JP2003217549A - 密閉型電池とその製造方法 - Google Patents

密閉型電池とその製造方法

Info

Publication number
JP2003217549A
JP2003217549A JP2002010683A JP2002010683A JP2003217549A JP 2003217549 A JP2003217549 A JP 2003217549A JP 2002010683 A JP2002010683 A JP 2002010683A JP 2002010683 A JP2002010683 A JP 2002010683A JP 2003217549 A JP2003217549 A JP 2003217549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
sealed
gas permeable
sealed battery
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002010683A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisayasu Mitsui
久安 三井
Kazuo Kobayashi
一雄 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
A&T Battery Corp
AT Battery KK
Original Assignee
Toshiba Corp
A&T Battery Corp
AT Battery KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, A&T Battery Corp, AT Battery KK filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2002010683A priority Critical patent/JP2003217549A/ja
Publication of JP2003217549A publication Critical patent/JP2003217549A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Gas Exhaust Devices For Batteries (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初充電時の膨らみが起こりづらい密閉型電池
とその製造方法を提供する。 【解決手段】 正極3aと負極3bとセパレータ3cか
ら成る発電要素3が、非水電解液と一緒に、上部が開口
する外装缶1の中に収容され、外装缶1の上部開口は蓋
体6で密閉されている密閉型電池において、蓋体6に
は、初充電時における電池内での発生ガスを電池外へ逃
散させるガス透過膜11が取り付けられ、かつこのガス
透過膜11は封止材12で封止されて外気と遮断されて
いる密閉型電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は密閉型電池とその製
造方法に関し、更に詳しくは、外装缶の膨らみが小さい
ので全体形状は薄形化しており、また放電容量と体積エ
ネルギー密度も大きい密閉型電池と、それを製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やパソコンなどの各種電
子機器の進歩に伴い、それらの電源である二次電池に対
しては、小型化、薄形化、軽量化、大容量化、高機能
化、そして低価格化ということが絶えず要求されてい
る。このような要求に対し、例えば角形電池の分野にお
いては、従来から、正極とセパレータと負極とから成る
発電要素のうち、例えば正極や負極を構成する活物質材
料としてエネルギー密度のより高いものを選択したり、
セパレータを薄くして単位体積当たりの発電要素の容量
を高めたり、また、外装缶の構成材料をFeからより軽
量なAlに代えたり、更には、金属製の外装缶に代えて
樹脂フィルムとAl箔との積層フィルムを用い、この積
層フィルムで発電要素を封入するなどの対応策が採られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、組立直後の
電池は未充電状態にあるため、この電池に対しては初充
電が行われる。そして、初充電時にはガスが発生して電
池内圧が上昇したり、また活物質が膨張して発電要素が
撚れたりする。そのため、初充電後の電池は膨らんでい
て所望する厚みにならないという問題が発生している。
【0004】とくに、軽量化、小型化、薄形化を追求し
て上記したような対応策を講じた密閉型電池の場合は、
初充電時の発生ガス量も多く、電池内部の自由空間も減
少しており、また外装缶の構成材料が低弾性の変形しや
すい材料になっているため、初充電時における電池の膨
らみが顕著に発現するという傾向を示す。このような問
題の発生を抑制するためには、例えば外装缶の厚みを厚
くして電池内圧の上昇に対する耐性を高めればよいが、
そのような対応策は、電池の大型化や重量増を招き、ま
た体積エネルギー密度の低下も招くので採用するわけに
はいかない。
【0005】本発明は、初充電時における電池の膨らみ
が起こりづらいように設計されているので、全体形状が
薄形化しており、しかも放電容量と体積エネルギー密度
も大きい密閉型電池とその製造方法の提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、正極と負極とセパレータか
ら成る発電要素が、非水電解液と一緒に、上部が開口す
る外装缶の中に収容され、前記外装缶の上部開口は蓋体
で密閉されている密閉型電池において、前記蓋体には、
初充電時における電池内での発生ガスを電池外へ逃散さ
せるガス透過膜が取り付けられ、かつ前記ガス透過膜は
封止材で封止されて外気と遮断されていることを特徴と
する密閉型電池が提供される。
【0007】また、本発明においては、正極と負極とセ
パレータから成る発電要素を、上部が開口する外装缶の
中に収容し、前記外装缶の上部開口を、電解液の注液孔
とガス透過膜とを有する蓋体で密閉したのち、前記注液
孔から非水電解液を注液し、前記注液孔を栓体で密閉し
たのち初充電を行い、最後に、前記ガス透過膜を封止材
で封止することを特徴とする密閉型電池の製造方法が提
供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に則し、角形密閉Li
イオン二次電池を例にして本発明の密閉型電池とその製
造方法について説明する。図1は、完成された本発明の
密閉型電池を示す一部切欠斜視図である。まず、有底の
矩形形状をなし、上部が開口する外装缶1の底部内面に
は絶縁フィルム2が配置され、その上に、正極3aと負
極3bとセパレータ3cから成る発電要素3が配置され
ることにより、外装缶1の中には、発電要素3と非水電
解液(図示しない)が収容されている。
【0009】なお、外装缶1はAl製であり、また正極
端子も兼ね、更に底部には防爆用の溝が形成されてい
る。ここで、発電要素3は次のようにして製造されたも
のである。まず、厚みがμmオーダの金属箔から成る集
電体の表面に、正極活物質のスラリーが塗着されている
シート状の正極と、同じく集電体の表面に負極活物質が
塗着されていて、かつ前記集電体に外部(負極)端子が
接続されているシート状の負極を用意し、これら正極と
負極の間にセパレータを介装したのち正極を外側にして
円柱状に巻回する。ついで、その円柱体を径方向に押し
つぶして扁平形状にして発電要素とする。
【0010】外装缶1の中に収容された発電要素3の上
には、例えば樹脂材料から成る電気絶縁性のスペーサ4
が配置されている。このスペーサ4の中心部付近には、
上下に貫通する孔が形成されていて、この孔から、発電
要素3の負極3bとリード5aを介して接続された負極
端子5bが突出している。上記したスペーサ4の上には
例えばAl製の蓋体6が配置され、この蓋体6の周囲は
外装缶1の上部開口の縁部と例えばレーザ溶接で気密に
接合されている。
【0011】この蓋体6は本発明の要部をなす部材であ
って、図2で示したように、中心部付近には前記した負
極端子5bを取り出すための開口6aが形成されてお
り、また他の箇所には、後述する非水電解液の注液孔6
bが形成されており、更には、同じく後述するガス透過
膜を取り付けるための開口6cが形成されている。再
び、図1に戻ると、蓋体6の前記注液孔6bには例えば
ゴム弾性体から成る栓体7が挿入されて当該注液孔6b
を密閉しており、更にこの栓体7を覆って封止材8が蓋
体6に溶接されている。
【0012】また、開口6aから突出する負極端子5b
は、ガラス製または樹脂製の絶縁体9を介して蓋体6の
開口6aとハーメチックシールされている。そして、蓋
体6の開口6cには、弾性体10を介して後述するガス
透過膜11が取り付けられ、その上面は封止材12で覆
われ、封止材12と蓋体6は例えば溶接されることによ
り、全体として気密構造が形成されている。
【0013】このように、電池の内部は、栓体7による
注液孔6bの封止、負極端子5bと開口6aのハーメチ
ックシールによる封止、更に封止材12を用いたガス透
過膜11の封止、そして蓋体6の周囲と外装缶1の上部
開口縁部との溶接による封止によって、外気と遮断され
ている。なお、図1で示した電池は、上記したような構
成の密閉型電池に対して、更に、蓋体6の上には絶縁紙
13aが配置され、外装缶1の底面にはスリット13c
を有する下部絶縁紙13bが配置され、外装缶1の底面
と下部絶縁紙13bの間には、2つ折りされたPTC素
子14の一方の部分が介装され、PTC素子14の他方
の部分はスリット13cから外部に延出し、そしてこれ
ら絶縁紙13a,13bおよびPTC素子14は、熱収
縮チューブから成る外装チューブ15で外装缶1に固定
された構造になっている。
【0014】この密閉型電池は次のようにして製造され
る。まず、所定の寸法形状をした有底角形の外装缶1を
用意し、その底部内面に絶縁フィルム2を配置する。一
方、次のようにして発電要素3を製造する。まず、例え
ばAl箔から成る集電体の両面または片面に、正極活物
質と結着剤と非水溶媒とを混合して成るスラリーを集電
体の表面に層状に塗布したのち非水溶媒を揮散せしめ、
更に全体に例えばロールプレスによる加圧成形を行って
正極を製造する。
【0015】ここで、正極活物質としては、エネルギー
密度が高いLi複合酸化物が好適である。例えば、Li
CoO2,LiNiO2,LixNiyCo1-y2(ただ
し、x,yは電池の充電状態で異なるが、通常、0<x
<1,0.7<y<1を満たす数である)、LixCoy
Snz2(ただし、x,y,zは、それぞれ、0.05
≦x≦1.10,0.85≦y≦1.00,0.001≦z
≦0.10を満たす数である)などをあげることができ
る。
【0016】これらのうち、とくにLixCoySnz2
は好適である。この材料粉末は粒径が小さく、かつ均一
であり、活物質として用いたとき、その電池のサイクル
寿命特性が優れたものになるからである。なお、この化
合物において、指数zが0.001より小さいものは粒
径制御が困難になり、指数zが0.10より大きいもの
は容量低下をきたすので、指数zは上記範囲に設定され
る。
【0017】このようなLi複合酸化物は、Liの炭酸
塩,硝酸塩,酸化物または水酸化物と、Co,Mnもし
くはNiなどの炭酸塩,硝酸塩,酸化物,水酸化物を所
定の割合で混合・粉砕し、得られた混合粉末を、酸素雰
囲気中において温度600〜1000℃で焼成して製造
することができる。結着剤としては、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF),エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体(EPDM),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)
などを用いることができる。
【0018】これら材料で調製したスラリーに、更に、
例えばカーボンブラックや黒鉛のような導電材を適量添
加すると、活物質層の導電性が向上して利用率の向上が
もたらされる。非水溶媒としては、例えば、N−メチル
ピロリドン,酢酸エステル類,エチルセロソルブなどを
あげることができる。
【0019】次に、正極の場合と同様に、集電体の両面
または片面に負極活物質のスラリー塗着によって負極を
製造する。その場合、集電体としては、例えばCuやN
iのシートやメッシュが用いられる。また負極活物質と
しては、Liイオンの吸蔵と脱離が可能であるものであ
れば何であってもよいが、例えば、黒鉛,石油コークス
やピッチコークスやニードルコークスなどのコークス
類,熱分解炭素,フェノール樹脂などの有機高分子材料
の炭化物,金属Li,ポリアセチレン,ポリピロールな
どをあげることができる。
【0020】また、結着剤としては、正極用のスラリー
で用いる前記した種類の結着剤の外に、更にカルボキシ
メチルセルロースも好適である。正極と負極の間に介装
されるセパレータとしては、例えば、ポリエチレン,ポ
リプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレ
ン−ブテン共重合体などから成る微多孔性膜や、これら
材料の繊維から成る織布や不織布をあげることができ
る。
【0021】発電要素の製造に際しては、まず、上記し
た正極と第1のセパレータと負極と更に第2のセパレー
タとを重ね合わせ、その積層シート状物を、例えば負極
側に芯材を配置したのち正極を外側にして渦巻状に巻回
したのち芯材を抜き取り、円筒状物を製造する。なお、
この巻回に先立ち、正極や負極の活物質層を一部除去し
て集電体の表面を表出せしめ、それぞれの集電体にリー
ド片状の外部端子を例えば溶接法で接続する。
【0022】ついで、上記した円筒状物を加熱しながら
径方向に加圧して扁平形状に成形して所望する厚みを有
し、前記した外部端子が一方の巻回断面から同一方向に
延在している発電要素にする。このようにして製造され
た発電要素3を外装缶1の上部開口から挿入して絶縁フ
ィルム2の上に配置し、リード5aを介して負極端子5
bを取り付ける。
【0023】そして、図4で示したように、発電要素3
の上にスペーサ4を配置したのち、外装缶1の上部開口
に蓋体6を配置し、両者を例えばレーザ溶接して気密に
接合し、同時に、負極端子5bと開口6aをハーメチッ
クシールする。ここで、蓋体6における開口6cは、図
4で示したように、段差形状になっている。そして、こ
の開口6cの中には、開口6cより若干大径の弾性体1
0が挿入され、この弾性体10の中心孔にはガス透過膜
11が取り付けられている。
【0024】このガス透過膜11としては、後述する非
水電解液に対する耐食性を有するとともに、後述する初
充電時に発生するガス、例えば、水素、炭酸ガス、一酸
化炭素、低級炭化水素などは透過するが、水分は不透過
であるという性質を備えているものが用いられる。具体
的には、ゼオライト膜;アルミナ,ジルコニア,シリ
カ,ムライト,コージェライト、チタニアのような無機
酸化物の微粒子を焼結した膜;シリコーンゴム,シリコ
ーン樹脂,シリコーンオイルを好適例とする有機高分子
材料の膜;黒鉛を好適例とする炭素質物の膜;PdやP
d系合金の膜をあげることができる。
【0025】このガス透過膜11は、初充電時に電池内
で発生するガスを電池外へ逃散させ、そのことにより、
電池内圧の上昇を抑制して外装缶1の膨らみを防止する
ために設けられる。そして、初充電時におけるガスの発
生時間は、充電レートに依存するが、概ね、1〜100
分程度であるため、この時間内で発生ガスを電池外へ逃
散させることができる程度のガス透過性を備えた多孔質
膜であることが好ましい。具体的には、水素に対して1
0×10-7mol/(m2/s/Pa)〜1000×10-7mo
l/(m2/s/Pa)程度のガス透過率を示すものである
ことが好ましい。
【0026】蓋体6を外装缶1の上部開口に溶接したの
ち、外装缶1の中を、一旦、減圧脱気し、ついで注液孔
6bから非水電解液を外装缶1の中に注液する。注液す
る非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解したものであ
るが、電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(Li
ClO4),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4),六
フッ化リン酸リチウム(LiPF6),六フッ化ヒ素酸
リチウム(LiAsF6),トリフルオロメタンスルホ
ン酸リチウム(LiCF3SO3),LiN(CF3
2)2,リチウムビス[5−フルオロ−2オラト−1−
ベンゼン−スルホナト(2−)]ボレートなどをあげる
ことができる。
【0027】また、非水溶媒としては、例えばγ−ブチ
ロラクトン,エチレンカーボネート,プロピレンカーボ
ネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネ
ート,1,2−ジメトキシエタン,1,2−ジエトキシ
エタン,テトラヒドロフラン,1,3−ジオキソラン,
メチルスルホラン,アセトニトリル,プロピルニトリ
ル,アニソール,酢酸エステル,プロピオン酸エステル
などを用いることができる。これらは単独で用いてもよ
く、2種類を混合して用いてもよい。
【0028】これら非水溶媒に、例えばトリオクチルフ
ォスフェート(TOP)やジ−n−ブチルカーボネート
(DNBC)のような界面活性剤を添加すると、得られ
た非水電解液のセパレータに対する濡れ性が向上して好
適である。なお、非水電解液における電解質濃度は0.
5mol/L以上であることが好ましい。
【0029】また、非水電解液として、エチレンカーボ
ネート(EC)とγ−ブチロラクトン(γ−BL)の混
合物を非水溶媒とし、四フッ化ホウ酸リチウム(LiB
4)を電解質とするものを用いると、減圧脱気時の真
空度を高めても、蒸発が起こりにくく、泡立ちも少ない
ので、電池製造が容易になる。その場合、ECはγ−B
Lに比べて粘度が高く、低温下での容量が小さいので、
混合物におけるEC比率が高いほど製造した薄形電池の
低温特性は劣化しやすい。逆に、γ−BLの場合は、そ
の比率が高いほど低温特性は良好となり、またγ−BL
は高温で負極(炭素)と反応しやすいので、製造した電
池は高温下における容量低下が大きくなる。
【0030】このようなことから、ECとγ−BLの非
水溶媒を用いる場合には、EC/γ−BL比(体積比)
は2/1〜1/5にすることが好ましい。また、LiB
4の添加量は、非水溶媒の総量に対し、0.75〜2mo
l/Lにすることが好ましい。0.75mol/Lより少な
くすると、所望容量の薄形電池の製造が困難となり、2
mol/Lより多くすると、電池のサイクル寿命特性の劣
化を招きやすく、しかも非水電解液が高価なものになる
からである。
【0031】非水電解液の注液終了後、注液孔6bに、
例えばゴム弾性を有し、注液孔6bより若干大径の栓体
7を挿入して当該注液孔6bを封止する。用いる栓体7
としては、非水電解液に対する耐食性を備えるととも
に、引張弾性率が400kgf/mm2以下であって、硬度が
国際硬さ単位(JIS K6301測定)において60
〜90度である材料のものが好ましい。具体的には、エ
チレンプロピレンゴム、シリコーン樹脂、フッ素樹脂か
ら成る栓体をあげることができる。
【0032】ついで、この栓体7を覆って例えばAl製
の板材である封止材8を配置し、この封止材8と蓋体6
をレーザ溶接によりシーム接合またはスポット溶接して
注液孔6bを確実に塞ぐ。シーム接合を行う場合には、
図5で示したように、レーザ溶接の始点aから終点bに
至る溶接軌跡c(図では円形の軌跡)が注液孔を囲み、
そして始点aと終点bが上記閉ループの軌跡の外側に位
置するように行うことが好ましい。
【0033】このように電池を組み立てたのち、初充電
を行う。このときの発生ガスはガス透過膜11から電池
外へ逃散していく。そしてガス透過膜11があるため、
電池内の非水電解液が電池外へ漏出することはない。そ
の結果、電池内圧の極端な上昇は起こらず、外装缶の塑
性変形(膨らみ)は起こらない。
【0034】その後、しばらく放置して電池内の発生ガ
スを逃散させ続け、外装缶1が塑性変形を起こさないレ
ベルの内圧状態にしたのち、図3で示したように、例え
ばAl製の封止材12をガス透過膜11の上に配置し、
この封止材12と蓋体6を溶接して当該ガス透過膜を封
止する。また、上記した方法の外に、例えばガス透過膜
11の上に樹脂材料を塗着したのちそれを硬化して、ガ
スを透過しない樹脂膜でガス透過膜を封止してもよい。
【0035】このようにして製造される本発明の密閉型
電池は、初充電時に発生するガスはガス透過膜から電池
外へ逃散していくので、電池内圧の上昇は起こりにく
く、そのため、外装缶の膨らみは抑制される。したがっ
て、本発明の密閉型電池では、外装缶を肉厚の薄い材料
で製造して、電池の内容積を大きくすることができる。
そのため、従来に比べて高い体積エネルギー密度を実現
することができる。
【0036】例えば、高さ48mm,幅30mm,厚み5.
5mmの規格寸法の電池を本発明方法で製造し、また、比
較のために、ガス透過膜を備えていない従来の電池を製
造し、両者に初充電を行ったところ、次のような結果が
得られた。本発明の電池の場合、厚みは5.1mmであ
り、比較例電池の場合は5.6mmになった。また、放電
容量は、本発明の電池の場合は618mAh、比較例電池
の場合は609mAhであった。更に、体積エネルギー密
度は、本発明の電池の場合が279.1W/cc、比較例
電池の場合が250.5W/ccであった。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
密閉型電池は、電池の膨らみが起こりづらく、また放電
容量と体積エネルギー密度も大きくなっている。これ
は、蓋体にガス透過膜を取り付けることにより、初充電
時の発生ガスを電池外に逃散させて電池内圧の上昇を抑
制できる構造になっているからである。
【0038】したがって、本発明によれば、容量は確保
した上で、従来に比べて一層薄形の密閉型電池を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉型電池の1例を示す一部切欠斜視
図である。
【図2】本発明の密閉型電池で用いる蓋体を示す斜視図
である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】外装缶に蓋体を配置する状態を示す側面図であ
る。
【図5】注液孔を封止する状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 外装缶 2 絶縁フィルム 3 発電要素 3a 正極 3b 負極 3c セパレータ 4 スペーサ 5a リード 5b 負極端子 6 蓋体 6a 開口 6b 注液孔 6c ガス透過膜を取り付ける開口 7 栓体 8 封止材 9 絶縁体 10 弾性体 11 ガス透過膜 12 封止材 13a,13b 絶縁紙 14 PTC素子 15 外装チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 一雄 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5H012 AA01 AA07 BB04 CC00 DD01 EE01 EE03 EE04 5H029 AJ14 AJ15 AK03 AL06 AL12 AL16 AM03 AM04 AM05 BJ02 BJ27 CJ16 EJ04 EJ12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極とセパレータから成る発電要
    素が、非水電解液と一緒に、上部が開口する外装缶の中
    に収容され、前記外装缶の上部開口は蓋体で密閉されて
    いる密閉型電池において、 前記蓋体には、初充電時における電池内での発生ガスを
    電池外へ逃散させるガス透過膜が取り付けられ、かつ前
    記ガス透過膜は封止材で封止されて外気と遮断されてい
    ることを特徴とする密閉型電池。
  2. 【請求項2】 前記ガス透過膜が、多孔質体である請求
    項1の密閉型電池。
  3. 【請求項3】 前記ガス透過膜が、ゼオライト、無機酸
    化物微粒子、有機高分子材料、炭素質物、またはPd単
    体もしくはPd系合金のいずれかで構成されている請求
    項1または2の密閉型電池。
  4. 【請求項4】 正極と負極とセパレータから成る発電要
    素を、上部が開口する外装缶の中に収容し、 前記外装缶の上部開口を、電解液の注液孔とガス透過膜
    とを有する蓋体で密閉したのち、前記注液孔から非水電
    解液を注液し、 前記注液孔を栓体で密閉したのち初充電を行い、 最後に、前記ガス透過膜を封止材で封止することを特徴
    とする密閉型電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記封止材が金属板であり、その金属板
    と前記蓋体とを溶接して前記ガス透過膜の封止が行われ
    る請求項4の密閉型電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記封止材が樹脂材料であり、その樹脂
    材料を前記ガス透過膜に塗着して封止が行われる請求項
    4の密閉型電池の製造方法。
JP2002010683A 2002-01-18 2002-01-18 密閉型電池とその製造方法 Pending JP2003217549A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010683A JP2003217549A (ja) 2002-01-18 2002-01-18 密閉型電池とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010683A JP2003217549A (ja) 2002-01-18 2002-01-18 密閉型電池とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003217549A true JP2003217549A (ja) 2003-07-31

Family

ID=27648359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002010683A Pending JP2003217549A (ja) 2002-01-18 2002-01-18 密閉型電池とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003217549A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006302809A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電池内圧自動調整機構を備えた非水電解質二次電池
WO2011122814A2 (ko) * 2010-03-30 2011-10-06 킴스테크날리지 주식회사 가스투과막이 설치된 전기화학셀
JP2012190768A (ja) * 2011-02-25 2012-10-04 Kurita Water Ind Ltd 二次電池のガス噴出防止材、ガス噴出防止システムおよびこれを用いた二次電池システム
KR101296253B1 (ko) * 2012-06-14 2013-08-13 킴스테크날리지 주식회사 가스투과막이 설치된 전기화학셀
US20170229693A1 (en) * 2014-08-20 2017-08-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Secondary battery
JP2017143068A (ja) * 2014-06-16 2017-08-17 日東電工株式会社 水素排出方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006302809A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電池内圧自動調整機構を備えた非水電解質二次電池
WO2011122814A2 (ko) * 2010-03-30 2011-10-06 킴스테크날리지 주식회사 가스투과막이 설치된 전기화학셀
WO2011122814A3 (ko) * 2010-03-30 2012-03-08 킴스테크날리지 주식회사 가스투과막이 설치된 전기화학셀
JP2012190768A (ja) * 2011-02-25 2012-10-04 Kurita Water Ind Ltd 二次電池のガス噴出防止材、ガス噴出防止システムおよびこれを用いた二次電池システム
KR101296253B1 (ko) * 2012-06-14 2013-08-13 킴스테크날리지 주식회사 가스투과막이 설치된 전기화학셀
JP2017143068A (ja) * 2014-06-16 2017-08-17 日東電工株式会社 水素排出方法
US10439185B2 (en) 2014-06-16 2019-10-08 Nitto Denko Corporation Hydrogen-releasing film
US20170229693A1 (en) * 2014-08-20 2017-08-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Secondary battery
US10411232B2 (en) * 2014-08-20 2019-09-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Secondary battery

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6800397B2 (en) Non-aqueous electrolyte secondary battery and process for the preparation thereof
JP4470124B2 (ja) 電池
JP3683181B2 (ja) リチウム二次電池
JP3822445B2 (ja) 電気化学デバイス
US20120328917A1 (en) Secondary battery and method for producing same
JP2006294282A (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法
JP4649113B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4383781B2 (ja) 電池の製造方法
JP4412610B2 (ja) リチウム二次電池
JPH11307131A (ja) シート型リチウムイオン二次電池
JP4880811B2 (ja) 電池の製造方法
JP2003217549A (ja) 密閉型電池とその製造方法
KR101877601B1 (ko) 신규한 구조의 캡 어셈블리 및 이를 포함하는 원통형 전지
JP4599070B2 (ja) 非水電解質二次電池
JPH06251758A (ja) 高容量円筒形電池
JP2002231196A (ja) 薄形電池の製造方法
JP2000357536A (ja) 非水電解質電池
JP2001297736A (ja) 非水電解液二次電池
JP2005032688A (ja) 非水電解質二次電池
JP2003217671A (ja) 密閉型電池の製造方法と密閉型電池のシール性評価方法
JPH1074538A (ja) リチウムイオン二次電池
JP4018881B2 (ja) 電気化学デバイス
JP4599051B2 (ja) 角形非水電解質二次電池
JP4559763B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JPWO2018154841A1 (ja) コイン形電池