JP2003206428A - ポリエステルアミド共重合体を用いた印刷インキ組成物 - Google Patents

ポリエステルアミド共重合体を用いた印刷インキ組成物

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JP2003206428A
JP2003206428A JP2002003726A JP2002003726A JP2003206428A JP 2003206428 A JP2003206428 A JP 2003206428A JP 2002003726 A JP2002003726 A JP 2002003726A JP 2002003726 A JP2002003726 A JP 2002003726A JP 2003206428 A JP2003206428 A JP 2003206428A
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JP2002003726A
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Masanori Furukawa
昌紀 古川
Masao Nogami
正夫 野上
Masaharu Kobayashi
正治 小林
Motohiro Fujimoto
元弘 藤本
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Fuji Kasei Kogyo Co Ltd
T&K Toka Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kasei Kogyo Co Ltd
T&K Toka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】飲料用金属缶等に耐腐食性、装飾性等を与える
ラミネート用ポリエステルフィルム等への印刷に用いる
ポリエステルアミド共重合体を用いた印刷インキ組成物
の提供。 【構成】該共重合体はポリアミド単位a-1とポリアミド
単位a-2とのコポリアミド成分aとポリエステル成分b
とがエステル又はアミド結合で連結し、その連続形成さ
れる分子鎖の少なくとも片末端基がヒドロキシル基及び
またはカルボキシル基で反応停止されるポリエステルア
ミド共重合体の構成成分中に、天然脂肪酸から誘導のC
20〜48ダイマー酸を主成分とする重合脂肪酸および
/又は誘導体からなる構成成分を含有したポリエステル
アミド共重合体と該ポリエステルアミド共重合体の末端
官能基と反応しうる架橋剤とを必須成分とする。 【効果】蒸気殺菌処理後もインキ層とプラスチックフィ
ルム間に密着性を保持し水蒸気透過によるラミネート層
白化現象を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷インキ組成物
に関わり、さらに詳しくは、コーヒー、ジュース等の飲
料を入れる飲料缶の如き金属缶などに耐腐食性、装飾性
等を付与するために利用される熱ラミネート用ポリエス
テルフィルム等の印刷に有用な印刷インキ組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来コーヒー、ジュース等の飲料を入れ
る飲料缶の如き金属缶の外面には耐腐食、装飾性を付与
したり、あるいは内容物を表示するなどのために、一般
に塗装及び印刷が施されている。
【0003】このような塗装及び印刷を行う際には、従
来、金属板に下塗り塗料(ホワイトコート)を施して、
その上にオフセット印刷を行い、さらに上塗り塗料(ク
リヤーコート)を施した塗装金属板を金属缶に加工する
方式が採用されていた。しかし、このような方式では、
各々の工程で焼付を行なって、塗料や印刷インキの乾燥
ないし硬化を促進してやらねばならず、多大な時間とエ
ネルギーが必要であった。
【0004】そこで前記方式に代えて、事前にグラビア
印刷方式で印刷されたプラスチックフィルムを熱硬化型
接着剤により金属板に熱ラミネートして、ラミネート金
属板を作成する方法が開発され、実用化され始めてお
り、この方法では、前記方式より処理工程が少なくな
り、生産性の向上とコストの低減が図れるという利点が
ある。
【0005】また、前述したラミネート金属板に用いら
れる熱ラミネート用プラスチックフィルムとして、主に
ポリエステルフィルムが使用されており、このポリエス
テルフィルムは、従来から食品包装の分野で幅広く利用
されている材料であるが、それにグラビア印刷する印刷
インキ組成物は、ポリウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体との混合物をバインダーとするものが主
流となっている。
【0006】しかしながら、このような印刷インキ組成
物により印刷してラミネート金属板から加工された金属
缶は、蒸気殺菌処理(レトルト処理)を施した場合、ネ
ック部のような変形の大きな部分でインキ層とポリエス
テルフィルムとの間に剥離を引き起こしたり、またラミ
ネート層に水蒸気の透過による白化現象が発生するなど
の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族炭化
水素系、脂環族炭化水素系、アルコール系およびケトン
系等の汎用の混合溶剤に可溶で、プラスチックフィルム
ラミネート金属板から加工された金属缶の蒸気殺菌処理
(レトルト処理)後においてもインキ層とプラスチック
フィルムとの間に十分な密着性を保持し、かつ水蒸気の
透過によるラミネート層の白化現象を防止しうるポリエ
ステルアミド共重合体を用いた印刷インキ組成物を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果,天然の脂肪酸から
誘導され、少なくとも炭素数20から48のダイマー酸
(二量体化脂肪酸)を主成分とする、耐水性、強靭性
(柔軟性)に優れた重合脂肪酸および/又はこの誘導体
の必須量を構成成分とした特定のコポリアミド成分と特
定のポリエステル成分から共重合したポリエステルアミ
ド共重合体が前記目的に合致し、該ポリエステルアミド
共重合体と該ポリエステルアミド共重合体の末端官能基
と反応しうる架橋剤とを必須成分として用いた印刷イン
キ組成物が、上記課題を解決しうることを見出し、この
発明を完成するに至った。
【0009】即ち、 [A]一般式(1)で表されるポリ
アミド単位(a-1)と一般式(2)で表されるポリアミ
ド単位(a-2)とのコポリアミド成分(a)と一般式
(3)で表されるポリエステル成分(b)との共重合に
より得られるポリエステル共重合体と架橋剤とを必須成
分として含有する印刷インキ組成物に関する。該共重合
体には、該構成成分中に少なくとも天然の脂肪酸から誘
導された炭素数20から48のダイマー酸(二量体化脂
肪酸)を主成分とする重合脂肪酸および/又はこの誘導
体(誘導体には、ダイマージオール及びダイマージアミ
ンも含まれる)に由来する残基が構成割合として10〜
90重量%の範囲で含有され、芳香族炭化水素系、脂環
族炭化水素系、アルコール系およびケトン系等の汎用の
混合溶剤に可溶である。該印刷インキ組成物には、ポリ
エステルアミド共重合体100重量部に対して [B]少
なくともポリエステルアミド共重合体[A]のいずれか1
種の末端官能基と反応しうる架橋剤0.01〜20重量
部を必須成分として含有される。該印刷インキ組成物
は、プラスチックフィルムにグラビア印刷方式で印刷さ
れる。この印刷されたプラスチックフィルムの印刷面と
金属板とを熱硬化性の接着剤を用いて積層する事により
得られるプラスチックフィルムラミネート金属板から加
工された金属缶は、蒸気殺菌処理(レトルト処理)後に
おいて、インキ層とプラスチックフィルムとの間に十分
な密着性を維持し、かつ水蒸気の透過によるラミネート
層の白化現象を防止するなど、優れた耐食性と装飾性を
付与しうることを特徴とする。 一般式(1)
【化4】 一般式(2)
【化5】 (式中のR,Rは、同一か又は異なる炭素数6から4
4の脂肪族ジアミン及び又は脂環族ジアミンの1種又は
2種以上の混合物(即ち、R又はRが同一の残基ま
たは異なる残基であり得ることを意味する)から選ばれ
るジアミン骨格の残基を表す。Rは、炭素数6〜22
の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種又は2種以上の
混合物から選ばれるジカルボン酸残基を表す。Rは、
炭素数20から48のダイマー酸(二量体化脂肪酸)を
主成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体の1種又は2
種以上の混合物から選ばれる重合脂肪酸残基を表す。) 一般式(3)
【化6】 (式中のRは、炭素数2から54の置換又は非置換の
脂肪族又は脂環族ジオールの1種又は2種以上の混合物
から選ばれるジオール残基を表す。Rは、炭素数6〜
22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種又は2種以
上の混合物から選ばれるジカルボン酸残基および又は炭
素数20から48のダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主
成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体の1種又は2種
以上の混合物から選ばれる重合脂肪酸残基を表す。)
【0010】以下,本発明のポリエステルアミド共重合
体を用いた印刷インキ組成物について詳細に説明する.
【0011】本発明に用いられるポリアミド単位(a-
1)とポリアミド単位(a-2)とのコポリアミド成分
[A]の具体的な原料には次の化合物が挙げられる。
【0012】ポリアミド単位(a-1)に用いられる炭素
数6から44の脂肪族ジアミン及び又は 脂環族ジアミン
ジアミン類としては、例えば、ヘキサメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4(または
2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミン、炭
素数20〜48の重合脂肪酸から誘導されるダイマージ
アミン等の脂肪族ジアミン、ビス−(4,4‘−アミノ
シクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン、パ
ラキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボル
ナンジアミン等の脂環族ジアミン等が挙げられ、1種又
は2種以上の混合物であっても良い。特に、目的のポリ
エステルアミド共重合体の汎用溶剤への溶解性及び力学
的性質を発現させるには、脂環族ジアミン類の1種又は
2種以上の混合物を必須成分に用いるのが好ましい。
【0013】ポリアミド単位(a-1)に用いられる炭素
数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸及びこれら
のエステル誘導体としては、例えば、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カ二酸、ヘキサデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、
ジグリコール酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、
キシレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらのエス
テル誘導体等が挙げられ、1種又は2種以上の混合物で
あっても良い。特に、目的のポリエステルアミド共重合
体の汎用溶剤への溶解性及び力学的性質を発現させるに
は、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸から選ばれ
る1種又は2種以上の混合物が好適に用いられる。
【0014】ポリアミド単位(a-2)用いられる炭素数
6から44の脂肪族ジアミン及び又は脂環族ジアミン類と
しては、ポリアミド単位(a-1)に例示したジアミン類
から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好適に用いら
れる。
【0015】ポリアミド単位(a-2)用いられる炭素数
20から48のダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主成分
とする重合脂肪酸およびこの誘導体としては、主に炭素
数10〜24の二重結合又は三重結合を一個以上有する
一塩基性不飽和脂肪酸を重合して得た重合脂肪酸が用い
られる。具体例としては、大豆油脂肪酸、トール油脂肪
酸、菜種油脂肪酸等の天然の獣植物油脂肪酸及びこれら
を精製したオレイン酸、リノール酸、エルカ酸等から重
合した重合脂肪酸及びこれらのエステル誘導体が挙げら
れる。
【0016】市販されている重合脂肪酸は、通常ダイマ
ー酸(二量体化脂肪酸)を主成分とし、他に原料の脂肪
酸や三量体化以上の脂肪酸を含有するが、ダイマー酸
(二量体化脂肪酸)含有量が70%以上、好ましくは9
5%以上であり、かつ水素添加して不飽和度を下げたも
のが望ましい。特に、プリポール1004,1009,
プリポール1010(以上ユニケマ社製)やエンポール
1008(コグニス社製)等の市販品が好ましい。むろ
んこれらの混合物及びエステル誘導体も用いられる。
【0017】本発明に用いられるコポリアミド成分
(a)は、ポリアミド単位(a-1)とポリアミド単位
(a−2)との共重合比が、重量比で95/5〜40/
60の範囲で共重合される。好ましくは、ポリアミド単
位(a-1)/ポリアミド単位(a-2)の共重合比が、重
量比で90/10〜50/50の範囲にあることが好ま
しい。ポリアミド単位(a-1)/ポリアミド単位(a-
2)の共重合比が、重量比で95/5より大きくなると
コポリアミド成分(a)とポリエステル成分(b)との
相溶性が悪くなり、硬くて脆いものになるために目的と
するポリエステルアミド共重合体が得られないばかり
か、溶解性も低下することになり、好ましくない。ま
た、ポリアミド単位(a-1)/ポリアミド単位(a-2)
の共重合比が、重量比で40/60を超えると、コポリ
アミド成分の凝集性(結晶性)が低下し、得られたポリ
エステルアミド共重合体を用いた印刷インキ組成物の接
着性及びレトルト性が低下し、好ましくない。
【0018】本発明のポリエステル成分(b)に用いら
れる炭素数2から54の置換又は非置換の脂肪族又は脂
環族ジオール類としては、例えば、エチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、1,3―ブタンジオール、1,4―ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5―ペンタンジオー
ル、1,6―ヘキサンジオール、1,7―ヘプタンジオ
ール、1,8―オクタンジオール、1,9―ノナンジオ
ール、1,10―デカンジオール、1,12―ドデカン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2
−メチル−2,4―ペンタンジオール、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ヘプタ
ンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−2−プロピル―1,3−プロパンジ
オール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−
ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂
肪族多価アルコール、シクロペンタジエン−1,2−ジ
オール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘ
キサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール等の脂環族多価アルコール、ダイマー酸
(二量体化脂肪酸)を還元したダイマージオール等が挙
げられ、1種又は2種以上の混合物であっても良い。特
に、目的のポリエステルアミド共重合体の汎用溶剤への
溶解性及び力学的性質を発現させるには、エチレングリ
コール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ダイマージオール等から選ばれる1種又は2種以上
の混合物が好ましく用いられる。特に好ましく用いられ
る重合脂肪酸の誘導体であるダイマージオールとして
は、ベスポールHP−1000(東亜合成製),Pri
pol2033(ユニケマ社製),SpeziolC3
6/2(コグニス社製)等の市販品が挙げられる。本明
細書で、「重合脂肪酸の誘導体」と記載する場合には上
記のようなダイマージオールを含む場合がある。
【0019】本発明のポリエステル成分(b)に用いら
れる炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸及
びこれらのエステル誘導体、炭素数20から48のダイ
マー酸(二量体化脂肪酸)を主成分とする重合脂肪酸及
びこの誘導体としては、ポリアミド単位(a-1)及び
ポリアミド単位(a-2)の原料として例示した化合物か
ら選ばれる1種又は2種以上の混合物が好適に用いられ
る。
【0020】本発明のポリエステル成分(b)は、該構
成成分中にダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主成分とす
る重合脂肪酸又はこの誘導体(誘導体にはダイマージオ
ール及びダイマージアミンも含まれる)を必須量導入し
た系であれば特に規定されるものではないが、炭素数2
〜6の置換または非置換の脂肪族ジオール及び又は脂環
式ジオールと炭素数20から48のダイマー酸(二量体
化脂肪酸)を主成分とする重合脂肪酸及びそのエステル
誘導体より得られるポリエステル成分及び炭素数6〜2
2の脂肪族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸及びそ
のエステル誘導体と炭素数20から48のダイマー酸
(二量体化脂肪酸)を主成分とする重合脂肪酸から誘導
されるダイマージオールより構成されるポリエステル成
分が特に好ましい。
【0021】ただし、ポリエステル成分(b)に含まれ
る重合脂肪酸又はこの誘導体成分(誘導体にはダイマー
ジオール及びダイマージアミンも含まれる)の構成割合
は、コポリアミド成分(a)で使用した重合脂肪酸又は
この誘導体の構成割合を含めて、得られるポリエステル
アミド共重合体中の10〜90重量%の範囲に有ること
が好ましい。特に好ましくは、ダイマー酸(二量体化脂
肪酸)又はこの誘導体成分の構成割合が、得られるポリ
エステルアミド共重合体中に35〜80重量部の範囲に
有ることが重要である。ポリエステルアミド共重合体中
の重合脂肪酸又はこの誘導体の構成割合が10重量%よ
り少ないと、得られるポリエステルアミド共重合体の汎
用溶剤に対する溶解性が低下し、耐水性、柔軟性及び接
着性が大きく低下する。又、重合脂肪酸又はこの誘導体
の構成割合が90重量%より多くなると、得られたポリ
エステルアミド共重合体の凝集性(結晶性)が低下し、
これを用いた印刷インキ組成物の接着性及びレトルト性
が大きく低下し、好ましくない。
【0022】本発明のポリエステルアミド共重合体は、
コポリアミド成分(a)/ポリエステル成分(b)との
共重合比が、好ましくは重量比で95/5〜50/50
の範囲にあり、さらに好ましくは、90/10〜60/
40の範囲で共重合したものが好適に用いられる。ポリ
エステル成分(b)に対してコポリアミド成分(a)
が、該重量比で95/5より多くなると、該得られるポ
リエステルアミド共重合体は硬く、脆いものになり、こ
れを用いたプラスチックフィルムラミネート金属板は、
加工時に、ネック部分のような変形の大きな部分で目に
見えないほどの細かいヒビが発生し、金属缶の蒸気殺菌
処理(レトルト処理)時に、これを基点に多数の大きな
ひび割れが発生する事になり好ましくない。コポリアミ
ド成分(a)に対してポリエステル成分(b)が該重量
比で50/50より多くなると、該得られるポリエステ
ルアミド共重合体の凝集性(結晶性)が低下すると同時
に、プラスチックフィルムとの接着付与効果のあるアミ
ド結合が減少し、かつレトルト処理時に加水分解を受け
やすいエステル結合が骨格内に多く構成されることにな
り、これを用いたプラスチックフィルムラミネート金属
板から加工された金属缶には、蒸気殺菌処理(レトルト
処理)後に、ふくれ及び白化現象が見られ好ましくな
い。
【0023】前述のコポリアミド成分(a)とポリエス
テル成分(b)とは、エステル結合又はアミド結合によ
り連結し、その連続して形成される分子鎖の少なくとも
片末端基がヒドロキシル基及び又はカルボキシル基で反
応停止し、その末端基濃度が0.1〜30mgKOH/
gの範囲にあることが好ましい。特に好ましくは、0.
5〜15mgKOH/gの範囲である。ポリエステルア
ミド共重合体の分子量は、該ポリエステルアミド共重合
体の末端基濃度と相関関係があり、官能基濃度が低いも
のは分子量が大きく、高くなるに連れて分子量が小さく
なる。該ポリエステルアミド共重合体の末端基濃度が、
0.1mgKOH/gより小さくなると、該ポリエステ
ルアミド共重合体が高分子量になりすぎ、これを用いた
印刷インキ組成物が粘稠となって、該組成物のプラスチ
ックフィルムへの均一な印刷が困難になり好ましくな
い。また、末端基濃度が30mgKOH/gより大きく
なると、該ポリエステルアミド共重合体の分子量が小さ
くなりすぎ、これを用いた印刷インキ組成物層からの溶
剤離れが損なわれ、ブロッキングを生じ易くなる。しか
も、これを用いたプラスチックフィルムラミネート金属
板の加工性及び該金属板から得られた金属缶の蒸気殺菌
処理(レトルト処理)後の表面仕上がり性も大きく低下
し好ましくない。本発明に使用されるポリエステルアミ
ド共重合体の構成成分である、各ポリアミド単位、コポ
リアミド成分及びポリエステル成分の分子量は得に規定
されるものではなく、前述の構成割合(重量比)を満足
させるものであればどのようなものであっても使用でき
る。
【0024】本発明のポリエステルアミド共重合体は、
公知の方法等により合成する事ができる。例えば、前記
コポリアミド構成成分をまず重縮合反応により進行さ
せ、末端に官能基を有したコポリアミドを合成した後、
コポリアミドの存在下、前記ポリエステル構成成分を重
合させる方法等によって行う事ができる。この重縮合反
応は、通常、第一段階としてアミド化反応を進行させ、
第二段階にエステル化反応を進行させる事により実施さ
れる。
【0025】前記アミド化反応は、ポリアミド単位(a
−1)とポリアミド単位(a−2)の構成成分が所定割
合になるように配合した後、昇温し、重縮合反応により
生成する水を系外に除去しながら、180℃〜270℃
の反応温度範囲で末端官能基濃度が所定濃度に到達する
まで重合を進行させる。前記反応により得られる該コポ
リアミドは、少なくとも片末端基がカルボキシル基又は
アミノ基で反応停止されているのが好ましい。
【0026】前記エステル化反応は、アミド化反応終了
後、前記末端に官能基を有したコポリアミドとポリエス
テル構成成分との比が所定割合になるように、ポリエス
テル構成成分を配合した後、重縮合反応により生成する
水を系外に除去しながら、180℃〜270℃の反応温
度範囲でエステル化を進行させる。コポリアミド成分と
ポリエステル成分との反応は、透明で均質な溶液状態で
進行させる事が好ましく、不均一で濁った状態では、反
応が効率よく進行しない。このように、コポリアミド成
分とポリエステル成分とを効率よく反応させるために
は、減圧下、好ましくは、10mmHg以下で反応を進
行させる事が好ましい。反応温度が180℃未満である
と、反応速度が小さく、また、系の重合粘度が高くなる
ので、効率的な重縮合反応困難となる。一方、反応温度
が270℃を超えると、分解、着色反応が起こりやすく
なり、好ましくない。
【0027】前記エステル化反応において、反応を効率
的に進行させるため、エステル化触媒を使用する事がで
きる。触媒については、特に限定されるものではなく、
例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、
マグルシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウ
ム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニ
ウム、タングステン、錫、アンチモン、セリウム、ホウ
素、マンガン、ジルコニウム、等の金属;有機金属化合
物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等が挙げ
られる。より好ましいものとしては、テトラブトキシチ
タン、酢酸カルシウム、炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコ
ニウム、ステアリン酸ジルコニル、ジアシル第一錫、テ
トラアシル第二錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫
ジラウリレート、ジブチル錫マレート、錫ジオクタノエ
ート、錫テトラアセテート、トリイソブチルアルミニウ
ム、テトラブチルチタネート、テトラプロポキシチタネ
ート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、二酸化
ゲルマニウム、タングステン酸、酸化アンチモン等が挙
げられる。これらの触媒は、1種又は2種以上の混合物
であっても良い。
【0028】前記ポリエステルアミド共重合体の重合反
応において、どの段階からも酸化分解、熱分解及び着色
性を防止する目的で、安定剤を併用する事ができる。こ
のような安定剤としては、特に限定されるものではない
が、例えば、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,3−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイ
ド)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブ
チル−4ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオ
ニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のヒン
ダードフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホス
ファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニ
ルフェニル)ホスファイト、ジミリスチル−3,3′−
チオジプロピオネート、ペンタエリスチリルテトラキス
(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−
3,3′−チオジプロピオネート等の熱安定剤が挙げら
れる。これらの安定剤は、1種又は2種以上の混合物で
あっても良い。
【0029】本発明のポリエステルアミド共重合体を用
いた印刷インキ組成物においては、該ポリエステルアミ
ド共重合体の末端官能基と反応しうる架橋剤を該ポリエ
ステルアミド共重合体に対して架橋剤0.01から20
重量%を必須成分として配合する事が好ましい。さらに
好ましくは、0.1〜15重量%の範囲である。該ポリ
エステルアミド共重合体を用いた印刷インキ組成物に架
橋剤を配合する事により、印刷インキのプラスチックフ
ィルムと金属層及びインキ層との密着性をより高め、こ
れを用いたプラスチックフィルムラミネート金属板から
加工された金属缶は、より厳しい蒸気殺菌処理条件(レ
トルト処理.135℃,2気圧)においても、優れた接
着性を維持し、ふくれ、われ及び白化現象が見られない
という有用な特徴を有している。架橋剤の配合量が0.
01重量%より少ないと、該ポリエステルアミド共重合
体との架橋反応が進行しなくて、目的とするレトルト特
性が得られない。また、架橋剤の配合量が20重量%よ
り多くなると、該ポリエステルアミド共重合体との架橋
反応が進み過ぎ、得られるプラスチックフィルムラミネ
ート金属板の加工性が低下すると同時に、架橋に寄与し
ない架橋剤がフリーでインキ層に残存する事になり、該
金属板より得られた金属缶のレトルト特性が大きく低下
する事になり、好ましくない。
【0030】本発明のポリエステルアミド共重合体を用
いた印刷インキ組成物の該ポリエステルアミド共重合体
の末端ヒドロキシル基及び又はカルボキシル基と反応し
うる架橋剤としては、ブロック化されたイソシアネート
基を有する有機化合物(以下、単に「ブロック化イソシ
アネート化合物」という)及びアミノ樹脂から選ばれる
1種又は2種以上の混合物が特に好ましく用いられる。
【0031】前記ブロック化イソシアネート化合物の原
料となる有機イソシアネート化合物は、特に限定される
ものではなく、公知の化合物を使用する事ができる。例
えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−
ジメチルシクロヘキサン−3−5−ジイソシアネート、
1,2−ジメチルシクロヘキサン−3,6−ジイソシア
ネート、1,3−ジメチルシクロヘキサン−4,6−ジ
イソシアネート、1,4−ジメチルシクロヘキサン−
2,5−ジイソシアネート、1,4−ジメチルシクロヘ
キサン−2,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−
2,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート等が好ましい。
【0032】また、前記有機ジイソシアネート化合物
と、多価アルコール、片末端もしくは両末端にヒジロキ
シル基を有するポリエーテル、片末端もしくは両末端に
ヒジロキシル基を有する低分子量ポリエステルや水の如
き活性水素含有化合物との付加体、あるいは前記有機ジ
イソシアネート化合物の環化重合体等もブロックイソシ
アネート化合物の製造に使用される有機イソシアネート
化合物として好ましく用いることができる。
【0033】また、前記有機イソシアネート化合物中の
イソシアネート基をブロックするブロック化剤として
は、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾ
ール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4
−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシ
レノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノー
ル等のフェノール類;ε−カプロラクタム、δ−バレロ
ラクタム,γ―ブチロラクタム等のラクタム類;メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、i−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコール、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ベンジルアルコール等のアルコール類;ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、アセトアルドキシム、
アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモ
ノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサン
オキシムのオキシム類;マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチ
ルアセトン等の活性メチレン基含有化合物等を挙げるこ
とができる。これらのブロック化剤は、1種または2種
以上を混合して使用することができる。
【0034】前記アミノ樹脂としては、例えば、メラミ
ン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステ
ログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等
のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって選られるメ
チロール化アミノ樹脂が挙げられる。また、コノメチロ
ール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル
化したものも使用でき、エーテル化に用いられるアルコ
ールの例としては、メチルアルコール、エチルアネコー
ル、n−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2
−エチルヘキサノール等が挙げられる。これらのアミノ
樹脂は、1種または2種以上を混合して使用することが
できる。
【0035】本発明のポリエステルアミド共重合体を用
いた印刷インキ組成物は、必要に応じて顔料及び溶剤を
常法により混合して調製される。
【0036】前記顔料は、必要に応じて適宜選択され、
特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム
粉末、二酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、イソ
インドリノンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、
ベンズイミダゾロンオレンジ、キナクリドンレッド、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等を挙げ
ることができる。これらの顔料は、1種または2種以上
を混合して使用することができる。
【0037】また、前記溶剤としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の
芳香族炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケト
ン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2,4−ジメチ
ル−3ペンタノン、4,4′−ジメチル−2−ペンタノ
ン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−メチル−3
−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−ヘプ
タノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル
−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,
6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−
オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノ
ン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、シク
ロヘキサノン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−メ
チルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、
4−メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、1−
デカンロン、2−デカンロン等のケトン系溶剤;メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n
−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール等の
アルコール系溶剤;メチルシクロヘキサン、シクロヘキ
サン等の脂環族炭化水素系溶剤等を挙げる事ができる。
脂環族系、場合によっては、酢酸エステル系、アミド系
溶剤も使用できる。
【0038】これらの溶剤は、1種または2種以上を混
合して使用できるが、本発明においては、芳香族炭化水
素系溶剤、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤の混合系
溶剤が好ましく、特に、キシレン、トルエン、ブチルア
ルコール、プロピルアルコール、メチルエチルケトン、
メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン等の混合物が好
ましく用いられる。
【0039】本発明のポリエステルアミド共重合体を用
いた印刷インキ組成物には、更に必要に応じて、シラン
カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解
防止剤、防ばい剤、増粘剤、可塑剤及び前記溶剤に可溶
性の公知のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニ
ル系樹脂、アクリル樹脂等から選ばれる1種又は2種以
上の混合物も使用できる。
【0040】本発明の該印刷インキ組成物は、例えば、
コーヒー、ジュース等飲料を入れる飲料缶の如き金属缶
に耐腐食性や装飾性を付与したり、あるいは内容物を表
示するためなどに用いられる熱ラミネート用ポリエステ
ルフィルムのグラビア印刷に極めて好適に使用すること
が出来るほか、同様の目的で用いられる熱ラミネート用
の他のプラスチックフィルムのグラビア印刷、さらには
これら以外の用途・分野における種々の材料に対するグ
ラビア印刷及びポリエステルフィルムを含む種々の材料
の他の様式の印刷にも幅広く使用することができる。
【0041】本発明の印刷インキ組成物により、例え
ば、ポリエステルフィルムをグラビア印刷する際には、
単色グラビア印刷機、多色グラビア印刷機、ドラムタイ
プ印刷機等の公知の印刷機を採用することができる
【0042】
【発明の効果】本発明のポリエステルアミド共重合体を
用いた印刷インキ組成物をプラスチックフィルムに代表
されるのポリエステルフィルムラミネート金属板に用い
た場合、このラミネート金属板から加工されたコーヒ
ー、ジュース等の飲料缶の如き金属缶は、蒸気殺菌処理
(レトルト処理)後においても、インキ層とポリエステ
ルフィルムとの間に十分な密着性を保持し、かつ水蒸気
の透過によるラミネート層の白化現象を生じる事もな
く、優れた耐食性と装飾性を付与するものである。従っ
て、本発明の該印刷インキ組成物は、特に、熱ラミネー
ト用ポリエステルフィルムのグラビア印刷インキ組成物
として極めて優れた特性を有するものである。また他の
種々の材料のグラビア印刷および他の様式の印刷にも幅
広く使用でき、有用である。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。尚、実施例、比較例に用いた各成分の
詳細及び試験方法、評価を例示するが、本発明の趣旨を
逸脱しない限り、これに制約されるものではない。ここ
で述べる実施例及び比較例における「部」及び「%」は
重量基準である。
【0044】実施例及び比較例における評価は、次のよ
うにして行った。 <ポリエステルアミド共重合体の評価> (1)末端カルボキシル基(以下酸価と省略する)及び
アミノ基濃度(以下アミン価と省略する)の測定 酸価は、試料1gをベンジルアルコール50gに溶解
し、1/10NのKOHメタノール溶液でフェノールフ
タレイン指示薬を用い、アミン価は、試料1gをフェノ
ール/メタノール混合溶液50gに溶解し、1/10N
塩酸メタノール溶液でブロムフェノールブルー指示薬を
用いて滴定し、樹脂1g当たりのKOHのmg数で表し
た。
【0045】(2)末端ヒドロキシル基濃度(以下水酸
基価と省略する。)の測定 水酸基価は、試料1〜6gをアセチル化試薬(ピリジン
25gに無水酢酸を1%溶解させたもの)に加熱溶解さ
せた後、1/2NのKOHイソプロパノール溶液を用い
て滴定し、樹脂1g当たりのKOHのmg数で表した。
【0046】<ポリエステルアミド共重合体を用いた印
刷インキ組成物の評価> (1) 耐レトルト性試験 ラミネート鋼板をオートクレーブに入れて、(A)1.
4気圧及び125℃または(B)2気圧及び135℃の
条件で、各々30分間水蒸気曝露を行った後、ラミネー
ト層の密着性及び白化状態を目視により観察し、異常が
全く認められない場合を良好(○)、異常が多少認めら
れたが実用可能な場合を普通(△)、実用レベルを超え
る異常が認められた場合を不良(×)として、評価し
た。
【0047】(2)絞り試験 ラミネート鋼板を、深絞りエリクセン成型機を用い、直
径25mm×高さ8mmに常温で絞り加工を行ったのち、オ
ートクレーブに入れて、前記(A)または(B)の条件
で、各々30分間水蒸気暴露を行って、ネック部の外観
を目視により観察し、異常が全く認められない場合を良
好(○)、異常が多少認められたが実用可能な場合を普
通(△)、実用レベルを超える異常が認められた場合を
不良(×)として、評価した。
【0048】(3)プレス試験 ラミネート鋼板を、プレス成型機を用い、直径50mm
×5mmに、常温でプレス加工を行ったのち、オートク
レーブに入れて、前記(A)または(B)の条件で、各
々30分間水蒸気暴露を行って、ネック部の外観を目視
により観察し、異常が全く認められない場合を良好
(○)、異常が多少認められたが実用可能な場合を普通
(△)、実用レベルを超える異常が認められた場合を不
良(×)として、評価した。
【0049】<ポリエステルアミド共重合体の製造例>
【製造例1】攪拌機、窒素導入口及び留去管を取り付け
た1000mlの4口フラスコに、重量比でポリアミド
単位(a−1)/ポリアミド単位(a−2)=80/2
0になるようにアゼライン酸141.3重量部、Pri
pol1009(ユニケマ社製C36ダイマー酸)5
7.2重量部、イソホロンジアミン128.0重量部及
びヘキサメチレンジアミン9.7重量部を一度に配合し
た後、窒素ガス下、反応水を留去させながら250℃ま
で徐々に昇温した。この温度に30分間保った後、16
0mmHgまで減圧し末端カルボキシル基濃度40mgK
OH/gのコポリアミド(a)が得られた。この温度で
この系に、重量比でコポリアミド成分(a)/ポリエス
テル成分(b)=70/30になるようにアゼライン酸
34.5重量部、ダイマージオールとしてPripol
2033(ユニケマ製)110.1重量部、酸化防止剤
としてN,N′−ヘキサメチレンビス(3,3−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)(製
品名イルガノックス1098、旭チバ製)0.9重量部
及びエステル化触媒としてテトラブトキシチタネート
0.9重量部を添加し、再び250℃まで徐々に昇温し
た。250℃に到達した時点から減圧を開始し、最終的
には1〜2mmHgまで減圧することにより反応を進め
た。3時間後末端ヒドロキシル基濃度5.3mgKOH
/g、重合脂肪酸の構成成分が34.8%の淡黄色透明
な目的とするポリエステルアミド共重合体TK−1が得
られた。
【0050】製造例1と同様の方法で、表1に従いポリ
エステルアミド共重合体TK−2〜TK−11を製造し
た。
【表1】
【0051】
【実施例1】前記で製造例1で合成したポリエステルア
ミド共重合体TK−1を用いて、下記及び表2の配合に
従い常法により印刷インキ組成物Aを調整した。 印刷インキ組成物A ポリエステルアミド共重合体TK−1 30部 (トルエン/イソプロパノール=1/1,固形分40%溶液) ブロックイソシアネート化合物 5部 (商品名デイスモジュールTPLS2957;住友バイエル社製) 二酸化チタン 30部 トルエン 20部 メチルエチルケトン 15部
【0052】次いで、得られた印刷インキ組成物Aを用
いてポリエステルフィルムにグラビア印刷を行った後、
該フィルムの印刷面に熱硬化性接着剤を、固形分として
2g/m塗布した。塗布後、このフィルムを190℃
の熱ロールによりクロム処理鋼板に熱圧着させ、220
±5℃で焼付を行って、ポリエステルフィルムラミネー
ト鋼板を得た。このようにして得られたポリエステルフ
ィルムラミネート鋼板は、前記評価方法に従い、耐レト
ルト性、絞り性及びブレス適性について試験した。この
結果を表3に示した。
【0053】
【実施例2〜8,比較例1〜5】実施例1と同様に、表
2の配合に従い、常法により印刷インキ組成物B〜Lを
調整した。
【0054】次いで、得られた印刷インキ組成物B〜M
を用いて、実施例1と同様に、ポリエステルフィルムラ
ミネート鋼板を得た。このようにして得られたポリエス
テルフィルムラミネート鋼板は、前記評価方法に従い、
耐レトルト性、絞り性及びブレス適性について試験し
た。この結果を表3に示した。
【表2】
【表3】
フロントページの続き (72)発明者 野上 正夫 東京都板橋区泉町20番4号 株式会社ティ ーアンドケイ東華内 (72)発明者 小林 正治 埼玉県入間郡三芳町竹間沢253−2 富士 化成工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 藤本 元弘 埼玉県入間郡三芳町竹間沢253−2 富士 化成工業株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4J039 AD10 AE03 AE04 AE06 AE08 BE01 BE12 CA02 EA23 FA01 FA02 GA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるポリアミド単位
    (a-1)と一般式(2)で表されるポリアミド単位(a-
    2)とのコポリアミド成分(a) 一般式(1) 【化1】 一般式(2) 【化2】 (式中のR,Rは、同一か又は異なる炭素数6から4
    4の脂肪族ジアミン及び又は脂環族ジアミンの1種又は
    2種以上の混合物から選ばれるジアミン骨格の残基を表
    す。Rは、炭素数6〜22の脂肪族又は芳香族ジカル
    ボン酸の1種又は2種以上の混合物から選ばれるジカル
    ボン酸残基を表す。Rは、炭素数20から48のダイ
    マー酸(二量体化脂肪酸)を主成分とする重合脂肪酸お
    よびこの誘導体の1種又は2種以上の混合物から選ばれ
    る重合脂肪酸残基を表す。) と一般式(3)で表される
    繰り返し単位を有するポリエステル成分(b) 一般式(3) 【化3】 (式中のRは、炭素数2から54の置換又は非置換の
    脂肪族又は脂環族ジオールの1種又は2種以上の混合物
    から選ばれるジオール残基を表す。Rは、炭素数6〜
    22の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の1種又は2種以
    上の混合物から選ばれるジカルボン酸残基および又は炭
    素数20から48のダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主
    成分とする重合脂肪酸およびこの誘導体の1種又は2種
    以上の混合物から選ばれる重合脂肪酸残基を表す。)よ
    り得られるポリエステルアミド共重合体の構成成分中に
    於いて、該重合脂肪酸残基、該ジオール残基又は該ジア
    ミン残基部分の少なくとも1種が、天然の脂肪酸から誘
    導された炭素数20から48のダイマー酸(二量体化脂
    肪酸)を主成分とする重合脂肪酸および/又はこの誘導
    体からなる成分に由来する単位を、該共重合体の成分割
    合で10〜90重量%含有しているポリエステルアミド
    共重合体[A]の100重量部に対して、少なくとも該ポ
    リエステルアミド共重合体[A]のいずれか1種の末端官
    能基と反応しうる架橋剤[B]の0.01〜20重量部を
    必須成分として含有することを特徴とする印刷インキ組
    成物。
  2. 【請求項2】コポリアミド成分(a)における一般式
    (1)で表されるポリアミド単位(a-1)と一般式
    (2)で表されるポリアミド単位(a-2)との共重合比
    が、重量比で95/5〜40/60重量比の範囲からな
    ることを特徴とする請求項1記載のポリエステルアミド
    共重合体を用いた請求項1記載の印刷インキ組成物。
  3. 【請求項3】コポリアミド成分(a)と一般式(3)で表
    されるポリエステル成分(b)との共重合比が、重量比
    で95/5〜50/50の範囲からなり、このコポリア
    ミド成分(a)とポリエステル成分(b)とがエステル
    結合又はアミド結合にり連結し、その連続して形成され
    る分子鎖の少なくとも片末端基がヒドロキシル基及びま
    たはカルボキシル基で反応停止され、その末端官能基濃
    度が0.1〜30mgKOH/gの範囲にあることを特
    徴とするポリエステルアミド共重合体を用いた請求項1
    又は2記載の印刷インキ組成物。
  4. 【請求項4】一般式(2)で表されるポリエステル成分
    (b)が、少なくとも1種の炭素数2〜6の置換または非
    置換の脂肪族ジオール及び又は脂環式ジオール成分と炭
    素数20から48のダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主
    成分とする重合脂肪酸及びそのエステル誘導体とより構
    成されることを特徴とするポリエステルアミド共重合体
    を用いた請求項1〜3のいずれか記載の印刷インキ組成
    物。
  5. 【請求項5】一般式(2)で表されるポリエステル成分
    (b)が、炭素数6〜22の脂肪族ジカルボン酸又は芳
    香族ジカルボン酸及びそのエステル誘導体成分と炭素数
    20から48のダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主成分
    とする重合脂肪酸から誘導されるダイマージオールとよ
    り構成されることを特徴とするポリエステルアミド共重
    合体を用いた請求項1〜3のいずれか記載の印刷インキ組
    成物。
  6. 【請求項6】ポリエステルアミド共重合体が、芳香族炭
    化水素系、脂環族炭化水素系、アルコール系およびケト
    ン系等の汎用の混合溶剤に不揮発分として10重量%以
    上可溶であることを特徴とするポリエステルアミド共重
    合体を用いた請求項1〜5のいずれか記載の印刷インキ
    組成物。
  7. 【請求項7】該架橋剤が、ブロック化されたイソシアネ
    ート基を有する有機化合物及びアミノ樹脂から選ばれる
    少なくとも1種を必須成分として含有することを特徴と
    するポリエステルアミド共重合体を用いた請求項1記載
    の印刷インキ組成物。
  8. 【請求項8】印刷インキ組成物がグラビア印刷用の印刷
    インキ組成物である請求項1〜7記載の印刷インキ組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008535688A (ja) * 2005-04-01 2008-09-04 イオヴァット アーゲー 基板上に平面支持材料を積層する方法
JP2017101232A (ja) * 2015-11-25 2017-06-08 株式会社リコー インク、記録方法、記録装置及びインク収容容器
WO2022210554A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 株式会社Uacj 樹脂被覆アルミニウム合金板

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