JP2003212850A - N−置換カルバゾールの新規合成法 - Google Patents
N−置換カルバゾールの新規合成法Info
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Abstract
材料などとして、また、縮重合によるポリマーの合成原
料として有用な種々の置換基を導入した化学構造を持つ
カルバゾール誘導体を効率的に製造できる新規製法の提
供 【解決手段】 触媒MLn(MはPdまたはNi、Lは
嵩高な有機P化合物配位子、nは整数である。)および
tert-ブトキシアルカリ金属、アルカリ金属の炭酸、酢
酸またはリン酸塩、有機アミンからなる群から選択され
るハロゲン化水素受容体などとして機能する塩の組み合
わせ、またはヨウ化銅、嵩高なジアミン配位子およびte
rt-ブトキシアルカリ金属、アルカリ金属の炭酸塩、ま
たはリン酸塩からなる群から選択されるハロゲン化水素
受容体などとして機能する塩との組み合わせの存在する
有機溶媒とからなるR−Cz、(Czは、N−カルバゾ
リル基、アリール基並びにアルキル基である)で表され
るカルバゾール誘導体を製造するための反応系。
Description
ル誘導体の製法に関する。特にカルバゾール誘導体の
3,6,2,7,および9位に限らずその他の部位に置
換基を簡便に導入した置換カルバゾール誘導体を製造す
る方法、特にアミノ基のNと2,2’−ジハロ−1,
1’−ビフェニル、2−ハロ−2’−トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ−1,1’−ビフェニルまたは2,
2’−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−
1,1’−ビフェニルのハロゲンおよび/またはトリフ
ルオロメタンスルホニルオキシが置換した2つの炭素と
で2つのN−C結合を同時に形成させることでN含有ピ
ロール環を形成するという全く新しい反応により、換言
すれば一段階の反応により前記置換位置に置換基を持っ
た産業上有用な置換カルバゾール誘導体を製造する方法
に関する。前記置換カルバゾール誘導体はそれ自体で、
またはポリマー化することにより、有機EL、蛍光材
料、有機バッファー層構成材料などとして有用である。
を有するカルバゾール誘導体を無置換カルバゾールから
合成する場合、カルバゾール環自身の電子的性質から、
求電子的反応はカルバゾールの3,6,9位でしかおこ
らなかった。したがってカルバゾールを含むポリマーと
しては9位にビニル基を導入して重合するポリ(9?ビ
ニルカルバゾール)が最も一般的であり、または3,6
位において高分子を形成することが一般的であった。
バゾールを合成するには、ナイトレンを経由する方法、
フィッシャーインドール合成、トリアゾールを経由する
方法がある(Gilchrisit, T. L. ;Heterocyclic Chemis
try,Pitman Publishig Ltd.(1985))。その他置換基を
導入する方法としてDieals-Alder反応(Kishbaugh, T.
L. S.; Grible, G. W.;Tetrahedron Lett. 2001,42, 47
83.)やニトロ基を利用した反応(H. Suschitzky and
E. F. V. Scriven Ed. Progress in Heterocyclic Chem
istry vol 7, Pergamon (1995))が挙げられる。またそ
の他様々な置換基を導入することが容易な2-ニトロビフ
ェニルをトリエチルフォスファイトを用いて閉環させる
反応(Cadogan, J. I. G.; Wood, M, C.; Mackie, R.
K.; Searle, R. J. G.J.Chem.Soc. 1965, 4831. e) Mo
rin, J. F.; Leclerc, M. Macromolecules 2001, 34,46
80.)やカチオンであるナフィオン-Hを用いて2,2'-ジ
アミノビフェニルを閉環させる反応(Yamato, T.; Hide
shima, C.; Suehiro, K.;Tashiro, M.; Prakash, G. K.
S.; Olah, G. A.J.Org.Chem.1991,56, 6248.)があげ
らる。しかし、いずれの方法も出発原料の合成に多段階
を要し、トータルの収率も低い。
を導入することが困難であったことから、任意の位置に
望む置換基を導入する多置換カルバゾールの製法の報告
例は少ない。そのなかで置換基導入が容易なビフェニル
を経由して遷移金属触媒を用いてアミノ化によりカルバ
ゾール環を形成する反応はHartwigとJ. Woodらのによ
る、2-アミノ-2'-ヨードビフェニルから出発し、窒素−
炭素結合を形成する例のみである(Driver, M. S.; Har
twig, J. F. J.Am.Chem.Soc. 1995, 117, 4708.Wood,
J. L.; Stoltz, B. M.; Dietrich, H. J.; Pflum, D.
A.; Petsch, D.T. J.Am.Chem.Soc. 1997, 119, 964
1.)。またビフェニルを用いる反応例としては2−ニト
ロビフェニルをトリエチルフォスファイトを用いてカル
バゾール環を形成させる反応(Cadogan, J. I. G.;Woo
d, M. C.;Mackie, R. K.; Searle, R.J. G.: J.Chem.So
c. 1965,4831.)2,2‘−ジアミノビフェニルとナフ
ィオンを用いる(Yamato, T.; Hideshima, C,; Suehir
o, K.; Tasjiro, M.; Prakash,G. K. S.; Olaf, G. A.
J.Org.Chem. 1991,56, 6248)2例のみであり、いずれ
も適用できる化合物が限られている。
バゾール環に前記産業上有用な様々な置換基を任意の位
置に導入することができるカルバゾール誘導体の高効率
製造方法を提供することである。
題になってくるのはカルバゾール環自身の反応性の乏し
さで、3,6位の求電子反応と9位のプロトン引き抜き
をともなう求電子試薬との反応によってしか置換基を導
入することが出来なかった。したがって、任意の位置に
望むべき置換基が導入されたカルバゾール環を形成させ
るには全く新しい発想に基づく合成方法を開発する必要
があった。
有環を合成の過程で形成させる、すなわちN置換アミン
分子と2,2’−ジハロ−1,1’−ビフェニル、2−
ハロ−2’−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−
1,1’−ビフェニルまたは2,2’−ビス(トリフル
オロメタンスルホニルオキシ)−1,1’−ビフェニル
1分子を用い前記アミノ基のNと2つのハロゲンまたは
/およびトリフルオロメタンスルホニルオキシが置換し
た2つの炭素とで2つのN−C結合を同時に形成させN
−カルバゾリル基のN含有ピロール環を形成させること
を考えた。アリールハライド化物のアミノ化によるC−
N結合の形成に利用されている、パラジウムなどの金属
と嵩高な有機基を持つP配位子化合物の錯体を触媒と
し、有機溶媒中で適当なハロゲン化水素受容体などとし
て機能するtert-ブトキシNaの存在下で反応させるこ
とにより前記新規な着想に基づく反応が進行し、前記本
発明の目的化合物が効率的に得られることを確認し、前
記各課題を解決することができた。
用いるアミノ化反応の触媒、ハロゲン化水素受容体など
として機能する塩については、例えば、〔文献;J. P.
Wolfe, H. Tomori, J. P. Sadighi, J. J. Yin, S. L.
Buchwald, J. Org. Chem. vol 65 p.1158 (2000).〕を
参考資料として挙げることができる。また、このような
技術を、本発明で利用する触媒を支持する根拠として挙
げる。ここには、アリールハロゲン化物基質をPd触媒
を利用してアミノ化する反応を効率的に進める触媒系を
構築するための配位子化合物群が説明され、特に配位子
として有機リン化合物を用いること、立体的に嵩高な配
位子は、還元的除去反応によるC−N結合の形成を促進
することが説明されている(1165頁、Discussionの
項参照)。また、利用するPd源、配位子の選択は前記
反応を成功させるかどうかの重要な点であり、P結合有
機基の嵩高性、高電子密度およびホスフィン類は、アリ
ールクロライドを容易にアニリン誘導体にすると共に、
使用できるアリールクロライド化合物の範囲を拡大する
ことができることが説明されている(1158頁左
欄。) そして、図1の配位子群Aおよび該配位子の特性などが
説明されている。また、前記本発明の反応は、ヨウ化
銅、嵩高なジアミン配位子、例えばラセミトランス−
1,2−シクロヘキサンジアミンおよびtert-ブトキシ
アルカリ金属(アルカリ金属はLi、NaまたはK)、
アルカリ金属の炭酸、またはリン酸塩からなる群から選
択されるハロゲン化水素受容体などとして機能する塩、
例えば、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム
またはtert-ブトキシNaなどの塩の触媒系を用いて進
行させることもできる(この系の触媒については、文
献、A. Klapars, J. C. Antilla, X. Huang, S. L. Buc
hwald J. Am. Chem. Soc.2001,123, 7727. を参照)。
Ln(MはPdまたはNi、Lは嵩高な有機P化合物配
位子、nは整数である。)およびtert-ブトキシアルカ
リ金属(アルカリ金属はLi、NaまたはK)、アルカ
リ金属の炭酸、酢酸またはリン酸塩、有機アミンからな
る群から選択されるハロゲン化水素受容体などとして機
能する塩の組み合わせ、またはヨウ化銅、嵩高なジアミ
ン配位子およびtert-ブトキシアルカリ金属(アルカリ
金属はLi、NaまたはK)、アルカリ金属の炭酸塩、
またはリン酸塩からなる群から選択されるハロゲン化水
素受容体などとして機能する塩との組み合わせの存在す
る有機溶媒とからなるR−Cz、(但し,Czは、置換
または未置換のN−カルバゾリル基であり、Rはカルバ
ゾールのNと結合する置換基であり、該置換基は置換ま
たは未置換のアリール基並びに置換基または未置換のア
ルキル基である)で表されるカルバゾール誘導体を製造
するための反応系である。
い、R−NH2で表される第1級アミンと置換基を有し
ていても良い2,2’−ジハロ−1,1’−ビフェニ
ル、2−ハロ−2’−トリフルオロメタンスルホニルオ
キシ−1,1’−ビフェニルまたは2,2’−ビス(ト
リフルオロメタンスルホニルオキシ)−1,1’−ビフ
ェニルとを反応原料ととして下記の反応によりR−C
z、(但し,Czは、置換または未置換のN−カルバゾ
リル基であり、RはカルバゾールのNと結合する置換基
であり、該置換基は置換または未置換のアリール基並び
に置換基または未置換のアルキル基である)で表される
カルバゾール誘導体を製造する方法である。
リフルオロメタンスルホニルオキシからなる群から独立
に選択される置換基であり、Y、およびZは、メトキシ
基、エステル基、ニトリル基、アミノ基、ハロゲン、ニ
トロ基、酸素原子含有基またはアリール基から独立に選
択される置換基であり、nおよびmは1〜4から選択さ
れる整数である。Rは請求項1で定義したと同じであ
る。
2,7位または3,6位にメトキシ基、エステル基、ニ
トリル基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、酸素原子含
有基またはアリール基から独立に選択される基で置換さ
れていることを特徴とする前記カルバゾール誘導体を製
造する方法であり、より好ましくは、2位および2’位
のハロゲン原子はBr、I、またはClから選択され、
2,2’−ジハロ−1,1’−ビフェニルの場合それぞ
れのハロゲン原子は独立に選択されることを特徴とする
前記各カルバゾール誘導体を製造する方法である。
有機ELのホール輸送材料などとして、また、2,7−
ハロゲン置換誘導体は縮合重合してポリマー材料とし
て、前記と同様の、またはN位にキラル基、または重合
により光学異性を持つ材料を合成し、光学記録など光学
素子材料として利用されており、これらの特性は、カル
バゾール環の他の位置に種々の置換基を導入することに
より、その機能性を向上させることができるから、種々
の機能基で置換した、また多置換のカルバゾール誘導体
が求められており、前記カルバゾール誘導体の簡易で、
効率的な合成方法が求められている。本発明の合成法
は、このような要求をに合致したものである。
メトキシ基、エステル基、ニトリル基、ニトロ基、アミ
ノ基、ハロゲン原子、酸素原子含有基、およびアリール
基などを挙げることができ、目的に応じて選択される。
例えば、電子共鳴効果を持つ置換基のメトキシ基、アミ
ノ基、ハロゲン、ニトロ基などは、有機ELのホール輸
送層として用いるためには有効な基である。ここで、酸
素原子含有基とは、例えば、−OAc、−OSO2C
H3、−OSO2CF3などを意味する。
リマー材料を形成するのに有効な基であり、アルコキシ
基、酸素原子含有基、アミノ基はハロゲンに容易に変換
できるだけでなく、他の置換基を導入することにも有効
な反応性の基である。
る。上記説明から明らかなように、反応原料であるNH
2−RにおけるRも、前記官能基の説明に基づいて選択
され、用いられる。
ハロ−1,1’−ビフェニル化合物において、ハロゲン
原子は同一でも、異なっていても良く、Cl、Brおよ
びIから選択される。好ましいものとしては、BrとI
とを組み合わせた場合、および両ハロゲンがBrの場合
を挙げることができる。該ビフェニル化合物において機
能性などの改善に有効な置換位置は4,4’位である。
4,4’位に置換したメトキシ基、アミノ基、ニトロ
基、ハロゲンまたはアリール基は本発明の反応に付随し
て高分子化、置換基導入が容易で、有機EL、蛍光材
料、有機バッファー層構成材料の新規化合物の合成法を
確立、または既知化合物の合成法を改善することができ
る。アミノ化反応の基質が2−ハロ−2’−トリフルオ
ロメタンスルホニルオキシ−1,1’−ビフェニルまた
は2,2’−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキ
シ)−1,1’−ビフェニルの場合においても、4,
4’位にメトキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲンま
たはアリール基を置換することにより上記特性の改善が
見られる。
は嵩高な有機P化合物配位子、nは整数である。)にお
いて、配位子Lとして、トリス(2−メチルフェニル)
ホスフィン、ビス(2−メチルフェニル)(フェニル)
ホスフィン、(2−メチルフェニル)ジフェニルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホス
フィン類、トリ(tert-ブチル)ホスフィン、トリ(イ
ソプロピル)ホスフィンなどの嵩高のアルキル基を持つ
トリアルキルホスフィン類、2−(ジシクロヘキシルホ
スフィノ)ビフェニル、2−(ジ−tert-ブチルホスフ
ィノ)ビフェニルなど有機ホスフィノ基置換ビフェニル
類、1位、1位および1’位にフェニル基、嵩高なアル
キル基、例えばtert-ブチル基、シクロヘキシル基から
なる群から選択2つの有機基(異なるものから選択され
ても良い)をもつホスフィノ基を有するフェロセン類、
その他に、図1の配位子群Aおよび配位子群Bに記載の
ものを挙げることができる。好ましいものとして、トリ
(tert-ブチル)ホスフィンを挙げることができる。
体としては、Pd2(dba)3、Pd(dba)2、Pd(O
Ac)2、PdCl2〔P(メチルフェニル)3〕2、Pd
Cl 2(dppf)、Ni(cod)2、NiCl2とMeMgB
rの混合物、Ni/C、NiCl2(1,10−フェナ
ンスロリン)とMeMgBrの混合物などを挙げること
ができる。ここで、dba=トランス、トランス−ジベ
ンジリデン アセトン(trans,trans-dibenzylidene ace
tone)、OAc=アセチル、dppf=1,1’−(ビ
スジフェニルホスフィノ)フェロセン〔1,1'-(bisdiphe
nylphosphino)ferrocene〕、cod=1,5−シクロオ
クタジエンである。
応中に発生するHX(Xはハロゲン原子)の受容体など
として機能する塩は、tert-ブトキシアルカリ(アルカ
リとしては、Li、Na、K)、リン酸カリウム、炭酸
セシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、トリアルキルアミンなどを挙げることができる。
る触媒系として、ヨウ化銅、嵩高なジアミン配位子、例
えばラセミ トランス−1,2−シクロヘキサンジアミ
ンおよびtert−ブトキシアルカリ金属(アルカリ金属は
Li、NaまたはK)、アルカリ金属の炭酸塩、または
リン酸塩からなる群から選択されるハロゲン化水素受容
体などとして機能する塩、例えば、リン酸カリウム、炭
酸カリウム、炭酸セシウムまたはtert-ブトキシNaな
どの塩との組み合わせを有用なものとして挙げることが
できる。
ンなどの芳香族類、ヘキサン、エーテル、酢酸エチル、
クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド
(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−
ジオキサン、1,2?ジメトキシエタン、ジグライムな
どである。好ましくは、トルエン、ベンゼンなどの芳香
族類である。 G.反応温度は20〜150℃の範囲であり、好ましく
は、80±20℃である。
に説明するためのものであり、請求の範囲に記載に記載
された構成の範囲に含まれるものであれば、本実施例に
準ずる作用効果を持ち、本発明を限定するものではな
い。
ミリモル)と2,2'ブロモ−1,1’−ビフェニル(15
6mg、0.60ミリモル)をトルエン(1.0mL)にとか
し、金属前駆体としてPd2(dba)3(23mg、0.025
ミリモル)と配位子化合物としてトリス(tertブチル)
ホスフィン(20mg、0.10ミリモル)、ハロゲン化水素受
容体などとして機能する塩としてtert−ブトキシシNa
(115mg、1.20mmol)を加え、80℃で、24時間撹拌
した。反応混合物を濃縮した後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し、前記目的の化合物 105mg
(収率86%)を得た。融点;95℃〜97℃であった。
方法を、実施例1も合わせて表1に示す。
P,トルエン、80℃、16時間 Bは、Cs2CO3、Pd2(dba)3、(S)-(BNAP)、トルエン、100
℃、3日 Cは、K3PO4、Pd2(dba)3、L1、DME、100℃、3日 但し、L1は以下の化合物である。
がつくアミンと2,2'-ジブロモビフェニル上に電子供
与性基がつくハライドをクロスカップリングさせると1
段階でカルバゾール環をいずれも高い収率で構築する。
アミン、ハライドどちらにどのような置換基がついてい
ても反応は進行すると思われる。
示す。図2−1〜図2−3は、シクロヘキサン中に前記
本発明の化合物を1×10-5モル溶解した溶液のUV特
性を示す。カルバゾール上に電子供与性を置換基に有す
る化合物は長波長にシフトすることが観察される。これ
によりカルバゾール上の置換基の効果により化合物の物
性に著しく影響を及ぼすといえる。このことからも多置
換のカルバゾール環を合成することは非常に有用なこと
であると言い換えられる。
に示す。図3は、シクロヘキサン中に前記本発明の化合
物を1×10-5モル溶解した溶液の蛍光特性を示す。番
号は図4に示した化合物の番号に対応する。カルバゾー
ル上に電子供与性の置換基に有する化合物は長波長にシ
フトすることが観察される。これによりカルバゾール上
の置換基の効果により化合物の物性に著しく影響を及ぼ
すといえる。このことからも多置換のカルバゾール環を
合成することは非常に有用なことであると言い換えられ
る。
に示す。
い反応に基づく多置換カルバゾール誘導体の合成原理
は、種々のアリール基やアルキル基と組み合わせた多置
換カルバゾール誘導体を提供できるという優れた効果を
もたらし、得られた多置換カルバゾール誘導体は、その
後変換容易な官能基を有していることから種々の機能材
料、特に有機EL、蛍光材料、有機バッファー層構成材
料として有用な材料を合成できるという優れた効果をも
たらす。
性の一覧表
Claims (4)
- 【請求項1】 触媒MLn(MはPdまたはNi、Lは
嵩高な有機P化合物配位子、nは整数である。)および
tert-ブトキシアルカリ金属(アルカリ金属はLi、N
aまたはK)、アルカリ金属の炭酸、酢酸またはリン酸
塩、有機アミンからなる群から選択されるハロゲン化水
素受容体などとして機能する塩の組み合わせ、またはヨ
ウ化銅、嵩高なジアミン配位子およびtert-ブトキシア
ルカリ金属(アルカリ金属はLi、NaまたはK)、ア
ルカリ金属の炭酸塩、またはリン酸塩からなる群から選
択されるハロゲン化水素受容体などとして機能する塩と
の組み合わせの存在する有機溶媒とからなるR−Cz、
(但し,Czは、置換または未置換のN−カルバゾリル
基であり、RはカルバゾールのNと結合する置換基であ
り、該置換基は置換または未置換のアリール基並びに置
換基または未置換のアルキル基である)で表されるカル
バゾール誘導体を製造するための反応系。 - 【請求項2】 請求項1に記載の反応系を用い、R−N
H2で表される第1級アミンと置換基を有していても良
い2,2’−ジハロ−1,1’−ビフェニル、2−ハロ
−2’−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−1,
1’−ビフェニルまたは2,2’−ビス(トリフルオロ
メタンスルホニルオキシ)−1,1’−ビフェニルとを
反応原料ととして下記の反応によりR−Cz、(但し,
Czは、置換または未置換のN−カルバゾリル基であ
り、RはカルバゾールのNと結合する置換基であり、該
置換基は置換または未置換のアリール基並びに置換基ま
たは未置換のアルキル基である)で表されるカルバゾー
ル誘導体を製造する方法。 【化1】 (但し、X1およびX2はハロゲン、およびトリフルオロ
メタンスルホニルオキシからなる群から独立に選択され
る置換基であり、Y、およびZは、メトキシ基、エステ
ル基、ニトリル基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、酸
素原子含有基またはアリール基から独立に選択される置
換基であり、nおよびmは1〜4から選択される整数で
ある。) - 【請求項3】 少なくともカルバゾール環の2,7位ま
たは3,6位にメトキシ基、エステル基、ニトリル基、
アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、酸素原子含有基または
アリール基から独立に選択される基で置換されているこ
とを特徴とする請求項2に記載のカルバゾール誘導体を
製造する方法。 - 【請求項4】 2位および2’位のハロゲン原子はB
r、I、またはClから選択され、2,2’−ジハロ−
1,1’−ビフェニルの場合それぞれのハロゲン原子は
独立に選択されることを特徴とする請求項2または3に
記載のカルバゾール誘導体を製造する方法。
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