JP2003213211A - 木質材用塗料組成物及び表面塗装木質材 - Google Patents

木質材用塗料組成物及び表面塗装木質材

Info

Publication number
JP2003213211A
JP2003213211A JP2002019997A JP2002019997A JP2003213211A JP 2003213211 A JP2003213211 A JP 2003213211A JP 2002019997 A JP2002019997 A JP 2002019997A JP 2002019997 A JP2002019997 A JP 2002019997A JP 2003213211 A JP2003213211 A JP 2003213211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
wood
coating
modified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002019997A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Muratake
浩明 村竹
Shingo Kusano
晋吾 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2002019997A priority Critical patent/JP2003213211A/ja
Publication of JP2003213211A publication Critical patent/JP2003213211A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油等に対する優れた耐汚染性を長期に渡って
有し、且つ、表面の滑り性を抑制した安全性に優れる木
質建材用に用いる木質材用塗料組成物及び該塗料組成物
の硬化皮膜を有する表面塗装木質材を提供する。 【解決手段】 シリコーン変性活性エネルギー線硬化性
化合物(A)、微粒子状物質(B)を含有することを特
徴とする木質材用塗料組成物及び該木質材用塗料組成物
の活性エネルギー線による硬化皮膜が木質材表面に形成
されていることを特徴とする表面塗装木質材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床、壁、天井など
の表面仕上げ材、柱や家具、キャビネット、自動車内装
などの化粧材、各種造作材などに使用される木質仕上げ
材用の塗料組成物に関する。及び、この塗料組成物を塗
布してなる表面塗装木質材に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の内装に用いられる床材などの木
質材には、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹
脂、紫外線硬化型ポリエステル樹脂などが主体の塗料を
用いて表面塗装が行われている。これらの塗装ではクレ
ヨンや油性フエルトペンなどによる落書き、油などの汚
れが付着した場合、簡単に拭き取ることが出来ず、汚れ
が残ってしまうことが多い。このようなことから床材な
どの木質材には汚れづらく、また、簡単に汚れを落とす
ことが出来る性能が長期間に亘り持続することが要求さ
れている。
【0003】上記のような耐汚染性を向上させる手法と
して、塗料中に各種シリコーン化合物やフッ素化合物を
添加することが知られている。しかし、シリコーン化合
物やフッ素化合物を添加した塗膜は一般に表面の摩擦係
数が低下し、床材などに適用した場合滑りやすくなり、
人が転倒することによる怪我や、製品を棒積みした際の
倒壊の危険性が高くなる。また、ただ単にシリコーン化
合物やフッ素化合物を添加しただけでは、耐汚染性は経
時に従い低下してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐汚
染性が良好で、且つ、この性能が長期間に亘って持続
し、さらに、表面の滑りを抑制し、転倒や倒壊の危険性
を低減できる木質材用塗料組成物及び表面塗装木質材を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、シリコーン変性活性エネルギー線硬化性化合物と
微粒子状物質を組み合わせることで、耐汚染性が良好
で、且つ、この性能が長期間に亘って持続し、さらに、
表面の滑りを抑制し、転倒や倒壊の危険性を低減可能な
ことを見出し、本発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、シリコーン変性活性エ
ネルギー線硬化性化合物(A)、微粒子状物質(B)を
含有することを特徴とする木質材用塗料組成物を提供す
る。さらに、本発明は、前記した木質材用塗料組成物の
硬化塗膜が木質材表面に形成されていることを特徴とす
る表面塗装木質材を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の木質材用塗料組成物はシ
リコーン変性活性エネルギー線硬化性化合物(A)と微
粒子状物質(B)を必須成分とする木質材用塗料組成物
であり、それはシリコーン変性活性エネルギー線硬化性
化合物(A)と微粒子状物質(B)とを適宜混合するこ
とにより調製することができる。以下に、本発明の各構
成要件について詳細に述べる。
【0008】本発明のシリコーン変性活性エネルギー線
硬化性化合物(A)としては、インキおよび塗料等に使
用されている各種シリコーン化合物の中で、活性エネル
ギー線照射により重合可能な官能基によって変性された
化合物が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸変性
シリコーン、シリコーン変性不飽和ポリエステル、シリ
コーン変性ウレタン(メタ)アクリレート、シリコーン
変性エポキシ(メタ)アクリレート、シリコーン変性ポ
リエステル(メタ)アクリレート、エポキシ変性シリコ
ーン、ビニル変性シリコーン等が挙げられる。この中で
好ましくは(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコ
ーン変性ウレタン(メタ)アクリレート、シリコーン変
性エポキシ(メタ)アクリレート、シリコーン変性ポリ
エステル(メタ)アクリレートである。これらシリコー
ン変性活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、上記化
合物を単独で用いることもできるし、2種以上を混合し
て用いることもできる。
【0009】本発明の塗料組成物中のシリコーン含有量
は0.02〜5質量%であることが好ましい。ここで言
うシリコーン含有量とは、シリコーン変性活性エネルギ
ー線硬化性化合物中に含まれるポリオルガノシロキサン
残基の塗料中での含有量であり、耐汚染性向上のため
に、0.02質量%以上が好ましく、表面の滑りにく
さ、転倒や倒壊の危険性防止の観点で、5質量%以下が
好ましい。
【0010】本発明の塗料組成物を木質材表面に塗布し
硬化した後の塗膜の水接触角は70〜90度であること
が好ましい。耐汚染性の充分な発現のために水接触角が
70以上が好ましく、表面が滑りにくさ、転倒や倒壊の
危険性防止の観点で90度以下が好ましい。
【0011】本発明の塗料組成物は前記したシリコーン
含有量、塗膜の水接触角を調整するため、または塗料の
粘度や物性を調整するため必要に応じて公知の活性エネ
ルギー線にて硬化可能なエチレン性不飽和二重結合を有
する化合物を反応性希釈剤として添加することができ
る。例えば、反応希釈剤の添加で、水接触角が小さくな
る傾向がある。これらの化合物として例えば(メタ)ア
クリロイル基を有するモノマー、オリゴマー等が挙げら
れる。
【0012】すなわち1官能性モノマーとしてはラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート 、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエ
チル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェ
ニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エピ
クロロヒドリン(以下ECHと略記)変性ブチル(メ
タ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アク
リレート、エチレンオキサイド(以下EOと略記)変性
フタル酸(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メ
タ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アク
リレート、EO変性リン酸(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
【0013】又、2官能性モノマーとしては、1、3−
ブチレンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブ
チレンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下P
Oと略記)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、E
CH変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、E
O変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジア
クリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸
エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジア
クリレート、EO変性ジシクロペンテニルジ(メタ)ア
クリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート
等が挙げられる。
【0014】又3官能性モノマーとしては、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EC
H変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレー
ト、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレ
ート、等が挙げられる。
【0015】多官能アクリレートとしてはジトリメチロ
ールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレー
ト、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】オリゴマーとしては、ビスフェノールA
型、ノボラック型、多価アルコール型、多塩基酸型、ポ
リブタジエン型のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリ
エステル型、ポリエーテル型のウレタン(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
【0017】その他のエチレン性不飽和二重結合を有す
る化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−
ビニルカルバゾール、スチレン、4−メチルスチレン、
α−メチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン、ジア
リルフタレート、特開平11−124403号公報、特
開平11−124404号公報記載のマレイミド化合物
等が挙げられる。
【0018】また、本発明の塗料組成物に用いることの
出来る反応性希釈剤としては塗料等に使用されている一
般的な公知のカチオン重合性を有する化合物、例えばエ
ポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合
物等も挙げられる。
【0019】これら反応性希釈剤は、各々単独で用いる
こともできるし、2種以上混合して用いることもでき
る。これら反応性希釈剤の中で好ましくは(メタ)アク
リロイル基を有するモノマー、オリゴマー等である。
【0020】本発明で言う活性エネルギー線とは、電子
線、紫外線あるいはγ線の如き、電離性放射線や電磁波
などを総称するものである。また、紫外線を照射して硬
化させる場合には、必要に応じて、紫外線の照射により
ラジカルや酸を発生する光(重合)開始剤をシリコーン
変性活性エネルギー線硬化性化合物(A)と反応性希釈
剤の合計100質量部に対して0.1〜20質量部程度
添加することが好ましい。
【0021】ラジカル発生型の光(重合)開始剤として
は、ベンジル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2
−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサン
トン等の水素引き抜きタイプ、ベンゾインエチルエーテ
ル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ
ール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−
ヒドロキシ−2−メチルフェニルケトン等の光開裂タイ
プが挙げられ、これらの中でいずれも単独あるいは複数
のものを組み合わせて使用することが出来る。
【0022】酸発生型の光(重合)開始剤の具体的例と
しては、PP−33(旭電化工業製)のようなアリルジ
アゾニウム塩、FC−509(3M社製)、UVE10
14(G・E.社製)、UVI−6974、UVI−6
970、UVI−6990、UVI−6950(ユニオ
ン・カーバイト社製)、SP−170、SP−150
(旭電化工業社製)などのアリルヨードニウム塩、アリ
ルスルフォニウム塩或いはCG−24−61(チバガイ
ギー社製)などのアレン−イオン錯体を挙げることがで
き、これらの中でいずれも単独あるいは複数のものを組
み合わせて使用することができる。
【0023】シリコーン変性活性エネルギー線硬化性化
合物(A)と反応性希釈剤が(メタ)アクリロイル基等
を有する場合、光(重合)開始剤はラジカル発生型のも
のを組み合わせて用いる。
【0024】シリコーン変性活性活性エネルギー線硬化
性化合物(A)と反応性希釈剤がエポキシ化合物、ビニ
ルエーテル化合物等の場合、光(重合)開始剤は酸発生
型のものを組み合わせて用いる。
【0025】シリコーン変性活性活性エネルギー線硬化
性化合物(A)と反応性希釈剤が(メタ)アクリロイル
基等を有する化合物と、エポキシ化合物、ビニルエーテ
ル化合物、オキセタン化合物等の混合物の場合、光(重
合)開始剤はラジカル発生型のものと酸発生型のものを
共に組み合わせて用いる。
【0026】また、このような光(重合)開始剤に、公
知慣用の光増感剤をも併用することができる。
【0027】本発明の微粒子状物質(B)としては、硬
化塗膜表面の滑りを抑制できるものであれば特に制限は
ないが、例としてはシリカ、アルミナ、タルク、クレ
ー、炭酸カルシウム、ガラス、あるいはこれらの混合物
等の無機微粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブタジエン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリス
チレン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリウレタ
ン、あるいはこれらの混合物等のポリマー微粒子、ある
いはこれら無機とポリマーの複合微粒子が挙げられる。
これら微粒子の中で、好ましくは塗料に添加した際の粘
度変化が小さく少量で効果を発現するものであり、その
観点からゴム弾性を有する内部が架橋されたポリマー微
粒子が好ましい。
【0028】ここでいうゴム弾性とは、ゴム状物質に見
られる小さな外力で大きな変形を起こし、力を除くと急
速にほとんど元の形に戻る性質、すなわち大きな弾性変
形挙動のことである。
【0029】本発明における微粒子状物質(B)の形状
としては特に制限はないが、球状が好ましい。
【0030】本発明における微粒子状物質(B)の平均
粒径(b)は、通常1〜100μmで、塗料を硬化した
際の硬化塗膜(厚さt、μm)に対し、t/3〜3tの
関係にあるものが好ましい。滑り抑制効果を十分にする
点でt/3以上が好ましく、耐汚染性向上、塗膜表面の
平滑性維持の点で3t以下が好ましい。
【0031】本発明における微粒子状物質(B)の粒度
分布は単分散に近いものが好ましい。
【0032】本発明の組成物における粒子状物質(B)
の含有量は通常1〜20質量%、好ましくは1〜10質
量%である。
【0033】このようにして得られる本発明の木質材用
塗料組成物に、さらに必要に応じて本発明の目的を逸脱
しない範囲内で、各種の機能を付与するため、艶消し
剤、着色剤、体質顔料、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、
カップリング剤、有機溶剤及びキレート剤などの添加剤
を添加することができる。
【0034】本発明の木質材用塗料組成物は木材、木質
系合板等の木質基材上の最表面に塗布される。通常は例
えば、木質基材上に予め着色組成物を塗布し、乾燥・硬
化させた後、木質基材に由来する表面の多孔質部分を埋
めるための目止め塗料を1回以上塗布・硬化させ、その
塗膜表面を研磨処理し、さらに本発明に係る木質材用塗
料組成物を木質基材の最表面に塗布し、活性エネルギー
線を照射して硬化させることにより、本発明の表面塗装
木質材が得られる。
【0035】本発明における木質基材としては無垢材、
集成材、突板張り化粧合板、化粧紙貼り合板、中質繊維
板、パーティクルボード、およびこれらをWPC(Wo
odPlastic Combination)処理し
たもの等が挙げられる。木の種類として特に制限はない
が、一般にはスギ、マツ、ヒノキ、カラマツ等の針葉樹
材、カバ、ケヤキ、ミズナラ、サクラ、クルミ、ロー
ズ、チーク、マホガニー等の広葉樹材が好適に用いられ
る。
【0036】本発明において木質基材上に塗布される着
色組成物としては、従来より公知の着色用ステイン組成
物が挙げられる。このような着色用ステイン組成物は一
般にスポンジロールコーターやロールコーター、スプレ
ー等の塗装機を用いて、1回あたり10〜100g/m
の塗布量で塗布され、適宜乾燥し、この工程を1〜数
回繰り返す。
【0037】本発明において木質基材上に塗布される目
止め塗料としては、従来より公知の溶剤型目止め塗料、
紫外線硬化型不飽和ポリエステル目止め塗料、紫外線硬
化型無溶剤目止め塗料等が挙げられる。このような目止
め塗料は一般にナチュラルロールコーターやリバースロ
ールコーター、カーテンフローコーター等の塗装機を用
いて、1回あたり50〜200g/mの塗布量で塗布
され、塗料に適した方法で適宜乾燥した後、塗膜表面を
ワイドベルトサンダー等により研磨処理し、この工程を
1〜数回繰り返す。
【0038】本発明における木質材用塗料組成物の塗布
方法としては、オフセット印刷、フレキソ印刷、ロール
コート、グラビアコート、バーコート、フローコート、
ディップコート等の手法を用いることが出来る。塗布量
としては硬化後の塗膜厚みとして通常1〜200μmで
あり、好ましくは3〜100μmである。塗膜厚みが1
μm未満では耐汚染性の発現が不十分であったり効果が
持続せず、200μmを超えると塗膜の密着不良や硬化
不良、基材の反りなどが生ずる可能性がある。
【0039】本発明の表面塗装木質材においては、必要
に応じて含浸シーラー組成物によるシーラー層、下塗り
・中塗り塗料組成物による下塗り・中塗り層等の中間層
を、木質材用塗料組成物を塗装する前に設けることが出
来る。
【0040】本発明における木質材用塗料組成物の硬化
方法としては、電子線、紫外線、あるいはγ線の如き電
離放射線等を照射して硬化させる。
【0041】紫外線で硬化させる場合、高圧水銀灯、エ
キシマランプ、メタルハライドランプ等を備えた公知の
紫外線照射装置を使用することができる。硬化の際の紫
外線照射量は、好ましくは50〜1000mJ/cm
である。照射量が50mJ/cm未満では硬化が十分
ではなく、1000mJ/cmを超えると塗膜の黄
変、熱による基材の損傷などが起こる可能性がある。
【0042】電子線で硬化させる場合、公知の電子線照
射装置を使用することができる。硬化の際の電子線加速
電圧は、好ましくは50〜500kVである。加速電圧
が50kV未満では塗膜内部の硬化が十分ではなく、5
00kVを超えると基材の損傷などが起こる可能性があ
る。硬化の際の電子線照射量は、好ましくは10〜10
0kGyである。照射量が10kGy未満では硬化が十
分ではなく、100kGyを超えると塗膜、基材の損傷
などが起こる可能性がある。
【0043】
【実施例】次に、本発明を、実施例を挙げて更に具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。以下において特に断りのない限り、表中の数字は質
量部を表すものとする。
【0044】(実施例1,2および比較例1,2)表1
に示した組成となる様に木質材用塗料組成物を配合し、
分散攪拌機にて各々調製した。その際の塗料中のシリコ
ーン含有量も併記した。
【0045】
【表1】
【0046】尚、表1中に示した各組成の略号は、以下
の通りである。 A−1:ポリオルガノシロキサン残基を2.5質量%含
有するシリコーン変性ウレタンアクリレート A−2:ポリオルガノシロキサン残基を20質量%含有
するアクリル酸変性シリコーン テクポリマーARX−15:積水化成品工業(株)製
ゴム弾性を有する架橋ポリアクリル酸エステル球状微粒
子、平均粒径15μm ユニディックV4360:大日本インキ化学工業(株)
製 ウレタンアクリレート ミラマーM202:美源(株)製 EO変性ヘキサンジ
オールジアクリレート イルガキュアー184:チバスペシャルティケミカルズ
(株)製 光重合開始剤
【0047】次に、木質基材として表面がナラ単板であ
る突板貼り合板に、下地から順にシーラー層、着色層、
目止め層、中塗り層を設け、その最表面に表1の塗料を
ロールコーターを用いて塗膜厚が10μmとなるように
塗布し、紫外線を600mJ/cmの条件で照射し、
塗膜を硬化させた。得られた表面塗装木質材に対し、下
記に記載の方法に従って試験を行い、その結果を表2に
示した。
【0048】(1)水接触角 塗膜表面に蒸留水を滴下した10秒後の水接触角を、協
和界面科学(株)製接触角測定装置を用いて測定し、5
回測定した平均値を記載した。
【0049】(2)滑り角 底面6×10cm、1kgのおもりを木綿の布でくる
み、木質材の表面に乗せ基材を傾けたときのおもりが滑
り始める角度を、5回測定した平均値を記載した。実用
的には20度以上が必要で、15度以下では非常に滑り
やすく、床材や階段の踏み板として使用した場合転倒の
危険性が大きい。
【0050】(3)油性フエルトペン用インキ拭き取り
性 フエルトペン用油性インキを表面に塗布し、10分間乾
燥後、木綿布で乾拭きした際の油性インキの拭き取り易
さを評価した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の木質材用塗料組成物は、優れた
耐汚染性が長期間に亘り持続し、且つ、表面の滑りを抑
制し転倒などの危険性を低減可能な塗膜を形成できる。
更に、同塗料を最表面に塗布してなる表面塗装木質材
は、優れた耐汚染性が長期間に亘り持続し、且つ、表面
の滑りを抑制し転倒などの危険性を低減できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 Fターム(参考) 2B230 AA10 AA22 BA03 BA04 BA18 CA14 CA15 CA30 CB25 CC14 DA02 EA20 EB03 EB07 EB08 EB28 EB39 2B250 AA01 AA02 AA05 AA06 AA13 BA03 CA01 CA11 DA03 FA33 FA46 GA03 4J038 CA022 CB022 CB082 CC032 CG142 CG162 DB421 DD181 DD231 DG002 DL131 EA012 FA241 FA251 FA261 FA281 GA15 HA216 HA286 HA446 HA486 HA526 HA536 KA20 NA05 NA10 PA17 PC06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン変性活性エネルギー線硬化性
    化合物(A)、微粒子状物質(B)を含有することを特
    徴とする木質材用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記したシリコーン変性活性エネルギー
    線硬化性化合物中に含まれるポリオルガノシロキサン残
    基の含有量が塗料組成物中で、0.02〜5質量%であ
    る請求項1に記載の木質材用塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記した微粒子状物質(B)がゴム弾性
    を有する架橋ポリマー微粒子である請求項1又は2に記
    載の木質材用塗料組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の木質材用
    塗料組成物の硬化塗膜が木質材表面に形成されているこ
    とを特徴とする表面塗装木質材。
  5. 【請求項5】 前記した硬化塗膜の水接触角が70〜9
    0度である請求項4に記載の木質材用塗料組成物。
  6. 【請求項6】 前記した微粒子状物質(B)の平均粒径
    (b)が、硬化塗膜の厚み(t)に対し、t/3〜3t
    である請求項4又は5に記載の表面塗装木質材。
JP2002019997A 2002-01-29 2002-01-29 木質材用塗料組成物及び表面塗装木質材 Pending JP2003213211A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002019997A JP2003213211A (ja) 2002-01-29 2002-01-29 木質材用塗料組成物及び表面塗装木質材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002019997A JP2003213211A (ja) 2002-01-29 2002-01-29 木質材用塗料組成物及び表面塗装木質材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003213211A true JP2003213211A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27654311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002019997A Pending JP2003213211A (ja) 2002-01-29 2002-01-29 木質材用塗料組成物及び表面塗装木質材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003213211A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257366A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Origin Electric Co Ltd 紫外線硬化型皮革調塗料組成物およびその塗料組成物により仕上げられた物品
JP2008001058A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Matsushita Electric Works Ltd 化粧ボード
JP2008062217A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 C I Kasei Co Ltd 硬化塗膜の形成方法および硬化塗膜を有する物品
JP2009024080A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂粒子分散体
JP2011224823A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Marutama Sangyo Kk 針葉樹合板の表面処理法
JP2017508031A (ja) * 2014-01-08 2017-03-23 サン ケミカル コーポレイション 付着性が向上したエネルギー硬化性インクおよび調合方法
JP2018003521A (ja) * 2016-07-06 2018-01-11 東リ株式会社 床材
CN111808223A (zh) * 2020-07-08 2020-10-23 湖北嘉德普安涂料股份有限公司 水性有机硅改性阳离子丙烯酸树脂及合成方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257366A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Origin Electric Co Ltd 紫外線硬化型皮革調塗料組成物およびその塗料組成物により仕上げられた物品
JP2008001058A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Matsushita Electric Works Ltd 化粧ボード
JP2008062217A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 C I Kasei Co Ltd 硬化塗膜の形成方法および硬化塗膜を有する物品
JP2009024080A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂粒子分散体
JP2011224823A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Marutama Sangyo Kk 針葉樹合板の表面処理法
JP2017508031A (ja) * 2014-01-08 2017-03-23 サン ケミカル コーポレイション 付着性が向上したエネルギー硬化性インクおよび調合方法
JP2018003521A (ja) * 2016-07-06 2018-01-11 東リ株式会社 床材
JP2021101090A (ja) * 2016-07-06 2021-07-08 東リ株式会社 床材
JP7017847B2 (ja) 2016-07-06 2022-02-09 東リ株式会社 床材
JP7165770B2 (ja) 2016-07-06 2022-11-04 東リ株式会社 床材
JP2023002734A (ja) * 2016-07-06 2023-01-10 東リ株式会社 床材
CN111808223A (zh) * 2020-07-08 2020-10-23 湖北嘉德普安涂料股份有限公司 水性有机硅改性阳离子丙烯酸树脂及合成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2005077676A1 (ja) 水圧転写品
JP2007534829A (ja) 木製基材用の放射線硬化可能な多官能性アクリレートオリゴマー製コーティング
JP4985560B2 (ja) 撥水撥油性木質建材
KR100455546B1 (ko) 인쇄 나무 마루판
JP2010143153A (ja) 木質建材
US20180230324A1 (en) Flooring Coating Formulation And Floor Covering Having Wear Layer Formed With Same
WO2010126125A1 (ja) 水圧転写方法、水圧転写品及び水圧転写フィルム用塗布剤
JP2001046956A (ja) 硬化被膜形成方法及び硬化被膜塗布物
JP2003213211A (ja) 木質材用塗料組成物及び表面塗装木質材
JP2017180018A (ja) 建築板
JP5221850B2 (ja) 光硬化性組成物の硬化方法、その塗膜、その塗膜で被覆された基材
KR100496467B1 (ko) 내오염성이 우수한 표면강화 합판마루 바닥재
JP2007084751A (ja) 反応性ホットメルト塗料組成物及び塗装木質基材
JP2006272737A (ja) 化粧材
KR101312882B1 (ko) 내오염성이 우수한 주방가구
JP2000104016A (ja) 床材の被覆組成物
JP2002177880A (ja) 硬化塗膜形成方法
JP4985558B2 (ja) 撥水撥油性木質建材
JP2007196669A (ja) 樹脂強化型木質化粧板の製造方法
JP2019069582A (ja) 積層体、及び積層体の製造方法
JP2003211586A (ja) 耐汚染性、汚染除去性および表面平滑性に優れた塗膜付き木質建材または木質家具
JP2009050822A (ja) 木製品の表面好触感性塗装方法。
JP2004010698A (ja) 床材の被覆組成物および床面被覆体
JP7418803B2 (ja) 塗装物の製造方法および塗装板材
JP2010063994A (ja) 塗装木質基材の製造方法