JP2003209150A - シリコンウェーハの評価方法及びそのエッチング液 - Google Patents
シリコンウェーハの評価方法及びそのエッチング液Info
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Abstract
ハ面内全面の迅速で正確な測定が可能なシリコンウェー
ハの評価方法及びそのエッチング液を提供する。 【解決手段】 エッチング液中のフッ酸、硝酸、酢酸及
び水の容量比が(400):(2〜4):(10〜5
0):(80)であり且つヨウ素又はヨウ化物を含有す
るエッチング液に、シリコンウェーハを浸漬して結晶欠
陥部分を選択的にエッチングし、該シリコンウェーハの
表面に現れたさざ波模様を検出するシリコンウェーハの
評価方法。およびエッチング液中のフッ酸、硝酸、酢酸
及び水が(400):(2〜4):(10〜50):
(80)の容量比を有し、且つヨウ素又はヨウ化物が前
記エッチング液の総液量1リットル当たり0.03g以
上含有していることを特徴とするエッチング液。
Description
の評価方法及びそのエッチング液に関し、さらに詳しく
はシリコンウェーハの表面を選択的にエッチングするこ
とにより半導体デバイスの電気特性を劣化させるような
結晶欠陥を検出するための評価方法及びそのエッチング
液に関する。
しく増し、性能・信頼性・歩留まりの高い集積回路を得
る為には、機械的な精度だけではなく、電気的な特性に
ついても高いことが要請されるようになってきた。それ
に伴い半導体集積回路に使用されるシリコンウェーハの
結晶品質に対し、より厳しい条件が課されるようになっ
た。シリコンウェーハの結晶品質の一例については、シ
リコン単結晶育成時に導入される、いわゆるフローパタ
ーン欠陥(Flow Pattern Defect;以下、FPDと呼ぶ
ことがある)やCOP(Crystal Originated Particl
e)と呼ばれるGrown−in欠陥がシリコンウェー
ハの酸化膜耐圧特性などを劣化させるということがあ
り、このようなGrown−in欠陥を低減したシリコ
ンウェーハやGrown−in欠陥が実質的に存在しな
いシリコンウェーハが重要視されてきている。このFP
DやCOPは、近年の研究では、同じGrown−in
欠陥であり、シリコン単結晶育成時の熱履歴に起因して
発生することが明らかにされてきた。
特性を劣化させるGrown−in欠陥を検出する方法
として、従来、FPDを検出する方法としては、シリコ
ンウェーハの表面をエッチング液でエッチングし、結晶
欠陥のあるところとないところの被エッチング速度の差
を利用した選択エッチング法があった。例えば特公平6
−103714号公報に開示されるように、シリコンウ
ェーハを重クロム酸カリウムを含有するセコ(SECC
O)液や、特開平11−238773に開示される重ク
ロム酸カリウムを含まない(以下、クロムレスと呼ぶこ
とがある)エッチング液に浸漬して結晶欠陥部分を選択
的にエッチングして、シリコンウェーハの表面に現れた
結晶欠陥を検出する方法である。この時、欠陥部分がさ
ざ波模様で観察されるため、フローパターン欠陥と呼ば
れた。このような欠陥評価により、電気的特性である酸
化膜耐圧特性の評価を簡易的に行うことが知られてい
る。
開平3−233955号公報に開示されるようなアンモ
ニア過水系の洗浄液を用いることによって、結晶欠陥部
分を微小ピットにし、そのピットをパーティクルカウン
タで測定することにより検出する方法もある。この微小
ピットはパーティクルカウンタにより検出され、結晶品
種に依存していることが判ったことから結晶起因のパー
ティクル、すなわちCOPと呼ばれた。この欠陥評価も
また、前述の選択エッチング法と同様に電気的特性であ
る酸化膜耐圧特性の評価を簡易的に行うことが知られて
いる。
ついて、代表的な製造工程を例にあげて説明する。シリ
コン単結晶インゴットは、予め所定の導電型と抵抗率と
面方位となるようチョクラルスキー(CZ)法またはフ
ローティングゾーン(FZ)法等により育成される。育
成されたシリコン単結晶インゴットは、切断され、直径
を揃えるために丸め加工(円筒研磨工程)が施される。
このシリコン単結晶インゴットからウェーハ状のシリコ
ンウェーハが切り出され(スライス加工工程)、切り出
されたシリコンウェーハの周辺部の角を落とすために面
取りが施される(ベベリング加工工程)。さらに、この
シリコンウェーハ表面の凹凸を無くし、平坦度を高め、
表面の傷を最小にする為に機械研磨が施され(ラッピン
グ加工工程;この段階でラップドウェーハと呼ぶことが
ある)、機械研磨時にシリコンウェーハの表面層に形成
された研磨歪み層が混酸エッチングにより除去され、化
学的に平坦度を向上させたシリコンウェーハが得られる
(ケミカルエッチング加工工程;この段階でケミカルエ
ッチドウェーハ(CW)と呼ぶことがある)。
さらに上げ面粗さを小さくするために、前記エッチドウ
ェーハの研磨面に対して遊離砥粒による機械的作用と、
化学物質によるエッチング作用とを重複させながら研磨
するメカノケミカル研磨法が採用されており、この研磨
法は通常、2〜3段階に分けた工程で構成されている。
すなわち、その工程順に1次研磨、2次研磨(場合によ
っては3次研磨もある)、仕上げ研磨と称し、この研磨
の回を重ねる毎に、研磨砥粒の粒度を細かくしたり、研
磨布の硬度を下げる等、研磨条件を緩和させたりしなが
ら、その段階毎に研磨される鏡面部の平坦度や面粗さ等
を低い値となるように条件を設定して研磨している。以
上のような工程を経てポリッシュドウェーハ(PW)が
製造されている。
開示された結晶欠陥を検出する方法では、スライス加工
した後、研磨歪みを取るためのケミカルエッチング加工
工程の替わりに、エッチングレートの高い混酸を用いて
ウェーハ表面の光沢度を向上させるエッチングを施し
(以下、ミラーエッチングと呼ぶ)てウェーハ表面を化
学的に鏡面(以下、ミラーエッチドウェーハと呼ぶ)と
し、セコ液による選択エッチングを施すことによりFP
Dの評価が行われている。
った手法ではミラーエッチドウェーハの段階でウェーハ
面内全面の結晶欠陥を簡便に観察できるものの、有害な
物質である重クロム酸カリウムを含有する液を使用しな
ければならず、地球環境や人体に及ぼす影響や廃液処理
を配慮しないといけないという問題があった。
れたクロムレスエッチング液を使った手法では、地球環
境や人体に影響の強い重クロム酸カリウムを含まず、ポ
リッシュドウェーハの段階まで進めたシリコンウェーハ
に対してはセコ液との相関が得られたが、ミラーエッチ
ドウェーハの段階ではエッチングしてもフローパターン
の形状が丸くなって見えづらくなったり、従来とは形状
が異なるフローパターンが観察されたり、フローパター
ンがセコ液より高密度で群集して発生したりして、相関
が得られないという問題があることが判った。
は、アンモニア過水系の洗浄を行った後パーティクルカ
ウンタを用いて測定されるが、前記測定器は通常レーザ
ー光の散乱を利用して欠陥をカウントする関係から、シ
リコンウェーハの表面は平滑で平坦でなければならず、
必然的に機械的化学的に研磨されたポリッシュドウェー
ハの段階まで進めたシリコンウェーハでないと正確な評
価ができないという問題があった。
もので、シリコンウェーハの評価を安全、迅速且つ安価
に正確に行うことができる方法とそのエッチング液を提
供することを目的とする。
に、本発明のシリコンウェーハの評価方法は、エッチン
グ液中のフッ酸、硝酸、酢酸及び水の容量比が(40
0):(2〜4):(10〜50):(80)であり且
つヨウ素又はヨウ化物を含有するエッチング液に、シリ
コンウェーハを浸漬して結晶欠陥部分を選択的にエッチ
ングし、前記シリコンウェーハの表面に現れたさざ波模
様を検出することを特徴とする(請求項1)。
酸、硝酸、酢酸及び水の容量比を(400):(2〜
4):(10〜50):(80)とし且つヨウ素又はヨ
ウ化物を含有させる(但し、フッ酸が50重量%、硝酸
が61重量%、酢酸が99.7重量%のとき)。こうす
ることにより、重クロム酸カリウムのような地球環境や
人体に影響の強いクロムを含まないエッチング液を用い
てシリコンウェーハを評価することができる。
容量比が2未満の場合、フローパターンの形状がはっき
りしないことがある。また、硝酸の容量比が増加するに
従い鮮明度は向上するが、硝酸の容量比が4を越える
と、ウェーハ表面の面荒れが発生したり、フローパター
ンが連続的に発生したりしてしまう場合がある。従っ
て、硝酸の容量比を2〜4とすることにより、従来のセ
コ液と最もよい相関が得られかつフローパターンの形状
も比較的はっきりと鮮明に観察される。従って、本発明
の評価方法によりシリコンウェーハ表層の結晶欠陥部分
に形のよいフローパターンを鮮明に形成させることがで
き、高感度にFPDを検出できるようになる。
はヨウ化物の含有量は、前記エッチング液の総液量1リ
ットル当たり0.03g以上であることが好ましい(請
求項2)。
ヨウ化物を添加するのは、ウェーハ表面に付着するしみ
(ステイン膜)の発生を防止するのに効果があるためで
ある。ステイン膜の発生を防止することで、フローパタ
ーンを明瞭且つ安定して確認できるとともに、反応開始
時間の短縮、エッチング代の均一化につながり、評価精
度が向上する。ヨウ化物としては例えばヨウ化カリウム
などが挙げられ、水溶液として添加しても良い。ヨウ素
又はヨウ化物の添加量は、エッチング液の総液量1リッ
トルに対して0.03g以上の比率で添加するのが望ま
しい。尚、ヨウ素又はヨウ化物を添加しない場合は欠陥
の検出が安定しない。一方、添加量が多いと泡切れが悪
くなり、フローパターンが丸くなってカウントし辛くな
るので、0.15gを超えないようにするのが好まし
い。
シリコン単結晶インゴットからスライスして得られた化
学鏡面研磨後のウェーハであることが好ましい(請求項
3)。
鏡面研磨後のウェーハ、すなわちミラーエッチドウェー
ハの段階でも形のよいフローパターンを形成させること
ができる。被検体がミラーエッチドウェーハの段階とい
うことは、その後の機械的化学的研磨工程が不要とな
り、評価用サンプルの作製に費やす時間や費用を節約す
ることができるので、効率的であり検出感度もよい。ま
た、育成されたシリコン単結晶インゴットの円筒研磨工
程をも省略してスライスし、研磨歪みを取るエッチング
をも省略してミラーエッチングを施して評価可能なの
で、非常に短い工程で評価用サンプルを得てシリコンウ
ェーハを評価することができる。
リコンウェーハのエッチオフ量は両面で3〜50μmで
あることが好ましい(請求項4)。
際にシリコン単結晶中に均一に生じ、ウェーハ表面に対
する深さ方向に均一に存在することになる。シリコンウ
ェーハを前記エッチング液に浸漬すると、ウェーハ表層
部分がエッチング除去され、除去されるに従い深さ方向
に分布しているFPDが検出され、エッチングされたウ
ェーハ表面にFPDの個数が累積していくことになる。
エッチオフ量、すなわちエッチングによって除去される
シリコンウェーハの厚さは3〜50μmが好ましい。エ
ッチオフ量が3μm未満だとFPDの密度が低すぎて正
確な評価が行えない。一方、エッチオフ量が50μmを
越えると、エッチング初期のFPDの形が崩れることも
あり、またFPDの密度も高すぎて正確な評価が行えな
い場合もある。
度を10〜30℃でエッチングを行うことが好ましい
(請求項5)。
漬してエッチングがはじまると、前記エッチング液の温
度が上昇し、エッチング速度が速くなってしまう。安定
した反応を得て均一なエッチング量とするためには浸漬
開始温度を10〜30℃とすることが好ましい。浸漬開
始温度が10℃未満ではエッチングの進行が遅く検出感
度が低下し、一方、浸漬開始温度が30℃を越えるとエ
ッチング速度が速く、それに伴い液温上昇も早くなり、
エッチングの進行が著しくなってフローパターンの形状
が崩れたり密度が高すぎたりして検出不能になってしま
うこともある。
中でシリコンウェーハを撹拌しないで放置してエッチン
グすることが好ましい(請求項6)。
ェーハを浸漬すると、シリコンウェーハ表面の欠陥部分
に気泡が付き、その気泡がある程度の時間を経て離脱し
て液中を上昇し、その気泡の流れによって生じるエッチ
ング液の上昇流により、欠陥部分に付いた気泡周辺部分
にフローパターンを形成させることによって検出される
ものである。従って、意図的にあるいは故意にシリコン
ウェーハを揺動あるいは攪拌させて強制的に気泡を離脱
させると、フローパターンが形成し辛くなるので、前記
エッチング液中にシリコンウェーハを静止放置させるこ
とが好ましい。
ウェーハの結晶欠陥を検出するために用いられるエッチ
ング液であって、前記エッチング液はその液中のフッ
酸、硝酸、酢酸及び水が(400):(2〜4):(1
0〜50):(80)の容量比を有し、且つヨウ素又は
ヨウ化物が前記エッチング液の総液量1リットル当たり
0.03g以上含有していることを特徴とする(請求項
7)。
り、重クロム酸カリウムのような地球環境や人体に影響
の強いクロムを含まないエッチング液となり、廃液の処
理が簡単になる。また、選択エッチング液は、フッ酸、
硝酸、酢酸及び水が(400):(2〜4):(10〜
50):(80)の容量比を有し、且つヨウ素又はヨウ
化物が含有しているので、ステイン膜の発生を防止する
ことができ、フローパターンを明瞭且つ安定して確認で
きるようになるとともに、反応開始時間の短縮、エッチ
ング代の均一化につながり、評価精度が向上したエッチ
ング液となる(但し、フッ酸が50重量%、硝酸が61
重量%、酢酸が99.7重量%のとき)。
比を2〜4とすることにより、化学鏡面研磨後のウェー
ハ、すなわちミラーエッチドウェーハの段階でも形のよ
いフローパターンを形成させることができるので、検出
感度が高い。ミラーエッチドウェーハの段階ということ
は、評価用サンプルを作製する際に、ケミカルエッチン
グ加工工程及びその後の機械的化学的研磨工程が不要と
なり、評価用サンプルの作製に費やす時間や費用を節約
することができる。また、育成されたシリコン単結晶イ
ンゴットの円筒研磨工程をも省略してスライスし、化学
的鏡面研磨、すなわちミラーエッチングを施した段階で
あっても評価可能なので、非常に効率よくシリコンウェ
ーハを評価できるエッチング液である。さらに、FPD
密度の低いシリコン単結晶を得るために、シリコン単結
晶の製造条件の可否を早い内にフィードバックできるの
で合理的でもある。
ッチング液の総液量1リットルに対して0.03g以上
の比率で添加することで、ウェーハ表面に付着するしみ
(ステイン膜)の発生を防止し、欠陥の検出が安定す
る。一方、添加量が多いと泡切れが悪くなり、フローパ
ターンが丸くなってカウントし辛くなるので、0.15
gを超えないようにするのが好ましい。尚、ヨウ化物と
しては例えばヨウ化カリウムなどが挙げられ、ヨウ化カ
リウムなどを水溶液として添加しても良い。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発
明者らは、シリコンウェーハの結晶欠陥を評価するにあ
たり、いかに効率よく安価に安全にかつ正確に評価する
かにつき鋭意研究し、実験を繰り返した結果、本発明を
完成させたものである。このような評価方法及びそのエ
ッチング液は、例えばシリコンウェーハを製造する段階
の比較的早い時期にクロムレスエッチング液にウェーハ
を浸漬して評価することが望ましいが、セコ液の場合と
の相関を取ることが困難であった。そこで、本発明者ら
はクロムレスエッチング液を用いてシリコンウェーハを
製造する段階の比較的早い時期に、フローパターンの形
状がはっきりと観察され尚且つセコ液の場合との相関が
取れるようにするにはどのようにすればよいかについて
考察した。
にフッ酸と硝酸の混合液が用いられるが、この混合液中
でシリコンは硝酸により酸化され、形成された酸化膜が
フッ酸により溶解されてエッチングが進んでいる。そし
て、シリコンウェーハの面状態の違い、ここではポリッ
シュドウェーハとミラーエッチドウェーハの面状態の違
いであるが、面状態が違うことによってフローパターン
の形成状態が変わってしまうという事実があった。ま
た、シリコンウェーハをエッチングする際に、ポリッシ
ュドウェーハの面状態は非常に平坦で滑らかであるのに
反しエミラーエッチドウェーハの面状態はある程度の凹
凸を有しているので、ミラーエッチドウェーハの方が表
面積が大きいことによりエッチングが比較的早く進み、
ウェーハ表面の面荒れが発生し且つフローパターンが連
続的に発生してしまう場合があることがわかった。そこ
で、例え面状態が変わってもフローパターンの形状がは
っきりと観察され尚且つセコ液の場合との相関が取れる
ようにするという観点に着目した。
パターンの形状がはっきりと観察される鮮明度とに関係
があることを発見し、シリコンウェーハを評価する際の
エッチング液中の硝酸の容量比を調整することにより、
ウェーハ表面の面荒れの発生やフローパターンの連続的
な発生を防止できることを確認した。これにより、シリ
コンウェーハを製造する段階の比較的早い時期、すなわ
ちミラーエッチドウェーハの段階で、従来のセコ液と最
もよい相関が得られかつフローパターンの形状も比較的
はっきりと鮮明に観察することが可能となった。
によりFPD密度の少ないシリコン単結晶の製造条件を
早く見出すことが可能となり、効率よく安価に安全にか
つ正確に評価できる。その結果、地球環境や人体に及ぼ
す影響や廃液処理、コスト問題の解決に寄与するところ
が大となった。
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。本発明のシリコンウェーハを評価するにあた
り、まず、用いるシリコンウェーハの作製方法は、公知
のシリコン単結晶基板作製方法で良い。例えば、チョク
ラルスキー法により引き上げたシリコン単結晶インゴッ
トからスライスしたシリコンウェーハを用いることがで
きる。
得るために、公知のシリコン単結晶の製造条件を変更し
て未知の条件にしたとしても、得られたシリコン単結晶
インゴットからスライスしたシリコンウェーハを用いる
ことも可能である。
したシリコンウェーハの表面及び表面から深さ方向の数
μm程度はスライス等による加工歪みが残留していない
状態が必要であるため、化学研磨液、例えばフッ酸と硝
酸の比率が1:3程度の混酸でエッチングすることによ
り、シリコンウェーハ表面の加工歪みを除去するととも
に化学的に鏡面状にしたミラーエッチドウェーハを準備
することができる。
を検出するために用いられるエッチング液として、前記
エッチング液中のフッ酸、硝酸、酢酸及び水が(40
0):(2〜4):(10〜50):(80)の容量比
を有し、且つヨウ素又はヨウ化物が前記エッチング液の
総液量1リットルに対し0.03〜0.15g含有して
いる。ここで、エッチング液については、市販されてい
る半導体グレードの薬液を用いることができ、例えば、
フッ酸(50重量%)はダイキン工業株式会社の半導体
用を、硝酸(61重量%)は関東化学株式会社のEL級
を、酢酸(99.7重量%)は関東化学株式会社の特級
をそのまま前記容量比で混合して作製できる。また、水
については、エッチング処理時にゴミや汚れなどのウェ
ーハへの付着を考慮すると半導体工業で使われている超
純水を用いることが好ましい。
ドウェーハを、液温が10〜30℃の本発明の前記エッ
チング液に、エッチオフ量がミラーエッチドウェーハの
両面で3〜50μmになる時間、攪拌せずに放置して浸
漬し、結晶欠陥部分を選択的にエッチングして、ミラー
エッチドウェーハの表面に現れたフローパターンの数を
結晶欠陥の密度として計測する。
て具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。評価用のシリコンウェーハとして、種々の
製造条件により育成された直径が6インチ(150m
m)、導電型がP型、抵抗率が約10Ω・cmのシリコ
ン単結晶インゴットからスライスした後、化学鏡面研磨
(ミラーエッチング)液により鏡面状態となったウェー
ハ(ミラーエッチドウェーハ)を用いた。これらのサン
プルウェーハを4分割し、各ウェーハについて実施例及
び比較例の各々の条件に従ってFPDを評価した。
l、61重量%硝酸45ml、99.7重量%酢酸50
0ml、水1200ml及び0.1モル/リットルのヨ
ウ化カリウム水溶液40mlを全て混合してエッチング
液を調製した。ここで前記エッチング液の容量比は、フ
ッ酸400、硝酸3、酢酸33、水80となる。このエ
ッチング液の組成及び温度を安定させる為、エッチング
液を1日放置した後、浸漬開始温度26℃にて分割後の
各サンプルウェーハを垂直に立てた状態で浸漬し、撹拌
しないで27分間放置した。この時のエッチオフ量は、
両面で約26μmであった。なお、エッチング液の総量
を7785ml、ウェーハの仕込み総枚数を40枚と
し、15バッチ実施した。
示される酢酸を含まないエッチング液の例として、50
重量%フッ酸4000ml、61重量%硝酸50ml、
水800ml及び0.1モル/リットルのヨウ化カリウ
ム水溶液30mlを全て混合してエッチング液を調製し
た。液の組成及び温度を安定化させる為、このエッチン
グ液を1日放置した後、浸漬開始温度24℃にて撹拌し
ないで12分間サンプルウェーハを放置した。この時の
エッチオフ量は、両面で約38μmであった。
示される酢酸を含むエッチング液の例として、50重量
%フッ酸4000ml、61重量%硝酸50ml、硝酸
300ml、水800ml及び0.1モル/リットルの
ヨウ化カリウム水溶液40mlを全て混合してエッチン
グ液を調製した。液の組成及び温度を安定化させる為、
このエッチング液を1日放置した後、浸漬開始温度24
℃にて分割後の各サンプルウェーハを垂直に立てた状態
で浸漬し、撹拌しないで10分間放置した。この時のエ
ッチオフ量は、両面で約28μmであった。
グ液をセコ液(HF100cm3+K2Cr2O
7(0.15M)50cm3の混合比で調製)に替えた
以外はエッチオフ量が実施例1と同等となるような条件
でエッチングを行った。
グ液をセコ液(HF100cm3+K2Cr2O
7(0.15M)50cm3の混合比で調製)に替えた
以外はエッチオフ量が比較例2と同等となるような条件
でエッチングを行った。
ルウェーハについて、形成されたフローパターンを観察
した。図1(a)は本発明のエッチング液によりサンプ
ルウェーハをエッチングした結果、現れたフローパター
ンを示す(実施例1)。フローパターン先端部にピット
が観察でき、フローパターン自体は安定して観察できる
ことがわかる。
により現れたフローパターンを、図1(c)は比較例2
のエッチングにより現れたフローパターンを、図1
(d)比較例3のエッチングにより現れたフローパター
ンを示す。比較例1では丸い形状のフローパターンや短
いフローパターンが観察され、比較例2では連続的なフ
ローパターンが観察された。これら比較例1、2の結果
からはフローパターンがカウントし辛く正確な評価が行
えないことがわかる。尚、比較例3では綺麗なフローパ
ターンがくっきりと鮮明に観察されるが、地球環境や人
体に影響の強い重クロム酸カリウムのようなクロムを含
むエッチング液を用いているため、このようなエッチン
グ液は近い将来使用禁止となる方向なので使えなくな
る。
サンプルウェーハについて、形成されたフローパターン
を測定してその密度を求めた。図2は、実施例1で得ら
れた本発明のエッチング液によるFPDの単位体積当た
りの密度と比較例3で得られたセコエッチングによるF
PDの単位体積当たりの密度との相関を示す。図から分
かるように、本発明によるFPD密度はセコエッチング
によるFPD密度とほぼ1:1の相関関係にあった。
れたフローパターン欠陥の単位体積当たりの密度の相関
を示す。図から分かるように、従来のクロムレスエッチ
ング液を用いてミラーエッチドウェーハの段階にあるシ
リコンウェーハをエッチングして求めたFPD密度はセ
コエッチングにより求めたFPD密度との相関関係が得
られなかった。したがって、本発明の方法によれば、ミ
ラーエッチドウェーハの段階にあるシリコンウェーハで
あってもセコエッチングと同等の結果を得られることが
分かった。
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
ッチドウェーハを評価する場合につき説明したが、本発
明は例えば製品として出荷する段階のポリッシュドシリ
コンウェーハを評価する場合であっても有効であること
は言うまでもない。
環境や人体に有害な物質である重クロム酸カリウムを使
用せずに、シリコンウェーハの電気特性を劣化させるフ
ローパターン欠陥をウェーハ面内全面に渡って簡便に観
察でき、しかもミラーエッチドウェーハの段階であって
も高感度にフローパターン欠陥を検出でき、シリコン単
結晶製造条件に迅速にフィードバックできるので、効率
よく安価に安全にかつ正確に評価可能なシリコンウェー
ハの評価方法及びそのエッチング液を提供できる。
1における、(c)は比較例2における、(d)は比較
例3における評価結果の代表的なフローパターン形状を
示す図である。
積当たりの密度と比較例3によるフローパターン欠陥の
単位体積当たりの密度との相関を示すグラフである。
積当たりの密度と比較例4によるフローパターン欠陥の
単位体積当たりの密度との相関を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 シリコンウェーハの評価方法であって、
エッチング液中のフッ酸、硝酸、酢酸及び水の容量比が
(400):(2〜4):(10〜50):(80)で
あり且つヨウ素又はヨウ化物を含有するエッチング液
に、シリコンウェーハを浸漬して結晶欠陥部分を選択的
にエッチングし、前記シリコンウェーハの表面に現れた
さざ波模様を検出することを特徴とするシリコンウェー
ハの評価方法。 - 【請求項2】 前記エッチング液中のヨウ素又はヨウ化
物の含有量は、前記エッチング液の総液量1リットル当
たり0.03g以上であることを特徴とする請求項1記
載のシリコンウェーハの評価方法。 - 【請求項3】 前記シリコンウェーハはシリコン単結晶
インゴットからスライスして得られた化学鏡面研磨後の
ウェーハであることを特徴とする請求項1又は請求項2
記載のシリコンウェーハの評価方法。 - 【請求項4】 前記エッチングによるシリコンウェーハ
のエッチオフ量は両面で3〜50μmであることを特徴
とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシリ
コンウェーハの評価方法。 - 【請求項5】 前記エッチング液の浸漬開始温度を10
〜30℃でエッチングを行うことを特徴とする請求項1
ないし請求項4のいずれか記載のシリコンウェーハの評
価方法。 - 【請求項6】 前記エッチング液中でシリコンウェーハ
を撹拌しないで放置してエッチングすることを特徴とす
る請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシリコン
ウェーハの評価方法。 - 【請求項7】 シリコンウェーハの結晶欠陥を検出する
ために用いられるエッチング液であって、前記エッチン
グ液はその液中のフッ酸、硝酸、酢酸及び水が(40
0):(2〜4):(10〜50):(80)の容量比
を有し、且つヨウ素又はヨウ化物が前記エッチング液の
総液量1リットル当たり0.03g以上含有しているこ
とを特徴とするエッチング液。
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