JP2003207625A - 偏光膜、その製造方法 - Google Patents

偏光膜、その製造方法

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JP2003207625A
JP2003207625A JP2002003779A JP2002003779A JP2003207625A JP 2003207625 A JP2003207625 A JP 2003207625A JP 2002003779 A JP2002003779 A JP 2002003779A JP 2002003779 A JP2002003779 A JP 2002003779A JP 2003207625 A JP2003207625 A JP 2003207625A
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film
stretching
polarizing
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polarizing film
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JP2002003779A
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English (en)
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Kentaro Shirato
健太郎 白土
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光板打ち抜き工程で得率が著しく向上する
可能性のある斜め延伸により得られる、色相のニュート
ラルな(色味の少ない)偏光膜を提供する。 【解決手段】 (a)偏光膜の吸収軸が長手方向に平行
でも垂直でもなく、(b)偏光膜が二色性物質からなる
少なくとも2つの厚み方向に並んだ吸着配向層を有す
る、ことを特徴とする偏光膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーフィルム
を斜め延伸して配向させる方法により得られ、かつ色相
の改良された偏光膜、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】偏光板は液晶表示装置(以下、LCD)
の普及に伴い、需要が急増している。偏光板は一般に偏
光能を有する偏光膜の両面あるいは片面に、接着剤層を
介して保護膜を貼り合わせられている。偏光膜の素材と
しては、ポリビニルアルコール(以下、PVA)が主に
用いられており、PVAフイルムを一軸延伸してから、
ヨウ素あるいは二色性染料で染色するかあるいは染色し
てから延伸し、さらにホウ素化合物で架橋することによ
り偏光膜が形成される。通常、偏光膜は長手方向に一軸
延伸するため、偏光膜の吸収軸は長手方向にほぼ平行に
となる。保護膜としては、光学的に透明で複屈折が小さ
いことから、主にセルロースアセテートが用いられてい
る。
【0003】偏光膜中でヨウ素あるいは二色性染料は延
伸軸に沿って並び、吸収軸となってこの方向の偏波を吸
収する働きを担う。しかしながら、高偏光度、高透過率
のグレードの偏光膜になると、黄色味を帯びることが多
く、この点の改良が必要だった。
【0004】一方、従来のLCDにおいては、画面の縦
あるいは横方向に対して偏光板の透過軸を45゜傾けて
配置しているため、ロール形態で製造される偏光板の打
ち抜き工程において、ロール長手方向に対し45゜方向
に打ち抜いていた。しかしながら45゜方向に打ち抜い
たときには、ロールの端付近で使用できない部分が発生
し、特に大サイズの偏光板では、得率が小さくなるとい
う問題があった。また、貼り合わせ後の偏光板は材料の
再利用が難しく、結果として廃棄物が増えると言う問題
があった。
【0005】また、位相差膜は、着色防止や視野角拡大
等の光学補償などを目的にLCDを形成する偏光板等に
接着して用いられ、偏光板の透過軸に対し配向軸を種々
の角度で設定することが求められる。従来は、縦または
横一軸延伸したフィルムより、その配向軸が辺に対して
所定の傾斜角度となるように周辺を打ち抜いて裁断する
方式がとられており、偏光板同様に得率の低下が問題と
なっていた。
【0006】この問題を解決するため、フィルム搬送方
法に対しポリマーの配向軸を所望の角度傾斜させる方法
がいくつか提案されている。特開2000−9912号
公報において、プラスチックフィルムを横または縦に一
軸延伸しつつ、その延伸方向の左右を異なる速度で前記
延伸方向とは相違する縦または横方向に引っ張り延伸し
て、配向軸を前記一軸延伸方向に対し傾斜させることが
提案されている。しかしながらこの方法では例えばテン
ター方式を用いた場合、左右で搬送速度差をつけねばな
らず、これに起因するツレ、シワ、フィルム寄りなどが
発生し、望ましい傾斜角度(偏光板においては45゜)
を得ることが困難である。左右速度差を小さくしようと
すれば、延伸工程を長くせざるを得ず、設備コストが非
常に大きなものとなる。
【0007】また、特開平3−182701号公報にお
いて、連続フィルムの左右両耳端に走行方向とθの角度
をなす左右対のフィルム保持ポイントを複数対有し、フ
ィルムの走行につれて、各々の対ポイントがθの方向に
延伸できる機構により、フィルムの走行方向に対し任意
の角度θの延伸軸を有するフィルムを製造する方法が提
案されている。しかし、この手法においてもフィルム進
行速度がフィルムの左右で変わるためにフィルムにツ
レ、シワが生じる。これを緩和するためには延伸工程を
非常に長くする必要があり、設備コストが大きくなる欠
点があった。
【0008】更に、特開平2−113920公報におい
て、フィルムの両端部を、所定走行区間内におけるチャ
ックの走行距離が異なるようにように配置されたテンタ
ーレール上を走行する2列のチャック間に把持して走行
させることによりフィルムの長さ方向と斜交する方向に
延伸する製造方法が提案されている。ただし、この手法
においても斜交させた際に、ツレ、シワが生じ、光学用
フィルムには不都合であった。
【0009】また、韓国公開公報P2001−0051
84号では、ラビング処理により透過軸を傾けた偏光板
の提案がなされている。ラビングによる配向規制はフィ
ルム表面から最大でナノオーダーの部分までしか効果が
無いことは一般的に知られており、ヨウ素や二色性色素
などの偏光子を十分配向させることができないため、結
果として偏光性能が低いという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を鑑み、本発
明の目的は、ポリマーフィルムを斜め延伸して得られ、
色相が改良された偏光膜、およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記構成の発
明により達成される。 1.(a)偏光膜の吸収軸は長手方向に平行でも垂直で
もなく、(b)偏光膜が二色性物質からなる少なくとも
二つの厚み方向に並んだ吸着配向層を有する、ことを特
徴とする偏光膜。
【0012】2.連続的に供給される偏光膜用ポリマー
フィルムの両端を保持手段により保持し、該保持手段を
フィルムの長手方向に進行させつつ張力を付与して延伸
して偏光膜を形成する工程を含む偏光度が550nmで
90%以上及び単板透過率が550nmで35%以上で
ある偏光膜を製造する方法であって、該工程が、2種以
上の二色性物質により順次偏光膜用ポリマーフィルムを
染色する工程を含み、偏光膜用ポリマーフィルムの表面
に付着している異物を表面積あたり1%以下にした後、
ポリマーフィルムの一方端の実質的な保持開始点から実
質的な保持解除点までの保持手段の軌跡L1及びポリマ
ーフィルムのもう一端の実質的な保持開始点から実質的
な保持解除点までの保持手段の軌跡L2と、二つの実質
的な保持解除点の距離Wが、下記式(1)を満たし、か
つポリマーフィルムの支持性を保ち、揮発分率が10%
以上の状態を存在させて延伸し、その後乾燥により10
%以上収縮させ揮発分率を低下させることにより行われ
ること特徴とする偏光膜の製造方法。 式(1):|L2−L1|>0.4W
【0013】3.偏光膜用ポリマーフィルムがポリビニ
ルアルコール系フィルムであることを特徴とする上記2
に記載の偏光膜の製造方法。 4.収縮させ揮発分率を低下させるときの揮発分率低下
速度が、1%/分以上であることを特徴とする上記2ま
たは3に記載の偏光膜の製造方法 5.延伸前の偏光膜用フィルム中の揮発分成分の含有分
布が5%以下であることを特徴とする上記2〜4のいず
れかに記載の偏光膜の製造方法。 6.偏光膜の長手方向と吸収軸方向とのなす角が20〜
70゜であることを特徴とする上記2〜5のいずれかに
記載の偏光膜の製造方法。
【0014】7.偏光膜用ポリマーフィルムを延伸に引
き続く乾燥により収縮させかつ揮発分率を低下させた
後、もしくは該乾燥中に、ポリマーフィルムの少なくと
も片面に保護膜を貼り合わせ、加熱処理を施すことを特
徴とする偏光板の製造方法。
【0015】8.液晶セルの両側に配置された偏光板の
うち少なくとも一枚に、上記1に記載の偏光膜を少なく
とも有する偏光板、上記7に記載の方法により製造され
た偏光板または上記2〜6のいずれかに記載の方法によ
り製造された偏光膜を少なくとも有する偏光板のいずれ
かから打ち抜いた偏光板を用いることを特徴とする液晶
表示装置。
【0016】本発明で言う「吸着配向層」とは、偏光膜
用フィルムにおいて、二色性物質により染色されている
層を指し、吸着配向層は偏光膜の全部又は一部を形成す
る。本発明の偏光膜は、少なくとも二層の吸着配向層を
有し、互いに異なる二色性物質により染色されているこ
とが特徴である。具体的には、ヨウ素で染色された吸着
配向層と、λmaxが500nm以上のシー.アイ.ダイ
レクト.レッド、シー.アイ.ダイレクト.ブルー、シ
ー.アイ.ダイレクト.グリーンなどの二色性物質によ
り染色された吸着配向層を有すると、λmaxが500n
m以上の二色性物質により色相調節され、黄色味など特
定の色味を帯びるのが抑制されるので、好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の偏光膜は、偏光膜を有
し、通常、該偏光膜の両面又は片面に保護膜(保護フイ
ルム)が接着剤層を介して設けられ偏光板(「本発明の
偏光板」とも呼ぶ)として用いられる。また、通常、長
尺の偏光板(通常ロール形態)を製造し、それを用途に
合わせて打ち抜くことにより、実用上の偏光板が得られ
るものである。本発明におけて「偏光板」とは、特に断
らない限り、長尺の偏光板及び該打ち抜いた偏光板の両
者を含む意味で用いられる。
【0018】本発明の偏光板は、長尺の偏光板におい
て、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない
(かかる長尺の偏光板を以下単に「斜め配向した」偏光
板と称することもある)。長手方向と偏光膜の吸収軸方
向とがなす角は、好ましくは10°以上90°未満、よ
り好ましくは20°以上70°以下、更に好ましくは4
0°以上50°以下、特に好ましくは44°以上46°
以下である。これらより、長尺の偏光板からの打ち抜き
工程において、得率よく単板の偏光板を得ることができ
る。本発明では、長手方向と偏光膜の吸収軸方向とがな
す角度を自由に設定することができる。従って、他の光
学部材と組み合わせて使用する際にも最適な角度を選ぶ
ことができる。
【0019】本発明の偏光板は、単板透過率が550n
mで38%以上かつ偏光度が550nmで90%以上で
あることを特徴とする。単板透過率は、好ましくは40
%以上であり、偏光度は好ましくは95.0%以上、よ
り好ましくは99%以上、特に好ましくは99.9%以
上である。なお、本明細書において、特に断りのない限
り透過率は単板透過率のことである。本発明の偏光板
は、優れた単板透過率及び偏光度を有しているため、液
晶表示装置として用いる場合に、そのコントラストを高
めることができ、有利である。
【0020】<二色性物質>本発明の偏光膜は、前記し
たように、二色性物質からなる少なくとも二つの厚み方
向に並んだ吸着配向層を有することが特徴である。本発
明で好ましく使用される二色性物質は、ヨウ素やアゾ系
色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェ
ニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色
素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系
化合物である。色素系化合物を使用する場合、水溶性の
ものが好ましく、この観点から二色性分子にスルホン酸
基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入されて
いることが好ましい。色素系二色性物質の具体例として
は、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー 8、シ
ー.アイ.ダイレクト.イエロー 12、シー.アイ.
ダイレクト.イエロー 44、シー.アイ.ダイレク
ト.オレンジ 39、シー.アイ.ダイレクト.オレン
ジ 72、シー.アイ.ダイレクト.レッド 2、シ
ー.アイ.ダイレクト.レッド 23、シー.アイ.ダ
イレクト.レッド 28(コンゴーレッド)、シー.ア
イ.ダイレクト.レッド 31、シー.アイ.ダイレク
ト.レッド 37、シー.アイ.ダイレクト.レッド
39、シー.アイ.ダイレクト.レッド 79、シー.
アイ.ダイレクト.レッド 81、シー.アイ.ダイレ
クト.レッド 83、シー.アイ.ダイレクト.レッド
89、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット 1
2、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット 48、シ
ー.アイ.ダイレクト.ブルー 1、シー.アイ.ダイ
レクト.ブルー 15、シー.アイ.ダイレクト.ブル
ー 22、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 67、シ
ー.アイ.ダイレクト.ブルー 90、シー.アイ.ダ
イレクト.ブルー 96、シー.アイ.ダイレクト.ブ
ルー 98、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 15
1、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 168、シー.
アイ.ダイレクト.ブルー 202、シー.アイ.ダイ
レクト.グリーン1、シー.アイ.ダイレクト.グリー
ン 59、シー.アイ.ダイレクト.グリーン 85、
シー.アイ.アシッド.レッド 37、シー.アイ.ダ
イレクト.ブラウン 223等が挙げられ、さらに、特
開昭62−70802号、特開平1−161202号、
特開平1−172906号、特開平1−172907
号、特開平1−183602号、特開平1−24810
5号、特開平1−265205号、特開平7−2610
24号、の各公報記載の色素等が挙げられる。これらの
色素系二色性物質は遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、
アンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。この
中でも本発明の少なくとも二つの吸着配向層を構成する
好ましい二色性物質は、ヨウ素、およびλmaxが500nm以
上の二色性色素(具体的にはシー.アイ.ダイレクト.
レッド、シー.アイ.ダイレクト.ブルー、シー.ア
イ.ダイレクト.グリーン)が好ましく使用される。
【0021】<染色処方、染色方法>偏光膜用ポリマー
フィルム、例えばPVAフィルムを偏光子で染色して偏
光膜が得られるが、染色工程は気相または液相吸着によ
り行われる。液相で行う場合の例として、ヨウ素で染色
する場合には、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液にPVA
フィルムなどの偏光膜用ポリマーフィルムを浸漬させて
行われる。また、この染色液中に硬膜剤・金属塩が含ま
れていてもよい。ヨウ素は0.1〜20g/l、ヨウ化
カリウムは1〜200g/l、ヨウ素とヨウ化カリウム
の質量比は1〜200が好ましい。染色時間は10〜5
000秒が好ましく、液温度は5〜60℃が好ましい。
染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素あるいは染料
溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。
染色工程は、本発明の延伸工程の前後いずれに置いても
良いが、適度に膜が膨潤され延伸が容易になることか
ら、延伸工程前に液相で染色することが特に好ましい。
また、本発明の偏光板は、偏光膜が二色性物質からなる
少なくとも2つの厚み方向に並んだ吸着配向層を有する
が、これは2種以上の二色性物質により順次偏光膜用ポ
リマーフィルムを染色していくことで、形成することが
できる。なお、ヨウ素以外の二色性物質の場合も、染色
液中の二色性物質の使用量、染色時間及び染色液温度等
の諸条件は、上記ヨウ素の場合に準ずる。
【0022】<偏光膜用ポリマーフィルム>本発明で延
伸の対象とする偏光膜用ポリマーフィルムに関しては特
に制限はなく、熱可塑性の適宜なポリマーからなるフィ
ルムを用いることができる。ポリマーの例としては、P
VA、ポリカーボネート、セルロースアシレート、ポリ
スルホンなどをあげることができる。
【0023】延伸前のフィルムの厚味は特に限定されな
いが、フィルム保持の安定性、延伸の均質性の観点か
ら、1μm〜1mmが好ましく、20〜200μmが特
に好ましい。
【0024】本発明では、ポリマーとしてはPVAが好
ましく用いられる。PVAは通常、ポリ酢酸ビニルをケ
ン化したものであるが、例えば不飽和カルボン酸、不飽
和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のよう
に酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有しても構わな
い。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキ
シル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも
用いることができる。
【0025】PVAのケン化度は特に限定されないが、
溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、
90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重
合度は特に限定されないが、1000〜10000が好
ましく、1500〜5000が特に好ましい。
【0026】<硬膜剤(架橋剤)、金属塩添加>偏光膜
用ポリマーフィルム、例えばPVAフィルムを延伸して
偏光膜を製造する過程では、PVAフィルムに架橋させ
る添加物を用いることが好ましい。特に本発明の斜め延
伸法を用いる場合、延伸工程出口でPVAフィルムが十
分に硬膜されていないと、工程のテンションでPVAフ
ィルムの配向方向がずれてしまうことがあるため、延伸
前工程あるいは延伸工程で架橋剤溶液に浸漬、または溶
液を塗布して架橋剤を含ませるのが好ましい。硬膜剤
(架橋剤)をPVAフィルムに付与する手段は、特に限
定されるものではなく、フィルムの液への浸漬、塗布、
噴霧等任意の方法を用いることができるが、特に浸漬
法、塗布法が好ましい。塗布手段としてはロールコー
タ、ダイコータ、バーコータ、スライドコータ、カーテ
ンコータ等、通常知られている任意の手段をとることが
できる。また、溶液を含浸させた布、綿、多孔質素材等
をフィルムに接触する方式も好ましい。硬膜剤(架橋
剤)としては、米国再発行特許第232897号に記載
のものが使用できるが、ホウ酸、ホウ砂が実用的に好ま
しく用いられる。また、亜鉛、コバルト、ジルコニウ
ム、鉄、ニッケル、マンガン等の金属塩も併せて用いる
ことができる。
【0027】硬膜剤(架橋剤)の付与は、延伸機に噛み
込む前に行ってもよいし、噛み込んだ後に行っても良
く、幅方向延伸が実質的に終了する図1、図2の例の
(b)工程の終端までのいずれかの工程で行えばよい。
硬膜剤を添加した後に洗浄・水洗工程を設けてもよい。
【0028】また、PVAを脱水あるいはポリ塩化ビニ
ルを脱塩化水素することによりポリエン構造をつくり、
共役二重結合により偏光を得るいわゆるポリビニレン系
偏光膜の製造にも、本発明の延伸法は好ましく用いるこ
とができる。
【0029】次に、本発明の斜め配向した偏光板を得る
のに好ましい方法を、以下に述べる。すなわち、斜め配
向をポリマーフイルムの延伸により得るとともに、延伸
時の偏光膜用ポリマーフイルム長手方向の張力および延
伸時の環境湿度の最適化、偏光膜用ポリマーフイルムの
染色時の含水率の最適化、延伸・乾燥後の膨潤率を延伸
前より低くすることにより得られる。更には、延伸前の
フイルムに付着している異物の量を調節することも好ま
しい。染色工程では、染色と硬膜を同時に行ってもよ
い。
【0030】<延伸方法>図1および図2に、ポリマー
フィルムを斜め延伸する本発明の方法の例が、概略平面
図として示されている。本発明の延伸方法は、(a)で
示される原反フイルムを矢印(イ)方向に導入する工
程、(b)で示される幅方向延伸工程、及び(c)で示
される延伸フイルムを次工程、即ち(ロ)方向に送る工
程を含む。以下「延伸工程」と称するときは、これらの
(a)〜(c)工程を含んで、本発明の延伸方法を行う
ための工程全体を指す。フイルムは(イ)の方向から連
続的に導入され、上流側から見て左側の保持手段にB1
点で初めて保持される。この時点ではいま一方のフイル
ム端は保持されておらず、幅方向に張力は発生しない。
つまり、B1点は本発明の実質的な保持開始点(以下、
「実質保持開始点」という)には相当しない。本発明で
は、実質保持開始点は、フイルム両端が初めて保持され
る点で定義される。実質保持開始点は、より下流側の保
持開始点A1と、A1から導入側フイルムの中心線11
(図1)または21(図2)に略垂直に引いた直線が、
反対側の保持手段の軌跡13(図1)または23(図
2)と交わる点C1の2点で示される。この点を起点と
し、両端の保持手段を実質的に等速度で搬送すると、単
位時間ごとにA1はA2,A3…Anと移動し、C1は
同様にC2,C3…Cnに移動する。つまり同時点に基
準となる保持手段が通過する点AnとCnを結ぶ直線
が、その時点での延伸方向となる。
【0031】本発明の方法では、図1、図2のようにA
nはCnに対し次第に遅れてゆくため、延伸方向は、搬
送方向垂直から徐々に傾斜していく。本発明の実質的な
保持解除点(以下、「実質保持解除点」という)は、よ
り上流で保持手段から離脱するCx点と、Cxから次工
程へ送られるフイルムの中心線12(図1)または22
(図2)に略垂直に引いた直線が、反対側の保持手段の
軌跡14(図1)または24(図2)と交わる点Ayの
2点で定義される。最終的なフイルムの延伸方向の角度
は、実質的な延伸工程の終点(実質保持解除点)での左
右保持手段の行程差Ay−Ax(すなわち|L1−L2
|)と、実質保持解除点の距離W(CxとAyの距離)
との比率で決まる。従って、延伸方向が次工程への搬送
方向に対しなす傾斜角θは tanθ=W/( Ay−Ax)、即ち、 tanθ=W/|L1−L2| を満たす角度である。図1及び図2の上側のフイルム端
は、Ay点の後も18(図1)または28(図2)まで
保持されるが、もう一端が保持されていないため新たな
幅方向延伸は発生せず、18および28は本発明の実質
保持解除点ではない。
【0032】以上のように、本発明において、フイルム
の両端にある実質保持開始点は、左右各々の保持手段へ
の単純な噛み込み点ではない。本発明の二つの実質保持
開始点は、上記で定義したことをより厳密に記述すれ
ば、左右いずれかの保持点と他の保持点とを結ぶ直線が
フイルムを保持する工程に導入されるフイルムの中心線
と略直交している点であり、かつこれらの二つの保持点
が最も上流に位置するものとして定義される。同様に、
本発明において、二つの実質保持解除点は、左右いずれ
かの保持点と他の保持点とを結ぶ直線が、次工程に送り
だされるフイルムの中心線と略直交している点であり、
しかもこれら二つの保持点が最も下流に位置するものと
して定義される。ここで、略直交とは、フイルムの中心
線と左右の実質保持開始点、あるいは実質保持解除点を
結ぶ直線が、90±0.5゜であることを意味する。
【0033】テンター方式の延伸機を用いて本発明のよ
うに左右の行程差を付けようとする場合、レール長など
の機械的制約により、しばしば保持手段への噛み込み点
と実質保持開始点に大きなずれが生じたり、保持手段か
らの離脱点と実質保持解除点に大きなずれが生じたりす
ることがあるが、上記定義する実質保持開始点と実質保
持解除点間の工程が式(1)の関係を満たしていれば本
発明の目的は達成される。
【0034】上記において、得られる延伸フイルムにお
ける配向軸の傾斜角度は、(c)工程の出口幅Wと、左
右の二つの実質的保持手段の行程差|L1−L2|の比
率で制御、調整することができる。偏光板、位相差膜で
は、しばしば長手方向に対し45゜配向したフイルムが
求められる。この場合、45゜に近い配向角を得るため
に、下記式(2)を満たすことが好ましく、 式(2):0.9W<|L1−L2|<1.1W さらに好ましくは、下記式(3)を満たすことが好まし
い。 式(3):0.97W<|L1−L2|<1.03W
【0035】具体的な延伸工程の構造は、式(1)を満
たす限り、図1〜6に例示するように、設備コスト、生
産性を考慮して任意に設計できる。
【0036】延伸工程へのフイルム導入方向(イ)と、
次工程へのフイルム搬送方向(ロ)のなす角度は、任意
の数値が可能であるが、延伸前後の工程を含めた設備の
総設置面積を最小にする観点からは、この角度は小さい
方がよく、3゜以内が好ましく、0.5゜以内がさらに
好ましい。例えば図1、図4に例示するような構造で、
この値を達成することができる。このようにフイルム進
行方向が実質的に変わらない方法では、保持手段の幅を
拡大するのみでは、偏光板、位相差膜として好ましい長
手方向に対して45゜の配向角を得るのは困難である。
そこで、図1の如く、一旦延伸した後、収縮させる工程
を設けることで、|L1−L2|を大きくすることがで
きる。延伸率は1.1〜10.0倍が望ましく、より望
ましくは2〜10倍であり、その後の収縮率は10%以
上が望ましい。また、図4に示すように、延伸−収縮を
複数回繰り返すことも、|L1−L2|を大きくできる
ため好ましい。
【0037】また、延伸工程の設備コストを最小に抑え
る観点からは、保持手段の軌跡の屈曲回数、屈曲角度は
小さい程良い。この観点からは、図2、図3、図5に例
示する如くフイルム両端を保持する工程の出口における
フイルムの進行方向と、フイルムの実質延伸方向のなす
角が、20〜70゜傾斜するようにフイルム進行方向を
フイルム両端を保持させた状態で屈曲させることが好ま
しい。
【0038】本発明において両端を保持しつつ張力を付
与しフイルムを延伸する装置としては、いわゆる図1〜
図5のようなテンター装置が好ましい。また、従来型の
2次元的なテンターの他に、図6のように螺旋状に両端
の把持手段に行路差を付ける延伸工程を用いることもで
きる。
【0039】テンター型の延伸機の場合、クリップが固
定されたチェーンがレールに沿って進む構造が多いが、
本発明のように左右不均等な延伸方法をとると、結果的
に図1及び2に例示される如く、工程入口、出口でレー
ルの終端がずれ、左右同時に噛み込み、離脱をしなくな
ることがある。この場合、実質工程長L1,L2は、上
に述べたように単純な噛み込み−離脱間の距離ではな
く、既に述べたように、あくまでフイルムの両端を保持
手段が保持している部分の行程長である。
【0040】延伸工程出口でフイルムの左右に進行速度
差があると、延伸工程出口におけるシワ、寄りが発生す
るため、左右のフイルム把持手段の搬送速度差は、実質
的に同速度であることが求められる。速度差は好ましく
は1%以下であり、さらに好ましくは0.5%未満であ
り、最も好ましくは0.05%未満である。ここで述べ
る速度とは、毎分当たりに左右各々の保持手段が進む軌
跡の長さのことである。一般的なテンター延伸機等で
は、チェーンを駆動するスプロケット歯の周期、駆動モ
ータの周波数等に応じ、秒以下のオーダーで発生する速
度ムラがあり、しばしば数%のムラを生ずるが、これら
は本発明で述べる速度差には該当しない。
【0041】<揮発分率>延伸工程において、左右の行
程差が生じるに従って、フイルムにシワ、寄りが発生す
る。この問題を解決するために、本発明では、ポリマー
フィルムの支持性を保ち、延伸前に揮発分率が5%以上
の状態を存在させて延伸、その後収縮させ揮発分率を低
下させることが極めて好ましい。本発明における揮発分
率とは、フイルムの単位体積あたりに含まれる揮発成分
の体積を表し、揮発成分体積をフイルム体積で割った値
である。本発明においては、偏光板用ポリマーフィルム
の延伸前に揮発分を含有させる工程を少なくとも1工程
設けることが好ましい。揮発分を含有させる工程は、フ
イルムをキャストし溶剤、水などを含有させる、溶剤、
水などに浸漬、塗布、噴霧する、ことなどにより行われ
る。前述した<染色処方、染色方法>、<硬膜剤・金属
塩添加>の項に記載の染色工程あるいは硬膜剤添加液添
加工程が、揮発分を含有させる工程を兼ねてもよい。染
色工程が兼ねる場合は、硬膜剤添加液添加工程を延伸前
に設けることが好ましい。硬膜剤添加液添加工程が兼ね
る場合は、染色工程は、延伸前もしくは延伸後のいずれ
に設けてもよい。また、延伸前であれば染色工程と延伸
工程を同時に行ってもよい。
【0042】好ましい揮発分率は、ポリマーフィルムの
種類によって異なる。揮発分率の最大は、ポリマーフィ
ルムの支持性を保つ限り可能である。ポリビニルアルコ
ールでは揮発分率として10%〜100%が好ましい。
セルロースアシレートでは、10%〜200%が好まし
い。
【0043】<揮発分成分の含有分布>長尺、特にロー
ル形態の偏光板を一貫工程で作製する場合には、染色の
ムラや抜けがないことが必要である。延伸前のフイルム
中の揮発成分に分布のムラ(フイルム面内の場所による
揮発成分量の差異)があると染色ムラ、抜けの原因とな
る。従って、延伸前のフイルム中の揮発分成分の含有分
布は小さいほうが好ましく、少なくとも5%以下である
ことが好ましい。揮発分成分の含有分布とは、上記で定
義された揮発分率の平均揮発分率に対する、最大値また
は最小値と該平均揮発分率との差の大きい方の比を表
す。揮発分成分の含有分布を小さくする方法として、フ
イルムの表裏表面を均一なエアーでブローする、ニップ
ローラーにて均一に絞る、ワイパーなどで拭き取る(ブ
レード、スポンジ拭き取りなど)などの方法挙げられる
が、分布が均一になればいかなる方法を用いても良い。
図9〜11にエアーブロー装置、ニップ装置、ブレード
装置の一例を示す。
【0044】<含水率、含水率分布>本発明の偏光膜用
ポリマーとしては、ポリビニルアルコール系が好まし
く、この場合、揮発分としては水が好ましい。本発明の
偏光板としては、幅方向の延伸倍率を高くする目的で、
延伸前に含水率を高くした状態で高温高湿下で延伸を行
った後に急速に含水率を低下させることが好ましい。本
発明における含水率は、偏光板延伸前においては30%
以上が好ましく、高ければ高いほどより好ましい。一
方、延伸直後に乾燥を行うが、延伸直後の含水率は50
%以下であることが好ましく、含水率の低下が早いほど
好ましい。さらには偏光膜を乾燥させた後、保護膜と貼
り合わせを行う場合においては含水率が10%以下であ
ることが好ましく、特に好ましくは5%以下である。な
お、本発明で含水率とは、フイルムの単位体積あたりに
含まれる水分の体積を表し、水分体積をフイルム体積で
割った値である。
【0045】本発明における含水率分布とは、ロール形
態フイルム幅方向の平均含水率に対する、含水率の最大
値または最小値と該平均含水率との差の大きい方の比を
表す。例えばフイルム両端間で含水率の最小値が44.
0%、最大値が44.5%であったならば、その含水率
分布は0.5%となる。本発明における含水率分布とは
20%以内が好ましく、より好ましくは10%以内、特
に好ましくは5%以内とする。本発明の偏光子および硬
膜剤を染着させる工程後のポリマーフィルムの含水率分
布が大きいとムラ、スジの原因となるため、より小さい
ほうが好ましい。
【0046】<弾性率>延伸前のポリマーフィルムの物
性としては、弾性率が低すぎると延伸時、延伸後の収縮
率が低くなり、シワが消えにくくなる。また、高すぎる
と延伸時にかかる張力が大きくなり、フイルム両端を保
持する部分の強度を高くする必要が生じ、機械に対する
負荷が大きくなる。好ましいフイルムの弾性率は、ヤン
グ率で表すと0.1MPa以上500MPa以下で、更
に好ましくは1MPa以上100MPa以下である。
【0047】<収縮:延伸中、延伸後の収縮>また、延
伸ポリマーフィルムの収縮は、延伸時および延伸後のい
ずれの工程でも行って良い。収縮は、斜め方向に配向す
る際の発生するポリマーフィルムのシワが解消すればよ
く、フイルムを収縮させる手段としては、温度を掛ける
ことにより、揮発分を除去する方法などが挙げられる
が、フイルムを収縮させればいかなる手段を用いても良
い。好ましいフイルムの収縮率としては、長手方向に対
する配向角θを用いて、1/sinθ倍以上収縮するこ
とである。
【0048】<シワ発生から消失までの距離>斜め方向
に配向する際の発生するポリマーフィルムのシワは、本
発明における実質保持解除点までに消失していればよ
い。しかし、シワの発生から消失までに時間がかかる
と、延伸方向のばらつきが生じることがあり、好ましく
は、シワが発生した地点からできるだけ短い移行距離で
シワが消失することが良い。このためには、揮発分量の
揮発速度を高くするなどの方法がある。
【0049】<乾燥:乾燥速度、乾燥点>発生したシワ
が消失する条件であれば、乾燥条件はいかようでもかま
わない。ただし、好ましくは、所望の配向角度が得られ
た後、できるだけ短い移動距離で乾燥点が来るように調
節するのがよい。このことから、乾燥速度もできるだけ
速いほうが好ましい。
【0050】<乾燥温度>発生したシワが消失する条件
であれば、乾燥条件はいかようでもかまわないが、延伸
するフイルムによって異なる。本発明の方法により、ポ
リビニルアルコールフィルムを用いて偏光板を作成する
場合には、20℃以上100℃以下が好ましく、より好
ましくは40℃以上90℃以下である。
【0051】<膨潤率>本発明において、ポリマーフィ
ルムがポリビニルアルコールで、硬膜剤を使用した場
合、斜め方向に延伸した状態を緩和せずに保つために、
延伸前後で水に対する膨潤率が異なることが好ましい。
具体的には、延伸前の膨潤率が高く、延伸・乾燥後の膨
潤率が低くなることが好ましい。更に好ましくは、延伸
する前の水に対する膨潤率が3%以上で、乾燥後の膨潤
率が3%以下であることが好ましい。
【0052】<屈折部>本発明で保持手段の軌跡を規制
するレールには、しばしば大きい屈曲率が求められる。
急激な屈曲によるフイルム把持手段同士の干渉、あるい
は局所的な応力集中を避ける目的から、屈曲部では把持
手段の軌跡が円弧を描くようにすることが望ましい。
【0053】<延伸速度>本発明にて、フイルムを延伸
する速度は、単位時間当りの延伸倍率で表すと、1.1
倍/分以上、好ましくは2倍/分以上で、早いほうが好
ましい。また、長手方向の進行速度は、0.1m/分以
上、好ましくは1m/分以上で、早いほうが生産性の観
点から見て好ましい。いずれの場合も、上限は、延伸す
るフイルム及び延伸機により異なる。
【0054】<長手方向の張力>ポリマーフィルムを噛
みこみ、延伸および乾燥を行う工程において、長手方向
の張力をかけ続けることが必要となる。フイルム噛みこ
みにおいては張力が足りないと噛みしろ幅が少なくなり
延伸中に保持手段からフイルムが外れる。一方張力がか
かりすぎると保持手段にフイルムが乗れず噛みこみが行
えないばかりか、噛みこんだ後の噛みしろ部分がカール
する現象が起きる問題がある。本発明においては、フイ
ルム長手方向に一定の張力をかけつつ延伸、乾燥および
巻き取りを行うことが好ましい。本発明において、フイ
ルムの両端を保持手段により保持する際、保持しやすい
ようにフイルムが張った状態にしておくことが好まし
い。具体的には、張力コントローラーにより長手方向に
張力をかけてフイルムを張るなどの方法が挙げられる。
張力としては、延伸前のフイルム状態により異なるが、
弛まない程度にすることが好ましい。本発明における長
手方向の張力とは、ポリマーフィルムの種類、長手方向
のフイルム搬送速度などにより適性値が異なる。適正な
張力を知る方法としては、噛み込み直前の搬送ロール上
でフイルム端がロールに接するか浮き上がるかを繰り返
す状態が好ましく、100N/m以上500N/m以下
が好ましく、より好ましくは350N/m以上450N
/m以下である。
【0055】<異物>本発明において、延伸前の偏光膜
用ポリマーフィルムに異物が付着していると、表面が粗
くなるため、異物を取ることが好ましい。異物が存在し
ていると、特に偏光板作製時には、色むら・光学むらの
原因となる。また、保護膜を張り合わせるまでの間に、
異物が付着しないことも重要で、極力浮遊するゴミが少
ない環境下で製造することが好ましい。本発明における
異物の量とは、フイルム表面に付着している異物の質量
を表面積で割った値で、平方メートルあたりのグラム数
を表す。異物は、1g/m2以下が好ましく、更に好ま
しくは0.5g/m2以下であり、少ないほど好まし
い。
【0056】異物の除去方法としては特に限定されず、
延伸前の偏光膜用ポリマーフィルムに悪影響を与えるこ
となく、異物を除去することができれば、いずれの方法
でもよい。例えば、水流を吹き付けることにより異物を
掻き落とす方法、気体噴射により異物を掻き落とす方
法、布、ゴム等のブレードを用いて異物を掻き落とす方
法等が挙げられる。
【0057】<延伸時温度>ポリマーフィルムを延伸す
る場合、環境温度が低ければポリマーを十分に延伸する
ことができなく、高ければ延伸は可能であるがテンター
によるフイルムの噛みちぎり、フイルムが切れるといっ
た現象が起こりやすくなる。本発明では、フイルム延伸
時の環境温度は、少なくともフイルムに含まれる揮発分
の凝固点以上であればよい。フイルムがポリビニルアル
コールである場合には、25℃以上が好ましい。また、
偏光膜を作製するためのヨウ素・ホウ酸を浸漬したポリ
ビニルアルコールを延伸する場合には、25℃以上90
℃以下が好ましく、40℃以上90℃以下がより好まし
い。
【0058】<延伸時湿度>フイルム延伸時の湿度が不
充分であると延伸ができないばかりか、テンターの故障
の原因となる。一方延伸時湿度が高いことについては、
偏光性能の劣化などの現象は見られず、かつ延伸が容易
になることから非常に効果的である。揮発分が水である
フイルム、例えばポリビニルアルコール、セルロースア
シレートなどを延伸する場合も、勿論のこととして高調
湿雰囲気下で延伸しても良い。ポリビニルアルコールで
ある場合は、50%以上が好ましく、より好ましくは8
0%以上、更に好ましくは90%以上である。
【0059】<保護膜>本発明で製造された偏光膜は、
両面あるいは片面に保護膜を貼り付けて偏光板として用
いられる。保護膜の種類は特に限定されず、セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート等のセル
ロースアシレート類、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリエステル等を用いることができ
る。偏光板の保護膜には、透明性、適度な透湿度、低複
屈折性、適度な剛性といった物性が求められ、総合的に
みるとセルロースアシレート類が好ましく、特にセルロ
ースアセテートが好ましい。
【0060】保護膜の物性は、用途に応じ任意の値が可
能であるが、通常の透過型LCDに用いる場合の代表的
な好ましい値を以下に示す。膜厚は取り扱い性や耐久性
の観点から5〜500μmが好ましく、20〜200μ
mがより好ましく、20〜100μmが特に好ましい。
レターデーション値は632.8nmにおいて0〜15
0nmが好ましく、0〜20nmがより好ましく、0〜
5nmが特に好ましい。保護膜の遅相軸は、偏光膜の吸
収軸と実質的に平行または直交させることが、直線偏光
の楕円化を避ける観点から好ましい。但し、保護膜に位
相差板等、偏光性を変化させる機能を持たせる場合に
は、この限りではなく、偏光板の吸収軸と保護膜の遅相
軸は任意の角度をとることができる。可視光線透過率は
60%以上が好ましく、90%以上が特に好ましい。9
0℃120時間処理後の寸度減少は、0.3〜0.01
%であることが好ましく、0.15〜0.01%である
ことが特に好ましい。フィルムの引っ張り試験による抗
張力値は、50〜1000MPaが好ましく、100〜
300MPaが特に好ましい。フィルムの透湿度は、1
00〜800g/m2・dayが好ましく、300〜6
00g/m2・day が特に好ましい。無論、本発明の
適用は、以上の値に限定されるものではない。
【0061】保護膜として好ましいセルロースアシレー
トの詳細について、以下に示す。好ましいセルロースア
シレートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式
(I)〜(IV)の全てを満足するものである。
【0062】 (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 (IV) 1.9<A−B
【0063】ここで、式中A及びBはセルロースの水酸
基に置換されているアシル基の置換基を表し、Aはアセ
チル基の置換度、またBは炭素原子数3〜5のアシル基
の置換度である。セルロースには1グルコース単位に3
個の水酸基があり、上記の数字はその水酸基3.0に対
する置換度を表すもので、最大の置換度が3.0であ
る。セルローストリアセテートは一般にAの置換度が
2.6以上3.0以下であり(この場合、置換されなか
った水酸基が最大0.4もある)、B=0の場合がセル
ローストリアセテートである。偏光板保護膜として用い
るセルロースアシレートは、アシル基が全部アセチル基
のセルローストリアセテート、及びアセチル基が2.0
以上で、炭素原子数が3〜5のアシル基が0.8以下、
置換されなかった水酸基が0.4以下のものが好まし
い。炭素原子数3〜5のアシル基の場合、0.3以下が
物性の点から特に好ましい。なお、置換度は、セルロー
スの水酸基に置換する酢酸及び炭素原子数3〜5の脂肪
酸の結合度を測定し、計算によって得られる。測定方法
としては、ASTMのD−817−91に準じて実施す
ることが出来る。
【0064】アセチル基の他の炭素原子数3〜5のアシ
ル基はプロピオニル基(C25CO−)、ブチリル基
(C37CO−)(n−、iso−)、バレリル基(C
49CO−)(n−、iso−、sec−、tert
−)で、これらのうちn−置換のものがフィルムにした
時の機械的強さ、溶解し易さ等から好ましく、特にn−
プロピオニル基が好ましい。また、アセチル基の置換度
が低いと機械的強さ、耐湿熱性が低下する。炭素原子数
3〜5のアシル基の置換度が高いと有機溶媒への溶解性
は向上するが、それぞれの置換度が前記の範囲であれば
良好な物性を示す。
【0065】セルロースアシレートの重合度(粘度平
均)は200〜700が好ましく、特に250〜550
のものが好ましい。粘度平均重合度はオストワルド粘度
計で測定することができ、測定されたセルロースアシレ
ートの固有粘度[η]から下記式により求められる。 DP=[η]/Km (式中DPは粘度平均重合度、
Kmは定数6×10-4
【0066】セルロースアシレート原料のセルロースと
しては、綿花リンターや木材パルプなどがあるが、何れ
の原料セルロースから得られるセルロースアシレートで
も使用できるし、混合して使用してもよい。
【0067】上記セルロースアシレートは、通常ソルベ
ントキャスト法により製造される。ソルベントキャスト
法は、セルロースアシレートおよび各種添加剤を溶媒に
溶解して濃厚溶液(以下、ドープと称する)を調製し、
これをドラムまたはバンドのような無端支持体上に流延
し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成するものである。
ドープは、固形分量が10〜40質量%となるように濃
度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表
面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベ
ントキャスト法における流延および乾燥方法について
は、米国特許2336310号、同2367603号、
同2492078号、同2492977号、同2492
978号、同2607704号、同2739069号、
同2739070号、英国特許640731号、同73
6892号の各明細書、特公昭45−4554号、同4
9−5614号、特開昭60−176834号、同60
−203430号、同62−115035号の各公報に
記載がある。
【0068】2層以上のドープを流延する方法も好まし
く用いられる。複数のドープを流延する場合、支持体の
進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からドープ
を含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィル
ムを作製してもよく、例えば特開昭61−158414
号、特開平1−122419号、特開平11−1982
85号、などに記載の方法が適応できる。また、2つの
流延口からセルロースアシレート溶液を流延することに
よってもフィルム化することでもよく、例えば特公昭6
0−27562号、特開昭61−94724号、特開昭
61−947245号、特開昭61−104813号、
特開昭61−158413号、特開平6−134933
号等に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−1
62617号に記載の高粘度ドープの流れを低粘度のド
ープで包み込み、その高,低粘度のドープを同時に押出
す流延方法も好ましく用いられる。
【0069】セルロースアシレートを溶解する有機溶媒
の例には、炭化水素(例、ベンゼン、トルエン)、ハロ
ゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロベン
ゼン)、アルコール(例、メタノール、エタノール、ジ
エチレングリコール)、ケトン(例、アセトン)、エス
テル(例、酢酸エチル、酢酸プロピル)およびエーテル
(例、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ)などが
あげられる。炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が
好ましく用いられ、メチレンクロライドが最も好ましく
用いられる。セルロースアシレートの溶解性、支持体か
らの剥取り性、フィルムの機械強度等、光学特性等の物
性の観点から、メチレンクロライドの他に炭素原子数1
〜5のアルコールを一種、ないし数種類混合することが
好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2〜
25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好まし
い。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール等があげられるが、メタノール、エタノール、n
−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用い
られる。
【0070】セルロースアシレートの他に、乾燥後固形
分となる成分としては、可塑剤をはじめ、紫外線吸収
剤、無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアル
カリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、滑剤、油剤、支持体からの剥離促進剤、セルロース
アシレートの加水分解防止剤等を任意に含むことができ
る。
【0071】好ましく添加される可塑剤としては、リン
酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リ
ン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート
(TPP)およびトリクレジルフォスフェート(TC
P)、クレジルジフェニルフォスフェート、オクチルジ
フェニルフォスフェート、ジフェニルビフェニルフォス
フェート、トリオクチルフォスフェート、トリブチルホ
スフェート等があげられる。カルボン酸エステルとして
は、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的
である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレー
ト(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチ
ルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチル
ヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸
エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル
(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル
(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン
酸アセチルトリブチル、が含まれる。その他のカルボン
酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸
メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリメチルトリ
メリテート等のトリメリット酸エステルが含まれる。グ
リコール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリ
ブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチル
フタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグ
リコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどが
ある。
【0072】以上に例示した可塑剤の中でも、トリフェ
ニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェ
ート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニ
ルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジメチ
ルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレー
ト、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレー
ト、トリメチルトリメリテートらを用いることが好まし
い。特にトリフェニルホスフェート、ビフェニルジフェ
ニルフォスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタ
リルエチルグリコレート、トリメチルトリメリテートが
好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上併
用してもよい。可塑剤の添加量はセルロースアシレート
に対して5〜30質量%が好ましく、特に8〜16質量
%以下が好ましい。これらの化合物は、セルロースアシ
レート溶液の調製の際に、セルロースアシレートや溶媒
と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加し
てもよい。
【0073】紫外線吸収剤は、目的に応じ任意の種類の
ものを選択することができ、サリチル酸エステル系、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート
系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の吸収剤
を用いることができるが、ベンゾフェノン系、ベンゾト
リアゾール系、サリチル酸エステル系が好ましい。ベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤の例として、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2
−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾ
フェノン等をあげることができる。ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤としては、2(2’−ヒドロキシ−3’
−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−ク
ロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’
−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−
5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等をあげることができる。サリチル酸エステル系とし
ては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサ
リシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレー
ト等をあげることができる。これら例示した紫外線吸収
剤の中でも、特に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’−メト
キシベンゾフェノン、2(2’−ヒドロキシ−3’−t
ert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロル
ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−t
ert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロルベンゾトリアゾールが特に好ましい。吸収波長
の異なる複数の吸収剤を複合して用いることが、広い波
長範囲で高い遮断効果を得ることができ、特に好まし
い。紫外線吸収剤の量はセルロースアシレートに対し
0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%が特
に好ましい。紫外線吸収剤はセルロースアシレート溶解
時に同時に添加しても良いし、溶解後のドープに添加し
ても良い。特にスタティックミキサ等を用い、流延直前
にドープに紫外線吸収剤溶液を添加する形態が好まし
い。
【0074】セルロースアシレートに添加する無機微粒
子としては、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ土、
石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナなどを目的に応じ、任意に用いることができる。
これら微粒子はドープに添加する前に、高速ミキサー、
ボールミル、アトライター、超音波分散機等、任意の手
段でバインダー溶液中に分散を行うことが好ましい。バ
インダーとしてはセルロースアシレートが好ましい。紫
外線吸収剤等、他の添加物と共に分散を行うことも好ま
しい。分散溶媒は任意であるが、ドープ溶剤と近い組成
であることが好ましい。分散粒子の数平均粒径は0.0
1〜100μmが好ましく、0.1〜10μmが特に好
ましい。上記の分散液はセルロースアシレート溶解工程
に同時に添加しても良いし、任意の工程でドープに添加
できるが、紫外線吸収剤同様スタティックミキサ等を用
い、流延直前に添加する形態が好ましい。
【0075】支持体からの剥離促進剤としては、界面活
性剤が有効でありリン酸系、スルフォン酸系、カルボン
酸系、ノニオン系、カチオン系など特に限定されない。
これらは、例えば特開昭61−243837号などに記
載されている。
【0076】上記のセルロースアシレートフィルムを保
護膜に用いる場合、PVA系樹脂との密着性を高めるた
め、フィルム表面にケン化、コロナ処理、火炎処理、グ
ロー放電処理等の手段により、親水性を付与することが
好ましい。また、親水性樹脂をセルロースアシレートと
親和性のある溶媒に分散し、薄層塗布しても良い。以上
の手段の中では、フィルムの平面性、物性が損なわれな
いため、ケン化処理が特に好ましい。ケン化処理は、例
えば苛性ソーダのようなアルカリ水溶液にフィルムを浸
漬することで行われる。処理後は過剰のアルカリを除く
ため、低濃度の酸で中和し、水洗を十分行うことが好ま
しい。
【0077】セルロースアシレートフィルムの表面処理
として好ましく用いられるアルカリケン化処理を具体的
に説明する。セルロースアシレートフィルム表面をアル
カリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾
燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶
液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶
液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1N〜
3.0Nであることが好ましく、0.5N〜2.0Nで
あることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温
乃至90℃の範囲が好ましく、40℃乃至70℃がさら
に好ましい。次に一般には水洗され、しかる後に酸性水
溶液を通過させた後に、水洗して表面処理したセルロー
スアシレートフィルムを得る。この時、酸としては塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸、クロロ酢酸、シュウ酸な
どであり、その濃度は0.01N〜3.0Nであること
が好ましく、0.05N〜2.0Nであることがさらに
好ましい。セルロースアシレートフィルムを偏光板の透
明保護膜として使用する場合、偏光膜との接着性の観点
から、酸処理、アルカリ処理、すなわちセルロースアシ
レートに対するケン化処理を実施することが特に好まし
い。
【0078】これらの方法で得られた固体の表面エネル
ギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 198
9.12.10)発行に記載のように、接触角法、湿潤
熱法、および吸着法により求めることができ、接触角法
を用いることが好ましく、水の接触角が5〜90℃、更
には5〜70℃が好ましい。
【0079】本発明の偏光板の保護膜表面には、特開平
4−229828、特開平6−75115、特開平8−
50206等に記載のLCD視野角補償のための光学異
方層や、ディスプレイの視認性向上のための防眩層や反
射防止層、あるいはLCD輝度向上のための異方性散乱
や異方性光学干渉によるPS波分離機能を有する層(高
分子分散液晶層、コレステリック液晶層等)、偏光板の
耐傷性を高めるためのハードコート層、水分や酸素の拡
散を抑えるガスバリア層、偏光膜あるいは接着剤、粘着
剤との密着力を高める易接着層、スベリ性を付与する層
等、任意の機能層を設けることができる。機能層は偏光
膜側に設けても良いし、偏光膜と反対面に設けても良
く、目的に応じ適宜に選択できる。
【0080】本発明の偏光板には、各種機能膜を保護膜
として直接片面または両面に貼合することができる。機
能膜の例としては、λ/4板、λ/2板などの位相差
膜、光拡散膜、偏光板と反対面に導電層を設けたプラス
チックセル、異方性散乱や異方性光学干渉機能等をもつ
輝度向上膜、反射板、半透過機能を持つ反射板等があげ
られる。
【0081】偏光板保護膜としては、上に述べた好まし
い保護膜を一枚、または複数枚積層して用いることがで
きる。偏光膜の両面に同じ保護膜を貼合しても良いし、
両面に異なる機能、物性をもつ保護膜をそれぞれ貼合し
ても良い。また、片面のみに上記保護膜を貼合し、反対
面には直接液晶セルを貼合するために、粘着剤層を直接
設けて保護膜を貼合しないことも可能である。この場合
粘着剤の外側には、剥離可能なセパレータフィルムを設
けることが好ましい。
【0082】<接着剤>偏光膜と保護層との接着剤は限
定されないが、PVA系樹脂(アセトアセチル基、スル
ホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等の変
性PVAを含む)やホウ素化合物水溶液等が挙げられ、
中でもPVA系樹脂が好ましい。PVA樹脂にホウ素化
合物、ヨウ化カリウム水溶液等を添加して用いてもよ
い。接着層厚みは乾燥後に0.01乃至10μmが特に
好ましい。
【0083】<一貫工程>本発明では、フイルムを延伸
後、収縮させ揮発分率を低下させる乾燥工程を有し、か
つ乾燥後もしくは乾燥中に少なくとも片面に保護膜を貼
り合わせた後、後加熱工程を有することが好ましい。保
護膜の具体的な貼り付け方法として、乾燥工程中、両端
を保持した状態で接着剤を用いてフイルムに保護膜を貼
り付け、その後両端を耳きりする。もしくは乾燥後、両
端保持部からフイルムを解除し、フイルム両端を耳きり
した後、保護膜を貼り付けるなどの方法がある。耳きり
の方法としては、刃物などのカッターで切る方法、レー
ザーを用いる方法など、一般的な技術を用いることがで
きる。貼り合わせた後に、接着剤を乾燥させるため、お
よび偏光性能を良化させるために、後加熱することが好
ましい。後加熱の条件としては、接着剤により異なるが
水系の場合は、30℃以上が好ましく、さらに好ましく
は40℃以上100℃以下、さらに好ましくは50℃以
上80℃以下である。これらの工程は一貫の製造ライン
で行われることが、性能上及び生産効率上更に好まし
い。
【0084】<打ち抜き>図7に従来の偏光板打ち抜き
の例を、図8に本発明の偏光板打ち抜きする例を示す。
従来の偏光板は、図7に示されるように、偏光の吸収軸
71すなわち延伸軸が長手方向72と一致しているのに
対し、本発明の偏光板は、図8に示されるように、偏光
の吸収軸81すなわち延伸軸が長手方向82に対して4
5°傾斜しており、この角度がLCDにおける液晶セル
に貼り合わせる際の偏光板の吸収軸と、液晶セル自身の
縦または横方向とのなす角度に一致しているため、打ち
抜き工程において斜めの打ち抜きは不要となる。しかも
図8からわかるように、本発明の偏光板は切断が長手方
向に沿って一直線であるため、打ち抜かず長手方向に沿
ってスリットすることによっても製造可能であるため、
生産性も格段に優れている。
【0085】<粘着層>本発明の偏光板には他の液晶表
示装置部材との貼り合わせ用の粘着層を設けても良い。
粘着層の表面に剥離フィルムを設けることが好ましい。
粘着層は、光学的に透明であることはもとより、適度な
粘弾性や粘着特性を示すものである。本発明における粘
着層としては、例えばアクリル系共重合体やエポキシ系
樹脂、ポリウレタン、シリコーン系ポリマー、ポリエー
テル、ブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニ
ルアルコール系樹脂、合成ゴムなどの接着剤もしくは粘
着剤等のポリマーを用いて、乾燥法、化学硬化法、熱硬
化法、熱熔融法、光硬化法等により膜形成させ、硬化せ
しめることができる。就中アクリル系共重合体において
最も粘着物性を制御しやすく、かつ透明性や耐候性や耐
久性などに優れて好ましく用いうる。
【0086】<用途など>本発明の偏光板は、各種用途
に用い得るが、長手方向に対し配向軸が傾いている特性
に基づき、特に、配向軸の傾斜角度が長手方向に対し4
0°〜50°である偏光膜は、LCD用偏光板(例えば
TN、STN、OCB、ROCB、ECB、CPA、I
PS、VAなどのあらゆる液晶モードにおいて)、有機
ELデイスプレイの反射防止用円偏光板等に好ましく用
いられる。また、各種光学部材、例えばλ/4板、λ/
2板などの位相差フイルム、視野角拡大フイルム、防眩
性フイルム、ハードコートフイルムなどと組み合わせて
用いる場合にも適している。
【0087】
【実施例】本発明を詳細に説明するために、以下に実施
例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0088】 <保護膜Aの作製> (微粒子分散液aの調製) シリカ(日本アエロジル(株)製アエロジルR972) 0.67質量% セルロースアセテート(置換度2.8) 2.93質量% トリフェニルフォスフェート 0.23質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.12質量% メチレンクロライド 88.37質量% メタノール 7.68質量% からなる溶液を調製し、アトライターにて体積平均粒径
0.7μmになるよう分散を行った。
【0089】 (原料ドープの調製) セルローストリアセテート(置換度2.8) 89.3質量% トリフェニルフォスフェート 7.1質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.6質量% からなる固形分100質量部に対し上記微粒子分散液aを17.9質量部添加し 、さらに ジクロルメタン 92質量% メタノール 8質量% からなる混合溶媒を適宜添加、攪拌溶解しドープを調製
した。ドープの固形分濃度は(18.5)%であった。
このドープを濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)にてろ
過後、さらに燒結金属フィルタ(日本精線(株)製06
N、公称孔径10μm)でろ過し、さらにメッシュフィ
ルタ(日本ポール(株)製RM、公称孔径45μ)でろ
過した。
【0090】 (紫外線吸収剤溶液bの調製) 2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5− クロルベンゾトリアゾール 5.83質量% 2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾ トリアゾール 11.66質量% セルロースアセテート(置換度2.8) 1.48質量% トリフェニルフォスフェート 0.12質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.06質量% メチレンクロライド 74.38質量% メタノール 6.47質量% 上記処方で紫外線吸収剤溶液を調製し、富士写真フィル
ム(株)製アストロポア10フィルタにてろ過した。
【0091】前記のドープに対し、スタティックミキサ
を用い、上記紫外線吸収剤溶液bを、ドープ中の固形分
に対し紫外線吸収剤量が1.04質量%になるよう調節
しつつ、ドープの配管経路において添加、混合した。こ
のドープを無端支持体上に流延し、自己支持性を持つま
で熱風乾燥し、フィルムとして剥離した。剥離した時点
の残留溶剤は、38質量%であった。このフィルムをテ
ンター式乾燥機に導入し、両端を保持して張力を与えつ
つ乾燥し、残留溶剤が14質量%になるまで乾燥した。
以降ローラー乾燥ゾーンにて乾燥し、残留溶剤が0.1
質量%になるまで乾燥した。完成フィルムの膜厚は80
μm、レターデーションは2.4nm、フィルム長手方
向の抗張力は140MPaであった。このフィルムを
1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分
間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.
1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽
中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このよ
うにして、セルロースアセテートフイルムの表面をケン
化した。この後、水洗、中和処理を行ったものを保護膜
Aとして使用した。
【0092】(レターデーションの測定)王子計測
(株)製KOBRA21DHを用いて波長632.8n
mにおいて測定した。
【0093】<偏光板Aの作製>平均重合度が1700
のPVAフィルムの両面を水流2L/分で、イオン交換
水にて洗浄し、エアーブローして表面水分を飛ばし異物
を除去した後、該PVAフィルムをシー.アイ.ダイレ
クト.レッド28の2.0g/lの水溶液に30℃にて
10秒浸漬し、次にヨウ素1.0g/l、ヨウ化カリウ
ム120.0g/lの水溶液に40℃にて90秒浸漬
し、さらにホウ酸40g/l、ヨウ化カリウム30g/
lの水溶液に40℃にて60秒浸漬後、フィルムの両面
を図11に記載のニップ装置でエアーブローして、余剰
水分を除去し、フィルム中の含有水分率の分布を2%以
下にした状態で図2の形態のテンター延伸機に導入し
た。搬送速度を12m/分として、500m送出し、温
度50℃湿度90%雰囲気下で4.8倍に延伸し、テン
ターを延伸方向に対し図2の如く屈曲させ、以降幅を一
定に保ち、収縮させながら80℃雰囲気で乾燥させた後
テンターから離脱し、幅方向から3cm、カッターにて
耳きりをした後、PVA((株)クラレ製PVA−11
7H)3%、ヨウ化カリウム4%からなる水溶液を接着
剤として保護膜Aと貼り合わせ、さらに60℃で15分
間加熱して有効幅650mm、長さ500mのロール形
態の偏光板Aを問題なく作製できた。このフイルムの断
面を顕微鏡で観察すると総膜厚25μm中の内部8μm
中に赤色の層(シー.アイ.ダイレクト.レッド28に
よる吸着配向層)が、両表層部を含むそれ以外の部分に
黒褐色の層(ヨウ素による吸着配向層)が形成されてい
た。
【0094】乾燥点は、cゾーンの1/3の地点で、延
伸開始前のPVAフィルムの含水率は31%で、乾燥後
の含水率は1.4%であった。左右のテンタークリップ
の搬送速度差は、0.05%未満であり、導入されるフ
ィルムの中心線と次工程に送られるフィルムの中心線の
なす角は、46゜であった。ここで|L1−L2|は
0.7m、Wは0.7mであり、|L1−L2|=Wの
関係にあった。テンター出口における実質延伸方向Ax
−Cxは、次工程へ送られるフィルムの中心線22に対
し45゜傾斜していた。テンター出口におけるシワ、フ
ィルム変形は観察されなかった。
【0095】(540nm透過率、偏光度の測定)島津
自記分光光度計UV2100にて透過率を測定した。2
枚の偏光板吸収軸を一致させて重ねた場合の透過率をH
0(%)、吸収軸を直交させて重ねた場合の透過率をH
1(%)として、次式により偏光度P(%)を求めた。 P=〔(H0−H1)/(H0+H1)〕1/2×100 偏光板Aの550nmにおける透過率は42.9%、偏
光度は99.72%だった。
【0096】さらに図8の如く310×233mmサイ
ズに裁断したところ、90.9%の面積効率で辺に対し
45゜吸収軸が傾斜した偏光板Aを得ることができた。
【0097】(色相の評価)島津製の分光光度計UV-310
0PCを用いて、CIELAB表色系におけるa*、b*を求め
た。偏光板Aのa*は−0.8、b*は1.4と色味の小
さいものだった。CIELAB表色系におけるa*、b*はCIE
が1976年に定めた均等色空間のひとつで、XYZ表色系に
おける三刺激値を用いて算出される色相の目安で、0に
近いほど色味が小さいと判断される。
【0098】[実施例2]平均重合度が1700のPV
Aフィルムの両面を水流2L/分で、イオン交換水にて
洗浄し、エアーブローして表面水分を飛ばし異物を除去
した後、該PVAフィルムをヨウ素1.0g/l、ヨウ
化カリウム120.0g/lの水溶液に40℃にて90
秒浸漬し、次にシー.アイ.ダイレクト.レッド28の
2.0g/lの水溶液に30℃にて10秒浸漬し、さら
にシー.アイ.ダイレクト.グリーン1の2.0g/l
の水溶液に30℃にて10秒浸漬し、最後にホウ酸40
g/l、ヨウ化カリウム30g/lの水溶液に40℃に
て60秒浸漬後、フィルムの両面を図10に記載のニッ
プ装置でエアーブローして、余剰水分を除去し、フィル
ム中の含有水分率の分布を2%以下にした状態で図2の
形態のテンター延伸機に導入した。これ以降は、実施例
1と同様にして偏光板Bを得た。偏光板Bの550nm
における透過率は41.5%、偏光度は99.92%
で、aは-0.6、bは1.0と色味の小さいものだっ
た。
【0099】[比較例1]平均重合度が1700のPV
Aフィルムの両面を水流2L/分で、イオン交換水にて
洗浄し、エアーブローして表面水分を飛ばし異物を除去
した後、該PVAフィルムをヨウ素1.0g/l、ヨウ
化カリウム120.0g/lの水溶液に40℃にて90
秒浸漬し、さらにホウ酸40g/l、ヨウ化カリウム3
0g/lの水溶液に40℃にて60秒浸漬後、フィルム
の両面を図11に記載のニップ装置でエアーブローし
て、余剰水分を除去し、フィルム中の含有水分率の分布
を2%以下にした状態で図2の形態のテンター延伸機に
導入した。これ以降は、実施例1と同様にして比較用偏
光板Cを得た。偏光板Cの550nmにおける透過率は
43.1%、偏光度は98.61%で、aは-1.5、bは
3.5と黄色味がかっていた。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、偏光膜が少なくとも二
つの吸着配向層を有することにより、偏光板打ち抜き工
程で得率が著しく向上する斜め延伸法により得られる、
色相のニュートラルな(色味の少ない)偏光膜が提供さ
れる。また、この偏光膜から構成され、単板透過率およ
び偏光度が高く、色相のニュートラルな長尺の偏光板が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図2】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図3】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図4】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図5】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図6】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図7】従来の偏光板を打ち抜く様子を示す概略平面図
である。
【図8】本発明の偏光板を打ち抜く様子を示す概略平面
図である。
【図9】エアーブロー装置の概略概念図である。
【図10】ニップ装置の概略概念図である。
【図11】ブレード装置の概略概念図である。
【符号の説明】
(イ) フィルム導入方向 (ロ) 次工程へのフィルム搬送方向 (a) フィルムを導入する工程 (b) フィルムを延伸する工程 (c) 延伸フィルムを次工程へ送る工程 A1 フィルムの保持手段への噛み込み位置とフィルム
延伸の起点位置(実質保持開始点:右) B1 フィルムの保持手段への噛み込み位置(左) C1 フィルム延伸の起点位置(実質保持開始点:左) Cx フィルム離脱位置とフィルム延伸の終点基準位置
(実質保持解除点:左) Ay フィルム延伸の終点基準位置(実質保持解除点:
右) |L1−L2| 左右のフィルム保持手段の行程差 W フィルムの延伸工程終端における実質幅 θ 延伸方向とフィルム進行方向のなす角 11 導入側フィルムの中央線 12 次工程に送られるフィルムの中央線 13 フィルム保持手段の軌跡(左) 14 フィルム保持手段の軌跡(右) 15 導入側フィルム 16 次工程に送られるフィルム 17、17’ 左右のフィルム保持開始(噛み込み)点 18、18’ 左右のフィルム保持手段からの離脱点 21 導入側フィルムの中央線 22 次工程に送られるフィルムの中央線 23 フィルム保持手段の軌跡(左) 24 フィルム保持手段の軌跡(右) 25 導入側フィルム 26 次工程に送られるフィルム 27、27’ 左右のフィルム保持開始(噛み込み)点 28、28’ 左右のフィルム保持手段からの離脱点 33,43,53,63 フィルム保持手段の軌跡
(左) 34,44,54,64 フィルム保持手段の軌跡
(右) 35,45,55,65 導入側フィルム 36,46,56,66 次工程に送られるフィルム 71 吸収軸(延伸軸) 72 長手方向 81 吸収軸(延伸軸) 82 長手方向 91、92 ヨウ素系偏光フィルム(偏光層) 93 液晶セル 94 バックライト 101 エアーブロー装置 111 ニップ装置 121 ブレード装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA26 BB33 BB43 BC01 BC03 BC13 BC14 BC22 2H091 FA08X FA08Z FB02 FB12 FB13 FC05 FC08 FD06 FD14 LA12 LA20 4F210 AA01 AG01 AH73 QC07 QD01 QG01 QG18 QL01 QW17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)偏光膜の吸収軸が長手方向に平行で
    も垂直でもなく、(b)偏光膜が二色性物質からなる少
    なくとも2つの厚み方向に並んだ吸着配向層を有する、
    ことを特徴とする偏光膜。
  2. 【請求項2】連続的に供給される偏光膜用ポリマーフィ
    ルムの両端を保持手段により保持し、該保持手段をフィ
    ルムの長手方向に進行させつつ張力を付与して延伸して
    偏光膜を形成する工程を含む偏光度が550nmで90
    %以上及び単板透過率が550nmで35%以上である
    偏光膜を製造する方法であって、 該工程が、2種以上の二色性物質により順次偏光膜用ポ
    リマーフィルムを染色する工程を含み、偏光膜用ポリマ
    ーフィルムの表面に付着している異物を表面積あたり1
    %以下にした後、ポリマーフィルムの一方端の実質的な
    保持開始点から実質的な保持解除点までの保持手段の軌
    跡L1及びポリマーフィルムのもう一端の実質的な保持
    開始点から実質的な保持解除点までの保持手段の軌跡L
    2と、二つの実質的な保持解除点の距離Wが、下記式
    (1)を満たし、かつポリマーフィルムの支持性を保
    ち、揮発分率が10%以上の状態を存在させて延伸し、
    その後乾燥により10%以上収縮させ揮発分率を低下さ
    せることにより行われること特徴とする偏光膜の製造方
    法。 式(1):|L2−L1|>0.4W
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