JP2003051636A - 半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体素子及びその製造方法

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JP2003051636A
JP2003051636A JP2001238387A JP2001238387A JP2003051636A JP 2003051636 A JP2003051636 A JP 2003051636A JP 2001238387 A JP2001238387 A JP 2001238387A JP 2001238387 A JP2001238387 A JP 2001238387A JP 2003051636 A JP2003051636 A JP 2003051636A
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crystal
semiconductor
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JP2001238387A
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Tsuyoshi Biwa
剛志 琵琶
Hiroyuki Okuyama
浩之 奥山
Masato Doi
正人 土居
Toyoji Ohata
豊治 大畑
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】GaN系半導体素子の製造工程において、各素
子を分離する場合、エッチングやダイシングによって素
子分離を行った場合、多大な労力がかかるとともに素子
分離面に損傷を与えることになり、素子の品質が低下し
てしまう場合があり、容易に素子分離を行うことがで
き、且つ高品質の素子を作製することが望まれていた。 【解決手段】本発明では、選択成長によって結晶層中に
内在する貫通転位などの欠陥を素子分離面とすることに
よって容易に、且つ平坦な素子分離面を形成された半導
体素子とその製造方法を提供する。貫通転位などの欠陥
を素子分離面とすることで容易に且つ損傷の少ない素子
端面を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た下地成長層と、前記下地成長層上に形成され開口部が
形成された選択マスクと、前記選択マスクから選択成長
により形成される半導体層を前記選択マスク上の脆弱部
で分離して形成される分離面とを有することを特徴とす
る半導体素子とその製造方法に関する。特に、ここで本
明細書中、窒化物とはB、Al、Ga、In、TaをI
II族とし、V族にNを含む化合物を指し、若干量の不
純物の混入を含むこともあるものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造方法では、エッチング
等様々の方法によって素子を分離し、半導体素子が製造
されている。特に、GaN系半導体で構成される半導体
素子は硬度が大きいため、ダイシングなどによって素子
を切り出す方法もとられている。
【0003】例えば、特開平11−103135号公報
に開示されているように、GaN系結晶成長基板上に、
GaN系半導体層を積層し、多数の素子を含む積層体を
形成した後、これを個々の素子に分断する際には、マス
ク層の上方を低転位とするならば、非マスク領域におい
て分断することが好ましい態様として挙げられている。
この場合、非マスク領域に形成されたGaN系結晶層
は、上記したように欠陥が多く、結晶の品質が低いの
で、素子の形成には不向きな領域である。この領域を分
断するための領域として用いることは、分断時に高品質
の結晶部分を割るような無駄がなくなり、ベース基板面
の限られた面積及び横方向に成長する良質な結晶部分を
より効率良く利用できる、一つの好ましい態様としてい
るが、マスク領域の上方に存在する転位を素子分離面と
して積極的に利用することには言及していない。
【0004】また、特開2000−228565に開示
されているように、基板上に形成したマスク層の開口部
から選択成長されたGaN系半導体層で隣り合った開口
部から横方向成長するGaN系半導体層の会合部に、結
晶成長時の温度条件によって割れなどが生じ製造工程上
に不具合になることについては述べているが、転位密度
が高い領域を素子分離領域に積極的に利用することにつ
いては言及していない。
【0005】さらに、MRS Internet J.
Nitride Semicond. Res.4S
1,G3.38(1999)に記載されるように、一旦
第1の窒化ガリウム系化合物半導体層を形成した後に、
リアクティブイオンエッチング(以下、RIE)装置な
どを用いて、その膜を選択的に除去し、その後成長装置
内で残された結晶から第2の窒化ガリウム系化合物半導
体層を選択的に成長することで貫通転位密度を低減する
技術がある。これらの技術を使用することで10 cm
−2程度までの転位密度を有する結晶膜が得られ、半導
体レーザーの高寿命化などが実現されている。第1のG
aN系化合物半導体層をRIEなどにより選択的に除去
した後に再成長する技術においては、それぞれ保護膜を
形成していない領域や除去後に残された結晶に残存する
貫通転位は第2のGaN系化合物半導体層の結晶に伝播
し、低転位密度化には限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】GaN系半導体素子の
製造工程では、各素子の間を分離する場合に、例えばチ
ップをダイサーなどを用いて切り出さなければならない
ため、多大な労力がかかるとともに平面的に広がった電
極をなどを避けながら微小に切り出すことは極端に難し
くなっている。また、サファイア基板及びGaNなどの
窒化物は硬度が高く切り出しが難しいことから、ダイシ
ングの際に少なくとも20μm程度の切りしろが必要に
なり、微小なチップの切り出しが更に困難になってい
る。
【0007】また、素子分離の際ドライエッチングやダ
イシングを施す場合には、一般的に結晶面に対する損傷
を避けることが出来ず、基板側からの貫通転位などを抑
制しても逆にドライエッチングにより結晶の特性が劣化
する。また、ドライエッチングやダイシングを施す場合
では、その分だけ工程も増加してしまう。 特に、Ga
N系半導体を用いた半導体レーザーでは、へき開やエッ
チングによって端面を形成した場合、六方晶であること
などから、従来の半導体レーザーに比較して平坦な端面
を形成することは容易でない。素子端面の傾きや凹凸に
よって反射率が低下し、レーザー発振に必要な電流の閾
値が増大する原因となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体上に開口
部が形成された選択成長マスクから選択成長によって形
成される半導体層を有する半導体素子において、前記半
導体素子が前記選択成長マスク上の脆弱部で分離される
ことを特徴とする。
【0009】選択成長(ELO)において、開口部を形
成した選択マスクから選択成長を行うと、隣接する開口
部から成長するGaN系半導体層は成長とともに会合
し、会合部は選択マスク上に形成される。この部分の結
晶層は下地の窒化ガリウム層とはマスクにより縦方向に
不連続になっており、開口部上に成長した部分よりも薄
く弱い。よって、何らかの機械的な力(例えば、レーザ
ーアブレーションでサファイア基板から素子を剥離する
ダメージ)などの衝撃で割れやすい。特に、選択マスク
の中央部に貫通転位が集中して形成されるため、特に弱
く、割りやすい。また、逆に選択マスク上のこの転位が
集中した領域を避けた部分は基本的に横方向成長により
転位密度が低く、上記の貫通転位で素子をへき開するよ
うにすると非常に平坦で且つ結晶の損傷が抑制された素
子端面を得ることが出来る。このとき、基板から素子を
剥離する工程と、素子を分離する工程を同時に行うこと
ができ、良好な素子端面を簡便に作製することもでき
る。
【0010】また、基体上に形成した結晶成長種から選
択成長によって形成するGaN系半導体層は、各結晶成
長種から成長するGaN系半導体層の会合部で欠陥密度
が高くる。この欠陥密度が高い領域では機械的強度が低
いことから、この会合部で素子を分離することで容易に
素子分離することができる。さらに、この会合部の下側
には空隙が形成されることから素子分離をさらに容易な
ものとすることができ、結晶成長種を素子のサイズに応
じて形成しておくことで、基体上に複数の素子が形成さ
れた場合でも同時に素子を分離することができる。レー
ザーアブレーションによる素子を剥離する工程と素子を
分離する工程を同時に行うことも可能であり、製造工程
を簡略化することができ、高品質の半導体素子を製造す
ることができる。
【0011】
【本発明の実施の形態】本発明の半導体素子は、開口部
が形成された選択成長マスクを用いて形成されるGaN
系化合物半導体素子であって、前記選択マスク上の脆弱
部で分離されることを特徴とする。特に、選択マスク上
に集中して形成される貫通転位でへき開することによっ
て、平坦で結晶層の損傷が少ない端面を共振面とする半
導体レーザー素子を作製することができる。
【0012】先ず、本発明で用いる基板は、ウルツ鉱型
の化合物半導体層を形成し得るものであれば特に限定さ
れず、種々のものを使用できる。例示すると、基体とし
て用いることができるのは、サファイア(Al
A面、R面、C面を含む。)、SiC(6H、4H、3
Cを含む。)、GaN、Si、ZnS、ZnO、Al
N、LiMgO、LiGaO、GaAs、MgAl
、InAlGaNなどからなる基板などであり、好
ましくはこれらの材料からなる六方晶系基板又は立方晶
系基板であり、より好ましくはは六方晶系基板である。
例えば、サファイア基板を用いる場合では、窒化ガリウ
ム(GaN)系化合物半導体の材料を成長させる場合に
多く利用されているC面を主面としたサファイア基板を
用いることが出来る。この場合の基板主面としてのC面
は、5乃至6度の範囲で傾いた面方位を含むものであ
る。半導体デバイスの製造に広く使用されているシリコ
ン基板などを利用することも可能である。
【0013】選択成長させる選択マスクの下層としての
基体は前記基板自身であっても良いが、選択時に良好な
結晶性を得るためにはバッファ層などの下地成長層を含
めることができる。この下地成長層としては、化合物半
導体層を選択することができ、後の工程でファセット構
造を形成する場合にはウルツ鉱型の化合物半導体を選ぶ
ことが好ましい。窒化物半導体からなる結晶層として
は、例えばIII族系化合物半導体やBeMgZnCd
S系化合物半導体、BeMgZnCdO系化合物半導体
を用いることができ、更には窒化インジウム(InN)
系化合物半導体、窒化インジウムガリウム(InGa
N)系化合物半導体、窒化アルミニウムガリウム(Al
GaN)系化合物半導体を好ましくは形成でき、特に窒
化ガリウム系化合物半導体などの窒化物半導体などが好
ましい。
【0014】選択成長によって結晶成長する半導体層の
うち、基体上に形成される第1導電型層はp型又はn型
の導電型を有する半導体層であり、第2導電型層はその
反対の導電型である。例えば、GaN系半導体層で構成
される半導体発光素子を作製する場合、n型クラッド層
としてシリコンドープの窒化ガリウム系化合物半導体層
を形成し、その上にInGaN層を活性層として形成
し、さらにその上にp型クラッド層としてマグネシウム
ドープの窒化ガリウム系化合物半導体層を形成してダブ
ルへテロ構造をとることができる。活性層であるInG
aN層をAlGaN層で挟む構造とすることもでき、活
性層の片側にAlGaN層を設けることも可能である。
また、活性層は単一のバルク活性層で構成することも可
能であるが、単一量子井戸(SQW)構造、二重量子井
戸(DQW)、多重量子井戸(MQW)構造などの量子
井戸構造を形成するものであっても良い。量子井戸構造
には必要に応じて量子井戸を分離するための障壁層が併
用される。活性層をInGaN層とした場合には、特に
製造工程上も製造し易い構造となり、素子の発光特性を
良くすることが出来る。
【0015】具体的な選択成長法としては、下地成長層
の上にマスク層を形成し、そのマスク層を選択的に開口
することにより開口部を有する選択マスクを形成した
後、選択成長することができる。マスク層は例えば酸化
シリコン層或いは窒化シリコン層によっても構成するこ
とができる。半導体素子が略六角錐台形状や略六角錐形
状が直線状に延在された形状である場合は、一方向を長
手方向とするような開口部を選択マスクに形成すればよ
い。また、半導体素子が、六角錐形上、六角錐台形形状
など底面が多角形状で複数の傾斜結晶面を有する形状で
ある場合には、選択マスクの開口部を六角形状にすれば
よい。選択成長法は開口部からの結晶成長に限定され
ず、基体表面に形成された結晶成長種から結晶成長を行
うこともできる。
【0016】本発明で選択成長する化合物半導体層の成
長方法としては、種々の気相成長方法を上げることがで
き、例えば、有機金属化合物気相成長法(MOCVD
(MOVPE)法)や分子線エピタキシー法(MBE
法)などの気相成長法や、ハイドライト気相成長法(H
VPE法)を用いることができる。その中でもMOVP
E法によると、迅速に結晶性の良いものが得られる。M
OVPE法では、GaソースとしてTMG(トリメチル
ガリウム)、TEG(トリエチルガリウム)、Alソー
スとしてはTMA(トリメチルアルミニウム)、TEA
(トリエチルアルミニウム)、Inソースとしては、T
MI(トリメチルインジウム)、TEI(トリエチルイ
ンジウム)などのアルキル金属化合物が多く使用され、
窒素源としてはアンモニア、ヒドラジンなどのガスが使
用される。また、不純物ソースとしてはSiであればシ
ランガス、Geであればゲルマンガス、MgであればC
p2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)、Zn
であればDEZ(ジエチルジンク)などのガスが使用さ
れる。MOVPE法では、これらのガスを例えば600
℃以上に加熱された基板の表面に供給して、ガスを分解
することにより、InAlGaN系化合物半導体をエピ
タキシャル成長させることができる。
【0017】また、選択成長マスクを用いて選択成長す
る場合であって、選択マスク開口部の上だけに成長する
際には横方向成長が存在しないため、マイクロチャネル
エピタキシーを用いて横方向成長させ窓領域より拡大し
た形状にすることが可能である。このようなマイクロチ
ャネルエピタキシーを用いて横方向成長したほうが貫通
転位を避けやすくなり、転位が減ることがわかってい
る。また、このような横方向成長により発光領域も増大
し、さらに電流の均一化、電流集中の回避、及び電流密
度の低減を図ることができる。
【0018】さらに、開口部から横方向成長によって結
晶成長を行った場合、下地成長層であるGaN層と基板
の界面、若しくは基板上にバッファ層が形成されている
場合はバッファ層と下地成長層GaN層の界面で貫通転
位が発生することがわかっている。この貫通転位は、開
口部上方の成長層表面にまで伝播する。一方、選択マス
ク上に横方向成長した領域では、下地のGaN層の転位
は選択マスク層でその伝播を阻害されるため、選択マス
ク層の上方の成長層の貫通転位は開口部上方の成長層に
比較して非常に少ない。例えば、マスク領域での転位密
度は5×10cm−2であり、開口部領域での3×1
cm−2より少ない。さらに、選択マスク領域上方
に形成される結晶層に内在する貫通転位は、隣り合う開
口部に挟まれた選択マスクの略中央付近に集中して伝播
する傾向がある。一方、開口部に挟まれた選択マスク上
の中央付近から開口部に至る選択マスク上の領域では比
較的転位密度が低くなっており、良好な結晶質を有して
いる。
【0019】よって、本発明は、開口部に挟まれた選択
マスクの中央付近に形成され貫通転位が集中した部分
で、選択成長した半導体層を分離することにより容易に
分離面を形成することができる。さらに、選択成長した
半導体層のうち選択マスク上に横方向成長した半導体層
は、選択マスクにより下地成長層と縦方向に不連続にな
っており、機械的強度が低い領域でもある。特に、貫通
転位が集中した部分で半導体層をへき開することによっ
て容易に素子を分離することが可能となり、平坦で損傷
の少ない素子分離面を形成することができる。本発明
は、選択成長によって形成され結晶層を有していれば如
何なる半導体素子にも適用可能であるが、特に半導体レ
ーザー素子などの半導体発光素子に対しては分離した面
を共振面とすることにより高性能の半導体レーザー素子
を作製することができる。以下、本発明の実施形態につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】[第1の実施形態]先ず、図1乃至図8を参
照しながら、本実施形態では半導体素子の一例として半
導体レーザー素子について説明する。図1は基体上にマ
スク層を形成し、半導体層を選択成長させる開口部を形
成した状態を示す平面図(a)及び断面図(b)であ
る。本実施形態の選択成長前において、基板12と下地
成長層13との積層体である基体11上に、シリコン酸
化膜からなる選択成長マスク14が形成される。基体1
1は、具体的にはその主面をC面とするサファイア基板
12上に、下地成長層13として、アンドープGaN層
13を積層した積層構造体である。このとき、下地成長
層13はシリコンドープのGaN層であっても良い。選
択成長マスク14にはストライプ状に開口した開口部1
5がレジストマスクの形成後フッ酸系のエッチングによ
り形成される。
【0021】このように細長い帯状の開口部15が形成
されたところで、図2に示すように、開口部15を臨む
下地成長層13からGaN層16が選択成長され、更に
GaN層16が選択成長マスク14の表面に沿って横方
向成長する。更に成長が進むと、隣り合った開口部15
からそれぞれ横方向成長するGaN層16が開口部15
に挟まれた選択成長マスク14の略中央部で会合し、更
に横方向成長が進展し、図3に示すように下地成長層で
あるGaN層13の結晶面と平行な結晶面を有するGa
N層16が形成される。このとき、GaN層16の上側
の結晶面は平坦であり略C面を有するように形成され
る。
【0022】図4は選択成長マスク14近傍の拡大断面
図であって、貫通転位の分布状態を模式的に示した断面
図である。GaN層16に形成される貫通転位17は、
選択成長マスク14の略中央部に形成されたGaN層1
6aに集中して形成される。選択マスク14上であっ
て、選択マスク14の中央部から開口部15にかけての
領域であるGaN層16bでは貫通転位がほとんど形成
されない。一方、開口部15上方のGaN層16cで
は、横方向成長しない場合と比べ貫通転位の密度は低く
なる傾向にあるが、GaN層16bと比較すると貫通転
位密度は高くなる。下地成長層13から伸びる貫通転位
17は、開口部15に臨む領域に形成されるGaN層1
6cに伝播するが、選択成長マスク14上に形成される
GaN層16の領域ではその伝播が選択マスク14で抑
制されることになる。GaN層16は開口部15から横
方向成長によって選択マスク14の表面に沿って成長す
ることから、選択マスク14の端部で貫通転位が曲げら
れ、選択マスク14の表面にそって延びる貫通転位17
はその反対側から伝播する貫通転位と選択マスク14の
略中央付近で会合し、上方に伸びることになる。よっ
て、GaN層16のうち選択マスク14の略中央付近で
は転位密度が高い領域16aが形成されることになる。
GaN層16aを含み、図4の紙面に対して垂直な方向
に列状に貫通転位17の密度が高い領域が形成され、G
aN層16中で転位密度が高い領域が面状に分布するこ
とになる。また、選択マスク14上のGaN層16のう
ち、選択マスク14の略中央領域から端部にかけての領
域16bでは転位密度が非常に低く結晶質が高いGaN
層16が形成される。
【0023】GaN層16を形成した後、シリコンドー
プのGaN層18を形成し、その上にInGaN層を活
性層19として形成し、更にその上にp型クラッド層と
してマグネシウムドープのGaN層20を形成してダブ
ルへテロ構造をとることができる。さらにその上にp型
クラッド層20と電極層22とのオーミック接触をとる
ためのコンタクト層21をNi、Pdなどの金属材料で
形成した後、電極層22を蒸着法などによって形成し、
図5に示すような積層構造体が形成される。電極層22
は、Pt、Auなどの金属材料若しくはこれらの積層構
造とすることができる。活性層19は単一のバルク活性
層で構成することも可能であるが、障壁層を配置した多
重量子井戸構造にしてもよい。素子の機能に応じて、n
型クラッド層18及びp型クラッド層20を多層構造に
することもできる。例えば、本実施形態のように半導体
レーザー素子を作製する場合、AlGaNクラッド層及
びGaNガイド層を積層してn型半導体層18を形成
し、さらにp型半導体層20をAlGaN層、GaNガ
イド層及びAlGaNクラッド層からなる多層構造とす
ることも可能である。また、GaN層16上に形成する
結晶層は本実施形態の構造に限らず、作製する素子に応
じて様々な構造をとることができる。
【0024】次に、p側電極22が形成された該積層構
造体の上側からRIE(反応性イオンエッチング)を行
い、リッジ構造を形成する。このとき、GaN層16上
に形成されたp側電極22及び結晶層から成る該積層構
造体を選択マスク14の中央部から隣り合う選択マスク
14の端部の上方にかけて除去する。このとき、n型ク
ラッド層18が残るようにリッジ構造を形成する。この
ようにして、図6に示すように、n型クラッド層18、
活性層19、p型クラッド層20、p側電極22を除去
してリッジ構造が形成されることになる。このとき、エ
ッチングにより除去したn型クラッド層18の表面にn
電極23を形成しておくことができる。n電極23は蒸
着方法によって、Ti、Al、Pt、Auなどの金属材
料を蒸着して形成することができ、これらの金属材料を
組み合わせて形成しても良い。
【0025】ところで、すでに述べたように選択マスク
14の中央付近のGaN層16には貫通転位17が図6
の紙面に対して垂直な方向で列状に形成されている。こ
のため、選択マスク14の中央付近のGaN層16は機
械的強度が低い脆弱部を有している。さらに、下地成長
層13とGaN層16が選択マスク14により縦方向に
不連続になっており、GaN層16の厚みが薄くなって
いることにより選択マスク14上は更に機械的強度が低
下している。また、選択マスク14の中央部から端部に
かけてのGaN層16では転位密度が低く良好な結晶性
を有している。よって、GaN層16の厚みが薄くなっ
ていることと、選択マスクの中央部の上で貫通転位17
の密度が高くなっていることを利用して、選択マスク1
4中央部のGaN層16でへき開することにより容易に
素子を分離することができる。へき開はサファイア基板
12とともに行っても良いが、サファイア基板12は硬
度が高いので、へき開を容易にするためには一旦GaN
層13をサファイア基板12から剥離した後、へき開す
れば良い。このとき、エッチングやダイシングによって
素子の分離を行わないので、平坦で且つ結晶層の損傷が
小さい分離面を容易に形成することができる。さらに、
この分離面を半導体レーザー素子の共振面とすることに
より高性能の半導体レーザー素子を形成することができ
る。また、サファイア基板12から素子を剥離しておく
ことで、繰り返しサファイア基板12を使用することが
でき、製造コストの低減にもつながる。
【0026】さらに、サファイア基板12とGaN層1
3を剥離する工程と、分離面を形成する工程を同時に行
うこともできる。例えば、図7に示すように、サファイ
ア基板12の裏面からGaN層13とサファイア基板1
2の界面に、エキシマレーザー光Lなどのエネルギービ
ームを照射することによって、素子剥離と素子分離を同
時に行うことができる。サファイア基板12の裏面から
エキシマレーザー光Lを照射すると、サファイア基板1
2近傍のGaN層13はエキシマレーザー光Lのエネル
ギーを吸収し、GaN層13のうち基板12との界面近
傍のGaNが金属GaとNガスに分解され、基板12
とGaN層13の接合力が低下する。このとき、GaN
が分解される際に発生する応力によって、該積層構造体
の内部に内部応力が発生し、その応力は選択成長マスク
14上の貫通転位17が集中している領域に加わり、G
aN層13がサファイア基板12から剥離されると同時
に貫通転位17でへき開されて、図8に示すように個々
の素子に分離されることになる。また、分解時にN
スが発生した際の体積膨張による応力が貫通転位17に
加わることによってへき開を行うこともできる。貫通転
位17が高い密度で形成された部分でへき開することに
よって、平坦な分離面を素子端面とすることができ、エ
ッチングやダイシングによる素子分離と比較して、結晶
層の損傷を抑制することができる。
【0027】[第2の実施形態]次に、図9乃至図14
を参照しながら本実施形態の半導体レーザー素子につい
て詳細に説明する。図9は、基体41上にマスク層44
を形成し、半導体層を選択成長させる開口部を形成した
状態を示す平面図(a)及び断面図(b)、(c)であ
って、断面図(b)は平面図(a)のb−b’線断面図
であり、断面図(c)は平面図(a)のc−c’線断面
図である。本実施形態の選択成長前において、サファイ
ア基板42と下地成長層43との積層体である基体41
上に、シリコン酸化膜からなる選択マスク44が形成さ
れる。基体41は、具体的にはその主面をC面とするサ
ファイア基板42上に、下地成長層43としてGaN層
43を積層した積層構造体である。選択マスク44には
ストライプ状に開口した開口部45がレジストマスクの
形成後、フッ酸系のエッチングにより形成される。図9
(a)に示すように、ストライプ形状の開口部45が縦
横にそれぞれ等間隔で規則的に形成され、同時に複数の
素子を形成できるようになっている。本実施形態ではス
トライプ状の開口部45について説明するが、開口部4
5の形状は選択マスク44上に横方向成長させた結晶成
長層を形成できれば良く、具体的には、円形、六角形、
三角形、その他多角形状及びそれらの変形形状とするこ
とができる。
【0028】次に、図10に示すように、開口部45か
らGaN層46を成長させる。GaN層46は開口部4
5から選択マスク44の表面に沿って、ストライプ形状
の開口部45の長手方向とその長手方向と垂直な方向に
向かって成長する。隣り合った開口部45から成長した
GaN層46が各開口部45に挟まれた選択マスク44
上の略中間領域で会合し、更に結晶成長を続けるとGa
N層46は高さ方向にも成長し、上側の結晶面が略平坦
なGaN層46が形成される。更にGaN層46の上に
シリコンドープのn型GaN層47、n型AlGaNク
ラッド層48、n型GaNガイド層49を形成する。更
に、発光領域となる活性層50としてInGaN層から
なる多重量子井戸構造を形成する。続いて、p型AlG
aN層51、p型GaNガイド層52、及びp型AlG
aNクラッド層53を順次形成し、最後にp型AlGa
Nクラッド層53とp側電極55とのオーミック接触を
とるためのp側コンタクト層54を形成し、その上にp
側電極55を形成し、図11に示すような積層構造体が
形成される。
【0029】このとき、ストライプ形状の開口部45の
長手方向と、長手方向と垂直な方向に沿って、GaN層
46には貫通転位56が集中して形成される。このと
き、開口部45に挟まれた選択マスク44の略中間領域
上のGaN層46に貫通転位56が集中して形成され
る。貫通転位56が並んで存在する貫通転位列57は、
選択成長マスク44に略垂直な面内に並んで形成され
る。貫通転位56は機械的強度が低いことから、貫通転
位列57を含む面状の領域はへき開され易い面となる。
【0030】また、開口部45から横方向成長させたG
aN層46では、横方向成長しない場合と比べて選択マ
スク44上の貫通転位の密度が低くなる傾向にある。下
地結晶層43から伸びる貫通転位56は開口部45領域
ではそのまま上方に成長されるGaN層46に伝播する
が、選択マスク44上の領域ではその伝播が選択マスク
44で遮られることになる。さらに、GaN層46は開
口部45から横方向成長によって選択マスク44の表面
に沿って成長することから、選択マスク44の端部で貫
通転位が曲げられ、マスク44の表面にそって延びる貫
通転位はその反対側から延びる貫通転位とマスク44の
中央付近で会合し、上方に延びることになる。よって、
選択マスク44の中央付近では貫通転位の密度が高い領
域ができることになる。一方、選択マスク44上のGa
N層46のうち、その中央付近から開口部45の端部に
かけての領域では転位密度が非常に低くなり、結晶質が
高いGaN層46が形成されることになる。また、この
貫通転位56は列状に分布しており、貫通転位列57を
形成する。この貫通転位列57は各開口部45を囲むよ
うに形成されるので、後述するように、各開口部45毎
に一素子が形成されるようにした場合、貫通転位列57
に沿ってへき開することによって一素子毎に素子を分離
することができ、同時に複数の素子を分離できることに
なる。
【0031】次に、p側電極55を形成した側からRI
Eなどのエッチングによりリッジ構造を形成する。図1
2に示すように、先ず、開口部45の長手方向に沿っ
て、該積層構造体を除去する。長手方向と垂直な方向へ
のエッチング幅は、開口部45の長辺から該開口部45
の長辺と垂直な方向に形成され隣り合う開口部45との
略中間までとり、長辺に平行に積層構造体の一部を除去
する。エッチングの深さは、GaN層46が一定の厚さ
で残留するまで該積層構造体を除去すれば良い。開口部
45上の該積層構造体は除去され、選択マスク44の中
央付近に集中する貫通転位列57を境界として、選択マ
スク44上の貫通転位密度が低い領域の積層構造体は除
去されずに残ることになる。
【0032】次に、貫通転位列57を含む面が素子分離
面になるようにへき開し、個々の素子に分離する。貫通
転位列57は、各開口部45で挟まれた選択マスク44
の略中間付近で、開口部45から横方向成長してきたG
aN層46が会合し形成される。よって、貫通転位列5
7は任意の開口部45を取り囲むように分布しており、
基板12を含めその上に形成されている積層構造体に応
力を加えると、貫通転位列57に沿ってへき開すること
ができる。一般にGaN系半導体の硬度は高いが、貫通
転位列57は、転位を含まない良質のGaN層46と比
較すると機械的強度は低い。よって、基板42を含む該
積層構造体に応力が加わると、貫通転位列57を境界と
してへき開される。へき開によって素子を分離した場
合、エッチングやダイシングによる素子分離と比較し
て、分離面の損傷を抑えることができるので、非常に平
坦な素子分離面を形成することができる。さらに、素子
分離面に近いGaN層46は、転位密度が非常に低い傾
向にある。よって、素子分離面が平坦なだけでなく、素
子分離面近傍の結晶質が非常に高い半導体素子を形成す
ることができる。特に、活性層で発生した光を共振面で
反射してレーザー発振させる半導体レーザー素子におい
ては、活性層と垂直な向きに形成された素子分離面を素
子端面することによって、平坦で且つ結晶層の損傷が少
ない共振面を形成することができ、高性能の半導体レー
ザー素子を作製することができる。
【0033】一方、サファイア基板42から素子を剥離
した後、素子を分離することもできる。例えば、サファ
イア基板42の裏面からサファイア基板42と下地結晶
層であるGaN層43の界面にエネルギービームを照射
することによって該界面でアブレーションが起こり、該
界面で素子を剥離すると同時に素子を分離することも出
来る。先ず、サファイア基板42の裏面から、エキシマ
レーザー光などのエネルギービームを照射する。サファ
イア基板42はエキシマレーザー光の波長域のエネルギ
ーを吸収しないので、エキシマレーザー光はサファイア
基板42を透過し、サファイア基板42と下地成長層で
あるGaN層43の界面に到達する。サファイア基板4
2の表面に結合していたGaNはエキシマレーザー光の
エネルギーを吸収し、金属GaとNに分解し、サファ
イア基板42とGaN層43の結合力が低下する。この
とき、GaNが分解するときに発生したガスによって、
基板42及び基板42上に形成された積層構造体に内部
応力が発生し、結合力が低下したサファイア基板42と
GaN層43との界面で素子の剥離を行うことが出来
る。このとき、貫通転位56は他の正常な結晶層と比較
して機械的強度が低いので、貫通転位列57に沿って選
択的に素子の分離が行われることになる。また、貫通転
位列57は選択マスク44の中央付近の上方に形成され
たGaN層46に集中して存在することから、貫通転位
56が列状に並んだ領域をへき開面として非常に平坦な
素子分離面が形成されることになる。
【0034】図13に本実施形態における半導体レーザ
ー素子について、素子分離後の素子外形の斜視図を示
す。該素子はストライプ形状の開口部45の長手方向に
平行に延在する結晶層を積層した構造を有している。ま
た、n側電極58は、積層構造体を除去し、n型GaN
層47が露出した領域に形成することができる。貫通転
位56に沿ってへき開した素子端面は非常に平坦であ
り、結晶層の損傷も抑制される。さらに、活性層50に
対して略垂直に形成されるので、高性能の半導体レーザ
ー素子を作製することができる。
【0035】[第3の実施形態]次に、活性層を形成す
る半導体層が、基体の主面に対して傾斜した傾斜結晶層
を有する半導体レーザー素子について図14乃至図18
を参照しながら詳細に説明する。選択成長前において
は、図14に示すように、サファイア基板82と下地成
長層83との積層体である基体81上に、シリコン酸化
膜からなる選択マスク84が形成される。基体81は、
具体的にはその主面をC面とするサファイア基板82上
に、例えばアンドープGaN層若しくはシリコンドープ
のGaN層を積層した構造体である。基体81を構成す
る基板82は、ウルツ鉱型の化合物半導体層を形成し得
るものであれば特に限定されず、種々のものを使用でき
る。例示すると、基体として用いることができるのは、
サファイア(Al、A面、R面、C面を含
む。)、SiC(6H、4H、3Cを含む。)、Ga
N、Si、ZnS、ZnO、AlN、LiMgO、Li
GaO、GaAs、MgAl、InAlGaN
などからなる基板などであり、好ましくはこれらの材料
からなる六方晶系基板又は立方晶系基板であり、より好
ましくは六方晶系基板である。例えば、サファイア基板
を用いる場合では、窒化ガリウム(GaN)系化合物半
導体の材料を成長させる場合に多く利用されているC面
を主面としたサファイア基板を用いることが出来る。こ
の場合の基板主面としてのC面は、5乃至6度の範囲で
傾いた面方位を含むものである。半導体デバイスの製造
に広く使用されているシリコン基板などを利用すること
も可能である。
【0036】選択マスク84にはストライプ状に開口し
た開口部85がレジストマスクの形成後フッ酸系のエッ
チングにより形成される。本実施形態のストライプ状の
開口部85の長手方向に沿った稜線を有する結晶成長を
図るためには、該長手方向を[1−100]方向若しくは
[11−20]方向とすればよい。また、これらの方向の
いずれかより0.2度以上で20度以下の角度だけ傾い
た方向に結晶成長することもできる。
【0037】このように細長い帯状の開口部85が形成
されたところで、図15に示すように、選択成長により
GaN層86が形成される。更に結晶成長が進むと開口
部85の短辺側から成長する傾斜結晶層は、隣り合う開
口部85の短辺側から結晶成長した傾斜結晶層と会合す
る。また、長辺側から成長する傾斜結晶面は、長辺に垂
直な方向で隣り合う開口部との間隔を十分に取っておけ
ば会合することなく結晶成長を続ける。
【0038】開口部85の短辺側から成長する傾斜結晶
面の会合がさらに進むと、隣り合う開口部85からそれ
ぞれ結晶成長してきた結晶層の稜線が長手方向に沿って
直線状になるようにGaN層86が会合し、図16に示
すように、開口部85の長手方向に沿って一つの稜線9
5を有し、且つ稜線95から両側に延在する傾斜結晶面
を有するGaN層86が形成される。このとき、必ずし
も稜線を有するように結晶成長する必要はなく、温度や
結晶を構成する材料の濃度などの結晶成長条件を調整す
ることにより断面形状が略台形の結晶層を形成しても良
い。このとき、該傾斜結晶面は好ましくはS面{1−1
01}面)若しくは{11−22}面であることが望まし
い。特に、GaN系半導体ではS面を形成するように結
晶成長することによって欠陥が抑制された結晶層を成長
させることができるとともに、その上に形成される結晶
層も安定してS面を有するように結晶成長させることが
可能ある。このS面は選択成長時には安定して形成され
る面である。
【0039】次に、1つの稜線を有し、基板主面に対し
て傾斜した傾斜結晶層であるGaN層86上に、シリコ
ンドープのGaN層87を形成する。更にその上に、活
性層となるInGaN層88が形成される。InGaN
層88の上にはp型クラッド層としてマグネシウムドー
プのGaN層89が形成される。基板82の主面に対し
て傾斜した傾斜結晶層で構成され、この積層構造体が開
口部85の長手方向に延在された断面上三角形の形状を
有する積層構造体が形成される。その上にp側電極91
とp層89とのオーミック接触をとるためのp側コンタ
クト層90を形成し、さらにp側電極91を形成する。
p側電極91は、蒸着法により、Pt、Au及びこれら
を積層することによって形成することができる。
【0040】また、選択成長によって形成されるGaN
層86はp型又はn型のクラッド層にすることができ、
例えば、S面を構成する結晶層をシリコンドープの窒化
ガリウム系化合物半導体層によって構成した場合では、
本実施形態のようにn型クラッド層をシリコンドープの
窒化ガリウム系化合物半導体によって構成することがで
きる。尚、GaN系半導体はノンドープでも結晶中にで
きる窒素空孔のためにn型となる性質があるが、通常S
i、Ge、Seなどのドナー不純物を結晶成長中にドー
プすることでキャリア濃度の好ましいn型とすることが
できる。活性層88は、n型クラッド層であるシリコン
ドープのGaN層87の上にInGaN層によって形成
される。活性層88は断面上三角形の形状を有する傾斜
結晶面上にS面を有するように形成される。その上に後
述するp型クラッド層としてマグネシウムドープのGa
N系化合物半導体層を形成してダブルへテロ構造を形成
することができる。活性層であるInGaN層88をA
lGaN層で挟む構造や片側だけにAlGaN層を形成
する構造とすることも可能である。例えば、S面を形成
するように選択成長されたn型GaN層の上にn型Al
GaNクラッド層、n型GaNガイド層を形成する。更
に、活性層としてInGaN層を形成し、続いてp型A
lGaN層、p型GaNガイド層及びp型AlGaNク
ラッド層を積層した構造とすることもできる。
【0041】また、活性層88は単一のバルク活性層で
構成することも可能であるが、単一量子井戸(SQW)
構造、二重量子井戸(DQW)構造、多重量子井戸(M
QW)構造などの量子井戸構造を形成したものであって
も良い。量子井戸構造には必要に応じて量子井戸の分離
のための障壁層が併用される。活性層88をInGaN
層とした場合には、特に製造工程上も製造し易い構造と
なり、発光素子の場合には発光特性を良くすることがで
きる。さらに、このInGaN層は、窒素原子の脱離し
難い構造であるS面の上での成長では特に結晶化し易く
しかも結晶性も良くなり、発光効率を上げることが出来
る。
【0042】開口部85の短辺側に形成された会合部は
開口部85に挟まれた選択マスク84の略中間領域で形
成される。下地成長層83から伝播する貫通転位92は
開口部85の上方のGaN層86に伝播し,この領域の
GaN層86の転位密度は高くなる。一方、選択マスク
上方に横方向成長して形成されるGaN層86は、選択
マスク84で貫通転位92が曲げられることによって転
位密度が低い領域となり、結晶質は良好である。下地成
長層83から伸びる貫通転位92は選択マスクで遮ら
れ、選択マスク上方の結晶層には伝播しないが、開口部
85から伝播する貫通転位92が選択マスクで曲げら
れ、選択マスク84の上方の結晶層86に伝播し、選択
マスク84の中央付近に集中して伸びる。選択マスク8
4の中央付近に集中する貫通転位92は列状に分布し、
貫通転位列94を形成する。貫通転位列94は機械的強
度が低いことから、基板82を含めた該積層構造体に応
力を加えることによって、貫通転位列94でへき開する
ことができ、容易に素子を分離することができる。この
素子分離面は平坦で且つ結晶の損傷が少なく、この面を
共振面とすることで高性能の半導体レーザー素子を作製
できる。また、基板としてバルクのGaN半導体層を用
いることによってさらに容易にへき開が可能になる。
【0043】また、図17に示すように、アブレーショ
ンによって基板82からGaN層83を剥離すると同時
に素子を分離することもできる。基板82の裏面からエ
キシマレーザー光Lなどのエネルギービームを照射する
と、GaN層83でエキシマレーザー光のエネルギーの
吸収が起こり、基板82との界面でGaNが分解して基
板82とGaN層83との接合力が低下して素子が剥離
される。このとき発生する熱やGaNの分解時に発生す
るNガスによる応力が貫通転位列94に加わり、貫通
転位列94で素子を分離することができる。また、n側
電極93は、図18に示すように、選択マスク84の一
部をエッチングし、GaN層83を露出させた後に、n
側電極93とn型GaN層83がコンタクトするように
該傾斜結晶層と同じ側に形成してもよいが、基板82か
ら素子を剥離した剥離面に形成することもできる。
【0044】特に、本実施形態のように、S面を備える
ように形成された傾斜結晶層は、基板に対して平行な結
晶層から構成されるプレーナ−型の半導体レーザー素子
に比べて結晶性が良好であり、且つ活性層の実質的な面
積を大きくとることができるので高い発光効率の半導体
レーザー素子を作製できる。さらに、貫通転位列に沿っ
てへき開し、そのへき開面を素子端面とすることでレー
ザー発振させるための共振面を容易に形成することが可
能である。
【0045】[第4の実施形態]本実施形態の半導体素
子について、図19乃至図24を参照しながら説明す
る。本実施形態は、基板上に形成されたGaN層若しく
はバルクのGaN層を選択的に除去することによって、
結晶成長種を形成し、該結晶成長種から成長される結晶
層の会合部に形成される転位などの欠陥に沿ってへき開
し、素子を分離することを特徴とする。
【0046】本実施形態では、第1のGaN系化合物半
導体層を選択的に除去し、エッチングなどによって形成
された凸部を結晶成長種として、第2の窒化ガリウム系
化合物半導体層を形成する。結晶成長種から成長する第
2のGaN系半導体層は横方向に成長し、隣り合う結晶
成長種から成長してくる第2のGaN系半導体層と会合
し、一体の結晶層を形成する。結晶成長種から横方向に
成長した第2のGaN系半導体層の下側に空隙が形成さ
れ、下地成長層である第1のGaN系半導体層と不連続
になっている。この不連続性によって第1のGaN系半
導体層から第2のGaN系半導体層への転位の伝播を防
止することができ、転位などの欠陥を殆ど含まないGa
N系半導体層を形成することができる。さらに、GaN
系半導体層の会合領域では欠陥密度が高いことから、そ
の領域でへき開することで容易にへき開が可能であり、
平坦な素子端面を形成することができる。
【0047】先ず、図19に示すように、本実施形態で
は基板112上に第1のGaN系化合物半導体層として
GaN層113を形成した後、RIE(反応性イオンエ
ッチング)を用いて、選択的にGaN層113を除去
し、GaN層113の凸部114を形成する。本実施形
態で用いられる基板112は、一例として、基板主面を
C+面若しくはC面とするサファイア基板が使用される
が、窒化物半導体の結晶成長で一般的に使用されるサフ
ァイア基板に限定されるものではなく、他の異種基板も
しくは他の窒化物半導体基板でも良い。また、凸部11
4の側面は基板主面に対して垂直に形成されるだけでな
く、基板主面に対して傾斜した面にすることもできる。
本実施形態では凸部114の形状は、矩形状としている
が、円形状、楕円状、正方形状、六角形状、三角形状、
菱形、その他の多角形及びこれらの変形形状にすること
もできる。また、凸部114の上側の面と、エッチング
によって除去されたGaN層113の底部115との高
低差が30nm以上、若しくは高低100nm以上であ
ることが望ましく、エッチングはGaN層113の層内
だけで形成されるに限らず、GaN層113を除去した
領域で基板112の一部が臨んでいても良い。
【0048】また、GaN層113の凸部114と底部
115からなる凹凸部を例えばエッチングで形成した際
に、大きく削れるようにすることで空隙を形成すること
ができる。GaN層113に内在する貫通転位上に空隙
を形成するには、貫通転位部を選択的に腐食するような
気相中や液相中でのエッチングを用いれば良い。凸部1
14を結晶成長種として結晶層を選択成長した場合に
は、貫通転位上の凹部が空隙として残ることがあり、貫
通転位部が空隙で終端する構造にすることができる。
【0049】このようにして作製した基体111を有機
金属気相成長装置のなかに導入し、窒素原料であるアン
モニアとキャリアガスとして水素と窒素を流しながら昇
温し、1020℃でGa原料であるトリメチルガリウム
を供給する。暫く成長すると凸部114からの横方向成
長が生じ、図20に示すように、結晶成長が開始されて
シリコンドープのGaN層116が形成される。このと
き、第1のGaN層113がエッチングされた底部11
5の上側は、そのまま空隙117となり、この空隙部分
はGaN層116に対して下側から伸びる貫通転位を遮
断するように機能する。
【0050】更に成長を続けると図21に示すように凸
部114から成長したGaN層116が1つの平面を形
成するように会合する。このようにして、基板112の
主面と平行な面を備えるGaN層116が形成される。
ここで、隣り合う凸部114から横方向成長したGaN
層116の会合部ではGaN層の他の領域に比較して転
位118などの欠陥が集中して形成され、機械的強度が
低い。また、会合部の下側は空隙117になっており、
他のGaN層116領域に比較して厚さが薄いので欠陥
の密度が低いGaN層と比べ機械的強度は低い。
【0051】次に、図22に示すように、n型GaN層
116の上には活性層119、及びマグネシウムドープ
のGaN層120を形成し、p側電極122とp型Ga
N層120とのオーミック接触をとるためにコンタクト
層121を設け、その上にp側電極122を形成する。
特に、半導体レーザー素子を作製する場合には、GaN
層116の上に、n型AlGaNクラッド層、n型Ga
Nガイド層及び活性層としてInGaN層から構成され
る多重量子井戸構造が形成することもできる。多重量子
井戸構造はInGaNのInの組成比を変えることによ
ってエネルギーバンドギャップを変更したInGaN層
を障壁層とし、キャリアーを高い効率で発光領域に閉じ
込めることが可能となり、発光効率を高めることができ
る。
【0052】次に、図23に示すように、RIEなどに
よってp側電極122を形成した側からエッチングによ
ってリッジ構造を形成する。凸部114の略中央付近か
ら貫通転位列118が形成されるGaN層116までを
除去する。除去する深さは、n型GaN層116が一定
の厚さで残るようにすれば良い。このとき、凸部114
からは貫通転位が伝播し難いことから、凸部114から
選択成長されたGaN層116は転位など少なく、非常
に良好な結晶質を有する。このとき、エッチングによっ
て除去したGaN層116の露出した面にn側電極を形
成しておいてもよい。
【0053】さらに、基板112の裏面からエキシマレ
ーザー光などのエネルギービームを照射し、アブレーシ
ョンによってGaN層113と基板112を剥離すると
同時に素子分離を行うことができる。このとき、アブレ
ーションによって発生する熱やGaNの分解によって発
生するNガスによる応力が貫通転位列118に加わ
り、容易に素子を分離することができる。貫通転位11
8に沿って素子がへき開されて分離される。このとき、
素子分離面は平坦で、且つ素子分離面近傍の結晶質が非
常に良好なであることから高性能の半導体レーザー素子
を形成することができる。また、本実施形態では、選択
マスクを形成せずにGaN層116の結晶成長を行った
が、下地成長層113若しくは基板112上に選択マス
クを形成した後、該選択マスクをエッチングなどにより
除去して開口部を形成し、該開口部に臨む下地成長層1
13若しくは基板112に設けられた結晶成長種から選
択成長を行うことも出来る。このときは、選択成長マス
ク上の貫通転位列に沿ってへき開すれば容易に素子分離
することができ、結晶成長種上の良好な結晶層を利用し
た半導体素子を形成することができる。
【0054】特に、素子分離面を共振面とする半導体レ
ーザー素子においては、平坦で且つ結晶層の損傷が抑制
された共振面を形成できとともに、素子の剥離と素子の
分離が同時に可能となり、素子の品質の向上と製造工程
の簡略化を図ることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明の半導体素子とその製造方法によ
れば、選択成長によって形成された結晶層中に内在する
貫通転位でへき開し、素子分離することによって平滑性
の良好な素子分離面を形成することができる。また、エ
ッチングやダイシングによって素子分離を行わないの
で、素子分離面の結晶層への損傷を抑制することがで
き、高品質の素子を製造することができる。更に、基板
からの素子剥離と、素子の分離をアブレーションによっ
て同時に行うことができるので製造工程の簡略化が可能
となり、コストダウンにつながる。
【0056】さらに、素子の端面を共振面とすることに
よってレーザー発振させる半導体レーザー素子では、貫
通転位列に沿ってへき開された素子分離面を素子端面に
することによって、活性層で発生した光を高い効率で活
性層に閉じ込めることができ、閾値電流を低減できる。
よって、高い性能の半導体レーザー素子を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、選択マスクを形成した場合の選択成長前の選
択マスクの形状を示す構造図であって、(a)は構造平
面図であり、(b)は(a)のb−b’線構造断面図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、開口部から第1導電型層を形成過程を示す工
程図であって、(a)は工程平面図、(b)は(a)の
b−b’線工程断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、第1導電型層を形成した形状を示す構造図で
あって、(a)は構造平面図、(b)は(a)のb−
b’線構造断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、選択マスク近傍の転位の分布を示した模式断
面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、素子分離前の積層構造体を示す構造断面図で
ある。
【図6】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、リッジ構造を形成した構造を示す構造断面図
ある。
【図7】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、素子剥離と同時に素子分離を行う工程断面図
である。
【図8】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、素子分離後の素子構造を示す構造断面図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施形態の半導体レーザー素子
にかかる、複数の開口部が形成された選択成長前の選択
マスクの形状を示す構造図であって、(a)は構造平面
図であり、(b)は(a)のb−b’線構造断面図、
(c)は(a)のc−c’線構造断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、開口部から第1導電型層を形成過程を示す
工程図であって、(a)は工程平面図、(b)は(a)
のb−b’線工程断面図、(c)は(a)のc−c’線
断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、素子分離前の積層構造体の構造を示す構造
図であって、(a)は構造平面図、(b)は(a)のb
−b’線構造断面図、(c)は(a)のc−c’線断面
図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、エッチング後の積層構造体の構造を示す構
造図であって、(a)は構造平面図、(b)は(a)の
b−b’線構造断面図、(c)は(a)のc−c’線構
造断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、素子分離後の素子の構造を示す斜視図であ
る。
【図14】本発明の第3の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、開口部が形成された選択成長前の選択マス
クの形状を示す構造図であって、(a)は構造平面図で
あり、(b)は(a)のb−b’線構造断面図、(c)
は(a)のc−c’線構造断面図である。
【図15】本発明の第3の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、開口部からGaN層の形成過程を示す工程
図であって、(a)は工程平面図、(b)は(a)のb
−b’線工程断面図、(c)は(a)のc−c’線工程
断面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、GaN層形成後の半導体レーザー素子の構
造を示す構造図であって、(a)は構造平面図、(b)
は(a)のb−b’線構造断面図、(c)は(a)のc
−c’線構造断面図である。
【図17】本発明の第3の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、素子分離前の素子構造を示す構造図であっ
て、(a)は構造平面図、(b)は(a)のb−b’線
構造断面図、(c)は(a)のc−c’線構造断面図で
ある。
【図18】本発明の第3の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、素子の構造を示す構造斜視図である。
【図19】本発明の第4の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、結晶成長種を形成した基体の構造を示す図
であって、(a)は構造平面図、(b)はb−b’線構
造断面図である。
【図20】本発明の第4の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、結晶成長種からGaN層を形成する過程を
示す工程図であって、(a)は工程平面図、(b)は
(a)のb−b’線工程断面図である。
【図21】本発明の第4の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、第1導電型層が形成された構造を示す構造
図であって、(a)は構造断面図、(b)はb−b’線
構造断面図である。
【図22】本発明の第4の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、積層構造体を形成した構造を示す図であっ
て、(a)は構造平面図であり、(b)はb−b’線構
造断面図である。
【図23】本発明の第1の実施形態の半導体レーザー素
子にかかる、素子剥離と同時に素子分離を行う工程を示
す断面工程図である。
【符号の説明】
12、42、82 基板 14、44 選択マスク 13、43、83 下地結晶層 19 活性層 21 コンタクト層 22 電極層 45 開口部 57、94 貫通転位列 81 基体 85 開口部 114 凸部 117 空隙
フロントページの続き (72)発明者 土居 正人 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大畑 豊治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA45 AA74 AA89 CA07 CB05 CB07 DA05 DA07 DA32 DA34 DA35

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された下地成長層と、前記下
    地成長層上に形成され開口部が形成された選択成長マス
    クと、前記選択マスクから選択成長により形成される半
    導体層を前記選択マスク上の脆弱部で分離して形成され
    る分離面とを有することを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】前記分離面は前記半導体層をへき開して形
    成されるへき開面であることを特徴とする請求項1記載
    の半導体素子。
  3. 【請求項3】前記脆弱部は貫通転位が形成された領域で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  4. 【請求項4】前記分離面は前記基板の裏面からエネルギ
    ービームを照射することにより形成されることを特徴と
    する請求項1記載の半導体素子。
  5. 【請求項5】前記半導体層はGaN系化合物半導体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  6. 【請求項6】前記半導体素子は半導体レーザー素子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  7. 【請求項7】前記開口部は多角形状であることを特徴と
    する請求項1記載の半導体素子。
  8. 【請求項8】前記多角形状はストライプ形状であること
    を特徴とする請求項7記載の半導体素子。
  9. 【請求項9】前記半導体上に第1導電型層、活性層及び
    第2導電型層が形成されることを特徴とする請求項1記
    載の半導体素子。
  10. 【請求項10】前記半導体層は基板の主面に対して傾斜
    した傾斜結晶面を有することを特徴とする請求項1記載
    の半導体素子。
  11. 【請求項11】前記活性層はS面若しくは{11−22}
    面を有することを特徴とする請求項9記載の半導体素
    子。
  12. 【請求項12】基体上に形成された結晶成長種と、前記
    結晶成長種から結晶成長される結晶層と、前記結晶層の
    会合部で前記結晶層を分離して形成される分離面とを有
    することを特徴とする半導体素子。
  13. 【請求項13】前記結晶層はGaN系化合物半導体層で
    あることを特徴とする請求項12記載の半導体素子。
  14. 【請求項14】前記半導体素子は半導体レーザー素子で
    あることを特徴とする請求項12記載の半導体素子。
  15. 【請求項15】前記分離面は前記結晶層をへき開して形
    成されるへき開面であることを特徴とする請求項12記
    載の半導体素子。
  16. 【請求項16】前記結晶層上に第1導電型層、活性層及
    び第2導電型層が形成されることを特徴とする請求項1
    2記載の半導体素子。
  17. 【請求項17】前記結晶層は前記基体の主面に対して傾
    斜した傾斜結晶面を有することを特徴とする請求項12
    記載の半導体素子。
  18. 【請求項18】前記活性層はS面若しくは{11−22}
    面を有することを特徴とする請求項16記載の半導体素
    子。
  19. 【請求項19】基板上に形成された下地成長層を形成す
    る工程と、前記下地成長層上に形成され開口部を有する
    選択マスクを形成する工程と、前記選択マスクから選択
    成長により形成される半導体層を前記選択成長マスク上
    の脆弱部で分離することにより分離面を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体素子の製造方法。
  20. 【請求項20】基体上に結晶成長種を形成する工程と、
    前記結晶成長種から結晶層を形成する工程と、前記結晶
    層の会合部で前記結晶層を分離することにより分離面を
    形成する工程とを有することを特徴とする半導体素子の
    製造方法。
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