JP2003210146A - おから茶 - Google Patents
おから茶Info
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Abstract
防、動脈硬化リスクの軽減、或いは腫瘍の増殖の抑制に
寄与し、香ばしく飲みやすいおから茶とその飲料を提供
する。 【解決手段】 焙煎した大豆杯軸とおからとの組
合せからなる茶と、この茶のエキスを少なくとも含む飲
料水を提供する。
Description
エキスを少なくとも含む飲料に関する。
ら豆乳を絞り取る際の副産物として取り出されるもので
あり、大半が廃棄物として処理される。しかし、その成
分は豆乳を凌ぐほど豊かな栄養素を種々含んでいるの
で、廃棄物として処理する以外に、バランスの良い健康
食品という観点からおからを有効に利用する技術が求め
られていた。
用した飲料の製造方法が開示した「おから茶の製造方
法」(特公平4−12702号公報参照)が挙げられ
る。しかし、前記の技術は、後述するように、大豆の有
効な利用という観点からは十分ではない。おからは、前
記したように豆腐製造の過程で副産物として取り出され
るものであるので、おからの原材料には大豆の種皮及び
胚軸は含まれておらず、大豆の子葉のみが利用されたも
のである。大豆胚軸が除去されるのは、胚軸がにがみや
エグミが強く、大豆製品の風味を損ないやすいことと、
トリプシンの活性を阻害する好ましくない成分(トリプ
シンインヒビター)を含有していることが主な理由であ
る。
いのは、イソフラボンが高濃度に含有されていることが
原因であるが、その一方、イソフラボン配糖体はいわゆ
る植物性エストロゲンで、女性ホルモンと同様の作用が
ある。そのため、イソフラボン配糖体には、女性ホルモ
ン不足の状態によって起こる更年期障害を軽減させる効
果があるとともに破骨細胞が必要以上に骨を壊すことを
抑制し、骨粗しょう症を予防するという効果がある。ま
た、動物実験ではイソフラボンを含む大豆たんぱく質が
悪玉のLDL+VLDLコレステロールを有意に低下さ
せ、善玉のHDLコレステロールを有意に上昇させるこ
とを認め、これらの成分が動脈硬化リスクの軽減に働い
ているとの報告がある。更に、最近ではイソフラボン配
糖体のゲニステインという物質に、腫瘍の生命維持に必
要な血管新生を押さえる効果があり、それによりガン細
胞の増殖を抑制することが明らかになった。
て利用すべき技術的方法を開発することが望まれる。前
記の「おから茶の製造方法」(特公平4−12702号
公報参照)によれば、おからだけを遠赤焙煎すること
で、イソフラボン等の有効成分を保持しつつ且つイソフ
ラボン特有の渋味やえぐ味を改善し、香ばしく飲みやす
い飲料を製造することができるが、大豆胚軸が含有する
イソフラボン等の成分を如何にして有効に利用すべきか
は開示されていない。
らを茶として飲用を可能とならしめるとともに、大豆胚
軸を用いイソフラボン等の有効成分を強化し、かつ風味
良好なおから茶を提供することにある。
結果、大豆胚軸及びおからをそれぞれ単独に異なる焙煎
条件下で焙煎し、所定の組成で混合すると、香ばしさ、
香りなどの点において豊かな風味となり、イソフラボン
の含有量を高めた飲料を製造できることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、焙煎した
大豆胚軸を全体の重量1に対して重量比0.1〜0.6
の割合で混合してなるものであって、茶としての飲用が
可能なように構成したおから茶及びその製造方法であ
る。
以外の部分が殆ど混入しておらず、またイソフラボンが
損なわれていないものであれば、どのようなものでも良
い。種皮、子葉、胚軸はそれぞれ成分や形状、かさ密度
等が異なるので焙煎条件がそれぞれ異なり、胚軸に適す
る焙煎条件下で種皮、子葉等を含んだ混合物を焙煎する
と、風味が損なわれて本発明の目的が達せられないから
である。このように、焙煎状態を最良に行うために、胚
軸とおからは別々に焙煎するのが望ましい。
の大豆胚軸としては、豆腐の製造工程中で分離・除去さ
れる胚軸を使用することができる。具体的には、洗浄し
た丸大豆を水に浸漬して膨潤させ、剥皮して粗割した
後、子葉部から篩別等して胚軸を得ることができる。大
豆を水に浸漬する時間は、吸水量が生大豆の120重量
%程度になるまでとし、水温、気温によって異なるが8
〜18時間位を要する。この浸漬大豆に加水しながら摩
砕する。摩砕された大豆汁「呉」は約70〜105℃の
温度で2〜20分間加熱して、次いで前記加熱した
「呉」を濾過して豆乳とおからに分離する。このよう
に、豆腐の製造工程で分離或いは除去されて得られた胚
軸及びおからを次のように焙煎し、本発明の飲料を製造
する。
らの焙煎に先だってまず、乾燥処理してから焙煎処理を
行う。この乾燥処理には、例えば在来の低温除湿乾燥装
置を用いて満足できる。低温除湿乾燥装置はヒートポン
プ方式等により温熱された空気を循環送風機によって乾
燥室内に循環されるように構成されたもので、乾燥室内
には複数段の乾燥棚が装備されている。この乾燥棚のト
レーにおからを敷き詰め、約40℃で乾燥させる。当
然、低温除湿乾燥装置は乾燥温度が選択できるため、4
0℃に限定しないが、できるだけゆっくりとした速度で
水分含有率が9%程度まで均一に乾燥することが望まし
い。
焙煎処理する。この工程には、100℃以上に加熱でき
るものであればどのような装置も用いることができ、そ
のような装置として例えば、平釜、オーブン、ガスロー
スター、電熱ロースター、熱風ロースター等を挙げるこ
とができる。この焙煎はおからに適宜揺動や反転作動を
与えながら行われることが必要であり、表面が焦げてう
す茶となる程度まで行われる。この時間は平釜のように
目視可能な場合は目視により判断できるが、おおよそ、
200℃程度の加熱で15分程度である。これにより、
おからは独特の芳香を持つに至るとともに、湯を注ぐこ
とによる養分浸出性を持つに至る。また、前記焙煎方法
以外の他の方法として、ガスロースター、電熱ロースタ
ー、熱風ロースター、遠赤外線装置を利用して前述の乾
燥処理と焙煎処理を一気に行うこともできる。
ままでおから茶の必須成分して使用できるが、焙煎後粒
子の細かいおからの炭化部分は茶として飲用するときに
にがみを強く出すため、必要に応じて篩機にかけて微粉
末を除去する選別処理することもできる。
して行うことができる。すなわち、乾燥処理してから焙
煎処理を行う方法と、乾燥処理と焙煎処理を一度に行う
方法によっても焙煎できる。胚軸の乾燥処理には、おか
らの乾燥に使用する装置、例えば前述した在来の低温除
湿乾燥装置を用いることができる。また、焙煎処理に
は、100℃以上の加熱が可能な装置、すなわち平釜、
オーブン、ガスロースター、電熱ロースター、熱風ロー
スター等を使用することができる。胚軸の焙煎の度合い
は、やや褐色の程度が強くなるまで行う。焙煎の程度が
不足していると、トリプシンインヒビターが存在するの
で消化器に悪影響が生じる恐れがある。一方、焙煎の程
度が過多であると苦味が強くなり、良好な風味が得られ
ない。
慮し、胚軸をローラーなどで所定の形状に変える処理
や、粉砕機を使用して所定の粒径になるように粉砕した
り、篩機等を利用して所定の粒径のものを選別処理する
こともできる。このようにして得られた焙煎おからと焙
煎胚軸は、焙煎胚軸が飲料素材全体の重量1に対して重
量比0.1〜0.6の割合になるように混合する。焙煎
胚軸の組成が全体の10重量%未満であると、イソフラ
ボンの含有量に乏しい。一方、焙煎胚軸の組成が全体の
60重量%超であると、イソフラボンの含有量が豊富で
ある一方、焙煎の程度が過多であるとにがみが強くな
り、良好な風味が得られない。
て、本発明のおから茶は、焙煎おから単独の場合と比較
して、香ばしさ、香りなどの点において豊かな風味とな
り、イソフラボンの含有量を高めた飲料とすることがで
きる。
てこの発明を更に具体的に説明するが、この発明の範囲
はこれらの例示に限定されるものではない。
の過程から取り出されたおからを、低温除湿乾燥装置を
用いて約45℃にて水分が約9重量%程度になるまで乾
燥し、次いでオーブンを使用して約200℃で表面がう
す茶色に焦げる程度に焙煎処理し、焙煎おからを調製し
た。胚軸の焙煎は、以下の処方にて調製した。豆腐の製
造工程中で、大豆の子葉部から篩別して得られた胚軸を
70℃の熱風で水分が約10重量%程度になるまで乾燥
し、次いでガスロースターを使用して約160℃の熱風
で焙煎し、やや褐色の程度が強くなるまで焙煎を行っ
た。
成で混合し、本発明のおから茶及び比較例のおから茶を
調製した。
ら茶について風味評価を行った。すなわち、前記の実施
例1〜6及び比較例1〜3についてそれぞれ、2人用の
急須に小匙3杯(約6g)入れて約80℃の湯を入れて
2回に分けて4杯分とり、これを5回繰り返して20杯
分の飲料を調製した。このように調製した実施例1〜6
及び比較例1〜3のそれぞれの飲料について、20人の
パネラーに試飲してもらい、「甘み」「香り」「香ばし
さ」「渋み」の観点から、「良い」「普通」「悪い」の
三段階で評価をしてもらった。その結果を表3に示す。
ら茶100g当たりのイソフラボン含有量を高速液体ク
ロマトグラフィにて分析した。その結果を表4に示す。
れぞれのおから茶について風味評価及びイソフラボン含
有量の測定結果から、本発明のおから茶が風味及び生理
活性物質(イソフラボン)の含有量において、比較例の
おから茶よりもバランスが取れていることがわかる。す
なわち、比較例1及び比較例2のいずれも、風味において
は実施例6よりも好評価が得られたが、イソフラボンの
含有量においては格段に劣る。また、比較例3は、イソ
フラボンの含有量が実施例1〜6のいずれをも上回るも
のの、風味が著しく劣る。これに対して、本発明のおか
ら茶は風味及び生理活性物質(イソフラボン)の含有量
のバランスが良いことがわかる。
本発明の飲料について、保存安定性を調査した。前記の
実施例1〜6の本発明のおから茶6gを、それぞれ80
℃のイオン交換水1リットルに投入して15秒間攪拌
し、攪拌後1分間静置してからフィルターで濾過して茶
葉を除去することにより、実施例1〜6のおから茶に含
有される成分を抽出してなる飲料を調製した。次いで、
それぞれの飲料を、充填温度80℃でPETボトルに無
菌充填して製品とし、室温下に保存した。かかる製品に
ついて12ヶ月保存後の沈殿の発生状況を観察したとこ
ろ、保存時の沈殿発生は生じていなかったので、保存安
定性に優れることがわかった。
点において豊かな風味となり、生理活性物質(イソフラ
ボン等)の含有量を高めた飲料を得ることができ、産業
廃棄物として処理されていたおから及び胚軸を健康志向
の飲食物の分野において貴重な資源として簡易な方法で
再利用することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 焙煎した大豆胚軸及び焙煎したおからを
含有することを特徴とするおから茶。 - 【請求項2】 請求項1のおから茶又は該おから茶から
抽出されたエキスを含むことを特徴とする飲料。 - 【請求項3】 焙煎した大豆胚軸の組成比が、全重量1
に対して重量比0.1〜0.6で前記胚軸が混合された
ことを特徴とするおから茶。 - 【請求項4】 請求項3のおから茶又は該おから茶から
抽出されたエキスを含むことを特徴とする飲料。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002015377A JP3801051B2 (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | おから茶 |
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JP2002015377A JP3801051B2 (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | おから茶 |
Publications (2)
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JP3801051B2 JP3801051B2 (ja) | 2006-07-26 |
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ID=27651792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002015377A Expired - Lifetime JP3801051B2 (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | おから茶 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011000017A (ja) * | 2009-06-17 | 2011-01-06 | Sangi Co Ltd | おから茶飲料の量産方法 |
JP2015139394A (ja) * | 2014-01-28 | 2015-08-03 | ミナミ産業株式会社 | 全粒大豆飲料の製造方法 |
JP2018117642A (ja) * | 2018-05-09 | 2018-08-02 | ミナミ産業株式会社 | 全粒大豆飲料の製造方法 |
-
2002
- 2002-01-24 JP JP2002015377A patent/JP3801051B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011000017A (ja) * | 2009-06-17 | 2011-01-06 | Sangi Co Ltd | おから茶飲料の量産方法 |
JP2015139394A (ja) * | 2014-01-28 | 2015-08-03 | ミナミ産業株式会社 | 全粒大豆飲料の製造方法 |
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