JP5930701B2 - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、圧電部材の変位を利用してノズルより液体を吐出する液体吐出ヘッドに関する。
インクを吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置には、一般的に、インクを吐出する液体吐出ヘッドが搭載されている。液体吐出ヘッドがインクを吐出する機構として、圧電部材によって収縮可能な圧力室を用いる機構が知られている。この機構では、電圧を印加された圧電部材の変形により圧力室が収縮することによって、圧力室内のインクが、圧力室の一端に形成された吐出口から押し出され吐出する。
工業用途のインクジェット装置では、高粘度の液体を使用したいという要求がある。高粘度の液体を吐出するためには、液体吐出ヘッドに大きな吐出力が求められる。グールドタイプの液体吐出ヘッドでは、圧力室の壁面が全て変形し、その変形がインクの吐出力に寄与するので、大きな吐出力を得ることができる。
グールドタイプの液体吐出ヘッドにおいて、高い解像度を得るためには、吐出口を増やすとともに、各々の吐出口を高密度に配置、つまり、各々の吐出口に対応する圧力室も高密度に配置する必要がある。しかし、圧力室を高密度に配置した場合においては、単ノズル駆動時(インクを吐出する吐出口の周囲の吐出口からインク吐出なし)と全ノズル駆動時(全ての吐出口からインクが吐出)の吐出性能が異なるといった構造的クロストークの発生を低減する必要がある。構造的クロストークの原因として、圧力室の変形が隣接する圧力室の圧電部材に伝搬することが考えられる。
特許文献1の液体吐出ヘッドの製造方法では、インクチャネルとインクチャネルより深いダミーチャネルを交互に複数の形成した圧電部材を、インクチャネルの位置と重なるようにスリットを設けたトッププレートで覆っている。このようにすることで、インクチャネルの側壁が変形しても、ダミーチャネル底部がインクチャネル底部よりも深い場所に存在するため、変形したインクチャネルに隣接するダミーチャネル底部での変形が起こらない。また、トッププレートにスリットを設けているので、インクチャネルの変形が容易になる。そのため、変形したインクチャネルに隣接するインクチャネルへの干渉が発生せず、クロストークが低減される。
また、特許文献2の液体吐出ヘッドの製造方法では、圧力室を有する流路基板に振動板と圧電部材とを積層した構造において、圧電部材と振動板を貫通し、流路基板の、圧力室同士を分離する側壁に至る凹部が設けられている。このようにすることで、隣接する圧力室の変形の影響を減らし、クロストークが発生するという問題点を解決している。
特許3217006号公報 特許3152260号公報
液体吐出ヘッドにおいて、さらに高い解像度を得るためには、複数の吐出口と各吐出口に対応して設けられる圧力室を2次元的により高密度に配置する必要がある。
特許文献1、2に示されている液体吐出ヘッドでは、同様の構成を直接重ねることができない。そのため、直線的には吐出口と圧力室を増やせるが、2次元的に増やす場合には液体吐出ヘッドのサイズが大きくなる。
そこで、本発明の目的は、ノズルおよび圧力室を高密度に二次元配置することを可能とし、かつ、構造的クロストークを低減できる液体吐出ヘッドを提供することである。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口に連通し、該吐出口から吐出される液体を貯留するための圧力室が複数設けられ、圧力室の収縮変形に応じて吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドである。
また、本発明の液体吐出ヘッドには、圧力室の周囲に、圧力室と同じ方向に延びる複数の凹部が設けられ、圧力室の少なくとも一部が圧電部材で構成されている。
一方の面に第1の凹部と第4の凹部が交互に設けられた第1の基板と、第2の凹部と第3の凹部がそれぞれ複数設けられた第2の基板とが交互に積層した積層体が設けられている。第2の凹部4は、第2の基板2の、第1の基板1の一方の面と接しない面に設けられ、積層方向から見て第2の凹部4と第4の凹部15とが重なっている。圧力室は、第4の凹部と第2の基板の、第1の基板の一方の面と接する面とで形成されている。さらに、第1の凹部または第2の凹部と、第3の凹部が連通している。第3の凹部は、第2の基板の両面に互いに対向して、または、第2の基板の、第1の基板の一方の面と接する面に設けられている。
本発明によれば、圧力室が二次元的に高密度に配置された液体吐出ヘッドあっても、圧力室の収縮変形による構造的クロストークを低減できる。その結果、吐出パターンに関係なく均一な吐出性能を発現する液体吐出ヘッドを提供することができる。
第1の実施例の液体吐出ヘッドの概略斜視図である。 図1に示す液体吐出ヘッドのA−A’断面の概略図である。 第1の実施例の圧電ブロック体の製造手順を示す概略図である。 図3の続きの製造手順を示す概略図である。 第1の実施例における圧力室の変形シミュレーション結果を示す図である。 比較例における圧力室の変形シミュレーション結果を示す図である。 第2の実施例の圧電ブロック体の断面の概略図である。 第2の実施例の圧電ブロック体の製造手順を示す概略図である。 図8の続きの製造手順を示す概略図である。 第3の実施例の圧電ブロック体の断面の概略図である。
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態の詳細について説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
[第1の実施例]
本発明の第1の実施例を説明する。図1は、本発明に係る液体吐出ヘッドの概略斜視図である。
本実施例の液体吐出ヘッド90は、図1に示すように、後方絞りプレート6と、圧電ブロック体5と、ノズルプレート8とを有する。圧電ブロック体5の一方の面(前面)に、ノズルプレート8が接合されている。ノズルプレート8には、たとえば円形貫通孔からなる複数の吐出口7が形成されており、これらの吐出口7は所定の間隔で二次元に配置されている。圧電ブロック体5の他方の面(後面)には、後方絞りプレート6が接合されている。圧電ブロック体5は、あらかじめ分極処理された第1の圧電基板(第1の基板)1と第2の圧電基板(第2の基板)2とを不図示の接着層を介して交互に複数積層し、第3の圧電基板11で積層方向の両端を挟んで構成される積層体である。ここで第2の圧電基板2は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いることが望ましいが、圧電効果を得られる材料であればこれに限定されるものではない。また、第3の圧電基板11は圧電材料以外の例えばセラミック材料であっても構わない。
図2は、図1に示す液体吐出ヘッドのA−A’断面の概略図である。本発明の圧電ブロック体5は、圧電部材からなる第1の圧電基板1と第2の圧電基板2とが交互に積層されており、積層方向の両端には、第3の圧電基板11が設けられた積層体である。第1の圧電基板1には、溝状の第4の凹部15と溝状の第1の凹部9とが一方の面に交互に間隔をあけて複数設けられている。第4の凹部15は、第2の圧電基板2に積層方向の開口を塞がれることで、インクを貯留する圧力室3となる。また、第2の圧電基板2の、第1の圧電基板1の一方の面とは接しない面である一方の面には溝状の第2の凹部4が間隔を空けて複数設けられ、第1の圧電基板1の一方の面と接する面である他方の面には溝状の第3の凹部10が複数設けられている。第2の凹部4と第3の凹部10とは積層方向からみて、互いに重ならないように位置する。第3の凹部10と第1の凹部9とは互いに向かい合い連通している。第2の凹部4は、積層方向からみて、第4の凹部15(圧力室3)と重なるようになっている。つまり、第2の凹部4と圧力室3は、積層方向において交互に配置されている。
また、圧力室3となる第4の凹部15以外も、第1の基板1と第2の基板2とが積層することで、第2の凹部4と第1の基板1および第1の凹部9と第3の凹部10とでそれぞれ空洞が形成されている。
第1の凹部9は第1の圧電基板1において、圧力室3に平行に延びている。第2の凹部4と第3の凹部10は第2の圧電基板2において、圧力室3に平行に延びている。つまり、第1〜3の凹部4、9、10と第1と第2の基板1、2とで形成される空洞も圧力室3に平行である。
圧力室3の内壁の4面には、第1の電極12が形成されている。第1の電極12は、圧力室3の内壁4面のうちの、第1の圧電基板1によって圧力室3を構成する3面に形成された第1−1の電極12a、および、第2の圧電基板2によって圧力室3を構成する1面に形成された第1−2の電極12bからなる。またこの第1の電極12は、圧電ブロック体5の後面に形成された不図示の電極に接続される。第1の圧電基板1に形成された第1の凹部9の内壁の3面には、第2の電極13が形成されている。
第2の凹部4の内壁の底面と、積層方向で第2の凹部4の開口を塞ぐ位置の第1の圧電基板1には、それぞれ第3−1の電極14aと第3−2の電極14bとが設けられ、この2つの電極14a、14bで第3の電極14を形成している。
圧電ブロック体5の後面の不図示の電極は、個々の圧力室3に応じた個別の配線がなされ、圧電ブロック体5の前面の不図示の電極は、第2の電極13および第3の電極14に共通の電極として配線される。これにより、圧力室3の内壁に形成されている第1の電極12と、それ以外の第2の電極13および第3の電極14との間で、別々に駆動電圧を印加することが出来る。
圧電ブロック体5の前面にはノズルプレート8が貼り合わされ、ノズルプレート8に形成されている吐出口7と圧力室3とが連通している。また、圧電ブロック体5の後面には後方絞りプレート6が貼り合わされ、後方絞りプレート6に形成されている不図示の孔と圧力室3とが連通している。
図示しない共通液室から供給されたインクは、後方絞りプレート6内に形成された孔を通り、圧力室3を通過して、さらに吐出口7まで満たされる。インクは、図示しない共通液室の上流において負圧にコントロールされており、メニスカスと呼ばれる気液界面は毛管力により吐出口7で保持される。電極に駆動電圧を印加して圧力室3を収縮変形させて圧力室の容積を変化させることにより、圧力室3内のインクに圧力が付与されて吐出口7からインクが吐出する。
圧電ブロック体5の製造方法を、図3と図4を用いて説明する。まず、第2の圧電基板2の一方の面(上面)に、溝状の第2の凹部4をダイシングにより形成し(図3(a))、選択めっきにより第3−1の電極14aを、第2の凹部4の他方の面(下面)側の内壁に形成する(図3(b))。その後、第2の圧電基板2の上面に、第3の圧電基板11を接着し(図3(c))、第3の圧電基板11に接着した第2の圧電基板2の下面に溝状の第3の凹部10を、積層方向からみて第2の凹部4とは重ならない位置にダイシングにより形成する(図3(d))。このとき、第3の凹部10は第2の圧電基板2を貫通してもよい。さらに、第2の圧電基板2の下面から、第2の圧電基板2の下面の、第3の凹部10同士の間であり、圧力室3の内壁の一部となる部分に選択めっきを施し、第1−2の電極12bを形成する(図3(e))。
次に、圧力室3の一部を構成する溝状の第4の凹部15、および、溝状の第1の凹部9を、第1の圧電基板1の一方の面(上面)にダイシングにより交互に形成する(図4(a))。ただし、第4の凹部15と第1の凹部9とを、上記の工程で作製された第2の圧電基板2の第1−2の電極12bと第3の凹部10とをそれぞれ覆うことができる位置に形成する。第1の圧電基板1の上面の第4の凹部15と第1の凹部凹部9とに、選択めっきを施し、第1−1の電極12aおよび第2の電極13をそれぞれ形成する(図4(b))。図3で作製した第2の圧電基板2の下面に、凹部9、15と電極12a、13を形成した第1の圧電基板1の上面を接着する。これにより圧力室3が出来上がる(図4(c))。次に、第1の圧電基板1の他方の面(下面)の一面にめっきを施し、第3−2の電極14bを形成する(図4(d))。さらに、第1の圧電基板1の下面に、第2の凹部4と第3−1の電極14aとを形成した状態の第2の圧電基板2(図3(b)参照)を接着し、第3の凹部10と第1−2の電極12bを上記と同様に形成する(図4(e))。このように、凹部形成と電極形成と積層接合とを繰り返し、最後に第3の圧電基板11を接合すことで、第1の圧電基板1と第2の圧電基板2とが交互に積層し、それらが第3の圧電基板11に挟まれる圧電ブロック体5が完成する。
電極形成した圧電ブロック体5は分極処理が施される。分極処理工程は、圧電ブロック体5をシリコンオイルなどの絶縁体液体に浸し、例えば200℃の温度に加熱し、形成した電極間に1~2kV/mm程度の電界を印加することで行われる。
ここで、本発明の構造的クロストーク低減効果を示すシミュレーション結果を、図5を用いて説明する。図5は、第1の凹部9が第1の圧電基板1に形成され、第2の凹部4と第3の凹部10が第2の圧電基板2に形成されたモデルで、図2中の領域Bのみを示している。また、駆動電圧を印加した際の圧力室3の変形を示しており、鎖線で変形前の輪郭を示している。
変形前と変形後とを比べると圧力室3が収縮していることが分かる。この時、点Cにおける圧力室3が収縮する方向への全ノズル駆動時(全ての吐出口からインクが吐出)の変位量は、単ノズル駆動時(インクを吐出する吐出口の周囲の吐出口からインク吐出なし)の変位量の98%程度となり、ほぼ同程度の変位量が得られる。これは第3の凹部10があることで、第2の圧電基板2の領域Dが圧力室3方向へ変形しやすくなっており、隣接するノズルの影響を受けにくいためである。
比較例として、第1の実施例の第3の凹部10が無いモデルのシミュレーション結果を、図6を用いて説明する。図6は、第1の凹部9が第1の圧電基板1に形成され、第2の凹部4が第2の圧電基板2に形成されたモデルで、図2中の領域Bに相当する領域のみを示している。駆動電圧を印加した際の圧力室3の変形を示しており、鎖線で変形前の輪郭を示している。
変形前と変形後とを比べると圧力室3が収縮していることが分かる。図5と同様に、点Cにおける圧力室3が収縮する方向への変位量を見てみると、全ノズル駆動時の変位量は、単ノズル駆動時の変位量の90%程度であり、本発明に比べて10%変位量が低減してしまう。
以上説明したように、本発明の液体吐出ヘッドは、圧力室3の変形が周囲の圧力室の変形の有無に干渉されにくい構成であり、構造的クロストークを低減することが出来る。そのため、圧力室を二次元的に高密度に配置しても、小型で構造的クロストークを低減した均一な吐出性能を実現する液体吐出ヘッドを提供することが出来る。
[第2の実施例]
本発明の第2の実施例を説明する。本実施例は、第1の実施例の圧電ブロック体15とは構成が異なる。他の構成については同様である。したがって、圧電ブロック体の構成のみ説明する。
図7に、本実施例を適用した液体吐出ヘッドの圧電ブロック体25の断面図を示す。なお、図1の位置A−A’での断面である。圧電ブロック体25は、第1の圧電基板21と第2の圧電基板22とを不図示の接着層を介して交互に複数積層されており、両端に第3の圧電基板31が設けられた積層体である。
第1の圧電基板21には、溝状の第4の凹部35と溝状の第1の凹部29とが一方の面に間隔を空けて交互に複数設けられている。第4の凹部35は、第2の圧電基板22に積層方向の開口を塞がれることで、圧力室23となる。また、第2の圧電基板22の両面には、互いに対向するように溝状の第3の凹部30a、30bがそれぞれ複数設けられ、さらに、一方の面には、溝状の第2の凹部24が複数設けられている。第1の凹部29と第3の凹部30a、30bは連通している。
第1の基板21と第2の基板22とが積層することで、第2の凹部24と第1の基板21および第1の凹部29と第3の凹部30a、30bとでそれぞれ空洞が形成されている。
圧力室23の内壁の4面には、第1の電極32が形成されている。第1の電極32は、圧力室23の内壁4面のうちの、第1の圧電基板21によって圧力室23を構成する3面に形成された第1−1の電極32a、および、第2の圧電基板22によって圧力室23を構成する1面に形成された第1−2の電極32bからなる。また、この第1の電極32は、圧電ブロック体25の後面に形成された電極に接続される。第1の圧電基板21に形成された第1の凹部29には、第2の電極33が形成されている。
第2の凹部24の底面と、積層方向で第2の凹部24を塞ぐ位置の第1の圧電基板21には、それぞれ第3−1の電極34aと第3−2の電極34bとが設けられ、これらの電極43a、34bで第3の電極34が形成されている。
圧電ブロック体25の後面の電極は、個々の圧力室23に応じた個別の配線がなされ、圧電ブロック体25の前面の不図示の電極は、第2の電極33および第3の電極34に共通の電極として配線される。これにより、圧力室23の内壁に形成されている第1の電極32と、第2の電極33及び第3の電極34との間で、別々に駆動電圧を印加することが出来る。
圧電ブロック体25の作製方法を、図8と図9を用いて説明する。まず、第2の圧電基板22の上面に、溝状の第2の凹部24、および、溝状の第3の凹部30bを、ダイシングにより形成し(図8(a))、第2の凹部24の下面側の内壁に選択めっきを施し、第3−1の電極34aを形成する(図8(b))。その後、第2の圧電基板22の上面に、第3の圧電基板31を接着する(図8(c))。第3の圧電基板31に接着した第2の圧電基板22の下面に溝状の第3の凹部30aを、積層方向からみて第3の凹部30bと重なる位置にダイシングにより形成する(図8(d))。このとき、第3の凹部30aは第2の圧電基板22を貫通してもよい。さらに、第2の圧電基板22の下面から、圧力室23の内壁面を構成する面に選択めっきを施し、第1−2の電極32bを形成する(図8(e))。
次に、圧力室23の一部を構成する溝状の第4の凹部35、および、溝状の第1の凹部29を、第1の圧電基板21の上面にダイシングにより交互に形成する(図9(a))。ただし、第4の凹部35と第1の凹部29とを、上記の工程で作製された第2の圧電基板22の第1の電極32bと第3の凹部30aとをそれぞれ覆うことができる位置に形成する。第1の圧電基板21の上面の第4の凹部35と第1の凹部29とに、選択めっきを施し、第1−1の電極32aおよび第2の電極33を形成する(図9(b))。次に、図8で作製した第2の圧電基板22の下面に第1の圧電基板21の上面を接着する。これにより圧力室23が出来上がる。(図9(c))。次に、第1の圧電基板21の他方の面(下面)の一面にめっきを施し、第3−2の電極34bを形成する(図9(d))。さらに、第1の圧電基板21の下面から第1の凹部29に至る貫通路29bを、ダイシングにより形成する(図9(e))。次に、第1の圧電基板21の下面に形成した第3−2の電極34bに、第2の凹部24と第3−1の電極34aとが形成されている第2の圧電基板22(図8(b)参照)を接着し、第3の凹部30aと第1−2の電極32bを上記と同様に形成する(図9(f))。このように、凹部形成と電極形成と積層接合を繰り返し、最後に不図示の第3の圧電基板を接合することで、本実施例の圧電ブロック体25が作製される。
以上のように作製された本実施例の液体吐ヘッドでは、第3の凹部が2つの部分30a、30bに分かれており、第1の凹部29を介してつながっている。そのため、第1の実施例で示した領域Dのみならず、第1の圧電基板21の、領域Dと第1の凹部29を挟んで対向する領域においても変形しやすくなっている。したがって、圧力室23の変形が、より干渉されにくくなり、構造的クロストークを低減することが出来る。
[第3の実施例]
本発明の第3の実施例を説明する。本実施例は、上述の実施例の圧電ブロック体とは構成が異なる。他の構成については同様である。したがって、圧電ブロック体の構成のみ説明する。
図10に本実施例を適用した液体吐出ヘッドの圧電ブロック体45の断面図を示す。なお、図1の位置A−A’での断面である。圧電ブロック体45は、第1の圧電基板41と第2の圧電基板42とを不図示の接着層を介して交互に複数積層されており、両端に第3の圧電基板51が設けられた積層体である。
第1の圧電基板41には、溝状の第4の凹部55と凹状の第1の凹部49とが一方の面に間隔を空けて交互に複数設けられている。第4の凹部55は、第2の圧電基板42に積層方向の開口を塞がれることで圧力室43となる。また、第2の圧電基板42には、一方の面に第2の凹部44と、第2の凹部44を挟むように、第3の凹部50a、50bが設けられている。第2の凹部44と第3の凹部50a、50bは連通している。
第1の基板41と第2の基板42とが積層することで、第2の凹部44と第3の凹部50a、50bおよび第1の凹部49と第2の基板42とでそれぞれ空洞が形成されている。
圧力室43の内壁の4面には、第1の電極52が形成されている。第1の電極52は、圧力室43の内壁4面のうちの、第1の圧電基板41によって圧力室43を構成する3面に形成された第1−1の電極52a、および、第2の圧電基板42によって圧力室43を構成する1面に形成された第1−2の電極52bからなる。また、この第1の電極52は、圧電ブロック体45の後面に形成された電極に接続される。第1の圧電基板41に形成された第1の凹部49の内壁の3面には、第2の電極53が形成されている。
第2の凹部44の底面と、積層方向で第2の凹部44を塞ぐ位置の第1の圧電基板41にはそれぞれ第3−1の電極54aと第3−2の54bとが設けられ、これらの電極54a、54bで第3の電極54が形成されている。
圧電ブロック体45の後面の電極は、個々の圧力室43に応じた個別の配線がなされ、圧電ブロック体45の前面の電極は、圧力室4第2の電極53と第3の電極54に共通の電極として配線される。これにより、圧力室43の内壁に形成されている第1の電極52と、第2の電極53および第3の電極54との間で、別々に駆動電圧を印加することが出来る。
以上のように構成した液体吐出ヘッドでは、第2の圧電基板42において第3の凹部50a、50bと第2の凹部44とが連通している。そのため、第1の圧電基板41と第2の圧電基板42とが接する部分が少なく、また、積層方向から見て、隣接する圧力室43同士の間の中心で第1の圧電基板41と第2の圧電基板42とが接する。これにより、特に積層方向で隣接する圧力室43の影響が小さくなるため、圧力室43の内壁の変形が、変形しない圧力室43により干渉されにくくなり、構造的クロストークを低減することが出来る。
本発明の液体吐出ヘッドは、例えば、液滴を吐出する印刷装置や塗布装置あるいは造形装置などに適用可能である。
1、21、41 第1の圧電基板
2、22、42 第2の圧電基板
3、23、43 圧力室
4、24、44 第2の凹部
5、25、45 圧電ブロック体
7 吐出口
9、29、49 第1の凹部
10、30、50 第3の凹部
15、35、55 第4の凹部
90 液体吐出ヘッド

Claims (4)

  1. 液体を吐出する吐出口に連通し、該吐出口から吐出される前記液体を貯留するための圧力室が複数設けられ、前記圧力室の収縮変形に応じて前記吐出口から前記液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、各前記圧力室の周囲に、前記圧力室と同じ方向に延びる複数の凹部が設けられ、前記圧力室の少なくとも一部が圧電部材で構成された液体吐出ヘッドにおいて、
    一方の面に第1の凹部と第4の凹部とが交互に複数設けられた第1の基板と、第2の凹部と第3の凹部がそれぞれ複数設けられた第2の基板とが交互に積層された積層体を有し、
    前記第2の凹部は、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記一方の面と接しない面に設けられ、積層方向から見て前記第2の凹部と前記第4の凹部とが重なっており、
    前記圧力室が、前記第4の凹部と前記第2の基板の、前記第1の基板の前記一方の面と接する面とで形成されており、
    前記第1の凹部または前記第2の凹部と、前記第3の凹部が連通しており、
    前記第3の凹部は、前記第2の基板の両面に互いに対向して、または、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記一方の面と接する面に設けられていることを特徴とする、液体吐出ヘッド。
  2. 前記第2の凹部と前記第3の凹部とが、積層方向から見て交互に設けられている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第3の凹部は、前記第2の凹部と同じ面に、かつ前記第2の凹部を挟んで位置している、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記第1の基板および前記第2の基板は圧電部材からなる、請求項1からのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
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