JP2003205585A - 生茸用鮮度保持材 - Google Patents

生茸用鮮度保持材

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JP2003205585A
JP2003205585A JP2002004344A JP2002004344A JP2003205585A JP 2003205585 A JP2003205585 A JP 2003205585A JP 2002004344 A JP2002004344 A JP 2002004344A JP 2002004344 A JP2002004344 A JP 2002004344A JP 2003205585 A JP2003205585 A JP 2003205585A
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mushrooms
freshness
silica gel
mixture
calcium chloride
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JP2002004344A
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English (en)
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Akira Sato
昭 佐藤
Toshiharu Takahashi
利春 高橋
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Hitachi Chemical Industries Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生茸をトレイに載せてプラスチックフィルム
でパックした上で、保存、保管、陳列又は輸送等をする
場合に、生茸の変色、黴の発生又は腐敗、更には無用の
乾燥等をなくし、新鮮さを保持し得るようにすること。 【解決手段】 坪量60g/m2 の木材繊維シートの一
面に酸化亜鉛を3%添加したポリエチレン樹脂を0.0
25mmの厚さにラミネートし、これに口径0.3mm
程度の多数の微細孔を開口し、得られたラミネートシー
トを80mm角に裁断し、断裁した二枚のシートを、相
互にラミネート面を内側にして重ね合わせ、その三辺を
ヒートシールした上で、その隙間内にシリカゲル10g
と塩化カルシウム0.5gとの混合物を入れ、更に残っ
た一辺をヒートシールしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生茸を保管、運搬
又は商品としての陳列等をするためにプラスチックフィ
ルムでパックする場合に、パックされる生茸の鮮度を良
好な状態に保つために使用する生茸用鮮度保持材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】通常、生茸、例えば、生の椎茸、舞茸、
平茸、ブナシメジ等を販売のために陳列する場合は、ざ
る等の容器上に載せて開放状態で陳列ケース上に配した
り、或いは、プラスチック製のトレイ等に載せた上でプ
ラスチックフィルムでパックして、同様に、陳列ケース
上に配している。
【0003】生茸には、通常80%程度の水分が含まれ
ているが、これをざる等に載せただけで空気中に曝して
おくと、その表面から水分が失われ、比較的短時間の内
に新鮮さを失ったものとなってしまう。また生茸は、プ
ラスチックフィルムでこれをパックしておくと、同様
に、その表面から蒸発した水分がパック中で凝縮してフ
ィルム内面に結露し、これが水滴となって生茸の表面に
付着し、付着部位が変色したり、黴が発生したり、或い
は腐敗が始まったりすることとなるおそれが高い。この
ようにいずれの保存法でも何らかの処置を取らなければ
生茸の鮮度や味覚を落とすこととなって好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解決し、生茸をプラスチック製のト
レイ等に載せてプラスチックフィルムでパックして保存
する場合に、パック中で生茸から蒸発した水分が凝縮し
てフィルム内面に結露し、これが再び生茸に付着して該
生茸を変色させたり、黴を発生させたりすることが無
く、また腐敗を生じさせたり、或いは萎れさせ新鮮さを
失わせてしまうようなことがないように、生茸と共存さ
せて用いる安全で安価な生茸用鮮度保持材を提供するこ
とを解決の課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の1は、外側を木
材繊維シートで、内側を無機抗菌剤を添加したポリオレ
フィン系プラスチックフィルムで、二重構造の袋体に構
成し、上記袋体に内外を貫通した複数の微細孔を穿設
し、かつ上記袋体の中にシリカゲル及び塩化カルシウム
の混合物を封入した生茸用鮮度保持材である。
【0006】本発明の2は、本発明の1の生茸用鮮度保
持材に於いて、前記木材繊維シートの内面に前記ポリオ
レフィン系プラスチックフィルムをラミネートしたもの
である。
【0007】本発明の3は、本発明の1又は2の生茸用
鮮度保持材に於いて、前記シリカゲル及び塩化カルシウ
ムの混合物の混合比を、シリカゲル100重量部に対し
て塩化カルシウム1〜120重量部に設定したものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、生茸をプラスチックフ
ィルムでパックして保存する場合に、生茸の鮮度を保つ
ように生茸と共存させて用いる生茸用鮮度保持材であ
る。これは、外側を木材繊維シートで、内側を無機抗菌
剤を添加したポリオレフィン系プラスチックフィルムで
構成した二重構造の袋体に形成し、上記袋体に内外を貫
通した複数の微細孔を穿設して空気の流通を確保し、か
つ該袋体の中にシリカゲル及び塩化カルシウムの混合物
を封入したものである。
【0009】前記袋体の外側を構成する前記木材繊維シ
ートは、この袋体に生茸が接触した場合に、その表面と
生茸の表面とが密着せず、その間に適度の通気性を確保
し、かつそのことにより、生茸を取り出す際に、その表
皮が袋体の表面に付着して表皮が剥がれたり、変色を生
じさせたりするようなことのないようにする趣旨で採用
するものである。そのため前記木材繊維シートは、木材
繊維のみを用い、その表面の感触が柔らかくソフト感を
持ったものに形成するのが適切である。前記木材繊維シ
ートは、木材繊維として、特に広葉樹の短繊維を用いる
こととするのが好ましい。
【0010】前記袋体の内側を構成する前記ポリオレフ
ィン系プラスチックフィルムは、その製造時に、主原料
のポリオレフィン系樹脂であるポリエチレン樹脂又はポ
リプロピレン樹脂の中に副原料として無機抗菌剤、例え
ば、酸化亜鉛(ZnO)等を練り込んだものを採用す
る。
【0011】上記抗菌剤としては、ワサビやニンニクな
どの有機抗菌剤を採用することも可能であるが、これら
は、匂いや味に強い個性があり、食味を変えるおそれが
ある等、生茸へのその移行性が問題になるものであるの
に対し、無機抗菌剤は、無臭であり、そのような問題が
なく、更には人畜に無害で長期的に安定した抗菌効果を
発揮することができるものでもあり、その意味でより適
切である。
【0012】また前記袋体は、外側を前記木材繊維シー
トで、内側を前記無機抗菌剤を添加したポリオレフィン
系プラスチックフィルムで、それぞれ構成し、二重構造
とするものであるが、このような二重構造には、例え
ば、次の二つの態様がある。
【0013】一つは、前記木材繊維シートの一面に前記
無機抗菌剤を添加したポリオレフィン系プラスチックフ
ィルムを重ね、その状態で、後者を内側にして構成した
二重構造の袋体であり、もう一つは、一面に無機抗菌剤
を添加したポリオレフィン系樹脂をラミネートした木材
繊維シートを用い、そのラミネート面を内側にして構成
した二重構造の袋体である。
【0014】なお上記ラミネートは、上記木材繊維シー
トの一方の面に、無機抗菌剤を添加したポリオレフィン
系樹脂の溶融物をTダイなどから適度の厚さに押し出
し、これを直接に該木材繊維シートに貼り付けることで
構成する事ができる。
【0015】前記袋体の二重構造は、以上の二つの構成
の内、木材繊維シートの内側にポリオレフィン系プラス
チックフィルムをラミネートしたものの方が、相互がず
れたり、皺になったりすることもなく、正確に構成しや
すいので好ましい。
【0016】また木材繊維シートの内側にポリオレフィ
ン系プラスチックフィルムをラミネートしたものの方
は、袋体に構成する際に、接着剤を用いることなく内側
のポリオレフィン系プラスチックフィルム面相互を接合
してヒートシールすることにより、それらを溶融させて
強固に接着することができる。それ故、生茸へ接着剤の
影響を与えることがなく好ましい。
【0017】前記微細孔は、前記袋体の内外を貫通する
孔であるが、その各々は、該袋体の中に入れるシリカゲ
ル又は塩化カルシウムが外に出てしまうことがないサイ
ズ、即ち、これらの混合物の各々の粒径よりも小さいサ
イズのである必要がある。またその数又は密度は、その
サイズを前提として、生茸から蒸散する水分を吸収又は
放出するために必要な量の空気が、袋体の内外を流通で
きる程度であればよい。例えば、その微細孔は、その口
径を0.2〜0.4mm程度に開口し、隣接する相互の
間隔を6〜8mm程度に設定するのが適当である。
【0018】前記袋体に封入するシリカゲル及び塩化カ
ルシウムの混合物は、パックされている生茸から蒸散し
た水分を吸収するための構成要素であり、これによって
生茸から蒸発した水分がパック中で結露し、これが生茸
に付着してその鮮度を低下させるのを防止する構成要素
である。このように鮮度保持のために生茸から蒸散した
水分を吸収する部材としては、種々のそれが考えられる
が、本発明者の実験によれば、この混合物以外では良い
結果は得られない。
【0019】例えば、このような生茸から蒸散した水分
を吸収するための構成要素としては、シリカゲルの単
体、塩化カルシウムの単体、シリカゲルとゼオライトと
の混合物、シリカゲルと高吸水性樹脂との混合物、シリ
カゲルとゼオライトと高吸水性樹脂との混合物、ゼオラ
イトと塩化カルシウムとの混合物、ゼオライトと高吸水
性樹脂との混合物、塩化カルシウムと高吸水性樹脂との
混合物等が検討の余地があり、それぞれ生椎茸に同封状
態でフィルムパックする試験を繰り返してみたが、結露
を防止する作用が不充分で、良い結果は得られなかっ
た。結局、このような構成要素としては、シリカゲル及
び塩化カルシウムの混合物のみが有効であることが分か
ったものである。
【0020】またこのような生茸から蒸散した水分を吸
収するための構成要素であるシリカゲル及び塩化カルシ
ウムの混合物は無機系の薬品であるが、人畜に無害であ
り、食材である生茸に接触させても問題がないものでも
ある。
【0021】このシリカゲル及び塩化カルシウムの混合
物を構成する各々は、適度のサイズ、例えば、直径2〜
3mm程度の球状であることが好ましい。各々の形状を
球状とすることにより、前記袋体の中で相互に接触した
際に、その衝撃や摩擦によって粉化することが少ないた
めである。
【0022】このシリカゲル及び塩化カルシウムの混合
物の混合比は、シリカゲル100重量部に対して塩化カ
ルシウム1〜120重量部の範囲とするのが適当であ
る。混合比をこのような比率にすると、生茸をプラスチ
ックフィルムでパックして保存する場合に、パック内の
雰囲気湿度の上昇に伴い、上記混合物がスピーディかつ
充分に水分を吸収する。特に塩化カルシウムのスピーデ
ィな吸湿作用により結露を防止し、その保持し得ない水
分をシリカゲルが吸収する。また雰囲気湿度が低くなる
と上記混合物、特にシリカゲルから水分を除々に放出
し、生茸の無用の乾燥を防止し得る事となる。即ち、こ
のような比率の混合物を用いることにより、パック内の
雰囲気湿度を常に適度に保つことが出来ることとなる。
【0023】その結果、パック中で、生茸から蒸発した
水分が結露して再び生茸に付着し、これによって生茸に
著しい変色を生じさせたり、腐敗を生じさせたりするこ
とを防止すると共に、パック内の雰囲気湿度が低下して
生茸に無用の乾燥が生じることをも防止し、これらを通
じて生茸の鮮度を良好に保持した状態で保存が出来るよ
うになる。
【0024】前記シリカゲル及び塩化カルシウムの混合
物の混合比は、以上の範囲外、即ち、シリカゲル100
重量部に対して塩化カルシウム1重量部未満では塩化カ
ルシウムの混合効果、即ち、スピーディな吸湿作用によ
るパック内面への結露防止効果が充分に発揮されず、ま
た塩化カルシウム120重量部を越えるとその保持し得
ない水分のシリカゲルへの吸収が不充分になるおそれが
ある。塩化カルシウムは、前記範囲内の混合比でシリカ
ゲルと混合して用いる限り水分によるベタ付きを生ずる
ことがない。
【0025】次に本発明の生茸用鮮度保持材の使い方を
説明する。この生茸用鮮度保持材は生茸と共存状態で使
用するものである。例えば、生茸をプラスチックフィル
ム等でパックする際に、該生茸用鮮度保持材を該生茸に
同封し、これによって生茸と共存状態にする。生茸はこ
のように生茸用鮮度保持材と共存した状態で常温で保存
する。
【0026】このように生茸をプラスチックフィルム等
のパック中で本発明の生茸用鮮度保持材と共存させる
と、該生茸から蒸発する水分は、該生茸用鮮度保持材の
シリカゲル及び塩化カルシウムの混合物によって吸収さ
れることとなり、パック中で結露が生じるようなことは
ない。そのため、結露による水滴が生茸に付着するよう
なことがなく、それ故、水滴の付着に起因して生茸が著
しい変色を起こしたり、腐敗して異臭を発生したりする
ような問題が生じる余地はない。またパック内の湿度が
低下した場合には、生茸用鮮度保持材のシリカゲル及び
塩化カルシウムの混合物、特にシリカゲルに吸収保持さ
れていた水分が放出され、湿度を適切に保持するので、
共存する生茸が無用に乾燥し、萎れてしまうような問題
も生じない。
【0027】同時に袋体の内側のポリオレフィン系プラ
スチックフィルムに添加されている無機抗菌剤が作用
し、前記シリカゲル及び塩化カルシウムの混合物による
湿度調整作用と相俟って、生茸に付着している雑菌類の
繁殖が防止され、その変色、腐敗、異臭の発生及び黴の
発生等が防止されることとなる。
【0028】また本発明の生茸用鮮度保持材は、その袋
体の外側が木材繊維シートで構成されているため、パッ
ク中で共存する生茸がこれに接触しても、その内側のポ
リオレフィン系プラスチックフィルムとの間に通気空間
が僅かながら確保できることとなる。それ故、ポリオレ
フィン系プラスチックフィルムに直接接触することによ
って生じる問題点、即ち、生茸をパック中から取り出す
際に、該プラスチックフィルムに接触している部分の表
皮が剥がれるおそれや、変色のおそれを回避することが
できることとなる。
【0029】したがって、前記のように、パック中で生
茸を本発明の生茸用鮮度保持材と併存させると、生茸を
常温で保存していても、生茸の鮮度や味覚等の品質を良
好に保持しながら今までより長い期間の保存が可能とな
る。またパック中で生茸を本発明の生茸用鮮度保持材と
併存させると、生茸の輸送中や買い物客がこれを持ち帰
る際等の品質の劣化し易い状態の中でも、鮮度を良好な
状態に保持することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明の生茸用鮮度保持
材の効果を具体的に説明する。
【0031】<実施例1>広葉樹の短繊維で製造した坪
量60g/m2の木材繊維シートの一方の面に、Tダイ
を付設したラミネーターによって無機抗菌剤の酸化亜鉛
を3%添加したポリエチレン樹脂を0.025mmの厚
みにラミネートし、このポリエチレン樹脂をラミネート
した木材繊維シートにニードルパンチ方式によって口径
0.3mmの多数の微細孔を隣接する相互の間隔が7m
mになるように開口した。次いでこのポリエチレン樹脂
をラミネートした木材繊維シートを縦80mm×横80
mmの正方形に断裁し、断裁した二枚のシートを、相互
のポリエチレン樹脂をラミネートした面が対面するよう
に重ね合わせ、その三辺をヒートシーラーで封をして二
重構造の袋体を構成した。この袋体の中には下記に示す
成分配合の水分調整用の混合物を入れ、開口部となって
いた残りの一辺をヒートシーラーで封をして実施例1の
生茸用鮮度保持材を得た。
【0032】〔水分調整用の混合物〕 シリカゲル(平均球径2.5mm) 10g 塩化カルシウム(平均球径2.5mm) 0.1g
【0033】<実施例2>実施例1と同様にして製造し
た三辺封着の袋体の中に、下記に示す成分配合の水分調
整用の混合物を入れ、開口部となっていた残りの一辺を
ヒートシーラーで封をして実施例2の生茸用鮮度保持材
を得た。
【0034】〔水分調整用の混合物〕 シリカゲル(平均球径2.5mm) 10g 塩化カルシウム(平均球径2.5mm) 0.5g
【0035】<実施例3>実施例1と同様にして製造し
た三辺封着の袋体の中に、下記に示す成分配合の水分調
整用の混合物を入れ、開口部となっていた残りの一辺を
ヒートシーラーで封をして実施例3の生茸用鮮度保持材
を得た。
【0036】〔水分調整用の混合物〕 シリカゲル(平均球径2.5mm) 10g 塩化カルシウム(平均球径2.5mm) 1g
【0037】<実施例4>実施例1と同様にして製造し
た三辺封着の袋体の中に、下記に示す成分配合の水分調
整用の混合物を入れ、開口部となっていた残りの一辺を
ヒートシーラーで封をして実施例4の生茸用鮮度保持材
を得た。
【0038】〔水分調整用の混合物〕 シリカゲル(平均球径2.5mm) 10g 塩化カルシウム(平均球径2.5mm) 2g
【0039】<試験準備>縦110mm×横180mm
×深さ22mmの発泡ポリスチレン製のトレイを40枚
用意し、これを10枚ずつの4組に分け、4組の各10
枚のトレイを実施例1〜4の各々に対応させ、かつ実施
例1〜4までの各実施例の生茸用鮮度保持材を各々10
個ずつ用意して各組のトレイの各々に一個ずつ載せ、そ
うした上で、各トレイに120g程度の生椎茸を載せ
て、各トレイ毎にその全体を厚さ0.03mmのポリエ
チレンフィルムで包んで密封した。
【0040】また比較例として、実施例で用いたのと同
様の発泡ポリスチレン製のトレイを50枚用意し、これ
を10枚ずつの5組に分け、5組の各10枚のトレイを
比較例1〜5の各々に対応させ、かつ各比較例毎に10
個ずつ以下に示す内容の装入物を用意して各組のトレイ
の各々に一個ずつ載せ、そうした上で、各トレイ毎にそ
の全体を実施例で用いたのと同様の厚さ0.03mmの
ポリエチレンフィルムで包んで密封した。
【0041】<比較例1の装入物>120g程度の生椎
茸のみ。
【0042】<比較例2の装入物>120g程度の生椎
茸と、その下に敷く以下の物、即ち、坪量60g/m2
の汎用の上質紙(酸化亜鉛未添加)のシートに、ニード
ルパンチ方式により口径0.3mmの多数の微細孔を相
互に7mm間隔で開口し、このシートを縦80mm×横
80mmの正方形に断裁してその二枚を重ね、その三辺
を澱粉糊で封をして袋体を構成し、その中に実施例1で
用いた水分調整用の混合物を入れて、開口部となってい
た残りの一辺を澱粉糊で封をした物。
【0043】<比較例3>120g程度の生椎茸と、そ
の下に敷く以下の物、即ち、無機抗菌剤として酸化亜鉛
を3%添加した厚さ0.025mmのポリエチレンフィ
ルムにニードルパンチ方式により口径0.3mmの多数
の微細孔を相互に7mm間隔で開口し、このフィルムを
縦80mm×横80mmの正方形に断裁してその二枚を
重ね、その四辺をヒートシーラーで封をして中に何も入
れていない袋体に構成した物。
【0044】<比較例4>120g程度の生椎茸と、そ
の下に敷く以下の物、即ち、無機抗菌剤として酸化亜鉛
を3%添加した厚さ0.025mmのポリエチレンフィ
ルムにニードルパンチ方式により口径0.3mmの多数
の微細孔を相互に7mm間隔で開口し、このフィルムを
縦80mm×横80mmの正方形に断裁してその二枚を
重ね、その三方向の周辺部をヒートシーラーで封をして
袋体を構成し、その中に実施例1で用いた水分調整用の
混合物を入れて、開口部となっていた残りの一辺をヒー
トシーラーで封をした物。
【0045】<比較例5>120g程度の生椎茸と、そ
の下に敷く以下の物、即ち、実施例1と同様に製造した
袋体の中に、シリカゲル(平均球径2.5mm)10g
だけを入れて、開口部となっていた残りの一辺をヒート
シーラーで封をした物。
【0046】<試験方法>実施例1〜4、比較例1〜5
として準備したポリエチレンフィルム包装の各々10パ
ックずつのトレイの上の生椎茸の様子を、準備直後から
7日間にわたって1日1回定時にフィルムパックの外側
から観察して、次に示した判定基準により保存状態の判
定を行った。またこれと同時に、生椎茸の色の変化、水
滴の付着状態、黴の発生状態の観察し、更に7日後にフ
ィルムパックから生椎茸を取り出した際の表皮の剥がれ
具合を観察し、これらの判定及び観察結果を、表1、表
2及び表3にまとめて示した。 〔判定基準〕 ◎・・・極めて良好 ○・・・良好 △・・・やや
問題あり ×・・・不可 ××・・・全く不可
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】<観察結果からの考察>表1、表2及び表
3からも判るように、実施例1〜4の生茸用鮮度保持材
を共存させてパックした生椎茸は、3日後になって初め
て生椎茸の色の変化や結露の発生が始まっているのに対
して、比較例1〜5の結果では、1日後〜2日後から結
露の発生や生椎茸の色の変化等が始まっている。
【0051】即ち、実施例1〜4の生茸用鮮度保持材を
用いてパックした場合には、比較例1〜5と比べて、結
露の発生や生椎茸の色の変化が2日程度遅れて始まると
いうことであり、その分だけ生椎茸の鮮度を長く保持で
きていると判断することができる。そしてこのような生
椎茸の変化を2日程度遅れさせ得ると云うことは、生鮮
食品である生茸を取扱う場合には大きなメリットとな
る。
【0052】無機抗菌剤の酸化亜鉛を用いた実施例1〜
4及び比較例3〜5では、全く白黴や青黴などの発生は
認められず、他方、全く用いていない比較例1及び2で
は3日後以降から白黴や青黴の発生が認められた。これ
らから無機抗菌剤の酸化亜鉛が黴の発生防止にはかなり
の効果があることが判る。
【0053】また無機抗菌剤の酸化亜鉛は、これを用い
た実施例1〜4及び比較例3〜5と、これを用いない比
較例1、2とを比較すると、前者の方が椎茸の色の変化
も遅い。これは椎茸に付着している雑菌の増殖を上記酸
化亜鉛が抑えているためと判断できる。各例毎に色の変
化の速度が異なるが、これは他の要素、即ち、水分調整
用の混合物の成分や配合比率及び袋体の構成との関係で
違ってくるものであり、色の変化や雑菌の増殖も、無機
抗菌剤と袋体の構成と水分調整用の混合物との相乗効果
で速度が低下するものと理解できる。
【0054】比較例2〜4では、パックを開いた際に、
パック中の若干の椎茸の表皮が剥離したことが示されて
いるが、これは、表面が平滑な上質紙(比較例2)やポ
リエチレンフィルム(比較例3、4)に椎茸の表皮が強
く付着してしまったためと理解される。比較例1でも、
パックを開いた際に、表皮の剥離が見られるが、これは
椎茸が腐敗したことに大きな原因があると理解される。
これに対して、実施例1〜4及び比較例5ではパックを
開いた際にも全く椎茸の表皮剥離が生じていない。これ
は、それぞれの袋体の外側が木材繊維シートで構成され
ており、椎茸表皮の付着が容易に起こらないものである
からと理解できる。
【0055】水分調整剤として袋体中にシリカゲルのみ
を充填した比較例5は、塩化カルシウムを併用したもの
とは違ってパックフィルムへの結露の付着がやや早くな
っている。シリカゲル単独では、パック内の湿度が高く
なると水分を吸収し、低くなると水分を放出する調湿作
用があることは認められるが、それはやや緩やかであ
り、生茸から急激に放出されると、これをスピーディに
吸収して結露を防止する作用にやや欠ける点があるよう
に思われる。
【0056】これに対して、実施例1〜4のように、袋
体に充填した水分調整用の混合物をシリカゲルと塩化カ
ルシウムとから構成した場合には、比較例5とは異な
り、上記のようなシリカゲルの欠点を塩化カルシウムで
補い得、そのため、急激な水分の放出から生じる結露の
発生が防止できているとともに、パック内の湿度が高く
なると水分を吸収し、低くなると水分を放出する調湿作
用を確保しているものと判断できる。
【0057】
【発明の効果】本発明の1の生茸用鮮度保持材によれ
ば、生茸をプラスチックのトレイ等に載せてポリオレフ
ィン系プラスチックフィルムでパックして保管、陳列又
は輸送等をする場合に、これを生茸と共存させて置く
と、袋体の中に入れたシリカゲルと塩化カルシウムの混
合物の共同作用により生茸から急激に蒸散する水分をス
ピーディに吸収し、またパック内の湿度が低下するよう
なことがあればこれを放出することとなるため、パック
内を適度の湿度に維持することができる。
【0058】その結果、プラスチックフィルムのパック
中で結露が生じるようなことが少なくなり、それ故、結
露水が生茸に付着するようなことも減少し、袋体を構成
する木材繊維シート及び無機抗菌剤の作用効果と相俟っ
て、生茸の変色、黴の発生、更には腐敗等が起こり難く
なり、生茸の鮮度を比較的長い間保つことができるよう
になる。またパック内の湿度低下によって生茸が萎れる
ようなこともない。
【0059】またこの生茸用鮮度保持材を構成する材料
は、いずれも容易に安価に入手できるものであって、生
茸と直接に接触しても安全なものである。また使用後に
これを廃棄する際には、家庭から排出されるゴミと一緒
に処理しても安全に処分することができるものである。
【0060】また抗菌剤には、無機抗菌剤を採用したの
で生茸の食味を変えるようなこともなく、長期間、安定
して雑菌の繁殖を抑える抗菌効果を発揮するものであ
る。
【0061】また本発明の2の生茸用鮮度保持材によれ
ば、外側とする木材繊維シートと、内側とするポリオレ
フィン系プラスチックフィルムとが、互いにずれてしま
ったり、皺になってしまったりすることのない袋体を容
易に製造し得る。
【0062】また本発明の3の生茸用鮮度保持材によれ
ば、生茸をプラスチックフィルムでパックして保存する
場合に、前記シリカゲルと塩化カルシウムの混合物の混
合割合が適切であるため、生茸からの水分の放出が急激
でパック内の雰囲気湿度が急速に高くなろうとしたとし
ても、特に、前記シリカゲルと塩化カルシウムの混合物
中の塩化カルシウムがスピーディにこれを吸収し、その
保持しきれない水分をシリカゲルが適切に吸収しうるこ
ととなるため、パック内の雰囲気湿度の上昇を速やかに
抑え得る事となるとともに、混合物周辺を乾燥した状態
に保持しうることとなるものである。また前記混合物中
の特にシリカゲルの調湿作用により、乾燥過度となって
生茸が萎れて鮮度が落ちるようなことも防止できるもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 85/50 B65D 85/50 C Fターム(参考) 3E035 AA12 AB01 BA08 BB02 BC01 BC02 BD01 3E067 AB01 AB08 AB99 BB14A EE25 GB12 GC05 GD01 4F100 AA00B AK03B AP01A BA02 BA07 DC11 DG01A EH23B GB16 JC00B JL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側を木材繊維シートで、内側を無機抗
    菌剤を添加したポリオレフィン系プラスチックフィルム
    で、二重構造の袋体に構成し、上記袋体に内外を貫通し
    た複数の微細孔を穿設し、かつ上記袋体の中にシリカゲ
    ル及び塩化カルシウムの混合物を封入した生茸用鮮度保
    持材。
  2. 【請求項2】 前記木材繊維シートの内面に前記ポリオ
    レフィン系プラスチックフィルムをラミネートした請求
    項1の生茸用鮮度保持材。
  3. 【請求項3】 前記シリカゲル及び塩化カルシウムの混
    合物の混合比が、シリカゲル100重量部に対して塩化
    カルシウム1〜120重量部である請求項1又は2の生
    茸用鮮度保持材。
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