JP2021101090A - 床材 - Google Patents

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JP2021101090A JP2021043342A JP2021043342A JP2021101090A JP 2021101090 A JP2021101090 A JP 2021101090A JP 2021043342 A JP2021043342 A JP 2021043342A JP 2021043342 A JP2021043342 A JP 2021043342A JP 2021101090 A JP2021101090 A JP 2021101090A
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Abstract

【課題】本発明の課題は、防汚性及び汚染除去性に優れると共に、防滑性に優れる床材を提供することにある。【解決手段】樹脂層を含む床材本体と、前記床材本体の上に表面保護層を有する床材であって、前記表面保護層は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂および電離放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種類と、防滑性粒子とを含む、床材。【選択図】なし

Description

本発明は、床材に関する。
従来より、各種の床材が広く用いられている。中でも樹脂層を含む床材は、足裏や靴裏
によって踏みつけられた際に傷付き易く且つ汚れ易い。このため、樹脂層を含む床材の特
性として、耐傷付き性及び防汚性が求められる。なお、耐傷付き性は、床材の表面に擦り
傷などが生じ難い性質を、防汚性は、汚れ難い性質又は汚れを簡単に除去できる性質を、
それぞれ意味する。電離放射線硬化性樹脂は、耐傷付き性に優れた特性を有する為、様々
な基材の被覆に使用されており、床材表面のコーティングなどにも使用されている。
例えば、特許文献1には、非塩素系の熱可塑性樹脂からなる基体シート上に、絵柄印刷
層を介して、1層以上の非塩素系の熱可塑性樹脂の層からなり、その表面が電子線又は紫
外線硬化性樹脂による再塗装適性を有する透明樹脂層が設けられてなることを特徴とする
床用シートが開示されており、耐摩耗性や耐久性の付与等などが検討されている。
また、特許文献2には、(A)光硬化性(メタ)アクリレート系樹脂、(B)光硬化性
ポリシロキサン系ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、(C)光硬化性シリコーンブロッ
ク(メタ)アクリレート系樹脂、および(D)光重合開始剤を含有してなることを特徴と
する汚染除去性に優れた光硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物が開示されている。
特開2003−13587号公報 特許第3945628号公報
しかしながら、特許文献1の床用シートにおいては、防汚性や汚染除去性が十分ではな
く、更なる改善が求められるところである。一方、特許文献2の光硬化性樹脂組成物は、
従来の光硬化性樹脂組成物と比べて汚染除去性に優れるとされるが、特許文献2の光硬化
性樹脂組成物は摺動性が高く、防滑性が求められる床材の用途には適さない。
本発明の課題は、防汚性及び汚染除去性に優れると共に、防滑性に優れる床材を提供す
ることにある。
本発明は、樹脂層を含む床材本体と、前記床材本体の上に表面保護層を有する床材であ
って、前記表面保護層は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記電離放射線
硬化性樹脂組成物が、電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂
および電離放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂から選ばれる少な
くとも1種類と、防滑性粒子とを含む、床材、に関する。
本発明によれば、防汚性及び汚染除去性に優れると共に、防滑性に優れる床材を提供す
ることができる。
本発明の床材の1つの実施形態を示す平面図である。 図1の床材を厚さ方向で切断した断面図である。 本発明の床材の1つの実施形態を示す断面図である。 防滑性粒子の被覆イメージである。 防汚性および汚染除去性の試験結果である。
前記の課題について検討したところ、表面保護層に、電離放射線硬化性シリコン変性ウ
レタン(メタ)アクリレート樹脂および電離放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)ア
クリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種類と、防滑性粒子とを含む電離放射線硬化性
樹脂組成物の硬化物を使用することにより、防汚性、汚染除去性、防滑性に優れることを
見出した。
本発明の床材が、防汚性及び汚染除去性に優れると共に、防滑性に優れるメカニズムに
ついては下記のように推測できる。本発明の床材は、防汚性に優れる電離放射線硬化性樹
脂組成物に電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂および電離
放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種
類が含まれるため、シリコン及びフッ素の官能基の有する摺動性及び撥水・撥油性によっ
て電離放射線硬化性樹脂表面に汚れ物質が付着し難く、付着した汚れ物質も除去し易い。
また、防滑性については、表面保護層表面に防滑性粒子による微細な凹凸が形成されるの
で、人が踏んだ際に足裏や靴底にめり込んで、適当な防滑性を有することができるためと
推定される。シリコン及びフッ素を含む樹脂が電離放射線硬化性であるため、電離放射線
硬化性樹脂組成物の硬化時に微細な凹凸を形成する防滑性粒子表面に電離放射線硬化性樹
脂組成物として一体的に強固に固着することとなる。また、電離放射線硬化性樹脂を主成
分としているため、防滑性粒子及び防滑性粒子表面の表面に固着している電離放射線硬化
性樹脂組成物は、床材を人が踏んだ際に足裏や靴底に剥落し難くなる。このことにより、
防滑性粒子表面の剥落による防滑性の低下と、シリコン及びフッ素を含む樹脂の剥落によ
る防汚性の低下を共に防ぐことができる。また、シリコンオイルやフッ素樹脂などのよう
なシリコン及びフッ素樹脂組成物を電離放射線硬化性樹脂に混合した場合と異なり、ブリ
ードによって防滑性が低下することも無い。
本発明の床材は、床材本体と、前記床材本体の上に表面保護層を有する。本明細書にお
いて、上側とは、床材が床面に敷設される際に床面から遠い側を指し、表側ともいう。ま
た、下側とは、床材が床面に敷設される際に床面に近い側を指し、裏側ともいう。
図1は、本発明の床材の1つの実施形態を示す平面図であり、図2は、その床材を厚み
方向で切断した断面図の拡大である。図示例の床材1は、平面視長尺帯状に形成されてい
る。長尺帯状は、一方向の長さが他方向(他方向は一方向に対して直交する方向)の長さ
に比して十分に長い長方形状であり、例えば、一方向の長さが他方向の長さの2倍以上、
好ましくは4倍以上である。長尺帯状の床材1は、通常、ロールに巻かれて保管及び運搬
に供され、施工現場において、所望の形状に裁断して使用される。もっとも、本発明の床
材は、長尺帯状に限られず、平面視正方形状などの枚葉状に形成されていてもよい(図示
せず)。
本発明において、床材本体2は、床材の強度および重量を構成する主たる部分である。
本発明において、床材本体2は、合成樹脂成分を含有する樹脂層22を含むものである。
床材本体2は、樹脂層22を含むものであれば本分野において公知のものを使用すること
ができ、例えば、図2のように床材本体2は、基材層21、形状安定化層23、化粧層2
4、表層3などの層を任意に組み合わせた構造のものが挙げられる。
樹脂層22の合成樹脂成分としては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂が
好ましい。熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、
アクリル樹脂、アミド樹脂、エステル樹脂、各種エラストマー、ゴムなどが挙げられ、加
工性や柔軟性、コストなどの観点から塩化ビニル樹脂が好ましい。合成樹脂成分は、単独
で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
塩化ビニル樹脂としては、ペースト塩化ビニル系樹脂、サスペンション塩化ビニル系樹
脂などが用いられる。
ペースト塩化ビニル系樹脂は、例えば、乳化重合法で得られるペースト状の塩化ビニル
系樹脂であり、可塑剤により、適宜粘度を調整できる。ペースト塩化ビニル系樹脂は、多
数の微粒子集合体からなる粒子径が0.1〜10μm(好ましくは1〜3μm)の微細粉
末であり、好ましくは、前記微細粉末の表面に界面活性剤がコーティングされている。ペ
ースト塩化ビニル系樹脂の平均重合度は1000〜2000程度が好ましい。
サスペンション塩化ビニル系樹脂は、例えば、懸濁重合法で得られる塩化ビニル系樹脂
である。サスペンション塩化ビニル系樹脂は、粒子径が好ましくは20μm〜100μm
の微細粉末である。サスペンション塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、700〜1500
程度が好ましく、700〜1100程度がより好ましく、700〜1000程度がさらに
好ましい。ただし、前記粒子径は、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50
である。
前記各塩化ビニル系樹脂は、K値60〜95程度のものが好ましく、K値65〜80程
度のものがより好ましい。
樹脂層22中の合成樹脂成分の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、5
〜100質量%とすることができる
樹脂層22は、任意に添加剤を含むことができ、添加剤としては、充填剤、可塑剤、難
燃材、安定剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、発泡剤などが挙げられる。
樹脂層22は、非発泡でもよいし、発泡されていてもよい。樹脂層22が発泡されてい
る場合、良好なクッション性を床材に付与する観点から、発泡倍率は1.05倍以上が好
ましく、1.1倍以上がより好ましく、柔らかくなりすぎるのを防止する観点から10倍
以下が好ましく、5倍以下がより好ましい。即ち、樹脂層22の発泡倍率は、1.05〜
10倍が好ましく、1.1倍〜5倍がより好ましい。
樹脂層22が複数ある場合において、樹脂層22の物性(材質、発泡の有無、厚さなど
)は、それぞれ同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
基材層21は、床材の最も下側に位置する層であって、敷設時の床材を床面に接着させ
る接着剤(以下、床面接着剤という)との接着強度を高め、床材の反りなどを抑制するこ
とを目的とした層である。基材層21としては、特に限定されないが、例えば、不織布、
織布、紙、フェルトなどの従来公知のシート材を用いることができる。不織布や織布を構
成する繊維の材質は、特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリオレフィンなどの合
成樹脂繊維;ガラス、カーボンなどの無機繊維;天然繊維などが挙げられる。
形状安定化層23は、経時的な収縮や膨張による、床材の寸法変化を抑制するための層
である。床材1の表面保護層4は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化成形時に収縮する
。床材1は、樹脂製であるため、木材や石材、セラミックなどの他の材質の床材と異なり
、収縮時に反りやすい。さらに、防汚性を増す為、防滑性粒子5の表面を表面保護層4の
樹脂で被覆するのが望ましく、充分に防滑性粒子5を被覆するためには表面保護層4の層
厚を厚くする必要がある。図4に防滑性粒子の被覆イメージを示す。表面保護層の層厚T
を厚くした場合、表面保護層4は、硬化時により大きく収縮するため床材1がより反りや
すくなる。床材が反ると、床面への敷設が困難となったり、目地部側面が露出すると歩行
が困難なったり、目地が汚れるなどの不具合が生じる場合がある。これらの不具合を防ぐ
為には、形状安定化層23を設けるのが望ましい。
形状安定化層23は、床材1の全体の厚みの略中央の位置に設けることが好ましい。こ
の位置に形状安定化層23を設けることにより、床材1の寸法安定性を高め、床材1の端
部の反りを防止できる。また、表面保護層4の硬化収縮による反りを効果的に抑制する観
点から、形状安定化層を2層以上設けることが好ましい。形状安定化層を2層以上とする
態様例を図3に示す。図3に示す例では、形状安定化層23は、第1形状安定化層231
、第2形状安定化層232の2層からなり、それら形状安定化層231,232を挟んで
第1樹脂層221、第2樹脂層222及び第3樹脂層223が積層されている。たとえば
、第1形状安定化層231と第2形状安定化層232との間隔は、1.0〜2.0mm、
好ましくは、1.2〜1.6mmである。床材の反りを抑制するためには、第1形状安定
化層231が、床材の全体の厚みの中央よりやや下に位置し、第2形状安定化層232の
2層が、床材の全体の厚みの中央よりも上に位置していることが好ましい。
形状安定化層23としては、不織布または織布などが挙げられる。不織布や織布を構成
する繊維の材質は、特に限定されるものではないが、合成樹脂繊維、無機繊維、天然繊維
などが挙げられる。合成樹脂繊維としては、ポリエステル、ポリオレフィンなどが挙げら
れ、無機繊維としては、ガラス、カーボンなどが挙げられ、天然繊維としては、パルプな
どが挙げられる。寸法安定性の観点から、ガラス繊維を含むガラスシートが好適に用いら
れ、ガラスシートとしては、たとえば、ガラスマットなどのガラス繊維不織布、または、
ガラスクロスなどのガラス繊維織布、が好ましい。繊維の材質は、単独で使用してもよい
し、ガラス繊維とパルプとを混合させるなど2種以上を使用してもよい。不織布や織布の
目付けは、特に限定されるものではないが、床材の寸法安定性をよくする観点から、10
g/m以上が好ましく、20g/m以上がより好ましく、適度の柔軟性や加工性を担
保する観点から、100g/m以下が好ましく、50g/m以下がより好ましい。即
ち、不織布や織布の目付けは、10〜100g/mが好ましく、20〜50g/m
より好ましい。
前記ガラス繊維不織布は、複数のガラス繊維が無秩序に上下方向(厚み方向)に重なり
又は絡み合い且つそれらが接着剤などのバインダーにてバインドされて又はそれら自身が
バインドし合って層を成しているもの、或いは、複数のガラス繊維がある程度の規則性を
以て上下方向に重なり又は絡み合い且つそれらが接着剤などのバインダーにてバインドさ
れて又はそれら自身がバインドし合って層を成しているものである。
前記バインダーとしては、ガラス繊維に対する接合性の高いものが好ましく、ガラス繊
維及び後述する接合樹脂に対する接合性の高いものがより好ましい。このようなバインダ
ーとしては、例えば、1液型接着剤、2液型接着剤、熱硬化型接着剤、ホットメルト型接
着剤、紫外線硬化型接着剤などの電子線硬化型接着剤などが挙げられる。具体的には、ウ
レタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合系、アクリル系樹脂、塩
化ビニル系樹脂及びエポキシ系樹脂から選ばれる1種又は2種以上の混合物が例示される
。ガラス繊維の太さは、例えば、直径5μm〜30μmであり、好ましくは、直径8μm
〜20μmであり、長さは、例えば、10mm〜30mmである。
また、ガラスシートの目付量は、特に限定されないが、好ましくは10g/m〜10
0g/mであり、より好ましくは20g/m〜50g/mである。ガラスシートの
厚み又は目付量が小さすぎると、床材1の引張り強度及び寸法安定性を十分に向上できず
、一方、大きすぎると、接合樹脂がガラスシートの開口内にまで十分に行き渡らないおそ
れがある。なお、ガラスシートの密度は、特に限定されないが、例えば、0.1g/cm
〜0.5g/cmである。
前記ガラス繊維不織布及びガラス繊維織布などのガラスシートは、ガラス繊維の間に無
数の開口を有する。この各開口は、概念的には、隣接するガラス繊維の間の隙間がガラス
シートの厚み方向に連続して繋がったものである。
前記ガラスシートは、無数の開口を有するので、ガラスシートの面内には、ガラスシー
トの表面側から裏面側に通じる通気路が確保されている。前記ガラスシートの開口率が大
きいと、ガラスシートの通気性が高くなり、反対に前記開口率が小さいと、ガラスシート
の通気性が低くなる。本明細書では、このような点を考慮して、ガラスシートの通気性を
測定することによって、前記開口率を評価するものとする。なお、前記開口率は、ガラス
シートの表面の単位面積当たりに占める開口総面積をいう。
接合性の向上させるためには、通気度の大きいガラスシート、すなわち、開口率が比較
的大きいガラスシートを用いることが好ましい。一方で、ガラスシートによる強度及び寸
法変化抑制効果を床材1に付与するためには、ガラスシートの開口率にもある程度の上限
がある。このような観点から、前記ガラスシートの通気度は、好ましくは100ml/c
・sec〜550ml/cm・secであり、より好ましくは200ml/cm
・sec〜450ml/cm・secである。
尚、ガラスシートの通気度は、JIS L 1096の通気性試験方法に準じて、株式
会社東洋精器製作所製のフラジール型通気性試験機を用いて、測定対象のガラスシートを
3枚重ねた状態で測定される値である。尚、3枚重ねた状態で測定する理由は、好適な開
口率のガラスシートの場合、通気性が高すぎるため、それを1枚又は2枚を重ねた状態で
は、前記測定方法にて通気度を測定することが困難である場合があるからである。
また、ガラスシートに接合樹脂が付着されている所謂「樹脂付きガラスシート」を形状
安定化層23に用いると、ガラスシートガラスシートが有する接合樹脂を介して、その裏
面及び表面に隣接する層を強固に接合することができるので好ましい。前記接合樹脂は、
ガラス繊維の表面全体に付着されてもよく、或いは、多くのガラス繊維の表面全体に付着
され且つ残るガラス繊維の表面の一部分に付着されていてもよい。また、接合樹脂は、ガ
ラス繊維の表面に均一に付着されていてもよく、或いは、不均一に付着されていてもよい
樹脂付きガラスシートの通気度の好適な範囲は、樹脂付きでないものよりも小さく、具
体的数値では、好ましくは80ml/cm・sec〜500ml/cm・secであ
り、より好ましくは100ml/cm・sec〜400ml/cm・secの範囲と
なるように設定することが好ましい。
前記樹脂付きガラスシートの接合樹脂としては、ガラス繊維、ガラス繊維に接する樹脂
層の何れにも接合するものであれば特に限定されず、従来公知の樹脂を用いることができ
る。具体的には、ガラス繊維に接する樹脂層と同種の樹脂とするのが望ましく、ガラス繊
維に接する樹脂層が塩化ビニル系樹脂を主成分樹脂とする場合は、塩化ビニル系樹脂を含
むことが好ましい。
形状安定化層23の厚みは、特に限定されるものではないが、床材の反りを抑制し、寸
法安定性をよくする観点から、0.1mm以上が好ましく、また、床材の厚みが厚くなり
すぎず、床材に含まれる樹脂成分量が少なくならないようにする観点から、1.0mm以
下が好ましく、0.8mm以下がより好ましく、0.7mm以下がさらに好ましい。即ち
、形状安定化層の厚みは、0.1〜1.0mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好
ましく、0.1〜0.7mmがさらに好ましい。なお、形状安定化層23が樹脂付きガラ
スシートの場合にはこの限りでなく、例えば、0.4〜1.0mmとすることができる。
前記のとおり、表面保護層4の層厚Tは防滑性粒子5を被覆するために充分な層厚とす
る必要がある。しかしながら、表面保護層4の層厚Tを増していくと、表面保護層4の収
縮力が増していく為、床材1は反り易くなっていく。特に防滑性に優れる床材を提供する
ために防滑性粒子5の粒子径を大きくすると、表面保護層4の層厚Tを厚くする必要があ
るので、床材1はより反り易くなる。床材1の形状安定化層23を以上のような構成とす
ることによって、本発明の表面保護層4の層厚Tを、防滑性粒子を被覆するために充分な
層厚にした場合であっても、床材1の反りを抑制して平面性を維持することが可能となる
。一般的に、接着剤で施工する通常の床材の場合、床材が床面に接着剤で固定されるので
、床材の反りを抑えることができる。しかし、粘着剤で施工する簡易置敷き床材の場合、
粘着剤では床材の反りを抑制することが困難なので、敷設後に端部が上方へ反ると、美観
を損なうとともに、目地に段差が生じて汚れが溜まり防汚性が劣ることとなる。形状安定
化層23を備える態様の床材1は、反りを抑制することができるので、通常の接着剤で施
工する床材のみならず、簡易置敷き床材としても好適に用いることができる。
化粧層24は、床材1に意匠性を付与するための層である。化粧層24は、床材本体2
の表側に設けられることが好ましい。化粧層24としては、意匠性を付与するものであれ
ば特に限定されるものではないが、例えば熱可塑性樹脂などにより形成され、表面にデザ
イン印刷が転写されているものや、着色されているものが好ましい。熱可塑性樹脂として
は、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、エ
ステル樹脂、各種エラストマー、ゴムなどが挙げられ、表層3との密着性の観点から塩化
ビニル樹脂が好ましい。
表層3は、床材1に耐久性、耐磨耗性、耐傷付き性などを付与する層である。表層3は
、表面保護層4が摩耗した場合における床材本体2の摩耗防止や、表面保護層4を剥がれ
難くするためのものである。表層3としては、特に限定されるものではないが、例えば熱
可塑性樹脂および可塑剤などにより形成され、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、
オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、エステル樹脂、各種エラ
ストマー、ゴムなどが挙げられ、柔軟性や加工性、耐久性、コストの観点などから塩化ビ
ニル樹脂が好ましい。塩化ビニル樹脂は、ペースト塩化ビニル系樹脂、サスペンション塩
化ビニル系樹脂などが用いられる。熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上
を使用してもよい。可塑剤としては、安息香酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可
塑剤などが使用される。可塑剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい
表面保護層4は、床材1の最も表側に位置する層であって、床材本体2を保護する層で
ある。表面保護層4は、透明又は不透明でもよいが、表面保護層4の裏面側に設けられた
化粧層24などの意匠を視認できるようにするため、透明であることが好ましい。表面保
護層4は、耐傷付き性を発揮しつつ、表面保護層全体がもろくならず、耐衝撃性にも優れ
るという理由から、層厚が2〜50μmであることが好ましく、5〜35μmであること
がより好ましい。特に、層厚が3μm以上で十分な耐傷性が得られ、層厚が35μm以下
で床材全体の剛性が高くなりすぎず、割れにくく、加工性がしやすくなる。
本発明において、表面保護層4は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記
電離放射線硬化性樹脂組成物が、電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリ
レート樹脂および電離放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂から選
ばれる少なくとも1種類と、防滑性粒子とを含む。
本発明の表面保護層4に用いられる電離放射線硬化性樹脂は、荷電粒子線又は電磁波の
中でモノマーなどを架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、電子線
又は紫外線などを照射することにより、架橋、硬化した樹脂を指し、公知の方法で電離放
射線硬化性樹脂組成物に電子線または光を照射して得ることができるものである。電離放
射線硬化性樹脂は、例えば、硬化性モノマー又はオリゴマーが電離放射線により硬化した
樹脂である。前記硬化性モノマー又はオリゴマーとしては、電離放射線によって硬化可能
であれば特に限定されず、前記硬化性モノマーとしては、表面保護層4に要求される硬度
や光沢、耐汚染性などの特性を有し、塗工に適当な従来公知の単官能モノマーや2官能モ
ノマー、3官能以上の多官能モノマーを1種単独で又は2種以上併用できる。前記硬化性
オリゴマーとしては、表面保護層4に要求される硬度や光沢、耐汚染性などの特性を有し
、塗工に適当なビスフェノールA型、ノボラック型、ポリブタジエン型のエポキシ(メタ
)アクリレート、ポリエーテル型のウレタン(メタ)アクリレートなどのオリゴマーを1
種単独で又は2種以上併用できる。比較的強固な表面保護層4を形成でき且つ汎用的であ
ることから、紫外線によって硬化する硬化性モノマー又はオリゴマーを用いることが好ま
しい。
硬化性モノマー又はオリゴマーとしては、分子中に(メタ)アクリレート基、(メタ)
アクリロイルオキシ基等の重合性不飽和結合基又はエポキシ基等を有するモノマー又はオ
リゴマーが挙げられる。
前記硬化性モノマーの具体例としては、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ート、ウレタン(メタ)アクリレート、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオー
ル化合物などが挙げられる。前記硬化性オリゴマーの具体例としては、ウレタン(メタ)
アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、コ
ロイダルシリ力と(メタ)アクリロイルアルコキシシランを縮合して得られる有磯無機ハ
イブリッド(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和結合を有する単官能(メタ)アクリ
レートまたは多官能(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシなどが挙げら
れる。
これらの中では、適度な柔軟性を有し、耐熱性、耐薬品性、耐久性に優れた床材1を形
成でき、さらに、床材本体2との密着性に優れていることから、ウレタン(メタ)アクリ
レートを用いることが好ましい。
前記硬化性モノマー又はオリゴマーの分子量は、特に限定されないが、例えば、200
〜10000の範囲内などが挙げられる。
本発明で使用される、電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性シリコン変性
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、および電離放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ
)アクリレート樹脂が重合した硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1種類と防滑性粒子と
を含み、必要に応じて、その他の成分を含んで形成されている。他の成分としては、シリ
コン変性されていない電離放射線硬化性樹脂、フッ素変性されていない電離放射線硬化性
樹脂、重合開始剤、その他の各種添加剤などが挙げられる。電離放射線により硬化する樹
脂としては、加工性の良さ及び汎用的であることから、光硬化性樹脂を用いることが好ま
しく、紫外線硬化性樹脂を用いることがより好ましい。
たとえば、電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と、シリ
コン変性されていない電離放射線硬化性樹脂とを混ぜて使用する場合、両者とも、光硬化
性樹脂、または紫外線硬化性樹脂を選定することによって、製造時の作業性に優れるので
好ましい。電離放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と、フッ素変
性されていない電離放射線硬化性樹脂とを混ぜて使用する場合も同様である。
電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、シリコン変性さ
れているので、ブリードアウトすることがなく、防滑性粒子に強固に結合することができ
、硬化後に剥がれを抑制し、床材としての耐久性に優れる。
電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び電離放射線硬化
性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、硬化反応に利用できる官能基を1個
以上含むことができ、好ましくは2個以上含むことができる。特に、2官能以上の多官能
(メタ)アクリレートであり得る。前記多官能(メタ)アクリレートは、エポキシ基、ヒ
ドロキシ基、アミノ基、スルホン酸基またはイソシアネート基を含むことができる。
電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と電離放射線硬化性
フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が重合した硬化性樹脂を合わせた含有量は
、電離放射線硬化性樹脂組成物中0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3
質量%がより好ましい。0.1質量%以上で防汚性が確保でき、質重量%以下だと床材の
防滑性を損なうことがない。
また、電離放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び電離放射線
硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の重合性モノマーとしては、分子中
にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体を用いると、重合性が良い
ため、好適である。
電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、ポリシロキサン
からなる片方乃至両方の末端に(メタ)アクリル基を導入した電離放射線硬化性シリコン
変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の一つである。電離放射線硬化性シリコン変性ウ
レタン(メタ)アクリレート樹脂としては、たとえば電離放射線硬化性ポリシロキサン系
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂であり、ポリシロキサン中の官能基とウレタン(メタ
)アクリレート樹脂中の官能基が化学的に反応し結合したものをいう。(メタ)アクリル
基は、1〜6つ有するものが好ましく、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、
両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限は
ない。
本発明で用いられるシリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、電離放
射線硬化性ポリシロキサン系ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が好適であり、1種また
は2種以上のポリジアルキルシロキサン系ウレタン(メタ)アクリレートを使用すること
ができる。好ましくはポリジメチルシロキサン系ウレタン(メタ)アクリレートであり、
たとえばイソシアネート類とシリコーンポリオール類とヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート類とを反応させることにより合成され、分子中に官能基としてアクリロイル基(
CH2=CH−CO−)またはメタクリロイル基(CH2=C(CH3)−CO−)を有し、
ウレタン結合(−NH−COO−)と、ポリジアルキルシロキサン結合、好ましくはポリ
ジメチルシロキサン結合(−(−Si(CH3)2 −O−)n−)を有する。これらは公知の方
法により合成することができる。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、
アクリレートとメタクリレートの総称である。
一方、本発明で用いられるフッ素変性(メタ)アクリレートは、パーフルオロ基を有す
る化合物を(メタ)アクリレートと反応させることによって製造できる。例えば、前記硬
化性フッ素系化合物は、パーフルオロポリオール、パーフルオロポリエーテルポリオール
、カルボン酸を有するパーフルオロポリエーテル二塩基酸、及びエポキシ基を有するパー
フルオロポリエーテルエポキシ化合物等のようなパーフルオロ基を有する化合物を、カル
ボン酸を有する変性(メタ)アクリレート、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート及
びイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートと反
応させることにより形成される多官能(メタ)アクリレートであり、2−(パーフルオロ
デシル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキ
シプロパン、(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル
酸−2−トリフルオロメチル等のオリゴマーまたはプレポリマーを含むことができる。
本発明で用いられる電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂
及び電離放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、電離放射線硬化
性樹脂組成物が硬化する際に、同時に硬化して一体化して表面硬度の高い光硬化樹脂層を
形成する。このため、表面にシリコンやフッ素がブリードアウトすることなく良好で持続
的な防汚性表面を得ることができる。さらに、これらの変性ウレタン(メタ)アクリレー
ト樹脂は、分子内にウレタン結合を有する為、水素結合による適度な靱性を有し、床材に
必要な耐屈曲性に優れる。
また、本発明の表面保護層4の表面に滑性を付与し、耐擦傷性等を向上させることがで
きる。同時に滑りやすくなるという課題が生じる。
シリコン変性されていない電離放射線硬化性樹脂、フッ素変性されていない電離放射線
硬化性樹脂としては、従来公知のものを使用することができる。これら電離放射線硬化性
樹脂は、電離放射線によって硬化する電子放射線硬化性の、モノマー及びオリゴマーの少
なくとも一方が重合してなる、硬化性樹脂を、含んでおり、必要に応じて、その他の成分
を含んでもよい。
電離放射線硬化性の、モノマー又はオリゴマーとしては、分子中に(メタ)アクリレー
ト基、(メタ)アクリロイルオキシ基等の、重合性不飽和結合基又はエポキシ基等を有す
る、モノマー又はオリゴマーが、挙げられる。電離放射線硬化性モノマーの具体例として
は、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート
、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオール化合物などが、挙げられる。電離放
射線硬化性オリゴマーの具体例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル
(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のアクリレート;不飽和ポリエ
ステル;エポキシなどが、挙げられる。これらの電離放射線硬化性の、モノマー又はオリ
ゴマーは、単独で使用でき、又は、2種以上を併用できる。汎用的であり、加工性に優れ
ることから、紫外線によって硬化する硬化性モノマー又はオリゴマーを用いることが好ま
しい。
特に、電離放射線硬化性の、モノマー又はオリゴマーとしては、分子中に(メタ)アク
リレート基を有する、モノマー又はオリゴマーを用いるのが好ましく、更には、ウレタン
(メタ)アクリレートを用いるのがより好ましい。
電離放射線硬化性の、モノマー又はオリゴマーの、分子量は、特に限定されないが、例
えば200〜10000の範囲内であるのが好ましい。
電離放射線硬化性の、モノマー又はオリゴマーは、通常、重合開始剤が添加されて使用
される。重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−ク
ロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミ
ノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン−1−オン、その他のチオキサント系化合物などが、挙げられる。
防滑性粒子5は、表面保護層4に防滑性を付与する粒子であり、表面保護層4に配合す
ることにより、表面保護層4の表面に微細な凹凸が生じ、表面保護層4上に乗る足裏が滑
り難くなる。防滑性粒子5としては、例えば、1種または2種以上の無機粒子を使用する
ことができる。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ガラス、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、炭化珪素、ゼオライト、シラスバルーン、珪藻土
、二酸化ケイ素、ダイヤモンドなどの粉粒体が挙げられ、耐久性やコストの観点から好ま
しくはアルミナである。なお、本発明の床材1には、表面保護層4に、光触媒粒子を含有
させないことが好ましい。光触媒粒子は光活性作用を有する酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
錫、酸化鉄、酸化銅等よりなり、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルなどの活性酸素を生
成する粒子である。本発明の床材1は、光触媒粒子が生成した活性酸素によって、酸化・
分解されて耐久性低下し、表面保護層4から防滑性粒子5が剥落しやすくなり、防汚性、
防滑性が低下しやすくなる。したがって、電離放射線硬化性樹脂組成物中の光触媒粒子の
含有量は、好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下である。
防滑性粒子5の形状は、楕円体や球などの球状、多角形、鱗片状、不定形等が挙げられ
るが、球状は、角が丸まっているので、防汚性と防滑性の両立の観点から好ましい。防滑
性粒子5の平均粒子径は、好ましくは2μm〜100μmであり、より好ましくは5μm
〜80μmであり、さらに好ましくは15μm〜60μmである。防滑性を付与しつつも
防汚性を阻害しない観点から、防滑性粒子5の平均粒子径と表面保護層4の厚さとの比(
粒子径μm/厚さμm)は、好ましくは0.1〜10であり、より好ましくは0.5〜5
であり、さらに好ましくは0.8〜3である。本明細書における防滑性粒子5の平均粒子
径は、レーザー光回折法による粒度分布測定により測定されたものを指す。これによって
、表面保護層4の表面に微細な凹凸が形成され、防汚性と防滑性を両立させることができ
る。
また、図4に示すように、防滑性粒子5は、防汚性の観点から、表面保護層4の中に埋
没していることが好ましく、凸部においても、防滑性粒子5の表面に表面保護層4が薄く
被覆している被覆部5aが形成されることが好ましい。防滑性粒子5が表面保護層4から
露出してしまうと、露出した箇所において汚れが付着し易くなり、防汚性が悪化すること
となる。たとえば、被覆部5aの厚みは、1μm〜10μmであり、好ましくは、4〜8
μmである。被覆部5aの厚みが、下限値よりも小さいと、被覆部5aが剥がれ易くなり
、上限値よりも大きいと、防滑性粒子5による凹凸の形成が困難となる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の防滑性粒子5の含有量は、粘度等加工性の観点から、
好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは10〜45質量%であり、さらに好ま
しくは12〜30質量%である。防滑性粒子5の含有量は、防滑性粒子5を2種以上使用
した場合においては合計量を指す。
電離放射線硬化性樹脂組成物には、電離放射線重合開始剤が添加されることが好ましい
。電離放射線重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系電離放射線重合開始剤、アセト
フェノン系電離放射線重合開始剤、ベンゾフェノン系電離放射線重合開始剤、チオキサン
トン系電離放射線重合開始剤などが挙げられる。
ベンゾイン系電離放射線重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル
、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテルなどが挙げられる。
アセトフェノン系電離放射線重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタール(別名、
2,2-ジメトキシ-2- フェニルアセトフェノン)、ジエトキシアセトフェノン、4-フェノキ
シジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル- ジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル- トリク
ロロアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-(4-イ
ソプロピルフェニル)-2- ヒドロキシ-2- メチルプロパン-1- オン、1-(4-ドデシルフェ
ニル)-2- ヒドロキシ-2- メチルプロパン-1- オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)- フェ
ニル(2-ヒドロキシ-2- プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
、2-メチル-1-[4- (メチルチオ)フェニル]-2- モルホリノプロパン-1などが挙げられ
、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましく用
いられる。
ベンゾフェノン系電離放射線重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香
酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン
、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、3,3'-
ジメチル-4- メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系電離放射線重合開始剤としては、チオキサンソン、2-クロルチオキサ
ンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサ
ンソン、2,4-ジクロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピ
ルチオキサンソンなどが挙げられる。
電離放射線重合開始剤は、電離放射線硬化性脂組成物全体100質量部に対して、0.
1〜10質量部、好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは2〜6質量部の割合で用い
られる。
その他、電離放射線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲
で、任意に添加剤を含むことができ、添加剤としては、溶剤、レベリング剤、防滑性粒子
以外の微粒子、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤、チク
ソトロピー化剤、重合禁止剤、反応性希釈剤、非反応性希釈剤、艶消し剤、消泡剤、沈降
防止剤、熱安定剤、(メタ)アクリレート系モノマー、硬化性樹脂を含む組成物などが挙
げられる。
溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、グリコール類、セ
ロソルブ類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などが挙げられる。溶媒は、単独で使
用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本発明で必要に応じて用いられる(メタ)アクリレート系モノマーとしては、具体的に
は、アルキレンポリオールや低重合率のポリエーテルポリオールと、(メタ)アクリル酸
とのエステルで、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2(2- エトキシエトキシ)エチルアクリ
レート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチ
レングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシ
ピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
本発明の電離放射線硬化性樹脂組成物は、床材1の床材本体2上に、ゴムないしスポン
ジロールコーター、スプレー、バキュームコーターなどの塗装機を用いて塗布され、塗布
面に電子線または光、好ましくは紫外線を照射してウェット状態の塗膜を硬化させること
により、汚染除去性に優れた硬化塗膜(被膜)が得られる。本発明の電離放射線硬化性樹
脂組成物の塗装回数は、特に制限はなく、一回または二回以上でもよい。
この電離放射線の照射は、従来公知の照射方法により行なうことができる。たとえば2
00kV、3〜10Mradの条件で電子線照射して塗膜を硬化させることができる。ま
た、光照射の光は、紫外線または可視光線であり、光照射は、従来公知の照射方法により
行なうことができる。たとえば高圧水銀ランプは、80〜120W/cm1灯で、ベルト
スピードは5〜20m/分であり、灯数を増すことにより、ベルトスピードを早くするこ
とができる。また、W/cmの能力を増すことにより、ベルトスピードを早くすることが
できる。
表面保護層4の硬度は、表面保護層4の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物
を25μmの膜厚でガラス板上に塗布して硬化させたものの鉛筆硬度で評価することがで
き、耐久性、傷つき難さ、耐衝撃性の観点から好ましくは6B〜4Hである。鉛筆硬度の
測定は、鉛筆硬度試験(JIS K 5600−5−4)に準じて、評価する。
表面保護層4の硬度は、電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋密度などを適切に設計する
ことによって実現され、上記の硬度となるような架橋密度とすることが好ましい。
表面保護層4の表面粗さは、防滑性と防汚性を兼ね備えるという観点から、次のような
Ra、Ry、Rpkの各値が好ましい。Raは、好ましくは1.85〜13であり、より
好ましくは1.9〜8であり、さらに好ましくは1.9〜5である。Ryは、好ましくは
9〜70であり、より好ましくは10〜50であり、さらに好ましくは10〜30である
。Rpkは、好ましくは2〜30であり、より好ましくは3〜20であり、さらに好まし
くは3.5〜12である。本明細書における表面粗さは、JIS B0601−1994
に準じて表面粗さ測定機により測定されたものから算出される。Ra、Ry、Rpkの各
値が下限値以上であれば防汚性を高めることができ、上限値以下であれば歩行に違和感が
無く、防滑性が良好である。
表面保護層4には、防滑性を付与する観点から、エンボスを施してもよい。エンボス加
工は、床材1の表面に所望の凹凸形状を付与するために行う。例えば、表面保護層4を加
熱軟化させた後、所望の形の凹凸形状を有するエンボス版で加圧・賦形し、冷却固定する
ことによりテクスチャーを付与する。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式エンボス機
で行える。エンボス加工の凹凸形状としては、特に限定されず、例えば、木目導管溝、浮
造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地、その他、図示しないが定
形の凸部が規則的又は不規則的配列で突設されたもの、不定形の凸部が不規則的配列で突
設されたもの等が挙げられるが、防滑性の付与という観点から、砂目や梨地などの指向性
の無い模様がどの方向にも防滑性を均一に発揮することができるので好ましい。また、エ
ンボスの深度は、防滑性の付与という観点から、たとえば、0.01〜0.5mm、より
好ましくは0.05mm〜0.3mmであり、さらに好ましくは0.1mm〜0.2mm
が好ましい。
表面保護層4は、透明でもよいし、不透明でもよいが、床材本体2の意匠を視認できる
程度に透明であることが好ましい。
表面保護層4の厚さTは、特に限定されるものではないが、5〜150μmが好ましく
、10〜70μmがより好ましく、15〜40μmがさらに好ましい。本明細書において
、表面保護層の厚さは、図4に示すように、防滑性粒子5により隆起した分の厚さを含む
ものではない。
[電離放射線硬化性樹脂組成物の調製]
実施例1〜8
電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有する電離放射
線硬化性樹脂「UV No.119LT−DX(中国塗料社製)」に表4〜6記載ののア
ルミナを表4〜6に記載の質量比となるように添加して、電離放射線硬化性樹脂組成物を
調製した。
比較例1
電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂および電離放射線硬
化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有しない電離放射線硬化性ウレタ
ン(メタ)アクリレート樹脂「UV No.146B(中国塗料社製)」を電離放射線硬
化性樹脂組成物として使用した。
参考例1
電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂および電離放射線硬
化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有しない電離放射線硬化性ウレタ
ン(メタ)アクリレート樹脂「UV No.118LT(中国塗料社製)」を電離放射線
硬化性樹脂組成物として使用した。
比較例2
アルミナを添加しない以外は実施例2と同様にして調製した。
参考例2
電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有する電離放射
線硬化性樹脂「No.119LT−DX(中国塗料社製)」に代えて、電離放射線硬化性
シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂および電離放射線硬化性フッ素変性ウレ
タン(メタ)アクリレート樹脂を含有しない電離放射線硬化性ウレタン(メタ)アクリレ
ート樹脂「U1102(大日精化社製)」を使用した以外は実施例2と同様にして調製し
た。
[床材の作製]
実施例1、2、3、4、5、8、比較例1、2、参考例1、2
構成表1から表面保護層を除く床材中間品を、公知の方法で熱と圧力をかけて作製し、
この床材中間品の表面に、鏡面あるいはエンボスを押した。ここで、鏡面を押すとは鏡面
状のフラットな板やロールで押すことを指し、エンボスを押すとは凹凸が形成される板や
ロールで押すことを指す。次いで、前記のとおり調製した電離放射線硬化性樹脂組成物を
、床材中間品の表層上にナチュラルロールコート法により均一な厚みで塗布した後、直ち
に空気中において有電極紫外線ランプで紫外線を照射することにより、表面保護層を形成
した。実施例2〜5、比較例2については鏡面仕上げとエンボス仕上げの二種類のサンプ
ルを作製し、実施例1、8、比較例1、参考例1、2については、鏡面仕上げとした。な
お、表1で使用したガラスシートの目付量は30g/m2であり、通気度は299ml/cm
2・secであり、エンボス仕上げにおけるエンボス深度は0.1mmであった。なお、
この通気度は、ガラスシートを3枚重ねて測定した値である。
Figure 2021101090
実施例6
構成を表1に代えて表2とした以外は実施例8と同様にして床材を作製した。
Figure 2021101090
実施例7
構成を表1に代えて表3とした以外は実施例8と同様にして床材を作製した。なお、表
3で使用したガラスシートは、表1で使用したものと同じである。
Figure 2021101090
<BHM試験>
実施例1、比較例1、参考例1の床材について、縦×横=18cm×28cmの長方形
状に裁断しそれぞれ3枚のサンプルを作製した。この3枚のサンプルの表面保護層とは反
対側の面を、縦×横×高=52cm×52cm×45cmの立方体状の中空容器の内壁に
貼り付けた。この中空容器内に、縦横高=5cm×5cm×5cmの立方体状のゴム片を
6個入れ、この容器を時計回りに15分間回転(回転速度:63回転/分)させ、次に、
反時計回りに15分間回転(回転速度:63回転/分)させた。回転停止後、サンプルを
取り出し、その表面の汚れ状態を目視で観察し、写真撮影した。
続いて各サンプルの表面を乾燥した状態で紙拭き(乾拭)及び、水で濡らした状態で紙
拭き(水拭)し、汚れを拭き終わるまでの時間(10分間以内に拭き取れないものは拭き
取り不可とする。)と拭きとった後の汚れ状態を目視で観察し、写真撮影した。
清掃後の表面の防汚性および汚染除去性を、目視で以下の基準で評価した。その結果を
表4に示す。また、図5に、各例の試験直後および拭き取り後の状態を示す。
◎:ヒールマークがつかない
○:ヒールマークがつくが紙拭き・水拭きで短時間で拭きとれるもの
△:ヒールマークがつくが紙拭き・水拭きで時間をかければ拭きとれるもの
×:紙拭き・水拭きした後でもわずかにヒールマークがのこるもの
Figure 2021101090
<防滑性>
実施例2〜5、比較例2、参考例2の床材について、表5に示す各種靴で滑り性の官能
評価を実施した。試験結果は以下の基準に基づき、8名の測定結果から平均値を算出した
。結果を表5に示す。なお、表中の「乾燥」は、サンプルの乾燥状態での防滑性を指し、
「水」は、サンプル表面に対して均一に水を散布した湿潤状態での防滑性を指す。
1:滑りやすい
2:やや滑りやすい
3:やや滑りにくい
4:滑りにくい
5:滑らない
Figure 2021101090
<反り試験>
実施例6〜8の床材について、実施例6,7は、450mm×450mm、実施例8は
、500mm×500mmの寸法の床材を用いて反りを測定した。反りの測定は、5℃、
23℃、35℃における反りをJIS A1454 14に準拠して測定した。具体的に
は、試料を磨きガラス板上に表面を上にして置き、恒温室内(5、23,35±2℃、湿
度50±10%)に24時間静置して調整した試料を磨きガラス板上に載せ、試料の四隅
とガラス板との間隙を1/10mmスケール付きルーペを用いて反り値を測定し、その平
均値を反り値とした。なお、反り値のプラスは、端部が上方に反った値(上反り値)を、
マイナスは、端部が下方に反った値(下反り値)を示す。その結果を表6に示す。
Figure 2021101090
<表面粗さ>
実施例2〜5、比較例2、参考例2について、JIS B0601−1994に準じて
表面粗さ測定機(サーフコム130A(東京精密社製))を用いて以下の条件で、表面粗
さを測定した。Ra、Ry、Rpkの各値は、サンプルの縦方向と横方向について値をそ
れぞれ算出し、平均値を算出したものである。さらに、前記と同様の基準で防汚性および
汚染除去性を評価した。結果を表7に示す。なお、表7の防滑性評価は、表5のサンダル
、乾燥状態において、3.0を超えるものを◎、2.5〜3.0を○、2.5未満を×と
して評価している。
測定長さ:12.5mm
カットオフ:2.5mm
測定速度:1.5mm/s
測定レンジ:±40μm(一部レンジオーバーするのは±400μm)
Figure 2021101090
実施例1、比較例1、参考例1から、表面保護層に電離放射線硬化性シリコン変性ウレ
タン(メタ)アクリレート樹脂が含有されていると、防汚性および汚染除去性に優れてい
ることがわかる。
実施2〜5および比較例2から、表面保護層に防滑性粒子が含有されていると、防滑性
に優れていることがわかる。
床材の反りについては適度なマイナス値であることが好ましいが、実施例6〜8を対比
すると、床材本体中にガラスシートを2枚含む実施例8が特に好ましいものであった。
表7より、Raが、1.85〜13、Ryが、9〜70、Rpkが、2〜30の範囲を
満足する実施例2〜5は、防汚性および汚染除去性と、防滑性とのバランスがよいことが
わかる。このうち、実施例3が特に好ましいものであった。
本発明は、上記の実施態様および実施例によりなんら限定されるものではない。本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々の実施態様を取り得る。
1 床材
2 床材本体
21 基材層
22 樹脂層
221 第1樹脂層
222 第2樹脂層
223 第3樹脂層
23 形状安定化層
231 第1形状安定化層
232 第2形状安定化層
24 化粧層
3 表層
4 表面保護層
5 防滑性粒子
5a 被覆部
T 表面保護層の厚さ

Claims (4)

  1. 樹脂層を含む床材本体と、前記床材本体の上に表面保護層を有する床材であって、前記
    表面保護層は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、前記電離放射線硬化性樹脂
    組成物が、電離放射線硬化性シリコン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂および電離
    放射線硬化性フッ素変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種
    類と、防滑性粒子とを含む、床材。
  2. 前記防滑性粒子の平均粒子径と前記表面保護層の厚さとの比(粒子径μm/厚さμm)
    が0.1〜10である、請求項1に記載の床材。
  3. 前記表面保護層にエンボスが形成されている、請求項1または2に記載の床材。
  4. 前記表面保護層の硬度が、6B〜4Hである、請求項1〜3のいずれか1に記載の床材
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