった。
(比較例12〜15)
表4記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例17と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表4に示した。なお、保形性についてはいずれの比較例も「○」であった。
表4
Figure 2008214233
(実施例21〜22)
l−メントールとコレステロールを80対20の比率で配合し、表5記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例6と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
ここで、当該共融混合物の融点は59.4℃であった。
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表5に示した。なお、保形性についてはいずれの実施例も「○」であった。
(比較例16〜19)
表5記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例21と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表5に示した。なお、保形性についてはいずれの比較例も「○」であった。
表5
Figure 2008214233
(実施例23)
l−メントールとコレステロールを90対10の比率で配合し、表6記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例6と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
ここで、当該共融混合物の融点は45.6℃であった。
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表6に示した。なお、保形性についてはいずれの実施例も「○」であった。
(比較例20〜23)
表6記載の静置温度の恒温室で静置処理し、それ以外は実施例23と同様に操作し、室温(25℃)において一定の形状を有する脂質組成物を得た。
それぞれの組成物について、試験例2及び3と同様に官能評価した。その評価結果を表6に示した。なお、保形性についてはいずれの比較例も「○」であった。
表6
Figure 2008214233
(実施例24〜28)
実施例1〜5で得られた脂質組成物をスティック状の繰り出し容器に充填し、皮膚外用剤を得た。
得られた皮膚外用剤を頭痛を感じる箇所に塗布してもらい、頭痛の緩和効果を以下の評価基準で評価した。評価は、片頭痛を訴える者(10名)および緊張性頭痛を訴える者(10名)を対象にして行い、その平均点から2.5点以上のものを「◎」、1.5点以上2.5点未満のものを「○」、1.5点未満のものを「×」とした。
評価結果を表7に示した。
評価基準
3点 頭痛が緩和された
2点 頭痛がやや緩和された
1点 頭痛が緩和されなかった
表7
Figure 2008214233
メントール:ステロール類が質量比で40:60とした比較例1では共融混合物が得られなかった。また、メントール:ステロール類を質量比で95:5(比較例2)および100:0(比較例3)とした場合、融混合物は得られたものの、保形性および粉ふき抑制性の点で劣る結果となった。
また、メントール:ステロール類を質量比で50:50〜90:10の混合物を加熱溶解して得られた共融混合物であっても、40℃未満で静置した場合、肌との相性は優れるものの、メントールが組成物表面に析出し、粉ふきがみられた。
これに対して、メントール:ステロール類を質量比で50:50〜90:10の混合物を加熱溶解して得られた共融混合物を40℃以上共融混合物の融点より低い温度以下で静置することで、肌との相性に優れるだけでなく、保形性および粉ふきにも優れる脂質組成物が得られた。また、肌との相性は、メントール:ステロール類を質量比で70:30〜90:10とした場合により向上する結果となった。
ここで、実施例1〜5においては、共融混合物を得た後、冷却固化をしているが、この冷却工程を経ずに直接40℃に静置しても同じ組成物が得られたことを確認した。
また、表7から、本発明の脂質組成物から調製したスティック状の成型製剤を、頭痛を訴える者の痛みを感じる箇所に塗布したところすべての成型製剤について頭痛緩和効果がみられた。この効果は、とくにメントール:ステロール類を質量比で70:30〜90:10とした場合により向上する結果となった。
なお、本発明の加熱溶融する組成物の好ましい処方例として、下記表8、9記載のものを例示できる。表中の数字は質量部であり、数値の合計は100(質量)である。

表8
Figure 2008214233

表中、パラフィンはセレシン810(日興リカ株式会社製)、シリコーンオイルはシリコーンKF995(信越化学工業株式会社製)、ポリエチレングリコールはPEG6000P(三洋化成工業株式会社製)、1,2-プロパンジオールはCOOLING AGENT-10(高砂香料工業株式会社製)、球状ナイロンパウダーはSP-500(東レ株式会社製)をそれぞれ用いた。また、ペパーミントオイル、ラベンダーオイル、ローズマリーオイルは高砂香料工業株式会社製をそれぞれ用いた。
表9
Figure 2008214233

表中の成分として用いたものは表8と同じである。

Claims (4)

  1. 成分(A)メントール:成分(B)ステロール類が、50:50〜90:10(質量比)である組成物を加熱溶解し、共融混合物を得る工程、および該共融混合物を40℃以上該共融混合物の融点より低い温度以下で静置する工程からなることを特徴とする脂質組成物の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法で得られたことを特徴とする脂質組成物。
  3. 請求項2記載の脂質組成物から構成されることを特徴とする成型製剤。
  4. 飲食品、トイレタリー製品、香粧品、入浴剤または医薬品であることを特徴とする請求項3記載の成型製剤。
JP2007052195A 2007-03-02 2007-03-02 脂質組成物の製造方法、及びその方法で得られる脂質組成物 Active JP5160800B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007052195A JP5160800B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 脂質組成物の製造方法、及びその方法で得られる脂質組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007052195A JP5160800B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 脂質組成物の製造方法、及びその方法で得られる脂質組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008214233A true JP2008214233A (ja) 2008-09-18
JP5160800B2 JP5160800B2 (ja) 2013-03-13

Family

ID=39834712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007052195A Active JP5160800B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 脂質組成物の製造方法、及びその方法で得られる脂質組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5160800B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013026699A1 (fr) * 2011-08-25 2013-02-28 Rhodia Operations Procede de preparation d'une composition aromatique comprenant un compose a base de deux solides presentant des proprietes organoleptiques
JP2013221008A (ja) * 2012-04-16 2013-10-28 Ajinomoto Co Inc 冷感組成物

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2922984B2 (ja) * 1990-06-01 1999-07-26 株式会社ロッテ チューインガム用香味組成物
JP2001149019A (ja) * 1999-11-30 2001-06-05 Ezaki Glico Co Ltd 香味持続型粉末香料を用いたチューインガム組成物及びその調製方法。
JP2003144114A (ja) * 2001-11-15 2003-05-20 Takasago Internatl Corp 食品劣化防止剤および食品の品質保持方法
JP2003147387A (ja) * 2001-11-15 2003-05-21 Takasago Internatl Corp 香料の劣化防止剤および香料含有製品の品質保持方法
JP2003219832A (ja) * 2002-01-31 2003-08-05 Takasago Internatl Corp 呈味改善剤
JP2008239986A (ja) * 2007-03-01 2008-10-09 Takasago Internatl Corp 保形性に優れた脂質組成物および製品

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2922984B2 (ja) * 1990-06-01 1999-07-26 株式会社ロッテ チューインガム用香味組成物
JP2001149019A (ja) * 1999-11-30 2001-06-05 Ezaki Glico Co Ltd 香味持続型粉末香料を用いたチューインガム組成物及びその調製方法。
JP2003144114A (ja) * 2001-11-15 2003-05-20 Takasago Internatl Corp 食品劣化防止剤および食品の品質保持方法
JP2003147387A (ja) * 2001-11-15 2003-05-21 Takasago Internatl Corp 香料の劣化防止剤および香料含有製品の品質保持方法
JP2003219832A (ja) * 2002-01-31 2003-08-05 Takasago Internatl Corp 呈味改善剤
JP2008239986A (ja) * 2007-03-01 2008-10-09 Takasago Internatl Corp 保形性に優れた脂質組成物および製品

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013026699A1 (fr) * 2011-08-25 2013-02-28 Rhodia Operations Procede de preparation d'une composition aromatique comprenant un compose a base de deux solides presentant des proprietes organoleptiques
FR2979192A1 (fr) * 2011-08-25 2013-03-01 Rhodia Operations Procede de preparation d'une composition aromatique comprenant un compose a base de deux solides presentant des proprietes organoleptiques
KR20140051442A (ko) * 2011-08-25 2014-04-30 로디아 오퍼레이션스 관능적 특성을 갖는 2가지 고형물이 함유된 화합물을 포함하는 방향족 조성물의 제조 방법
RU2565721C1 (ru) * 2011-08-25 2015-10-20 Родиа Операсьон Способ получения ароматической композиции, включающей соединение, содержащее два твердых вещества, обладающих органолептическими свойствами
US9687020B2 (en) 2011-08-25 2017-06-27 Rhodia Operations Method for preparing an aromatic composition including a compound containing two solids having organoleptic properties
KR101956409B1 (ko) 2011-08-25 2019-03-08 로디아 오퍼레이션스 관능적 특성을 갖는 2가지 고형물이 함유된 화합물을 포함하는 방향족 조성물의 제조 방법
JP2013221008A (ja) * 2012-04-16 2013-10-28 Ajinomoto Co Inc 冷感組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5160800B2 (ja) 2013-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6897195B2 (en) Composition of menthol and menthyl lactate, its preparation method and its applications as a cooling agent
JP5912482B2 (ja) メントール含有混合物
MX2010014380A (es) Composicion acondicionadora para el cabello que contiene una sal de estearil amidopropil dimetilamina y acido l-glutamico.
MX2015001271A (es) Procedimiento.
CN105392473B (zh) 使用时产生泡沫状态的外用组合物
EP2134319A2 (en) Compositions comprising a physiological coolant
JP5466369B2 (ja) 保形性に優れた脂質組成物および製品
JP2002536069A (ja) のぼせの不快感を軽減する方法およびそのための組成物
EP1802271A1 (en) Composition of menthyl lactate and a mixture of menthol isomers
JP5160800B2 (ja) 脂質組成物の製造方法、及びその方法で得られる脂質組成物
TW201417834A (zh) 液狀制汗用組成物
JP2021113155A (ja) 化粧料
JP5069172B2 (ja) 皮膚化粧料
JP5964047B2 (ja) 冷感増強剤
JPWO2018061854A1 (ja) 化粧料用組成物
JP4959010B1 (ja) 皮膚外用剤
TW201408327A (zh) 毛髮化粧料
JP2003176210A (ja) 乳化型化粧料
JP7335758B2 (ja) 発泡性固体浴用剤
US4963350A (en) Liquid shaving product
SG178361A1 (en) Liquid shaving preparation
JP2006219437A (ja) 化粧料用複合粒子
JP4041960B2 (ja) 毛髪化粧料
JP2004269368A (ja) 冷感剤組成物および該冷感剤組成物を含有する冷感化粧料
JP2018052907A (ja) 固形制汗剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5160800

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250