JP2003227927A - 偏光膜、偏光板、偏光膜の製造方法、および液晶表示装置 - Google Patents

偏光膜、偏光板、偏光膜の製造方法、および液晶表示装置

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JP2003227927A
JP2003227927A JP2002002476A JP2002002476A JP2003227927A JP 2003227927 A JP2003227927 A JP 2003227927A JP 2002002476 A JP2002002476 A JP 2002002476A JP 2002002476 A JP2002002476 A JP 2002002476A JP 2003227927 A JP2003227927 A JP 2003227927A
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polarizing
stretching
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polarizing plate
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Keiichi Taguchi
慶一 田口
Kentaro Shirato
健太郎 白土
Hiromune Kitakoji
裕宗 北小路
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏光板打ち抜き工程で得率が向上することを可
能にする斜め延伸した偏光膜から構成され、しかも性能
のばらつきの少ない高性能で安価な長尺の偏光板、この
偏光板の製造方法およびこの偏光板を用いた液晶表示装
置を提供する。 【解決手段】偏光能を持つ偏光膜を少なくとも有する偏
光板であって、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂
直でもなく、偏光度が550nmで90%以上、単板透
過率が550nmで35%以上であり、かつ幅方向に測
定した延伸軸の長手方向に対する角度のばらつきが±
0.5度以内でである偏光板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高得率で偏光板が得
られる長尺の偏光膜、該長尺偏光膜から得られる単板の
偏光板、該長尺の偏光膜の製造方法及び該偏光板を用い
た液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】偏光板は液晶表示装置(以下、LCD)
の普及に伴い、需要が急増している。偏光板は一般に偏
光能を有する偏光層の両面あるいは片面に、接着剤層を
介して保護膜を貼り合わせられている。偏光層の素材と
してはポリビニルアルコール(以下、PVA)が主に用
いられており、PVAフィルムを一軸延伸してから、ヨ
ウ素あるいは二色性染料で染色するかあるいは染色して
から延伸し、さらにホウ素化合物で架橋することにより
偏光層用の偏光膜が形成される。保護膜としては、光学
的に透明で複屈折が小さいことから、主にセルロースト
リアセテートが用いられている。偏光膜は、通常連続フ
ィルムの走行方法(長手方向)に一軸延伸して製造され
るため、偏光膜の吸収軸は長手方向にほぼ平行となる。
【0003】従来のLCDにおいては、画面の縦あるい
は横方向に対して偏光板の吸収軸を45゜傾けて配置し
ているため、ロール形態で製造される偏光板の打ち抜き
工程において、ロール長手方向に対し45゜方向に打ち
抜く必要があった。しかしながら45゜方向に打ち抜い
たときには、ロールの端付近で使用できない部分が発生
し、特に大サイズの偏光板では、得率が小さくなるとい
う問題があり、結果として廃棄物が増えると言う問題が
あった。
【0004】更に、他の光学部材、例えばλ/4板など
と貼り合せる際、パネル毎に貼り合わせる必要があり、
煩雑であった。また、複数のフイルムを、角度を厳密に
調整しながら積層する製造工程が必要で、角度がずれる
ことにより光漏れが生じ、黒部の色表示が黄もしくは青
になる現象があり、ロールtoロールで貼り合わせられ
ることが望まれていた。
【0005】この問題を解決するため、フィルム搬送方
法に対しポリマーの配向軸を所望の角度傾斜させる方法
がいくつか提案されている。特開2000−9912号
公報において、プラスチックフィルムを横または縦に一
軸延伸しつつ、その延伸方向の左右を異なる速度で前期
延伸方向とは相違する縦または横方向に引っ張り延伸し
て、配向軸を前記一軸延伸方向に対し傾斜させることが
提案されている。しかしながらこの方法では例えばテン
ター方式を用いた場合、左右で搬送速度差をつけねばな
らず、これに起因するツレ、シワ、フィルム寄りが発生
し、望ましい傾斜角度(偏光板においては45゜)を得
ることが困難である。左右速度差を小さくしようとすれ
ば、延伸工程を長くせざるを得ず、設備コストが非常に
大きなものとなる。
【0006】また、特開平3−182701号公報にお
いて、連続フィルムの左右両耳端に走行方向とθの角度
をなす左右対のフィルム保持ポイントを複数対有し、フ
ィルムの走行につれて、各々の対ポイントがθの方向に
延伸できる機構により、フィルムの走行方向に対し任意
の角度θの延伸軸を有するフィルムを製造する方法が提
案されている。但し、この手法においてもフィルム進行
速度がフィルムの左右で変わるためフィルムにツレ、シ
ワが生じ、これを緩和するためには延伸工程を非常に長
くする必要があり、設備コストが大きくなる欠点があっ
た。
【0007】更に、特開平2−113920号公報にお
いて、フィルムの両端部を、所定走行区間内におけるチ
ャックの走行距離が異なるようにように配置されたテン
ターレール上を走行する2列のチャック間に把持して走
行させることによりフィルムの長さ方向と斜交する方向
に延伸する製造方法が提案されている。ただし、この手
法においても斜交させた際に、ツレ、シワが生じ、光学
用フィルムには不都合であった。
【0008】また、これらの延伸方法は、主として、テ
ンタークリップから離れるときに発生するボウイングの
ために、延伸軸が傾くという根本的な問題を抱えてい
た。
【0009】また、韓国特許公開P2001−0051
84号公報では、ラビング処理により吸収軸を傾けた偏
光板の提案がなされている。ラビングによる配向規制は
フィルム表面から最大でナノオーダーの部分までしか効
果が無いことは一般的に知られており、ヨウ素・二色性
色素などの偏光子を十分配向させることができないた
め、結果として偏光性能が低いという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、偏光
板打ち抜き工程での得率が向上することを可能にする斜
め延伸した偏光膜から構成され、延伸軸のばらつきが少
なく安価な長尺の偏光板を提供することにある。本発明
の目的は、上記偏光板の製造方法および該偏光板を用い
た液晶表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的を
達成する方法を鋭意検討した結果、ツレ、シワ、フィル
ム寄り等を発生させずに、斜め配向を得る方法を知見
し、さらに延伸軸のばらつきも大幅に改良できる方法を
見出した。なお、本発明における延伸軸とは、ポリマー
フィルムが延伸され配向する方向を示す。延伸軸はエリ
プソメーター測定によるレターデション値、偏光ラマン
測定により調べることができる。また、一般的には偏光
板の吸収軸で代用することも可能である。即ち、本発明
によれば、下記構成のポリマーフィルムの延伸方法、偏
光板、及び液晶表示装置が提供され、本発明の上記目的
が達成される。
【0012】(1)偏光膜の吸収軸が長手方向に平行で
も垂直でもなく、偏光度が550nmで90%以上、単
板透過率が550nmで35%以上であり、かつ幅方向
に測定した延伸軸の長手方向に対する角度のばらつきが
±0.5度以内であることを特徴とする長尺の偏光膜。 (2)偏光能を持つ偏光膜及びその少なくとも片面に保
護膜を有する偏光板であって、保護膜の遅相軸と偏光膜
の吸収軸との角度が10°以上90°未満であり、55
0nmにおける偏光度が90%以上、単板透過率が35
%以上であり、かつ幅方向に測定した延伸軸の長手方向
に対する角度のばらつきが±0.5度以内であることを
特徴とする偏光板。 (3)保護膜が透明フィルムであり、632.8nmに
おけるレターデーションが10nm以下である上記
(2)に記載の偏光板。 (4)連続的に供給される偏光膜用ポリマーフィルムの
両端を保持手段により保持し、該保持手段をフィルムの
長手方向に進行させつつ張力を付与して延伸することに
より偏光膜を形成する工程を含む、偏光度が550nm
で90%以上、単板透過率が550nmで35%以上で
あり、かつ幅方向に測定した延伸軸の長手方向に対する
角度のばらつきが±0.5度以内の偏光膜を製造する方
法であって、該工程において、(i)偏光膜用ポリマー
フィルムの一方端の実質的な保持開始点から実質的な保
持解除点までの保持手段の軌跡L1及びポリマーフィル
ムのもう一端の実質的な保持開始点から実質的な保持解
除点までの保持手段の軌跡L2と、二つの実質的な保持
解除点の距離Wが、下記式(1)を満たし、(ii)ポリ
マーフィルムの支持性を保ち、揮発分率が10%以上の
状態を存在させて延伸し、その後10%以上収縮させる
と共に揮発分率を低下させ、そして(iii)保持解除点
までに該ポリマーフィルムの乾燥点を設定する、ことを
特徴とする偏光膜の製造方法。 式(1) |L2−L1|>0.4W (5)偏光膜用ポリマーフィルムがポリビニルアルコー
ル系フィルムであることを特徴とする上記(4)に記載
の偏光膜の製造方法。 (6)ポリビニルアルコール系フィルムに、延伸前また
は延伸後に偏光素子を吸着させることを特徴とする上記
(5)に記載の偏光膜の製造方法。 (7)収縮させ揮発分率を低下させるときの揮発分率低
下速度が1%/分であることを特徴とする上記(4)〜
(6)のいずれかに記載の偏光膜の製造方法。 (8)偏光膜の長手方向と吸収軸方向とのなす角が20
〜70゜であることを特徴とする上記(4)〜(7)の
いずれかに記載の偏光膜の製造方法。 (9)偏光膜のフィルム長手方向と吸収軸方向の傾斜角
が40〜50゜であることを特徴とする上記(8)に記
載の偏光膜の製造方法。 (10)液晶セルの両側に配置された偏光板のうち少な
くとも一枚が上記(1)に記載の偏光膜を少なくとも有
する偏光板、上記(2)、(3)に記載の偏光板および
上記(4)〜(9)に記載の方法により製造された偏光
膜を少なくとも有する偏光板のいずれかから打ち抜いた
偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
【0013】
【発明の実施形態】本発明の偏光板は、偏光能を持つ偏
光膜を有し、通常該偏光膜の両面又は片面に保護膜が接
着剤層を介して設けられている。また、通常、長尺の偏
光板(通常ロール形態)を製造し、それを用途に合わせ
て打ち抜くことにより、実用上の偏光板が得られるもの
である。本発明における「偏光板」は、特に断らない限
り、長尺の偏光板及び該打ち抜いた偏光板の両者を含む
意味で用いられる。
【0014】本発明の偏光板は、上記の通り、長尺の偏
光板において、吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもな
いことを特徴とする(かかる長尺の偏光板を以下単に
「斜め配向した」偏光板と称することもある)。長手方
向と吸収軸方向との傾斜角は、好ましくは10°から9
0°未満、より好ましくは20°〜70゜、更に好まし
くは40°〜50゜、特に好ましくは44〜46゜であ
る。これにより、長尺の偏光板からの打ち抜き工程にお
いて、得率よく単板の偏光板を得ることができる。本発
明では、傾斜角は自由に設定することができる。従っ
て、他の光学部材と組み合わせて使用する際に最適な角
度を自由に選ぶこともできる。
【0015】また、本発明の偏光板は、単板透過率が5
50nmで35%以上かつ偏光度が550nmで80%
以上であることを特徴とする。単板透過率は、好ましく
は40%以上であり、偏光度は好ましくは95.0%以
上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは99.
9%以上である。本発明の偏光板は、優れた単板透過率
及び偏光度を有しているため、液晶表示装置として用い
る場合に、そのコントラストを高めることができ、有利
である。
【0016】本発明の斜め配向した偏光板は、以下に述
べる方法により容易に得ることができる。すなわち、斜
め配向をポリマーフィルムの延伸により得るとともに、
フィルムの延伸時の揮発分率、フィルムを収縮させる際
の収縮率、及び延伸前のフィルムの弾性率を工夫するも
のである。更には、延伸前のフィルムに付着している異
物の量を調節することも好ましい。
【0017】また、本発明の偏光板は、幅方向に測定し
た延伸軸の長手方向に対する角度のばらつきが±0.5
度以内、好ましくは±3度以内と延伸軸のばらつきが小
さい。その結果、クロスニコル時の黒部濃度のばらつき
が事実上無くなり、品位が向上する。上記幅方向におけ
る幅は、偏光膜作成時において、両端の保持部分等を除
く、偏光膜として有効な幅(有効幅)を意味する。延伸
軸のばらつきを小さくするために、所望の傾斜角度に延
伸した後、すばやく配向状態を固定化することを行う。
このための有効な手段としては、偏光膜用ポリマーフィ
ルムの延伸時の揮発分率、フィルムを収縮させる際の収
縮率、フィルムの乾燥点、および揮発分率低下速度を調
節する方法が用いられる。以下に、延伸方法について説
明した後、各重要項目について説明する。
【0018】<延伸方法>図1および図2に、ポリマー
フィルムを斜め延伸する本発明の方法の例が、概略平面
図として、で示されている。本発明の延伸方法は、
(a)で示される原反フィルムを矢印(イ)方向に導入
する工程、(b)で示される幅方向延伸工程、及び
(c)で示される延伸フィルムを次工程、即ち(ロ)方
向に送る工程を含む。以下「延伸工程」と称するとき
は、これらの(a)〜(c)工程を含んで、本発明の延
伸方法を行うための工程全体を指す。フィルムは(イ)
の方向から連続的に導入され、上流側から見て左側の保
持手段にB1点で初めて保持される。この時点ではいま
一方のフィルム端は保持されておらず、幅方向に張力は
発生しない。つまり、B1点は本発明の実質的な保持開
始点(以下、「実質保持開始点」という)には相当しな
い。本発明では、実質保持開始点は、フィルム両端が初
めて保持される点で定義される。実質保持開始点は、よ
り下流側の保持開始点A1と、A1から導入側フィルム
の中心線11(図1)または21(図2)に略垂直に引
いた直線が、反対側の保持手段の軌跡13(図1)また
は23(図2)と交わる点C1の2点で示される。この
点を起点とし、両端の保持手段を実質的に等速度で搬送
すると、単位時間ごとにA1はA2,A3…Anと移動
し、C1は同様にC2,C3…Cnに移動する。つまり
同時点に基準となる保持手段が通過する点AnとCnを
結ぶ直線が、その時点での延伸方向となる。
【0019】本発明の方法では、図1、図2のようにA
nはCnに対し次第に遅れてゆくため、延伸方向は、搬
送方向垂直から徐々に傾斜していく。本発明の実質的な
保持解除点(以下、「実質保持解除点」という)は、よ
り上流で保持手段から離脱するCx点と、Cxから次工
程へ送られるフィルムの中心線12(図1)または22
(図2)に略垂直に引いた直線が、反対側の保持手段の
軌跡14(図1)または24(図2)と交わる点Ayの
2点で定義される。最終的なフィルムの延伸方向の角度
は、実質的な延伸工程の終点(実質保持解除点)での左
右保持手段の行程差Ay−Ax(すなわち|L1−L2
|)と、実質保持解除点の距離W(CxとAyの距離)
との比率で決まる。従って、延伸方向が次工程への搬送
方向に対しなす傾斜角θは tanθ=W/(Ay−Ax)、即ち、 tanθ=W/|L1−L2| を満たす角度である。図1及び図2の上側のフィルム端
は、Ay点の後も18(図1)または28(図2)まで
保持されるが、もう一端が保持されていないため新たな
幅方向延伸は発生せず、18および28は本発明の実質
保持解除点ではない。
【0020】以上のように、本発明において、フィルム
の両端にある実質保持開始点は、左右各々の保持手段へ
の単純な噛み込み点ではない。本発明の二つの実質保持
開始点は、上記で定義したことをより厳密に記述すれ
ば、左右いずれかの保持点と他の保持点とを結ぶ直線が
フィルムを保持する工程に導入されるフィルムの中心線
と略直交している点であり、かつこれらの二つの保持点
が最も上流に位置するものとして定義される。同様に、
本発明において、二つの実質保持解除点は、左右いずれ
かの保持点と他の保持点とを結ぶ直線が、次工程に送り
だされるフィルムの中心線と略直交している点であり、
しかもこれら二つの保持点が最も下流に位置するものと
して定義される。ここで、略直交とは、フィルムの中心
線と左右の実質保持開始点、あるいは実質保持解除点を
結ぶ直線が、90±0.5゜であることを意味する。
【0021】テンター方式の延伸機を用いて本発明のよ
うに左右の行程差を付けようとする場合、レール長など
の機械的制約により、しばしば保持手段への噛み込み点
と実質保持開始点に大きなずれが生じたり、保持手段か
らの離脱点と実質保持解除点に大きなずれが生ずること
があるが、上記定義する実質保持開始点と実質保持解除
点間の工程が式(1)の関係を満たしていれば本発明の
目的は達成される。
【0022】上記において、得られる延伸フィルムにお
ける配向軸の傾斜角度は、(c)工程の出口幅Wと、左
右の二つの実質的保持手段の行程差|L1−L2|の比
率で制御、調整することができる。偏光板、位相差膜で
は、しばしば長手方向に対し45゜配向したフィルムが
求められる。この場合、45゜に近い配向角を得るため
に、下記式(2)を満たすことが好ましく、 式(2) 0.9W<|L1−L2|<1.1W さらに好ましくは、下記式(3)を満たすことが好まし
い。 式(3) 0.97W<|L1−L2|<1.03W
【0023】具体的な延伸工程の構造は、式(1)を満
たす限り、図1〜6に例示するように、設備コスト、生
産性を考慮して任意に設計できる。
【0024】延伸工程へのフィルム導入方向(イ)と、
次工程へのフィルム搬送方向(ロ)のなす角度は、任意
の数値が可能であるが、延伸前後の工程を含めた設備の
総設置面積を最小にする観点からは、この角度は小さい
方がよく、3゜以内が好ましく、0.5゜以内がさらに
好ましい。例えば図1、図4に例示するような構造で、
この値を達成することができる。このようにフィルム進
行方向が実質的に変わらない方法では、保持手段の幅を
拡大するのみでは、偏光板、位相差膜として好ましい長
手方向に対して45゜の配向角を得るのは困難である。
そこで、図1の如く、一旦延伸した後、収縮させる工程
を設けることで、|L1−L2|を大きくすることがで
きる。延伸率は1.1〜10.0倍が望ましく、より望
ましくは2〜10倍であり、その後の収縮率は10%以
上が望ましい。また、図4に示すように、延伸−収縮を
複数回繰り返すことも、|L1−L2|を大きくできる
ため好ましい。
【0025】また、延伸工程の設備コストを最小に抑え
る観点からは、保持手段の軌跡の屈曲回数、屈曲角度は
小さい程良い。この観点からは、図2、図3、図5に例
示する如くフィルム両端を保持する工程の出口における
フィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす
角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を
フィルム両端を保持させた状態で屈曲させることが好ま
しい。
【0026】本発明において両端を保持しつつ張力を付
与しフィルムを延伸する装置としては、いわゆる図1〜
図5のようなテンター装置が好ましい。また、従来型の
2次元的なテンターの他に、図6のように螺旋状に両端
の把持手段に行路差を付ける延伸工程を用いることもで
きる。
【0027】テンター型の延伸機の場合、クリップが固
定されたチェーンがレールに沿って進む構造が多いが、
本発明のように左右不均等な延伸方法をとると、結果的
に図1及び2に例示される如く、工程入口、出口でレー
ルの終端がずれ、左右同時に噛み込み、離脱をしなくな
ることがある。この場合、実質工程長L1,L2は、上
に述べたように単純な噛み込み−離脱間の距離ではな
く、既に述べたように、あくまでフィルムの両端を保持
手段が保持している部分の行程長である。
【0028】延伸工程出口でフィルムの左右に進行速度
差があると、延伸工程出口におけるシワ、寄りが発生す
るため、左右のフィルム把持手段の搬送速度差は、実質
的に同速度であることが求められる。速度差は好ましく
は1%以下であり、さらに好ましくは0.5%未満であ
り、最も好ましくは0.05%未満である。ここで述べ
る速度とは、毎分当たりに左右各々の保持手段が進む軌
跡の長さのことである。一般的なテンター延伸機等で
は、チェーンを駆動するスプロケット歯の周期、駆動モ
ータの周波数等に応じ、秒以下のオーダーで発生する速
度ムラがあり、しばしば数%のムラを生ずるが、これら
は本発明で述べる速度差には該当しない。
【0029】<揮発分率>また、左右の行程差が生じる
に従って、フィルムにシワ、寄り、延伸軸のばらつきが
発生する。この問題を解決するために、本発明では、ポ
リマーフィルムの支持性を保ち、揮発分率が10%以上
の状態を存在させて延伸し、その後収縮させ揮発分率を
低下させることを特徴としている。本発明における揮発
分率とは、フィルムの単位体積あたりに含まれる揮発成
分の体積を表し、揮発成分体積をフィルム体積で割った
値である。揮発分を含有させる方法としては、フィルム
をキャストし溶剤・水を含有させる、延伸前に溶剤・水
などに浸漬・塗布・噴霧する、延伸中に溶剤・水を塗布
することなどが上げられる。ポリビニルアルコールなど
の親水性ポリマーフィルムは、高温高湿雰囲気下で水を
含有するので、高湿雰囲気下で調湿後延伸、もしくは高
湿条件下で延伸することにより揮発分を含有させること
ができる。これらの方法以外でも、ポリマーフィルムの
揮発分を10%以上にさせることができれば、いかなる
手段を用いても良い。
【0030】好ましい揮発分率は、ポリマーフィルムの
種類によって異なる。揮発分率の最大は、ポリマーフィ
ルムの支持性を保つ限り可能である。ポリビニルアルコ
ールでは揮発分率として10%〜100%が好ましい。
セルロースアシレートでは、10%〜200%が好まし
い。
【0031】<収縮率:延伸中、延伸後の収縮率>ま
た、延伸ポリマーフィルムの収縮は、延伸時、延伸後の
いずれの工程でも行って良い。収縮により、斜め方向に
配向する際の発生するポリマーフィルムのシワおよび延
伸軸のばらつきが解消すればよく、フィルムを収縮させ
る手段としては、加熱することにより揮発分を除去する
方法などが挙げられるが、フィルムを収縮させればいか
なる手段を用いても良い。好ましいフィルムの収縮率と
しては、長手方向に対する配向角θを用いて、1/si
nθ倍以上収縮することで、値としては10%以上収縮
することが好ましい。
【0032】<シワ発生から消失までの距離>斜め方向
に配向する際の発生するポリマーフィルムのシワは、本
発明における実質保持解除点までに消失していればよ
い。しかし、シワの発生から消失までに時間がかかる
と、延伸方向のばらつきが生じることがあり、好ましく
は、シワが発生した地点からできるだけ短い移行距離で
シワが消失することが良い。このためには、揮発分量の
揮発速度を高くするなどの方法がある。
【0033】<揮発分成分の含有分布>長尺、特にロー
ル形態の偏光板を一貫工程にて作製する場合には、染色
のムラや抜けがないことが必要である。延伸前のフィル
ム中の揮発成分に分布のムラ(フィルム面内の場所によ
る揮発成分量の差異)があると染色ムラ、抜けの原因と
なる。従って、延伸前のフィルム中の揮発分成分の含有
分布は小さいほうが好ましく、少なくとも5%以下であ
ることが好ましい。本発明における揮発分率とは、フィ
ルムの単位体積あたりに含まれる揮発成分の体積をあら
わし、揮発成分体積をフィルム体積で割った値であり、
その分布とは、揮発分率の1m2あたりの変動幅(平均
揮発分率に対する、最大値または最小値と該平均揮発分
率との差の大きい方の比)を表す。揮発分成分の含有分
布を小さくする方法として、フィルムの表裏表面を均一
なエアーでブローする、ニップローラーにて均一に絞
る、ワイパーなどで拭き取るなどが上げられるが、分布
が均一になればいかなる方法を用いても良い。
【0034】<弾性率>延伸前のポリマーフィルムの物
性としては、弾性率が低すぎると延伸時、延伸後の収縮
率が低くなり、シワが消えにくくなる。また、高すぎる
と延伸時にかかる張力が大きくなり、フィルム両端を保
持する部分の強度を高くする必要が生じ、機械に対する
負荷が大きくなる。好ましいフィルムの弾性率は、ヤン
グ率で表すと0.01MPa以上5000MPa以下
で、更に好ましくは0.1MPa以上500MPa以下
である。
【0035】<乾燥:乾燥速度および乾燥点>長尺、特
にロール形態の偏光板を作成するためには、揮発分が低
下した状態で保護膜を貼り合わせる必要がある。保護膜
と貼り合わせる前までに乾燥していることが好ましく、
両端保持を解除するまでに乾燥点を有するようにするこ
とがよい。更に好ましくは、所望の配向角度が得られた
後、できるだけ短い移動距離で乾燥点が来るように調節
するのがよい。さらに両端保持を解除する点までに乾燥
点を設定することにより、延伸軸のばらつきを少なくす
ることができる。乾燥点とは、フィルムの表面膜温度が
環境雰囲気温度と同じになる場所を意味する。このこと
から、乾燥速度もできるだけ速いほうが好ましい。
【0036】<揮発分率低下速度>本発明における揮発
分率低下速度とは、単位体積あたりに含まれる揮発成分
の単位時間当りの減少率を表す。揮発分率低下速度が低
いと、収縮に時間がかかり、その間に延伸配向したポリ
マーフィルムの配向ばらつきが生じやすくなり、結果と
して偏光性能、単板透過率等にばらつきが生じやすくな
る。従って、揮発分率低下速度は高いほうが好ましく、
具体的には1%/分以上が好ましい。
【0037】次に、本発明に関する、他の要件について
説明する。 <乾燥温度>保護膜と貼り合わせる前までに乾燥してい
る必要があるため、ポリビニルアルコールフィルムを用
いて偏光板を作成する場合には、40℃以上90℃以下
が好ましく、より好ましくは60℃以上85℃以下であ
る。
【0038】<膨潤率>本発明において、ポリマーフィ
ルムがポリビニルアルコールで、硬膜剤を使用した場
合、斜め方向に延伸した状態を緩和せずに保つために、
延伸前後で水に対する膨潤率が異なることが好ましい。
具体的には、延伸前の膨潤率が高く、延伸・乾燥後の膨
潤率が低くなることが好ましい。更に好ましくは、延伸
する前の水に対する膨潤率が3%より大きく、乾燥後の
膨潤率が3%以下であることが好ましい。
【0039】<屈折部の規定>本発明で保持手段の軌跡
を規制するレールには、しばしば大きい屈曲率が求めら
れる。急激な屈曲によるフィルム把持手段同士の干渉、
あるいは局所的な応力集中を避ける目的から、屈曲部で
は把持手段の軌跡が円弧を描くようにすることが望まし
い。
【0040】<延伸速度>本発明にて、フィルムを延伸
する速度は、単位時間当りの延伸倍率で表すと、1.1
倍/分以上、好ましくは2倍/分以上で、早いほうが好
ましい。
【0041】<異物>本発明において、延伸前のポリマ
ーフィルムに異物が付着していると、表面が粗くなるた
め、異物を取ることが好ましい。異物が存在している
と、特に偏光板作製時には、色むら・光学むらの原因と
なる。また、保護膜を張り合わせるまでの間に、異物が
付着しないことも重要で、極力浮遊するゴミが少ない環
境下で製造することが好ましい。本発明における異物の
量とは、フィルム表面に付着している異物の重量を表面
積で割った値で、平方メートルあたりのグラム数を表
す。異物は、1g/m2以下が好ましく、更に好ましく
は0.5g/m2以下であり、少ないほど好ましい。
【0042】異物の除去方法としては特に限定されず、
延伸前のポリマーフィルムに悪影響を与えることなく、
異物を除去することができれば、いずれの方法でもよ
い。例えば、水流を吹き付けることにより異物を掻き落
とす方法、気体噴射により異物を掻き落とす方法、布、
ゴム等のブレードを用いて異物を掻き落とす方法等が挙
げられる。
【0043】<長手方向の張力>本発明において、フィ
ルムの両端を保持手段により保持する際、保持しやすい
ようにフィルムが張った状態にしておくことが好まし
い。具体的には、長手方向に張力をかけてフィルムを張
るなどの方法が挙げられる。張力としては、延伸前のフ
ィルム状態により異なるが、弛まない程度にすることが
好ましい。
【0044】<延伸時温度>本発明にて、フィルム延伸
時の環境温度は、少なくともフィルムに含まれる揮発分
の凝固点以上であればよい。フィルムがポリビニルアル
コールである場合には、25℃以上が好ましい。また、
偏光膜を作製するためのヨウ素・ホウ酸を浸漬したポリ
ビニルアルコールを延伸する場合には、30℃以上90
℃以下が好ましい。
【0045】<延伸時湿度>揮発分が水であるフィル
ム、ポリビニルアルコールを延伸する場合は、調湿雰囲
気下で延伸することが好ましく、特に硬膜剤を付与され
た場合には、含有水分量が低下するとフィルムの硬膜が
進むため、延伸しにくくなる。従って、50%以上が好
ましく、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%
以上である。
【0046】<長尺方向の搬送速度>また、長手方向の
進行速度は、硬膜剤を付与されたポリビニルアルコール
フィルムを延伸する場合は、延伸時間が経過するに従
い、フィルムの硬膜が進行するため、1m/分以上であ
ることが好ましい。また、早いほうが生産性の観点から
見て好ましい。いずれの場合も、上限は、延伸するフィ
ルム及び延伸機により異なる。
【0047】<偏光膜用ポリマーフィルム>本発明で延
伸の対象とするポリマーフィルムに関しては特に制限は
なく、熱可塑性の適宜なポリマーからなるフィルムを用
いることができる。ポリマーの例としては、PVA、ポ
リカーボネート、セルロースアシレート、ポリスルホ
ン、などをあげることができる。延伸前のフィルムの厚
味は特に限定されないが、フィルム保持の安定性、延伸
の均質性の観点から、1μm〜1mmが好ましく、20
〜200μmが特に好ましい。
【0048】本発明を偏光フィルムの製造に用いる場
合、ポリマーとしてはPVAが好ましく用いられる。P
VAは、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化したものである
が、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレ
フィン類、ビニルエーテル類のように酢酸ビニルと共重
合可能な成分を含有しても構わない。また、アセトアセ
チル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキ
レン基等を含有する変性PVAも用いることができる。
【0049】PVAのケン化度は特に限定されないが、
溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、
90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重
合度は特に限定されないが、1000〜10000が好
ましく、1500〜5000が特に好ましい。
【0050】<染色処方・方法>PVAを染色して偏光
膜が得られるが、染色工程は気相または液相吸着により
行われる。液相で行う場合の例として、ヨウ素を用いる
場合には、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液にPVAフィ
ルムを浸漬させて行われる。ヨウ素は0.1〜20g/
l、ヨウ化カリウムは1〜200g/l、ヨウ素とヨウ
化カリウムの重量比は1〜200が好ましい。染色時間
は10〜5000秒が好ましく、液温度は5〜60℃が
好ましい。染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素あ
るいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可
能である。染色工程は、本発明の延伸工程の前後いずれ
に置いても良いが、適度に膜が膨潤され延伸が容易にな
ることから、延伸工程前に液相で染色することが特に好
ましい。
【0051】<硬膜剤(架橋剤)、金属塩添加>PVA
を延伸して偏光膜を製造する過程では、PVAに架橋さ
せる添加物を用いることが好ましい。特に本発明の斜め
延伸法を用いる場合、延伸工程出口でPVAが十分に硬
膜されていないと、工程のテンションでPVAの配向方
向がずれてしまうことがあるため、延伸前工程あるいは
延伸工程で架橋剤溶液に浸漬、または溶液を塗布して架
橋剤を含ませるのが好ましい。硬膜剤(架橋剤)をPV
Aフィルムに付与する手段は、特に限定されるものでは
なく、フィルムの液への浸漬、塗布、噴霧等任意の方法
を用いることができるが、特に浸漬法、塗布法が好まし
い。塗布手段としてはロールコータ、ダイコータ、バー
コータ、スライドコータ、カーテンコータ等、通常知ら
れている任意の手段をとることができる。また、溶液を
含浸させた布、綿、多孔質素材等をフィルムに接触する
方式も好ましい。硬膜剤(架橋剤)としては、米国再発
行特許第232897号に記載のものが使用できるが、
ホウ酸、ホウ砂が実用的に好ましく用いられる。また、
亜鉛、コバルト、ジルコニウム、鉄、ニッケル、マンガ
ン等の金属塩も併せて用いることができる。硬膜剤を添
加した後に、洗浄・水洗工程を設けてもよい。
【0052】架橋剤の付与は、延伸機に噛み込む前に行
ってもよいし、噛み込んだ後に行っても良く、幅方向延
伸が実質的に終了する図1、図2の例の(b)工程の終
端までのいずれかの工程で行えばよい。
【0053】<偏光子>ヨウ素の他に二色性色素で染色
することも好ましい。二色性色素の具体例としては、例
えばアゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色
素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキ
サジン系色素、チアジン系色素、アントラキノン系色素
等の色素系化合物をあげることができる。水溶性のもの
が好ましいが、この限りではない。又、これらの二色性
分子にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置
換基が導入されていることが好ましい。二色性分子の具
体例としては、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロ
ー12、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シ
ー.アイ.ダイレクト.オレンジ72、シー.アイ.ダ
イレクト.レッド 39、シー.アイ.ダイレクト.レ
ッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド 81、シ
ー.アイ.ダイレクト.レッド 83、シー.アイ.ダ
イレクト.レッド 89 、シー.アイ.ダイレクト.
バイオレット 48、シー.アイ.ダイレクト.ブルー
67、シー.アイ.ダイレクト.ブルー90、シー.
アイ.ダイレクト.グリーン 59、シー.アイ.アシ
ッド.レッド 37等が挙げられ、さらに特開昭62−
70802号、特開平1−161202号、特開平1−
172906号、特開平1−172907号、特開平1
−183602号、特開平1−248105号、特開平
1−265205号、特開平7−261024号、の各
公報記載の色素等が挙げられる。これらの二色性分子は
遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ア
ミン類の塩として用いられる。これらの二色性分子は2
種以上を配合することにより、各種の色相を有する偏光
子を製造することができる。偏光素子または偏光板とし
て偏光軸を直交させた時に黒色を呈する化合物(色素)
や黒色を呈するように各種の二色性分子を配合したもの
が単板透過率、偏光率とも優れており好ましい。なお、
本明細書において、特に断りのない限り透過率は単板透
過率のことである。
【0054】また、PVAを脱水あるいはポリ塩化ビニ
ルを脱塩化水素することによりポリエン構造をつくり、
共役二重結合により偏光を得るいわゆるポリビニレン系
偏光膜の製造にも、本発明の延伸法は好ましく用いるこ
とができる。
【0055】<保護膜と偏光膜の貼り合わせ角度>本発
明において、 保護膜の配向軸(遅相軸)と偏光膜の延
伸軸(吸収軸)が平行でない角度で貼り合わされている
場合には、寸法安定性に優れるという効果がある。角度
としては10°以上90°未満であると効果があり、好
ましい。より好ましくは20°以上70°未満である。
【0056】<保護膜>本発明で製造された偏光膜は、
両面あるいは片面に保護膜を貼り付けて偏光板として用
いられる。保護膜の種類は特に限定されず、セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート等のセル
ロースアシレート類、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリエステル等を用いることができ
る。偏光板の保護膜には、透明性、適度な透湿度、低複
屈折性、適度な剛性といった物性が求められ、総合的に
みるとセルロースアシレート類が好ましく、特にセルロ
ースアセテートが好ましい。
【0057】保護膜の物性は、用途に応じ任意の値が可
能であるが、通常の透過型LCDに用いる場合の代表的
な好ましい値を以下に示す。膜厚は取り扱い性や耐久性
の観点から5〜500μmが好ましく、20〜200μ
mがより好ましく、20〜100μmが特に好ましい。
レターデーション値は632.8nmにおいて0〜15
0nmが好ましく、0〜20nmがより好ましく、0〜
5nmが特に好ましい。保護膜の遅相軸は、偏光膜の吸
収軸と実質的に平行または直交させることが、直線偏光
の楕円化を避ける観点から好ましい。但し、保護膜に位
相差板等、偏光性を変化させる機能を持たせる場合に
は、この限りではなく、偏光板の吸収軸と保護膜の遅相
軸は任意の角度をとることができる。可視光線透過率は
60%以上が好ましく、90%以上が特に好ましい。9
0℃120時間処理後の寸度減少は、0.3〜0.01
%であることが好ましく、0.15〜0.01%である
ことが特に好ましい。フィルムの引っ張り試験による抗
張力値は、50〜1000MPaが好ましく、100〜
300MPaが特に好ましい。フィルムの透湿度は、1
00〜800g/m2・dayが好ましく、300〜6
00g/m2・day が特に好ましい。無論、本発明の
適用は、以上の値に限定されるものではない。
【0058】保護膜として好ましいセルロースアシレー
トの詳細について、以下に示す。好ましいセルロースア
シレートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式
(I)〜(IV)の全てを満足するものである。
【0059】(I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 (IV) 1.9<A−B ここで、式中A及びBはセルロースの水酸基に置換され
ているアシル基の置換基を表し、Aはアセチル基の置換
度、またBは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度であ
る。セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基が
あり、上記の数字はその水酸基3.0に対する置換度を
表すもので、最大の置換度が3.0である。セルロース
トリアセテートは一般にAの置換度が2.6以上3.0
以下であり(この場合、置換されなかった水酸基が最大
0.4もある)、B=0の場合がセルローストリアセテ
ートである。偏光板保護膜として用いるセルロースアシ
レートは、アシル基が全部アセチル基のセルローストリ
アセテート、及びアセチル基が2.0以上で、炭素原子
数が3〜5のアシル基が0.8以下、置換されなかった
水酸基が0.4以下のものが好ましい。炭素原子数3〜
5のアシル基の場合、0.3以下が物性の点から特に好
ましい。なお、置換度は、セルロースの水酸基に置換す
る酢酸及び炭素原子数3〜5の脂肪酸の結合度を測定
し、計算によって得られる。測定方法としては、AST
MのD−817−91に準じて実施することが出来る。
【0060】アセチル基の他の炭素原子数3〜5のアシ
ル基はプロピオニル基(C25CO−)、ブチリル基
(C37CO−)(n−、iso−)、バレリル基(C
49CO−)(n−、iso−、sec−、tert
−)で、これらのうちn−置換のものがフィルムにした
時の機械的強さ、溶解し易さ等から好ましく、特にn−
プロピオニル基が好ましい。また、アセチル基の置換度
が低いと機械的強さ、耐湿熱性が低下する。炭素原子数
3〜5のアシル基の置換度が高いと有機溶媒への溶解性
は向上するが、それぞれの置換度が前記の範囲であれば
良好な物性を示す。
【0061】セルロースアシレートの重合度(粘度平
均)は200〜700が好ましく、特に250〜550
のものが好ましい。粘度平均重合度はオストワルド粘度
計で測定することができ、測定されたセルロースアシレ
ートの固有粘度[η]から下記式により求められる。 DP=[η]/Km (式中DPは粘度平均重合度、
Kmは定数6×10-4
【0062】セルロースアシレート原料のセルロースと
しては、綿花リンターや木材パルプなどがあるが、何れ
の原料セルロースから得られるセルロースアシレートで
も使用できるし、混合して使用してもよい。
【0063】上記セルロースアシレートは、通常ソルベ
ントキャスト法により製造される。ソルベントキャスト
法は、セルロースアシレートおよび各種添加剤を溶媒に
溶解して濃厚溶液(以下、ドープと称する)を調製し、
これをドラムまたはバンドのような無端支持体上に流延
し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成するものである。
ドープは、固形分量が10〜40質量%となるように濃
度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表
面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベ
ントキャスト法における流延および乾燥方法について
は、米国特許2336310号、同2367603号、
同2492078号、同2492977号、同2492
978号、同2607704号、同2739069号、
同2739070号、英国特許640731号、同73
6892号の各明細書、特公昭45−4554号、同4
9−5614号、特開昭60−176834号、同60
−203430号、同62−115035号の各公報に
記載がある。
【0064】2層以上のドープを流延する方法も好まし
く用いられる。複数のドープを流延する場合、支持体の
進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からドープ
を含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィル
ムを作製してもよく、例えば特開昭61−158414
号、特開平1−122419号、特開平11−1982
85号、などに記載の方法が適応できる。また、2つの
流延口からセルロースアシレート溶液を流延することに
よってもフィルム化することでもよく、例えば特公昭6
0−27562号、特開昭61−94724号、特開昭
61−947245号、特開昭61−104813号、
特開昭61−158413号、特開平6−134933
号、に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−1
62617号に記載の高粘度ドープの流れを低粘度のド
ープで包み込み、その高,低粘度のドープを同時に押出
す流延方法も好ましく用いられる。
【0065】セルロースアシレートを溶解する有機溶媒
の例には、炭化水素(例、ベンゼン、トルエン)、ハロ
ゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロベン
ゼン)、アルコール(例、メタノール、エタノール、ジ
エチレングリコール)、ケトン(例、アセトン)、エス
テル(例、酢酸エチル、酢酸プロピル)およびエーテル
(例、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ)などが
あげられる。炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が
好ましく用いられ、メチレンクロライドが最も好ましく
用いられる。セルロースアシレートの溶解性、支持体か
らの剥取り性、フィルムの機械強度等、光学特性等の物
性の観点から、メチレンクロライドの他に炭素原子数1
〜5のアルコールを一種、ないし数種類混合することが
好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2〜
25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好まし
い。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール等があげられるが、メタノール、エタノール、n
−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用い
られる。
【0066】セルロースアシレートの他に、乾燥後固形
分となる成分としては、可塑剤をはじめ、紫外線吸収
剤、無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアル
カリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、滑剤、油剤、支持体からの剥離促進剤、セルロース
アシレートの加水分解防止剤等を任意に含むことができ
る。
【0067】好ましく添加される可塑剤としては、リン
酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リ
ン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート
(TPP)およびトリクレジルフォスフェート(TC
P)、クレジルジフェニルフォスフェート、オクチルジ
フェニルフォスフェート、ジフェニルビフェニルフォス
フェート、トリオクチルフォスフェート、トリブチルホ
スフェート等があげられる。カルボン酸エステルとして
は、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的
である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレー
ト(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチ
ルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチル
ヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸
エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル
(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル
(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン
酸アセチルトリブチル、が含まれる。その他のカルボン
酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸
メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリメチルトリ
メリテート等のトリメリット酸エステルが含まれる。グ
リコール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリ
ブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチル
フタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグ
リコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどが
ある。
【0068】以上に例示した可塑剤の中でも、トリフェ
ニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェ
ート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニ
ルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジメチ
ルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレー
ト、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレー
ト、トリメチルトリメリテートらを用いることが好まし
い。特にトリフェニルホスフェート、ビフェニルジフェ
ニルフォスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタ
リルエチルグリコレート、トリメチルトリメリテートが
好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上併
用してもよい。可塑剤の添加量はセルロースアシレート
に対して5〜30質量%が好ましく、特に8〜16質量
%以下が好ましい。これらの化合物は、セルロースアシ
レート溶液の調製の際に、セルロースアシレートや溶媒
と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加し
てもよい。
【0069】紫外線吸収剤は、目的に応じ任意の種類の
ものを選択することができ、サリチル酸エステル系、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート
系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の吸収剤
を用いることができるが、ベンゾフェノン系、ベンゾト
リアゾール系、サリチル酸エステル系が好ましい。ベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤の例として、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2
−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾ
フェノン等をあげることができる。ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤としては、2(2’−ヒドロキシ−3’
−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−ク
ロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’
−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−
5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等をあげることができる。サリチル酸エステル系とし
ては、フェニルサリシレート、 p−オクチルフェニル
サリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレ
ート等をあげることができる。これら例示した紫外線吸
収剤の中でも、特に2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’−メ
トキシベンゾフェノン、2(2’−ヒドロキシ−3’−
tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロ
ルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロルベンゾトリアゾールが特に好ましい。吸収波長
の異なる複数の吸収剤を複合して用いることが、広い波
長範囲で高い遮断効果を得ることができ、特に好まし
い。紫外線吸収剤の量はセルロースアシレートに対し
0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%が特
に好ましい。紫外線吸収剤はセルロースアシレート溶解
時に同時に添加しても良いし、溶解後のドープに添加し
ても良い。特にスタティックミキサ等を用い、流延直前
にドープに紫外線吸収剤溶液を添加する形態が好まし
い。
【0070】セルロースアシレートに添加する無機微粒
子としては、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ土、
石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナなどを目的に応じ、任意に用いることができる。
これら微粒子はドープに添加する前に、高速ミキサー、
ボールミル、アトライター、超音波分散機等、任意の手
段でバインダー溶液中に分散を行うことが好ましい。バ
インダーとしてはセルロースアシレートが好ましい。紫
外線吸収剤等、他の添加物と共に分散を行うことも好ま
しい。分散溶媒は任意であるが、ドープ溶剤と近い組成
であることが好ましい。分散粒子の数平均粒径は0.0
1〜100μmが好ましく、0.1〜10μmが特に好
ましい。上記の分散液はセルロースアシレート溶解工程
に同時に添加しても良いし、任意の工程でドープに添加
できるが、紫外線吸収剤同様スタティックミキサ等を用
い、流延直前に添加する形態が好ましい。
【0071】支持体からの剥離促進剤としては、界面活
性剤が有効でありリン酸系、スルフォン酸系、カルボン
酸系、ノニオン系、カチオン系など特に限定されない。
これらは、例えば特開昭61−243837号などに記
載されている。
【0072】上記のセルロースアシレートフィルムを保
護膜に用いる場合、PVA系樹脂との密着性を高めるた
め、フィルム表面にケン化、コロナ処理、火炎処理、グ
ロー放電処理等の手段により、親水性を付与することが
好ましい。また、親水性樹脂をセルロースアシレートと
親和性のある溶媒に分散し、薄層塗布しても良い。以上
の手段の中では、フィルムの平面性、物性が損なわれな
いため、ケン化処理が特に好ましい。ケン化処理は、例
えば苛性ソーダのようなアルカリ水溶液にフィルムを浸
漬することで行われる。処理後は過剰のアルカリを除く
ため、低濃度の酸で中和し、水洗を十分行うことが好ま
しい。
【0073】セルロースアシレートフィルムの表面処理
として好ましく用いられるアルカリケン化処理を具体的
に説明する。セルロースアシレートフィルム表面をアル
カリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾
燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶
液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶
液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1N〜
3.0Nであることが好ましく、0.5N〜2.0Nで
あることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温
乃至90℃の範囲が好ましく、40℃乃至70℃がさら
に好ましい。次に一般には水洗され、しかる後に酸性水
溶液を通過させた後に、水洗して表面処理したセルロー
スアシレートフィルムを得る。この時、酸としては塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸、クロロ酢酸、シュウ酸な
どであり、その濃度は0.01N〜3.0Nであること
が好ましく、0.05N〜2.0Nであることがさらに
好ましい。セルロースアシレートフィルムを偏光板の透
明保護膜として使用する場合、偏光膜との接着性の観点
から、酸処理、アルカリ処理、すなわちセルロースアシ
レートに対するケン化処理を実施することが特に好まし
い。これらの方法で得られた固体の表面エネルギーは、
「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.1
2.10)発行に記載のように、接触角法、湿潤熱法、
および吸着法により求めることができ、接触角法を用い
ることが好ましく、水の接触角が5〜90℃、更には5
〜70℃が好ましい。
【0074】本発明の偏光板の保護膜表面には、特開平
4−229828号、特開平6−75115号、特開平
8−50206号等に記載のLCDの視野角補償のため
の光学異方層や、ディスプレイの視認性向上のための防
眩層や反射防止層、あるいはLCD輝度向上のための異
方性散乱や異方性光学干渉によるPS波分離機能を有す
る層(高分子分散液晶層、コレステリック液晶層等)、
偏光板の耐傷性を高めるためのハードコート層、水分や
酸素の拡散を抑えるガスバリア層、偏光膜あるいは接着
剤、粘着剤との密着力を高める易接着層、スベリ性を付
与する層等、任意の機能層を設けることができる。機能
層は偏光膜側に設けても良いし、偏光膜と反対面に設け
ても良く、目的に応じ適宜に選択できる。
【0075】本発明の偏光膜には、各種機能膜を保護膜
として直接片面または両面に貼合することができる。機
能膜の例としては、λ/4板、λ/2板などの位相差
膜、光拡散膜、偏光板と反対面に導電層を設けたプラス
チックセル、異方性散乱や異方性光学干渉機能等をもつ
輝度向上膜、反射板、半透過機能を持つ反射板等があげ
られる。
【0076】偏光板保護膜としては、上に述べた好まし
い保護膜を一枚、または複数枚積層して用いることがで
きる。偏光膜の両面に同じ保護膜を貼合しても良いし、
両面に異なる機能、物性をもつ保護膜をそれぞれ貼合し
ても良い。また、片面のみに上記保護膜を貼合し、反対
面には直接液晶セルを貼合するために、粘着剤層を直接
設けて保護膜を貼合しないことも可能である。この場合
粘着剤の外側には、剥離可能なセパレータフィルムを設
けることが好ましい。
【0077】保護膜は、通常、ロール形態で供給され、
長尺の偏光板に対して、長手方向が一致するようにして
連続して貼り合わされることが好ましい。ここで、保護
フィルムの配向軸(遅相軸)は何れの方向であってもよ
く、操作上の簡便性から、保護膜の配向軸は、長手方向
に平行であることが好ましい。
【0078】また、保護膜の遅相軸(配向軸)と偏光膜
の吸収軸(延伸軸)の角度も特に限定的でなく、偏光板
の目的に応じて適宜設定できる。本発明の長尺の偏光板
は、吸収軸が長手方向に平行でないため、配向軸が長手
方向に平行である保護膜を本発明の長尺偏光板に連続し
て貼り合わせる場合には、偏光膜の吸収軸と保護膜の配
向軸とが平行でない偏光板が得られる。偏光膜の吸収軸
と保護膜の配向軸が平行でない角度で貼り合わされてい
る偏光板は、寸度安定性に優れるという効果がある。こ
の性能は、特に液晶表示装置に用いたときに好ましく発
揮される。特に、保護膜の遅相軸と偏光膜の吸収軸との
傾斜角度が10°以上90°未満において、寸度安定効
果が効果的に発揮され、好ましく、20°以上80°以
下が特に好ましい。
【0079】<接着剤>偏光膜と保護層との接着剤は特
に限定されないが、PVA系樹脂(アセトアセチル基、
スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等
の変性PVAを含む)やホウ素化合物水溶液等が挙げら
れ、中でもPVA樹脂が好ましい。PVA樹脂にホウ素
化合物、ヨウ化カリウム水溶液等を添加して用いてもよ
い。接着剤層厚みは乾燥後に0.01乃至10μmが好
ましく、0.05乃至5μmが特に好ましい。
【0080】<粘着層>本発明の偏光板には他の液晶表
示装置部材との貼り合わせ用の粘着層を設けても良い。
粘着層の表面に剥離フィルムを設けることが好ましい。
粘着層は、光学的に透明であることはもとより、適度な
粘弾性や粘着特性を示すものである。本発明における粘
着層としては、例えばアクリル系共重合体やエポキシ系
樹脂、ポリウレタン、シリコーン系ポリマー、ポリエー
テル、ブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニ
ルアルコール系樹脂、合成ゴムなどの接着剤もしくは粘
着剤等のポリマーを用いて、乾燥法、化学硬化法、熱硬
化法、熱熔融法、光硬化法等により膜形成させ、硬化せ
しめることができる。就中アクリル系共重合体において
最も粘着物性を制御しやすく、かつ透明性や耐候性や耐
久性などに優れて好ましく用いうる
【0081】<一貫工程>本発明において、フィルムを
延伸後、収縮させ揮発分率を低下させる乾燥工程を有
し、乾燥後もしくは乾燥中に少なくとも片面に保護膜を
貼り合わせた後、後加熱工程を有することが好ましい。
具体的な貼り付け方法として、乾燥工程中、両端を保持
した状態で接着剤を用いてフィルムに保護膜を貼り付
け、その後両端を耳きりする、もしくは乾燥後、両端保
持部からフィルムを解除し、フィルム両端を耳きりした
後、保護膜を貼り付けるなどの方法がある。耳きりの方
法としては、刃物などのカッターで切る方法、レーザー
を用いる方法など、一般的な技術を用いることができ
る。貼り合わせた後に、接着剤を乾燥させるため、およ
び偏光性能を良化させるために、加熱することが好まし
い。加熱の条件としては、接着剤により異なるが、水系
の場合は、30℃以上が好ましく、さらに好ましくは4
0℃以上100℃以下、さらに好ましくは50℃以上8
0℃以下である。これらの工程は一貫のラインで製造さ
れることが、性能上及び生産効率上更に好ましい。
【0082】<打ち抜き>図7に従来の偏光板打ち抜き
の例を、図8に本発明の偏光板打ち抜きする例を示す。
従来の偏光板は、図7に示されるように、偏光の吸収軸
71すなわち延伸軸が長手方向72と一致しているのに
対し、本発明の偏光板は、図8に示されるように、偏光
の吸収軸81すなわち延伸軸が長手方向82に対して4
5゜傾斜しており、この角度がLCDにおける液晶セル
に貼り合わせる際の偏光板の吸収軸と、液晶セル自身の
縦または横方向とのなす角度に一致しているため、打ち
抜き工程において斜めの打ち抜きは不要となる。しかも
図8からわかるように、本発明の偏光板は切断が長手方
向に沿って一直線であるため、打ち抜かず長手方向に沿
ってスリットすることによっても製造可能であるため、
生産性も格段に優れている。
【0083】<用途など>本発明の偏光板は、各種用途
に用いうるが、長手方向に対し配向軸が傾いている特性
より、特に、配向軸の傾斜角度が長手方向に対し40〜
50゜である偏光膜は、LCD用偏光板(例えば、T
N,STN,OCB,ROCB,ECB,CPA,IP
S,VAなどのあらゆる液晶モードにおいて)、有機E
Lディスプレイの反射防止用円偏光板等に好ましく用い
られる。また、各種光学部材、例えばλ/4板、λ/2
板などの位相差フィルム、視野角拡大フィルム、防眩性
フィルム、ハードコートフィルムなどと組み合わせて用
いる場合にも適している。
【0084】本発明を詳細に説明するために、以下に実
施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0085】
【実施例】[実施例1]PVAフィルムをヨウ素1.0
g/l、ヨウ化カリウム60.0g/lの水溶液に30
℃にて90秒浸漬し、さらにホウ酸40g/l、ヨウ化
カリウム30g/lの水溶液に30℃にて120秒浸漬
後、図1の形態のテンター延伸機に導入した。50℃9
5%雰囲気下で6.4倍に一旦延伸した後4.5倍まで
収縮させ、以降幅を一定に保ち、70℃で乾燥した後テ
ンターより離脱し、幅方向から3cm、カッターにて耳
きりをした後、PVA((株)クラレ製PVA−117
H)3%水溶液、ヨウ化カリウム4%からなる水溶液を
接着剤としてケン化処理した富士写真フィルム(株)製
フジタック(セルローストリアセテート、レターデーシ
ョン値3.0nm)と貼り合わせ、さらに60℃で30
分間加熱して有効幅650mmの偏光板を作製した。延
伸開始前のPVAフィルムの含水率は30%で、乾燥後
の含水率は1.5%であり、収縮させているときの水分
低下速度は5%/分で、乾燥点は(c)ゾーンの中間で
あった。左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.
05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と次工
程に送られるフィルムの中心線のなす角は、0゜であっ
た。ここで|L1−L2|は0.7m、Wは0.7mで
あり、|L1−L2|=Wの関係にあった。テンター出
口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。得
られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾
斜していた。この偏光板の吸収軸の傾きを幅方向に50
mm間隔で調べた結果、延伸軸の長手方向に対する平均
傾き角度は45°でそのばらつきは±0.5度であっ
た。また、この偏光板の550nmにおける透過率・偏
光度を、1m2あたり面内50mm間隔で調べた結果、
平均透過率は40.2%、平均偏光度は99.56%で
あった。さらに図8の如く310×233mmサイズに
裁断したところ、91.5%の面積効率で辺に対し45
゜吸収軸が傾斜した偏光板を得ることができた。
【0086】[実施例2]PVAフィルムをヨウ素1.
0g/l、ヨウ化カリウム120.0g/lの水溶液に
40℃にて90秒浸漬し、さらにホウ酸40g/l、ヨ
ウ化カリウム30g/lの水溶液に40℃にて60秒浸
漬後、図2の形態のテンター延伸機に導入し、65℃9
5%雰囲気下で4.5倍に延伸し、テンターを延伸方向
に対し図2の如く屈曲させ、以降幅を一定に保ち、収縮
させながら80℃雰囲気で乾燥させた後、テンターから
離脱し、幅方向から3cm、カッターにて耳きりをした
後、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水
溶液、ヨウ化カリウム4%からなる水溶液を接着剤とし
てケン化処理した富士写真フィルム(株)製フジタック
(セルローストリアセテート、レターデーション値3.
0nm)と貼り合わせ、さらに60℃で30分間加熱し
て有効幅650mmの偏光板を作製した。延伸開始前の
PVAフィルムの含水率は30.5%で、乾燥後の含水
率は1.5%であり、収縮させているときの水分低下速
度は10%/分で、乾燥点はcゾーンの1/3の地点で
あった。左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.
05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と次工
程に送られるフィルムの中心線のなす角は、46゜であ
った。ここで|L1−L2|は0.7m、Wは0.7m
であり、|L1−L2|=Wの関係にあった。テンター
出口における実質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送ら
れるフィルムの中心線22に対し45゜傾斜していた。
テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されな
かった。得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対
し45゜傾斜していた。この偏光板の吸収軸の傾きを幅
方向に50mm間隔で調べた結果、延伸軸の長手方向に
対する平均傾き角度は45°でそのばらつきは±0.2
5度であった。また、この偏光板の550nmにおける
透過率・偏光度を、1m2あたり面内50mm間隔で調
べた結果、平均透過率は42.2%、平均偏光度は9
9.97%であった。さらに図8の如く310×233
mmサイズに裁断したところ、91.5%の面積効率で
辺に対し45゜吸収軸が傾斜した偏光板を得ることがで
きた。
【0087】[比較例1]PVAフィルムをヨウ素1.
0g/l、ヨウ化カリウム120.0g/lの水溶液に
40℃にて90秒浸漬し、さらにホウ酸40g/l、ヨ
ウ化カリウム30g/lの水溶液に40℃にて60秒浸
漬後、図2の形態のテンター延伸機に導入し、4.5倍
に延伸し、テンターを延伸方向に対し図2の如く屈曲さ
せ、以降幅を一定に保ち、収縮させながら40℃雰囲気
で乾燥させた後テンターから離脱し幅方向から3cm、
カッターにて耳きりをした後、PVA((株)クラレ製
PVA−117H)3%水溶液、ヨウ化カリウム4%か
らなる水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フ
ィルム(株)製フジタック(セルローストリアセテー
ト、レターデーション値3.0nm)と貼り合わせ、さ
らに60℃で30分間加熱して有効幅650mmの偏光
板を作製した。得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方
向に対し45゜傾斜していた。この偏光板の透過軸の傾
きを幅方向に50mm間隔で調べた結果、延伸軸の長手
方向に対する平均傾き角度は45°でそのばらつきは±
3%であった。また、この偏光板の550nmにおける
透過率・偏光度を、1m2あたり面内50mm間隔で調
べた結果、平均透過率は41.1%、平均偏光度は9
9.78%であった。
【0088】[実施例3]次に図9のように、実施例2
で作成したヨウ素系偏光板91、92をLCDの液晶セ
ル93を挟持する2枚の偏光板のとして、偏光板91を
表示側偏光板として、接着剤を介して液晶セル93に貼
合してLCDを作成した。こうして作成したLCDは優
れた輝度、視野角特性、視認性を示し、40℃、30%
RHで1ヶ月間の使用によっても表示品位の劣化は見ら
れなかった。
【0089】(550nm透過率、偏光度の測定)島津
自記分光光度計UV2100にて透過率を測定した。さ
らに2枚の偏光板を吸収軸を一致させて重ねた場合の透
過率をH0(%)、吸収軸を直交させて重ねた場合の透
過率をH1(%)として、次式により偏光度P(%)を
求めた。 P=〔(H0−H1)/(H0+H1)〕1/2×100
【0090】(レターデーションの測定)王子計測
(株)製KOBRA21DHで632.8nmで行っ
た。
【0091】
【発明の効果】本発明により、偏光板打ち抜き工程での
得率の向上を可能とする斜め延伸した偏光膜から構成さ
れ、安価な長尺の偏光板が提供される。この長尺の偏光
板から、性能のばらつきの少ない高性能で安価な偏光板
が高得率で打ち抜かれ、これを用いて優れた表示品位の
液晶表示装置が安価に提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図2】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図3】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図4】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図5】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図6】ポリマーフィルムを斜め延伸する本発明の方法
の一例を示す概略平面図である。
【図7】従来の偏光板を打ち抜く様子を示す概略平面図
である。
【図8】本発明の偏光板を打ち抜く様子を示す概略平面
図である。
【図9】実施例3の液晶表示装置の層構成を示す概略平
面図である。
【符号の説明】
(イ) フィルム導入方向 (ロ) 次工程へのフィルム搬送方向 (a) フィルムを導入する工程 (b) フィルムを延伸する工程 (c) 延伸フィルムを次工程へ送る工程 A1 フィルムの保持手段への噛み込み位置とフィルム
延伸の起点位置(実質保持開始点:右) B1 フィルムの保持手段への噛み込み位置(左) C1 フィルム延伸の起点位置(実質保持開始点:左) Cx フィルム離脱位置とフィルム延伸の終点基準位置
(実質保持解除点:左) Ay フィルム延伸の終点基準位置(実質保持解除点:
右) |L1−L2| 左右のフィルム保持手段の行程差 W フィルムの延伸工程終端における実質幅 θ 延伸方向とフィルム進行方向のなす角 11 導入側フィルムの中央線 12 次工程に送られるフィルムの中央線 13 フィルム保持手段の軌跡(左) 14 フィルム保持手段の軌跡(右) 15 導入側フィルム 16 次工程に送られるフィルム 17、17’ 左右のフィルム保持開始(噛み込み)点 18、18’ 左右のフィルム保持手段からの離脱点 21 導入側フィルムの中央線 22 次工程に送られるフィルムの中央線 23 フィルム保持手段の軌跡(左) 24 フィルム保持手段の軌跡(右) 25 導入側フィルム 26 次工程に送られるフィルム 27、27’ 左右のフィルム保持開始(噛み込み)点 28、28’ 左右のフィルム保持手段からの離脱点 33,43,53,63 フィルム保持手段の軌跡
(左) 34,44,54,64 フィルム保持手段の軌跡
(右) 35,45,55,65 導入側フィルム 36,46,56,66 次工程に送られるフィルム 71 吸収軸(延伸軸) 72 長手方向 81 吸収軸(延伸軸) 82 長手方向 91、92 ヨウ素系偏光板 93 液晶セル 94 バックライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北小路 裕宗 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA27 BB33 BB43 BC01 BC03 BC09 BC13 BC22 2H091 FA08X FA08Z FB02 FC07 FC08 LA12 4F210 AA19 AE10 AG01 AH73 AR12 AR15 QA02 QC07 QD01 QD13 QD17 QD19 QG01 QG18 QL02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂
    直でもなく、偏光度が550nmで90%以上、単板透
    過率が550nmで35%以上であり、かつ幅方向に測
    定した延伸軸の長手方向に対する角度のばらつきが±
    0.5度以内であることを特徴とする長尺の偏光膜。
  2. 【請求項2】 偏光能を持つ偏光膜及びその少なくとも
    片面に保護膜を有する偏光板であって、 保護膜の遅相軸と偏光膜の吸収軸との角度が10°以上
    90°未満であり、550nmにおける偏光度が90%
    以上、単板透過率が35%以上であり、かつ幅方向に測
    定した延伸軸の長手方向に対する角度のばらつきが±
    0.5度以内であることを特徴とする偏光板。
  3. 【請求項3】 保護膜が透明フィルムであり、632.
    8nmにおけるレターデーションが10nm以下である
    請求項2に記載の偏光板。
  4. 【請求項4】 連続的に供給される偏光膜用ポリマーフ
    ィルムの両端を保持手段により保持し、該保持手段をフ
    ィルムの長手方向に進行させつつ張力を付与して延伸す
    ることにより偏光膜を形成する工程を含む、偏光度が5
    50nmで90%以上、単板透過率が550nmで35
    %以上であり、かつ幅方向に測定した延伸軸の長手方向
    に対する角度のばらつきが±0.5度以内の偏光膜を製
    造する方法であって、 該工程において、(i)偏光膜用ポリマーフィルムの一
    方端の実質的な保持開始点から実質的な保持解除点まで
    の保持手段の軌跡L1及びポリマーフィルムのもう一端
    の実質的な保持開始点から実質的な保持解除点までの保
    持手段の軌跡L2と、二つの実質的な保持解除点の距離
    Wが、下記式(1)を満たし、(ii)ポリマーフィルム
    の支持性を保ち、揮発分率が10%以上の状態を存在さ
    せて延伸し、その後10%以上収縮させると共に揮発分
    率を低下させ、そして(iii)保持解除点までに該ポリ
    マーフィルムの乾燥点を設定する、ことを特徴とする偏
    光膜の製造方法。 式(1) |L2−L1|>0.4W
  5. 【請求項5】 偏光膜用ポリマーフィルムがポリビニル
    アルコール系フィルムであることを特徴とする請求項4
    に記載の偏光膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリビニルアルコール系フィルムに、延
    伸前または延伸後に偏光素子を吸着させることを特徴と
    する請求項5に記載の偏光膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 収縮させ揮発分率を低下させるときの揮
    発分率低下速度が1%/分であることを特徴とする請求
    項4〜6のいずれかに記載の偏光膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 偏光膜の長手方向と吸収軸方向とのなす
    角が20〜70゜であることを特徴とする請求項4〜7
    のいずれかに記載の偏光膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 偏光膜のフィルム長手方向と吸収軸方向
    の傾斜角が40〜50゜であることを特徴とする請求項
    8に記載の偏光膜の製造方法。
  10. 【請求項10】液晶セルの両側に配置された偏光板のう
    ち少なくとも一枚が請求項1に記載の偏光膜を少なくと
    も有する偏光板、請求項2または3に記載の偏光板およ
    び請求項4〜9に記載の方法により製造された偏光膜を
    少なくとも有する偏光板のいずれかから打ち抜いた偏光
    板であることを特徴とする液晶表示装置。
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