JP2003209151A - 半絶縁膜の電位分布測定方法 - Google Patents
半絶縁膜の電位分布測定方法Info
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- JP2003209151A JP2003209151A JP2002006193A JP2002006193A JP2003209151A JP 2003209151 A JP2003209151 A JP 2003209151A JP 2002006193 A JP2002006193 A JP 2002006193A JP 2002006193 A JP2002006193 A JP 2002006193A JP 2003209151 A JP2003209151 A JP 2003209151A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 この発明は、半絶縁膜の電位分布測定方法に
関し、半導体素子の実デバイス上で、半絶縁膜の電位分
布の測定を可能とすることを課題とする。 【解決手段】 半導体基板上に形成された半絶縁膜の所
定距離以上離れた任意の位置に第1電極と第2電極を設
け、この第1電極と第2電極との間であって半絶縁膜上
の所定の位置に少なくとも1つ以上の測定電極を配置
し、前記第1電極と第2電極との間に所定の直流電圧を
印加したときに、前記測定電極の測定電位を検出するこ
とにより、半絶縁膜の電位分布を求めることを特徴とす
る。
関し、半導体素子の実デバイス上で、半絶縁膜の電位分
布の測定を可能とすることを課題とする。 【解決手段】 半導体基板上に形成された半絶縁膜の所
定距離以上離れた任意の位置に第1電極と第2電極を設
け、この第1電極と第2電極との間であって半絶縁膜上
の所定の位置に少なくとも1つ以上の測定電極を配置
し、前記第1電極と第2電極との間に所定の直流電圧を
印加したときに、前記測定電極の測定電位を検出するこ
とにより、半絶縁膜の電位分布を求めることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半絶縁膜の電位
分布測定方法に関し、特に、高耐圧を要求される半導体
素子の保護膜(パシベーション膜)として用いられる半
絶縁膜の電位分布測定方法に関する。
分布測定方法に関し、特に、高耐圧を要求される半導体
素子の保護膜(パシベーション膜)として用いられる半
絶縁膜の電位分布測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高耐圧のフィールドプレート
構造を持つ半導体装置が、種々提供されている。たとえ
ば、高抵抗導電性を示す半絶縁膜を使用した、高耐圧フ
ィールドプレート構造のプレーナ型半導体装置が、特開
昭58−53860号公報に記載されている。
構造を持つ半導体装置が、種々提供されている。たとえ
ば、高抵抗導電性を示す半絶縁膜を使用した、高耐圧フ
ィールドプレート構造のプレーナ型半導体装置が、特開
昭58−53860号公報に記載されている。
【0003】ここで半絶縁膜は、高耐圧とするために非
常に高い抵抗値(たとえば108〜1012Ω・cm)を
有することが要求される。この半絶縁膜は、酸素をドー
プした半絶縁性の多結晶シリコン膜で形成されることが
多いが、その抵抗値は、その膜厚の精度や、抵抗率の変
化をもたらす酸素濃度に大きく関係する。
常に高い抵抗値(たとえば108〜1012Ω・cm)を
有することが要求される。この半絶縁膜は、酸素をドー
プした半絶縁性の多結晶シリコン膜で形成されることが
多いが、その抵抗値は、その膜厚の精度や、抵抗率の変
化をもたらす酸素濃度に大きく関係する。
【0004】ところで、半絶縁膜には所定の電位差を有
する一対の電極が接続され微少な電流が流されている
が、高耐圧化のためには、両電極間の電位分布はできる
だけ線形に変化することが望ましい。しかし、半絶縁膜
の中の酸素濃度が一様でない場合、すなわち膜質にばら
つきがある場合は、電位分布が線形に変化しないので設
計値に近い高耐圧性が得られないことがある。従来、こ
の半絶縁膜の抵抗値を求めるために、非常に微少な電流
を測定する必要があるので、実際に製造された実デバイ
スを用いて測定することは困難であった。
する一対の電極が接続され微少な電流が流されている
が、高耐圧化のためには、両電極間の電位分布はできる
だけ線形に変化することが望ましい。しかし、半絶縁膜
の中の酸素濃度が一様でない場合、すなわち膜質にばら
つきがある場合は、電位分布が線形に変化しないので設
計値に近い高耐圧性が得られないことがある。従来、こ
の半絶縁膜の抵抗値を求めるために、非常に微少な電流
を測定する必要があるので、実際に製造された実デバイ
スを用いて測定することは困難であった。
【0005】したがって、半絶縁膜の製造プロセスにお
ける品質管理は、半絶縁膜を形成した模型ウェハを作成
し、この模型ウェハ上の半絶縁膜の膜厚と酸素濃度とを
測定し、これらの測定値からおよその抵抗値及び電位分
布を求めて間接的に管理する方法が行われている。たと
えば、酸素濃度Dは、酸化する前の半絶縁膜の膜厚(d
1)と酸化した後の膜厚(d2)を測定することによ
り、次式で求めることができる。ここで酸化は半絶縁膜
を堆積したウェハを、1100℃で2時間加熱すること
により行うものとする。 酸素濃度D=(8−7f)/(12−3f)×100
[%] 酸素増加率f=(d2−d1)/d1
ける品質管理は、半絶縁膜を形成した模型ウェハを作成
し、この模型ウェハ上の半絶縁膜の膜厚と酸素濃度とを
測定し、これらの測定値からおよその抵抗値及び電位分
布を求めて間接的に管理する方法が行われている。たと
えば、酸素濃度Dは、酸化する前の半絶縁膜の膜厚(d
1)と酸化した後の膜厚(d2)を測定することによ
り、次式で求めることができる。ここで酸化は半絶縁膜
を堆積したウェハを、1100℃で2時間加熱すること
により行うものとする。 酸素濃度D=(8−7f)/(12−3f)×100
[%] 酸素増加率f=(d2−d1)/d1
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の半絶縁
膜抵抗値及び電位分布の管理では、模型ウェハの膜厚や
酸素濃度から実デバイスで予想される抵抗値の分布がお
およそわかるだけであり、実デバイスにおける半絶縁膜
の膜質の均一性や高耐圧性を反映した電位分布を直接的
に測定することができないという問題点があった。そこ
で、この発明は以上のような事情を考慮してなされたも
のであり、実デバイスが形成された基板上に、半絶縁膜
と接続された電位分布測定用素子を形成することによ
り、実デバイスの半絶縁膜の電位分布の測定を可能とし
た測定方法を提供することを課題とする。
膜抵抗値及び電位分布の管理では、模型ウェハの膜厚や
酸素濃度から実デバイスで予想される抵抗値の分布がお
およそわかるだけであり、実デバイスにおける半絶縁膜
の膜質の均一性や高耐圧性を反映した電位分布を直接的
に測定することができないという問題点があった。そこ
で、この発明は以上のような事情を考慮してなされたも
のであり、実デバイスが形成された基板上に、半絶縁膜
と接続された電位分布測定用素子を形成することによ
り、実デバイスの半絶縁膜の電位分布の測定を可能とし
た測定方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、半導体基板
上に形成された半絶縁膜の所定距離以上離れた任意の位
置に第1電極と第2電極を設け、この第1電極と第2電
極との間であって半絶縁膜上の所定の位置に少なくとも
1つ以上の測定電極を配置し、前記第1電極と第2電極
との間に所定の直流電圧を印加したときに、前記測定電
極の測定電位を検出することにより、半絶縁膜の電位分
布を求めることを特徴とする半絶縁膜の電位分布測定方
法を提供するものである。この発明によれば、実デバイ
スに形成された半絶縁膜の電位分布を直接測定すること
ができ、半絶縁膜の膜質が均一か否かの評価が実デバイ
ス上で容易にでき、半絶縁膜の形成工程の品質管理がで
きる。
上に形成された半絶縁膜の所定距離以上離れた任意の位
置に第1電極と第2電極を設け、この第1電極と第2電
極との間であって半絶縁膜上の所定の位置に少なくとも
1つ以上の測定電極を配置し、前記第1電極と第2電極
との間に所定の直流電圧を印加したときに、前記測定電
極の測定電位を検出することにより、半絶縁膜の電位分
布を求めることを特徴とする半絶縁膜の電位分布測定方
法を提供するものである。この発明によれば、実デバイ
スに形成された半絶縁膜の電位分布を直接測定すること
ができ、半絶縁膜の膜質が均一か否かの評価が実デバイ
ス上で容易にでき、半絶縁膜の形成工程の品質管理がで
きる。
【0008】また、前記測定電極の測定電位が入力さ
れ、この測定電位と所定の基準電位とを比較して測定電
位が基準電位を超えていることを示す情報値を出力する
電位判定素子を、前記半導体基板と同一基板または異な
る基板上に形成し、前記出力された情報値から半絶縁膜
の電位分布を求めるようにしてもよい。ここで、前記複
数個の測定電極が、前記第1電極と第2電極との間を等
間隔に分割した位置に配置され、前記電位判定素子が測
定電極と同数個設けられ、電位判定素子とこの電位判定
素子に対応する測定電極とがそれぞれ引き出し配線によ
り接続されるようにしてもよい。
れ、この測定電位と所定の基準電位とを比較して測定電
位が基準電位を超えていることを示す情報値を出力する
電位判定素子を、前記半導体基板と同一基板または異な
る基板上に形成し、前記出力された情報値から半絶縁膜
の電位分布を求めるようにしてもよい。ここで、前記複
数個の測定電極が、前記第1電極と第2電極との間を等
間隔に分割した位置に配置され、前記電位判定素子が測
定電極と同数個設けられ、電位判定素子とこの電位判定
素子に対応する測定電極とがそれぞれ引き出し配線によ
り接続されるようにしてもよい。
【0009】また、前記電位判定素子がMOSFETか
ら形成され、前記測定電極とMOSFETのゲート電極
とが引き出し配線により接続されるようにしてもよい。
さらに、前記第1電極が半導体基板に形成された半絶縁
膜のほぼ中央部分に配置され、前記第2電極が半絶縁膜
の周辺部であって前記第1電極を取り囲むように形成さ
れるようにしてもよい。ここで、前記測定電極は、前記
第1電極と第2電極の間であって、第1電極を取り囲む
ようにリング状に形成されるようにしてもよい。また、
前記引き出し配線はワイヤで形成してもよい。
ら形成され、前記測定電極とMOSFETのゲート電極
とが引き出し配線により接続されるようにしてもよい。
さらに、前記第1電極が半導体基板に形成された半絶縁
膜のほぼ中央部分に配置され、前記第2電極が半絶縁膜
の周辺部であって前記第1電極を取り囲むように形成さ
れるようにしてもよい。ここで、前記測定電極は、前記
第1電極と第2電極の間であって、第1電極を取り囲む
ようにリング状に形成されるようにしてもよい。また、
前記引き出し配線はワイヤで形成してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明において、半絶縁膜と
は、半導体基板上に形成される高耐圧デバイスにおいて
高耐圧性を維持するためにそのデバイス構造の上に形成
される高抵抗導電膜(たとえば108〜1012Ω程度)
を意味し、たとえば、酸素ドープシリコンなどの材料か
ら形成された薄膜である。
は、半導体基板上に形成される高耐圧デバイスにおいて
高耐圧性を維持するためにそのデバイス構造の上に形成
される高抵抗導電膜(たとえば108〜1012Ω程度)
を意味し、たとえば、酸素ドープシリコンなどの材料か
ら形成された薄膜である。
【0011】第1電極及び第2電極とは、アルミニウム
などの導電性の金属で形成され、両電極間に直流電圧を
印加すると、この電極間に存在する半絶縁膜中を微小電
流が流れる。第1電極と第2電極とは、その間に存在す
る半絶縁膜の電位分布を測定するためには、基板上でで
きるだけ離れた位置に配置した方が好ましい。以下の実
施例では、第1電極は基板上に形成された半絶縁膜のほ
ぼ中央付近に形成された電極であり中央電極と呼ぶ。ま
た、第2電極を半絶縁膜の周辺部に配置された周辺電極
と呼ぶ。また、測定電極を測定電位を外部へ出力するた
めの電極という意味で、取り出し電極と呼ぶ。
などの導電性の金属で形成され、両電極間に直流電圧を
印加すると、この電極間に存在する半絶縁膜中を微小電
流が流れる。第1電極と第2電極とは、その間に存在す
る半絶縁膜の電位分布を測定するためには、基板上でで
きるだけ離れた位置に配置した方が好ましい。以下の実
施例では、第1電極は基板上に形成された半絶縁膜のほ
ぼ中央付近に形成された電極であり中央電極と呼ぶ。ま
た、第2電極を半絶縁膜の周辺部に配置された周辺電極
と呼ぶ。また、測定電極を測定電位を外部へ出力するた
めの電極という意味で、取り出し電極と呼ぶ。
【0012】また、この発明において、半絶縁膜の電位
分布測定用素子とは、前記第1電極、第2電極及び測定
電極と、これらの電極が存在する領域の半絶縁膜とから
形成される測定素子と、前記電位判定素子(MOSFE
T)とから構成される。この電位分布測定用素子は、高
耐圧実デバイスと同一の半導体基板上に形成される。た
だし、この電位判定素子(MOSFET)は、実デバイ
スと異なる半導体基板上にあってもよい。この場合、電
位判定素子と測定電極とはワイヤで接続すればよい。
分布測定用素子とは、前記第1電極、第2電極及び測定
電極と、これらの電極が存在する領域の半絶縁膜とから
形成される測定素子と、前記電位判定素子(MOSFE
T)とから構成される。この電位分布測定用素子は、高
耐圧実デバイスと同一の半導体基板上に形成される。た
だし、この電位判定素子(MOSFET)は、実デバイ
スと異なる半導体基板上にあってもよい。この場合、電
位判定素子と測定電極とはワイヤで接続すればよい。
【0013】電位判定素子としてMOSFETを用いる
場合、MOSFETのゲート電極と測定電極とが接続さ
れ、MOSFETに予め設定された基準電圧(以下では
しきい値電極と呼ぶ)と測定電圧との比較により、MO
SFETはONまたはOFFの状態となる。たとえば、
測定電圧が基準電圧よりも高いときに、MOSFETは
ON状態となり、測定電圧が基準電圧を越えていること
を示す情報値(たとえば0または1を示すレベル信号あ
るいは、あらかじめ測定しておいたMOSFETのON
状態時に流れるドレイン−ソース間電流値)を出力す
る。
場合、MOSFETのゲート電極と測定電極とが接続さ
れ、MOSFETに予め設定された基準電圧(以下では
しきい値電極と呼ぶ)と測定電圧との比較により、MO
SFETはONまたはOFFの状態となる。たとえば、
測定電圧が基準電圧よりも高いときに、MOSFETは
ON状態となり、測定電圧が基準電圧を越えていること
を示す情報値(たとえば0または1を示すレベル信号あ
るいは、あらかじめ測定しておいたMOSFETのON
状態時に流れるドレイン−ソース間電流値)を出力す
る。
【0014】測定電極は1つでもよいが、半絶縁膜の電
位分布を適切に測定するためには、複数個設けることが
好ましい。さらに複数個設けるときは、電位分布の測定
を容易に効率よく行うために、等間隔に配置することが
好ましい。また、第1電極を中央部に配置し、第2電極
をその周辺部に配置する場合は、両電極の間であって第
1電極を取り囲むようにできるだけ等間隔でリング状に
配置することが好ましい。
位分布を適切に測定するためには、複数個設けることが
好ましい。さらに複数個設けるときは、電位分布の測定
を容易に効率よく行うために、等間隔に配置することが
好ましい。また、第1電極を中央部に配置し、第2電極
をその周辺部に配置する場合は、両電極の間であって第
1電極を取り囲むようにできるだけ等間隔でリング状に
配置することが好ましい。
【0015】以下、図面に示す実施の形態に基づいてこ
の発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定
されるものではない。図7に、半絶縁膜を有するフィー
ルドプレート構造の半導体素子(図7(a)と、半絶縁
膜を有さないフィールドプレート構造の半導体素子(図
7(b))との空乏層の概略形成図を示す。
の発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定
されるものではない。図7に、半絶縁膜を有するフィー
ルドプレート構造の半導体素子(図7(a)と、半絶縁
膜を有さないフィールドプレート構造の半導体素子(図
7(b))との空乏層の概略形成図を示す。
【0016】図7において、符号4が酸化膜(たとえば
熱酸化膜)であり、符号7が基板Nsubの中央部分に
形成された中央電極(電位GND)であり、符号8が基
板Nsubの端部に形成された周辺電極である。周辺電
極8に所定の電位+Vが印加されると、基板Nsubに
それぞれ破線で示すような空乏層の拡がりが生じる。図
7(a)は、酸化膜4の上層に半絶縁膜5を形成した半
導体素子を示している。
熱酸化膜)であり、符号7が基板Nsubの中央部分に
形成された中央電極(電位GND)であり、符号8が基
板Nsubの端部に形成された周辺電極である。周辺電
極8に所定の電位+Vが印加されると、基板Nsubに
それぞれ破線で示すような空乏層の拡がりが生じる。図
7(a)は、酸化膜4の上層に半絶縁膜5を形成した半
導体素子を示している。
【0017】図7(b)では、半絶縁膜がないので、中
央電極7の直下付近までしか、Nsubの空乏層26’
の伸びがないのに対して、図7(a)では半絶縁膜5が
あり、半絶縁膜5に流れる微小電流によって電位勾配が
生じるので、半絶縁膜5と基板Nsubとの間の電位差
のために基板Nsubの表面に周辺電極8側まで伸びる
空乏層26が生じる。すなわち、この空乏層の伸びがあ
るために図7(a)の方が、耐圧を向上させることがで
きる。ここで、できるだけ高耐圧を実現するためには、
両電極7,8間の半絶縁膜5の電位変化が直線的な方が
好ましい。
央電極7の直下付近までしか、Nsubの空乏層26’
の伸びがないのに対して、図7(a)では半絶縁膜5が
あり、半絶縁膜5に流れる微小電流によって電位勾配が
生じるので、半絶縁膜5と基板Nsubとの間の電位差
のために基板Nsubの表面に周辺電極8側まで伸びる
空乏層26が生じる。すなわち、この空乏層の伸びがあ
るために図7(a)の方が、耐圧を向上させることがで
きる。ここで、できるだけ高耐圧を実現するためには、
両電極7,8間の半絶縁膜5の電位変化が直線的な方が
好ましい。
【0018】図4(b)に、図7(a)に示した素子の
半絶縁膜5における理想的な電位分布の説明図を示す。
この理想的な電位分布は、周辺電極8の端部(電圧
V1)から、中央電極の端部(電圧0V)まで、直線的
に減少している。ところが、半絶縁膜の酸素濃度などの
膜質にばらつきがあると、この電位分布の直線性が乱
れ、たとえば図4の点線が示すような分布となる。この
電位分布の変化は、耐圧性の劣化をもたらすことにな
る。そこで、この発明では、実際に製造された半導体デ
バイスのこのような半絶縁膜の電位分布を測定すること
により、直線的な分布からのずれを検出し、所望の耐圧
特性を有するか否かの判断をすることができる。
半絶縁膜5における理想的な電位分布の説明図を示す。
この理想的な電位分布は、周辺電極8の端部(電圧
V1)から、中央電極の端部(電圧0V)まで、直線的
に減少している。ところが、半絶縁膜の酸素濃度などの
膜質にばらつきがあると、この電位分布の直線性が乱
れ、たとえば図4の点線が示すような分布となる。この
電位分布の変化は、耐圧性の劣化をもたらすことにな
る。そこで、この発明では、実際に製造された半導体デ
バイスのこのような半絶縁膜の電位分布を測定すること
により、直線的な分布からのずれを検出し、所望の耐圧
特性を有するか否かの判断をすることができる。
【0019】図1に、この発明の半絶縁膜の電位分布測
定用素子の平面図の一実施例を示す。図1において、こ
の発明の半絶縁膜の電位分布測定用素子は、1つの同じ
半導体N型基板1上に形成された測定素子30と、閾値
電圧VTH発生用のMOSFET23とから構成される。
測定素子30とMOSFET23とは引き出し配線9に
よって電気的に接続される。同一基板1上に複数のMO
SFET23を形成する場合は、それぞれ図1に示す引
き出し線9’,9''により測定素子30と接続される。
定用素子の平面図の一実施例を示す。図1において、こ
の発明の半絶縁膜の電位分布測定用素子は、1つの同じ
半導体N型基板1上に形成された測定素子30と、閾値
電圧VTH発生用のMOSFET23とから構成される。
測定素子30とMOSFET23とは引き出し配線9に
よって電気的に接続される。同一基板1上に複数のMO
SFET23を形成する場合は、それぞれ図1に示す引
き出し線9’,9''により測定素子30と接続される。
【0020】図2(a),図2(b)は、図1におい
て、それぞれA−A’及びB−B’間の断面図を示して
いる。図1及び図2(a)において、この測定素子30
のほぼ中央部分の基板表面上に、接地した中央電極7が
形成され、中央電極7の直下であってN型基板1(Ns
ub)の表面近傍にP型拡散部2が形成される。図1で
は、中央電極7は、ほぼ正方形状に形成されている。ま
た、測定素子30の形成領域の周辺部分にほぼリング状
に周辺電極8が基板1上に形成され、周辺電極8の直下
であって基板1の表面近傍にN型拡散層3(N+)が形
成される。
て、それぞれA−A’及びB−B’間の断面図を示して
いる。図1及び図2(a)において、この測定素子30
のほぼ中央部分の基板表面上に、接地した中央電極7が
形成され、中央電極7の直下であってN型基板1(Ns
ub)の表面近傍にP型拡散部2が形成される。図1で
は、中央電極7は、ほぼ正方形状に形成されている。ま
た、測定素子30の形成領域の周辺部分にほぼリング状
に周辺電極8が基板1上に形成され、周辺電極8の直下
であって基板1の表面近傍にN型拡散層3(N+)が形
成される。
【0021】さらに、基板1の表面上において、中央電
極7と周辺電極8との間には、酸化膜4(たとえば熱酸
化膜),半絶縁膜5(たとえば酸素ドープシリコン),
酸化膜6(たとえばCVDにより形成された酸化膜)がこ
の順に積層されている。また、半絶縁膜5の一部と直接
接触するように、引き出し配線(9,9’,9'')(た
とえばアルミニウム)が半絶縁膜5の上に形成され、M
OSFETの方向へ延伸されている。
極7と周辺電極8との間には、酸化膜4(たとえば熱酸
化膜),半絶縁膜5(たとえば酸素ドープシリコン),
酸化膜6(たとえばCVDにより形成された酸化膜)がこ
の順に積層されている。また、半絶縁膜5の一部と直接
接触するように、引き出し配線(9,9’,9'')(た
とえばアルミニウム)が半絶縁膜5の上に形成され、M
OSFETの方向へ延伸されている。
【0022】一方、MOSFET23は、通常のMOS
構造を持つものであり、同じN型基板1の表面近傍に、
図のようにPウェル拡散層17,ドレイン拡散層18
(N+),ソース拡散層18(N+)を設け、基板1上の
所定の領域に、酸化膜4を介在させて、ドレイン電極1
4,ソース電極15及びゲート電極16(Al)とを形
成したものである。
構造を持つものであり、同じN型基板1の表面近傍に、
図のようにPウェル拡散層17,ドレイン拡散層18
(N+),ソース拡散層18(N+)を設け、基板1上の
所定の領域に、酸化膜4を介在させて、ドレイン電極1
4,ソース電極15及びゲート電極16(Al)とを形
成したものである。
【0023】次に、図1、図2のような構成を持つこの
発明の半絶縁膜の電位分布測定用素子の製造方法を示
す。シリコンなどの材料を用いたN型基板1(Nsub)
に、P型拡散層2、Pウェル拡散層17、N型拡散層
3、ドレイン拡散層18及びソース拡散層19をそれぞ
れ所定の位置に形成するが、その前にまず最初に、測定
素子30及びMOSFET23の両領域に、熱酸化によ
り酸化膜4を形成する。そして、フォトエッチングをし
た後、ウェットエッチングにより、上記すべての拡散層
を形成する位置に酸化膜4の穴あけを行い、次のような
方法により各拡散層を形成する。ここで、P型拡散層2
は、イオン注入法などを用いて形成する。Pウェル拡散
層17は、イオン注入法などを用いて形成する。N型拡
散層3は、デポ+ドライブの方法を用いて、周辺電極8
の下方及び測定素子の形成領域の周辺部分に形成する。
ドレイン拡散層18及びソース拡散層19は、デポ+ド
ライブの方法を用いて形成する。
発明の半絶縁膜の電位分布測定用素子の製造方法を示
す。シリコンなどの材料を用いたN型基板1(Nsub)
に、P型拡散層2、Pウェル拡散層17、N型拡散層
3、ドレイン拡散層18及びソース拡散層19をそれぞ
れ所定の位置に形成するが、その前にまず最初に、測定
素子30及びMOSFET23の両領域に、熱酸化によ
り酸化膜4を形成する。そして、フォトエッチングをし
た後、ウェットエッチングにより、上記すべての拡散層
を形成する位置に酸化膜4の穴あけを行い、次のような
方法により各拡散層を形成する。ここで、P型拡散層2
は、イオン注入法などを用いて形成する。Pウェル拡散
層17は、イオン注入法などを用いて形成する。N型拡
散層3は、デポ+ドライブの方法を用いて、周辺電極8
の下方及び測定素子の形成領域の周辺部分に形成する。
ドレイン拡散層18及びソース拡散層19は、デポ+ド
ライブの方法を用いて形成する。
【0024】次に、MOSFET23の形成領域に、ゲ
ート酸化膜20を形成する。そして、測定素子30の酸
化膜4の上方に、デポ方式を用いて、酸素ドープシリコ
ンからなる半絶縁膜5を堆積させる。その後、プラズマ
エッチング等を用いて、半絶縁膜5を選択的にエッチン
グする。
ート酸化膜20を形成する。そして、測定素子30の酸
化膜4の上方に、デポ方式を用いて、酸素ドープシリコ
ンからなる半絶縁膜5を堆積させる。その後、プラズマ
エッチング等を用いて、半絶縁膜5を選択的にエッチン
グする。
【0025】次に、CVDを用いて、半絶縁膜5の上方
に酸化膜6を形成する。さらに、ウェットエッチングを
用いて、次のようなコンタクト部を形成するために、酸
化膜6及び4をエッチングする。コンタクト部とは、中
央電極7とP型拡散部2とのコンタクト部12、周辺電
極8とN型拡散層3とのコンタクト部13、引き出し配
線9と半絶縁膜5とのコンタクト部10(取り出し電
極)、ドレイン拡散層18とドレイン電極14とのコン
タクト部21、ソース拡散層19とソース電極15との
コンタクト部22である。
に酸化膜6を形成する。さらに、ウェットエッチングを
用いて、次のようなコンタクト部を形成するために、酸
化膜6及び4をエッチングする。コンタクト部とは、中
央電極7とP型拡散部2とのコンタクト部12、周辺電
極8とN型拡散層3とのコンタクト部13、引き出し配
線9と半絶縁膜5とのコンタクト部10(取り出し電
極)、ドレイン拡散層18とドレイン電極14とのコン
タクト部21、ソース拡散層19とソース電極15との
コンタクト部22である。
【0026】次に、Al蒸着またはAl−Siスパッタ
等の方法を用いて、中央電極7、周辺電極8、引き出し
配線9、取り出し電極10、ドレイン電極14、ソース
電極15、及びゲート電極16を、それぞれ所定の位置
に形成する。ここで、取り出し電極10は、半絶縁膜5
の電位測定用の電極となる部分である。
等の方法を用いて、中央電極7、周辺電極8、引き出し
配線9、取り出し電極10、ドレイン電極14、ソース
電極15、及びゲート電極16を、それぞれ所定の位置
に形成する。ここで、取り出し電極10は、半絶縁膜5
の電位測定用の電極となる部分である。
【0027】最後に、N型基板1(Nsub)の裏面に、測
定電圧V1を印加するための電極11を、蒸着又はスパ
ッタによって形成する。ここで、中央電極7と周辺電極
8とは、高抵抗を示す半絶縁膜5により接続され、周辺
電極8から中央電極7に向かって半絶縁膜5を流れる微
小電流により理想的にはほぼ直線的な電位分布を形成す
る。
定電圧V1を印加するための電極11を、蒸着又はスパ
ッタによって形成する。ここで、中央電極7と周辺電極
8とは、高抵抗を示す半絶縁膜5により接続され、周辺
電極8から中央電極7に向かって半絶縁膜5を流れる微
小電流により理想的にはほぼ直線的な電位分布を形成す
る。
【0028】図1に示すような測定素子30とMOSF
ET23からなる半絶縁膜の電位分布測定用素子は、半
絶縁膜を用いた高耐圧の半導体素子(たとえば双方向フ
ォトサイリスタ、高耐圧PNPトランジスタなど)を形
成するウェハ面上に、少なくとも1個、あるいは必要に
応じて複数個形成する。実デバイスの高耐圧の半導体素
子では、半絶縁膜の電位分布の測定が困難であったが、
高耐圧の半導体素子の実デバイスが形成されたウェハ上
に、同じ半絶縁膜を持つ測定素子を形成しているので、
実デバイス上における半絶縁膜の電位分布の測定が可能
となる。
ET23からなる半絶縁膜の電位分布測定用素子は、半
絶縁膜を用いた高耐圧の半導体素子(たとえば双方向フ
ォトサイリスタ、高耐圧PNPトランジスタなど)を形
成するウェハ面上に、少なくとも1個、あるいは必要に
応じて複数個形成する。実デバイスの高耐圧の半導体素
子では、半絶縁膜の電位分布の測定が困難であったが、
高耐圧の半導体素子の実デバイスが形成されたウェハ上
に、同じ半絶縁膜を持つ測定素子を形成しているので、
実デバイス上における半絶縁膜の電位分布の測定が可能
となる。
【0029】図3に、この発明の半絶縁膜の電位分布測
定用素子の測定素子30の他の実施例の平面図を示す。
図3の測定素子30は、取り出し電極10、10’、1
0’’を、中央電極7を取り囲むリング形状としたもの
である。これによれば、より精度の高い電位分布の測定
が可能となる。
定用素子の測定素子30の他の実施例の平面図を示す。
図3の測定素子30は、取り出し電極10、10’、1
0’’を、中央電極7を取り囲むリング形状としたもの
である。これによれば、より精度の高い電位分布の測定
が可能となる。
【0030】図3において、3つの取り出し電極10、
10’、10’’と半絶縁膜5とのコンタクト部を、ほ
ぼ等間隔で中央電極7を取り囲むリング形状としてい
る。この場合、MOSFETのゲート電極16と接続す
る引き出し配線9を形成するのが困難なので、各取り出
し電極の所定の位置に、Alからなるワイヤボンディン
グパッド24を形成する。そしてこの各ワイヤボンディ
ングパッド24と、対応するMOSFET23のゲート
電極16とをワイヤー25を用いて空中配線する。
10’、10’’と半絶縁膜5とのコンタクト部を、ほ
ぼ等間隔で中央電極7を取り囲むリング形状としてい
る。この場合、MOSFETのゲート電極16と接続す
る引き出し配線9を形成するのが困難なので、各取り出
し電極の所定の位置に、Alからなるワイヤボンディン
グパッド24を形成する。そしてこの各ワイヤボンディ
ングパッド24と、対応するMOSFET23のゲート
電極16とをワイヤー25を用いて空中配線する。
【0031】図3では、測定素子30の周囲に、3つの
MOSFET23を形成し、これらと接続するリング状
の取り出し電極10を3つ設けた構成を示したが、取り
出し電極10は3つに限るものではなく、一般にn個
(n≧1)設けてもよい。個数nの数が多いほど電位分
布の精度を上げることができるが、MOSFET23の
数も増加するので、取り出し電極10の数は、3個程度
あればよい。
MOSFET23を形成し、これらと接続するリング状
の取り出し電極10を3つ設けた構成を示したが、取り
出し電極10は3つに限るものではなく、一般にn個
(n≧1)設けてもよい。個数nの数が多いほど電位分
布の精度を上げることができるが、MOSFET23の
数も増加するので、取り出し電極10の数は、3個程度
あればよい。
【0032】また、n個の取り出し電極及びMOSFE
Tを設ける場合には、中央電極7と周辺電極8との間の
放射状の距離を必ずしも等分する必要はないが、(n+
1)等分するような位置に、リング状の取り出し電極1
0を配置するようにすれば、両電極(7と8)間の半絶
縁膜の電位分布を精度よく測定ができる。
Tを設ける場合には、中央電極7と周辺電極8との間の
放射状の距離を必ずしも等分する必要はないが、(n+
1)等分するような位置に、リング状の取り出し電極1
0を配置するようにすれば、両電極(7と8)間の半絶
縁膜の電位分布を精度よく測定ができる。
【0033】次に、この発明の電位分布の測定方法につ
いて説明する。図4(a)に、この発明の測定素子にお
ける電位分布の模式的な説明図を示す。ここで、取り出
し電極10、10’、10’’は実際には同一断面上に
はないが、説明の都合上、同一断面上にあるように示し
ている。図2に示した基板裏面の電極11に電圧V1を
印加し、中央電極7を接地すると、周辺電極8の電位は
V1となる。このとき、半絶縁膜5の中を微小電流が流
れることにより電圧降下を生じる。
いて説明する。図4(a)に、この発明の測定素子にお
ける電位分布の模式的な説明図を示す。ここで、取り出
し電極10、10’、10’’は実際には同一断面上に
はないが、説明の都合上、同一断面上にあるように示し
ている。図2に示した基板裏面の電極11に電圧V1を
印加し、中央電極7を接地すると、周辺電極8の電位は
V1となる。このとき、半絶縁膜5の中を微小電流が流
れることにより電圧降下を生じる。
【0034】図4(a)に示すように、取り出し電極1
0、10’、10’’の理想的な電位をそれぞれV2、
V3、V4とし、電圧降下によって生ずる周辺電極8と取
り出し電極10の間の抵抗値をR1、取り出し電極10
と10’の間の抵抗値をR2、取り出し電極10と1
0’’の間の抵抗値をR3、取り出し電極10’’と中
央電極7の間の抵抗値をR4とすると、周辺電極8の電
位T1(=V1)と中央電極7の電位T2(=0V)との
間の等価回路は、図5に示すようになる。
0、10’、10’’の理想的な電位をそれぞれV2、
V3、V4とし、電圧降下によって生ずる周辺電極8と取
り出し電極10の間の抵抗値をR1、取り出し電極10
と10’の間の抵抗値をR2、取り出し電極10と1
0’’の間の抵抗値をR3、取り出し電極10’’と中
央電極7の間の抵抗値をR4とすると、周辺電極8の電
位T1(=V1)と中央電極7の電位T2(=0V)との
間の等価回路は、図5に示すようになる。
【0035】図5において、VDSS1、VDSS2、VDSS3は
各取り出し電極10、10’、10’’に印加される電
圧であり、IDSS1、IDSS2、IDSS3は各取り出し電極1
0、10’、10’’から取り出される電流値を示して
いる。ここで、半絶縁膜が理想的な均一な膜であれば、
図4(b)に示すように、両電極(7と8)間の半絶縁
膜5の電位分布は直線的に変化するものとなる。
各取り出し電極10、10’、10’’に印加される電
圧であり、IDSS1、IDSS2、IDSS3は各取り出し電極1
0、10’、10’’から取り出される電流値を示して
いる。ここで、半絶縁膜が理想的な均一な膜であれば、
図4(b)に示すように、両電極(7と8)間の半絶縁
膜5の電位分布は直線的に変化するものとなる。
【0036】図6に、この発明において、取り出し電極
10’とMOSFET23との間の電気的接続を示した
模式的な等価回路図を示す。取り出し電極10’は引き
出し配線9(またはワイヤ25)によりMOSFET2
3のゲート電極に直結され、取り出し電極10’の電位
がMOSFET23のゲート電極で検出される。
10’とMOSFET23との間の電気的接続を示した
模式的な等価回路図を示す。取り出し電極10’は引き
出し配線9(またはワイヤ25)によりMOSFET2
3のゲート電極に直結され、取り出し電極10’の電位
がMOSFET23のゲート電極で検出される。
【0037】MOSFET23では、被測定デバイス
(双方向フォトサイリスタ等)の電位測定条件によりあ
らかじめ想定されるしきい値電圧VTHが印加されるよう
に設定しておくが、理想的には、このしきい値電圧VTH
と両電極(7と8)間のバイアス電圧V1との関係は、
次式で近似される。 VTH≒V1×(L2/L1)
(双方向フォトサイリスタ等)の電位測定条件によりあ
らかじめ想定されるしきい値電圧VTHが印加されるよう
に設定しておくが、理想的には、このしきい値電圧VTH
と両電極(7と8)間のバイアス電圧V1との関係は、
次式で近似される。 VTH≒V1×(L2/L1)
【0038】ここで、L2は取り出し電極10’と周辺
電極8の端部との距離であり、L1は、中央電極7と周
辺電極8との距離である。すなわち、各MOSFET2
3のしきい値電圧VTHは、そのMOSFETのゲート電
極に直結された取り出し電極の位置により設定する。た
とえば、MOSFETにより検出された取り出し電極1
0’の電位がVxであったとしたとき、電位Vxの値と理
想的な電位V3との比較により、その位置の電位が図4
(b)に示す理想的な直線上の分布上にあるか、又は理
想からずれたばらつきを示しているかがわかる。
電極8の端部との距離であり、L1は、中央電極7と周
辺電極8との距離である。すなわち、各MOSFET2
3のしきい値電圧VTHは、そのMOSFETのゲート電
極に直結された取り出し電極の位置により設定する。た
とえば、MOSFETにより検出された取り出し電極1
0’の電位がVxであったとしたとき、電位Vxの値と理
想的な電位V3との比較により、その位置の電位が図4
(b)に示す理想的な直線上の分布上にあるか、又は理
想からずれたばらつきを示しているかがわかる。
【0039】半絶縁膜5の電位分布の測定は、具体的に
は、裏面電極11への印加電圧V1を可変とし、V1を0
Vから所定の電圧(たとえば600V以上)まで徐々に
上げていく。取り出し電極10の電位Vx(MOSFE
Tのゲート電圧)がこの取り出し電極10に接続された
MOSFETのしきい値電圧VTHよりも高くなると(V
x>VTH)、このMOSFETはOFFからONとな
り、この取り出し電極10の位置の電位がほぼVTHとな
ったことがわかる。図4に示すように、周辺電極8に近
い方の取り出し電極の方が電位は高いはずなので、印加
電圧を上げていくと、周辺電極8に近い取り出し電極に
接続されたMOSFETが先にONとなる。すなわち、
取り出し電極10、10’、10’’に接続されたMO
SFETの順にONしていくことになる。
は、裏面電極11への印加電圧V1を可変とし、V1を0
Vから所定の電圧(たとえば600V以上)まで徐々に
上げていく。取り出し電極10の電位Vx(MOSFE
Tのゲート電圧)がこの取り出し電極10に接続された
MOSFETのしきい値電圧VTHよりも高くなると(V
x>VTH)、このMOSFETはOFFからONとな
り、この取り出し電極10の位置の電位がほぼVTHとな
ったことがわかる。図4に示すように、周辺電極8に近
い方の取り出し電極の方が電位は高いはずなので、印加
電圧を上げていくと、周辺電極8に近い取り出し電極に
接続されたMOSFETが先にONとなる。すなわち、
取り出し電極10、10’、10’’に接続されたMO
SFETの順にONしていくことになる。
【0040】ここで、ある取り出し電極に接続されたM
OSFETがONになったときに各MOSFETのゲー
トで検出された電圧値と、そのときの印加電圧V1の値
及びONとなったMOSFETに接続された取り出し電
極の位置(具体的には、その取り出し電極と周辺電極8
からの距離(L2))とから、半絶縁膜の電位分布が測
定できる。
OSFETがONになったときに各MOSFETのゲー
トで検出された電圧値と、そのときの印加電圧V1の値
及びONとなったMOSFETに接続された取り出し電
極の位置(具体的には、その取り出し電極と周辺電極8
からの距離(L2))とから、半絶縁膜の電位分布が測
定できる。
【0041】半絶縁膜が均一化されて形成された場合
は、図4の直線状の理想的な電位分布に近い電位分布と
なるが、通常の電位分布は、半絶縁膜の膜質は位置によ
りばらつきが生じているので、点線で示した曲線的な分
布と実線で示した理想的な電位分布との間で変化する曲
線となる。
は、図4の直線状の理想的な電位分布に近い電位分布と
なるが、通常の電位分布は、半絶縁膜の膜質は位置によ
りばらつきが生じているので、点線で示した曲線的な分
布と実線で示した理想的な電位分布との間で変化する曲
線となる。
【0042】このようにして測定された半絶縁膜の電位
分布曲線を利用すれば、半絶縁膜の不均一性の傾向の把
握や、製造工程の評価をすることができ、半絶縁膜の形
成工程の品質管理に用いることができる。また、生産さ
れた実デバイスごとに、半絶縁膜の電位分布を測定する
ことができるので、各実デバイスの電位分布と直線状の
理想的な電位分布と比較することにより、所定の判断基
準に基づいて良品、不良品の選別も可能である。
分布曲線を利用すれば、半絶縁膜の不均一性の傾向の把
握や、製造工程の評価をすることができ、半絶縁膜の形
成工程の品質管理に用いることができる。また、生産さ
れた実デバイスごとに、半絶縁膜の電位分布を測定する
ことができるので、各実デバイスの電位分布と直線状の
理想的な電位分布と比較することにより、所定の判断基
準に基づいて良品、不良品の選別も可能である。
【0043】また、前記した実施例では、測定素子30
及びMOSFET23を高耐圧素子等の実デバイスと同
じ半導体基板上に形成するものを示したが、1または複
数個の測定素子30のみを実デバイスと同一基板表面上
に形成し、MOSFET23は、別基板上に形成してお
き、測定素子30の引き出し配線9と、ワイヤやコネク
タ等を用いて接続するようにしてもよい。
及びMOSFET23を高耐圧素子等の実デバイスと同
じ半導体基板上に形成するものを示したが、1または複
数個の測定素子30のみを実デバイスと同一基板表面上
に形成し、MOSFET23は、別基板上に形成してお
き、測定素子30の引き出し配線9と、ワイヤやコネク
タ等を用いて接続するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、実デバイスが形成さ
れた基板上に半絶縁膜の電位分布測定用素子を設けてい
るので、実デバイスごとに半絶縁膜の電位分布の測定が
可能となる。すなわち、実デバイスを用いて直接的に半
絶縁膜の膜質の均一化の評価をすることができ、実デバ
イスの半絶縁膜の形成工程の品質管理を容易にすること
ができる。
れた基板上に半絶縁膜の電位分布測定用素子を設けてい
るので、実デバイスごとに半絶縁膜の電位分布の測定が
可能となる。すなわち、実デバイスを用いて直接的に半
絶縁膜の膜質の均一化の評価をすることができ、実デバ
イスの半絶縁膜の形成工程の品質管理を容易にすること
ができる。
【図1】この発明の半絶縁膜の電位分布測定用素子の平
面図である。
面図である。
【図2】図1の電位分布測定用素子の断面図である。
【図3】この発明の半絶縁膜の測定素子の他の実施例の
平面図である。
平面図である。
【図4】半絶縁膜の理想的な電位分布の説明図である。
【図5】この発明の電位分布測定用素子の等価回路図で
ある。
ある。
【図6】この発明の電位分布測定方法の説明図である。
【図7】半絶縁膜を有するフィールドプレート構造の半
導体素子の空乏層の概略形成図である。
導体素子の空乏層の概略形成図である。
1 N型基板
2 P型拡散層
3 N型拡散層
4 酸化膜
5 半絶縁膜
6 酸化膜
7 中央電極
8 周辺電極
9、9’、9’’ 引き出し配線
10、10’、10’’ 取り出し電極
11 Au電極
12 中央電極とP型拡散層のコンタクト部
13 周辺電極とN型拡散層のコンタクト部
14 ドレイン電極
15 ソース電極
16 ゲート電極
17 Pウェル拡散層
18 ドレイン拡散層
19 ソース拡散層
20 ゲート酸化膜
21 ドレイン拡散層とドレイン電極のコンタクト部
22 ソース拡散層とソース電極のコンタクト部
23 MOSFET
24 ワイヤボンディングパッド
25 ワイヤ
26、26’ 空乏層
30 測定素子
Claims (7)
- 【請求項1】 半導体基板上に形成された半絶縁膜の所
定距離以上離れた任意の位置に第1電極と第2電極を設
け、この第1電極と第2電極との間であって半絶縁膜上
の所定の位置に少なくとも1つ以上の測定電極を配置
し、前記第1電極と第2電極との間に所定の直流電圧を
印加したときに、前記測定電極の測定電位を検出するこ
とにより、半絶縁膜の電位分布を求めることを特徴とす
る半絶縁膜の電位分布測定方法。 - 【請求項2】 前記測定電極の測定電位が入力され、こ
の測定電位と所定の基準電位とを比較して測定電位が基
準電位を超えていることを示す情報値を出力する電位判
定素子を、前記半導体基板と同一基板または異なる基板
上に形成し、前記出力された情報値から半絶縁膜の電位
分布を求めることを特徴とする前記請求項1の半絶縁膜
の電位分布測定方法。 - 【請求項3】 前記複数個の測定電極が、前記第1電極
と第2電極との間を等間隔に分割した位置に配置され、
前記電位判定素子が測定電極と同数個設けられ、電位判
定素子とこの電位判定素子に対応する測定電極とがそれ
ぞれ引き出し配線により接続されたことを特徴とする請
求項2の半絶縁膜の電位分布測定方法。 - 【請求項4】 前記電位判定素子がMOSFETから形
成され、前記測定電極とMOSFETのゲート電極とが
引き出し配線により接続されたことを特徴とする請求項
2または3の半絶縁膜の電位分布測定方法。 - 【請求項5】 前記第1電極が半導体基板に形成された
半絶縁膜のほぼ中央部分に配置され、前記第2電極が半
絶縁膜の周辺部であって前記第1電極を取り囲むように
形成されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載
した半絶縁膜の電位分布測定方法。 - 【請求項6】 前記測定電極が、前記第1電極と第2電
極の間であって、第1電極を取り囲むようにリング状に
形成されたことを特徴とする請求項5の半絶縁膜の電位
分布測定方法。 - 【請求項7】 前記引き出し配線がワイヤで形成された
ことを特徴とする請求項3または4の半絶縁膜の電位分
布測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002006193A JP2003209151A (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | 半絶縁膜の電位分布測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002006193A JP2003209151A (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | 半絶縁膜の電位分布測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003209151A true JP2003209151A (ja) | 2003-07-25 |
Family
ID=27645027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002006193A Pending JP2003209151A (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | 半絶縁膜の電位分布測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003209151A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007114127A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Fujitsu Ltd | 帯電量評価素子 |
JP2012004428A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | Mitsubishi Electric Corp | パワー半導体素子 |
-
2002
- 2002-01-15 JP JP2002006193A patent/JP2003209151A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007114127A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Fujitsu Ltd | 帯電量評価素子 |
JP2012004428A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | Mitsubishi Electric Corp | パワー半導体素子 |
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