JP2003213253A - 蛍光体ペースト組成物 - Google Patents

蛍光体ペースト組成物

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JP2003213253A
JP2003213253A JP2002360654A JP2002360654A JP2003213253A JP 2003213253 A JP2003213253 A JP 2003213253A JP 2002360654 A JP2002360654 A JP 2002360654A JP 2002360654 A JP2002360654 A JP 2002360654A JP 2003213253 A JP2003213253 A JP 2003213253A
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ラージ・ピー・シン
Robert G Mendenhall
ロバート・ジー・メンデンホール
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ダイアン・シー・シーモー
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    • C09K11/7797—Borates

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、有機ペースト成分の燃え切
りに起因するＰＤＰ蛍光体の輝度の減少を最小にするこ
とである。 【解決手段】 溶剤、結合剤、ステアリン酸を含む少な
くとも１種の分散剤及び可塑剤を含む有機ペーストに分
散された蛍光体からなるプラズマディスプレイパネル
（ＰＤＰ）用蛍光体ペースト組成物が提供される。この
ペースト組成物は、非常に安定であり且つ好ましいスク
リーン印刷特性を有する。さらに、このペースト中に含
有された蛍光体は、結合剤燃え切り後にその初期の輝度
の高いパーセンテージを保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル（ＰＤＰ）の製造に使用される蛍光体ペース
トに関する。より詳しくは、本発明は、結合剤の燃え切
り後の蛍光体の輝度を保持することに関する。
【０００２】
【従来の技術】家庭用娯楽機器及びコンピューター用途
のためのプラズマディスプレイパネルにとって見込みの
ある巨大な市場が存在する。これらの市場で成功するた
めには、プラズマディスプレイパネルが標準的なブラウ
ン管（ＣＲＴ）の性能を満たし又は上回らなければなら
ない。ブラウン管と同様に、プラズマディスプレイパネ
ルの性能は、ディスプレイを構成する蛍光体の性能及び
それらの適用方法に集中している。
【０００３】ＰＤＰパネルの製造では、蛍光体は、赤
色、緑色及び／又は青色発光蛍光体を含有するペースト
のスクリーン印刷パターンによって内部パネル表面に適
用される。典型的なＰＤＰ蛍光体には、赤色発光（Ｙ、
Ｇｄ）ＢＯ3：Ｅｕ蛍光体、青色発光ＢａＭｇＡｌ14Ｏ
23：Ｅｕ2+蛍光体及び緑色発光Ｚｎ2ＳｉＯ4：Ｍｎ蛍光
体が含まれる。粘性、印刷の厚さ、チキソトロピー、表
面張力及び結合剤の燃え切りのようなペースト特性が蛍
光体を含有するペーストのスクリーン印刷能力及びプラ
ズマディスプレイパネルの全体にわたる品質に影響を及
ぼす。蛍光体に加えて、ＰＤＰペースト組成物には、結
合剤、有機溶剤、分散剤及び可塑剤が典型的に含まれ
る。蛍光体は、一般的に、ペースト当たり約３５〜約６
５重量％含まれる。先行技術の結合剤には、エチルセル
ロース及びポリメタクリル酸メチルが含まれる。ペース
ト中の結合剤の量は、約０．５〜約１０重量％まで変化
し得る。分散剤は、ペーストの安定性のために、即ち、
ペースト中の蛍光体粒子の均質な懸濁を固形物を分離さ
せることなく長期間にわたって維持するために重要であ
る。ＰＤＰペーストのために要求される典型的な粘度
は、約３０，０００〜６０，０００センチポアズの範囲
にわたる。
【０００４】ペーストは、パネルの製造中に蛍光体の輝
度に及ぼすいかなる悪影響も最小にするように処方すべ
きである。特に、ペーストの有機成分は、パネルの製造
中にパネルを酸素含有雰囲気下で約１〜２時間にわたっ
て約５００℃に加熱することによって燃え切る。この燃
え切り工程は、ＰＤＰ蛍光体の輝度にかなり強い影響を
与え得る。特に、活性剤イオンを含有する蛍光体（例え
ば、ＢａＭｇＡｌ14Ｏ 23：Ｅｕ2+）は酸化を受けやす
い。この青色発光ＰＤＰ蛍光体についての典型的な輝度
損失は、燃え切り後に２０％以上である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
ペースト成分の燃え切りに起因するＰＤＰ蛍光体の輝度
の減少を最小にすることである。
【０００６】本発明の別の目的は、プラズマディスプレ
イパネルのスクリーン印刷に使用できるペーストを提供
することである。
【０００７】本発明のさらに別の目的は、ペーストの安
定性を改善させた青色、赤色及び緑色ＰＤＰ蛍光体のペ
ーストを提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の目的に従って、
溶剤、結合剤、ステアリン酸を含む少なくとも１種の分
散剤及び可塑剤を含む有機ペースト中に分散した蛍光体
からなるプラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト
が提供される。
【０００９】本発明の別の目的に従って、結合剤及びス
テアリン酸を含有する有機ペースト中に分散した蛍光体
からなり、該蛍光体が、その結合剤が燃え切った後にそ
の初期の輝度の少なくとも約９０％を保持するプラズマ
ディスプレイパネル用蛍光体ペーストが提供される。
【００１０】
【発明の実施の形態】一般に、本発明のＰＤＰ蛍光体ペ
ーストは、結合剤、溶剤、可塑剤及び少なくとも１種の
分散剤（この分散剤の少なくとも１種はステアリン酸で
ある）を含む有機混合物中に蛍光体粉末の分散体を形成
させることによって作られる。ステアリン酸分散剤は、
ＰＤＰペースト組成物の安定性及び輝度保持性を改善す
るのに重要な成分であること分かった。ステアリン酸が
ポリビニルブチラール結合剤と共に使用されるときに、
優れた安定性及び輝度保持性を有するペーストが得られ
る。好ましくは、結合剤の燃え切り後に保持される蛍光
体の輝度の百分率は、少なくとも９０％である。
【００１１】好ましい方法では、蛍光体、溶剤及び少な
くともステアリン酸を含む１種以上の分散剤が混合され
る。これらの成分は、蛍光体粒子の均質な分散体を形成
させるのに十分な時間、典型的には１〜２時間にわたっ
て混合される。次いで、可塑剤及び結合剤がこの蛍光体
分散体に添加され、追加の混合をさらにほぼ１〜２時間
使用してペーストを形成させる。本発明のＰＤＰ蛍光体
ペーストに使用するための好ましいＰＤＰ蛍光体には、
（Ｙ，Ｇｄ）ＢＯ3：Ｅｕ（赤色）、ＢａＭｇＡｌ14Ｏ
23：Ｅｕ2+（青色）及びＺｎ2ＳｉＯ4：Ｍｎ（緑色）が
含まれる。有用な溶剤には、α−テルピネオール及びイ
ソブチルアルコールのようなアルコールが含まれ、α−
テルピネオールが好ましい溶剤である。ステアリン酸に
加えて、その他の有用な分散剤には、メンヘーデン魚
油、グリセリルトリオレエート及び／又はポリエチレン
グリコールが含まれる。可塑剤は、好ましくは、フタル
酸エステルであり、より好ましくはフタル酸ジイソブチ
ルである。好ましいペースト結合剤は、ポリビニルブチ
ラール及び／又はエチルセルロースである。より好まし
くは、結合剤は、ポリビニルブチラールからなる単一成
分の結合剤である。ステアリン酸対結合剤の重量比は、
好ましくは、約１：１〜約１：２．５である。より好ま
しくは、その重量比は、約１：２．５である。
【００１２】次に実施例を与えるが、これに制限されな
い。
【００１３】
【実施例】６００ｍｌビーカー中で、１５０〜２００ｇ
の青色発光ＰＤＰ蛍光体のＢａＭｇＡｌ14Ｏ23：Ｅｕ2+
を、２５〜５０ｇの溶剤（α−テルピネオール又はイソ
ブチルアルコール）、５〜１０ｇのメンヘーデン魚油及
び予め１６〜２０ｇの同一溶剤に溶解させた４〜６ｇの
分散剤（ステアリン酸又はポリエチレングリコール）と
共に混合した。次いで、これらの材料を１〜２時間にわ
たって混合して蛍光体の分散体を形成させた。その後、
４〜６ｇのフタル酸ジイソブチル可塑剤及び５〜１５ｇ
の結合剤（エチルセルロース又はポリビニルブチラー
ル）（この結合剤は、最初に２５〜３５ｇの溶剤に溶解
しておいた）を添加した。次いで、このペーストをさら
に１〜２時間にわたって混合した。ペーストをシールキ
ャップ付きのプラスチック容器に貯蔵した。粘度をＢ型
ＲＶトルクＤＶ−III型式流動計を使用して２０ｒｐｍ
で測定した。結合剤の燃え切りについては、８ｇのペー
ストをガラス皿に置き、次のプログラムに従って箱形炉
内で２０ＳＣＦＨで空気雰囲気下に加熱した。 ・１０℃／分で１１０℃まで加熱 ・１１０℃で１時間加熱 ・１０℃／分で５００℃まで加熱 ・５００℃１時間加熱。
【００１４】蛍光体粉末の輝度を結合剤の燃え切り前及
び後で測定し、それを輝度を保持した％（原蛍光体の輝
度との比較）として表１に報告した。ペーストが空気の
非存在下に燃焼したときには、蛍光体の輝度は低下し、
その色は変化したことに留意すべきである。ペーストの
安定性を、蛍光体固形物がそのペーストをある期間にわ
たって放置した後に有機媒質から分離するようになった
程度を視覚的に観察することによって決定した。ペース
トを少なくとも４ヶ月にわたって放置した後に有機媒質
からのその固形物の目に見える分離が全く無かったなら
ば、ペーストが優秀な安定性を有しているとみなした。
ペーストを少なくとも２週間にわたって放置した後に有
機媒質からのその固形物の分離が殆どなかった又は全く
なかったならば、ペーストが良好な安定性を有している
とみなした。たとえペーストの上部部分にいくつかの目
に見える分離があったとしても、その固形物が１〜２時
間にわたるロール練りによってペーストに再混合され得
たならば、ペーストの安定性はそれでも良好であるとみ
なした。ほんの１〜２日間放置した後に固形物が有機媒
質から分離したならば、ペーストが不安定であるとみな
した。典型的には、不安定なペースト中の固形物は、ロ
ール練りによってペーストに再混合できなかった。その
結果をそれぞれのペースト組成物の反復試料について表
１に与える。
【００１５】表１のための解説 ＥＣ＝エチルセルロース Ｂｕｔｖａｒ＝ポリビニルブチラール ＳＡ＝ステアリン酸 ＰＥＧ＝ポリエチレングリコール ＩＢＡ＝イソブチルアルコール
【００１６】
【表１】
【００１７】青色ＰＤＰ蛍光体であるＢａＭｇＡｌ14Ｏ
23：Ｅｕ2+の輝度を約９０％保持した好ましいペースト
組成物は、次の組成：１５０〜２００ｇの蛍光体、２５
〜５０ｇのα−テルピネオール、５〜１０ｇのメンヘー
デン魚油、４〜５ｇのステアリン酸（１６〜２０ｇのα
−テルピネオールに溶解した）、４〜６ｇのフタル酸ジ
イソブチル及び５〜１５ｇのポリビニルブチラール（２
５〜３５ｇのα−テルピネオールに溶解した）を有して
いた。実際に、結合剤燃え切り後の観察された蛍光体輝
度の減少の大部分は、蛍光体粉末単独の加熱によって生
じた典型的な８〜９％の輝度損失であった。有機化合物
の存在は、輝度を非常に僅かながらさらに減少させた。
これらの結果は、結合剤燃え切り後の青色ＰＤＰ蛍光体
の輝度の典型的な２０〜２５％の減少率よりも実質的に
良好である。例えば、結合剤燃え切り後の商用青色ＰＤ
Ｐペーストの輝度の測定減少率は、約１７．６％であっ
た。また、上記のペースト組成物は、赤色ＰＤＰ蛍光
体、（Ｙ，Ｇｄ）ＢＯ3：Ｅｕ及び緑色ＰＤＰ蛍光体、
Ｚｎ2ＳｉＯ4：Ｍｎについても優秀な結果を生じさせる
ことが分かった。両方の場合では、蛍光体は、結合剤燃
え切り後にそれらの初期の輝度の９０％以上を保持し
た。
【００１８】本発明では、低分子量の分散剤として作用
するステアリン酸は、慣用のポリエチレングリコール
（ＰＥＧ）分散剤と比較して増大した粘度及び安定性を
与える。図１は、ＰＤＰペーストの粘度に及ぼす結合剤
及び分散剤の影響の相互作用グラフである。図から分か
るように、ステアリン酸（ＳＡ）が粘度に大きい影響を
及ぼしている。これは、エチルセルロース（ＥＣ）結合
剤をポリビニルブチラール（Ｂｕｔｖａｒ）結合剤と比
較するときに特に明らかである。
【００１９】図２は、スクリーン印刷及び結合剤燃え切
り後のＰＤＰ青色蛍光体（例１）の被覆物を走査電子顕
微鏡（ＳＥＭ）で撮影した顕微鏡写真である。分かるよ
うに、蛍光体の被覆物は、非常に均質且つ安定であっ
た。図３及び図４は、スクリーン印刷及び結合剤燃え切
り後のそれぞれ赤色ＰＤＰ蛍光体及び緑色ＰＤＰ蛍光体
の被覆物の類似の顕微鏡写真である。また、本発明のペ
ーストを使用して作られたこれらの蛍光体被覆物も非常
に均質且つ安定であった。
【００２０】現時点で考えられる本発明の好ましい具体
例を示し且つ記載してきたが、様々な変更及び改変は、
特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲から逸
脱することなくその中でなし得ることが、当業者には明
白であろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】ペーストの粘度に及ぼす結合剤及び分散剤の影
響についての相互作用グラフ図である。
【図２】結合剤燃え切り後の本発明の青色ＰＤＰ蛍光体
ペーストのスクリーン印刷被覆物のＳＥＭ顕微鏡写真図
である。
【図３】結合剤燃え切り後の本発明の赤色ＰＤＰ蛍光体
ペーストのスクリーン印刷被覆物のＳＥＭ顕微鏡写真図
である。
【図４】結合剤燃え切り後の本発明の緑色ＰＤＰ蛍光体
ペーストのスクリーン印刷被覆物のＳＥＭ顕微鏡写真図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０１Ｊ 11/02 Ｈ０１Ｊ 11/02 Ｂ (72)発明者 ロバート・ジー・メンデンホール アメリカ合衆国ニューヨーク州ウェイバリ ー、シマング・ストリート36 (72)発明者 ダイアン・シー・シーモー アメリカ合衆国ペンシルベニア州トワン ダ、アールアールナンバー１・ボックス 206 Ｆターム(参考） 4H001 XA05 XA08 XA12 XA13 XA14 XA30 XA39 XA56 XA64 YA25 YA63 5C028 FF06 FF11 5C040 GG07 GG09 KA17 MA03

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 溶剤、結合剤、ステアリン酸を含む少な
    くとも１種の分散剤及び可塑剤を含む有機ペースト中に
    分散した蛍光体からなるプラズマディスプレイパネル用
    蛍光体ペースト。
  2. 【請求項２】 ステアリン酸対結合剤の重量比が約１：
    １〜約１：２．５である請求項１に記載の蛍光体ペース
    ト。
  3. 【請求項３】 結合剤がポリビニルブチラールである請
    求項１に記載の蛍光体ペースト。
  4. 【請求項４】 結合剤がエチルセルロースである請求項
    １に記載の蛍光体ペースト。
  5. 【請求項５】 ステアリン酸対ポリビニルブチラールの
    重量比が約１：１〜約１：２．５である請求項３に記載
    の蛍光体ペースト。
  6. 【請求項６】 ポリビニルブチラール、ステアリン酸、
    アルコール溶剤及びフタル酸エステルを含む有機ペース
    ト中に分散した蛍光体からなるプラズマディスプレイパ
    ネル用蛍光体ペースト。
  7. 【請求項７】 ペーストが、メンヘーデン魚油、グリセ
    リルトリオレエート及び／又はポリエチレングリコール
    をさらに含有する請求項６に記載の蛍光体ペースト。
  8. 【請求項８】 アルコール溶剤が、α−テルピネオール
    又はイソブチルアルコールである請求項６に記載の蛍光
    体ペースト。
  9. 【請求項９】 フタル酸エステルがフタル酸ジイソブチ
    ルであり、ステアリン酸対ポリビニルブチラールの重量
    比が約１：１〜約１：２．５である請求項６に記載の蛍
    光体ペースト。
  10. 【請求項１０】 ペーストがメンヘーデン魚油をさらに
    含有する請求項９に記載の蛍光体ペースト。
  11. 【請求項１１】 アルコール溶剤がα−テルピネオール
    である請求項１０に記載の蛍光体ペースト。
  12. 【請求項１２】 ステアリン酸対ポリビニルブチラール
    の重量比が約１：２．５である請求項１１に記載の蛍光
    体ペースト。
  13. 【請求項１３】 蛍光体が、ＢａＭｇＡｌ14Ｏ23：Ｅｕ
    2+、（Ｙ，Ｇｄ）ＢＯ3：Ｅｕ又はＺｎ2ＳｉＯ4：Ｍｎ
    から選択される請求項６に記載の蛍光体ペースト。
  14. 【請求項１４】 蛍光体がＢａＭｇＡｌ14Ｏ23：Ｅｕ2+
    である請求項６に記載の蛍光体ペースト。
  15. 【請求項１５】 蛍光体がＢａＭｇＡｌ14Ｏ23：Ｅｕ2+
    である請求項１２に記載の蛍光体ペースト。
  16. 【請求項１６】 結合剤及びステアリン酸を含有する有
    機ペースト中に分散した蛍光体からなり、該蛍光体が、
    その結合剤が燃え切った後にその初期の輝度の少なくと
    も約９０％を保持するプラズマディスプレイパネル用蛍
    光体ペースト。
  17. 【請求項１７】 蛍光体がＢａＭｇＡｌ14Ｏ23：Ｅｕ2+
    である請求項１６に記載の蛍光体ペースト。
  18. 【請求項１８】 結合剤がポリビニルブチラールである
    請求項１６に記載の蛍光体ペースト。
  19. 【請求項１９】 蛍光体が、ＢａＭｇＡｌ14Ｏ23：Ｅｕ
    2+、（Ｙ，Ｇｄ）ＢＯ3：Ｅｕ又はＺｎ2ＳｉＯ4：Ｍｎ
    から選択される請求項１８に記載の蛍光体ペースト。
  20. 【請求項２０】 蛍光体がＢａＭｇＡｌ14Ｏ23：Ｅｕ2+
    である請求項１８に記載の蛍光体ペースト。
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