JP2003209026A - 積層型電子部品の製法 - Google Patents
積層型電子部品の製法Info
- Publication number
- JP2003209026A JP2003209026A JP2002004994A JP2002004994A JP2003209026A JP 2003209026 A JP2003209026 A JP 2003209026A JP 2002004994 A JP2002004994 A JP 2002004994A JP 2002004994 A JP2002004994 A JP 2002004994A JP 2003209026 A JP2003209026 A JP 2003209026A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceramic
- conductor
- pattern
- paste
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】セラミックグリーンシートを薄層化して積層数
を増加した場合にも、積層型電子部品のデラミネーショ
ンやクラックの発生を抑制するとともに導体パターンの
変形を抑えてショートを防止できる積層型電子部品の製
法を提供する。 【解決手段】セラミックグリーンシート1上の導体パタ
ーン3間に、少なくともセラミック粉末、低重合度の高
分子と高重合度の高分子との混合物からなる粘結剤およ
び溶剤とを含有するセラミックペーストを塗布して形成
されたセラミックパターン5を形成する。
を増加した場合にも、積層型電子部品のデラミネーショ
ンやクラックの発生を抑制するとともに導体パターンの
変形を抑えてショートを防止できる積層型電子部品の製
法を提供する。 【解決手段】セラミックグリーンシート1上の導体パタ
ーン3間に、少なくともセラミック粉末、低重合度の高
分子と高重合度の高分子との混合物からなる粘結剤およ
び溶剤とを含有するセラミックペーストを塗布して形成
されたセラミックパターン5を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型電子部品の
製法に関し、特に、配線基板や積層セラミックコンデン
サのようにセラミックグリーンシートおよび導体パター
ンが薄層多層化された積層型電子部品の製法に関するも
のである。
製法に関し、特に、配線基板や積層セラミックコンデン
サのようにセラミックグリーンシートおよび導体パター
ンが薄層多層化された積層型電子部品の製法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化、高密度化に伴
い、積層型電子部品中に導体パターンが形成された配線
基板や積層セラミックコンデンサは、小型薄型化および
高寸法精度が求められており、例えば、積層セラミック
コンデンサでは小型高容量化が求められ、このためセラ
ミックグリーンシートや導体パターンの薄層化および多
層化が進められている。
い、積層型電子部品中に導体パターンが形成された配線
基板や積層セラミックコンデンサは、小型薄型化および
高寸法精度が求められており、例えば、積層セラミック
コンデンサでは小型高容量化が求められ、このためセラ
ミックグリーンシートや導体パターンの薄層化および多
層化が進められている。
【0003】このような積層型電子部品では、セラミッ
クグリーンシートの薄層化および多層化に伴い、セラミ
ックグリーンシート上に形成された導体パターンの厚み
が大きく影響するようになり、導体パターンが形成され
ている部分と形成されていない部分との間で導体パター
ンの厚みによる段差が累積し、導体パターンの無い周囲
のセラミックグリーンシート同士の密着が弱くなり、デ
ラミネーションやクラックが発生しやすくなる。このた
めセラミックグリーンシート上の段差を無くす工夫が図
られている。
クグリーンシートの薄層化および多層化に伴い、セラミ
ックグリーンシート上に形成された導体パターンの厚み
が大きく影響するようになり、導体パターンが形成され
ている部分と形成されていない部分との間で導体パター
ンの厚みによる段差が累積し、導体パターンの無い周囲
のセラミックグリーンシート同士の密着が弱くなり、デ
ラミネーションやクラックが発生しやすくなる。このた
めセラミックグリーンシート上の段差を無くす工夫が図
られている。
【0004】このような積層型電子部品の製法として、
例えば、特開2000−311831号公報に開示され
るようなものが知られている。この公報に開示された積
層型電子部品の製法では、図3に示すように、セラミッ
クグリーンシート81の主面に導体パターン83を形成
する工程において、導体パターン83の端部85は、セ
ラミックグリーンシート81の主面に対して鋭角をもつ
傾斜面87を与えるように形成されるとともに、この導
体パターン83の周辺にセラミックペーストを付与する
工程において、セラミックペーストは導体パターン83
の傾斜面87に重なるように付与され、セラミックパタ
ーン89が形成されることを特徴としている。
例えば、特開2000−311831号公報に開示され
るようなものが知られている。この公報に開示された積
層型電子部品の製法では、図3に示すように、セラミッ
クグリーンシート81の主面に導体パターン83を形成
する工程において、導体パターン83の端部85は、セ
ラミックグリーンシート81の主面に対して鋭角をもつ
傾斜面87を与えるように形成されるとともに、この導
体パターン83の周辺にセラミックペーストを付与する
工程において、セラミックペーストは導体パターン83
の傾斜面87に重なるように付与され、セラミックパタ
ーン89が形成されることを特徴としている。
【0005】上記の製法によれば、導体パターン83の
端部85には傾斜面87が形成されていることから、こ
の傾斜面87に重なるようにセラミックペーストが付与
されても、その後において、導体パターン83間へと迅
速に移動し円滑にレベリングされ、導体パターン83の
厚みの影響を受けない状態で、セラミックグリーンシー
ト81を積層することができる、と記載されている。
端部85には傾斜面87が形成されていることから、こ
の傾斜面87に重なるようにセラミックペーストが付与
されても、その後において、導体パターン83間へと迅
速に移動し円滑にレベリングされ、導体パターン83の
厚みの影響を受けない状態で、セラミックグリーンシー
ト81を積層することができる、と記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開2000−311831号公報に開示される積層
型電子部品の製法では、セラミックパターン89がスク
リーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷等の印刷により形
成されるが、これらの印刷に用いられるセラミックペー
ストは、その粘度が溶媒量により調整されているもの
の、粘結剤での調整が行われていないことから、開口径
の細かい印刷用スクリーンを用いて高速で行われるよう
な高いせん断速度での印刷において粘度が低下しやす
く、セラミックパターン89が設計値よりも広がった状
態で形成されるようになる。
た特開2000−311831号公報に開示される積層
型電子部品の製法では、セラミックパターン89がスク
リーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷等の印刷により形
成されるが、これらの印刷に用いられるセラミックペー
ストは、その粘度が溶媒量により調整されているもの
の、粘結剤での調整が行われていないことから、開口径
の細かい印刷用スクリーンを用いて高速で行われるよう
な高いせん断速度での印刷において粘度が低下しやす
く、セラミックパターン89が設計値よりも広がった状
態で形成されるようになる。
【0007】このため導体パターン83上へのセラミッ
クペーストの付着や乗り上げにより、導体パターン83
の端部付近にセラミックパターン89の凸部91が形成
されることから、このようなセラミックグリーンシート
81を積層した場合、均一に荷重を印加できず電子部品
本体成形体や焼成された電子部品本体等にクラックやデ
ラミネーションが発生しやすくなるとともに、導体パタ
ーン83の変形によりショートが発生しやすいという問
題があった。
クペーストの付着や乗り上げにより、導体パターン83
の端部付近にセラミックパターン89の凸部91が形成
されることから、このようなセラミックグリーンシート
81を積層した場合、均一に荷重を印加できず電子部品
本体成形体や焼成された電子部品本体等にクラックやデ
ラミネーションが発生しやすくなるとともに、導体パタ
ーン83の変形によりショートが発生しやすいという問
題があった。
【0008】また、積層型電子部品の小型化および低コ
スト化に対して、セラミックグリーンシート81や印刷
用スクリーンはワークサイズの大面積化が行われている
が、このように有効サイズの大きい印刷用スクリーンを
用いてセラミックペーストを印刷する場合、この印刷用
スクリーンの周辺領域における印圧による伸び率が中央
部に比較して大きいことから、セラミックグリーンシー
ト81上に予め形成された導体パターン83のうち、特
に、周辺領域に形成された導体パターン83間に形成さ
れるセラミックパターン89の位置ずれが大きくなるこ
とから、周辺領域においては、上記したクラックやデラ
ミネーションおよびショートがさらに多くなるという問
題があった。
スト化に対して、セラミックグリーンシート81や印刷
用スクリーンはワークサイズの大面積化が行われている
が、このように有効サイズの大きい印刷用スクリーンを
用いてセラミックペーストを印刷する場合、この印刷用
スクリーンの周辺領域における印圧による伸び率が中央
部に比較して大きいことから、セラミックグリーンシー
ト81上に予め形成された導体パターン83のうち、特
に、周辺領域に形成された導体パターン83間に形成さ
れるセラミックパターン89の位置ずれが大きくなるこ
とから、周辺領域においては、上記したクラックやデラ
ミネーションおよびショートがさらに多くなるという問
題があった。
【0009】従って、本発明は、セラミックグリーンシ
ートを薄層化して積層数を増加した場合にも、積層型電
子部品のデラミネーションやクラックの発生を抑制する
とともに、導体パターンの変形を抑えてショートを防止
できる積層型電子部品の製法を提供することを目的とす
る。
ートを薄層化して積層数を増加した場合にも、積層型電
子部品のデラミネーションやクラックの発生を抑制する
とともに、導体パターンの変形を抑えてショートを防止
できる積層型電子部品の製法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型電子部品
の製法は、セラミック粉体、バインダおよび溶媒を含む
セラミックスラリをキャリアフィルム上に塗布してセラ
ミックグリーンシートを形成する工程と、該セラミック
グリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して、矩
形状の導体パターンを複数形成する工程と、該導体パタ
ーン間に、少なくともセラミック粉末、低重合度の高分
子と高重合度の高分子との混合物からなる粘結剤および
溶剤とを含有するセラミックペーストを塗布してセラミ
ックパターンを形成する工程と、前記導体パターンおよ
び前記セラミックパターンが形成されたセラミックグリ
ーンシートを複数積層する工程と、前記セラミックグリ
ーンシートを積層方向に切断して電子部品本体成形体を
形成する工程と、該電子部品本体成形体を焼成する工程
とを具備することを特徴とする。
の製法は、セラミック粉体、バインダおよび溶媒を含む
セラミックスラリをキャリアフィルム上に塗布してセラ
ミックグリーンシートを形成する工程と、該セラミック
グリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して、矩
形状の導体パターンを複数形成する工程と、該導体パタ
ーン間に、少なくともセラミック粉末、低重合度の高分
子と高重合度の高分子との混合物からなる粘結剤および
溶剤とを含有するセラミックペーストを塗布してセラミ
ックパターンを形成する工程と、前記導体パターンおよ
び前記セラミックパターンが形成されたセラミックグリ
ーンシートを複数積層する工程と、前記セラミックグリ
ーンシートを積層方向に切断して電子部品本体成形体を
形成する工程と、該電子部品本体成形体を焼成する工程
とを具備することを特徴とする。
【0011】このような製法によれば、まず、セラミッ
クペースト中に、粘結剤として低重合度の高分子を含有
させることにより、低せん断領域での粘度向上を抑制し
て印刷時のレベリング性を高めることができる。
クペースト中に、粘結剤として低重合度の高分子を含有
させることにより、低せん断領域での粘度向上を抑制し
て印刷時のレベリング性を高めることができる。
【0012】また、低重合度の高分子とともに高重合度
の高分子を含有させることにより、開口径の細かいスク
リーンを用いて高速で印刷したとしても高せん断領域で
の粘度低下を抑制できることからセラミックパターンの
広がりを低減できる。
の高分子を含有させることにより、開口径の細かいスク
リーンを用いて高速で印刷したとしても高せん断領域で
の粘度低下を抑制できることからセラミックパターンの
広がりを低減できる。
【0013】このように低重合度と高重合度の高分子を
組み合わせて用いることは、これらの中間の重合度の高
分子を1種用いるよりも、低せん断領域と高せん断領域
における粘度特性をより高めることができる。
組み合わせて用いることは、これらの中間の重合度の高
分子を1種用いるよりも、低せん断領域と高せん断領域
における粘度特性をより高めることができる。
【0014】このため、セラミックペースト中に、低重
合度と高重合度の高分子とを混合した粘結剤を用いるこ
とにより、セラミックペーストの導体パターン上への付
着や乗り上げが抑制され、セラミックパターンの凸部が
形成されにくいことから、セラミックグリーンシート上
の導体パターンとセラミックパターンとを同一平面とす
ることができ、積層時に均一に荷重を印加でき、電子部
品本体成形体や焼成された電子部品本体のクラックやデ
ラミネーションおよびショートを防止できる。
合度と高重合度の高分子とを混合した粘結剤を用いるこ
とにより、セラミックペーストの導体パターン上への付
着や乗り上げが抑制され、セラミックパターンの凸部が
形成されにくいことから、セラミックグリーンシート上
の導体パターンとセラミックパターンとを同一平面とす
ることができ、積層時に均一に荷重を印加でき、電子部
品本体成形体や焼成された電子部品本体のクラックやデ
ラミネーションおよびショートを防止できる。
【0015】また、上記のようなセラミックペーストを
用いることにより、低コスト化のためにセラミックグリ
ーンシートや印刷用スクリーンのワークサイズが大面積
化されたとしても、周辺領域のクラックやデラミネーシ
ョンおよびショートを防止できる。
用いることにより、低コスト化のためにセラミックグリ
ーンシートや印刷用スクリーンのワークサイズが大面積
化されたとしても、周辺領域のクラックやデラミネーシ
ョンおよびショートを防止できる。
【0016】上記積層型電子部品の製法では、低重合度
の高分子と高重合度の高分子との混合比が1:9〜5:
5の範囲であることが望ましい。粘結剤を構成する上記
2種の高分子の混合比をこのような範囲にすることによ
り、印刷時のセラミックパターンの広がりやレベリング
不良をさらに容易に解消できる。
の高分子と高重合度の高分子との混合比が1:9〜5:
5の範囲であることが望ましい。粘結剤を構成する上記
2種の高分子の混合比をこのような範囲にすることによ
り、印刷時のセラミックパターンの広がりやレベリング
不良をさらに容易に解消できる。
【0017】上記積層型電子部品の製法では、セラミッ
クグリーンシート上において隣接して形成された導体パ
ターンとセラミックパターンとは重ならないことが望ま
しい。本発明の積層型電子部品の製法に用いるセラミッ
クペーストは導体パターン間隔が狭い場合においてもセ
ラミックパターンの広がりを低減できるものであるが、
特に、導体パターンとセラミックパターンとが重ならな
いように設計されたパターン形状においてセラミックパ
ターンの広がりによる導体パターンへの乗り上げを防止
でき、さらにデラミネーションやクラックを低減し、シ
ョート不良を無くすことができる。
クグリーンシート上において隣接して形成された導体パ
ターンとセラミックパターンとは重ならないことが望ま
しい。本発明の積層型電子部品の製法に用いるセラミッ
クペーストは導体パターン間隔が狭い場合においてもセ
ラミックパターンの広がりを低減できるものであるが、
特に、導体パターンとセラミックパターンとが重ならな
いように設計されたパターン形状においてセラミックパ
ターンの広がりによる導体パターンへの乗り上げを防止
でき、さらにデラミネーションやクラックを低減し、シ
ョート不良を無くすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の積層型電子部品の製法
は、例えば、電子部品の一つである積層セラミックコン
デンサに適用される。図1は積層セラミックコンデンサ
の製造工程を示す工程図である。
は、例えば、電子部品の一つである積層セラミックコン
デンサに適用される。図1は積層セラミックコンデンサ
の製造工程を示す工程図である。
【0019】積層セラミックコンデンサを構成するセラ
ミックグリーンシート1は、図1(a)に示すように、
まず、キャリアフィルム2上にセラミックスラリを塗布
して形成される。尚、セラミックグリーンシート1の厚
みは小型、高容量化に対して3μm以下、特に、静電容
量と絶縁性を確保するという理由からその厚みは1〜3
μmであることが望ましい。
ミックグリーンシート1は、図1(a)に示すように、
まず、キャリアフィルム2上にセラミックスラリを塗布
して形成される。尚、セラミックグリーンシート1の厚
みは小型、高容量化に対して3μm以下、特に、静電容
量と絶縁性を確保するという理由からその厚みは1〜3
μmであることが望ましい。
【0020】また、セラミックスラリは、例えば、セラ
ミック粉体と、ポリビニルブチラール樹脂からなるバイ
ンダと、このバインダを溶解する溶媒として、トルエン
とエチルアルコールとを混合したものが好適に用いられ
る。その他のバインダとしては、セラミック粉末や溶媒
との分散性、セラミックグリーンシート1の強度、脱バ
インダ性の点でアクリル樹脂を用いることもできる。
ミック粉体と、ポリビニルブチラール樹脂からなるバイ
ンダと、このバインダを溶解する溶媒として、トルエン
とエチルアルコールとを混合したものが好適に用いられ
る。その他のバインダとしては、セラミック粉末や溶媒
との分散性、セラミックグリーンシート1の強度、脱バ
インダ性の点でアクリル樹脂を用いることもできる。
【0021】セラミック粉体としては、具体的には、B
aTiO3−MnO−MgO−Y2O 3等のセラミック粉
体が耐還元性を有するという理由から使用可能である。
また、ガラス粉体を加えてもよい。
aTiO3−MnO−MgO−Y2O 3等のセラミック粉
体が耐還元性を有するという理由から使用可能である。
また、ガラス粉体を加えてもよい。
【0022】次に、図1(b)に示すように、このセラ
ミックグリーンシート1の一方主面上に導体ペーストを
印刷することにより導体パターン3が所定間隔をおいて
複数形成される。ここで用いられる導体ペーストは、導
体粉末、セラミック粉、有機粘結剤および有機溶剤を含
有し、薄層化され均質でパターン精度の高い導体パター
ンを形成するために適正な粘度調製が行われる。
ミックグリーンシート1の一方主面上に導体ペーストを
印刷することにより導体パターン3が所定間隔をおいて
複数形成される。ここで用いられる導体ペーストは、導
体粉末、セラミック粉、有機粘結剤および有機溶剤を含
有し、薄層化され均質でパターン精度の高い導体パター
ンを形成するために適正な粘度調製が行われる。
【0023】また、導体ペーストに含まれる導体粉末お
よびセラミック粉の平均粒径は、導体パターン、および
これが焼成されて形成される内部電極層を緻密にしかつ
表面が平滑な金属膜を形成するという理由から、0.1
5〜0.5μmの範囲であることが望ましい。
よびセラミック粉の平均粒径は、導体パターン、および
これが焼成されて形成される内部電極層を緻密にしかつ
表面が平滑な金属膜を形成するという理由から、0.1
5〜0.5μmの範囲であることが望ましい。
【0024】また、導体ペースト中に含まれる導体粉末
としては、卑金属が用いられ、Ni、Cuがあり、金属
の焼成温度が一般の絶縁体の焼成温度と一致する点、お
よびコストが安いという点からNiが望ましい。
としては、卑金属が用いられ、Ni、Cuがあり、金属
の焼成温度が一般の絶縁体の焼成温度と一致する点、お
よびコストが安いという点からNiが望ましい。
【0025】また、この導体ペーストは、導体粉末やセ
ラミック粉と、脂肪族炭化水素と高級アルコールとの混
合物からなる有機溶剤と、この有機溶剤に対して可溶性
のエチルセルロースからなる有機粘結剤とを含有するも
のであり、導体ペーストの印刷性を容易に制御でき、導
体パターンの途切れを防止し均質性を高めるために、有
機粘結剤は導体粉末とセラミック粉との混合物100質
量部に対して1〜10質量部、有機溶剤量が80〜12
0質量部含有することが望ましい。
ラミック粉と、脂肪族炭化水素と高級アルコールとの混
合物からなる有機溶剤と、この有機溶剤に対して可溶性
のエチルセルロースからなる有機粘結剤とを含有するも
のであり、導体ペーストの印刷性を容易に制御でき、導
体パターンの途切れを防止し均質性を高めるために、有
機粘結剤は導体粉末とセラミック粉との混合物100質
量部に対して1〜10質量部、有機溶剤量が80〜12
0質量部含有することが望ましい。
【0026】また、このような導体粉末とセラミック粉
により構成される導体ペーストの粘度特性は、印刷後の
導体パターンの保形性を保つために降伏値を有するとと
もに、高せん断での印刷においてもセラミックパターン
の広がりを抑制するという理由からチクソトロピー性で
あることが望ましい。また、導体ペーストの粘度は導体
ペースト中の導体粉末、有機粘結剤、有機溶剤の各量
と、場合によっては分散剤の添加により制御できる。
により構成される導体ペーストの粘度特性は、印刷後の
導体パターンの保形性を保つために降伏値を有するとと
もに、高せん断での印刷においてもセラミックパターン
の広がりを抑制するという理由からチクソトロピー性で
あることが望ましい。また、導体ペーストの粘度は導体
ペースト中の導体粉末、有機粘結剤、有機溶剤の各量
と、場合によっては分散剤の添加により制御できる。
【0027】また、導体パターン3の厚みは1.5μm
以下であることが望ましく、特に、多層化において積層
体の薄型化および低コスト化とともに静電容量の確保を
図る上で0.5〜1.5μmであることが望ましい。
以下であることが望ましく、特に、多層化において積層
体の薄型化および低コスト化とともに静電容量の確保を
図る上で0.5〜1.5μmであることが望ましい。
【0028】次に、図1(c)に示すように、この導体
パターン3の間に、この導体パターン3の厚みによる段
差を実質的に無くすようにセラミックペーストを印刷
し、導体パターン3の厚みと実質的に同一厚みのセラミ
ックパターン5が形成される。
パターン3の間に、この導体パターン3の厚みによる段
差を実質的に無くすようにセラミックペーストを印刷
し、導体パターン3の厚みと実質的に同一厚みのセラミ
ックパターン5が形成される。
【0029】この場合、セラミックパターン5が導体パ
ターン3の端部の傾斜面7に乗り上げてもよいし、導体
パターン3間に、この導体パターン3と接触しないよう
に形成しても良い。特に、セラミックパターン5による
導体パターン3への乗り上げによる局所的な厚みばらつ
きを抑制するという理由から、導体パターン3と接触し
ない方がよい。
ターン3の端部の傾斜面7に乗り上げてもよいし、導体
パターン3間に、この導体パターン3と接触しないよう
に形成しても良い。特に、セラミックパターン5による
導体パターン3への乗り上げによる局所的な厚みばらつ
きを抑制するという理由から、導体パターン3と接触し
ない方がよい。
【0030】ここで、本発明の積層型電子部品の製法に
かかるセラミックペーストについて説明する。
かかるセラミックペーストについて説明する。
【0031】本発明の積層型電子部品の製法において
は、導体パターン3を形成した導体ペーストと同組成も
しくは異なる組成の粘結剤を含むセラミックペーストの
両方を適用できるが、特に、導体ペーストの印刷と同じ
条件を採用できることおよびセラミックグリーンシート
1の表面からの粘結剤の揮発速度を一致させるという理
由から、セラミックペーストは導体ペーストと同組成の
粘結剤で構成されることが望ましい。
は、導体パターン3を形成した導体ペーストと同組成も
しくは異なる組成の粘結剤を含むセラミックペーストの
両方を適用できるが、特に、導体ペーストの印刷と同じ
条件を採用できることおよびセラミックグリーンシート
1の表面からの粘結剤の揮発速度を一致させるという理
由から、セラミックペーストは導体ペーストと同組成の
粘結剤で構成されることが望ましい。
【0032】そして、本発明のセラミックペーストは、
少なくともセラミック粉末、粘結剤および溶剤とを含有
するものであり、この中で、特に、粘結剤が低重合度の
高分子と高重合度の高分子との混合物であることが重要
である。
少なくともセラミック粉末、粘結剤および溶剤とを含有
するものであり、この中で、特に、粘結剤が低重合度の
高分子と高重合度の高分子との混合物であることが重要
である。
【0033】また、低重合度の高分子と高重合度の高分
子との混合比は1:9〜5:5の範囲であることが、印
刷時のセラミックペーストの粘度低下による広がりを防
止するという理由から望ましく、特に、上記の改善点に
加えて、セラミックパターン5のレベリング性および保
形性を高め、積層体の密着性を向上するという理由から
2:8〜3:7であることがより望ましい。
子との混合比は1:9〜5:5の範囲であることが、印
刷時のセラミックペーストの粘度低下による広がりを防
止するという理由から望ましく、特に、上記の改善点に
加えて、セラミックパターン5のレベリング性および保
形性を高め、積層体の密着性を向上するという理由から
2:8〜3:7であることがより望ましい。
【0034】また、このような粘結剤では低重合度の高
分子の分子量が2×105以下であり、且つ高重合度の
高分子の分子量が2.1×105以上であることが望ま
しいが、とりわけ、低重合度の高分子の分子量は1.8
×105〜1.9×105の範囲であり、かつ高重合度の
高分子の分子量が2.2×105〜2.3×105である
場合に、低せん断領域での粘度と降伏値を低くできるこ
とからレベリング性を向上でき、かつ高せん断領域での
粘度の低下を抑制できることから印刷時のセラミックペ
ーストの粘度低下による広がりを抑えることができる。
分子の分子量が2×105以下であり、且つ高重合度の
高分子の分子量が2.1×105以上であることが望ま
しいが、とりわけ、低重合度の高分子の分子量は1.8
×105〜1.9×105の範囲であり、かつ高重合度の
高分子の分子量が2.2×105〜2.3×105である
場合に、低せん断領域での粘度と降伏値を低くできるこ
とからレベリング性を向上でき、かつ高せん断領域での
粘度の低下を抑制できることから印刷時のセラミックペ
ーストの粘度低下による広がりを抑えることができる。
【0035】ここで、低重合度と高重合度の高分子の分
子量の差が0.3×105以上異なる場合に、低重合度
と高重合度との違いを発現でき粘度特性を制御できる。
子量の差が0.3×105以上異なる場合に、低重合度
と高重合度との違いを発現でき粘度特性を制御できる。
【0036】また、粘結剤として、低重合度の高分子か
らなる粘結剤のみを用いて調製したセラミックペースト
では、高せん断領域におけるねばりがなく、セラミック
パターンが広がりやすくなり、一方、高重合度の高分子
からなる粘結剤のみを用いて調製したセラミックペース
トでは、高せん断領域におけるねばりは向上するものの
低せん断領域における粘度が高いためにレベリング性が
低下し、このためにデラミネーションが発生しやすくな
る。
らなる粘結剤のみを用いて調製したセラミックペースト
では、高せん断領域におけるねばりがなく、セラミック
パターンが広がりやすくなり、一方、高重合度の高分子
からなる粘結剤のみを用いて調製したセラミックペース
トでは、高せん断領域におけるねばりは向上するものの
低せん断領域における粘度が高いためにレベリング性が
低下し、このためにデラミネーションが発生しやすくな
る。
【0037】また、粘結剤とともにセラミックペースト
に含まれる溶剤は、高級アルコールと高級炭化水素との
混合溶剤であることが望ましく、高級アルコールとして
はヘキサノールやデカノール等が用いられ、また、高級
炭化水素としては、脂肪族炭化水素として知られるヘキ
サンやデカン等が望ましい。そして、これらの溶剤のう
ち、特に、デカノールとデカンとの混合溶剤が好適であ
る。
に含まれる溶剤は、高級アルコールと高級炭化水素との
混合溶剤であることが望ましく、高級アルコールとして
はヘキサノールやデカノール等が用いられ、また、高級
炭化水素としては、脂肪族炭化水素として知られるヘキ
サンやデカン等が望ましい。そして、これらの溶剤のう
ち、特に、デカノールとデカンとの混合溶剤が好適であ
る。
【0038】また、このセラミックペーストに用いるセ
ラミック粉末組成は、セラミックグリーンシート1の粉
末組成かもしくは異なる粉末組成のセラミックペースト
の両方を適用できるが、セラミックグリーンシート1と
セラミックパターン5との密着性を高め、焼成収縮率を
合致させるという理由から、セラミックペーストはセラ
ミックグリーンシート1を形成するセラミックスラリと
同じ粉末組成であることが望ましい。
ラミック粉末組成は、セラミックグリーンシート1の粉
末組成かもしくは異なる粉末組成のセラミックペースト
の両方を適用できるが、セラミックグリーンシート1と
セラミックパターン5との密着性を高め、焼成収縮率を
合致させるという理由から、セラミックペーストはセラ
ミックグリーンシート1を形成するセラミックスラリと
同じ粉末組成であることが望ましい。
【0039】また、セラミック粉末の平均粒径は、0.
05〜0.7μmであることが望ましく、特に、セラミ
ックペースト中のセラミック粉末の凝集を防止し高せん
断速度を適用するスクリーン印刷においてもセラミック
ペーストの粘度低下による広がりを抑制し保形性を維持
するための粘度特性を有するという点で、平均粒径は
0.1〜0.5μmであることが望ましい。
05〜0.7μmであることが望ましく、特に、セラミ
ックペースト中のセラミック粉末の凝集を防止し高せん
断速度を適用するスクリーン印刷においてもセラミック
ペーストの粘度低下による広がりを抑制し保形性を維持
するための粘度特性を有するという点で、平均粒径は
0.1〜0.5μmであることが望ましい。
【0040】また、このセラミックペースト中に含まれ
るセラミック粉末の比率は、80質量%以下が望まし
く、また、近接する導体パターン3までセラミックペー
ストが広がらないという理由から、溶剤量は20〜70
質量%が望ましい。
るセラミック粉末の比率は、80質量%以下が望まし
く、また、近接する導体パターン3までセラミックペー
ストが広がらないという理由から、溶剤量は20〜70
質量%が望ましい。
【0041】また、このセラミックペーストの粘度は、
このセラミックペースト中のセラミック粉末、粘結剤、
溶剤および分散剤を適正化して制御することに加えて、
本発明では、粘結剤を低重合度の高分子と高重合度の高
分子との混合物により構成することによりセラミックペ
ーストにチクソトロピー性を付与することができるとと
もに、特に、高せん断領域における粘度を高めてセラミ
ックペーストの粘度特性を制御することによりセラミッ
クパターン5の端部のセラミックパターン5の広がりを
抑制してセラミックパターン5の傾斜面7を形成できる
とともにその角度を制御することもできる。
このセラミックペースト中のセラミック粉末、粘結剤、
溶剤および分散剤を適正化して制御することに加えて、
本発明では、粘結剤を低重合度の高分子と高重合度の高
分子との混合物により構成することによりセラミックペ
ーストにチクソトロピー性を付与することができるとと
もに、特に、高せん断領域における粘度を高めてセラミ
ックペーストの粘度特性を制御することによりセラミッ
クパターン5の端部のセラミックパターン5の広がりを
抑制してセラミックパターン5の傾斜面7を形成できる
とともにその角度を制御することもできる。
【0042】ここで、セラミックパターン5の広がり量
wは、図2に示すように、印刷用スクリーンの設計値を
w1、実際に形成されたセラミックパターン5の幅をw2
とした場合、w=((w2−w1)/w1)×100
(%)から求めることができる。
wは、図2に示すように、印刷用スクリーンの設計値を
w1、実際に形成されたセラミックパターン5の幅をw2
とした場合、w=((w2−w1)/w1)×100
(%)から求めることができる。
【0043】次に、図1(d)に示すように、導体パタ
ーン3およびセラミックパターン5を形成したセラミッ
クグリーンシート1を複数積層することにより母体積層
体9を形成し、次に、この母体積層体9を切断すること
により電子部品本体成形体が得られる。さらには、この
電子部品本体成形体を所定の雰囲気下、温度条件で焼成
し、外部電極を形成して積層型電子部品である積層セラ
ミックコンデンサが形成される。この積層数は150層
以上、特に、200層以上である場合に本発明の意義を
有する。
ーン3およびセラミックパターン5を形成したセラミッ
クグリーンシート1を複数積層することにより母体積層
体9を形成し、次に、この母体積層体9を切断すること
により電子部品本体成形体が得られる。さらには、この
電子部品本体成形体を所定の雰囲気下、温度条件で焼成
し、外部電極を形成して積層型電子部品である積層セラ
ミックコンデンサが形成される。この積層数は150層
以上、特に、200層以上である場合に本発明の意義を
有する。
【0044】
【実施例】積層型電子部品の一つである積層セラミック
コンデンサを以下のように作製した。
コンデンサを以下のように作製した。
【0045】セラミックグリーンシートは、BaTiO
399.5モル%と、MnO0.5モル%とからなる組
成物100モル部に対して、Y2O3を0.5モル部、M
gOを0.5モル部添加し、これらのセラミック成分1
00質量部に対して、ポリビニルブチラール樹脂10質
量部とトルエンとエチルアルコールからなる混合溶媒を
添加しセラミックスラリを調製し、ダイコータ法を用い
てポリエステルよりなる帯状のキャリアフィルム上に成
膜した。ここで用いたセラミック粉体の平均粒径は0.
4μmとした。また、セラミックグリーンシートの平均
厚みは2.5μmとした。このセラミックグリーンシー
トの表面粗さ(Ra)は平均で196nmであった。
399.5モル%と、MnO0.5モル%とからなる組
成物100モル部に対して、Y2O3を0.5モル部、M
gOを0.5モル部添加し、これらのセラミック成分1
00質量部に対して、ポリビニルブチラール樹脂10質
量部とトルエンとエチルアルコールからなる混合溶媒を
添加しセラミックスラリを調製し、ダイコータ法を用い
てポリエステルよりなる帯状のキャリアフィルム上に成
膜した。ここで用いたセラミック粉体の平均粒径は0.
4μmとした。また、セラミックグリーンシートの平均
厚みは2.5μmとした。このセラミックグリーンシー
トの表面粗さ(Ra)は平均で196nmであった。
【0046】導体ペーストは、各々所定の平均粒径を有
するNi粉末とチタン酸バリウムを主成分とするセラミ
ック粉末とを質量比82:18で混合した混合物100
質量部に対して、エチルセルロース5.5質量%と石油
系アルコール94.5質量%からなるビヒクルを適正量
加えて3本ロールで混練して調製した。この後せん断速
度0〜1000s-1の範囲において粘度特性の測定を行
った。本発明の導体ペーストは降伏値を有し、粘性挙動
としてはチクソトロピー性であった。
するNi粉末とチタン酸バリウムを主成分とするセラミ
ック粉末とを質量比82:18で混合した混合物100
質量部に対して、エチルセルロース5.5質量%と石油
系アルコール94.5質量%からなるビヒクルを適正量
加えて3本ロールで混練して調製した。この後せん断速
度0〜1000s-1の範囲において粘度特性の測定を行
った。本発明の導体ペーストは降伏値を有し、粘性挙動
としてはチクソトロピー性であった。
【0047】また、セラミックパターン用のセラミック
ペーストは、上記のセラミックスラリに用いたBaTi
O3を含むセラミック粉末を平均粒径が0.4〜0.5
μmとなるまで粉砕し、導体ペーストと同様にペースト
化して調製した。粘結剤は低重合度と高重合度のエチル
セルロースを用いて調製した。この粘結剤量はセラミッ
ク粉末量100質量部に対して9質量部とした。溶媒は
デカノールとデカンとの混合比が1:1の混合溶媒を用
いた。
ペーストは、上記のセラミックスラリに用いたBaTi
O3を含むセラミック粉末を平均粒径が0.4〜0.5
μmとなるまで粉砕し、導体ペーストと同様にペースト
化して調製した。粘結剤は低重合度と高重合度のエチル
セルロースを用いて調製した。この粘結剤量はセラミッ
ク粉末量100質量部に対して9質量部とした。溶媒は
デカノールとデカンとの混合比が1:1の混合溶媒を用
いた。
【0048】セラミックペーストの粘度特性は、導体ペ
ーストと同じくせん断速度0〜1000s-1の条件で測
定した結果いずれもチクソトロピー性を有していた。セ
ラミックペーストを構成する粘結剤の成分、分子量およ
び混合比率を表1に示した。
ーストと同じくせん断速度0〜1000s-1の条件で測
定した結果いずれもチクソトロピー性を有していた。セ
ラミックペーストを構成する粘結剤の成分、分子量およ
び混合比率を表1に示した。
【0049】次に、得られたセラミックグリーンシート
の主面状に、150mm角の印刷スクリーンを有するス
クリーン印刷装置を用いて、上記した導体ペーストを矩
形状パターン形状に印刷し、乾燥させ、平均厚み2μm
の導体パターンを形成した。その際、導体パターンの外
周端部の傾斜面の角度を1〜10°とした。
の主面状に、150mm角の印刷スクリーンを有するス
クリーン印刷装置を用いて、上記した導体ペーストを矩
形状パターン形状に印刷し、乾燥させ、平均厚み2μm
の導体パターンを形成した。その際、導体パターンの外
周端部の傾斜面の角度を1〜10°とした。
【0050】本発明の導体ペーストは高い分散性を有し
ていることから、これを用いて形成された導体パターン
は途切れや凝集が無い状態で形成されていた。
ていることから、これを用いて形成された導体パターン
は途切れや凝集が無い状態で形成されていた。
【0051】さらに、このセラミックグリーンシート上
に形成された導体パターン間に、150mm角の印刷ス
クリーンを用いてセラミックペーストを印刷、乾燥さ
せ、導体パターンとともにセラミックパターンを形成し
た。導体パターンとセラミックパターンとはほぼ同一面
になるように形成されていた。この場合、導体パターン
とセラミックパターンを形成する印刷スクリーンは両パ
ターンの縁部が接するように設計したものを用いた。
に形成された導体パターン間に、150mm角の印刷ス
クリーンを用いてセラミックペーストを印刷、乾燥さ
せ、導体パターンとともにセラミックパターンを形成し
た。導体パターンとセラミックパターンとはほぼ同一面
になるように形成されていた。この場合、導体パターン
とセラミックパターンを形成する印刷スクリーンは両パ
ターンの縁部が接するように設計したものを用いた。
【0052】セラミックパターンの広がり量は、上記し
た評価方法により、150mm角のワークの中央部と周
辺領域について、各々10箇所測定し各箇所の最大値か
らその平均値を求めた。
た評価方法により、150mm角のワークの中央部と周
辺領域について、各々10箇所測定し各箇所の最大値か
らその平均値を求めた。
【0053】次に、導体パターンとセラミックパターン
とが形成されたセラミックグリーンシートを200層積
層し、さらにその上下に、導体パターン、セラミックパ
ターンが形成されていないセラミックグリーンシートを
各10枚積層し、第1回目の加圧プレスを行い、仮積層
体を形成した。
とが形成されたセラミックグリーンシートを200層積
層し、さらにその上下に、導体パターン、セラミックパ
ターンが形成されていないセラミックグリーンシートを
各10枚積層し、第1回目の加圧プレスを行い、仮積層
体を形成した。
【0054】次に、この仮積層体を温度100℃、圧力
20MPaで第2回目の積層プレスを行い、導体パター
ンを塗布したセラミックグリーンシートおよびその上下
のセラミックグリーンシートと同一材料からなるセラミ
ックグリーンシートを積層して完全に密着させて母体積
層体を得た。
20MPaで第2回目の積層プレスを行い、導体パター
ンを塗布したセラミックグリーンシートおよびその上下
のセラミックグリーンシートと同一材料からなるセラミ
ックグリーンシートを積層して完全に密着させて母体積
層体を得た。
【0055】本発明の積層型電子部品を形成する母体積
層体は、導体パターンを形成したセラミックグリーンシ
ートの一方主面に、導体パターンとともにセラミックパ
ターンを形成しているため、この積層プレス工程におい
て、加熱加圧によるセラミックグリーンシートや導体パ
ターンの変形が生じることが無く母体積層体を形成する
ことができた。
層体は、導体パターンを形成したセラミックグリーンシ
ートの一方主面に、導体パターンとともにセラミックパ
ターンを形成しているため、この積層プレス工程におい
て、加熱加圧によるセラミックグリーンシートや導体パ
ターンの変形が生じることが無く母体積層体を形成する
ことができた。
【0056】次に、この母体積層体を格子状に切断し
て、電子部品本体成形体を得た。この母体積層体に形成
されていた電子部品本体成形体の両端面に露出した導体
パターンを観察したところ導体パターンの変形が無く各
層の平坦度も高かった。
て、電子部品本体成形体を得た。この母体積層体に形成
されていた電子部品本体成形体の両端面に露出した導体
パターンを観察したところ導体パターンの変形が無く各
層の平坦度も高かった。
【0057】次に、この電子部品本体成形体を大気中2
50℃または0.1Paの酸素/窒素雰囲気中500℃
に加熱し、脱バイ処理を行った。
50℃または0.1Paの酸素/窒素雰囲気中500℃
に加熱し、脱バイ処理を行った。
【0058】さらに、脱バイ後の電子部品本体成形体に
対して、10-7Paの酸素/窒素雰囲気中、1250℃
で2時間焼成し、さらに、10-2Paの酸素窒素雰囲気
中にて900℃で4時間の再酸化処理を行い、積層型電
子部品を得た。焼成後、セラミック焼結体の端面にCu
ペーストを900℃で焼き付け、さらにNi/Snメッ
キを施し、内部電極層と接続する外部導体を形成した。
対して、10-7Paの酸素/窒素雰囲気中、1250℃
で2時間焼成し、さらに、10-2Paの酸素窒素雰囲気
中にて900℃で4時間の再酸化処理を行い、積層型電
子部品を得た。焼成後、セラミック焼結体の端面にCu
ペーストを900℃で焼き付け、さらにNi/Snメッ
キを施し、内部電極層と接続する外部導体を形成した。
【0059】このようにして得られた積層セラミックコ
ンデンサの外形寸法は、幅0.8mm、長さ1.6mm
であった。また、導体パターン間に、本発明のセラミッ
クペーストを用いてセラミックパターンを形成したもの
は、母体積層体の中央部から採取した試料および母体積
層体の周辺領域から採取した試料ともに、焼成後におい
ても内部電極層に起因する段差がなく、また、これらの
内部電極層は湾曲することなく平坦であった。
ンデンサの外形寸法は、幅0.8mm、長さ1.6mm
であった。また、導体パターン間に、本発明のセラミッ
クペーストを用いてセラミックパターンを形成したもの
は、母体積層体の中央部から採取した試料および母体積
層体の周辺領域から採取した試料ともに、焼成後におい
ても内部電極層に起因する段差がなく、また、これらの
内部電極層は湾曲することなく平坦であった。
【0060】次に、焼成後に得られた母体積層体の中央
部ならびに周辺領域から採取した積層セラミックコンデ
ンサについて、各300個を40倍の双眼顕微鏡にて観
察し、この積層セラミックコンデンサの端面のクラック
の有無を評価し、また積層セラミックコンデンサの端面
及び側面からそれぞれ研磨し、内部電極層周縁部のデラ
ミネーションの有無を評価した。
部ならびに周辺領域から採取した積層セラミックコンデ
ンサについて、各300個を40倍の双眼顕微鏡にて観
察し、この積層セラミックコンデンサの端面のクラック
の有無を評価し、また積層セラミックコンデンサの端面
及び側面からそれぞれ研磨し、内部電極層周縁部のデラ
ミネーションの有無を評価した。
【0061】また、上記のようにして得られた積層セラ
ミックコンデンサを用いて、各試料数300個につい
て、周波数1.0MHz、測定電圧0.5Vrmsの測
定条件で静電容量を測定しその平均値を求め、合わせて
ショート率も評価した。
ミックコンデンサを用いて、各試料数300個につい
て、周波数1.0MHz、測定電圧0.5Vrmsの測
定条件で静電容量を測定しその平均値を求め、合わせて
ショート率も評価した。
【0062】
【表1】
【0063】表1の結果から明らかなように、セラミッ
クペーストを構成する粘結剤として分子量が1.9×1
05の低重合度の高分子と分子量が2.2×105の高重
合度の高分子との混合物からなる粘結剤を用いて調製さ
れたセラミックペーストを用いてセラミックパターンを
作製した試料No.2〜7では、セラミックパターンの
広がり量の減少による導体パターン端部への乗り上げが
抑制されたことにより、クラックやデラミネーションが
ワークの中央部において2%以下、周辺領域で9%以下
となり、静電容量が2.2μF、ショート率がワークの
中央部で1.8%以下、周辺領域で4.7%以下であっ
た。
クペーストを構成する粘結剤として分子量が1.9×1
05の低重合度の高分子と分子量が2.2×105の高重
合度の高分子との混合物からなる粘結剤を用いて調製さ
れたセラミックペーストを用いてセラミックパターンを
作製した試料No.2〜7では、セラミックパターンの
広がり量の減少による導体パターン端部への乗り上げが
抑制されたことにより、クラックやデラミネーションが
ワークの中央部において2%以下、周辺領域で9%以下
となり、静電容量が2.2μF、ショート率がワークの
中央部で1.8%以下、周辺領域で4.7%以下であっ
た。
【0064】特に、上記低重合度の高分子と高重合度の
高分子の混合比率を2:8〜3:7とした試料No.
5、6では、ワークの周辺領域においてもクラックやデ
ラミネーションが無くなり、ショート率も1.8%以下
であった。
高分子の混合比率を2:8〜3:7とした試料No.
5、6では、ワークの周辺領域においてもクラックやデ
ラミネーションが無くなり、ショート率も1.8%以下
であった。
【0065】一方、粘結剤として、分子量が1.9×1
05の低重合度の高分子を1種だけ含有するセラミック
ペーストを用いて作製した試料No.1では、セラミッ
クパターンの広がり量が大きくなり、このセラミックパ
ターンの導体パターン上への乗り上げのために、ショー
ト率が中央部で16.5%、周辺領域で27.2%と高
かった。
05の低重合度の高分子を1種だけ含有するセラミック
ペーストを用いて作製した試料No.1では、セラミッ
クパターンの広がり量が大きくなり、このセラミックパ
ターンの導体パターン上への乗り上げのために、ショー
ト率が中央部で16.5%、周辺領域で27.2%と高
かった。
【0066】また、分子量が2.2×105の高重合度
の高分子を1種だけ含有するセラミックペーストを用い
て作製した試料No.8では、セラミックペーストのレ
ベリング性の低下による乗り上げや密着不良のために、
クラックやデラミネーションが多発した。
の高分子を1種だけ含有するセラミックペーストを用い
て作製した試料No.8では、セラミックペーストのレ
ベリング性の低下による乗り上げや密着不良のために、
クラックやデラミネーションが多発した。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したとおり、セラミックペース
ト中に含まれる粘結剤を低重合度の高分子と高重合度の
高分子との混合物により構成することにより、セラミッ
クペーストの粘度低下による広がりを抑制でき、このた
め導体パターン上への付着や乗り上げが抑制されること
からセラミックパターンの厚みばらつきを低減できる。
このため導体パターンやセラミックパターンが形成され
たセラミックグリーンシートを積層する際においても均
一に荷重を印加できることから電子部品本体成形体や焼
成された電子部品本体等に発生するクラックやデラミネ
ーションおよびショートを防止できる。
ト中に含まれる粘結剤を低重合度の高分子と高重合度の
高分子との混合物により構成することにより、セラミッ
クペーストの粘度低下による広がりを抑制でき、このた
め導体パターン上への付着や乗り上げが抑制されること
からセラミックパターンの厚みばらつきを低減できる。
このため導体パターンやセラミックパターンが形成され
たセラミックグリーンシートを積層する際においても均
一に荷重を印加できることから電子部品本体成形体や焼
成された電子部品本体等に発生するクラックやデラミネ
ーションおよびショートを防止できる。
【図1】本発明の積層型電子部品を製造するための工程
図である。
図である。
【図2】セラミックグリーンシート上の導体パターン間
に形成されたセラミックパターンの広がり量wを示す概
略図である。
に形成されたセラミックパターンの広がり量wを示す概
略図である。
【図3】セラミックグリーンシート上において導体パタ
ーンに重なるように形成された従来のセラミックパター
ンを示す概略断面図である。
ーンに重なるように形成された従来のセラミックパター
ンを示す概略断面図である。
1 セラミックグリーンシート
2 キャリアフィルム
3 導体パターン
5 セラミックパターン
9 母体積層体
フロントページの続き
Fターム(参考) 5E082 AA01 AB03 BB01 BC38 BC39
EE04 EE23 EE35 FF05 FG04
FG06 FG26 FG46 GG28 LL02
MM22 MM24 PP03
5E346 AA12 AA15 AA32 AA38 BB01
CC17 CC31 DD02 DD03 DD34
EE24 EE30 GG06 GG07 GG08
HH11
Claims (3)
- 【請求項1】セラミック粉体、バインダおよび溶媒を含
むセラミックスラリをキャリアフィルム上に塗布してセ
ラミックグリーンシートを形成する工程と、該セラミッ
クグリーンシートの主面上に導体ペーストを印刷して、
矩形状の導体パターンを複数形成する工程と、該導体パ
ターン間に、少なくともセラミック粉末、低重合度の高
分子と高重合度の高分子との混合物からなる粘結剤およ
び溶剤とを含有するセラミックペーストを塗布してセラ
ミックパターンを形成する工程と、前記導体パターンお
よび前記セラミックパターンが形成されたセラミックグ
リーンシートを複数積層する工程と、前記セラミックグ
リーンシートを積層方向に切断して電子部品本体成形体
を形成する工程と、該電子部品本体成形体を焼成する工
程とを具備することを特徴とする積層型電子部品の製
法。 - 【請求項2】低重合度の高分子と高重合度の高分子との
混合比が1:9〜5:5の範囲であることを特徴とする
請求項1記載の積層型電子部品の製法。 - 【請求項3】セラミックグリーンシート上において隣接
して形成された導体パターンとセラミックパターンとは
重ならないことを特徴とする請求項1または2に記載の
積層型電子部品の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002004994A JP2003209026A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 積層型電子部品の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002004994A JP2003209026A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 積層型電子部品の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003209026A true JP2003209026A (ja) | 2003-07-25 |
Family
ID=27644161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002004994A Pending JP2003209026A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 積層型電子部品の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003209026A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009206250A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Kyocera Corp | 配線基板および実装構造体 |
JP2016508079A (ja) * | 2012-12-21 | 2016-03-17 | エプコス アクチエンゲゼルシャフトEpcos Ag | 多層キャリア基板の製造方法 |
US10021776B2 (en) | 2012-12-21 | 2018-07-10 | Epcos Ag | Component carrier and component carrier arrangement |
JP2018200976A (ja) * | 2017-05-29 | 2018-12-20 | 京セラ株式会社 | 電子素子実装用基板、電子装置および電子モジュール |
CN114765928A (zh) * | 2021-01-12 | 2022-07-19 | 深南电路股份有限公司 | 一种印制线路板及其压合方法 |
-
2002
- 2002-01-11 JP JP2002004994A patent/JP2003209026A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009206250A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Kyocera Corp | 配線基板および実装構造体 |
JP2016508079A (ja) * | 2012-12-21 | 2016-03-17 | エプコス アクチエンゲゼルシャフトEpcos Ag | 多層キャリア基板の製造方法 |
US10021776B2 (en) | 2012-12-21 | 2018-07-10 | Epcos Ag | Component carrier and component carrier arrangement |
JP2018200976A (ja) * | 2017-05-29 | 2018-12-20 | 京セラ株式会社 | 電子素子実装用基板、電子装置および電子モジュール |
CN114765928A (zh) * | 2021-01-12 | 2022-07-19 | 深南电路股份有限公司 | 一种印制线路板及其压合方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7089659B2 (en) | Method of producing ceramic laminates | |
JP3527899B2 (ja) | 積層型電子部品およびその製法 | |
KR20050099984A (ko) | 그린 시트용 도료와 그 제조방법, 그린 시트와 그제조방법, 전자부품 및 그 제조방법 | |
JP3726035B2 (ja) | セラミック積層体の製法 | |
JP2002075771A (ja) | 積層型電子部品および導電性ペースト | |
JP4688326B2 (ja) | セラミック積層体およびその製法 | |
JP2003209026A (ja) | 積層型電子部品の製法 | |
JP2003197459A (ja) | 積層型電子部品の製法 | |
JP3784293B2 (ja) | セラミック積層体の製法 | |
JP2002299145A (ja) | セラミック積層体およびその製法 | |
CN113396458A (zh) | 导电性浆料、电子部件以及叠层陶瓷电容器 | |
US7605051B2 (en) | Method for forming internal electrode pattern and method for manufacturing multilayer ceramic electronic component using same | |
JP2004179349A (ja) | 積層型電子部品およびその製法 | |
JP2007258643A (ja) | 積層型電子部品の製造方法 | |
JP4001241B2 (ja) | 積層セラミック電子部品、及び、積層セラミック電子部品用ペースト | |
JP4720245B2 (ja) | 積層セラミック電子部品の製造方法 | |
JP4506755B2 (ja) | グリーンシート、グリーンシートの製造方法、および電子部品の製造方法 | |
JP4663173B2 (ja) | セラミック積層体の製法 | |
JP2007294886A (ja) | 積層型電子部品の製造方法 | |
JPH06342736A (ja) | 積層型セラミックチップコンデンサの製造方法 | |
JP2003229324A (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP2004031698A (ja) | セラミック積層体の製法 | |
JP2004079862A (ja) | セラミック積層体の製法 | |
JP2004179568A (ja) | 積層セラミック部品の製造方法 | |
JP4416342B2 (ja) | 回路基板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040603 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040608 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20040809 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040914 |