JP2003210993A - 遷移金属錯体を固定化した酸化触媒及びこれを用いた炭化水素類の酸化方法 - Google Patents

遷移金属錯体を固定化した酸化触媒及びこれを用いた炭化水素類の酸化方法

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JP2003210993A
JP2003210993A JP2002011574A JP2002011574A JP2003210993A JP 2003210993 A JP2003210993 A JP 2003210993A JP 2002011574 A JP2002011574 A JP 2002011574A JP 2002011574 A JP2002011574 A JP 2002011574A JP 2003210993 A JP2003210993 A JP 2003210993A
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oxidation catalyst
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JP2002011574A
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Hideki Omori
秀樹 大森
Satoshi Tsunoda
聡 角田
Hiroko Ahara
弘子 阿原
Kazuhiko Haba
一彦 羽場
Tomizo Nakamura
富蔵 中村
Hiroshi Shoji
宏 庄司
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 窒素化合物を水酸基含有担体に化学結合
した窒素化合物担持担体上に、該窒素化合物と遷移金属
との錯体形成により該遷移金属を固定化してなる酸化触
媒。炭化水素類を、上記触媒の存在下、分子状酸素によ
り酸化することを特徴とする炭化水素類の酸化方法。 【効果】 本発明の酸化触媒は使用後の分離が容易であ
り、再使用が可能である。この酸化触媒を用いることに
より、温和な条件下で様々な炭化水素類を分子状酸素に
より酸化することができ、エポキシド類、アルコール
類、ケトン類、またはカルボン酸類を効率的かつ経済的
に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素類を分子
状酸素により効率よく酸化するために有用な酸化触媒、
及び、これを用いて炭化水素類を分子状酸素により酸化
する酸化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、遷移金属錯体触媒を用いた炭化水
素類の酸化方法は公知であり、エポキシド類、アルコー
ル類、ケトン類等の製造方法が報告されている。例え
ば、触媒にメチルトリオキソレニウムを用い酸化剤とし
て過酸化水素を使用する不飽和炭化水素類のエポキシ化
反応(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1991, 30, 1638、
J. Organometallic Chem. 1996, 520, 139)では、穏
和な条件でエポキシドが高収率で得られ、低級炭化水素
類の場合には対応するジオール類が得られる。しかしな
がら、酸素源に高価な過酸化水素を用いるだけでなく、
触媒自体も高価であり、また触媒の回収が困難であるこ
とから実用的とは言い難かった。
【0003】酸素源に安価な分子状酸素を用いる方法も
多数検討されており、例えば、特開平9−87216号
公報では、5,10,15,20−テトラキス(ハロフ
ェニル)ポルフィリン類を配位子とする遷移金属錯体触
媒を用い、酸化剤に安価な酸素を用いて、飽和炭化水素
類からアルコール及びケトンを製造する方法が提示され
いる。また、特開平11−26373号公報では、2,
2−ビス[N,N'−(8−キノリル)カルバモイル]
−1,3−ジ(4−メチルフェニル)プロパン等を配位
子とするコバルト錯体を用い、酸素酸化により飽和炭化
水素類からアルコール及びケトンを製造する方法が提示
されている。しかしながら、これらの方法は飽和炭化水
素類をアルデヒドの存在下に酸素酸化するため、アルデ
ヒドから多量のカルボン酸が副生し、触媒寿命が短いと
いう問題があった。また、触媒を溶液状で使用するた
め、その回収・再使用等は困難であった。
【0004】特開2000−212106公報では、環
状飽和炭化水素類に対して、難溶性のフタロシアニン錯
体を用い、ホウ素化合物の共存下、分子状酸素により酸
化して環状アルコール及びケトンを製造する方法が開示
されている。この方法によれば、難溶性の触媒成分を反
応液から分離除去することが可能であるが、ホウ素化合
物を使用するため水洗・加水分解等の後処理を必要と
し、また、原料が環状飽和炭化水素類に限定されてい
た。
【0005】特表2000−500151公報では、
N,N'−ビス(2−ピリジルメチル)−1,2−エタ
ンジアミン等の多座配位窒素化合物を配位子とするマン
ガン錯体または鉄錯体を触媒とし、飽和炭化水素類、ア
ルコール、芳香族化合物等の多様な化合物を過酸化水素
または有機ヒドロペルオキシドにより酸化する方法が提
示されている。該公報では、触媒を溶液状または固定化
して用いると記載されているが、固定化の具体的な手法
及び固定化した場合の触媒活性に関するデータは提示さ
れておらず、また、酸素源に高価な過酸化水素または有
機ヒドロペルオキシドを使用するので、製造コストの面
で問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、安価な分子状酸素を酸化剤とし、様々な炭化水素類
を効率良く酸化でき、かつ、調製及び取り扱いが容易で
リサイクル可能な酸化触媒、及びこれを用いた酸化方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、窒素化合物を担体に
化学結合を介して担持した後、遷移金属との錯体を形成
させた酸化触媒が、炭化水素類の酸化反応において高い
活性を示し、しかも触媒の分離、再使用も容易であるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0008】即ち、本発明は、窒素化合物を水酸基含有
担体に化学結合した窒素化合物担持担体上に、該窒素化
合物と遷移金属との錯体形成により該遷移金属を固定化
してなる酸化触媒を提供するものである。
【0009】また、本発明は、炭化水素類を上記触媒の
存在下、分子状酸素により酸化することを特徴とする炭
化水素類の酸化方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】担体に担持する窒素化合物として
は芳香族性の環式化合物が好ましく、具体的には、ピリ
ジン、ビピリジル等のピリジン類、ピノール、イミダゾ
ールのようなNH基を持つ複素環式化合物、キノリン、
インドールのような縮合環化合物、アミノ基を有する芳
香族化合物等が挙げられ、なかでも、ピリジン類が好ま
しい。これらの化合物は、アルキル基、アリール基、ア
ミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシル基、ハロゲン
等の置換基を有していてもよく、置換基の置換部位及び
個数には特に制限はない。
【0011】ピリジン類としては、特に、2,2'−ビ
ピリジル、4,4'−ジメチル−2,2'−ビピリジル、
5,5'−ジメチル−2,2'−ビピリジル、6,6'−
ジメチル−2,2'−ビピリジル、及び、2,2'−ジピ
リジルアミン等、ピリジル基または置換基を有するピリ
ジル基を2つ以上持つ化合物が好ましい。
【0012】窒素化合物を担持する水酸基含有担体とし
ては、シリカゲル、複合酸化物、層状化合物、またはモ
レキュラーシーブス等が挙げられる。複合酸化物として
はシリカアルミナが、層状化合物としてはモンモリロナ
イトが、また、モレキュラーシーブスとしてはシリコア
ルミノリン酸塩(SAPO)が好適に用いられる。
【0013】窒素化合物をこれらの担体に化学結合によ
り担持する方法としては、担体の表面水酸基と反応する
官能基を持つ結合試薬を用い、化学反応により担持する
方法が適用できる。即ち、窒素化合物を脱プロトン化
し、次いで下記一般式(1)で表されるアルコキシシラ
ン類と反応させ、アルコキシシリル修飾された窒素化合
物(以下、「シリル修飾窒素化合物」と記す。)を得
る。この反応により得られたシリル修飾窒素化合物が、
担体に含まれるの水酸基と脱アルコール反応をおこし、
この結合によって窒素化合物を担体に担持することがで
きる。
【0014】 X(CH2nSiR1 m(OR23-m …(1)
【0015】(式中、Xはハロゲンであり、nは0〜3
であり、mは0〜2であり、R1は炭素数1〜3のアル
キル基であり、R2は炭素数1〜3のアルキル基であ
り、R1とR2は同じであっても異なっていても良い。)
【0016】Xで示されるハロゲン原子としては、塩素
原子、臭素原子等が挙げられるが、塩素原子が好まし
い。R1とR2で示される炭素数1〜3のアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基が挙げられる。アルコキシシラン類の例として
は、クロロジメチルメトキシシラン、クロロメチルジメ
チルイソプロポキシシラン、クロロメチルトリエトキシ
シラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、クロロプ
ロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0017】アルコキシシリル修飾の一連の反応は、溶
媒の存在下に行うことができる。溶媒としては、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン、イソオクタン等の飽和炭化水
素類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル系溶媒のいずれかを単独、もし
くは混合溶媒として用いることができる。これらのなか
でも、テトラヒドロフランが窒素化合物の溶解性に富
み、また、脱プロトン化試薬に対して安定であるので好
適である。
【0018】窒素化合物の脱プロトン化試薬としては、
メチルリチウム、ノルマルブチルリチウム、または、ジ
イソプロピルアミンとノルマルブチルリチウムから調製
したリチウムジイソプロピルアミド等の有機金属化合
物、水素化ナトリウム等の金属水素化物を挙げることが
できる。
【0019】窒素化合物の脱プロトン化反応は、通常−
78℃〜室温、好ましくは−78〜0℃の温度範囲で行
われる。続いて脱プロトン化した窒素化合物とアルコキ
シシラン類を反応させるが、この反応の温度には特に制
限はなく、−78℃から用いた溶媒の沸点までが可能で
ある。
【0020】担体は、シリル修飾窒素化合物との脱アル
コール反応に供する前に、十分乾燥させておく必要があ
り、温度150〜250℃、好ましくは180〜200
℃で、圧力10-3Torr以下の減圧下で、2〜10時
間、好ましくは4〜6時間乾燥させることが好ましい。
担体とシリル修飾窒素化合物との反応は、一般に、温度
50〜250℃、好ましくは100〜200℃で、2〜
24時間、好ましくは4〜12時間行われる。
【0021】担体とシリル修飾窒素化合物との反応に用
いる溶媒としては、ベンゼン、トルエンような芳香族炭
化水素類;n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、イソオクタンのような飽和炭化水素類;テ
トラヒドロフラン、ジメトキシエタンのようなエーテル
類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォ
キシドのような非プロトン性極性溶媒のいずれかを単
独、もしくは混合溶媒として用いることが可能であり、
なかでもトルエンが好ましい。トルエンを用いる場合、
乾燥させた担体とシリル修飾窒素化合物をトルエン還流
条件下2〜24時間、好ましくは4〜12時間還流させ
た後、生成したアルコールを蒸留により除くことで担持
することができる。
【0022】担体に担持した窒素化合物との錯体形成に
より固定化する遷移金属としては、周期表6族元素、7
族元素、8族元素、9族元素及び10族元素から選択さ
れた元素が好ましく、例えば、クロム、モリブデン、マ
ンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケ
ル、銅等が挙げられ、中でも、モリブデン、マンガン、
ルテニウム、コバルトが好ましい。
【0023】錯体は、上記遷移金属の化合物を適当な溶
媒に溶解し、その溶液中に窒素化合物を担持した担体を
含浸することにより、容易に得られる。錯体形成の温度
は0〜200℃、好ましくは室温〜150℃の範囲であ
る。
【0024】錯体形成に用いる遷移金属化合物として
は、塩化物、臭化物、沃化物等のハロゲン化物;硫酸
塩、硝酸塩、リン酸塩、等の無機酸塩;酢酸塩、フタル
酸塩、アセチルアセトナート等の有機酸塩;ジクロロジ
オキソモリブデンビスアセトニトリル錯体、ジクロロジ
オキソモリブデンビステトラヒドロフラン錯体等の配位
性溶媒を配位子に有する錯体等を挙げることができる。
これらの化合物のなかでも、塩化物は安価に入手可能で
取り扱いが容易であり、溶媒に対する溶解性も高いので
好適である。また、ジクロロジオキソモリブデンビスア
セトニトリル錯体等の配位性溶媒を配位子に有する錯体
は、有機系の溶媒に溶けやすく、担持された窒素化合物
との親和性も高く、好ましい。
【0025】溶媒は、用いる金属化合物により適宜選択
され、水、またはアルコール、エーテル、脂肪族炭化水
素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等の有
機溶媒のいずれかを単独、もしくは混合溶媒として用い
ることが出来る。
【0026】このようにして得られた錯体は、炭化水素
類の酸化反応に対して遷移金属に由来する高い活性を示
し、炭化水素類の酸化反応用触媒として特に有用であ
る。また、窒素化合物の窒素原子が遷移金属に配位する
ことにより、遷移金属が担体上に強固に担持されてお
り、この結合は通常の取り扱いにおいても十分安定なも
のである。
【0027】酸化反応の原料として使用される炭化水素
類としては、炭素数2〜20、特に炭素数4〜15の飽
和炭化水素類または不飽和炭化水素類が好ましい。これ
らの飽和または不飽和炭化水素類は、直鎖、分岐状、ま
たは環状の何れであってもよく、反応部位以外に芳香族
部を有していてもよい。具体的には、飽和炭化水素類と
しては、例えばn−ブタン、イソブタン、n−ペンタ
ン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカン、デカ
リン、ノルボルナン、アダマンタン等が挙げられ、不飽
和炭化水素類としては、例えば1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、ノルボルネン等が挙げられる。また、
反応部位以外に芳香族部を有する化合物としては、イン
ダン、テトラヒドロナフタレン、フルオレン等が挙げら
れる。
【0028】炭化水素類に対する本発明の酸化触媒の使
用量は特に限定されないが、触媒として有効な量であっ
てなるべく少量使用する方がよく、一般に、原料炭化水
素類1モルに対する酸化触媒中の遷移金属のモル比で1
×10-8〜1×10-2、特に1×10-7〜1×10-3
範囲が好ましい。
【0029】本発明において、炭化水素類との反応に用
いる酸化剤としては分子状酸素、有機ヒドロペルオキシ
ド、または過酸化水素を用いることができる。これらの
酸化剤のなかでも、分子状酸素が安価な酸化剤として好
適である。分子状酸素としては、高純度の酸素ガスや空
気のほか、これらを窒素、ヘリウム、アルゴン、メタン
等で希釈した混合ガス等が挙げられる。
【0030】また、分子状酸素を酸化剤として用い、か
つ、反応促進剤として有機ヒドロペルオキシド、過酸化
水素等の過酸化物を触媒量添加することも効果的であ
る。好適な有機ヒドロペルオキシドとしては、エチルベ
ンジルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペ
ルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド等が
挙げられる。過酸化物を反応促進剤として用いる場合、
その使用量は特に限定されないが、反応促進剤として有
効な量であってなるべく少量使用する方がよく、一般
に、原料炭化水素類に対してモル比で0.0001〜
0.01、特に0.0005〜0.005の範囲が好ま
しい。過酸化物は、反応系に原料と同時に添加すること
もできるが、原料投入前に過酸化物を投入し、触媒を活
性化した後に原料を投入することもできる。
【0031】本発明の固体触媒を用いた酸化反応は、無
溶媒で行うこともできるが、例えば、n−ヘキサン、オ
クタン、デカン等の飽和炭化水素類;ジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル等のエーテル類;tert−ブチ
ルアルコール等のアルコール類;ベンゼン等の芳香族炭
化水素類等を溶媒として使用することもできる。
【0032】反応の条件は原料炭化水素類により適宜条
件設定されるが、一般に、温度0〜250℃、好ましく
は室温〜180℃、酸素圧力 常圧〜3MPa、好まし
くは常圧〜2.5MPaの範囲で、効果的に本発明の酸
化反応を行うことができる。
【0033】本発明の酸化触媒は固体状であるため、反
応終了後、目的生成物を含む液相から容易に触媒を分離
・回収することができ、また、液相からは目的生成物を
分離・精製することができる。回収された触媒、溶媒及
び未反応の原料炭化水素類は、循環して、再び使用する
ことができる。
【0034】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例においてTHFはテトラヒドロフランを、
TBHPはtert−ブチルヒドロペルオキシドを意味
する。また、触媒中の遷移金属担持量(wt%)は湿式
分解/ICP発光分析法により、転化率及び選択率(特
に断りのない限りモル基準とする)はガスクロマトグラ
フ法により分析した結果から算出した。
【0035】参考例A1(担体(A)の調製) 2,2'−ビピリジル3.13g(20.1mmol)
とTHF100mlの混合物を氷浴にて冷却しながらn
−ブチルリチウムのヘキサン溶液13.0ml(20.
8mmol)を加え、室温まで昇温して30分間撹拌し
た後、クロロプロピルトリエトキシシラン4.8ml
(19.9mmol)を加えた。室温で30分間撹拌し
た後、60時間還流した。放冷後、トルエン100ml
に、得られた混合物とシリカゲル100(比表面積(B
ET法)270〜370m2/g、孔体積0.9〜1.
2ml/g、粒子径0.063〜0.2mm)18.7
gを加え、12時間還流した後、蒸留操作により生成し
たエタノールを除去した。放冷後、ろ過により固形分を
回収し、トルエン、メタノール、水、メタノール、ジエ
チルエーテルの順で固形分を洗浄した後、乾燥すること
により担体(A)を得た。
【0036】参考例A2(担体(B)の調製) ジイソプロピルアミン1.75ml(12.5mmo
l)とTHF16mlの混合物を−78℃に冷却し、n
−ブチルリチウムのヘキサン溶液6.9ml(11.0
mmol)を加え、30分間撹拌した後、0℃で30分
間撹拌した。その混合物を再び−78℃に冷却し、4,
4'−ジメチル−2,2'−ビピリジル0.93g(5.
0mmol)のTHF溶液24.0mlをゆっくり滴下
し、すべて滴下してから30分間撹拌した後、0℃で3
0分間撹拌した。得られた混合物を再び−78℃に冷却
し、クロロジメチルメトキシシラン1.73g(13.
9mmol)を加え、30分間撹拌した後、メタノール
2.0mlを加え室温まで昇温した。溶媒を減圧留去し
得られた残渣から生成物をトルエンで抽出し、セライト
を敷き詰めたグラスフィルターでろ過し、ろ液を全液量
20mlになるまで濃縮した。トルエン60mlに、濃
縮したろ液と参考例A1と同じシリカゲル20.2gを
加え、参考例A1と同様に処理し、担体(B)を得た。
【0037】参考例A3(担体(C)の調製) 2,2'−ジピリジルアミン1.72g(10.1mm
ol)とTHF50mlの混合物に水素化ナトリウム
(60%ディスパージョン)0.40g(10.0mm
ol)を加え室温下で30分間撹拌した後、クロロプロ
ピルトリエトキシシラン2.4ml(10.0mmo
l)を加え96時間還流した。放冷後、溶媒を減圧留去
し得られた残渣から生成物をトルエンで抽出し、セライ
トを敷き詰めたグラスフィルターでろ過し、ろ液を全液
量が20mlになるまで濃縮した。トルエン100ml
に、濃縮したろ液と参考例1と同じシリカゲル48.6
gを加え、参考例A1と同様に処理し、担体(C)を得
た。
【0038】参考例A4(担体(D)の調製) 塩酸処理したモンモリロナイト(クニピアF)3.11
gをN,N−ジメチルホルムアミドに分散させ、室温に
て2時間撹拌した後、参考例A1と同様に調製したシリ
ル修飾ビピリジル1.65g(4.6mmol)を加え
て14時間還流した。ろ過により固形分を回収し、トル
エン、メタノール、水、メタノール、ジエチルエーテル
の順で固形分を洗浄した後、乾燥することにより担体
(D)を得た。
【0039】参考例A5(担体(E)の調製) SAPO−11(SiO2:5wt%、細孔径3.4×
6.8Å)10.00gをトルエン50mlに分散さ
せ、参考例A2と同様に調製したシリル修飾ビピリジル
(0.2mol/lトルエン溶液)10ml(2.0m
mol)を加え12時間還流した後、蒸留操作により生
成したメタノールを除去した。放冷後、遠心分離機によ
り固形分を回収し、トルエン、メタノール、水、メタノ
ール、ジエチルエーテルの順で固形分を洗浄した後、乾
燥することにより担体(E)を得た。
【0040】製造例1(触媒(I)の調製) ジクロロジオキソモリブデンビスアセトニトリル錯体
0.15g(0.54mmol)をTHF20mlに溶
解し、担体(A)2.02gを加え、室温で3時間撹拌
した。ろ過により固形分を回収し、THFで洗浄した
後、乾燥し、触媒(I)を得た。得られた触媒中のモリ
ブデン担持量は1.02wt%であった。
【0041】製造例2(触媒(II)の調製) 塩化ルテニウム水和物0.11g(0.42mmol)
をエタノール20mlに溶解し、30分間還流した後、
担体(B)2.80gを加え、3時間還流した。放冷
後、ろ過により固形分を回収し、エタノールで洗浄した
後、乾燥し、触媒(II)を得た。得られた触媒中のルテ
ニウム担持量は0.4wt%であった。
【0042】製造例3(触媒(III)の調製) 塩化ルテニウム水和物0.05g(0.19mmol)
をエタノール20mlに溶解し、30分間還流した後、
担体(C)2.02gを加え、3時間還流した。放冷
後、ろ過により固形分を回収し、エタノールで洗浄した
後、乾燥し、触媒(III)を得た。得られた触媒中のル
テニウム担持量は0.2wt%であった。
【0043】製造例4(触媒(IV)の調製) 塩化ルテニウム水和物1.49g(5.69mmol)
を2−メトキシエタノール100mlに溶解し、30分
間還流した後、担体(D)0.90gを加え、2時間還
流した。放冷後、ろ過により固形分を回収し、エタノー
ルで洗浄した後、乾燥し、触媒(IV)を得た。得られた
触媒中のルテニウム担持量は2.0wt%であった。
【0044】製造例5(触媒(V)の調製) 塩化マンガン0.80g(6.31mmol)を2−メ
トキシエタノール100mlに溶解し、30分間還流し
た後、担体(D)0.94gを加え、2時間還流した。
放冷後、ろ過により固形分を回収し、エタノールで洗浄
した後、乾燥し、触媒(V)を得た。得られた触媒中の
マンガン担持量は1.38wt%であった。
【0045】製造例6(触媒(VI)の調製) 塩化ルテニウム水和物0.04g(0.15mmol)
をエタノール50mlに溶解し、30分間還流した後、
担体(E)1.50gを加え、2時間還流した。放冷
後、ろ過により固形分を回収し、エタノールで洗浄した
後、乾燥し、触媒(VI)を得た。得られた触媒中のルテ
ニウム担持量は0.02wt%であった。
【0046】製造例7(触媒(VII)の調製) 塩化コバルト6水和物0.02g(0.15mmol)
をエタノール50mlに溶解し、30分間還流した後、
担体(E)1.50gを加え、2時間還流した。放冷
後、ろ過により固形分を回収し、エタノールで洗浄した
後、乾燥し、触媒(VII)を得た。得られた触媒中のコ
バルト担持量は0.009wt%であった。
【0047】製造例8(触媒(VIII)の調製) ジクロロジオキソモリブデンビスアセトニトリル錯体
0.15g(0.54mmol)をTHF20mlに溶
解し、担体(B)2.00gを加え、室温で3時間撹拌
した。ろ過により固形分を回収し、THFで洗浄した
後、乾燥し、触媒(VIII)を得た。得られた触媒中のモ
リブデン担持量は0.36wt%であった。
【0048】実施例1 触媒(I)0.01gとシクロペンテン4.00g(5
7.0mmol)、TBHP(デカン溶液)0.01g
(0.07mmol)の混合物を酸素加圧下(0.5M
Pa)、100℃にて4時間撹拌した。シクロペンテン
の転化率は19%であった。得られた酸化物の選択率
は、シクロペンテンオキシド68%、シクロペンテン−
3−オール32%、シクロペンテン−3−オン5%であ
り、酸化物の総選択率は105%であった。また、仕込
んだTBHPに対する酸化物の総収率は、16236%
であった。
【0049】実施例2 実施例1で使用した反応液を減圧留去し、触媒を回収し
て使用した以外は実施例1と同様に反応を行った。シク
ロペンテンの転化率は36%であり、得られた酸化物の
選択率は、シクロペンテンオキシド42%、シクロペン
テン−3−オール28%、シクロペンテン−3−オン6
%であり、酸化物の総選択率は76%であった。また、
仕込んだTBHPに対する酸化物の総収率は、2235
7%であった。
【0050】実施例3 実施例2で使用した反応液を減圧留去し、触媒を回収し
て使用した以外は実施例1と同様に反応を行った。シク
ロペンテンの転化率は29%であり、得られた酸化物の
選択率は、シクロペンテンオキシド45%、シクロペン
テン−3−オール31%、シクロペンテン−3−オン6
%であり、酸化物の総選択率は82%であった。また、
仕込んだTBHPに対する酸化物の総収率は、1934
5%であった。実施例1〜3の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】以上の結果から、本発明の酸化触媒が繰り
返し利用可能であり、回収触媒においても高い活性が維
持されることがわかる。また、酸化物は添加したTBH
Pに対して16000〜22000%の収率で得られて
おり、これは、分子状酸素によって効率的な酸化が行わ
れていることを示すものである。
【0053】実施例4 触媒(I)0.01gと1−ヘキセン4.00g(4
7.5mmol)、TBHP(デカン溶液)0.01g
(0.07mmol)の混合物を酸素加圧下(0.5M
Pa)、100℃にて4時間撹拌した。1−ヘキセンの
転化率は14%であった。また、得られた酸化物の選択
率は、1,2−エポキシヘキサン44%、1−ヘキセン
−3−オール3%、1−ヘキセン−3−オン3%であ
り、酸化物の総選択率は50%であった。また、仕込ん
だTBHPに対する酸化物の総収率は、4757%であ
った。
【0054】実施例5 実施例4で使用した反応液を減圧留去し、触媒を回収し
て使用した以外は実施例4と同様に反応を行った。1−
ヘキセンの転化率は13%であり、得られた酸化物の選
択率は、1,2−エポキシヘキサン43%、1−ヘキセ
ン−3−オール3%、1−ヘキセン−3−オン4%であ
り、酸化物の総選択率は50%であった。また、仕込ん
だTBHPに対する酸化物の総収率は、4364%であ
った。
【0055】実施例6 実施例5で使用した反応液を減圧留去し、触媒を回収し
て使用した以外は実施例4と同様に反応を行った。1−
ヘキセンの転化率は15%であり、得られた酸化物の選
択率は、1,2−エポキシヘキサン37%、1−ヘキセ
ン−3−オール2%、1−ヘキセン−3−オン3%であ
り、酸化物の総選択率は42%であった。また、仕込ん
だTBHPに対する酸化物の総収率は、4359%であ
った。実施例4〜6の結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】実施例7 触媒(II)0.02gとシクロヘキセン6.00g(7
3.0mmol)、TBHP(デカン溶液)0.01g
(0.07mmol)の混合物を常圧の酸素雰囲気下、
室温にて3時間撹拌した。シクロヘキセンの転化率は
0.3%であり、得られた酸化物の選択率は、シクロヘ
キセンオキシド29%、1−シクロヘキセン−3−オー
ル32%、1−シクロヘキセン−3−オン24%であり
酸化物の総選択率は85%であった。また、仕込んだT
BHPに対する酸化物の総収率は、267%であった。
【0058】実施例8 実施例7で使用した触媒をろ過により回収して使用した
以外は実施例7と同様に反応を行った。シクロヘキセン
の転化率は0.3%であり、得られた酸化物の選択率
は、シクロヘキセンオキシド28%、1−シクロヘキセ
ン−3−オール30%、1−シクロヘキセン−3−オン
20%であり酸化物の総選択率は78%であった。ま
た、仕込んだTBHPに対する酸化物の総収率は、24
3%であった。
【0059】実施例9 実施例8で使用した触媒をろ過により回収して使用した
以外は実施例7と同様に反応を行った。シクロヘキセン
の転化率は0.3%であり、得られた酸化物の選択率
は、シクロヘキセンオキシド30%、1−シクロヘキセ
ン−3−オール32%、1−シクロヘキセン−3−オン
20%であり酸化物の総選択率は82%であった。ま
た、仕込んだTBHPに対する酸化物の総収率は、25
7%であった。
【0060】実施例10 触媒(III)0.02gとシクロヘキセン6.00g
(73.0mmol)、TBHP(デカン溶液)0.0
1g(0.07mmol)の混合物を常圧の酸素雰囲気
下、室温にて3時間撹拌した。シクロヘキセンの転化率
は0.5%であり、得られた酸化物の選択率は、シクロ
ヘキセンオキシド10%、1−シクロヘキセン−3−オ
ール34%、1−シクロヘキセン−3−オン36%であ
り酸化物の総選択率は80%であった。また、仕込んだ
TBHPに対する酸化物の総収率は、419%であっ
た。
【0061】実施例11 実施例10で使用した触媒をろ過により回収して使用し
た以外は実施例10と同様に反応を行った。シクロヘキ
センの転化率は0.5%であり、得られた酸化物の選択
率は、シクロヘキセンオキシド11%、1−シクロヘキ
セン−3−オール32%、1−シクロヘキセン−3−オ
ン34%であり酸化物の総選択率は77%であった。ま
た、仕込んだTBHPに対する酸化物の総収率は、40
0%であった。
【0062】実施例12 実施例11で使用した触媒をろ過により回収して使用し
た以外は実施例10と同様に反応を行った。シクロヘキ
センの転化率は0.4%であり、得られた酸化物の選択
率は、シクロヘキセンオキシド13%、1−シクロヘキ
セン−3−オール28%、1−シクロヘキセン−3−オ
ン31%であり酸化物の総選択率は72%であった。ま
た、仕込んだTBHPに対する酸化物の総収率は、30
3%であった。実施例7〜12の結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】実施例7〜12の結果は、本発明の固体触
媒が常温常圧の温和な条件下においても酸化活性を示す
こと、及び繰り返しの使用によっても活性が低下しない
ことを示すものである。また、生成する酸化物の選択性
は触媒調製に用いる窒素化合物により異なっており、特
定の窒素化合物を用いて目的とする化合物の選択性を調
整することが可能であることが示唆された。
【0065】実施例13 触媒(IV)0.01gとシクロヘキサン2.00g(2
4.3mmol)の混合物を酸素加圧下(1.8MP
a)、150℃にて3時間撹拌した。シクロヘキサンの
転化率は2.4%であり、得られた酸化物の選択率は、
アジピン酸69%、コハク酸33%、ギ酸14%であっ
た。また、微量のシクロヘキサノン、シクロヘキサノー
ルの生成が確認された。
【0066】実施例14 触媒(V)を用い、実施例13と同じ条件で反応を行っ
た。シクロヘキサンの転化率は1.5%であり、得られ
た酸化物の選択率は、アジピン酸79%、コハク酸33
%、ギ酸9%、シクロヘキサノン2%であった。実施例
13、14の結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】実施例15 触媒(IV)0.01g、シクロドデカン3.14g(1
8.7mmol)、ベンゼン5.00gの混合物を酸素
加圧下(1.8MPa)、150℃にて24時間撹拌し
た。シクロドデカンの転化率は82%であり、生成した
酸化物の選択率は、1,12−ドデカ二酸63%、シク
ロドデカノン11%、シクロドデカノール0.7%であ
った。
【0069】実施例16 触媒(I)0.1g、n−ブタン4.5g(77mmo
l)、ベンゼン4.5gの混合物を空気加圧下(5.4
MPa)、125℃にて15時間撹拌した。n−ブタン
の転化率は1.3%であり、得られた酸化物の選択率は
2−ブタノン37%であった。
【0070】実施例17 触媒(I)0.05g、シクロペンタン10.00g
(142.6mmol)の混合物を空気加圧下(2.0
MPa)、130℃にて3時間撹拌した。シクロペンタ
ンの転化率は1.8%であり、得られた酸化物の選択率
はシクロペンタノン40%、シクロペンタノール28
%、シクロペンチルヒドロペルオキシド1%、グルタル
酸23%、総選択率92%であった。
【0071】実施例18 触媒(VI)0.01g、シクロペンタン2.00g(2
8.5mmol)の混合物を空気加圧下(2.0MP
a)、120℃にて3時間撹拌した。シクロペンタンの
転化率は2.9%であり、得られた酸化物の選択率はシ
クロペンタノン35%、シクロペンタノール21%、シ
クロペンチルヒドロペルオキシド0.3%、グルタル酸
34%、総選択率90%であった。
【0072】実施例19 触媒(VII)0.01g、シクロペンタン2.00g
(28.5mmol)の混合物を空気加圧下(2.0M
Pa)、120℃にて3時間撹拌した。シクロペンタン
の転化率は4.1%であり、得られた酸化物の選択率は
シクロペンタノン31%、シクロペンタノール15%、
シクロペンチルヒドロペルオキシド0.2%、グルタル
酸46%、総選択率92%であった。実施例17〜19
の結果を表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】実施例20 触媒(I)0.01g、シクロヘキサン10.00g
(118.8mmol)の混合物を空気加圧下(2.0
MPa)、130℃にて6時間撹拌した。シクロヘキサ
ンの転化率は4.8%であり、得られた酸化物の選択率
はシクロヘキサノン58%、シクロヘキサノール31
%、シクロヘキシルヒドロペルオキシド0.5%、総選
択率89%であった。
【0075】実施例21 触媒(VIII)を用い、実施例20と同じ条件で反応を行
った。シクロヘキサンの転化率は1.8%であり、得ら
れた酸化物の選択率はシクロヘキサノン33%、シクロ
ヘキサノール19%、シクロヘキシルヒドロペルオキシ
ド42%、総選択率94%であった。実施例20、21
の結果を表6に示す。
【0076】
【表6】
【0077】実施例22 内容量500mlのオートクレーブに触媒(I)0.5
0gを仕込み、原料組成1−ヘキセン/TBHP=69
4/1(mol/mol)、原料供給速度32.5g/
h、酸素供給速度0.1l/minにて1−ヘキセンの
エポキシ化反応を行った。反応温度106℃、酸素圧力
2.0MPa、滞留時間2時間で反応を行い、定期的に
反応液をサンプリングして生成物組成を分析した。結果
を表7に示す。
【0078】
【表7】
【0079】表7に示したとおり、触媒(I)を用いた
1−ヘキセンのエポキシ化反応は、通液量24000
(1−ヘキセン供給量[g]/触媒充填量[g])にお
いても触媒活性が劣化することなく、反応促進剤である
TBHPに対して7000%程度の目的物質(1,2−
エポキシヘキサン)が安定して得られた。この結果は、
本発明の酸化触媒が、分子状酸素によるエポキシ化反応
において長期にわたり安定して使用可能であることを示
すものである。
【0080】
【発明の効果】本発明の酸化触媒は、使用後の分離が容
易であり、再使用が可能である。この酸化触媒を用いる
ことにより、温和な条件下で様々な炭化水素類を分子状
酸素により酸化することができ、エポキシド類、アルコ
ール類、ケトン類、またはカルボン酸類を効率的かつ経
済的に製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 35/08 C07C 35/08 35/18 35/18 45/33 45/33 49/04 49/04 A 49/203 49/203 A 49/395 49/395 49/597 49/597 49/603 49/603 51/31 51/31 55/10 55/10 55/12 55/12 55/14 55/14 55/21 55/21 C07D 301/22 C07D 301/22 303/04 303/04 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 羽場 一彦 千葉県市原市五井東1−22−2 (72)発明者 中村 富蔵 千葉県市原市国分寺台中央1−11−15 (72)発明者 庄司 宏 千葉県市原市島野551−10 Fターム(参考) 4C048 AA04 BB01 CC01 4G069 AA03 AA08 AA12 BA02A BA02B BA07A BA07B BA10B BA27A BA27B BB06A BC59B BC62B BC67B BC70B BE13A BE13B CB07 CB70 CB72 CB73 CB74 DA08 4H006 AA02 AC41 AC44 AC46 BA14 BA16 BA20 BA23 BA46 BA55 BA81 BC10 BC11 BC13 BE30 BJ20 BS10 BS20 FC22 FC74 FE12 4H039 CA60 CA62 CA65 CC30 CC40

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素化合物を水酸基含有担体に化学結合
    した窒素化合物担持担体上に、該窒素化合物と遷移金属
    との錯体形成により該遷移金属を固定化してなる酸化触
    媒。
  2. 【請求項2】 窒素化合物と水酸基含有担体との化学結
    合が、該窒素化合物を脱プロトン化し、次いで下記一般
    式(1): X(CH2nSiR1 m(OR23-m …(1) (式中、Xはハロゲンであり、nは0〜3であり、mは
    0〜2であり、R1は炭素数1〜3のアルキル基であ
    り、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、R1とR2
    は同じであっても異なっていても良い。)で表されるア
    ルコキシシラン類と反応させてアルコキシシリル修飾さ
    れた窒素化合物を得、得られたアルコキシシリル修飾窒
    素化合物を担体に含まれるシラノールの水酸基と脱アル
    コール反応させることからなる、請求項1記載の酸化触
    媒。
  3. 【請求項3】 遷移金属が、周期表6族元素、7族元
    素、8族元素、9族元素及び10族元素から選択された
    元素である請求項1又は2記載の酸化触媒。
  4. 【請求項4】 遷移金属が、Mo、Ru、Mn及びCo
    からなる群から選択された元素である請求項3記載の酸
    化触媒。
  5. 【請求項5】 窒素化合物が、ピリジン類である請求項
    1ないし4のいずれか1項記載の酸化触媒。
  6. 【請求項6】 担体がシリカゲル、複合酸化物、層状化
    合物、またはモレキュラーシーブスである請求項1ない
    し5のいずれか1項記載の酸化触媒。
  7. 【請求項7】 炭化水素類を、請求項1ないし6のいず
    れか1項記載の酸化触媒の存在下に分子状酸素により酸
    化する方法。
  8. 【請求項8】 炭化水素類を、請求項1ないし6のいず
    れか1項記載の酸化触媒の存在下に分子状酸素により酸
    化し、対応するエポキシド類、アルコール類、ケトン
    類、またはカルボン酸類を製造する方法。
  9. 【請求項9】 炭化水素類を、請求項1ないし6のいず
    れか1項記載の酸化触媒の存在下、反応促進剤として触
    媒量の過酸化物を存在させて分子状酸素により酸化する
    ことを特徴とする、エポキシド類、アルコール類、ケト
    ン類、またはカルボン酸類の製造方法。
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