JP2003211687A - インクジェット装置の洗浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装置 - Google Patents

インクジェット装置の洗浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装置

Info

Publication number
JP2003211687A
JP2003211687A JP2002009081A JP2002009081A JP2003211687A JP 2003211687 A JP2003211687 A JP 2003211687A JP 2002009081 A JP2002009081 A JP 2002009081A JP 2002009081 A JP2002009081 A JP 2002009081A JP 2003211687 A JP2003211687 A JP 2003211687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
ink
supply path
ink supply
droplet discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002009081A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoki Kawase
智己 川瀬
Tatsuya Ito
達也 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002009081A priority Critical patent/JP2003211687A/ja
Publication of JP2003211687A publication Critical patent/JP2003211687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄した場合であっても、液滴吐出ヘッドに
対する影響が少ないインクジェット装置の洗浄方法およ
び洗浄機構を有するインクジェット装置を提供する。 【解決手段】 洗浄液を用いて、インクの貯蔵タンク
と、インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを含むインク
ジェット装置を洗浄するための洗浄方法およびそれを利
用した洗浄機構を有するインクジェット装置であって、
インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に分離さ
せた状態で、少なくともインクの供給路を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット装
置の洗浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装
置に関する。より詳しくは、本発明は、液滴吐出ヘッド
に対する影響が少ないインクジェット装置の洗浄方法お
よび洗浄機構を有するインクジェット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機や携帯型コンピュータ
等の電子機器の表示部において、電気光学装置、例え
ば、液晶装置(以下、LCDと称する場合がある。)、
エレクトロルミネッセンス装置(以下、EL装置と称す
る場合がある。)、プラズマディスプレイパネル(以
下、PDPと称する場合がある。)等の表示装置が、そ
の薄膜性や軽量性に着目されて、幅広く用いられたり、
検討されたりしている。また、これらの表示装置におい
て、それぞれフルカラー表示が望まれており、例えば、
LCDにおいては、液晶層によって変調される光を、進
行面に配置されたカラーフィルタを通過させることによ
ってフルカラー表示が達成されている。このカラーフィ
ルタは、例えば、ガラス基板やプラスチック基板の表面
に、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応したドット状
の各フィルタエレメントを、所定配列で規則的に並べる
ことによって構成されている。そして、このようなカラ
ーフィルタを製造するにあたり、一般に、フォトリソグ
ラフィー法が用いられているが、製造工程が複雑である
ことや、あるいは各色に対応したカラーフィルタ材料や
フォトレジストなどを多量に消費することから、製造コ
ストが高く、環境条件に対する負荷が大きいという問題
が見られた。
【0003】そこで、このような製造上の問題を解決す
るために、特開昭59−75205号公報、特開昭63
−235901号公報、特開平8−202317号公報
等において、インクジェット装置を用い、複数のノズル
から選択的にカラーフィルタ用インクを吐出することに
よって、所定位置にフィルタエレメントを形成し、カラ
ーフィルタのフィルタエレメントを製造する方法が提案
されている。しかしながら、いずれもインクジェット装
置の洗浄、特にインクの貯蔵タンクから液滴吐出ヘッド
に至るインクの供給路についての洗浄については何ら考
慮しておらず、長時間動作させた場合や、多量のインク
を塗布した場合に、液滴吐出ヘッドが目つまりしたり、
インクを安定して吐出させたりすることが困難になると
いう問題が見られた。また、カラーフィルタ用インク
は、厚膜化を図るために、一般的なインクジェット用イ
ンクと比較して粘度の値が高いために、インクの吐出が
さらに不安定になりやすく、良好なインクジェット装置
の洗浄方法や、洗浄装置の出現が望まれていた。
【0004】そこで、特開平9−48135号公報にお
いては、図18に示すように、RGB画素に対応したイ
ンクジェットをそれぞれ生じさせる少なくとも1組の描
画ヘッド(液滴吐出ヘッド)206と、インクジェット
による描画によってカラーフィルタが形成される基板2
05を搭載して移動する移動手段204と、基板205
と描画ヘッド206を位置合わせする位置合わせ手段2
07、208とを具備するカラーフィルタの製造装置で
あって、描画ヘッド206の吐出面をクリーニングする
手段209を設けたカラーフィルタの製造装置が開示さ
れている。また、特開平10−282329号公報に
は、図19に示すように、インクジェットヘッド251
にインクを供給し、基板上にインクを吐出してカラーフ
ィルタを製造する方法であって、インクジェットヘッド
251によるインクの吐出後に、切り替え器254を介
して、洗浄液をインク供給口252からポンプ(図示せ
ず)で加圧してインクジェットヘッド251に供給し、
当該インクジェットヘッド251を内部から洗浄するカ
ラーフィルタの製造方法が開示されている。なお、特開
平10−282329号公報には、好適な態様として、
インクジェットヘッド251のノズル部分をワイプする
ふき取り機構255を設けることも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−48135号公報に開示されたカラーフィルタの製
造装置は、描画ヘッド(液滴吐出ヘッド)の吐出面自体
の洗浄は考慮されているものの、インクの貯蔵タンクか
ら描画ヘッドに至るインクの供給路についての洗浄は考
慮されていないために、製造装置を長時間動作させた場
合や、多量のインクを塗布した場合に、インクの供給路
が汚染され、それに起因して、液滴吐出ヘッドが目つま
りしたり、インクを安定して吐出させたりすることが困
難になるという問題が見られた。すなわち、開示された
カラーフィルタの製造装置は、インクの貯蔵タンクから
描画ヘッドに至るインクの供給路の長さが、一般に1〜
10mと長いために、供給されるインクが、インクの供
給路の内壁に付着して、インクの供給路を汚染しやすか
った。そして、付着したインクの厚さが過度に厚くなる
と、インクの塊がインクの供給路の内壁から剥離して、
それが描画ヘッドに運ばれ、ノズル内に留まって、目つ
まりを発生させたり、インクの安定吐出を阻害したりす
るといった問題が見られた。
【0006】また、特開平10−282329号公報に
開示されたカラーフィルタの製造方法は、インクジェッ
トヘッド(液滴吐出ヘッド)の吐出面自体の洗浄のみな
らず、インクの貯蔵タンクからインクジェットヘッドに
至るインクの供給路についての洗浄についても考慮して
おり、製造方法を長時間実施した場合や、多量のインク
を塗布した場合に、インクジェットヘッドやインクの供
給路が汚染されるのをそれなりに防止することが可能で
あった。しかしながら、開示されたカラーフィルタの製
造方法は、インクの供給路を洗浄したあとの汚染された
洗浄液を、インクジェットヘッドを介して排出するため
に、汚染された洗浄液によって、インクジェットヘッド
内が逆に汚染されてしまう場合が見られた。特に、イン
クの供給路の内壁に付着したインクの塊がインクジェッ
トヘッド内に運ばれると、それが細いノズル内に留まっ
て、目つまりを発生させたり、インクの安定吐出を阻害
したりするとともに、インクジェットヘッドが正常動作
するまでに、復旧回復に長時間を要するといった問題が
見られた。
【0007】そこで、本発明の発明者は、このような問
題点に鑑みて鋭意検討した結果、カラーフィルタ等の製
造に使用されるインクジェット装置において、洗浄した
場合に、インクの供給路の内壁に付着したインクの塊
が、液滴吐出ヘッドに対して影響し、液滴吐出ヘッドの
目つまり要因やインクの安定吐出の阻害要因となること
を見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、
本発明の目的は、洗浄した場合であっても、液滴吐出ヘ
ッドに対する影響が少ないインクジェット装置の洗浄方
法および洗浄機構を有するインクジェット装置を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、洗浄液
を用いて、インクの貯蔵タンクと、インクの供給路と、
液滴吐出ヘッドとを含むインクジェット装置を洗浄する
洗浄方法であって、インクの供給路と、液滴吐出ヘッド
とを実質的に分離させた状態で、少なくともインクの供
給路を洗浄する方法が提供され、上述した問題点を解決
することができる。すなわち、インクの供給路と、液滴
吐出ヘッドとを実質的に分離させた状態で、少なくとも
インクの供給路を単独で洗浄するため、汚染した洗浄液
およびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入するこ
とを有効に防止することができる。したがって、汚染さ
れた洗浄液や、インクの供給路の内壁に付着したインク
の塊が流入することによって、液滴吐出ヘッドが目つま
りしたり、インクの安定吐出を阻害したりすることを効
果的に防止することができる。一方、液滴吐出ヘッドに
ついても、インクの供給路から実質的に分離させた状態
で洗浄することができるため、例えば、当該液滴吐出ヘ
ッドのみを洗浄浴に浸漬した状態で、超音波振動を付与
しながら洗浄することにより、微細構造のノズル部分を
含めて、綿密に洗浄することができる。
【0009】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、液滴吐出ヘッドに、液滴吐出
ヘッドの脱着機構が設けてあり、当該液滴吐出ヘッドを
はずした状態で、インクの供給路を洗浄することが好ま
しい。このように実施することにより、汚染した洗浄液
およびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入するこ
とを完全に防止することができるため、洗浄した場合で
あっても、液滴吐出ヘッドに対する影響が少ないインク
ジェット装置の洗浄方法を効率的かつ経済的に提供する
ことができる。
【0010】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、液滴吐出ヘッドに、洗浄液が
液滴吐出ヘッド内に流入することを防止するための弁構
造が設けてあることが好ましい。このように実施するこ
とにより、簡易な構造によって、汚染した洗浄液および
インクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入することを完
全に防止することができる。したがって、洗浄した場合
であっても、液滴吐出ヘッドに対する影響が少ないイン
クジェット装置の洗浄方法を効率的かつ経済的に提供す
ることができる。
【0011】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、液滴吐出ヘッドに、洗浄液の
流入口が設けてあるとともに、当該流入口を介して、液
滴吐出ヘッドへのインクの流入方向とは逆方向から洗浄
液を流入させることにより、インクの供給路を洗浄する
ことが好ましい。このように実施することにより、汚染
した洗浄液およびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に
流入することを完全に防止することができるため、液滴
吐出ヘッドに対する影響が少ないインクジェット装置の
洗浄方法を効率的かつ経済的に提供することができる。
また、液滴吐出ヘッドへのインクの流入方向とは逆方向
から洗浄液を流入させるため、流体抵抗の関係上、イン
クの供給路の内壁に付着したインク等を、きわめて効率
的に洗浄除去することができる。
【0012】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、液滴吐出ヘッドに、洗浄液の
流入口が設けてあり、当該流入口を介して、液滴吐出ヘ
ッドへのインクの流入方向とは逆方向から洗浄液の一部
を流入させるととともに、インクの供給路の入り口を介
して、液滴吐出ヘッドへのインクの流入方向と同方向か
ら洗浄液の一部を流入させることにより、インクの供給
路を洗浄することが好ましい。このように実施すること
により、汚染した洗浄液およびインクの塊等が、液滴吐
出ヘッド内に流入することを完全に防止することができ
るため、液滴吐出ヘッドに対する影響が少ないインクジ
ェット装置の洗浄方法を効率的かつ経済的に提供するこ
とができる。また、二方向からインクの供給路内に洗浄
液を流入させて洗浄を実施するため、流体抵抗の関係
上、インクの供給路の内壁に付着したインク等を、きわ
めて効率的に洗浄除去することができる。なお、インク
の供給路を二方向から流入させて洗浄した後の廃液は、
例えば、インクの供給路の任意個所で合流させた後、イ
ンクの供給路の途中に設けた出口から排出させればよ
い。
【0013】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、インクの供給路の途中に、洗
浄液の排出口が設けてあり、当該洗浄液の排出口を介し
て、インクの供給路の洗浄により汚染した洗浄液を外部
に排出することが好ましい。このように実施することに
より、汚染した洗浄液およびインクの塊等が、液滴吐出
ヘッド内に流入することを有効に防止することができる
とともに、インクの供給路全体にわたって効率的かつ経
済的に洗浄することが可能となる。
【0014】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、汚染した洗浄液の一部または
全部を、循環路を設けて、インクの供給路に循環させる
ことことが好ましい。このように実施することにより、
少量の洗浄剤で、有効かつ経済的にインクの供給路を洗
浄することができる。
【0015】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、超音波振動を連続または断続
的に付与しながら、インクの供給路または液滴吐出ヘッ
ドを洗浄することが好ましい。このように超音波振動を
利用して洗浄を実施することにより、インクの供給路の
内壁に付着したインク等を、わずかな量の洗浄液を用い
て、きわめて効率的かつ短時間に洗浄除去することがで
きる。
【0016】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、インクの供給路または液滴吐
出ヘッドを洗浄する洗浄液として、インクを構成する主
溶剤と同一または類似の化合物を使用することが好まし
い。このように特定の洗浄液を用いて洗浄を実施するこ
とにより、インクの供給路の内壁に付着したインク等
を、比較的わずかな量の洗浄液を用いて、効率的かつ短
時間に洗浄除去することができる。また、インクを構成
する主溶剤と同一または類似の化合物を使用しているた
め、洗浄後に塗布するインクを流入させた場合であって
も、当該インクの主原料が析出したり、固化したりする
おそれが少なくなる。
【0017】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、インクの供給路または液滴吐
出ヘッドを洗浄する洗浄液として、水、アルコール類、
ジオール類、およびジオール類のエーテル化合物からな
る群から選択される少なくとも一つの化合物を使用する
ことが好ましい。このように洗浄効果に優れた特定の洗
浄液を用いることにより、インクの供給路の内壁に付着
したインク等を、効率的かつ短時間に洗浄除去すること
ができる。また、本発明のインクジェット装置の洗浄方
法においては、このような洗浄効果に優れた洗浄液を用
いた場合であっても液滴吐出ヘッドに対する影響が少な
いため、使用可能な洗浄液の選択の幅が飛躍的に拡大す
るという利点も得られる。
【0018】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、インクの供給路を洗浄する洗
浄液として、酸化合物およびアルカリ化合物、あるいは
いずれか一方の化合物を使用することが好ましい。この
ように洗浄効果に極めて優れた特定の洗浄液を用いるこ
とにより、インクの供給路の内壁に付着したインク等
を、少量で、効率的かつ短時間に洗浄除去することがで
きる。また、このように洗浄液として、一般に腐食等を
発生させやすいと言われている酸化合物およびアルカリ
化合物を用いた場合であっても、液滴吐出ヘッドには流
入しないために、使用上、特に問題が生じないことが判
明している。
【0019】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、インクの供給路または液滴吐
出ヘッドを洗浄する洗浄液として、微粒子入り化合物を
使用することが好ましい。このように実施することによ
り、洗浄液中に含有される微粒子が、所定の研磨機能を
発揮して、インクの供給路の内壁に付着したインク等
を、効率的かつ短時間に除去することができる。
【0020】また、本発明のインクジェット装置の洗浄
方法を実施するにあたり、洗浄液の温度を30〜200
℃の範囲内の値とし、当該加温された洗浄液を使用し
て、インクの供給路または液滴吐出ヘッドを洗浄するこ
とが好ましい。このように加温状態の洗浄液を用いるこ
とにより、インクの供給路の内壁に付着したインク等
を、容易に膨潤させることができ、効率的かつ短時間に
除去することができる。
【0021】また、本発明の別の態様は、インクの貯蔵
タンクと、インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを含む
インクジェット装置を洗浄するための洗浄方法であっ
て、第1の洗浄工程と、第2の洗浄工程とを含み、当該
第1の洗浄工程において、インクの供給路と、液滴吐出
ヘッドとを実質的に分離させた状態で、それぞれ洗浄液
を用いて別々に洗浄するとともに、当該第2の洗浄工程
において、インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質
的に結合させた状態で、それぞれインクジェット装置に
使用するインクを用いて同時に洗浄することを特徴とし
たインクジェット装置の洗浄方法である。すなわち、第
1の洗浄工程において、インクの供給路と、液滴吐出ヘ
ッドとを実質的に分離させた状態で、洗浄液を用いてそ
れぞれ別々に洗浄するため、洗浄により汚染した洗浄液
およびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入するこ
とを有効に防止することができる。また、第2の洗浄工
程においては、液滴吐出ヘッドとインクの供給路を実質
的に結合させた状態で、インクジェット装置に使用する
インクを用いてインクの供給路および液滴吐出ヘッドを
同時に洗浄するため、インクの供給路のみならず、液滴
吐出ヘッドや、インクの供給路との結合部についても洗
浄できるとともに、インクジェット装置を、洗浄後、即
座に動作させることができる。
【0022】また、本発明の別の態様は、インクの貯蔵
タンクと、インクの供給路と、液滴吐出ヘッドと、洗浄
機構とを含むインクジェット装置であって、インクの供
給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に分離させた状態
で、洗浄機構によって洗浄液をインクの供給路内および
液滴吐出ヘッド内に流入させることにより、インクの供
給路および液滴吐出ヘッドを、別々に洗浄することを特
徴とした洗浄機構を有するインクジェット装置である。
このようにインクジェット装置を構成することにより、
インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に分離さ
せた状態で、インクの供給路および液滴吐出ヘッドを別
々に洗浄するため、汚染した洗浄液およびインクの塊等
が、液滴吐出ヘッド内に流入することを有効に防止する
ことができる。したがって、汚染された洗浄液や、イン
クの供給路の内壁に付着したインクの塊が液滴吐出ヘッ
ド内に流入することによって、目つまりしたり、インク
の安定吐出を阻害したりすることを効果的に防止するこ
とができる。
【0023】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、洗浄機構が、洗浄液タ
ンクと、ポンプとを含むことが好ましい。このように構
成することにより、インクの供給路の内壁に付着したイ
ンク等をポンプによって加圧された洗浄液によって、効
率的かつ短時間に除去することが可能なインクジェット
装置を経済的に提供することができる。
【0024】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、当該洗浄機構を、イン
クの供給路用洗浄機構と、液滴吐出ヘッド用洗浄機構と
から構成してあることが好ましい。このように構成する
ことにより、インクの供給路および液滴吐出ヘッドを別
々の洗浄条件、例えば、使用する洗浄液の種類、洗浄液
の温度、洗浄液の流速等について、最適な条件をそれぞ
れ採用して洗浄することができるため、効率的かつ経済
的に洗浄可能なインクジェット装置を提供することがで
きる。
【0025】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、インクの貯蔵タンク
と、洗浄液タンクとが、それぞれキャリッジ上に載置し
てあり、当該キャリッジが移動することにより、インク
の貯蔵タンクと、洗浄液タンクとの切り替えが行われる
ことが好ましい。このように構成することにより、イン
ク塗布工程と、洗浄工程との切り替え操作性に優れたイ
ンクジェット装置を提供することができる。
【0026】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、キャリッジが、回転移
動または往復移動することが好ましい。このように構成
することにより、インク塗布工程と、洗浄工程との切り
替え操作性に優れるとともに、全体として、簡易構造の
インクジェット装置を提供することができる。
【0027】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、インクの供給路の途中
に、洗浄状態を検知するためのセンサが設けてあること
が好ましい。このように構成することにより、インクの
供給路の洗浄状態をモニタすることができ、インクの供
給路の洗浄を定量的に実施することができる。また、洗
浄センサによって、インクの供給路の洗浄状態を確認し
た後に、インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的
に結合することができるため、汚染した洗浄液およびイ
ンクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入することを有効
に防止することができる。
【0028】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、インクの供給路の長さ
を1m以上の値とすることが好ましい。このように構成
することにより、インクの供給路と、液滴吐出ヘッドの
配置設計や、配置変更が容易なインクジェット装置を提
供することができる。なお、インクの供給路の長さがこ
のように長い場合であっても、本発明によれば、インク
の供給路を十分に洗浄することが可能なインクジェット
装置を提供することができる。
【0029】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、インクの供給路が、長
さ方向に、分割できることが好ましい。このように構成
することにより、インクの供給路の長さが長い場合であ
っても、短く分割した状態で洗浄することができるた
め、インクの供給路の洗浄を十分に実施することが可能
なインクジェット装置を提供することができる。
【0030】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、インクの供給路が、透
明材料または半透明材料から構成してあることが好まし
い。このように構成することにより、インクの供給路の
洗浄状態を目視または光学装置等を用いて確認すること
ができ、定量的にインクの供給路の洗浄を実施すること
ができる。また、インクの供給路の洗浄状態を確認した
後に、インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に
結合することが可能なため、汚染した洗浄液およびイン
クの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入することを有効に
防止することができる。
【0031】また、本発明の洗浄機構を有するインクジ
ェット装置を構成するにあたり、カラーフィルタ製造装
置、エレクトロルミネッセンス装置の製造装置、および
プラズマディスプレイパネル製造装置のいずれかに適し
た構成であることが好ましい。このように構成すること
により、汚染した洗浄液およびインクの塊等が、液滴吐
出ヘッド内に流入することを有効に防止可能であって、
洗浄容易なカラーフィルタ製造装置等が提供できる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット装置の洗
浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装置に関
する実施形態を、適宜図面を参照しながらそれぞれ具体
的に説明する。
【0033】[第1の実施形態]第1の実施形態は、図
1に示すように、洗浄液を用いて、インクの貯蔵タンク
11と、インクの供給路5と、液滴吐出ヘッド22とを
含むインクジェット装置3を洗浄する洗浄方法であっ
て、インクの供給路5と、液滴吐出ヘッド22とを実質
的に分離させた状態で、少なくともインクの供給路5を
洗浄することを特徴としたインクジェット装置3の洗浄
方法である。
【0034】1.インクジェット装置 (1)インクジェット方式 第1の実施形態において使用するインクジェット方式と
しては、図2に示すように、圧電素子41の撓み変形を
利用して液状物8、例えば、インクを、図3に示す液滴
吐出ヘッド22に設けてあるノズル27によって吐出す
る方式が好ましい。このようなインクジェット方式であ
れば、液状物に含まれる溶剤等の種類にかかわらず、安
定して、微小な液状物を吐出することができるためであ
る。ただし、他のインクジェット方式であっても、微小
な液状物を吐出することができる限り使用することがで
きる。例えば、加熱によって発生するバブルを利用して
インク等を吐出するいわゆる加熱方式のインクジェット
方式についても、第1の実施形態において好適に使用す
ることができる。
【0035】また、インクジェット方式に使用するイン
クの種類は特に制限されるものではないが、例えば、顔
料インク、染料インク、あるいは、カラーフィルタ用材
料、エレクトロルミネッセンス材料(正孔輸送性材料や
電子輸送性材料を含む。)、プラズマ発光材料等が挙げ
られる。また、インクの種類を適宜選択するとともに、
溶剤量等を決定し、例えば、溶液粘度を1〜30mPa
・s(測定温度:25℃、以下同様である。)の範囲内
の値とすることが好ましい。この理由は、かかる溶液粘
度が1mPa・s未満の値となると、塗布物における厚
膜化が実質的に困難となる場合があるためであり、一
方、かかる溶液粘度が30mPa・sを超えると、ノズ
ル部分で目つまりしたり、均一な厚さを有する塗布物を
形成することが困難となる場合があるためである。した
がって、塗布物における厚膜化と、塗布物における厚さ
の均一性等の特性のバランスがより良好となることか
ら、インクの種類等を適宜選択して、溶液粘度を2〜1
0mPa・sの範囲内の値とすることがより好ましく、
3〜8mPa・sの範囲内の値とすることがさらに好ま
しい。なお、インクから構成される塗布物の種類として
の制限も特になく、例えば、後述するようなカラーフィ
ルタ、エレクトロルミネッセンス装置における発光層、
プラズマディスプレイパネルにおける発光層等が挙げら
れる。
【0036】(2)液滴吐出ヘッド 第1の実施形態において、図4(a)に示すように、液
滴吐出ヘッド22を複数用意し、それぞれに複数の液状
物に対応したノズル(ノズル列の場合がある。以下、同
様である)27を設けることが好ましい。例えば、RG
B画素のカラーフィルタ用インクにそれぞれ対応した複
数の液滴吐出ヘッドを用意するとともに、それぞれの液
滴吐出ヘッドに、RGB画素に対応したインクを吐出さ
せるためのノズルを設けるものである。このように構成
することにより、複数の液状物に対応したノズルを、そ
れに対応した液滴吐出ヘッドを、CPU等により制御し
た状態で適宜動作させるだけで、極め細かく描画するこ
とができる。例えば、複数の液状物の蒸発特性等に対応
させて、一つの液滴吐出ヘッドは1回動作させて液状物
を1回塗布し、もう一つの液滴吐出ヘッドは2回動作さ
せて液状物を2回重ね塗布し、さらに別の液滴吐出ヘッ
ドは3回動作させて液状物を3回重ね塗布することが容
易となる。一方、第1の実施形態において、図4(b)
に示すように、液滴吐出ヘッド23を1個用意し、それ
に複数の液状物に対応したノズル27を設けることも好
ましい。例えば、RGB画素に対応したそれぞれのイン
ク用の液滴吐出ヘッドを1つ用意し、それぞれに、RG
B画素に対応したそれぞれのインクを吐出させるための
ノズルを少なくとも3列用意するものである。このよう
に構成することにより、塗布装置を全体として、コンパ
クトにすることができる。例えば、1個の液滴吐出ヘッ
ドを用意して、それに3つの液状物に対応したノズル列
を3列設けることにより、3個の液滴吐出ヘッドを用意
した場合と比較して、液滴吐出ヘッドの占有面積が小さ
くなるばかりか、液滴吐出ヘッドに対応した駆動装置等
の占有面積も小さくすることができる。
【0037】(3)インクの貯蔵タンク インクの貯蔵タンクについては特に制限されるものでは
ないが、詳細は、第2の実施形態において説明する。
【0038】(4)インクの供給路 インクの供給路については特に制限されるものではない
が、詳細は、第2の実施形態において説明する。
【0039】2.洗浄方法 (1)分離方法 インクジェット装置を洗浄する洗浄方法にあたって、イ
ンクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に分離させ
る方法としては、以下のような方策が挙げられる。
【0040】脱着機構 図1に示すように、液滴吐出ヘッド22のインク供給路
側に、液滴吐出ヘッド22の脱着機構6が設けてあり、
当該液滴吐出ヘッド22を、インクの供給路5からはず
せることが好ましい。このように実施することにより、
汚染した洗浄液およびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド
内に流入することを完全に防止することができる。した
がって、洗浄した場合であっても、液滴吐出ヘッドに対
する影響が少ないインクジェット装置の洗浄方法を効率
的かつ経済的に提供することができる。なお、好ましい
脱着機構として、バンド構造や、ピンチコック等が挙げ
られる。
【0041】弁構造 また、図1に示すように、液滴吐出ヘッド22のインク
供給路側に、洗浄液が液滴吐出ヘッド22内に流入する
ことを防止するための弁構造7を設けることが好まし
い。このように簡易な弁構造を設けることによって、汚
染した洗浄液およびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内
に流入することを完全に防止することができる。したが
って、洗浄した場合であっても、液滴吐出ヘッドに対す
る影響が少ないインクジェット装置の洗浄方法を効率的
かつ経済的に提供することができる。また、好ましい弁
構造としては、一つまたは二つ以上の逆止弁、電磁弁、
ストッパー、堰、制御板、および邪魔板等が挙げられ
る。
【0042】逆流構造 また、図5(a)に示すように、液滴吐出ヘッド22の
インク供給路側に、洗浄液の流入口90が設けてあり、
当該流入口90を介して、インクの貯蔵タンク11から
液滴吐出ヘッド22への流入方向とは逆方向から、洗浄
液を流入させることが好ましい。このように実施するこ
とにより、インクの流入方向と、洗浄液の流れ方向との
関係で、汚染した洗浄液およびインクの塊等が、液滴吐
出ヘッド内に流入することを完全に防止することができ
る。したがって、洗浄した場合であっても、液滴吐出ヘ
ッドに対する影響が少ないインクジェット装置の洗浄方
法を効率的かつ経済的に提供することができる。また、
液滴吐出ヘッドへのインクの流入方向とは逆方向から洗
浄液を流入させるため、流体抵抗の関係上、インクの供
給路の内壁に付着したインク等を、きわめて効率的に洗
浄除去することができる。
【0043】一部逆流構造 また、図5(b)に示すように、液滴吐出ヘッド22の
インク供給路側に、洗浄液の流入口90が設けてあり、
当該流入口90を介して、インクの貯蔵タンク11から
液滴吐出ヘッド22へのインクの流入方向とは逆方向か
ら洗浄液の一部を流入させるととともに、インクの供給
路の入り口91を介して、液滴吐出ヘッド22へのイン
クの流入方向と同方向から洗浄液の一部を流入させるこ
とが好ましい。このように実施することにより、洗浄液
の流れ方向の関係で、汚染した洗浄液およびインクの塊
等が、液滴吐出ヘッド内に流入することを完全に防止す
ることができる。したがって、洗浄した場合であって
も、液滴吐出ヘッドに対する影響が少ないインクジェッ
ト装置の洗浄方法を効率的かつ経済的に提供することが
できる。また、二方向からインクの供給路内に洗浄液を
流して洗浄を実施するため、流体抵抗の関係上、インク
の供給路の内壁に付着したインク等を、きわめて効率的
に洗浄除去することができる。
【0044】(2)洗浄液の処理 また、図6に示すように、インクの供給路85の途中
に、洗浄液の排出口を兼ねた切替装置90を設け、当該
切替装置90を介して、インクの供給路85の洗浄によ
って汚染した洗浄液を、外部に排出することが好まし
い。このように実施することにより、汚染した洗浄液お
よびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入すること
を有効に防止することができるとともに、インクの供給
路全体にわたって効率的かつ経済的に洗浄することが可
能となる。また、インクの供給路から外部に排出された
洗浄液については、そのまま回収することもできるが、
図7に示すように、洗浄液の排出管を一部兼ねた循環路
89を設けて、排出された洗浄液の一部または全部を、
インクの供給路85に対して流入させて、再利用するこ
とも好ましい。このように実施することにより、全体と
して、少量の洗浄剤で、有効かつ経済的にインクの供給
路を洗浄することができる。なお、インクの供給路から
一旦外部に排出された洗浄液の一部または全部を、イン
クの供給路に対して、再び戻して循環させるために、図
7に示すように、循環路89の途中に、循環ポンプ94
と、浄化フィルタ95とを設けることが好ましい。
【0045】(3)超音波振動 また、本発明のインクジェット装置の洗浄方法を実施す
るにあたり、図8に示すように、インクの供給路85の
途中に設けた超音波振動装置97、例えば、超音波振動
板により、超音波振動を連続または断続的に付与しなが
ら、インクの供給路85を洗浄することが好ましい。こ
のように超音波振動を利用することにより、インクの供
給路の内壁に付着したインク等を、わずかな量の洗浄液
を用いて、きわめて効率的かつ短時間に洗浄除去するこ
とができる。また、このように実施することにより、超
音波振動板を任意位置に移動させることができるため、
インクの供給路の任意箇所に対して、効率的かつ経済的
に超音波振動を付与することができる。例えば、インク
の供給路における屈曲部や曲線部において、インクによ
る汚染が発生しやすいが、これらの部位に対して超音波
振動板を当接することにより、集中的かつ経済的に超音
波振動を付与することができる。なお、液滴吐出ヘッド
を洗浄する際にも、超音波振動を付与することは有効で
ある。したがって、例えば、洗浄槽内の洗浄液に液滴吐
出ヘッドを浸漬するとともに、洗浄槽の周囲に設けた超
音波振動装置により、超音波振動を適宜付与すれば良
い。
【0046】また、超音波振動をインクの供給路または
液滴吐出ヘッド内の洗浄液に対して、連続または断続的
に付与するにあたり、その周波数を1KHz〜10MH
zの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、か
かる超音波振動の周波数が1KHz未満の値となると、
インクの供給路の内壁に付着したインク等を、洗浄除去
することが困難となる場合があるためである。一方、か
かる超音波振動の周波数が10MHzを超えると、洗浄
液が発泡しやすくなったり、インクの供給路を破損する
おそれが生じたりする場合があるためである。したがっ
て、超音波振動の周波数を10KHz〜1MHzの範囲
内の値とすることがより好ましく、100KHz〜1、
000KHzの範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0047】(4)洗浄液 インクを構成する主溶剤 インクの供給路または液滴吐出ヘッドを洗浄する洗浄液
としては、インクを構成する主溶剤と同一または類似の
化合物を使用することが好ましい。このように特定の洗
浄液を用いて洗浄を実施することにより、インクの供給
路の内壁に付着したインク等を、比較的わずかな量の洗
浄液を用いて、効率的かつ短時間に洗浄除去することが
できる。また、インクを構成する主溶剤と同一または類
似の化合物を使用しているため、洗浄後に塗布するイン
クを流入させた場合であっても、当該インクの主原料が
析出したり、固化したりするおそれが少なくなる。より
具体的には、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘプタ
ン、ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、アルコール
類、ジオール類(グリコール類を含む。)等の一種単独
または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0048】水系化合物 また、インクの供給路または液滴吐出ヘッドを洗浄する
洗浄液として、インクを構成する主溶剤と同一または類
似の化合物で無い場合であっても、水、アルコール類、
ジオール類、およびジオール類のエーテル化合物からな
る群から選択される少なくとも一つの水系化合物を使用
することが好ましい。このように洗浄効果に優れた特定
の洗浄液を用いることにより、インクを構成する主溶剤
と同一または類似の化合物でなくとも、インクの供給路
の内壁に付着したインク等を、効率的かつ短時間に洗浄
除去することができる。ここで、アルコール類として
は、より具体的に、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジル
アルコール等の一種単独または二種以上の組み合わせが
挙げられる。また、ジオール類およびジオール類のエー
テル化合物としては、より具体的に、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、エ
チレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリ
コールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノペンチルエーテル、
プロピレングリコールモノヘキシルエーテル等の一種単
独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0049】また、これらの水系化合物に対して、アミ
ン化合物や界面活性剤を添加することも好ましい。この
ようにアミン化合物を添加することにより、洗浄剤の洗
浄効果を著しく向上させることができる。ここで、好ま
しアミン化合物としては、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、モノメタノー
ルアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミ
ン、ピリジン等が挙げられる。また、界面活性剤として
は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノ
ニオン系界面活性剤、高分子界面活性剤のいずれであっ
ても良い。具体的に、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステルエーテル、ソルビトール脂肪酸エステルエーテ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル
等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられ
る。さらに、アミン化合物や界面活性剤の添加量を、全
体量に対して、0.01〜30重量%の範囲内の値とす
ることが好ましく、0.1〜10重量%の範囲内の値と
することがより好ましく、0.3〜2重量%の範囲内の
値とすることがさらに好ましい。この理由は、かかる添
加量が0.01重量%未満であれば、添加効果が発現し
ない場合があるためであり、一方、かかる添加量が30
重量%を超えると、発泡したり、過度に臭いを発したり
する場合があるためである。
【0050】酸化合物およびアルカリ化合物 また、インクの供給路を洗浄する洗浄液として、酸化合
物およびアルカリ化合物、あるいはいずれか一方の化合
物を使用することが好ましい。このように洗浄効果に著
しく優れた酸化合物およびアルカリ化合物を用いること
により、インクの供給路の内壁に付着したインク等を、
少量で、効率的かつ短時間に洗浄除去することができ
る。ここで、酸化合物としては、塩酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸、酢酸、カルボン酸化合物、硫酸化合物、硝酸化合
物、リン酸化合物、酢酸化合物等の一種単独または二種
以上の組み合わせが挙げられる。また、アルカリ化合物
としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶
液、水酸化カルシウム溶液、炭酸ナトリウム溶液、炭酸
カリウム溶液、炭酸カルシウム溶液等の一種単独または
二種以上の組み合わせが挙げられる。なお、本発明のイ
ンクジェット装置の洗浄方法によれば、上述したような
酸化合物やアルカリ化合物のように、従来、腐食等の発
生問題があるといわれていた化合物を使用した場合であ
っても、液滴吐出ヘッドに対する影響が少ないため、使
用上、特に問題がないことが判明している。
【0051】微粒子入り化合物 また、インクの供給路または液滴吐出ヘッドを洗浄する
洗浄液として、微粒子入り化合物を使用することが好ま
しい。このように実施することにより、洗浄液中に含有
される微粒子が、所定の研磨機能を発揮して、インクの
供給路の内壁に付着したインク等を、効率的かつ短時間
に除去することができる。また、微粒子としては、優れ
た研磨効果を発揮できるとともに、洗浄液に均一に混合
分散できるように、例えば、平均粒径が0.01〜1、
000μmのシリカ粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコ
ニウム粒子、酸化アルミニウム粒子等の無機物粒子や、
ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポ
リカーボネート粒子、ポリスルホン粒子、カーボン粒子
等の有機物粒子を使用することが好ましい。
【0052】また、これらの微粒子を添加する場合、そ
の添加量を、洗浄液100重量部あたり、0.01〜3
0重量部の範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、かかる微粒子の添加量が0.01重量部未満の値と
なると、インクの供給路の内壁に付着したインク等を、
洗浄除去することが困難となる場合があるためである。
一方、かかる微粒子の添加量が30重量部を超えると、
洗浄液中で沈殿し、インクの供給路や液滴吐出ヘッド内
に、残留する割合が多くなる場合があるためである。し
たがって、かかる微粒子の添加量を、洗浄液100重量
部あたり、0.1〜30重量部の範囲内の値とすること
がより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とするこ
とがさらに好ましい。
【0053】(5)洗浄温度 また、洗浄液は室温のままでも使用することができる
が、より優れた洗浄効果を得るためには、洗浄液の温度
を30〜200℃の範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる洗浄液の温度が30℃未満の値となる
と、インクの供給路の内壁に付着したインク等を、洗浄
除去することが困難となる場合があるためである。一
方、かかる洗浄液の温度が200℃を超えると、洗浄液
が発泡しやすくなったり、インクの供給路を破損するお
それが生じたりする場合があるためである。したがっ
て、洗浄液の温度を40〜150℃の範囲内の値とする
ことがより好ましく、50〜80℃の範囲内の値とする
ことがさらに好ましい。なお、洗浄液の温度を調整する
ために、インクの供給路、または後述するように、洗浄
液タンクに、ヒータおよびサーモスタット機構を設ける
ことが好ましい。
【0054】(6)洗浄速度 また、洗浄液の流速、具体的に、インクの供給路内にお
ける洗浄液の流速を0.01〜50m/分の範囲内の値
とすることが好ましい。この理由は、かかる洗浄液の流
速が0.01m/分未満の値となると、インクの供給路
の内壁に付着したインク等を、洗浄除去することが困難
となる場合があるためである。一方、かかる洗浄液の流
速が50m/分を超えると、気泡を巻き込みやすくな
り、洗浄効果が低下したり、インクの供給路を破損する
おそれが生じたり、あるいは、特殊な加圧ポンプが必要
になるなどの問題が生じる場合があるためである。した
がって、洗浄液の流速を0.1〜30m/分の範囲内の
値とすることがより好ましく、0.5〜15m/分の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0055】(7)第2の洗浄工程 また、第1の洗浄工程と、第2の洗浄工程とを含み、当
該第1の洗浄工程において、インクの供給路と、液滴吐
出ヘッドとを実質的に分離させた状態で、洗浄液を用い
てインクの供給路および液滴吐出ヘッドを別々に洗浄す
るとともに、当該第2の洗浄工程において、インクの供
給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に結合させた状態
で、インクジェット装置に使用するインクを用いて、イ
ンクの供給路および液滴吐出ヘッドを同時に洗浄するこ
とが好ましい。すなわち、第1の洗浄工程において、イ
ンクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に分離させ
た状態で、それぞれ別に洗浄するため、汚染した洗浄液
およびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入するこ
とを有効に防止することができる。なお、上述した第1
の実施形態における各種洗浄の態様を、そのまま第1の
洗浄工程において実施することができる。また、第2の
洗浄工程において、液滴吐出ヘッドとインクの供給路を
実質的に結合させた状態で、インクジェット装置に使用
するインクを用いて、インクの供給路および液滴吐出ヘ
ッドを同時に洗浄するため、液滴吐出ヘッドについても
洗浄できるとともに、インクジェット装置を、洗浄後、
即座に動作させることができる。なお、第2の洗浄工程
を実施する前に、中間工程として、液滴吐出ヘッドとを
実質的に分離させた状態で、インクジェット装置に使用
するインクを用いて、それぞれ別々に洗浄することも好
ましい。
【0056】[第2の実施形態]第2の実施形態は、例
えば、図5〜図8および図11〜図13にそれぞれ示す
ように、インクの貯蔵タンク11と、インクの供給路8
5と、液滴吐出ヘッド22と、洗浄機構86、87、8
8とを含むインクジェット装置であって、インクの供給
路85と、液滴吐出ヘッド22とを実質的に分離させた
状態で、洗浄機構86、87、88により、洗浄液を少
なくともインクの供給路85内に流入させて、当該イン
クの供給路85を洗浄することを特徴としたインクジェ
ット装置である。以下、第1の実施形態と同様の内容の
説明は適宜省略するものとし、洗浄機構を有するインク
ジェット装置として異なる点を中心に説明する。
【0057】1.インクジェット方式 第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様のイ
ンクジェット方式の内容とすることができるため、ここ
での説明は省略する。
【0058】2.インクジェット装置 第2の実施形態におけるインクジェット装置16は、図
9に示すように、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッ
ド)22を備えたヘッドユニット26と、インクジェッ
トヘッド22の位置を制御するためのヘッド位置制御装
置17と、マザー基板の位置を制御するための基板位置
制御装置18と、インクジェットヘッド22をマザー基
板に対して主走査移動させるための主走査駆動装置19
と、インクジェットヘッド22をマザー基板に対して副
走査移動させるための副走査駆動装置21と、マザー基
板を、外部から液滴吐出装置16内の所定の作業位置へ
供給するための基板供給装置(図示せず。)と、液滴吐
出装置16の全般の制御を司るコントロール装置(図示
せず。)とをそれぞれ有することが好ましい。以下、主
としてカラーフィルタを製造する場合を想定して、吐出
装置16の各構造や作用等を説明する。
【0059】(1)液滴吐出ヘッド(インクジェットヘ
ッド) 第2の実施形態において、インクジェットヘッド22
は、図2(a)および(b)に示すような内部構造を有
することが好ましい。具体的に、インクジェットヘッド
22は、例えばステンレス製のノズルプレート29と、
それに対向する振動板31と、それらを互いに接合する
複数の仕切部材32とを有することが好ましい。そし
て、ノズルプレート29と振動板31との間には、仕切
部材32によって複数のインク室33と液溜り34とが
形成されるとともに、複数のインク室33と液溜り34
との間は、通路38を介して互いに連通することにな
る。また、振動板31の適所には、インク供給孔36が
形成され、このインク供給孔36にインク供給装置37
が接続されることになる。このインク供給装置37は、
R、G、Bのうちの1色、例えばR色のフィルタエレメ
ント材料(M)を、液状物として、インク供給孔36へ
供給する。そして、供給されたフィルタエレメント材料
(M)は、液溜り34に充満され、さらに通路38を通
ってインク室33に充満されることになる。
【0060】また、ノズルプレート29には、インク室
33からフィルタエレメント材料(M)をジェット状に
噴射するためのノズル27が設けられている。また、振
動板31のインク室33を形成する面の裏面には、この
インク室33に対応させてインク加圧体39が取り付け
られている。このインク加圧体39は、図2(b)に示
すように、圧電素子41ならびにこれを挟持する一対の
電極42aおよび42bを有することが好ましい。そし
て、圧電素子41は、電極42aおよび42bへの通電
によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形
し、これによりインク室33の容積が増大する機能を有
している。したがって、増大した容積分に相当するフィ
ルタエレメント材料(M)が液溜り34から通路38を
通ってインク室33へ流入することが可能となる。そし
て、圧電素子41への通電を解除すると、この圧電素子
41と振動板31と共に元の形状へ戻ることになる。こ
れにより、インク室33も元の容積に戻るため、インク
室33の内部にあるフィルタエレメント材料(M)の圧
力が上昇し、ノズル27からマザー基板12に対して、
フィルタエレメント材料(M)が液滴8となって噴出す
ることになる。
【0061】(2)基板位置制御装置および基板供給装
置 基板位置制御装置 また、第2の実施形態において、例えば、図9に示す基
板位置制御装置18は、マザー基板12を載置するため
のテーブル49と、そのテーブル49を矢印θのように
面内回転させるためのθモータ51と、を有することが
好ましい。また、図9に示す主走査駆動装置19は、主
走査方向Xへ延びるXガイドレール52と、パルス駆動
されるリニアモータを内蔵したXスライダ53と、を有
することが好ましい。このように構成すると、Xスライ
ダ53は、内蔵するリニアモータが作動するときに、X
ガイドレール52に沿って主走査方向へ平行移動するこ
とが可能となる。また、図9に示す副走査駆動装置21
は、副走査方向Yへ延びるYガイドレール54と、パル
ス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ56
と、を有することが好ましい。このように構成すると、
Yスライダ56は、内蔵するリニアモータが作動すると
きに、Yガイドレール54に沿って副走査方向Yへ平行
移動することが可能となる。
【0062】基板供給装置 また、第2の実施形態において、図示しないが、基板供
給装置を設けるとともに、当該基板供給装置は、マザー
基板を収容する基板収容部と、マザー基板を搬送するロ
ボットと、を有することが好ましい。ここで、ロボット
は、床、地面などといった設置面に置かれる基台と、基
台に対して昇降移動する昇降軸と、昇降軸を中心として
回転する第1アームと、第1アームに対して回転する第
2アームと、第2アームの先端下面に設けられた吸着パ
ッドと、を有することが好ましい。
【0063】(3)制御部 また、第2の実施形態において、制御部としてのコント
ロール装置は、例えば、プロセッサを収容したコンピュ
ータ本体部と、入力装置としてのキーボードと、表示装
置としてのCRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ
と、を有することが好ましい。ここで、プロセッサは、
図10に示すように、演算処理を行うためのCPU(Ce
ntral Processing Unit)69と、各種情報を記憶する
メモリ、すなわち情報記憶媒体71と、を有することが
好ましい。そして、CPU69は、情報記憶媒体71で
あるメモリ内に記憶されたプログラムソフトに従って、
マザー基板12に表面の所定位置にインク、すなわちフ
ィルタエレメント材料を吐出するための制御を行うもの
である。また、図9に示すヘッド位置制御装置17、基
板位置制御装置18、主走査駆動装置19、副走査駆動
装置21、およびインクジェットヘッド22内の圧電素
子41を駆動するためのヘッド駆動回路72の各機器
は、図10に示すように、入出力インターフェース73
およびバス74を介して、CPU69に接続されている
ことが好ましい。さらに、制御が容易となることから、
図10に示すように、基板供給装置23、入力装置6
7、CRTディスプレイ68、電子天秤78、クリーニ
ング装置77およびキャッピング装置76の各機器につ
いても、入出力インターフェース73およびバス74を
介して、CPU69に接続されていることが好ましい。
【0064】そして、このようなCPU69は、具体的
な機能実現部として、図10に示すように、クリーニン
グ処理を実現するための演算を行うクリーニング演算部
と、キャッピング処理を実現するためのキャッピング演
算部と、電子天秤を用いた重量測定を実現するための演
算を行う重量測定演算部と、液滴吐出によってインクを
描画するための演算を行う描画演算部とを有することが
好ましい。すなわち、描画演算部は、インクジェットヘ
ッド22を描画のための初期位置へセットするための描
画開始位置演算部と、インクジェットヘッド22を主走
査方向Xへ所定の速度で走査移動させるための制御を演
算する主走査制御演算部と、マザー基板を副走査方向Y
へ所定の副走査量だけずらすための制御を演算する副走
査制御演算部と、インクジェットヘッド22内の複数の
ノズル27のうちのいずれを作動させてインクすなわち
フィルタエレメント材料を吐出するか否かを制御するた
めの演算を行うノズル吐出制御演算部と、を有すること
が好ましい。
【0065】(4)他の構成装置 また、第2の実施形態において、主走査駆動装置によっ
て駆動されて主走査移動するインクジェットヘッドの軌
跡下であって、副走査駆動装置の一方の脇位置に、キャ
ッピング装置およびクリーニング装置を配設することが
好ましい。また、副走査駆動装置の他方の脇位置には、
電子天秤を配設することが好ましい。ここで、クリーニ
ング装置は、インクジェットヘッドを洗浄するための装
置である。また、電子天秤は、インクジェットヘッド内
の個々のノズルから吐出されるインクの液滴の重量を、
ノズル毎に測定する機器である。そして、キャッピング
装置は、インクジェットヘッドが待機状態にあるとき
に、ノズルの乾燥を防止するための装置である。また、
インクジェットヘッドの近傍には、そのインクジェット
ヘッドと一体に移動する関係で、位置合わせのためのヘ
ッド用カメラが配設してあることが好ましい。また、ベ
ース上に設けた支持装置に支持された基板用カメラが、
マザー基板を撮影できる位置に配設してあることが好ま
しい。
【0066】2.インクの貯蔵タンク インクの貯蔵タンクは、インクジェット装置で使用でき
るインクを適量貯蔵できるものであれば、特に形態は制
限されるものではないが、例えば、円筒形や直方体にす
ることが好ましい。そして、図11に示すように、イン
クの貯蔵タンク11は、洗浄液タンク88とともに、キ
ャリッジ80上に載置してあり、当該キャリッジ80が
移動することにより、インクの貯蔵タンク11と、洗浄
液タンク88との切り替えを行えることが好ましい。こ
のように構成することにより、インク塗布工程と、洗浄
工程との切り替え操作性に優れたインクジェット装置を
提供することができるためである。また、図11に示す
ように、インクの貯蔵タンク11および洗浄液タンク8
8を載置してあるキャリッジ80が、駆動装置82、例
えばモーターにより、回転移動または往復移動すること
が好ましい。このように構成することにより、インク塗
布工程と、洗浄工程との切り替え操作性に優れるととも
に、全体として、簡易構造のインクジェット装置を提供
することができる。
【0067】3.インクの供給路 長さ また、インクの供給路の長さを1m以上の値とすること
が好ましい。このような長さであれば、インクの貯蔵タ
ンクと、液滴吐出ヘッドとの配置の設計自由度を高める
ことができる。一方、本発明であれば、インクの供給路
の長さが長い場合であっても、インクの供給路の洗浄を
十分に実施することが可能である。ただし、インクの供
給路の長さが過度に長くなると、本発明であっても洗浄
を十分に実施することが困難となる場合が生じたり、イ
ンクジェット装置の大きさが大きくなったりする場合が
ある。したがって、インクの供給路の長さを2〜20m
の範囲内の値とすることがより好ましく、3〜10mの
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0068】材料 インクの供給路が、透明材料または半透明材料から構成
してあることが好ましい。このように構成することによ
り、インクの供給路の洗浄状態を目視または光学装置等
を用いて確認することができ、定量的にインクの供給路
の洗浄を実施することができる。また、インクの供給路
の洗浄状態を確認した後に、インクの供給路と、液滴吐
出ヘッドとを実質的に結合するため、汚染した洗浄液お
よびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入すること
を有効に防止することができる。したがって、インクの
供給路を構成する透明材料または半透明材料としては、
例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオ
ロエチレン、ポリフルオロビニリデン、シリコーン樹
脂、ポリアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスル
ホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリメチルペ
ンテン樹脂、エポキシ樹脂等の一種単独または二種以上
の組合わせが挙げられる。また、インクの供給路の内壁
に、インクが容易に付着しないように、インクの供給路
を構成する透明材料または半透明材料として、表面エネ
ルギーが低い材料を使用することが好ましい。したがっ
て、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフ
ルオロエチレン、ポリフルオロビニリデン、シリコーン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリメ
チルペンテン樹脂等を使用することがより好ましい。
【0069】分割構造 また、図12に示すように、インクの供給路85が、長
さ方向に分割、例えば、2〜20分割できることが好ま
しい。この例では、2箇所の接合部93により、3分割
されており、二つのインクの供給路85の中間に、別の
インクの供給路99が設けてあることが好ましい。この
ように構成することにより、インクの供給路が長い場合
であっても、インクの供給路の洗浄を十分に実施可能な
インクジェット装置を提供することができる。例えば、
インクの供給路の全長が10mの場合、5分割し、2m
単位長さのインクの供給路とすることが好ましい。ま
た、インクの供給路の長さを適宜変更することができ、
一旦設置したインクの供給路85の設計変更を容易に実
施することができる。なお、単位長さのインクの供給路
は、容易に分割、結合できるように、末端部にリング状
のジョイントや、オス−メスの勘合部位、あるいは伸縮
部材(じゃばら)を設けることが好ましい。
【0070】センサ また、図13に示すように、インクの供給路93の途中
に、洗浄状態を検知するためのセンサ98が設けてある
ことが好ましい。このように構成することにより、セン
サによって、インクの供給路の洗浄状態をモニタするこ
とができ、定量的にインクの供給路の洗浄を実施するこ
とができる。また、洗浄センサによって、インクの供給
路の洗浄状態を確認した後に、インクの供給路と、液滴
吐出ヘッドとを実質的に結合するため、汚染した洗浄液
およびインクの塊等が、液滴吐出ヘッド内に流入するこ
とを有効に防止することができる。ここで、洗浄状態を
検知するためのセンサとして、例えば、洗浄液の導電率
を測定する導電率計、洗浄液の粘度を測定する粘度計、
洗浄液の導電率を測定する導電率計、洗浄液の濃度を測
定する濃度計、洗浄液の屈折率を測定する屈折率計、洗
浄液の光透過率を測定する光透過率、洗浄液の赤外線吸
収特性を測定する赤外線吸収測定装置、洗浄液の紫外線
吸収特性を測定する紫外線吸収測定装置、洗浄液の核磁
気共鳴特性を測定する核磁気共鳴測定装置等が挙げられ
る。
【0071】液面制御用タンクおよび液面制御用セン
サ また、インクの供給路の途中に、図1に示すように、液
面制御用タンク13および液面制御用センサ9が設けて
あることが好ましい。このように構成することにより、
液面制御用タンク13の液面位置を液面制御用センサ9
により制御する、すなわち液滴吐出ヘッド22の位置お
よび液面制御用タンク13の液面位置の関係で、液面制
御用タンクの水頭値(h)を制御することができる。そ
の結果、液滴吐出ヘッド22における微妙なインクの吐
出量を容易に調整することが可能である。また、このよ
うに構成することにより、液面制御用タンク13から液
滴吐出ヘッド22までの間のインクの供給路5を、液滴
吐出ヘッドが動作しない間であっても、常にインクを充
填した状態とすることができる。したがって、インクと
空気とが接触することが少なくなり、インクの酸化劣化
防止、ひいてはインクの供給路内への付着等を少なくす
ることにより、将来的なインクの供給路内の洗浄を容易
にすることができる。また、このように構成することに
より、液面制御用タンク13および液面制御用センサ9
を利用して、インクの増粘を検知することができる。し
たがって、検知後、正常なインクから増粘したインクを
除去することにより、インクの供給路内の汚染が進むこ
とを有効に防止することができ、結果として、将来的な
インクの供給路内の洗浄を容易にすることができる。な
お、液面制御用タンク13のほかに、図示しないが、安
全弁付きのインク圧送タンク等を設けることも好まし
い。このようにインク圧送タンク等を設けることによ
り、液滴吐出ヘッド22におけるさらに微妙なインクの
吐出量の制御が可能となる。その他、インクの貯蔵タン
ク11においても、インクが空気と接触する機会が少な
くなるように、図1に示すように、不活性ガスの導入装
置10を設けることが好ましい。
【0072】4.洗浄機構 洗浄機構として、例えば、図5〜図8および図11〜図
13に示すように、洗浄液タンク88およびポンプ87
の組み合わせを挙げることができる。このように構成す
ることにより、洗浄液タンクから供給する洗浄液を、ポ
ンプによって、実質的に分離された状態のインクの供給
路および液滴吐出ヘッドに供給し、それぞれ別々に洗浄
することができる。ここで、洗浄液タンク88は、上述
したように、インクの貯蔵タンク11とともに、キャリ
ッジ80上に載置してあり、インクの貯蔵タンク11
と、洗浄液タンク88との切り替えを行えることが好ま
しい。したがって、切り替えが容易なように、洗浄液タ
ンク88についても、例えば、円筒形や直方体であっ
て、インクの貯蔵タンクと同様の形態とすることが好ま
しい。また、洗浄液を加熱する場合には、洗浄液タンク
にヒータおよびサーモスタットが設けてあることが好ま
しい。さらに、ポンプについても特に制限されるもので
はないが、ギアポンプ等の加圧ポンプを用いることが好
ましい。
【0073】[他の実施の形態]以上、好ましい実施の
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は、上述した
実施の形態1および実施の形態2に記載された内容に制
限されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲
で、他のいずれの具体的な構造および形状を有する各種
の実施の形態も提供することができる。したがって、本
発明のインクジェット装置の洗浄方法および洗浄機構を
含むインクジェット装置は、例えば、図14に示すよう
な配置を有するカラーフィルタを製造するための製造装
置およびその洗浄方法、図15(A)〜(D)に示すよ
うなエレクトロルミネッセンス装置の製造装置およびそ
の洗浄方法、図16に示すような液晶表示装置170を
製造するための装置およびその洗浄方法、図17に示す
ようなPDP150を製造するための装置およびその洗
浄方法、FED(Field Emission Display:フィールド
エミッションディスプレイ)の製造装置およびその洗浄
方法、電気泳動装置の製造装置およびその洗浄方法、薄
型のブラウン管の製造装置およびその洗浄方法、CRT
(Cathode-Ray Tube)ディスプレイの製造装置およびそ
の洗浄方法等の様々な電気光学装置に用いることができ
る。
【0074】また、本発明のインクジェット装置の製造
装置およびその洗浄方法は、電気光学装置に使用される
各種デバイスの製造工程において使用することができ
る。例えば、液状金属や導電性材料等をインクジェット
方式にて吐出し、プリント回路基板における金属配線を
形成する製造工程、微細なマイクロレンズをインクジェ
ット方式によって基材上に形成する製造工程、基板上に
塗布するレジストをインクジェット方式にて必要箇所の
みに形成する製造工程、透光性基板に光を散乱させる凸
部や、微小白パターンなどをインクジェット方式にて吐
出形成して光散乱板を形成する製造工程、DNA(deox
yribonucleic acid:デオキシリボ核酸)チップ上にマト
リクス配列するスパイクスポットに、RNA(ribonucl
eic acid:リボ核酸)をインクジェット方式にて吐出さ
せて、蛍光標識プローブを作成する製造工程等にも利用
することができる。
【0075】
【発明の効果】本発明のインクジェット装置の洗浄方法
によれば、洗浄液を用いて、インクの供給路と液滴吐出
ヘッドとを実質的に分離させた状態で、インクの供給路
および液滴吐出ヘッドを、それぞれ別々に洗浄すること
により、液滴吐出ヘッドに対する影響が少ないインクジ
ェット装置の洗浄方法を提供することが可能となった。
したがって、本発明のインクジェット装置の洗浄方法
は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS(Pers
onal Handyphone System)、電子手帳、ページャ、PO
S(Point of Sales)端末、ICカード、ミニディスク
プレーヤ、液晶プロジェクタ、エンジニアリング・ワー
クステーション、ワードプロセッサ、テレビ、ビューフ
ァインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコー
ダ、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、タッチ
パネル装置、時計、ゲーム機器等の電気光学装置の製造
に好適に使用することができる。
【0076】また、本発明の洗浄機構を含むインクジェ
ット装置によれば、インクの供給路と、液滴吐出ヘッド
とを実質的に分離させた状態で、洗浄機構により、イン
クの供給路および液滴吐出ヘッドを別々に洗浄すること
により、液滴吐出ヘッドに対する影響が少ない洗浄機構
を有するインクジェット装置を提供することが可能とな
った。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の洗浄機構を有するインクジェット装
置の概略図である。
【図2】 本発明のインクジェット装置における液滴吐
出ヘッドの概略図である。 (a)部分切り欠け部を含む斜視図である。 (b)J−J断面図である。
【図3】 本発明の液滴吐出ヘッドにおけるノズルを説
明するために供する図である。
【図4】 本発明の液滴吐出ヘッドと、ノズルの関係を
説明するために供する図である。
【図5】 本発明のインクジェット装置における洗浄機
構を説明するために供する図である。 (a)逆流式の洗浄機構を示す図である。 (b)一部逆流式の洗浄機構を示す図である。
【図6】 本発明の別のインクジェット装置における洗
浄機構を説明するために供する図である。
【図7】 本発明の循環路を含む洗浄機構を説明するた
めに供する図である。
【図8】 本発明の超音波振動装置を含む洗浄機構を説
明するために供する図である。
【図9】 本発明の洗浄機構を有するインクジェット装
置を説明するために供する図である。
【図10】 本発明のインクジェット装置の動作を説明
するために供する図である。
【図11】 本発明のキャリッジを含む洗浄機構を説明
するために供する図である。
【図12】 本発明における分割タイプのインクの供給
路を説明するために供する図である。
【図13】 本発明のセンサを含む洗浄機構を説明する
ために供する図である。
【図14】 カラーフィルタの一例を説明するために供
する図である。
【図15】 エレクトロルミネッセンス装置の製造工程
を説明するために供する図である。
【図16】 液晶表示装置の一例を説明するために供す
る図である。
【図17】 PDPの一例を説明するために供する図で
ある。
【図18】 従来のクリーニング機構を有するインクジ
ェット装置を説明するために供する図である。
【図19】 別の従来の洗浄装置を有するインクジェッ
ト装置を説明するために供する図である。
【0078】
【符号の説明】
2 :基板 3 :インクジェット装置 5:インクの供給路 7 :弁(バルブ) 8 :液滴(インク) 9 :液面制御用センサ 11:インクの貯蔵タンク 12:基板(マザー基板) 13:液面制御用タンク 16:吐出装置(液滴吐出装置) 17:ヘッド位置制御装置 18:基板位置制御装置 19:主走査駆動装置 21:副走査駆動装置 22:液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド) 23:基板供給装置 27:ノズル 41:圧電素子 80:キャリッジ 82:駆動装置 85:インクの供給路 87:洗浄用ポンプ 88:洗浄液用タンク 89:洗浄液取り出し用流路 90、91、96:切替装置 92:廃液用タンク 95:フィルタ 97:超音波振動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA16 EA20 EA26 FB01 HA60 JB00 KB03 KB04 KB05 KB16 KB19 KB21 KD01

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄液を用いて、インクの貯蔵タンク
    と、インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを含むインク
    ジェット装置を洗浄するための洗浄方法であって、イン
    クの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に分離させた
    状態で、少なくともインクの供給路を洗浄することを特
    徴としたインクジェット装置の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記液滴吐出ヘッドに、液滴吐出ヘッド
    の脱着機構が設けてあり、当該液滴吐出ヘッドをインク
    の供給路からはずした状態で、インクの供給路および液
    滴吐出ヘッドを、別々に洗浄することを特徴とした請求
    項1に記載のインクジェット装置の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記液滴吐出ヘッドに、前記洗浄液が液
    滴吐出ヘッド内に流入することを防止するための弁構造
    が設けてあることを特徴とした請求項1または2に記載
    のインクジェット装置の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 前記液滴吐出ヘッドに、洗浄液の流入口
    が設けてあるとともに、当該流入口を介して、前記液滴
    吐出ヘッドへのインクの流入方向とは逆方向から前記洗
    浄液を流入させることにより、インクの供給路を洗浄す
    ることを特徴とした請求項1〜3のいずれか一項に記載
    のインクジェット装置の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 前記液滴吐出ヘッドに、洗浄液の流入口
    が設けてあり、当該流入口を介して、前記液滴吐出ヘッ
    ドへのインクの流入方向とは逆方向から洗浄液の一部を
    流入させるととともに、前記インクの供給路の入り口を
    介して、前記液滴吐出ヘッドへのインクの流入方向と同
    方向から洗浄液の一部を流入させることにより、前記イ
    ンクの供給路を洗浄することを特徴とした請求項1〜4
    のいずれか一項に記載のインクジェット装置の洗浄方
    法。
  6. 【請求項6】 前記インクの供給路の途中に、洗浄液の
    排出口が設けてあり、当該洗浄液の排出口を介して、イ
    ンクの供給路の洗浄により汚染した洗浄液を外部に排出
    することを特徴とした請求項1〜5のいずれか一項に記
    載のインクジェット装置の洗浄方法。
  7. 【請求項7】 前記汚染した洗浄液の一部または全部
    を、循環路を設けて、前記インクの供給路に循環させる
    ことを特徴とした請求項6に記載のインクジェット装置
    の洗浄方法。
  8. 【請求項8】 超音波振動を連続または断続的に付与し
    ながら、前記インクの供給路または液滴吐出ヘッドを洗
    浄することを特徴とした請求項1〜7のいずれか一項に
    記載のインクジェット装置の洗浄方法。
  9. 【請求項9】 前記インクの供給路または液滴吐出ヘッ
    ドを洗浄する際の洗浄液として、インクジェット装置で
    吐出するインクの主溶剤と同一または類似の化合物を使
    用することを特徴とした請求項1〜8のいずれか一項に
    記載のインクジェット装置の洗浄方法。
  10. 【請求項10】 前記インクの供給路または液滴吐出ヘ
    ッドを洗浄する際の洗浄液として、水、アルコール類、
    ジオール類、およびジオール類のエーテル化合物からな
    る群から選択される少なくとも一つの化合物を使用する
    ことを特徴とした請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    インクジェット装置の洗浄方法。
  11. 【請求項11】 前記インクの供給路を洗浄する際の洗
    浄液として、酸化合物およびアルカリ化合物、あるいは
    いずれか一方の化合物を使用することを特徴とした請求
    項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット装置の
    洗浄方法。
  12. 【請求項12】 前記インクの供給路または液滴吐出ヘ
    ッドを洗浄する際の洗浄液として、微粒子入り化合物を
    使用することを特徴とした請求項1〜11のいずれか一
    項に記載のインクジェット装置の洗浄方法。
  13. 【請求項13】 前記洗浄液の温度を30〜200℃の
    範囲内の値とし、当該加温された洗浄液を使用して、前
    記インクの供給路または液滴吐出ヘッドを洗浄すること
    を特徴とした請求項1〜12のいずれか一項に記載のイ
    ンクジェット装置の洗浄方法。
  14. 【請求項14】 インクの貯蔵タンクと、インクの供給
    路と、液滴吐出ヘッドとを含むインクジェット装置を洗
    浄するための洗浄方法であって、第1の洗浄工程と、第
    2の洗浄工程とを含み、当該第1の洗浄工程において、
    インクの供給路と、液滴吐出ヘッドとを実質的に分離さ
    せた状態で、洗浄液を用いてそれぞれ別々に洗浄すると
    ともに、当該第2の洗浄工程において、インクの供給路
    と、液滴吐出ヘッドとを実質的に結合させた状態で、イ
    ンクジェット装置で吐出するインクを用いてそれぞれを
    同時に洗浄することを特徴としたインクジェット装置の
    洗浄方法。
  15. 【請求項15】 インクの貯蔵タンクと、インクの供給
    路と、液滴吐出ヘッドと、洗浄機構とを含むインクジェ
    ット装置であって、インクの供給路と、液滴吐出ヘッド
    とを実質的に分離させた状態で、前記洗浄機構によっ
    て、洗浄液を少なくともインクの供給路内に流入させる
    ことにより、当該インクの供給路を洗浄することを特徴
    とした洗浄機構を有するインクジェット装置。
  16. 【請求項16】 前記洗浄機構が、洗浄液タンクおよび
    ポンプを含むことを特徴とした請求項15に記載の洗浄
    機構を有するインクジェット装置。
  17. 【請求項17】 前記洗浄機構が、インクの供給路用洗
    浄機構と、液滴吐出ヘッド用洗浄機構とから構成してあ
    ることを特徴とした請求項15または16に記載の洗浄
    機構を有するインクジェット装置。
  18. 【請求項18】 前記インクの貯蔵タンクと、洗浄液タ
    ンクとが、それぞれキャリッジ上に載置してあり、当該
    キャリッジが移動することにより、インクの貯蔵タンク
    と、洗浄液タンクとの切り替えが行われることを特徴と
    した請求項16または17に記載の洗浄機構を有するイ
    ンクジェット装置。
  19. 【請求項19】 前記キャリッジが、回転移動または往
    復移動することを特徴とした請求項18に記載の洗浄機
    構を有するインクジェット装置。
  20. 【請求項20】 前記インクの供給路の途中に、洗浄状
    態を検知するためのセンサが設けてあることを特徴とし
    た請求項15〜19のいずれか一項に記載の洗浄機構を
    有するインクジェット装置。
  21. 【請求項21】 前記インクの供給路の長さを1m以上
    の値とすることを特徴とした請求項15〜20のいずれ
    か一項に記載の洗浄機構を有するインクジェット装置。
  22. 【請求項22】 前記インクの供給路が、長さ方向に、
    分割できることを特徴とした請求項15〜21のいずれ
    か一項に記載の洗浄機構を有するインクジェット装置。
  23. 【請求項23】 前記インクの供給路が、透明材料また
    は半透明材料から構成してあることを特徴とした請求項
    15〜22のいずれか一項に記載の洗浄機構を有するイ
    ンクジェット装置。
  24. 【請求項24】 カラーフィルタ製造装置、エレクトロ
    ルミネッセンス装置の製造装置、およびプラズマディス
    プレイパネル製造装置のいずれかであることを特徴とし
    た請求項15〜23のいずれか一項に記載の洗浄機構を
    有するインクジェット装置。
JP2002009081A 2002-01-17 2002-01-17 インクジェット装置の洗浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装置 Pending JP2003211687A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002009081A JP2003211687A (ja) 2002-01-17 2002-01-17 インクジェット装置の洗浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002009081A JP2003211687A (ja) 2002-01-17 2002-01-17 インクジェット装置の洗浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003211687A true JP2003211687A (ja) 2003-07-29

Family

ID=27647176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002009081A Pending JP2003211687A (ja) 2002-01-17 2002-01-17 インクジェット装置の洗浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003211687A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140257A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Seiko Epson Corp 流体制御弁および液滴吐出装置
JP2007263991A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toppan Printing Co Ltd 印刷物の製造方法
JP2008012819A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Toshiba Tec Corp インクジェット記録装置及びその記録装置の洗浄方法
JP2008086846A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Ulvac Japan Ltd 印刷装置
JP2008212906A (ja) * 2007-03-08 2008-09-18 Toppan Printing Co Ltd インキ吐出印刷装置及びその洗浄方法
JP2010194999A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Seiko Epson Corp 流体吐出装置及び流体種類等認識方法
JP2011132303A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Kao Corp 付着物除去方法
JP2012050986A (ja) * 2011-12-02 2012-03-15 Kao Corp 水系顔料分散体製造装置の洗浄方法
JP2014065845A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Fujifilm Corp インクジェット記録用メンテナンス液、インクジェット記録用インクセット、及び画像形成方法
WO2018037922A1 (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 住友重機械工業株式会社 インクジェット装置及びインクジェット装置の洗浄方法
WO2020237123A3 (en) * 2019-05-23 2020-12-30 General Electric Company Cleaning fluids for use in additive manufacturing apparatuses and methods for monitoring status and performance of the same
WO2022065321A1 (ja) * 2020-09-24 2022-03-31 日本化薬株式会社 インクジェットプリンタ用洗浄液、インクジェットプリンタの洗浄方法及び保管方法、並びに液セット

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56155770A (en) * 1980-05-01 1981-12-02 Ricoh Co Ltd Supplying device for ink of ink-jet recording device
JPH04357998A (ja) * 1991-06-05 1992-12-10 Fuji Car Mfg Co Ltd ドライクリーニング機
JPH068471A (ja) * 1992-03-18 1994-01-18 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置およびその洗浄装置およびその洗浄方法
JP3030559U (ja) * 1996-04-24 1996-11-01 東洋工学株式会社 流路内面洗浄装置
JPH10239510A (ja) * 1997-02-24 1998-09-11 Canon Inc カラーフィルタの製造装置及び該装置における泡抜き方法及びプリント装置及び該装置における泡抜き方法
JPH11157087A (ja) * 1997-11-28 1999-06-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェットプリントヘッドの洗浄方法
JP2000239001A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 Matsushita Electronics Industry Corp ガラス洗浄用溶液の再生方法と再生装置、および珪酸塩ガラスの洗浄方法と洗浄装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56155770A (en) * 1980-05-01 1981-12-02 Ricoh Co Ltd Supplying device for ink of ink-jet recording device
JPH04357998A (ja) * 1991-06-05 1992-12-10 Fuji Car Mfg Co Ltd ドライクリーニング機
JPH068471A (ja) * 1992-03-18 1994-01-18 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置およびその洗浄装置およびその洗浄方法
JP3030559U (ja) * 1996-04-24 1996-11-01 東洋工学株式会社 流路内面洗浄装置
JPH10239510A (ja) * 1997-02-24 1998-09-11 Canon Inc カラーフィルタの製造装置及び該装置における泡抜き方法及びプリント装置及び該装置における泡抜き方法
JPH11157087A (ja) * 1997-11-28 1999-06-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェットプリントヘッドの洗浄方法
JP2000239001A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 Matsushita Electronics Industry Corp ガラス洗浄用溶液の再生方法と再生装置、および珪酸塩ガラスの洗浄方法と洗浄装置

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140257A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Seiko Epson Corp 流体制御弁および液滴吐出装置
US7328854B2 (en) 2003-11-07 2008-02-12 Seiko Epson Corporation Fluid control valve and droplet ejection device
JP2007263991A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toppan Printing Co Ltd 印刷物の製造方法
JP2008012819A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Toshiba Tec Corp インクジェット記録装置及びその記録装置の洗浄方法
JP2008086846A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Ulvac Japan Ltd 印刷装置
JP2008212906A (ja) * 2007-03-08 2008-09-18 Toppan Printing Co Ltd インキ吐出印刷装置及びその洗浄方法
JP2010194999A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Seiko Epson Corp 流体吐出装置及び流体種類等認識方法
JP2011132303A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Kao Corp 付着物除去方法
JP2012050986A (ja) * 2011-12-02 2012-03-15 Kao Corp 水系顔料分散体製造装置の洗浄方法
JP2014065845A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Fujifilm Corp インクジェット記録用メンテナンス液、インクジェット記録用インクセット、及び画像形成方法
WO2018037922A1 (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 住友重機械工業株式会社 インクジェット装置及びインクジェット装置の洗浄方法
JP2018030047A (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 住友重機械工業株式会社 インクジェット装置及びインクジェット装置の洗浄方法
CN109641465A (zh) * 2016-08-22 2019-04-16 住友重机械工业株式会社 喷墨装置及喷墨装置的清洗方法
CN109641465B (zh) * 2016-08-22 2020-11-06 住友重机械工业株式会社 喷墨装置及喷墨装置的清洗方法
WO2020237123A3 (en) * 2019-05-23 2020-12-30 General Electric Company Cleaning fluids for use in additive manufacturing apparatuses and methods for monitoring status and performance of the same
WO2022065321A1 (ja) * 2020-09-24 2022-03-31 日本化薬株式会社 インクジェットプリンタ用洗浄液、インクジェットプリンタの洗浄方法及び保管方法、並びに液セット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003211687A (ja) インクジェット装置の洗浄方法および洗浄機構を有するインクジェット装置
KR100704256B1 (ko) 액정 표시 장치의 제조 방법, 제조 장치, 액정 표시 장치및 전자 기기
JP2003344643A (ja) 液滴吐出装置とその液体充填方法、およびデバイス製造装置とデバイス製造方法並びにデバイス
JP2009269291A (ja) インクジェット装置
JP2007275822A (ja) 液滴吐出装置ならびにそれの運転方法
JP2011088293A (ja) インク循環システム
JP2005313114A (ja) 液滴吐出装置、液滴吐出方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
JP4710673B2 (ja) 液滴吐出装置
JP4238734B2 (ja) 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、及びデバイス製造方法
JP4811220B2 (ja) 吸引ユニット、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法
US7542126B2 (en) Droplet ejection apparatus, method for forming functional film, apparatus for forming liquid crystal alignment film, method for forming liquid crystal alignment film of liquid crystal display, and liquid crystal display
KR100704257B1 (ko) 액정 표시 장치의 제조 방법, 제조 장치, 액정 표시 장치 및 전자 기기
JP2018030347A (ja) 液体を吐出する装置
JP2008272996A (ja) インクジェット記録装置
JP2005169201A (ja) 液滴吐出装置、液滴吐出方法、電気光学装置、および電子機器
JP2007105599A (ja) ヘッドキャップの管理方法、吸引ユニットおよび液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
JP2009082806A (ja) インクジェットヘッドの洗浄方法および洗浄装置
JPH10100450A (ja) インクジェット記録装置及び記録方法
KR20080092609A (ko) 잉크젯 헤드 세정 장치 및 이를 이용한 세정 방법
JP4321403B2 (ja) 液晶表示装置の製造方法、液晶表示装置及び電子機器
JP2005193623A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出装置の気泡除去方法
JP2007136407A (ja) 製造システム、及びメンテナンスシステム
JP4802835B2 (ja) 液滴吐出ヘッドの清掃装置ならびにそれを備えた液滴吐出装置
JPH10157151A (ja) インクジェット記録装置及び記録方法
JP2009178691A (ja) 液滴吐出ヘッドの清掃装置ならびにそれを備えた液滴吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060511

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070402

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080404

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080501

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080926