JP2003211661A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2003211661A
JP2003211661A JP2002015953A JP2002015953A JP2003211661A JP 2003211661 A JP2003211661 A JP 2003211661A JP 2002015953 A JP2002015953 A JP 2002015953A JP 2002015953 A JP2002015953 A JP 2002015953A JP 2003211661 A JP2003211661 A JP 2003211661A
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pressure chamber
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actuator unit
pressure
pressure chambers
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Yoshibumi Suzuki
義文 鈴木
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータユニットに設けられた活性部
と圧力室とが位置ずれしてもインク吐出性能が安定する
ようにする。 【解決手段】 多数の圧力室16などが形成された流路
ユニット10と多数の活性部(活性部群62)を有する
アクチュエータユニット20とが、圧力室16と活性部
とが上下に重なるように貼り合わせられている。活性部
の長さは、圧力室16よりも長く形成されている。ま
た、活性部の幅は、圧力室16よりも短く形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体にインク
を吐出して記録を行うインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドとして、1列又は
2列に配置された多数のノズルにそれぞれ接続された多
数の圧力室を有する流路ユニットと、各圧力室に対向し
て設けられた圧電シートが積層されたアクチュエータユ
ニットとが貼り合わされたものが知られている。アクチ
ュエータユニット内の少なくとも一層の圧電シートに
は、グランド電位に保持された共通電極と、各圧力室に
対応する位置に配置された個別電極とで挟み込まれた活
性部が設けられている。そして、インクを吐出すべき圧
力室に対応する個別電極を共通電極とは異なる電位とす
ることで、圧電効果により活性部を積層方向に変位させ
て圧力室内の容積を変動させることによってインクをノ
ズルから吐出することが可能となっている。
【0003】上述したようなインクジェットヘッドとし
て、圧力室が流路ユニットの表面に沿った細長い形状
(多角形及び楕円のいずれでもよい)を有するものがあ
る。かかるインクジェットヘッドでは、活性部での静電
容量に起因した消費電力の増加を抑制するために、活性
部の面積をできるだけ小さく、つまり圧力室の長手方向
についての活性部の長さを圧力室の長さよりも短くして
いる。
【0004】この点について、図7及び図8(a)に基
づいて説明する。図7は、従来技術によるインクジェッ
トヘッドの要部断面図である。図7に示すように、イン
クジェットヘッド101は、流路ユニット102と、こ
れに積層されたアクチュエータユニット104とを有し
ている。流路ユニット102は、アクチュエータユニッ
ト104が貼り合わされて複数の圧力室103を形成す
るキャビティプレート111と、ベースプレート112
と、図示しないインク供給源から圧力室103へのイン
ク流路となるマニホールド105を形成するマニホール
ドプレート113、114と、圧力室103に連通した
ノズル106を有するノズルプレート115とによって
構成されている。アクチュエータユニット104は複数
の圧電シートが積層されたものであるが、ここでは各層
に省略して描いている。アクチュエータユニット104
内の各圧電シートは、複数の圧力室103に共通の共通
電極108と各圧力室103ごとに設けた複数の個別電
極109とによって挟み込まれており、各圧電シートの
共通電極108と個別電極109とに挟まれた部分が分
極され、活性部107とされている。これら活性部同士
は平面視でそれぞれ上下に重なっている。
【0005】図8(a)は、図7の平面視における圧力
室103と活性部107との位置関係を示す図である。
図8(a)からも明らかなように、このインクジェット
ヘッド101において、活性部107は圧力室103と
平行な細長い矩形に形成されている。また、活性部10
7の長さLAは圧力室103の長さLCよりも短く(LA
<LC)、圧力室103の長手方向についての活性部1
07の中心位置が圧力室103の中心位置とほぼ一致す
るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】インクを吐出すると
き、活性部107の変形によって圧力室103内のイン
クに発生してその長手方向に進行する圧力波の周期とタ
イミングを合わせて次の活性部の変形を行わせることが
好ましい。この場合、圧力室103と活性部群107と
が、圧力室103の長手方向について高い精度で正確に
位置合わせされる必要がある。なぜなら、図8(b)に
示すように両者の相対的な位置が圧力室103の長手方
向にずれると、その方向に圧力波の発生中心がずれてし
まい、その結果、圧力波がその発生中心に戻ってくるま
でに要する時間が設計値からずれて効率のよいインク吐
出ができなくなってしまうからである。
【0007】しかしながら、流路ユニット102が一般
に金属材料製であるのに対し、アクチュエータユニット
104が焼結したセラミックス製であるため、両者の寸
法を正確に合わせることが困難で、また、近年のインク
ジェットヘッドの長尺化に伴って、すべての圧力室10
3と活性部群107とが正確に位置合わせされるように
流路ユニット102とアクチュエータユニット104と
を組み合わせることが困難となってきている。そのた
め、ヘッドの多ノズル化に伴って活性部と圧力室との位
置ずれ量が増大してもインク吐出性能の安定を図ること
ができる技術が望まれている。
【0008】そこで、本発明の目的は、アクチュエータ
ユニットに設けられた活性部と圧力室とが位置ずれして
もインク吐出性能の安定を実現することができるインク
ジェットヘッドを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1のインクジェットヘッドは、一端が吐出ノ
ズルに、他端がインク供給源にそれぞれ接続され且つそ
の両端を結ぶ方向の長さがそれと直交する方向の幅より
も大きい複数の圧力室が相互に隣接配置されると共に、
各圧力室の容積を変化させる複数の活性部を有するアク
チュエータユニットが複数の前記圧力室に対向して配置
され、前記活性部の変形により対応する前記圧力室の容
積を変化させて前記吐出ノズルからインク滴を吐出する
インクジェットヘッドにおいて、前記圧力室のそれぞれ
に対応して前記アクチュエータユニットに設けられた前
記活性部の長さが前記圧力室の前記長さ方向の長さより
も大きいことを特徴としている。
【0010】請求項1によると、圧力室のそれぞれに対
応してアクチュエータユニットに設けられた活性部の長
さが圧力室よりも長いために、活性部と圧力室とに長手
方向の位置ずれが生じたとしても、活性部の端部位置が
圧力室内に対応する位置となって圧力波の発生中心がそ
の進行方向にずれることが少なくなる。従って、ヘッド
を長尺化した場合であっても安定な吐出性能を得ること
ができる。また、アクチュエータユニットと圧力室を含
む流路ユニットとの組み立て負荷が低下するため、製造
過程を簡略化することができると共に製造コストを削減
することが可能となる。
【0011】請求項2のインクジェットヘッドは、前記
アクチュエータユニットが、複数の前記圧力室に跨るよ
うに積層された圧電材料からなる複数の連続平板層を含
んでおり、各連続平板層の一方側には複数の前記圧力室
に共通の共通電極が配置されると共に、各連続平板層の
他方側には各圧力室ごとに個別電極が配置されており、
前記連続平板層の前記共通電極と各個別電極とによって
挟まれた領域が前記活性部となっていることを特徴とし
ている。
【0012】請求項2によると、共通電極と個別電極と
が重なる領域の大きさを変更するだけで容易に活性部の
長さを変更することができる。
【0013】請求項3のインクジェットヘッドは、前記
活性部の前記長さ方向と直交する幅が、前記圧力室の前
記長さ方向と直交する幅よりも小さいことを特徴として
いる。
【0014】請求項3によると、活性部の長さ方向と直
交する幅が圧力室の長さ方向と直交する幅よりも小さい
ので、活性部の変形が拘束されることがなく、比較的小
さな消費電力で圧力室の有効容積変化量を効率よく大き
くすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施の形
態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】図1は、本実施の形態によるインクジェッ
トヘッドの分解斜視図である。図1に示すように、本実
施の形態による圧電式のインクジェットヘッド1は、ほ
ぼ直方体の流路ユニット10上にこれとほぼ同形状のア
クチュエータユニット20が積層され、アクチュエータ
ユニット20上に外部機器との接続のためのフレキシブ
ルフラットケーブル40が貼付されたものである。イン
クジェットヘッド1は、流路ユニット10の下面側に開
口したノズル54(図2及び図3参照)から下向きにイ
ンクを吐出する。
【0017】図2は、流路ユニットの分解斜視図であ
る。図2に示すように、流路ユニット10は、ノズルプ
レート43、マニホールドプレート11、12、スペー
サプレート13及びキャビティプレート14の5枚の導
電性のある薄板を接着にて重ねて接合して積層したもの
である。本実施の形態において、ノズルプレート43を
除く各プレート11、12、13、14は、42%ニッ
ケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さで
ある。ノズルプレート43には、微小径のインク吐出用
のノズル54が、当該ノズルプレート43における第1
の方向(長辺方向)に沿って2列の千鳥配列状に設けら
れている。即ち、ノズルプレート43の長辺方向と平行
な2つの基準線に沿って、微小ピッチ間隔で千鳥状配列
にて多数個のノズル54がノズルプレート43に穿設さ
れている。
【0018】マニホールドプレート12には、インク通
路としての一対のマニホールド室12a、12aが、ノ
ズル54が配列された2つの基準線の外側に沿って延び
るように穿設されている。そして、各マニホールド室1
2aは、平面視において、キャビティプレート14に形
成された圧力室16の列と重なり且つ長辺方向について
圧力室16の列を跨ぐように延びている。
【0019】マニホールドプレート12の下側のマニホ
ールドプレート11の上面には、各マニホールド室12
aとほぼ同じ位置にて、平面視形状で略同じ形状の上向
き開放するようにマニホールド室11aが凹設され、両
マニホールド室11a、12aが一体となって1つのマ
ニホールド室を形成している。
【0020】また、キャビティプレート14には、その
長辺に沿う中心線に対して直交する第2の方向(短辺方
向)に延びる細幅の多数の圧力室16が穿設されてい
る。本実施の形態において、圧力室16の長さと幅との
比はおよそ8である。圧力室16は、キャビティプレー
ト14の長手方向に前記中心線を挟むように2列に配列
されている。そして、各圧力室16の先端部近傍は、前
記中心線を越えて延在している。従って、各圧力室16
の先端部近傍領域はキャビティプレート14の長手方向
について互いに重なり合っており、圧力室16の先端は
2列に千鳥状配列されている。
【0021】各圧力室16の先端は、ノズルプレート4
3における前記千鳥状配列のノズル54に、スペーサプ
レート13及びマニホールドプレート11、12に同じ
く千鳥状配列にて穿設されている微小径の貫通孔17、
17を介して連通している。一方、各圧力室16の他端
は、スペーサプレート13における左右両側部位に穿設
された貫通孔18を介して、マニホールドプレート1
1、12におけるマニホールド室11a、12aに連通
している。また、キャビティプレート14及びスペーサ
プレート13の長手方向についての一端部には、左右両
マニホールド室12a、12aにそれぞれ連通した一対
の供給孔19a、19bが穿設されている。図2に示す
ように、最上層のキャビティプレート14の一端部に穿
設された供給孔19a、19aの上面には、その上方の
インクカートリッジ(図示せず)から供給されるインク
中の塵除去のためのフィルタ29が張設されている。
【0022】インクカートリッジから供給孔19a、1
9bを介して左右両マニホールド室11a、11a、1
2a、12a内に流入したインクは、各貫通孔18を通
って各圧力室16内にそれぞれ分配されたのち、各圧力
室16内から貫通孔17を通って、当該圧力室16に対
応するノズル54に至る。
【0023】図3は、アクチュエータユニット20の部
分的な分解斜視図である。図3に示すように、アクチュ
エータユニット20は、9枚の圧電セラミックスシート
(以下単に「圧電シート」という)21a、21b、2
1c、21d、21e、21f、21g、22、23を
積層した構造で、各圧電シートは全圧力室16にわたる
大きさを有している。最下層の圧電シート22及びこれ
を含めて上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b、2
1d、21fの上面には、多数の個別電極24が設けら
れている。各個別電極24は、アクチュエータユニット
20の短辺方向に延びた細幅形状を有している。多数の
個別電極24は、流路ユニット10における各圧力室1
6の位置に対応して、長辺方向に沿って2列に配列され
ている。各個別電極24の電位は独立して制御可能とな
っている。また、下から偶数番目の各圧電シート21
a、21c、21e、21gの上面の短辺方向端部近傍
を除いた領域には、共通電極25が形成されている。こ
れにより、各個別電極24の長手方向端部近傍を除いた
大部分は、平面視において共通電極25とオーバーラッ
プしている。共通電極25は、常に一定の電位(グラン
ド電位)に保たれている。なお、最上段と最下段のシー
ト22、23は圧電セラミックス材料でなく、絶縁材料
であってもよい。各シートの厚さは略30μmである。
【0024】共通電極25は、長辺方向に沿って2列に
配列された圧力室16、16を平面視で一体的に覆うよ
うに、偶数段目の圧電シート21a、21c、21e、
21gの短辺方向の中央において長辺に沿って延びる平
面視略矩形状に形成されている。また、共通電極25に
は、偶数段目の圧電シート21a、21c、21e、2
1gの両短辺に沿った端縁部近傍において当該端縁部の
ほぼ全長にわたって延びる引き出し部25aが一体的に
設けられている。
【0025】そして、偶数番目の圧電シート21a、2
1c、21e、21gの短辺方向端部近傍の表面であっ
て、共通電極25が形成されていない箇所には、個別電
極24と略同じ幅寸法で長さの短いダミー個別電極26
が形成されている。ダミー個別電極26は、平面視で各
個別電極24に対応した位置に設けられている。図3に
示すように、各ダミー個別電極26の長手方向端部は、
共通電極25から一定距離だけ離隔している。ダミー個
別電極26の長さは、長短(L2,L3(<L2))が
1層おき交互に設けられるように設定されている。これ
により、共通電極25の長手方向に沿った側縁の位置
は、圧電シートの積層方向にジグザグ状にずれている。
本実施の形態では、下から2番目の層(圧電シート21
a)及び6番目の層(圧電シート21e)でのダミー個
別電極26の長さL2が、4番目の層(圧電シート21
c)及び8番目の層(圧電シート21g)でのダミー個
別電極26の長さL3より長くなっている。
【0026】最下段の圧電シート22及びこれを含めて
上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b、21d、2
1fの上面のうち、引き出し部25aに対応する位置
(平面視で重なる位置、つまり圧電シートの長辺方向両
端部近傍)には、ダミー共通電極27が形成されてい
る。
【0027】図1及び図3に示すように、最上段の圧電
シート23の上面には、その長辺の端縁部に沿って、各
個別電極24の各々に対する表面電極30と、共通電極
25の引き出し部25aに対する表面電極31とが設け
られている。
【0028】さらに、最下段の圧電シート22を除いた
圧電シート21a、21b、21c、21d、21e、
21f、21g、23には、各表面電極30と、それに
対応する位置(同じ上下位置)の個別電極24及びダミ
ー個別電極26とを互いに接続するためのスルーホール
32が各個別電極24につき1つずつ穿設されている。
同様に、最下段の圧電シート21aを除いた圧電シート
21b、21c、21d、21e、21f、21g、2
3には、表面電極31と、共通電極25の引き出し部2
5a及びダミー共通電極27とを互いに接続するための
数個のスルーホール33が穿設されている。スルーホー
ル32、33内には導電性材料が充填されている。そし
て、各スルーホール32内の導電性材料を介して、積層
方向に重なった個別電極24、ダミー個別電極26及び
表面電極30がそれぞれ電気的に接続されている。同じ
く、各スルーホール33内の導電性材料を介して、積層
方向に重なった共通電極25、ダミー共通電極27及び
表面電極31が電気的に接続されている。
【0029】なお、スルーホール33を形成しない場合
には、アクチュエータユニット20の一側面に全ての共
通電極25の引き出し部を露出させ、全ての引き出し部
25aに接続する接続電極をアクチュエータユニット2
0の厚さ方向に延びるように塗布し、この接続電極を圧
電シート23上の表面電極31に電気的に接続するよう
にしてもよい。また、スルーホール32を形成しない場
合には、全ての個別電極24の端部をアクチュエータユ
ニット20の他側面に露出させ、上下方向に同じ位置の
個別電極24に接続する接続電極をアクチュエータユニ
ット20の側面に塗布し、接続電極を圧電シート23上
の各対応する表面電極30に電気的に接続するようにし
てもよい。
【0030】このような構成のプレート型のアクチュエ
ータユニット20における下面(圧力室16と対面する
面)全体には、接着剤層としてのインク非浸透性の合成
樹脂材からなる接着剤シート41(図4参照)が貼着さ
れている。また、アクチュエータユニット20は、各個
別電極24が圧力室16の各々に平面視で対応した位置
に配置されるように、流路ユニット10に接着及び固定
されている。さらに、アクチュエータユニット20の上
側面には、フレキシブルフラットケーブル40が重ねら
れることによって、フレキシブルフラットケーブル40
に形成された各種の配線パターンが、各表面電極30、
31と電気的に接続されている。公知のように、個別電
極24と共通電極25とに挟まれる圧電シートは分極処
理されている。具体的には、フレキシブルフラットケー
ブル40の配線パターンを介して、全個別電極24に正
の高電圧を印加し、共通電極25をグランドに接続する
ことで、各圧電シートは個別電極24から共通電極25
に向かう方向に分極される。
【0031】なお、接着剤シート41等の接着剤層の材
料としては、少なくともインク非浸透性であり、且つ電
気絶縁性を備えたものであって、ナイロン系やダイマー
酸ベースのポリアミド樹脂を主成分とするポリアミド系
ホットメルト形接着剤、ポリエステル系ホットメルト形
接着剤のフィルム状のものを使用しても良いが、ポリオ
レフィン系ホットメルト形接着剤をアクチュエータユニ
ット20に塗布してから、流路ユニット10に接着する
ようにしてもよい。
【0032】図4は、本実施の形態によるインクジェッ
トヘッド1の長手方向(圧力室16の幅方向)に沿った
部分断面図である。図5は、それと直交する断面図であ
る。アクチュエータユニット20内の各圧電シートの共
通電極25と多数の個別電極24とによって挟み込まれ
た領域は、個別電極24と共通電極25との間に分極方
向に平行に駆動電界を発生させると圧電効果により厚み
方向すなわちシート積層方向に膨らむ又は引っ込むよう
に湾曲する。つまり、この領域は、個別電極24に電圧
を印加することで変位する活性部61となっている。活
性部61は、各圧電シート内に島状に形成されている。
そして、7枚の圧電シートにそれぞれ形成された活性部
61は、対応するもの同士が平面視で互いに上下に連続
するような位置に形成されている。従って、上下に連続
した7つの活性部61は、一まとまりの活性部群62
(図5及び図6(a)参照)を形成している。
【0033】本実施の形態において、活性部群62は、
平面視でその幅が圧力室16の幅よりもやや狭く、また
長さが圧力室16の長さよりもやや長くなっている。つ
まり、個別電極24の幅は、図4に示すように圧力室1
6の幅よりもやや狭く形成されている。また、図5に示
すように圧力室16の長さ方向において、個別電極24
及び共通電極25はいずれもに圧力室16よりも長く形
成され、個別電極24と共通電極25とに挟まれる圧電
シートの部分の長さは、圧力室16の長さよりもやや長
く形成されている。さらに詳細には、図6(a)に、図
5の平面視における圧力室16と活性部群62との位置
関係を示すように、活性部群62は、圧力室16と平行
な細長い矩形に形成され、活性部群62の長さLAは圧
力室16の長さLCよりも5%程度長く(LA>LC)、
圧力室16の長手方向についての活性部群62の中心位
置が圧力室16の中心位置とほぼ一致するようになって
いる。
【0034】従って、本実施の形態のインクジェットヘ
ッド1では、圧力室16と活性部群62とが圧力室16
の長手方向に若干位置ずれしたとしても、インク吐出性
能が劣化することがほとんどない。なぜなら、圧力室1
6と活性部群62とが圧力室16の長手方向に若干位置
ずれると、図7(b)に示すように、圧力室16の長手
方向についての活性部群62の中心位置が圧力室16の
中心位置から圧力室16の長手方向にずれるものの、活
性部群62の圧力室16の長手方向の端部であって圧力
室16外にある部分はキャビティプレート14によって
積層方向に変位しないように拘束されていることにより
実質的に変位せず圧力波の発生に寄与していないため、
活性部群62の両端がキャビティプレート14上にある
限りは、圧力室16の長手方向への位置ずれが起こった
としても圧力波の発生中心がずれることがないからであ
る。従って、本実施の形態のインクジェットヘッド1
は、多ノズル化して活性部61と圧力室16との位置ず
れ量が大きくなった場合であっても、優れた吐出性能を
維持することができる。また、本実施の形態のインクジ
ェットヘッド1は、圧力室16の長手方向についての位
置ずれに対する許容誤差が大きいために、流路ユニット
10とアクチュエータユニット20との組み立て負荷が
低下する。そのため、製造コストを大幅に削減すること
ができる。
【0035】また、上述したように、個別電極24の
幅、つまり活性部61の幅を圧力室16の幅より若干狭
くしているのは、個別電極24の幅を圧力室16の幅よ
りも広くすると、個別電極24の幅方向両端がキャビテ
ィプレート14によって拘束されて個別電極24の変形
が著しく阻害され効率が悪化すること、及び、個別電極
24の幅の増加による面積増加率が長さを増加する場合
に比べて大きく、そのため、静電容量の増加に伴う消費
電力の増加が無視できないことによる。逆に言うと、本
実施の形態のインクジェットヘッド1では、活性部61
の幅が圧力室16の幅よりも小さいので活性部61の積
層方向への変形が拘束されることが少なく、比較的小さ
な消費電力で圧力室16の有効容積変化量を効率よく大
きくすることができる。
【0036】なお、本実施の形態では、個別電極24の
長さ、つまり活性部61の長さを圧力室16の長さより
も長くしているものの、圧力室16の長さと幅との比が
およそ8と比較的大きく設定されているので、個別電極
24の長手方向両端がキャビティプレート14によって
拘束されているにもかかわらず個別電極24の変形があ
まり阻害されず効率の悪化がほとんど生じない。また、
個別電極24の長さの増加による面積増加率が比較的小
さいので、静電容量の増加に伴う消費電力の増加をほと
んど無視することができる。実際上、圧力室16の長さ
と幅との比が3以上であれば、効率の悪化及び消費電力
の増加はほとんど問題にならない。
【0037】本実施の形態のインクジェットヘッド1で
は、通常の状態において、共通電極25がグランドに接
続され、全個別電極24に駆動電圧が印加されて、活性
部群62が積層方向に伸長し全圧力室16の容積を縮小
した状態にある。吐出動作をするために、個別電極24
に印加されている電圧を選択的に解除すると、活性部群
62が復帰し圧力室16の容積が拡大される。すると、
マニホールド室11a、12aから圧力室16内にイン
クが供給されるとともに、圧力室16内にその長手方向
に進行する圧力波が発生する。圧力波が圧力室の両端で
反射して中央において再び高い圧力になるタイミング
で、個別電極24に駆動電圧を印加すると、圧力波の圧
力と活性部群62が伸長することによる圧力とが重畳さ
れ、圧力室16内のインクがノズル54から液滴状に吐
出される。この場合、圧力波に対して活性部群62が伸
長するタイミングを適宜設定することで、インクの吐出
速度、液滴体積などを任意に調整することができる。ま
た、上記実施形態のように全個別電極24にあらかじめ
駆動電圧を印加しておくのではなく、インクを吐出する
ときだけ、個別電極24に電圧を印加して圧力室16の
容積を縮小しインクを吐出させるものでも、次の吐出タ
イミングにおいて、圧力室16内に残留する圧力波を利
用することができる。
【0038】また、本実施の形態のインクジェットヘッ
ド1では、上述のように、アクチュエータユニット20
と流路ユニット10との間に、全ての圧力室16を覆う
ように接着剤シート41を介在させることにより、接着
剤シート41がインクを浸透させない被膜の役割を果た
すと共に、アクチュエータユニット20と流路ユニット
10とを強固に固定する。また、複数の圧力室16に跨
るように7枚の圧電シート21a、…を積層してアクチ
ュエータユニット20を構成しているから、圧力室16
に対する変位量を圧電シートの積層数によって容易に変
更することができると共に、各圧電シートに電極を印刷
等で形成して積層することで、アクチュエータユニット
20を容易に製作することができる。さらに、個別電極
24と共通電極25とが重なる領域の大きさを変更する
ことで、容易に活性部61の長さを変更することができ
る。
【0039】以上、本発明の好適な一実施の形態につい
て説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるも
のではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様
々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施
の形態ではアクチュエータユニットが電極の印刷された
圧電シートを積層したものであるが、アクチュエータユ
ニットはこのようなものに限られるものではなく、圧力
室の容積が変更されるように変形する活性部を有するも
のであればどのようなものでもよい。また、上述の実施
の形態では、アクチュエータユニット内のすべての圧電
シートに活性部を設けているが、積層された圧電シート
の中で一部の圧電シートだけに活性部が設けられていて
もよい。また、実施の形態のように圧電シートを積層す
る構成の場合、下から奇数番目のシートに共通電極25
を、偶数番目のシートに個別電極24をそれぞれ形成し
てもよい。
【0040】また、上述の実施の形態では、活性部の幅
を圧力室の幅より若干狭くしているが、活性部の幅を圧
力室の幅より広くしてもよい。また、圧力室や活性部な
どの形状、圧電シートなどの積層数、圧力室の配列方向
などは、適宜変更してよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、アクチュエータユニットと圧力室とが異なる材料で
制作されていたり、また、ヘッドを多ノズル化した場合
などアクチュエータユニットの活性部と圧力室とが正確
に位置合わせされることが困難であっても安定な吐出性
能を得ることができる、また、アクチュエータと流路ユ
ニットとの組み立て負荷が低下するため、製造過程を簡
略化することができると共に製造コストを削減すること
が可能となる。
【0042】請求項2によると、共通電極と個別電極と
が重なる領域の大きさを変更するだけで容易に活性部の
長さを変更することができる。
【0043】請求項3によると、比較的小さな消費電力
で圧力室の有効容積変化量を効率よく大きくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインクジェットヘ
ッドの分解斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドを構成する流
路ユニットの分解斜視図である。
【図3】図1に示すインクジェットヘッドを構成するア
クチュエータユニットの部分的な分解斜視図である。
【図4】図1に示すインクジェットヘッドの長手方向に
沿った部分断面図である。
【図5】図1に示すインクジェットヘッドの幅方向に沿
った部分断面図である。
【図6】図1に示すインクジェットヘッドでの平面視に
おける圧力室と活性部群との位置関係を示す図である。
【図7】従来技術によるインクジェットヘッドの要部断
面図である。
【図8】図7に示すインクジェットヘッドでの平面視に
おける圧力室と活性部群との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 10 流路ユニット 16 圧力室 20 アクチュエータユニット 21a〜21g、22、23 圧電シート 24 個別電極 25 共通電極 40 フレキシブルフラットケーブル 54 ノズル 61 活性部 62 活性部群

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が吐出ノズルに、他端がインク供給
    源にそれぞれ接続され且つその両端を結ぶ方向の長さが
    それと直交する方向の幅よりも大きい複数の圧力室が相
    互に隣接配置されると共に、各圧力室の容積を変化させ
    る複数の活性部を有するアクチュエータユニットが複数
    の前記圧力室に対向して配置され、前記活性部の変形に
    より対応する前記圧力室の容積を変化させて前記吐出ノ
    ズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドにお
    いて、 前記圧力室のそれぞれに対応して前記アクチュエータユ
    ニットに設けられた前記活性部の長さが前記圧力室の前
    記長さ方向の長さよりも大きいことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータユニットが、複数の
    前記圧力室に跨るように積層された圧電材料からなる複
    数の連続平板層を含んでおり、 各連続平板層の一方側には複数の前記圧力室に共通の共
    通電極が配置されると共に、各連続平板層の他方側には
    各圧力室ごとに個別電極が配置されており、 前記連続平板層の前記共通電極と各個別電極とによって
    挟まれた領域が前記活性部となっていることを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記活性部の前記長さ方向と直交する幅
    が、前記圧力室の前記長さ方向と直交する幅よりも小さ
    いことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェ
    ットヘッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7114798B2 (en) 2002-10-03 2006-10-03 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting apparatus
JP2009160758A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Brother Ind Ltd 液体吐出装置
US8353580B2 (en) 2010-08-23 2013-01-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid ejection head

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