JP2003209325A - 半導体素子の形成方法及び半導体素子 - Google Patents

半導体素子の形成方法及び半導体素子

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JP2003209325A
JP2003209325A JP2002008844A JP2002008844A JP2003209325A JP 2003209325 A JP2003209325 A JP 2003209325A JP 2002008844 A JP2002008844 A JP 2002008844A JP 2002008844 A JP2002008844 A JP 2002008844A JP 2003209325 A JP2003209325 A JP 2003209325A
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Tsuyoshi Biwa
剛志 琵琶
Hiroyuki Okuyama
浩之 奥山
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好は結晶性を有する半導体結晶層を備えた
半導体素子を確実に形成できる半導体素子の形成方法を
提供する。 【解決手段】 立方晶系基板の(1−10)面と、該立
方晶系基板の選択成長基準面から選択成長されたウルツ
鉱構造の化合物半導体層の、前記立方晶系基板の前記
(1−10)面と実質的に等価な面とを共にへき開す
る。結晶面の選択から、立方晶系基板のへき開面とウル
ツ鉱構造の化合物半導体層のへき開面が平行に配向する
ことになり、簡単なへき開作業が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は立方晶系基板上にウ
ルツ鉱構造の化合物半導体層を結晶成長させる半導体素
子の形成方法及びその形成方法によって形成される半導
体素子に関し、特に結晶性に優れた半導体発光素子を形
成するのに好適な半導体素子の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム(GaN)はそのバンドギ
ャップが比較的大きいことから、青色光から紫外光にか
けての半導体発光素子、例えば発光ダイオードやレーザ
ーダイオードなどへの応用が期待されている。従来、窒
化ガリウム層は所要なサファイア基板の上に結晶成長に
よって形成されるのが一般的であり、例えば発光ダイオ
ードを形成する場合、サファイア基板上に、510℃で
形成された厚さ30nmの窒化ガリウム低温バッファ
層、1020℃で形成され珪素が添加された厚さ4μm
のn型窒化ガリウム層、1020℃で形成され珪素が添
加された厚さ0.15μmのn型Al0.15Ga
0.85N層、800℃で形成され亜鉛と珪素が添加さ
れた厚さ100nmのIn0.06Ga0.94N層、
1020℃で形成されマグネシウムが添加された厚さ
0.15μmのp型Al0.15Ga0.8 N層、及
び1020℃で形成されマグネシウムが添加された厚さ
0.5μmのp型窒化ガリウム層を順次積層した構成と
なっているものが知られている(例えば、S. Nakamura:
J. Val. Sci. Technol. A, Vol. 13, No.3, P705 May/
Jun 1995参照)。この構造の発光ダイオードに対して
は、p電極とn電極がそれぞれ取り付けられる構造とさ
れており、p型窒化ガリウム層に対してニッケルと金の
2層からなるp電極が設けられ、n型窒化ガリウム層に
対してチタンとアルミ二ウムの2層からなるn電極が設
けられている。
【0003】このようなサファイア基板を用いて結晶成
長させた窒化ガリウム層には、他の基板上に形成したも
のに比べて表面の平坦性が良く結晶性に優れているとい
う利点がある。しかしながら、サファイア基板が導電性
を持たないことやへき開ができないことに起因する問題
点があり、さらにGaAsなどのIII−V族系化合物
半導体で培われてきたプロセス技術を利用できないと言
う問題点がある。
【0004】そこで、III−V族系化合物半導体で培
われてきたプロセス技術を利用するために、窒化ガリウ
ム層の結晶成長をGaAs基板などの閃亜鉛鉱構造化合
物半導体基板上で行うことが試みられている。例えば特
開平9−194299号公報に開示される窒化ガリウム
の結晶成長方法では、(100)面に対して予め傾いた
表面を用い、その傾斜した表面に窒化ガリウム膜を形成
して各種発光素子を形成するための窒化ガリウム層を形
成する。このような傾斜した表面を利用することで、窒
化ガリウム膜の結晶性を(100)面や(111)B面
に対して成膜する場合よりも良好なものにできるという
利点がある。また、同様に、(100)基板に対して傾
斜した面を用いて閃亜鉛鉱構造化合物半導体基板上に窒
化ガリウム系化合物半導体層を形成する技術として、特
開平9−191128号公報に記載される技術が知られ
ている。
【0005】更に、導電性があり且つへき開が可能なG
aAs基板上に良質な窒化ガリウム膜を形成するため
に、例えば特開平9−255496号公報に開示される
ように、基板表面にGa過剰面を形成する技術も知られ
る。このGa過剰面を形成する際には、V族元素を含む
原料を供給することもなく600〜700℃の低温で熱
処理を行う。この熱処理によって、後からV族原料を供
給した際には、GaAsの表面を十分に初期窒化するこ
とができ、平坦性に優れた窒化ガリウム層を結晶成長さ
せることが可能となる。
【0006】また、半導体プロセス技術においては、最
も一般的なシリコン基板を用い、シリコン基板上に窒化
ガリウム層を結晶成長させる技術も知られており、(0
01)面と数度の角度をなすシリコン基板上に異方性エ
ッチングを行い、[1、1、1]方向に窒化ガリウム系化
合物半導体層の[0、0、0、1]方向が配向するように
構成された平坦な窒化ガリウム系化合物半導体層の(1
−101)面を形成する技術も知られている(Proceedi
ngs 2001 Korea-Japan Joint Workshop on Advanced Se
miconductor Process and Equipments, pp.84-88)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】通常、窒化ガリウム系
化合物半導体を結晶成長させる場合には、(0001)
面を利用することが行われているが、(0001)面は
窒素原子を捉えるためのダングリングボンドの数として
は他の面、例えばS面((1−101)面)よりもその
数が少なくなることが知られており、製造される半導体
発光素子の発光特性などは必ずしも十分ではないという
側面を有している。しかしながら、現状のプロセス技術
においては、S面((1−101)面を基板上の平坦な
主面とすることは困難であり、S面((1−101)面
は素子構造上、最終的には傾斜した面となってしまう。
【0008】同様に、GaAs基板などの閃亜鉛鉱構造
化合物半導体基板を用いた場合では、基板が導電性を有
し、且つへき開なども実現可能であるが、特開平9−1
94299号公報や特開平9−191128号公報に開
示される技術にように、単に予め傾いた表面を結晶成長
の基準に用いる場合には、その傾いた角度で結晶面が決
定されてしまうため、逆に精度良く傾斜させなければデ
バイス特性にばらつきが発生するというような新たな問
題も発生する。
【0009】また、特開平9−255496号公報に開
示されるようにGa過剰面を形成する技術では、表面平
坦性の改善策としては注目すべきではあるが、Ga過剰
な領域が半導体発光素子に残存することもあり、製造さ
れる半導体発光素子の発光特性などが劣化するという問
題が発生する。
【0010】前述のようにシリコン基板を用いて平坦な
窒化ガリウム系化合物半導体層の(1−101)面を形
成する技術では、窒化ガリウム層の成長初期段階におい
て、シリコン基板の表面に被着する原子がガリウム原子
か窒素原子かが特定されないと言う問題が発生する。す
なわち、シリコン基板上に堆積される窒化ガリウム系化
合物半導体の[0、0、0、1]方向では、窒化ガリウム
系化合物半導体は極性を有しているが、これに対してシ
リコン基板自体はダイヤモンド構造基板であり、その
[1、1、1]方向は無極性である。従って、無極性のシ
リコン基板上では堆積がガリウム原子か窒素原子のいず
れかから始まるかは特定されず、仮に異なる原子で堆積
が始まった結晶層同士が衝突した場合には、歪などが生
じて欠陥を生じ易くなる。
【0011】また、レーザーダイオードを製造する場
合、結晶のへき開部をレーザー発振の共振部端面とする
ことが一般に行われているが、そのへき開にGaAs基
板のへき開性を利用した技術(例えば、特開平11−2
6877号公報参照)も知られているが、六方晶と立方
晶の2つの結晶系を独立して成長した後、貼り合わせて
いることから、その工程数は増加するとともに品質管理
が容易ではなく、再現性に欠ける。また、六方晶と立方
晶の2つの結晶系の間の貼り合わせ面を超えてへき開す
る必要があり、実際は思うようなへき開は容易ではな
い。
【0012】そこで、上述の技術的な課題に鑑み、本発
明は、良好は結晶性を有する半導体結晶層を備えた半導
体素子を確実に形成できる半導体素子の形成方法及びそ
の形成方法によって形成される半導体素子を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の半導体素子の形成方法は、立方晶系基板の
(1−10)面と、該立方晶系基板の選択成長基準面か
ら選択成長されたウルツ鉱構造の化合物半導体層の、前
記立方晶系基板の前記(1−10)面と実質的に等価な
面とを共にへき開することを特徴とする。
【0014】本発明の半導体素子の形成方法によれば、
共にへき開される際の面方位が所定のものとされる。こ
のへき開される面は、立方晶系基板の(1−10)面
と、ウルツ鉱構造の化合物半導体層の前記(1−10)
面と等価な面であり、前記(1−10)面に対して等価
な面とされることから、略平行な面同士を構成し、へき
開の際には共振面を構成するに足る平滑な端面を結晶を
割る作業から容易に得ることができる。立方晶系基板に
対しては、素子形成側となるウルツ鉱構造の化合物半導
体層は選択成長によって結晶成長され、従来の如き貼り
合わせによる問題を生じさせない。
【0015】このような結晶面の選択によって結晶性に
優れた結晶層が得られることは、例えば立方晶系基板と
してGaAs基板を選び、ウルツ鉱構造の化合物半導体
層としてGaN層を形成する場合を例にすると、GaA
s基板の[1、1、1]方向はGaN層の[0、0、0、
1]方向と平行に配向することとなり、GaAs基板の
(111)面を選択成長基準面としながら所要の選択成
長を行った場合にはGaAs基板の本来の主面[0、
0、1]方向とGaN層の[1、−1、0、1]方向が約
7度以下の傾斜角を以って揃うことになる。従って、G
aAs基板の本来の主面[0、0、1]方向と略同方向で
の結晶面の形成が可能であり、欠陥も少なく良質な結晶
が得られる。そして、この結晶の配向状態では、GaA
s基板の[1、−1、0]方向とGaN層の[1、−1、
2、0]方向が平行に配向することになり、GaAs基
板にへき開性を有効に活用することができる。
【0016】また、本発明の半導体素子は、立方晶系基
板の(1−10)面と、該立方晶系基板の選択成長基準
面から選択成長されたウルツ鉱構造の化合物半導体層
の、前記立方晶系基板の前記(1−10)面と実質的に
等価な面とがへき開され、前記ウルツ鉱構造の化合物半
導体層に第1の導電型層、第2の導電型層、及び活性層
が形成されてなることを特徴とする。
【0017】前述の本発明の半導体素子の形成方法によ
れば、結晶欠陥の少ない良質なウルツ鉱構造の化合物半
導体層が形成され、且つへき開も立方晶系基板のへき開
性を利用して容易に行うことができるため、そのウルツ
鉱構造の化合物半導体層を用いて第1の導電型層、第2
の導電型層、及び活性層を形成することで、発光特性に
優れた素子などを形成することが可能であり、特にへき
開面をレーザーダイオードの共振面に適用することで、
優れた半導体レーザーを形成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。本発明にかかる半
導体素子の形成方法は、立方晶系基板の(1−10)面
と、該立方晶系基板の選択成長基準面から選択成長され
たウルツ鉱構造の化合物半導体層の、前記立方晶系基板
の前記(1−10)面と実質的に等価な面とを共にへき
開することを特徴とする。
【0019】本発明に使用される基板は、立方晶系基板
であり、より詳しくは立方晶系基板は閃亜鉛鉱構造化合
物半導体基板若しくはダイヤモンド構造半導体基板であ
る。
【0020】ダイヤモンド構造半導体基板を閃亜鉛鉱構
造化合物半導体基板で構成する場合には、閃亜鉛鉱構造
化合物半導体基板としては、例えば砒化ガリウム(Ga
As)に代表されるようなIII−V族化合物半導体か
らなるように構成することができ、更には閃亜鉛鉱構造
化合物半導体基板はbeta-SiC、BN、BP、AlP、AlAS、Ga
P、GaAs、GaSb、beta-ZnS、ZnSe、ZnTe、beta-HgS、HgS
e、HgTe、InP、InAs、InSbから選ばれた材料の中の1つ
若しくは幾つかを組み合わせた構成であっても良い。立
方晶系基板をダイヤモンド構造半導体基板とする場合
は、例えばシリコン、炭素、ゲルマニウムなどの材料が
基板材料として選択される。
【0021】このような閃亜鉛鉱構造化合物半導体基板
またはダイヤモンド構造半導体基板には、(111)
面、(111)面に対する傾斜が±10°以内の面、若
しくはこれらと結晶学的に等価な面を選択成長基準面と
なるように加工を施す。立方晶系基板の主面は典型的に
は(001)面を有し、このような主面を(001)面
とする基板を用いる場合においては、(111)面を臨
ませる目的で、異方性エッチングなどの方法によって基
板の主面に凹凸を形成し、(001)面に対して傾斜し
た段差部となって現れる(111)面を形成することが
可能である。このような(111)面は、エッチングの
マスクを利用して選択的な異方性エッチングを施すこと
で任意のパターンに形成でき、そのマスクの形状を制御
することで、凹凸の凹部若しくは凸部はストライプ状若
しくは多角形形状にすることも可能である。
【0022】例えば、異方性エッチングなどの方法によ
って基板の主面に凹部を形成して、後述するように、そ
の側面を傾斜した(111)面とする場合では、その対
向する側面が(−1−11)面となり、これら(11
1)面と(−1−11)面の双方から結晶成長を図った
場合では、これら(111)面と(−1−11)面から
それぞれ成長した結晶同士がぶつかり合うこととなるこ
とから、一方の(111)面のみが開口部から臨むよう
な成長阻害膜が選択成長に先立って形成される。成長阻
害膜は、その膜上での結晶成長を阻害させるための膜で
あり、選択的に形成された開口部には成長阻害膜が存在
しないことから、所要の選択成長が行われる。この成長
阻害膜は、例えば酸化シリコン膜や窒化シリコン膜など
の絶縁膜からなるマスク材料が使用される。このマスク
の開口部の形状は、一例としてストライプ状とされる。
【0023】このように選択成長基準面となる面は(1
11)面を中心に、(111)面に対する傾斜が±10
°以内の面や、これらと結晶学的に等価な面も含まれ
る。正確に(111)面でなくとも実験結果等によれば
(111)面に対する傾斜が±10°以内の面でも或る
程度同様な結晶成長が可能であり、このような傾斜した
基板や領域を用いても良い。また、これらと結晶学的に
等価な面(例えば(−1‐1‐1)面)も同様に含めて考
えることができる。
【0024】このような選択成長のマスクとなる成長阻
害膜等を形成したところで、(111)面、(111)
面に対する傾斜が±10°以内の面、若しくはこれらと
結晶学的に等価な面を成長阻害膜の開口部から臨ませな
がら選択的な結晶成長によってウルツ鉱構造の化合物半
導体層を結晶成長させる。選択成長させる化合物半導体
層としてはウルツ鉱型の結晶構造を有する窒化物半導
体、BeMgZnCdS系化合物半導体、およびBeM
gZnCdO系化合物半導体などが好ましい。窒化物半
導体からなる結晶層としては、例えばIII族系化合物
半導体を用いることができ、更には窒化ガリウム(Ga
N)系化合物半導体、窒化アルミニウム(AlN)系化
合物半導体、窒化インジウム(InN)系化合物半導
体、窒化インジウムガリウム(InGaN)系化合物半
導体、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系化合
物半導体を好ましくは形成することができ、特に窒化ガ
リウム系化合物半導体が好ましい。なお、本発明におい
て、InGaN、AlGaN、GaNなどは必ずしも、
3元混晶のみ、2元混晶のみの窒化物半導体を指すので
はなく、例えばInGaNでは、InGaNの作用を変
化させない範囲での微量のAl、その他の不純物を含ん
でいても本発明の範囲であることはいうまでもない。ま
た、S面に実質的に等価な面とは、S面に対して5乃至
6度の範囲で傾いた面方位を含むものである。ここで本
明細書中、窒化物とはB、Al、Ga、In、TaをI
II族とし、V族にNを含む化合物を指し、全体の1%
以内若しくは1x1020cm以下の不純物の混入を
含む場合もある。
【0025】この化合物半導体層の成長方法としては、
種々の気相成長法を挙げることができ、例えば有機金属
化合物気相成長法(MOCVD(MOVPE)法)や分
子線エピタキシー法(MBE法)などの気相成長法や、
ハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いることが
できる。その中でもMOVPE法によると、迅速に結晶
性の良いものが得られる。MOVPE法では、Gaソー
スとしてTMG(トリメチルガリウム)、TEG(トリ
エチルガリウム)、AlソースとしてはTMA(トリメ
チルアルミニウム)、TEA(トリエチルアルミニウ
ム)、Inソースとしては、TMI(トリメチルインジ
ウム)、TEI(トリエチルインジウム)などのアルキ
ル金属化合物が多く使用され、窒素源としてはアンモニ
ア、ヒドラジンなどのガスが使用される。また、不純物
ソースとしてはSiであればシランガス、Geであれば
ゲルマンガス、MgであればCp2Mg(シクロペンタ
ジエニルマグネシウム)、ZnであればDEZ(ジエチ
ルジンク)などのガスが使用される。MOVPE法で
は、これらのガスを例えば600°C以上に加熱された
基板の表面に供給して、ガスを分解することにより、I
nAlGaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ
ることができる。
【0026】前述のように、(111)面を中心に、
(111)面に対する傾斜が±10°以内の面や、これ
らと結晶学的に等価な面を選択成長の成長開始面である
選択成長基準面として選択成長を行った場合では、S面
((1−101)面)、(1−101)面に対する傾斜
が±10°以内の面、若しくはこれらと結晶学的に等価
な面を有するウルツ鉱構造の化合物半導体層が平坦な面
として現れる。S面はこのような選択成長した際に見ら
れる安定面であり、比較的得やすい面である。
【0027】S面ついては、窒化ガリウム系化合物半導
体を用いて結晶層を構成した場合には、S面上、Gaか
らNへのボンド数が2または3とC−面の次に多くな
る。ここでC−面はC+面の上には事実上得ることがで
きないので、S面でのボンド数は最も多いものとなる。
例えば、C+面を主面に有するサファイア基板に窒化物
を成長した場合、一般にウルツ鉱型の窒化物の表面はC
+面になるが、上述に如き選択成長を利用することで平
坦なS面を安定して形成することができ、C+面に平行
な面では脱離しやすい傾向をもつNのボンドがGaから
一本のボンドで結合しているのに対し、S面では少なく
とも一本以上のポンドで結合することになる。従って、
実効的にV/III 比が上昇することになり、積層構造の結
晶性の向上に有利である。また、S面自体は選択成長基
準面と異なる方位であることから、転位がS面に対して
曲がることにもなり、欠陥の低減にも有利となる。ま
た、選択成長のマスクも基板転位の低減に寄与する。
【0028】また、化合物半導体層を選択成長させる成
長の開始面としては、極性を有する閃亜鉛鉱構造化合物
半導体基板を用いることもでき、その上に化合物半導体
層を積層する場合には該極性に起因する原子の整列が起
こり、結晶の規則性を高めて欠陥密度を低く抑えること
ができる。
【0029】選択成長させるウルツ鉱型の結晶構造を有
する化合物半導体層には、素子を例えば発光素子として
機能させるために、第1導電型半導体層、活性層、およ
び第2導電型半導体層が積層される。第1導電型半導体
層は下層の化合物半導体層と連続的に形成しても良い。
第1導電型半導体層、活性層、および第2導電型半導体
層において、第1導電型はp型又はn型であり、第2導
電型はその反対の導電型である。例えば結晶層をシリコ
ンドープの窒化ガリウム系化合物半導体層によって構成
した場合では、n型半導体層をシリコンドープの窒化ガ
リウム系化合物半導体層によって構成し、その上にIn
GaN層を活性層として形成し、さらにその上にp型半
導体層としてマグネシウムドープの窒化ガリウム系化合
物半導体層を形成してダブルヘテロ構造を形成すること
ができる。活性層であるInGaN層をAlGaN層で
挟む構造や片側だけにAlGaN層を形成する構造とす
ることも可能である。また、活性層は単一のバルク活性
層で構成することも可能であるが、単一量子井戸(SQ
W)構造、二重量子井戸(DQW)構造、多重量子井戸
(MQW)構造などの量子井戸構造を形成したものであ
っても良い。量子井戸構造には必要に応じて量子井戸の
分離のために障壁層が併用される。活性層をInGaN
層とした場合には、特に製造工程上も製造し易い構造と
なり、素子の発光特性を良くすることができる。さらに
このInGaN層は、窒素原子の脱離しにくい構造であ
るS面の上での成長では特に結晶化しやすくしかも結晶
性も良くなり、発光効率を上げることが出来る。なお、
窒化物半導体はノンドープでも結晶中にできる窒素空孔
のためにn型となる性質があるが、通常Si、Ge、S
eなどのドナー不純物を結晶成長中にドープすること
で、キャリア濃度の好ましいn型とすることができる。
また、窒化物半導体をp型とするには、結晶中にMg、
Zn、C、Be、Ca、Baなどのアクセプター不純物
をドープすることによって得られるが、高キャリア濃度
のp層を得るためには、アクセプター不純物のドープ
後、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気で400℃
以上でアニーリングを行うことが好ましく、電子線照射
などにより活性化する方法もあり、マイクロ波照射、光
照射などで活性化する方法もある。
【0030】第1導電型半導体層と第2導電型半導体層
には、n側電極(若しくはn電極)とp側電極(p電
極)が形成される。n側電極としてはTi/Al/Pt
/Auなどの金属材料を蒸着したり、或いはITOなど
の透明電極を形成しても良い。p側電極は例えばNi/
Pt/AuまたはNi(Pt)/Pt/Auの積層構造
としたり、或いは薄いNi膜を接触抵抗を下げるための
コンタクトメタルとしながらAgやアルミニウムなどの
薄膜で電極層を形成しても良い。複数のレーザー素子の
間でp電極またはn電極の一方は共通化することもで
き、これらの電極層は一般的に各電極は多層の金属膜を
蒸着などによって被着して形成されるが、素子ごとに区
分するためにフォトリソグラフィーを用いてリフトオフ
などにより微細加工することができる。
【0031】本発明の半導体素子の形成方法を用いて半
導体素子を形成する場合、特に半導体レーザー素子を形
成する場合には、ストライプ状の結晶成長部の端面など
に共振器が形成される。よく知られているように、共振
器は結晶のへき開によって形成することができ、一例と
してはストライプ状の開口部の長手方向に実質的に垂直
な面に共振面をへき開などによって形成することができ
る。この場合において、(111)面を選択成長基準面
として選択成長された化合物半導体層の(1−120)
面は、立方晶系基板の(1−10)面と平行となり、共
に結晶面で割る場合に極めて有効とされる。
【0032】また、本発明の半導体素子の形成方法によ
り形成される半導体レーザー素子を複数個配列させるよ
うに形成することで、表示装置や照明装置を構成するこ
とができる。このような半導体レーザー素子を複数個配
列させた表示装置においては、高密度に発光素子を配置
することができ、電極の共通化による製造の容易性も向
上する。また、単色の発光による表示装置に限らず、多
色の発光による表示装置を構成することも可能である。
【0033】以下、本発明を各実施形態を参照しながら
更に詳細に説明する。なお、本発明の半導体素子の形成
方法は、その要旨を逸脱しない範囲で変形、変更などが
可能であり、本発明は以下の各実施形態に限定されるも
のではない。
【0034】[第1の実施形態]本実施形態の半導体素子
の形成方法は、立方晶系基板の例として(001)面を
主面とする閃亜鉛鉱構造のGaAs基板を使用し、その
上に積層する化合物半導体層をGaN層とする例であ
る。
【0035】図1の(a)に示すように、(001)面
を主面11aとするGaAs基板11が用意される。こ
のGaAs基板11は閃亜鉛鉱構造化合物半導体基板の
一例であり、図1に示す断面11cが(1−10)面と
され、後述するようなへき開工程で結晶のへき開を行う
場合には、当該(1−10)面をへき開面とすることが
でき、容易にへき開をすることができる。なお、図1の
(b)は基板の主面の面方位と断面の面方位を図示した
ものであり、明細書本文のマイナス記号はバー記号で図
示している。なお、本実施形態では、(001)面を主
面11aとするGaAs基板11が閃亜鉛鉱構造化合物
半導体基板として用いられるが、これに限らず、(10
0)面に対する傾斜が±15°以内の面、若しくはこれ
らと結晶学的に等価な面を主面とするような立方晶系基
板、例えば傾斜基板等を用いても良い。
【0036】次に、GaAs基板11の主面11a全面
にフォトレジスト膜を形成し、そのフォトレジスト膜を
ストライプ状の開口パターンとなるように選択的に露光
し現像する。次に異方性エッチングを行って、フォトレ
ジスト膜の開口部の底部に臨むGaAs基板11の主面
11aを削り、図2に示すような凹部12をGaAs基
板11の主面11aに形成する。凹部12の形状は約4
5度に傾いた一対の傾斜側面と底面を伴う構造とされ、
一対の傾斜側面はそれぞれ[−1、−1、1]方向と
[1、1、1]方向の面方位を有しており、[1、1、1]
方向の面方位を有する(111)面及び[−1、−1、
1]方向の面方位を有する(−1−11)面が上側から
見ると帯状に延長され、その帯状の(111)面が所定
のピッチで平行に並べられたパターンを形成する。な
お、本実施形態では、異方性エッチングを底面が残るよ
うな形状で終了させているが、更に深くエッチングして
底面を無くして断面V字状としたり、エッチングの種類
を変えたり、或いは傾斜基板を用いることで、一対の傾
斜側面が対称に現れないように制御することも可能であ
る。
【0037】次に、凹部12が形成されたGaAs基板
11の主面11a全面に薄いシリコン酸化膜が気相成長
法などによって成長阻害膜13として形成される。この
成長阻害膜13は凹部12内の一対の傾斜側面及び底面
にも沿って形成され、この凹部12の内部を一旦被覆す
る。続いて、成長阻害膜13上にフォトレジスト膜が形
成され、該フォトレジスト膜をストライプ状の開口パタ
ーンとなるように選択的に露光し現像する。この開口パ
ターンは、各(111)面が開口してフォトレジスト膜
の底部に(111)面が露出するようなパターンとされ
る。すなわち、その帯状の(111)面が所定のピッチ
で平行に並べられた繰り返しパターンとなっていること
から、フォトレジスト膜の開口部も帯状のものが所定の
ピッチで平行に並べられた繰り返しパターンとなる。フ
ォトレジスト膜の選択的な露光及び現像によって、フォ
トレジスト膜の開口部の底部には成長阻害膜13の表面
が臨み、その成長阻害膜13をエッチングにより選択的
に除去して、(111)面からなる選択成長基準面14
を形成する。ここで形成される選択成長基準面14は本
実施形態では(111)面であるが、これに限定され
ず、(111)面に対する傾斜が±10°以内の面やこ
れらと結晶学的に等価な面であっても良い。
【0038】次に、図4に示すように、選択成長によっ
てウルツ鉱型結晶構造の化合物半導体層としてシリコン
ドープのn型GaNコンタクト層15を形成する。この
シリコンドープのn型GaNコンタクト層15は、選択
成長基準面14である(111)面から選択的に成長
し、仮に原料ガスが成長阻害膜13上に堆積された場合
でも容易に該成長阻害膜13上では蒸発してしまう。こ
のシリコンドープのn型GaNコンタクト層15は略断
面正三角形状を維持するように成長し、基板主面の法線
方向から見た場合では図示の断面に垂直な方向を長手方
向とする帯状のパターンに成長する。
【0039】図5はさらにシリコンドープのn型GaN
コンタクト層15の成長が進んだ状態を示しており、略
断面正三角形状のシリコンドープのn型GaNコンタク
ト層15の一部はその高さ(基板主面の法線方向の位
置)が成長阻害膜13を越えたところで、該成長阻害膜
13の上にも延在される。その結果、シリコンドープの
n型GaNコンタクト層15の基板主面の上側には、平
坦で比較的に大きな(1−101)面(即ちS面)15
sが現れる。また、シリコンドープのn型GaNコンタ
クト層15の底面側は(0001)面とされ、n型Ga
Nコンタクト層15の(0001)面と(1−101)
面とで稜線が形成される。
【0040】更に選択成長を続けることで、(1−10
1)面15sがさらに成長し、隣接するシリコンドープ
のn型GaNコンタクト層15同士が統合して行き、図
6の(a)に示すように平坦な1つの面を構成するよう
に大きく結晶成長する。本例では(111)面側に対向
する傾斜側面の(−1−11)面上には空洞部が形成さ
れるが、必ずしも空洞部を構成しなくとも良い。
【0041】図6の(b)に示すように、シリコンドー
プのn型GaNコンタクト層15の(1−101)面は
GaAs基板11の(001)面と略7度程度の角度差
を持っているだけであり、このためGaAs基板11の
主面とほぼ揃った面を有するシリコンドープのn型Ga
Nコンタクト層15が形成される。なお、図6の(b)
は図6の(a)の断面11cにおける面方位を示す図で
あり、図6の(b)で該断面11cに垂直なGaAs基
板の面方位[1、−1、0]方向とGaNの[1-120]
方向は一致する。
【0042】次に、シリコンドープのn型GaNコンタ
クト層15の(1−101)面を基礎として、図7に示
すように、半導体レーザーなどの発光素子として機能さ
せるための各半導体層を順次積層する。先ず、シリコン
ドープのn型GaNコンタクト層15上には、n型Al
GaNクラッド層16が形成され、そのn型AlGaN
クラッド層16上にはn型GaNガイド層17が形成さ
れる。n型GaNガイド層17上にはInGaN/Ga
Nからなる多重量子井戸(MQW)層18が形成され、
この多重量子井戸(MQW)層18上にはp型AlGa
N層19が形成され、該p型AlGaN層19の上にp
型GaNガイド層20が形成される。このp型GaNガ
イド層20の上にはp型AlGaNクラッド層21、及
びp型GaNコンタクト層22が形成される。
【0043】このような各化合物半導体層を形成した
後、例えばレーザー発振の共振面を形成する目的でへき
開が行われる。へき開は結晶構造体を所定の結晶面に沿
って割ることであり、本実施形態では図7の点線で示す
へき開線30がGaAs基板の面方位[1、−1、0]方
向とGaNの[1-120]方向が平行に配向したそれぞ
れGaAs基板の(1−10)面とGaN系半導体層の
(1−120)面であり、図8に示すように、これらの
面で同時のへき開が容易に行われる。
【0044】次に、図9に示すように、GaAs基板1
1及びマスク材として機能した成長阻害膜13が除去さ
れる。これらGaAs基板11と成長阻害膜13の除去
には、エッチング法や、研磨法、レーザーアブレーショ
ンなどの各種の手法を用いることができる。
【0045】成長阻害膜13は凹部12に形成した凹凸
のある表面を有しており、その成長阻害膜13を除去し
た後のn型GaNコンタクト層15の裏面も、該成長阻
害膜13の形状を反映して凹凸を有した形状となる。そ
こで、本実施形態においては、n型GaNコンタクト層
15の裏面が研磨されて、図10に示すように、n型G
aNコンタクト層15の裏面が平坦面とされる。この裏
面の平坦化の後、素子分離やp電極、n電極の形成が行
われて、半導体発光素子が形成される。
【0046】以上の如き、本実施形態の半導体素子の形
成方法によれば、GaAs基板の面方位[1、−1、0]
方向とGaNの[1-120]方向が平行に配向したそれ
ぞれGaAs基板の(1−10)面とGaN系半導体層
の(1−120)面をへき開面とすることで、これらの
面が平行であることから、容易にへき開作業を進めるこ
とができ、良好な共振面を形成することが可能である。
また、前述の結晶面の選択からは、選択成長のマスクの
間で臨むGaAs基板11の(111)面は基板の主面
の法線方向でみた場合には傾斜した面であり、この傾斜
した(111)面を結晶成長の開始面である選択成長基
準面14とすることで、基板転位の低減を図ることも可
能である。
【0047】さらにGaAs基板11自体は、前述のよ
うに極性を有する材料からなるため、欠陥密度を低減で
きる。また、選択成長により形成される(1−101)
面は表面のダングリングボンド密度が高いことから、良
質の結晶を堆積させることができ、しかも(1−10
1)面は平坦な面を構成することから、各種の化合物半
導体層を積層して素子を形成する場合に有利である。
【0048】[第2の実施形態]図11は、前述の半導体
素子の形成方法を用いて形成した半導体発光素子の一例
を示す図である。この半導体発光素子は、レーザー素子
であり、前述のへき開面51を共振面に有する素子であ
る。
【0049】シリコンドープのn型GaNコンタクト層
42は選択成長基準面から成長した化合物半導体膜であ
り、そのn型GaNコンタクト層42の上面は(1−1
01)面とされる。この(1−101)面を介して連続
するようにn型AlGaNクラッド層43が形成され、
そのn型AlGaNクラッド層43上にはn型GaNガ
イド層44が形成される。n型GaNガイド層44上に
はInGaN/GaNからなる多重量子井戸(MQW)
層45が形成され、この多重量子井戸(MQW)層45
上にはp型AlGaN層46が形成され、該p型AlG
aN層46の上にp型GaNガイド層47が形成され
る。このp型GaNガイド層47の上にはp型AlGa
Nクラッド層48、及び例えばマグネシウムドープとさ
れるp型GaNコンタクト層49が形成される。
【0050】また、n型GaNコンタクト層42の裏面
には、n電極41が形成され、p型GaNコンタクト層
49の上にはp電極50が形成される。ここでn電極4
1としてはTi/Al/Pt/Auなどの金属材料を蒸
着したり、或いはITOなどの透明電極を形成しても良
い。p電極50は例えばNi/Pt/AuまたはNi
(Pt)/Pt/Auの積層構造としたり、或いは薄い
Ni膜を接触抵抗を下げるためのコンタクトメタルとし
ながらAgやアルミニウムなどの薄膜で電極層を形成し
ても良い。
【0051】このような本実施形態に半導体発光素子に
おいては、ウルツ鉱型の化合物半導体層として形成され
るGaN層が極めて良好な結晶性を有していることか
ら、その発光特性が改善され、その寿命も長くさせるこ
とができる。また、前述のように、GaAs基板の(1
−10)面とGaN系半導体層の(1−120)面を同
時にへき開したへき開面51を共振面とすることから、
その製造も容易であり、へき開を用いた精度の高い共振
面が当該半導体発光素子のレーザ発振に寄与することに
なる。
【0052】なお、本実施形態では、半導体素子を半導
体レーザーなどの半導体発光素子としたが、これに限定
されず、半導体素子をトランジスタ、受光素子、その他
の機能素子としても良い。また、半導体発光素子も発光
ダイオードなどであっても良い。
【0053】
【発明の効果】上述の本発明の半導体素子の形成方法に
よれば、立方晶系基板の面方位[1、−1、0]方向とG
aNの[1-120]方向が平行に配向したそれぞれ立方
晶系基板の(1−10)面とGaN系半導体層の(1−
120)面をへき開面とすることで、これらの面が平行
であることから、容易にへき開作業を進めることがで
き、レーザー素子を形成する場合に良好な共振面を形成
することが可能である。また、選択成長のマスクの間で
臨む立方晶系基板の(111)面は基板の主面の法線方
向でみた場合には傾斜した面であり、この傾斜した(1
11)面を結晶成長の開始面である選択成長基準面とす
ることで、基板転位の低減を図ることも可能である。
【0054】特に、立方晶系基板を閃亜鉛鉱構造化合物
半導体基板とした場合では、閃亜鉛鉱構造化合物半導体
基板自体は、前述のように極性を有する材料からなるた
め、欠陥密度を低減できる。また、選択成長により形成
される(1−101)面は表面のダングリングボンド密
度が高いことから、良質の結晶を堆積させることがで
き、しかも(1−101)面は平坦な面を構成すること
から、各種の化合物半導体層を積層して素子を形成する
場合に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、(a)はGaA
s基板を示す工程斜視断面図であり、(b)はその断面
における面方位を示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、GaAs基板上
に凹部を形成した工程を示す工程斜視断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、成長阻害膜を形
成したところを示す工程斜視断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、成長阻害膜をマ
スクとして選択成長をしているところを示す工程斜視断
面図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、前記選択成長を
進めた段階の工程斜視断面図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、選択成長により
平坦面を形成したところを示す工程斜視断面図である。
【図7】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、窒化ガリウム系
半導体層を積層したところを示す工程斜視断面図であ
る。
【図8】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、へき開工程を示
す工程斜視断面図である。
【図9】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形成
方法にかかる工程斜視断面図であって、基板及び成長阻
害膜の除去工程を示す工程斜視断面図である。
【図10】 本発明の第1の実施形態の半導体素子の形
成方法にかかる工程斜視断面図であって、窒化ガリウム
系半導体層の裏面側の研磨工程を示す工程斜視断面図で
ある。
【図11】 本発明の第2の実施形態の半導体発光素子
の斜視断面図である。
【符号の説明】
11 GaAs基板 12 凹部 13 成長阻害膜 14 選択成長基準面 15、42 n型GaNコンタクト層 16、43 n型AlGaNクラッド層 17、44 n型GaNガイド層 18、45 多重量子井戸(MQW)層 19、46 p型AlGaN層 20、47 p型GaNガイド層 21、48 p型AlGaNクラッド層 22、49 p型GaNコンタクト層 41 n電極 50 p電極 51 へき開面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA40 CA05 CA23 CA34 CA35 CA40 CA65 CA67 CA74 CA76 CA77 5F073 AA45 AA74 CA07 CB02 DA05 DA07 DA22 DA32 DA35

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立方晶系基板の(1−10)面と、該立
    方晶系基板の選択成長基準面から選択成長されたウルツ
    鉱構造の化合物半導体層の、前記立方晶系基板の前記
    (1−10)面と実質的に等価な面とを共にへき開する
    ことを特徴とする半導体素子の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記ウルツ鉱構造の化合物半導体層の、
    前記立方晶系基板の前記(1−10)面と実質的に等価
    な面は、前記ウルツ鉱構造の化合物半導体層の(1−1
    20)面若しくはこの(1−120)面と実質的に等価
    な面であることを特徴とする請求項1記載の半導体素子
    の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記選択成長基準面においては選択成長
    する前記ウルツ鉱構造の化合物半導体層の[0,0,
    0,1]方向が前記立方晶系基板の[1,1,1]方向
    に配向することを特徴とする請求項1記載の半導体素子
    の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記選択成長基準面が前記立方晶系基板
    の(111)面若しくは(111)面に対する傾斜が±
    10°以内の面、若しくはこれらと結晶学的に等価な面
    であることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の形
    成方法。
  5. 【請求項5】 前記立方晶系基板において選択成長の際
    の主面は、(100)面、(100)面に対する傾斜が
    ±15°以内の面、若しくはこれらと結晶学的に等価な
    面であることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の
    形成方法。
  6. 【請求項6】 前記立方晶系基板において選択成長が施
    される面は、凹凸が形成された面であることを特徴とす
    る請求項1記載の半導体素子の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記凹凸は前記立方晶系基板の主面に対
    して選択的な異方性エッチングを施すことで形成される
    ことを特徴とする請求項6記載の半導体素子の形成方
    法。
  8. 【請求項8】 前記凹凸の凹部若しくは凸部はストライ
    プ状若しくは多角形形状に形成されることを特徴とする
    請求項6記載の半導体素子の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記選択成長は前記選択成長基準面以外
    を覆う成長阻害膜を用いることを特徴とする請求項1記
    載の半導体素子の形成方法。
  10. 【請求項10】前記選択成長により前記選択成長基準面
    から前記ウルツ鉱構造の化合物半導体層を結晶成長させ
    て(1−101)面、(1−101)面に対する傾斜が
    ±10°以内の面、若しくはこれらと結晶学的に等価な
    面を形成させることを特徴とする請求項1記載の半導体
    素子の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記(1−101)面若しくはこれと
    結晶学的に等価な面は平坦な面とされることを特徴とす
    る請求項10記載の半導体素子の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記選択成長により形成される前記ウ
    ルツ鉱構造の化合物半導体層は、前記立方晶系基板の主
    面の全部若しくは一部を被覆するように形成されること
    を特徴とする請求項1記載の半導体素子の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記立方晶系基板は閃亜鉛鉱構造化合
    物半導体基板若しくはダイヤモンド構造半導体基板であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の形成方
    法。
  14. 【請求項14】 前記閃亜鉛鉱構造化合物半導体基板は
    III−V族化合物半導体からなることを特徴とする請
    求項13記載の半導体素子の形成方法。
  15. 【請求項15】前記閃亜鉛鉱構造化合物半導体基板はbe
    ta-SiC、BN、BP、AlP、AlAS、GaP、GaAs、GaSb、beta-Z
    nS、ZnSe、ZnTe、beta-HgS、HgSe、HgTe、InP、InAs、
    及びInSbから選ばれた材料の1つ若しくはこれらの組み
    合わせより構成されることを特徴とする請求項13記載
    の半導体素子の形成方法。
  16. 【請求項16】 前記ダイヤモンド構造半導体基板はシ
    リコン、炭素、ゲルマニウムの中から選ばれた材料部分
    を有することを特徴とする請求項13記載の半導体素子
    の形成方法。
  17. 【請求項17】 前記選択成長基準面がIII族原子か
    らなる面によって構成されることを特徴とする請求項1
    記載の半導体素子の形成方法。
  18. 【請求項18】 前記ウルツ鉱構造の化合物半導体層は
    窒化物化合物半導体層であることを特徴とする請求項1
    記載の半導体素子の形成方法。
  19. 【請求項19】 前記窒化物化合物半導体層は窒化ガリ
    ウム系化合物半導体層であることを特徴とする請求項1
    8記載の半導体素子の形成方法。
  20. 【請求項20】 立方晶系基板の(1−10)面と、該
    立方晶系基板の選択成長基準面から選択成長されたウル
    ツ鉱構造の化合物半導体層の、前記立方晶系基板の前記
    (1−10)面と実質的に等価な面とがへき開され、前
    記ウルツ鉱構造の化合物半導体層に第1の導電型層、第
    2の導電型層、及び活性層が形成されてなることを特徴
    とする半導体素子。
  21. 【請求項21】 前記活性層からは光が取り出されるこ
    とを特徴とする請求項20記載の半導体素子。
  22. 【請求項22】 前記へき開されたへき開面が共振器端
    面として用いられることを特徴とする請求項20記載の
    半導体素子。
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