JP2003218065A - 窒化物半導体素子の製造方法 - Google Patents
窒化物半導体素子の製造方法Info
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Abstract
物半導体素子の製造方法を提供する。 【解決手段】本発明は、基板(101)上に窒化物半導体(10
2)が形成された半導体ウエハー(100)を窒化物半導体素
子(110)に分割する窒化物半導体素子の製造方法であ
る。特に、前記半導体ウエハー(100)は第1及び第2の
主面を有し該第1の主面側から基板を露出させて島状窒
化物半導体を形成する工程と、少なくとも該第1の主面
側及び/又は第2の主面側の基板(101)に溝部(103)を形
成する工程と、該溝部(103)にブレイク・ライン(104)を
レーザー照射により形成する工程と、前記ブレイク・ラ
イン(104)に沿って半導体ウエハーを分離する工程とを
有することを特徴とする窒化物半導体素子の製造方法で
ある。
Description
発光可能な発光ダイオードやレーザーダイオード、さら
には高温においても駆動可能な3-5族半導体素子の製
造方法に係わり、特に、基板上に窒化物半導体積層され
た半導体ウエハーから窒化物半導体素子を分割する製造
方法に関する。
る窒化物半導体(InXGaYAl1- X-YN、0≦X、0
≦Y、X+Y≦1)を利用した半導体素子が種々開発さ
れつつある。窒化物半導体を利用したデバイス例とし
て、青色、緑色や紫外がそれぞれ発光可能な発光ダイオ
ードや青紫光が発光可能な半導体レーザが報告されてい
る。さらには高温においても安定駆動可能かつ機械的強
度が高い各種半導体素子などが挙げられる。
LEDチップなどの半導体素子として利用されるGaA
s、GaPやInGaAlAsなどの半導体材料が積層
された半導体ウエハーの場合は、半導体ウエハーからダ
イサーやダイヤモンドスクライバーによりチップ状に切
り出され形成される。ダイサーとは刃先をダイヤモンド
とする円盤の回転運動により半導体ウエハーをフルカッ
トするか、又は刃先巾よりも広い巾の溝を切り込んだ後
(ハーフカット)、外力によりカットする装置である。
一方、ダイヤモンドスクライバーとは同じく先端をダイ
ヤモンドとする針により半導体ウエハーに極めて細い線
(スクライブ・ライン)を例えば碁盤目状に引いた後、
外力によってカットする装置である。GaPやGaAs
等のせん亜鉛構造の結晶は、へき開性が「110」方向
にある。そのため、この性質を利用してGaAs、Ga
AlAs、GaPなどの半導体ウエハーを比較的簡単に
所望形状に分離することができる。
導体素子は、GaP、GaAlAsやGaAs半導体基
板上に形成させたGaAsP、GaPやInGaAlA
sなどの半導体素子とは異なり単結晶を形成させること
が難しい。結晶性の良い窒化物半導体の単結晶膜を得る
ためには、MOCVD法やHDVPE法などを用いサフ
ァイアやスピネル基板など上にバッファーを介して形成
させることが行われている。そのため、サファイア基板
などの上に形成された窒化物半導体層ごと所望の大きさ
に切断分離することによりLEDチップなど半導体素子
を形成させなければならない。
化物半導体はヘテロエピ構造である。窒化物半導体はサ
ファイア基板などとは格子定数不整が大きく熱膨張率も
異なる。また、サファイア基板は六方晶系という結晶構
造を有しており、その性質上へき開性を有していない。
さらに、サファイア、窒化物半導体ともモース硬度がほ
ぼ9と非常に硬い物質である。
みで切断することは困難であった。また、ダイサーでフ
ルカットすると、その切断面にクラック、チッピングが
発生しやすく綺麗に切断できなかった。また、場合によ
っては基板から窒化物半導体層が部分的に剥離する場合
があった。
ップごとに分割する方法として特開平8−274371
号などに記載されているようにダイヤモンドスクライバ
ーやダイサーを組み合わせて使用する方法が考えられて
いる。具体的一例として、図5(A)から図5(D)に
窒化物半導体素子を製造する工程を示す。図5(A)
は、サファイア基板501上に窒化物半導体502が形
成された半導体ウエハー500を示す。図5(B)はサ
ファイア基板501の下面側から窒化物半導体502に
達しない深さでダイサー(不示図)による溝部503を
形成する工程を示す。図5(C)は、溝部にダイヤモン
ドスクライバーでスクライブ・ライン504を形成する
工程を示す。図5(D)は、スクライブ工程の後、半導
体ウエハー500をチップ状510に分離する分離工程
を示してある。これにより、切断面のクラック、チッピ
ングが発生することなく比較的綺麗に切断することがで
きるとされている。
じめダイサーなどで半導体ウエハー500の厚みを部分
的に薄くさせた溝部503を形成し、溝部503にダイ
ヤモンドスクライバーでスクライブ・ライン504を形
成させる場合、ダイヤモンドスクライバーの刃先が溝部
503の底に接触しなければならない。
モンドスクライバーの刃先の方が大きい。そのため図6
の如く、ダイヤモンドスクライバーの刃先601が半導
体ウエハー500に形成された溝部503の底面に届か
ない場合がある。この状態でスクライバーを駆動させる
と半導体ウエハーの平面では図7の如き、所望のスクラ
イブ・ライン703が形成されず歪んだスクライブ・ラ
イン704が形成される傾向にある。これらを防止する
目的でダイヤモンドスクライバーの刃先が溝部503の
底に接触するためにはダイサーで形成した溝部503の
幅を広くする必要がある。溝部503が広くなると半導
体ウエハーからの半導体素子の採り数が減少する。
底に接触させるために溝部503の深さを浅くする必要
がある。溝部503を浅くすると半導体ウエハーの分離
部の厚みが厚くなり半導体ウエハーを正確に分離するこ
とが困難になる傾向がある。したがって、何れも正確に
より小さい窒化物半導体素子を形成することができない
という問題があった。
性よく形成させることが望まれる今日においては上記切
断方法においては十分ではなく、優れた窒化物半導体素
子の製造方法が求められている。窒化物半導体の結晶性
を損傷することなく半導体ウエハーを正確にチップ状に
分離することができれば、半導体素子の電気特性等を向
上させることができる。しかも、1枚の半導体ウエハー
から多くの半導体素子を得ることができるため生産性を
も向上させられる。
ーをより小さいチップ状に分割するに際し、切断面のク
ラック、チッピングの発生をより少なくする。また、窒
化物半導体の結晶性を損なうことなく、かつ歩留りよく
所望の形、サイズに分離された窒化物半導体素子を量産
性良く形成することができる製造方法を提供することを
目的とする。
に窒化物半導体102が形成された半導体ウエハー10
0を窒化物半導体素子110に分割する窒化物半導体素
子の製造方法である。特に、半導体ウエハー100は第
1及び第2の主面を有し少なくとも第1の主面側及び/
又は第2の主面側の基板101に溝部103を形成する
工程と、溝部103にブレイク・ライン104をレーザ
ー照射により形成する工程と、ブレイク・ライン104
に沿って半導体ウエハーを分離する工程とを有する窒化
物半導体素子の製造方法である。
体素子の製造方法は、第1の主面121が基板101上
の一方にのみ窒化物半導体が形成された半導体ウエハー
100の窒化物半導体積層側であり、第2の主面111
は半導体ウエハーを介して対向する基板露出面側であ
る。
体素子の製造方法は、ブレイク・ラインが基板101の
溝部底面に形成された凹部104である。
体素子の製造方法は、ブレイク・ラインが基板201内
部に形成された加工変質部204である。
体素子の製造方法は、ダイヤモンドスクライバー、ダイ
サー、エッチング装置、レーザー加工機から選択される
少なくとも1種によって溝部103を形成するものであ
る。
体素子の製造方法は、溝部403は第1の主面側421
の予め基板401が露出された表面に形成されたもので
ある。 本発明の請求項7に記載された窒化物半導体素
子の製造方法は、溝部103の幅が10μm以上35μ
m以下であり、溝部103の深さが3.7μm以上10
0μm以下である。
化物半導体素子を製造する場合において半導体ウエハー
の特定箇所にレーザーを照射することにより、半導体特
性を損傷することなく量産性に優れた窒化物半導体素子
を製造することができることを見いだし本発明を成すに
到った。
インに沿って平坦に形成される理由は定かではないが溝
部形成に伴って溝部近傍に内部応力が生ずること及びそ
の内部応力とブレイクラインが切断端面形状に大きく関
係していると考えられる。
ーなどにより機械的に削りとられた溝部は、その溝部形
成時に内部応力が生ずる。特に、溝部の底面に沿ってダ
イヤモンドスクライバーによるスクライブ・ラインを形
成する工程においてはスクライバーの刃先にかかる加重
で溝部底以外にも広く歪みが増幅される。そのため、溝
部形成後にダイヤモンドスクライバーで分離させると半
導体ウエハー内に保持された応力によって所望通りの端
面が形成されず、より正確に窒化物半導体ウエハーが分
離できないと考えられる。
依存することなくレーザースクライバーにより分割に寄
与する局所的な応力を発生させる。これにより端面が綺
麗(平滑)であり量産性の良い窒化物半導体素子を製造
することができると考えられる。また、窒化物半導体素
子を分離されるためには半導体ウエハーの厚みが部分的
に薄い溝部を形成させる。その溝部よりも狭いブレイク
・ラインをレーザー照射により形成することで、極めて
細いブレイク・ラインを所望の深さまで深く形成するこ
とができ量産性の良い窒化物半導体素子を分離できるも
のである。以下、本発明の製造方法例について説明す
る。
e)となる構成の窒化物半導体層をスピネル基板上に形
成させた。具体的には、スピネル基板上に、GaNのバ
ッファー層、n型GaNのコンタクト層、n型AlGa
Nのクラッド層、n型GaNの光ガイド層、Siをドー
プしInの組成を変化させた多重量子井戸構造となるI
nGaNの活性層、p型AlGaNのキャップ層、p型
GaNの光ガイド層、p型AlGaNのクラッド層及び
p型GaNのコンタクト層が積層されている。この半導
体ウエハーのスピネル基板側をウエットエッチングによ
り半導体ウエハー表面に溝部を縦横に形成させる。CO
2レーザーを溝部の底面に照射してスピネル基板内部に
加工変質部としてブレイク・ラインを溝部に沿って縦横
に形成させた。ブレイク・ラインに沿ってローラーによ
る加圧により窒化物半導体素子として分離させる。分離
された窒化物半導体素子は何れも端面が綺麗に形成され
ている。以下、本発明の工程に用いられる装置などにつ
いて詳述する。
エハーとしては、基板上に窒化物半導体層が形成された
ものである。窒化物半導体の基板としては、サファイ
ア、スピネル、炭化珪素、酸化亜鉛や窒化ガリウム単結
晶など種々のものが挙げられるが量産性よく結晶性の良
い窒化物半導体層を形成させるためにはサファイア基
板、スピネル基板などが好適に用いられる。サファイア
基板などは劈開性がなく極めて硬いため本発明が特に有
効に働くこととなる。
0≦X、0≦Y、X+Y≦1)はMOCVD法やHVP
E法などにより種々形成することができる。窒化物半導
体にPN接合、PIN接合、MIS接合を形成させるこ
とにより半導体素子として利用することができる。半導
体の構造もホモ接合、ヘテロ接合やダブルへテロ接合な
ど種々選択することができる。また、半導体層を量子効
果が生じる程度の薄膜とした単一量子井戸構造や多重量
子井戸構造とすることもできる。
きく熱に強いことから紫外から赤色系まで発光可能な発
光ダイオード、DVDなどに利用可能な短波長レーザー
などの発光素子、光センサーや比較的高起電力を有する
太陽電池などの受光素子、耐熱性を持つトランジスター
など種々の半導体素子として利用することができる。
精度や出力により種々選択することができるがレーザー
により大きい溝(深い溝)を形成させる場合はダイサー
に比べて時間が掛かること及び長時間の加熱による部分
的な破壊などの観点からレーザー加工による溝部などを
大きく形成させすぎないことが好ましい。
に形成される溝部としては、歩留りよく所望の形、サイ
ズに量産性良く形成する観点から溝部の幅が35μm以
下が好ましく30μm以下がより好ましい。更に好まし
くは25μm以下である。下限については特に制限はな
いがダイサーで形成する場合、あまり薄くし過ぎると刃
先がぶれるため溝部を細くかつ深く形成しがたい傾向に
ある。したがって、10μm以上が好ましく、15μm
以上がより好ましい。さらに、好ましくは20μm以上
である。また、溝部の深さは半導体ウエハーの厚みにも
よるが量産性や分離のし易さから3.7μm以上が好ま
しく、より好ましくは4.5μm以上である。更に好ま
しくは5.2μm以上である。上限値は特に制限はない
が量産性を考慮して100μm以下であることが望まし
い。同様に、溝部が幅35μm以下深さ5.2μm以
上、より好ましくは幅30μm以下深さ4.5μm、更
に好ましくは幅25μm以下深さ3.7μm以上の範囲
においてはダイヤモンドスクライバーでは溝部に図6の
如く半導体ウエハーの分割に寄与するスクライブ・ライ
ンを形成することができないため本発明の効果が特に大
きい。
成する方法としては、ウエットエッチング、ドライエッ
チング、ダイサー、ダイヤモンドスクライバーやレーザ
ーの加工さらにはこれらの組合せにより形成することが
できる。しかしながら、ある程度の幅を持ち効率よく半
導体ウエハーの厚みを部分的に薄くさせるためにはダイ
サーを用いることが好ましい。特に、ダイサーを用いて
溝部を形成させた場合は、チップ状に分割した時の端面
の綺麗さ(平滑性)の差が顕著に出る傾向にある。即
ち、ダイサーを用いて溝部を形成させた後にレーザーを
用いて半導体ウエハーを分離したものと、ダイサーを用
いて溝部を形成させた後にダイヤモンドスクライバーに
より分離させたものとをそれぞれ比較するとレーザーに
より凹部を形成させたものの方が分離端面が綺麗に形成
される傾向にある。このような平滑性は、透光性絶縁層
であるサファイア基板を利用した光学設計をする場合に
は顕著な違いとなる場合がある。
を分離させる場合、切断端面を量産性良く切断させるた
めに窒化物半導体ウエハーの最も薄い分離部の厚みは1
00μm以下が好ましい。100μm以下だとチッピン
グなどが少なく比較的容易に分離することができる。ま
た、基板の厚さの下限は特に問わないが、あまり薄くす
ると半導体ウエハー自体が割れやすく量産性が悪くなる
ため30μm以上であることが好ましい。
量子井戸構造などの薄膜を含む場合、レーザー照射によ
る半導体接合や半導体層の損傷を防ぐ目的で予めレーザ
ーが照射される窒化物半導体層をエッチングなどにより
予め除去することもできる。
とする場合、基板で通常200から500μmの厚みが
あり、pn接合を持つ窒化物半導体層で数μmから数十
μmの厚みがある。したがって、半導体ウエハーのほと
んどが基板の厚みで占められることとなる。レーザーに
よる加工を行いやすくするために基板の厚みを研磨によ
り薄くすることができる。このような研磨は、窒化物半
導体を形成させてから薄くしても良いし薄く研磨した基
板上に窒化物半導体を形成させることもできる。
ウエハーは、その焦点となる照射部が選択的に飛翔する
或いは微視的なマイクロ・クロックの集合である加工変
質部になると考えられる。また、本発明のブレイク・ラ
インは半導体ウエハーの溝部表面を除去しても良いし基
板の溝部よりも内部側に加工変質部を形成させても良
い。さらに、本発明は溝部近傍に形成されたレーザー加
工によるブレイク・ラインに加えて半導体ウエハーの総
膜厚の中心をレーザー加工させても良い。
ーザー加工機としては、ブレイク・ラインとなる凹部、
加工変質部などが形成可能なものであればよい。具体的
には、YAGレーザー、CO2レーザーやエキシマ・レ
ーザーなどが好適に用いられる。特に、YAGレーザー
は熱の変質が少なくブレイク・ラインを形成することが
できる。また、CO2レーザーはパワーを挙げることが
できるため切断能力に優れる。
ーはレンズなどの光学系により所望により種々に焦点を
調節させることができる。したがって、レーザー照射に
より半導体ウエハーの任意の焦点に窒化物半導体を損傷
させることなく凹部、加工変質部などを形成させること
ができる。また、レーザーの照射面は、フィルターを通
すことなどにより真円状、楕円状や矩形状など所望の形
状に調節させることもできる。
形成にはレーザー照射装置自体を移動させても良いし照
射されるレーザーのみミラーなどで走査して形成させる
こともできる。さらには、半導体ウエハーを保持するス
テージを上下、左右、90度回転など種々駆動させるこ
とにより所望のブレイク・ラインを形成することもでき
る。以下、本発明の実施例について詳述するが実施例の
みに限定されるものでないことは言うまでもない。
たサファイアを基板101としてMOCVD法を利用し
て窒化物半導体を積層させ窒化物半導体ウエハーを形成
させた。窒化物半導体は基板を分割した後に発光素子1
10として働くよう多層膜として成膜させた。まず、5
10℃において原料ガスとしてNH3(アンモニア)ガ
ス、TMG(トリメチルガリウム)ガス及びキャリアガ
スである水素ガスを流すことにより厚さ約200オング
ストロームのバッファー層を形成させた。
装置の温度を1050℃に挙げ再びNH3(アンモニ
ア)ガス、TMGガス、ドーパントガスとしてSiH4
(シラン)ガス、キャリアガスとして水素ガスを流すこ
とによりn型コンタクト層として働く厚さ約4μmのG
aN層を形成させた。
反応装置の温度を800℃に保持し後、原料ガスとして
NH3(アンモニア)ガス、TMGガス、TMI(トリ
メチルインジウム)及びキャリアガスとして水素ガスを
流すことにより厚さ約3nmのアンドープInGaN層
を堆積させた。
料ガスの流入を停止し反応装置の温度を1050℃に保
持した後、原料ガスとしてNH3(アンモニア)ガス、
TMA(トリメチルアルミニウム)ガス、TMGガス、
ドーパントガスとしてCp2Mg(シクロペンタジエル
マグシウム)ガス及びキャリアガスとして、水素ガスを
流しp型クラッド層として厚さ約0.1μmのGaAl
N層を形成させた。
持し原料ガスとしてNH3(アンモニア)ガス、TMG
ガス、ドーパントガスとしてCp2Mgガス及びキャリ
アガスとして水素ガスを流しp型コンタクト層として厚
さ約0.5μmのGaN層を形成させた(なお、p型窒
化物半導体層は400℃以上でアニール処理してあ
る。)。
Etching)によって窒化物半導体表面側から溝部が形成
されるサファイア基板との境界面が露出するまでエッチ
ングさせ複数の島状窒化物半導体層が形成された半導体
ウエハーを用いる。なお、エッチング時にpn各半導体
が露出するようマスクを形成させエッチング後除去させ
てある。また、pn各半導体層には、電極120がスパ
ッタリング法により形成されている(図1(A))。
100のサファイア基板101を100μmまで研磨し
た後、半導体ウエハー100のサファイア基板面111
が上になるように水平方向に自由駆動可能なテーブル上
に真空チャックを用いて固定させた。ブレード回転数3
0,000rpm、切断速度3mm/secでステージ
を移動させることによりサファイア基板101の底面に
幅約30μm、深さ約15μmの溝を縦横に形成し溝部
103とさせる。溝部103は、窒化物半導体ウエハー
100のサファイア基板露出面側111から見るとエッ
チング面130と略平行に形成されておりそれぞれがそ
の後に窒化物半導体素子となる300μm角の大きさに
形成させてある(図1(B))。
ザー(356nm)が照射可能なYAGレーザー照射装
置と入れ替えた(不示図)。窒化物半導体ウエハー10
0の固定は維持したままレーザーの焦点を窒化物半導体
ウエハーの溝部103底面に結ばれるようレーザーの光
学系を調節させる。調節したレーザー光線を16J/c
m2で照射させながらステージを移動させることにより
溝部103の底面に沿って深さ約3μmの更なる溝とし
ての凹部104をブレイク・ラインとして形成する(図
1(C))。
示図)により荷重をかけ、窒化物半導体ウエハー100
を切断分離することができる。分離された窒化物半導体
素子110の端面はいずれもチッピングやクラックのな
い窒化物半導体素子を形成することができる(図1
(D))。
るLEDチップに電力を供給したところいずれも発光可
能であると共に切断端面にはクラックやチッピングが生
じているものはほとんどなかった。また、発生していた
チッピングも極めて小さいものであり、歩留りは98%
以上であった。
ーザーで行うため、ダイヤモンドスクライバーを利用し
たものと異なりカッターの消耗、劣化による加工精度の
バラツキ、刃先交換のために発生するコストを低減する
ことができる。製造歩留りを高め、形状のバラツキが低
減できる。特に、切り代を小さくし、半導体素子の採り
数を向上させることが可能となる。
における焦点深さをレーザーの光学系を調整させて深く
させた以外は実施例1と同様にしてブレイク・ラインを
形成させた。形成されたブレイク・ラインは基板201
の表面となる溝部203に凹部は形成されていないが基
板201内部に加工変質部として形成されている(図2
(C))。
でなく基板201内面に形成させても実施例1のLED
チップとほぼ同様の歩留りを形成することができる。
れたサファイアを基板301としてMOCVD法を利用
して窒化物半導体を積層させ窒化物半導体ウエハー30
0を形成させた。窒化物半導体は基板上に多層膜として
成膜させた。まず、510℃において原料ガスとしてN
H3(アンモニア)ガス、TMG(トリメチルガリウ
ム)ガス及びキャリアガスである水素ガスを流すことに
より厚さ約200オングストロームのバッファー層を形
成させた。
装置の温度を1050℃に挙げ再びNH3(アンモニ
ア)ガス、TMGガス、ドーパントガスとしてSiH4
(シラン)ガス、キャリアガスとして水素ガスを流すこ
とによりn型コンタクト層として働く厚さ約4μmのG
aN層を形成させた。
反応装置の温度を800℃に保持し後、原料ガスとして
NH3(アンモニア)ガス、TMGガス、TMI(トリ
メチルインジウム)及びキャリアガスとして水素ガスを
流すことにより厚さ約3nmのアンドープInGaN層
を堆積させた。
料ガスの流入を停止し反応装置の温度を1050℃に保
持した後、原料ガスとしてNH3(アンモニア)ガス、
TMA(トリメチルアルミニウム)ガス、TMGガス、
ドーパントガスとしてCp2Mg(シクロペンタジエル
マグシウム)ガス及びキャリアガスとして、水素ガスを
流しp型クラッド層として厚さ約0.1μmのGaAl
N層を形成させた。
持し原料ガスとしてNH3(アンモニア)ガス、TMG
ガス、ドーパントガスとしてCp2Mgガス及びキャリ
アガスとして水素ガスを流しp型コンタクト層として厚
さ約0.5μmのGaN層を形成させた(図3
(A))。(なお、p型窒化物半導体層は400℃以上
でアニール処理してある。)形成させた半導体ウエハー
300を窒化物半導体が形成された表面321を上にし
て水平方向に自由移動可能なステージ上に真空チャック
を用いて固定させた。ダイサー(不示図)によりブレー
ド回転数30,000rpm、切断速度3mm/sec
で窒化物半導体積層面側321から基板301まで半導
体ウエハー300の主面に縦横の溝部303を形成させ
る。ダイサーにより形成された溝部303は、幅25μ
mであり溝部303の底面と窒化物半導体が形成されて
いないサファイア基板露出面側311との間隔が、50
μmでほぼ均一になるように形成させる(図3
(B))。
ザー(356nm)が照射可能なYAGレーザー照射装
置と入れ替えた(不示図)。窒化物半導体ウエハー30
0の固定は維持したままレーザーの光学系を調節して形
成された溝部303底面に焦点が合うようにさせる。調
節したレーザー光線を16J/cm2で照射させながら
ステージを移動させることにより溝部303に沿って深
さ約3μmの凹部304をブレイク・ラインとして形成
する(図3(C))。
示図)により荷重を作用させ、窒化物半導体ウエハー3
00を切断分離することができる。分離された窒化物半
導体素子310の端面はいずれもチッピングやクラック
のほぼない窒化物半導体素子を形成することができる
(図3(D))。こうして形成された窒化物半導体の切
断端面にはクラックやチッピングが生じているものはほ
とんどなかった。
せた半導体ウエハー400のサファイア基板401をさ
らに80μmまで研磨して鏡面仕上げされている。この
半導体ウエハー400を窒化物半導体積層側421を上
にして実施例3と同様のステージ(不示図)に固定配置
させた(図4(A))。
エッチング面430に沿ってダイサーにより窒化物半導
体積層面側421から幅約25μm、深さ約10μmの
溝部403を形成させる(図4(B))。
ザー(356nm)が照射可能なYAGレーザー照射装
置と入れ替えた(不示図)。窒化物半導体ウエハー40
0の固定は維持したままレーザーの光学系を調節して形
成された溝部403底面に焦点が合うようにさせる。調
節したレーザー光線を16J/cm2で照射させながら
ステージを移動させることにより溝部403に沿って深
さ約3μmの凹部404をブレイク・ラインとして形成
する(図4(C))。
示図)により荷重を作用させ、窒化物半導体ウエハー4
00を切断分離することができる。分離された端面はい
ずれもチッピングやクラックのほとんどない窒化物半導
体素子410を形成することができる(図4(D))。
チップ410に通電させたところ何れも発光可能であ
り、その端面を調べたところチッピングやクラックが生
じているものはほとんどなかった。歩留りは98%以上
であった。
照射の代わりにエキシマ・レーザーを用いた以外は実施
例1と同様にして半導体ウエハーを分離してLEDチッ
プを形成させた。実施例1と同様、形成されたLEDチ
ップの分離端面はいずれも発光可能でありチッピングや
クラックのない綺麗な面を有している。
に沿ってダイヤモンドスクライバーにより繰り返し3回
スクライブした以外は実施例1と同様にして半導体ウエ
ハーを分離させた。比較例1の分離された窒化物半導体
素子は部分的にクラックやチッピングが生じていた。ま
た、図7の如き歪んだスクライブ・ラインが形成され約
75%の歩留りであった。
溝部を形成し、その溝部にレーザー照射によるブレイク
・ラインを形成する。これにより刃先消耗等による加工
精度の劣化を引き起こすことなく、より幅が狭くかつ深
い溝部に、加工バラツキのない高精度のブレイク・ライ
ン形成を可能にし、容易にかつ正確にブレイク・ライン
に沿って窒化物半導体素子を分割することが可能とな
る。そのため、形状の揃った製品供給、及び製品歩留り
の向上が可能となる。
に対して非接触でブレイク・ラインを形成することによ
り、従来のようなスクライブ・カッターの劣化、交換に
より発生していた加工コストの低減が可能となる。
部を、あらかじめ窒化物半導体が除去された半導体ウエ
ハーに形成することで、溝部形成による半導体への損傷
がなく信頼性の高い素子を製造することが可能となる。
射により形成することで、より幅の狭い溝部を形成する
ことですむ。このため半導体ウエハーからの窒化物半導
体素子の採り数を向上させることが可能となる。
ハーの分離方法を示した模式的部分断面図である。
ハーの分離方法を示した模式的部分断面図である。
ハーの分離方法を示した模式的部分断面図である。
ハーの分離方法を示した模式的部分断面図である。
体ウエハーの切断方法を示した模式的部分断面図であ
る。
スクライバーにより切断する時の模式的部分断面図であ
る。
体ウエハーのスクライブライン形成時に生じる歪みを示
した模式的部分平面図である。
ウエハー 101、201、301、401・・・基板 102、202、402・・・島状窒化物半導体 103、203、303、403・・・基板表面に形成
された溝部 104、304、404・・・溝部底面に形成した凹部
によるブレイク・ライン 204・・・基板内部に形成した加工変質部によるブレ
イク・ライン 302・・・窒化物半導体 110、210、310、410・・・窒化物半導体素
子 111、311、411・・・基板露出面側 120、220、420・・・電極 121、321、421・・・窒化物半導体積層側 130、430・・・エッチング面 500、600・・・半導体ウエハー 501・・・基板 502・・・窒化物半導体層 503、603・・・サファイア基板に形成した溝部 504、604・・・溝部底面に形成したスクライブ・
ライン 510・・・窒化物半導体素子 601・・・ダイヤモンドスクライバーの刃先 703・・・正常に形成されたスクライブ・ライン 704・・・歪んで形成されたスクライブ・ライン
Claims (6)
- 【請求項1】基板(101)上に窒化物半導体(102)が形成さ
れた半導体ウエハー(100)を窒化物半導体素子(110)に分
割する窒化物半導体素子の製造方法であって、 前記半導体ウエハー(100)は第1及び第2の主面を有し
該第1の主面側から基板を露出させて島状窒化物半導体
を形成する工程と、少なくとも該第1の主面側及び/又
は第2の主面側の基板(101)に溝部(103)を形成する工程
と、 該溝部(103)にブレイク・ライン(104)をレーザー照射に
より形成する工程と、 前記ブレイク・ライン(104)に沿って半導体ウエハーを
分離する工程とを有することを特徴とする窒化物半導体
素子の製造方法。 - 【請求項2】前記第1の主面(121)は基板(101)上の一方
にのみ窒化物半導体が形成された半導体ウエハー(100)
の窒化物半導体積層側であり、前記第2の主面(111)は
半導体ウエハーを介して対向する基板露出面側である請
求項1記載に記載された窒化物半導体素子の製造方法。 - 【請求項3】前記ブレイク・ラインは基板(101)の溝部
底面に形成された凹部(104)である請求項1に記載され
た窒化物半導体素子の製造方法。 - 【請求項4】前記ブレイク・ラインは基板(201)内部に
形成された加工変質部(204)である請求項1に記載され
た窒化物半導体素子の製造方法。 - 【請求項5】ダイヤモンドスクライバー、ダイサー、エ
ッチング装置、レーザー加工機から選択される少なくと
も1種によって前記溝部(103)を形成する請求項1に記
載の窒化物半導体素子の製造方法。 - 【請求項6】前記溝部(103)の幅が10μm以上35μ
m以下であり、前記溝部(103)の深さが3.7μm以上
100μm以下である請求項1に記載の窒化物半導体素
子の製造方法。
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