JP2003205013A - 可撓性複室容器 - Google Patents

可撓性複室容器

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JP2003205013A
JP2003205013A JP2002039312A JP2002039312A JP2003205013A JP 2003205013 A JP2003205013 A JP 2003205013A JP 2002039312 A JP2002039312 A JP 2002039312A JP 2002039312 A JP2002039312 A JP 2002039312A JP 2003205013 A JP2003205013 A JP 2003205013A
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Fumio Murai
文男 村井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 隔離して収容した収容物が意に反して混合さ
れることがないとともに混合操作が容易な複室容器を提
供する。 【解決手段】 複数の収容室3、4を有する可撓性複室
容器1であり、収容空間17が連通可能な仕切部13に
より複数の収容室3、4に仕切られた容器本体5と、収
容室3、4と液密に区画された区画室8、並びに容器本
体5の容器壁11を介して開放操作可能な隔離部23を
備えて、収容室4内に収容された収容容器10とを有
し、容器本体5の容器壁11の変形可能量が、仕切部1
3の連通前には隔離部23の開放可能量より小さく、か
つ仕切部13の連通後には開放可能量より大きくなって
いて、これにより、仕切部13と隔離部23との開放順
序を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の収容物を隔離
して収容し、使用前に外気に晒すことなく混合すること
ができる複室容器、特に、隔離して収容した収容物が意
に反して混合されることがないとともに混合操作が容易
な可撓性複室容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、輸液等の医療用容器、食品容器、
化粧品容器などの分野では、連通可能な仕切部により仕
切られた複数の収容室を有する複室容器が多用されてい
る。このような複室容器は、複数の収容室にそれぞれ隔
離して収容物を収容しておき、使用前に仕切部を連通さ
せることにより、各収容室の収容物を外気に晒すことな
く混合し、排出させることができるように構成されてい
る。この複室容器の連通可能な仕切部としては、容器の
内壁面同士を剥離可能に溶着することにより形成された
弱シール部が多く採用されている。弱シール部は、収容
室の容器外壁を押圧することにより内圧を増加し、この
内圧により剥離することが可能となっていて、混合操作
が容易である。ところが、弱シール部はシール強度が弱
いため、保存時などに収容室に不測の力が作用すると、
意に反して剥離し、収容物が混合してしまうという欠点
を有していた。そのため、使用時以前に各収容室の成分
が混合されることを確実に防止するには、弱シール部の
剥離を確実に防止する必要があり、従来は、複室容器を
弱シール部に沿って折り曲げ、該弱シール部に接合面同
士を互いに押付ける力を付勢することなどにより剥離を
防止していた。
【0003】しかしながら、多複数の連通可能な仕切部
により多数の収容室が仕切られた複室容器の場合、各仕
切部の連通を確実に防止するには、仕切部毎に容器を十
分に折り曲げなければならず困難であり、さらに他の連
通手段を用いたとしても全ての仕切部の連通を確実に防
止することは容易ではない。一方、弱シール部のシール
強度を高くするなど、複数の仕切部を連通しにくい構成
にすれば、意に反する仕切部の連通を防止することは可
能であるが、使用時に連通操作に手間がかかり、混合操
作が困難になる。そのため、全ての仕切部の意に反する
連通を確実に防止できるともに混合操作が容易な複室容
器未だ使用されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するためになされたものであり、隔離して
収容した収容物が意に反して混合されることがないとと
もに混合操作が容易な複室容器を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の複室容器は、複
数の収容室を有する可撓性複室容器において、連通可能
な仕切部により収容空間が複数の収容室に仕切られた容
器本体と、前記収容室と液密に区画された区画室、並び
に前記容器本体の容器壁を介して開放操作可能な隔離部
を備えて、前記収容室内に収容された収容容器とを有
し、前記容器本体の容器壁の変形可能量が、前記仕切部
の連通前には前記隔離部の開放可能量より小さく、かつ
前記仕切部の連通後には該開放可能量より大きくなるこ
とを特徴とする。
【0006】本発明によれば、連通可能な仕切部により
仕切られた収容室に容器本体の容器壁を介して開放操作
可能な隔離部を備えた収容容器が配置された状態で、容
器本体の容器壁の変形可能量が、仕切部の連通前には前
記隔離部の開放可能量より小さく、かつ、仕切部の連通
後には開放可能量より大きくなっているので、仕切部を
連通する前には隔離部を開放することができず、仕切部
の連通後でなければ隔離部を開放することができない。
そのため、複数の収容室と区画室との開放順序を特定す
ることができ、各室内の収容物の混合順序を特定するこ
とができる。また、仕切部を連通させない限り隔離部を
開放することができないので、仕切部を確実に非連通状
態に維持しておくだけで、仕切部と隔離部の両方の開放
を防止することができる。
【0007】また、本発明においては、隔離部が容器本
体の容器壁を介して区画室の壁材を押圧することにより
剥離できる弱シール部、或いは隔離部が容器本体の容器
壁を介して区画室の壁材を押圧することにより破断でき
る壁材であると、容器本体を外側から押圧するだけで隔
離部が開放できるため、容器本体を介して行う隔離部の
開放操作が容易である。しかも、隔離部の開放操作が容
易であるにも拘わらず、収容容器が収容室内に配置され
て該収容室内の収容物により保護されているため、隔離
部を開放するために必要な力を極めて低く設定しても、
外部から不測の力が作用しても隔離部が開放されること
がなく、隔離部の保存時の安定性と開放時の操作性とを
同時に得ることができる。さらに、収容容器の壁材が容
器本体の容器壁に接合されていると、収容容器の隔離壁
を容器本体の容器壁を介して押圧して開放する際、収容
空間内で収容容器が移動しにくく、開放操作が容易であ
る。また、仕切部が、前記容器本体の内壁面同士を剥離
可能に溶着した弱シールからなると、仕切部の連通によ
り該仕切部を構成する容器壁同士が離間方向に変形可能
となるため、仕切部の連通前後において、収容空間の満
容量を大きく増加させることができ、これにより容器本
体の容器壁の変形可能量を大きく増加させやすい。その
ため、収容容器の隔離部の開放操作をさらに容易にする
ことができる。さらに、複室容器が収容物を収容した状
態で加熱処理される容器であると、加熱処理時に収容容
器が収容室内に配置されているため、区画室内の収容物
が収容室内の収容物の温度変化に応じて加熱される。そ
のため、区画室内の収容物が収容室内の収容物に比べて
過剰に加熱処理されることを確実に防止できる。また、
区画室を複数有し、該複数の区画室が互いに連通不能な
区画部により区画されていると、区画室の壁材を押圧し
た際に、他の区画室との間が連通することがないので、
各区画室内を加圧しやすく、隔離部を開放させやすい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図を用
いて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す正面
図、図2はその縦断面図である。図において、1は複室
容器であり、複数の収容室3、4を有する容器本体5
と、複数の区画室8を有して収容室4に収容された収容
容器10とからなる。容器本体5では、複数の収容室
3、4間が容器壁11の内壁面同士を剥離可能に熱溶着
した弱シールからなる仕切部13により仕切られてい
て、上下両端を含む周囲が密封シール部15により密封
されている。この密封シール部15により密封された容
器壁11の内部が収容空間17である。また、下端の密
封シール部15には収容空間17内の収容物の排出口1
8を有していて、ゴム栓等により密封されている。収容
容器10では、壁材19の内壁面同士を剥離不能に熱溶
着した強シールからなる区画部21により両側部10a
及び区画室8間が区画され、壁材19の内壁面同士を剥
離可能に熱溶着した弱シールからなる隔離部23により
下端部が収容室4と隔離され、容器本体10の密封シー
ル部15に上端部が配置されて一体に溶着されることに
より密封されている。この区画室21は複数個設けられ
ているが、図では3室の例を記載している。また密封シ
ール部15、区画部21及び隔離部23により区画され
た壁材19の内部がそれぞれ区画室8である。この区画
室21は、収容室より小さく、好ましくは収容室4の容
積の1/10以下となっている。
【0009】さらに、収容容器10の隔離部23は、区
画室8の壁材19を押圧することにより、剥離して開放
できる強度に溶着されている。また、容器本体5の容器
壁11は、容器壁11を介して収容容器10の壁材19
を押圧できる程度に可撓性を有し、しかも、収容物を収
容して収容空間17が密封された状態における変形可能
量が、仕切部13の非連通状態、即ち連通前の状態にお
いては隔離部23の開放可能量より小さく、仕切部13
の連通状態、即ち、連通後の状態においては隔離部23
の開放可能量より大きくなっている。ここで、容器本体
5の容器壁11の変形可能量とは、収容容器10が収容
された収容室4に対応する容器壁11を押圧する若しく
は引き離す、または歪めるなどの変形を生じさせた際に
容器壁11が変形できる量である。この量は、通常、収
容室4または収容空間17の満容量と収容物の収容量と
の差に比例し、容器壁11の可撓性、収容物の圧縮性、
温度等の種々の要因により変動するものであり、収容容
器10を収容した収容室4の収容物量が満容量のときに
は最小となり、空の状態では最大となるものである。ま
た、収容容器10の隔離部23の開放可能量とは、収容
容器10が収容された収容空間17に対応する容器壁1
1を介して隔離部23の開放操作を行う際、該隔離部2
3を開放するために必要な容器本体5の容器壁11の変
形量である。この開放可能量は、隔離部23を開放する
方法に応じて異なり、例えば壁材を破断させる容器で
は、該破断を生じる程度に収容容器の壁材を変形させる
のに必要な容器本体の容器壁の変形量であり、予め形成
された連通穴を閉塞する部材を破断させることにより連
通させる所謂クリックチップ方式の容器では、該連通穴
の閉塞部材を破断するために必要な容器本体の容器壁の
変形量である。この実施形態では、容器壁11を介して
収容容器10の壁材19を押圧することにより区画室1
9の内圧を増加させて弱シールからなる隔離部23を剥
離させるものであり、該剥離を生じる程度に収容容器1
0の壁材19を変形させるのに必要な容器本体5の容器
壁11の変形量である。
【0010】次に、このような複室容器1の収容対象に
ついて説明する。この複室容器1の収容対象としては、
製造時または保存時に、隔離して収容しておき、使用前
に混合するような複数の成分であり、例えば複数の成分
を隔離して収容した輸液等の薬剤、クリーム、ローショ
ン、ヘアカラー等の化粧品、調味料、飲料等の食品な
ど、任意の収容物を収容することができる。この実施形
態では、収容室3、4に、例えば使用前に混合される同
一又は異なる輸液が収容されている。この輸液として
は、アミノ酸、糖、脂肪、及び電解質の1種または2種
以上を含有する輸液が挙げられる。ここでは収容室3に
はアミノ酸或いはアミノ酸及び電解質含有液が収容さ
れ、収容室4には糖或いは糖及び電解質含有液が収容さ
れている。一方、複数の区画室8には、少なくとも2種
以上のビタミンが、少なくとも一部のビタミンを他のビ
タミンと隔離するように、別々に収容されている。他の
ビタミンの一部が収容室3、4に収容されていてもよ
い。このビタミンとしては、ビタミンA、D、E、K等
の脂溶性ビタミン、ビタミンB1、B2、B6、B1
2、C、ニコチン酸、パンテノール、ビオチン、葉酸等
の水溶性ビタミンなどが挙げられる。このようなビタミ
ンは、区画室8内に、粉体等の形態で収容してもよい
が、混合を容易にするために水性のビタミン含有液とし
て収容するのが好ましい。ビタミン含有液は、ビタミン
A、D、E、K、等の脂溶性ビタミンの場合、界面活性
剤等の可溶化剤を用いて水性媒体中に分散した分散液と
して、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、ニコチ
ン酸、パンテノール、ビオチン、葉酸等の水溶性ビタミ
ンの場合、水溶液とすることができる。二種以上のビタ
ミンを区画室8に収容するには、個々に別々の区画室8
に収容すれば全ビタミンを安定に維持することができて
好ましいが、複数のビタミンを収容するには多数の区画
室8が必要となるため製造に手間が掛かる。そのため、
多数のビタミンを、同一又は類似の性質を有するもの同
士で組合わせて分類して収容するのが好ましい。この分
類のためのビタミンの性質としては、例えば脂溶性ビタ
ミンと水溶性ビタミンの差、単味製剤における安定pH
域の差、容器内壁面への吸着性の差、光若しくは空気に
対する安定性の差、粉体と液体の差、各ビタミン同士或
いは他の成分との相互作用の差等が挙げられる。これら
の性質による分類は、それぞれ単独で適用することが可
能であるが、複数の性質による分類を合わせて適用する
ことにより、よりビタミンを安定に維持することができ
る。
【0011】具体的には、多種類のビタミンを区画室8
に収容する場合、例えば、複数の区画室8のうち、一つ
の区画室8に脂溶性ビタミンを収容し、残りの区画室8
内をそれぞれ異なるpHに調整したり、さらに収容室
3、4と異なるpHに調整して水溶性ビタミンをそれぞ
れ安定pH域に応じた区画室8に収容したり、或いは水
溶性ビタミンの内、ビタミンB1のように特に安定pH
域が低いものを単独で別の区画室に収容したり、ビタミ
ンCのように他ビタミンとの相互作用が多くて抗酸化剤
を多く必要なものを単独で別の区画室8に収容すること
ができる。より具体的には、3つの区画室8を有する収
容容器10の場合、1つの区画室8に脂溶性ビタミンを
収容し、残りの区画室8を異なるpHに設定して両室に
それぞれ水溶性ビタミンを安定pH域に応じて収容する
ことができる。例えば、第1の区画室8にビタミンA、
D、E、K、B2、Cを収容してpH4〜6に、第2の
区画室8にビタミンB1、B6、B12を収容してpH
3〜5に、第3の区画室8にパンテノール、ビオチン、
葉酸、ニコチン酸を収容してpH5〜7に調整すること
ができる。また、4つの区画室8を有する収容容器10
の場合、ビタミンA、D、E、K、B2を収容してpH
4〜6に調整した区画室8、ビタミンB1、B6、B1
2を収容してpH3〜5に調整した区画室8、ビタミン
Cを収容してpH5.6〜7.4に調整した区画室8、
パンテノール、ビオチン、葉酸、ニコチン酸を収容して
pH5〜7に調整した区画室8を設けることができる。
また、5つの区画室8を有する収容容器10の場合、ビ
タミンA、D、E、K、B2を収容してpH4〜6に調
整した区画室8、ビタミンB1を収容してpH2.5〜
4.5に調整した区画室8、ビタミンCを収容してpH
5.6〜7.4に調整した区画室8、ビタミンB6、B
12を収容してpH4〜6に調整した区画室8、パンテ
ノール、ビオチン、葉酸、ニコチン酸を収容してpH5
〜7に調整した区画室8を設けることができる。
【0012】次に、複室容器1の容器本体5の容器壁1
1の材料について説明する。容器本体5の容器壁材料と
しては、容器壁11を介して収容容器10の隔離部23
の開放操作が可能な程度に変形させることができる可撓
性を有していれば特に限定されるものではないが、合成
樹脂を採用することができる。医療用容器として使用す
る場合、医療用容器として安全性が認められる樹脂層を
少なくとも最内層に有するものが好ましい。他の層に非
樹脂層を有してもよい。この実施形態の輸液容器の内層
に使用される医療用容器の樹脂は、内容物の薬剤に影響
を与えず、溶出物が生じないものが好ましく、例えばポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合
体、アイオノマー、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、
ポリスルフォン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、シリコン樹脂、ポリブタジエン樹脂など
の樹脂が挙げられ、特にポリオレフィン系樹脂が好まし
い。ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブチレン等のαオレフィン樹脂、
環状ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル共重合体、アイオノマー、或
いはこれらの混合物などが挙げられる。ここでは、内層
に使用する樹脂として、内層同士を低温で不完全に溶着
することにより剥離可能な弱シールを形成できるととも
に、高温で完全に溶着することにより剥離不能な強シー
ルが形成できる樹脂を選択するのが好ましく、例えばα
オレフィン樹脂を選択することができ、直鎖状低密度ポ
リエチレンとポリプロピレンとの混合物からなる樹脂が
好適である。本発明では、このような樹脂を最内層に使
用し、単層、あるいは多層の樹脂積層体として、インフ
レーション成形、押出成形、射出成形、ブロー成形、若
しくは真空成形などにより形成したフィルム、チュー
ブ、あるいは成形体を必要により溶着することにより使
用することができる。この実施形態の容器本体1は、イ
ンフレーションチューブを使用している。
【0013】なお、収容室3、4のガス透過性を低下す
るために、ガス透過性の低い樹脂層を積層してもよく、
樹脂層の表面、裏面、両面、或いは中間層に金属、無機
物等からなる非樹脂層を積層してもよい。ガス透過性の
低い樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ
エチレンナフタレート、ポリビニルアルコール、エチレ
ンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ナ
イロン等のポリアミド、セロファン等の樹脂が挙げられ
る。また、ガス透過性の低い非樹脂層としては、例えば
アルミ等の金属薄膜層、アルミナ蒸着層、シリカ蒸着層
などのセラミック蒸着層などが挙げられる。さらに、収
容室に入射する光を緩和或いは遮断するために、遮光フ
ィルム、色付フィルムで外層を被覆してもよい。このよ
うな空気または/及び光を透過し難い材料を積層する場
合、一部の収容室にのみ積層して、前記のような材料の
使用量を少なくしてもよい。
【0014】一方、収容容器10の壁材19の材料とし
ては、前記容器本体5の容器壁材料と同様な材料を選択
可能であるが、合成樹脂を用いて容器壁11に溶着する
場合には、少なくとも最外層を構成する樹脂が、容器壁
11の最内層を構成する樹脂と相溶性を有するのが好ま
しく、特に同一であるのが好適である。
【0015】次に、この複室容器1の製造方法について
説明する。上記のような構成の複室容器1を製造するに
は、前述のような容器壁11の材料を用いて容器本体5
を作製するとともに前述の壁材19の材料を用いて収容
容器を作製する。まず、容器本体1を形成するには、予
め形成されたインフレーションチューブを用いて、常法
に従って排出口18を配置した状態で下端及び必要によ
り上端の一部を剥離不能に熱溶着して強シールからなる
密封部15を形成するとともに、容器中間部分の内壁面
同士を剥離可能に熱溶着して弱シールからなる仕切部1
3を形成し、収容室3、4を形成する。また、収容容器
10を形成するには、収容室4の壁面より小さいインフ
レーションチューブを用いて、略同一方向に配向した複
数本の区画部21を剥離不能に熱溶着することにより形
成するとともに、該複数本の区画部21間の下端側に隔
離部23を剥離可能に熱溶着することにより形成して、
複数個の区画室8を形成する。このとき上端側の壁材1
9は所期の区画室8の長さより長く形成するのが好まし
い。また、上端側には、区画部21を形成せずに残して
おくと、充填工程で拡開させやすくなるため好ましい。
そして、この収容容器10を容器本体1の収容室4内に
配置し、収容容器10の複数個の隔離部23の外壁面を
構成する壁材19の少なくとも一部と容器本体5の内壁
面を構成する容器壁11とを溶着する。区画室8の外表
面を構成する壁材19と容器壁11とを溶着すると、区
画室内壁面同士が溶着する可能性があるからである。収
容容器10の上端側の壁材19を長く形成した場合に
は、壁材19の上端が容器本体5の容器壁11の上端よ
り上側に突出するように配置するのが好ましい。これに
より、収容室4及び各区画室8の上端が開口した状態の
複室容器が形成される。次に、各区画室8に収容容器1
0の上端側からそれぞれ異なるビタミン含有液を充填
し、必要により、各区画室8を熱溶着により密封する。
このとき、壁材19が容器壁11の上端より突出してい
ると、充填時に各区画室8の上端の開口部を該突出部分
を支持して拡開させやすくて好ましい。また、収容容器
10の各区画室8に収容物を充填した後、容器本体5内
に配置して溶着することも可能であるが、収容容器10
の外表面が汚染されるおそれが高くなるため、容器本体
5内に配置後に区画室8に充填するのが好ましい。さら
に、各区画室8の充填及び密封操作はそれぞれ順次行っ
てもよいが、各区画室8の開口部が上端に配列している
場合には、複数の注入針を有する充填設備を用いること
により各収容室8の充填を収容室8の数より少ない回数
の充填で行うことも可能である。ビタミン含有液を充填
後、容器本体1の上端の開口部分から収容室4にアミノ
酸含有液を充填し、収容容器10の上端部分を容器壁1
1間に挟持した状態で、該容器本体1の開口部分を剥離
不能に熱溶着して密封する。このとき、必要により、収
容容器10の上端の突出部分を切除したり、密封すると
同時に吊り下げフック用の開口部を形成してもよい。そ
して複室容器1を反転させて、排出口18から収容室3
に糖含有液を注入して密封する。このようにすれば、こ
の実施形態の収容物入り複室容器1を製造することがで
きる。なお、ここでは収容室4及び区画室8にそれぞれ
収容物を収容する際、収容物の収容量が調整されてい
る。収容容器10の収容量は任意に調整可能であるが、
収容室4の収容量は、収容容器10の壁材19を押圧し
て隔離部23を解放するために必要な壁材19の変形量
に応じて調整する。具体的には、容器本体10を密封し
た状態で収容室4の容器壁11を押圧して変形させたと
きに、収容容器10の壁材19を 隔離部23を解放で
きる程度に押圧することができないように調整してい
る。その後、収容物入り複室容器1をオートクレーブ中
に配置して高圧蒸気滅菌処理する等、加熱処理すること
により、製造を終了することができる。
【0016】次に、このように製造された複室容器1の
使用方法について説明する。まず、複室容器1を保存す
るには、容器本体5の仕切部13が剥離して収容室3、
4間が連通することがないように該仕切部13の接合面
同士を密着させるように保護して保存するのが好まし
く、例えば仕切部13を容器壁11の外側から挟持する
クリップ等を装着して固定したり、仕切部13に沿って
複室容器1を折り曲げた状態で保存することができる。
なお、前述の通り収容室4には十分な量の収容物が収容
されているので、仕切部13が連通しない限り、隔離部
23が解放することはなく、隔離部23に解放を防止す
るための何らの保護をさなくてもよい。
【0017】そして、この複室容器1を使用するには、
まず、仕切部13の保護を解除し、容器本体1の容器壁
11を外側から押圧し、或いは引き離すことにより、仕
切部13を剥離させて収容室3、4間を連通させる。こ
れにより各収容室3、4中の収容物が混合する。このと
き、収容室3、4は該収容室3,4の容積の和より大き
い容積を有する1つの収容空間17となる。次に、収容
空間17の容積が増加することにより、容器本体1の容
器壁11の変形可能量が増加するので、収容容器10に
対応する容器本体5の容器壁11を外側から押圧して変
形させ、該容器壁11を介して収容容器10の各区画室
8の壁材19を押圧して区画室8内の内圧を増加し、各
区画室8の隔離部23を剥離させることにより開放す
る。これにより、各区画室8内に収容されていた収容物
を収容空間17内に放出させ、収容空間内で収容室3、
4に収容されていた収容物と混合する。このようにして
各収容物を容器本体1の内部で外気に晒すことなく混合
した後、例えば吊下穴を用いてフックに吊り下げ、該排
出口18を密封したゴム栓に排出具の針を刺通するなど
により、排出口18から混合された収容物を排出するこ
とによりこの複室容器1を使用することができる。
【0018】以上のようなこの実施形態の複室容器1に
よれば、容器本体5の収容室4に収容容器10が収容さ
れているので、複室容器1の外形形状が複数の収容室
3、4の大きさ、即ち容器本体5の大きさであるにも拘
わらず、収容室の数より多い室を設けることができ、多
数の成分を多数の室に隔離して収容する複室容器をコン
パクトに形成することができる。特に、収容室3、4に
収容される収容物の量に比べて、例えば1/5以下、よ
り好ましくは1/10以下、特に好ましくは1/20以
下の量とする等、著しく少ない量の収容物を区画室10
に収容する容器として好適である。特に、輸液容器等の
ように使用時に吊り下げて使用する複室容器の場合、全
長を短くすることができれば、複室容器1を吊下げるた
めのフックの高さを低い位置に配置することができて好
ましい。また、区画室8が収容室4内に設けられている
ため、区画室8内の収容物が複室容器1の周囲の雰囲気
の影響を受けにくく、例えば区画室8内への外気中の酸
素等のガスの透過や、区画室8内の収容物の水等揮発し
やすい成分の周囲の雰囲気中への放出などを抑えること
ができ、保存時に区画室8内の収容物の変質を防止し易
い。また、複室容器1の外部から衝撃力等の力や熱など
が区画室8や収容容器10に伝わりにくく、保存安定性
がよい。しかも、連通可能な仕切部13により仕切られ
た収容室4に、容器本体5の容器壁11を介して開放操
作可能な隔離部23を備えた収容容器10が配置されて
いて、容器本体5の容器壁11の変形可能量が、仕切部
13の連通前には隔離部23の開放可能量より小さく、
かつ、仕切部13の連通後には開放可能量より大きくな
っているので、仕切部13を連通した後でなければ隔離
部23を開放することができず、そのため、複数の収容
室3、4と区画室8との開放順序を特定することがで
き、各室内の収容物の混合順序を特定することができ、
例えば多種類の収容物のうち、一部の収容物同士を先に
混合すると、発熱或いは吸熱が過剰になる場合やpH、
粘度等の物性などが大きく変化して残りの成分の混合が
不可能になる場合など、混合順序が特定される必要があ
る医薬、化学品、化粧品、食品等に好適に使用すること
ができる。また、仕切部13と隔離部23の開放順序が
特定されて、仕切部13を連通させない限り隔離部23
を開放することができないので、仕切部13を確実に非
連通状態に維持しておくだけで、仕切部13と隔離部2
3の両方の開放を防止することができる。そのため、隔
離部23を開放するために要する力を低く設定しておく
ことも可能である。
【0019】また、この実施形態では、隔離部23が容
器本体5の容器壁11を介して区画室8の壁材19を押
圧することにより剥離できる弱シールからなるので、容
器本体1をの外側から押圧するだけで隔離部23が開放
でき、容器本体5を介して行う隔離部23の開放操作が
容易であるとともに、隔離部23開放するために要する
力を低く設定しやすい。しかも、収容容器10が収容室
4内に配置されて、仕切部13の連通前には収容室4内
の収容物により保護されているので、隔離部23を開放
するために要する力を低く設定していても、仕切部13
の連通前には隔離部23が開放されることはなく、保存
時等に収容室4の容器壁11に外部からの不測の力が作
用しても隔離部23が開放されることがない。そのた
め、隔離部23の保存時の安定性と開放時の操作性とを
同時に得ることが容易である。このような隔離部23と
して、例えば弱シールの剥離強度を仕切部の剥離強度よ
り小さくすることができ、仕切部の剥離強度が0.5〜
3Kg/cmとすると0.2〜1.0Kg/cm、特に
好ましくは0.2〜0.5Kg/cmとすることも可能
である。さらに、収容容器10の壁材19の一部が容器
本体5の密封部15の容器壁11に接合されているた
め、収容容器10の隔離部23を容器本体5の容器壁1
1を介して押圧して開放する際、収容空間17内で収容
容器10が移動することがないため押圧しやすく、開放
操作が容易である。また、この複室容器1では仕切部1
3が剥離可能な弱シールからなるため、仕切部13の連
通により仕切部13を構成する容器壁11が変位可能と
なって、収容空間17の容積を大きく増加することがで
き、連通後に容器本体5の容器壁11の変形可能量を大
幅に増加することができる。そのため、容器壁11を介
して収容容器10の隔離部23を開放する操作が容易で
ある。さらに、複数の区画室8が互いに連通不能な区画
部21により区画されているので、隔離部23を開放す
るために壁材19を押圧して区画室8の内圧を増加させ
ても、他の区画室8との間の区画部21が連通すること
がなくて加圧しやすく、各区画室8の隔離部23の開放
操作が容易である。即ち、複数の区画室間が連通可能で
あると、一部の区画室を押圧した際、隔離部の開放前に
区画室間の弱シールが剥離して他の区画室との間が連通
し、収容物の一部が他の区画室に移動するため、該一部
の区画室が加圧できずに開放できなくなる。特に、区画
室の収容物量が少ない場合には顕著である。ところが、
本発明のように連通不能な区画部21により区画されて
いれば、他の区画室8との間が連通することがなく、各
区画室8を確実に加圧して隔離部23を確実に開放する
ことができる。
【0020】また、この複室容器1は収容物を収容した
状態で加熱処理される容器であり、収容室3、4に比べ
て小さい区画室8に収容物を収容して、収容室3、4に
収容された収容物と一緒に加熱処理されているが、区画
室8が収容室4内の収容物中に収容されているので、加
熱処理時には収容容器10の区画室8内の収容物が容器
本体5の収容液の温度変化に応じて加熱される。そのた
め、収容室4の収容物以上に加熱処理を受けることがな
い。即ち、加熱処理時には、通常、容器壁の表面積に応
じた熱量が供給され、該熱量に基づき収容物量に応じて
収容物の温度が上昇する。また、収容物量に対する容器
壁の表面積の割合は、小さい室ほど大きくなる。そのた
め、同一の加熱処理条件下では大きい室より小さい室の
方が収容物の単位量当たりに供給される熱量が大きく、
大きい室に比べて小さい室の収容物の方が短時間で昇温
する。大きさの異なる複数の室に収容物を収容して各室
を同一の加熱条件で加熱処理すると、最大の室が昇温す
る前に小さい収容室は加熱処理温度に到達する。従っ
て、このような複室容器を、最大の収容室の収容物が加
熱処理不足とならない加熱処理条件で加熱処理すると、
小さい室の収容物は大きい室の収容物に比べて長時間加
熱処理されることになり、結果として過剰に加熱処理を
受けてしまうのである。ところが、本発明のように、収
容容器10が収容室4内に配置されていると、収容室4
の収容物の昇温とともに区画室8の収容物が昇温するた
め、区画室8の収容物が収容室4の収容物より早く加熱
処理温度に到達することがなく、その結果、区画室8の
収容物の過剰な加熱処理を確実に防止することができ
る。
【0021】また、この実施形態の複室容器1では、さ
らに、複数の区画室8に性質の異なる複数のビタミン
を、少なくとも一部のビタミンと他のビタミンとが隔離
されるように収容したので、各区画室毎に収容物の収容
条件を変化させることができ、複数のビタミンをそれぞ
れ該ビタミンに最適な条件下で収容しておくことが可能
となる。そのため、製造時及び保存時にビタミンの経時
的な変化を抑えることができる。しかも、収容室3、4
より小さい複数の区画室8にビタミンを収容したので、
輸液の量とは別に任意の液量とすることができ、輸液に
ビタミンを混合するのに比べ、各区画室8内のビタミン
含有液中のビタミンの濃度を高く設定することができ
る。一般的に溶液は溶質濃度が高い程加熱時に分解され
にくいことが知られているが、このようにビタミン濃度
を高くすれば、滅菌等の加熱時にビタミンの分解を抑え
ることができ、区画室8に各ビタミンを収容した状態で
加熱滅菌を行うことが可能となる。さらに、ビタミンの
安定性を確保するためのpH調整剤、脂溶性ビタミンを
可溶化するための可溶化剤、緩衝剤、抗酸化剤などの安
定化剤を添加することがあるが、このような配合剤は患
者にとって不要な成分であることが多く、できるだけ少
なくすることが好ましい。この複室容器1のようにビタ
ミンを区画室8に収容すれば、安定化剤を十分に高い濃
度となるように添加したとしても、区画室8内の液量が
輸液に比べて少ないので、安定化剤の量は少なくてす
み、収容室3、4の輸液にビタミンを配合して安定化剤
を添加する場合に比べ、安定化剤の使用量を大幅に少な
くすることができる。また、容器壁11や壁材19に吸
着されやすい性質のビタミンを収容すると、区画室8が
収容室3、4より小さいので、区画室8の内壁面の面積
が収容室3、4より少なく、収容室3、4に収容する場
合に比べ、ビタミンの吸着量を少なくすることができ
る。さらに、複数の区画室8に、単味製剤における安定
pH域が異なる少なくとも一部の複数のビタミンをそれ
ぞれ隔離して収容しているので、各区画室8内のpHを
それぞれ収容されたビタミンの安定pH域に設定するこ
とができ、各区画室内のビタミンの安定性を確保し易
い。また、少なくとも一部の区画室8に収容されたビタ
ミン含有液のpHを、収容室3、4の輸液のpHと異な
らせているため、輸液のpHが何れかのビタミンの安定
pH域である場合、該ビタミンを輸液と混合した状態で
保存しても安定性を確保することができ、区画室8の数
を少なくすることができる。
【0022】また、この複室容器1では、複数の区画室
8のいずれか1つにビタミンB1を含有するビタミン含
有液を収容すれば、該ビタミン含有液のpHを他の区画
室8及び収容室3、4に収容された液のpHより低く調
製することができ、糖或いは脂肪を含有する輸液に必須
のビタミンB1を確実に安定に保存することができ、長
期間投与時に患者のアシドーシスを抑制できる。また、
輸液に投与されるビタミンではビタミンB1が安定pH
域が最も低いものの1つであるため、輸液に配合してお
く場合に比べて、輸液、特に糖含有液のpHを過剰に低
下させる必要がなくなり、糖含有液に配合されるpH調
整剤の量を少なくすることができる。さらに、複数の区
画室8のいずれか1つに葉酸を含有するビタミン含有液
を収容し、該ビタミン含有液のpHを他の区画室8及び
収容室3、4の液のpHより高く調製すれば、葉酸が他
のビタミン及び輸液に比べて安定pH域が高いため、輸
液に配合して収容する場合に比べて、輸液、特にアミノ
酸含有液該液のpHを不必要に高く設定する必要がなく
好ましい。また、複数の区画室8のいずれか1つにビタ
ミンDを含有するビタミン含有液を収容すると、ビタミ
ンDが合成樹脂製容器の内壁面に吸着されやすいが、収
容室3、4に比べて接触面積が少ない区画室8に収容す
ることにより、保存時の吸着によるビタミンDの減少を
抑制することができる。ビタミンCは還元性が強くて他
の成分との相互作用が起こり易く、さらに、加熱される
と酸化されやすいため、加熱滅菌を受ける場合に抗酸化
剤を共存させるのが好ましいが、複数の区画室8のいず
れか1つにビタミンCを含有するビタミン含有液を収容
すると、区画室8が収容室3、4より小さいので、抗酸
化剤の濃度を十分な酸化防止効果を得られる程度に調製
しても、その使用量は収容室3、4に収容する場合に比
べて格段に少なくすることができる。
【0023】次に、他の実施形態について説明する。図
3は、本発明の他の実施形態の複室容器の正面図であ
る。この複室容器31は、隔壁32により仕切られた複
数の収容室33、34を有する容器本体35と、1つの
区画室38を有する1個或いは複数個の収容容器40と
からなり、収容容器40が収容室34の内壁面に貼り付
けられた状態で収容されている。また容器本体35の隔
壁32には、連通孔42と、該連通孔42を閉塞する破
断可能な閉塞部材44とを有する連通具46が設けら
れ、さらに、容器本体35の頂部には、混注口48が設
けられている。一方、収容容器40には、壁材49の一
部又は全部を薄肉に形成した隔離部53が設けられてい
て、収容容器40を押圧することにより壁材49が破断
されて開放されるように構成されている。その他は図1
の容器と同様の構成であり、このような複室容器31で
あっても、前記複室容器と同様の効果は得られる。
【0024】さらに、この実施形態では、容器本体35
の容器壁36を押圧した際の該容器壁36の変形可能量
が、仕切部としての連通具46の連通前には収容容器4
0の対向する一対の壁材49の両外表面のうち周縁付近
を除く中間部位、例えば区画室40の周縁部49aから
該区画室40の全長又は前幅の1/4以上、好ましくは
1/3以上内側の範囲49bの該壁材49と、該壁材4
9に対向する両容器壁36の内表面面とが当接不能な量
となり、連通具46の連通後には当接可能となる量とな
っている。仕切部がこの実施形態の連通具46のように
容器壁11を押圧しても連通されない構成の場合、前記
実施形態の仕切部13の剥離強度が十分に高い場合、前
記実施形態の仕切部13の剥離を確実に保護している場
合などにおいて、容器本体5の容器壁11の可撓性、収
容物の圧縮性などの影響で容器壁11の変形可能量は変
化しやすい。また、開放可能量も収容容器の壁材の可撓
性や収容物量などにより変化しやすい。そのため、収容
容器の隔離部を通常の方法、例えば前記実施形態では作
業者の手により容器壁を押圧するなどの方法では開放で
きなくても、特殊な方法、例えば意図的に無理に開放さ
せたり、鋭利な押圧具で押圧したり、衝撃を与えるなど
の特殊な方法によれば、仕切部を連通することなく、隔
離部を開放することができる場合がある。本発明はこの
ような容器をも含んでいる。即ち、容器壁本体の変形可
能量が少なくともこのような範囲となれば、実質的に仕
切部を連通させない限り、隔離部を開放することができ
ず、前記実施形態と同様に仕切部と隔離部の開放順序を
特定することができ、隔離部の不測の開放を確実に防止
することができるとみなせるのである。この場合、さら
に好ましくは、容器本体の容器壁の変形可能量が、仕切
部の連通前には収容容器の壁材の対向する壁材の両表面
の面積の1/4以上、より好ましくは1/3以上、さら
に好ましくは1/2以上が容器本体の容器壁の内表面と
当接不能な量で、前記仕切部の連通後には当接可能とな
る量となっているのが好適である。
【0025】なお、本発明は、前記各実施形態に限定さ
れるものではなく、各構成は適宜変更可能であり、例え
ば前記では、収容容器として、区画室の両壁面が収容容
器の壁材からなる例を説明したが、図4に示すように、
一部の壁面が容器本体の容器壁からなるものであっても
よい。また、前記では複室容器1の収容物として輸液成
分及び複数のビタミンを収容した例を説明したが、他の
医療用薬剤を収容することも当然可能であり、例えば複
数の微量元素を複数の区画室8に収容するとともに収容
室3、4に輸液を収容した容器、更に複数の微量の調味
料と多量の調味料や食品などを収容した食品用容器な
ど、複数の微量成分と多量成分とを隔離して収容してお
く他の用途の容器としても使用可能である。さらに収容
室物として一部又は全部が空気等の気体であってもよ
い。また、収容室及び区画室の数は特に限定されず、3
室以上の多数室であってもよい。収容室を3室以上有す
ると仕切部を2本以上設けることがあるが、その場合、
少なくとも1つの仕切部を連通させることにより、容器
壁の変形可能量が開放可能量より大きくなればよいが、
複数の仕切部を連通させることにより変形可能量が開放
可能量より大きくなるものであってもよい。さらに、複
数の区画室を有する場合、使用時に全ての区画室を開放
して収容物を収容空間内の収容物と混合する必要はな
く、使用者が任意の一部の区画室のみを開放させて該区
画室の収容物だけを混合して使用することも可能であ
る。また、収容容器の収容位置は1つの収容室に限定さ
れるものではなく、複数の収容室に複数個の収容容器が
1または複数個収容されていてもよい。また、区画室内
にさらに区画室より小さくて同様の構成を有する収容容
器を収容することも可能である。さらに、容器本体と収
容容器とは、同一の材料を用いて製造することができ、
連続する材料を折り曲げて容器本体と収容容器とを一体
に形成することも可能である。また、前記のようにそれ
ぞれの容器を別々に形成することもできるが、このよう
に別々に形成すると、同一の成分を収容した容器本体を
共通に用いて、異なる収容容器を収容させれば、容易に
異なる複室容器を製造することができ、異なる複室容器
を共通の製造設備で製造しやすい。この場合、区画室に
収容された成分を表示して容器本体を通して視認可能に
構成しておくことも可能である。
【0026】
【発明の効果】以上詳述の通り、この発明によれば、複
数の収容室を有する可撓性複室容器において、収容空間
が連通可能な仕切部により複数の収容室に仕切られた容
器本体と、収容室と液密に区画された区画室並びに容器
本体の容器壁を介して開放操作可能な隔離部を備えて、
収容室内に収容された収容容器とを有し、容器本体の容
器壁の変形可能量が、仕切部の連通前には隔離部の開放
可能量より小さく、かつ仕切部の連通後には開放可能量
より大きくなるので、仕切部と隔離部の開放順序を規制
でき、そのため隔離して収容した収容物が意に反して混
合されることがないとともに混合操作が容易な複室容器
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の複室容器を示す正面図で
ある。
【図2】図1の複室容器の縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態の複室容器を示す正面図
である。
【図4】本発明の更に他の実施形態の複室容器を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 複室容器 3、4 収容室 5 容器本体 8 区画室 10 収容容器 11 容器壁 13 仕切部 17 収容空間 19 壁材 21 区画室 23 隔離部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の収容室を有する可撓性複室容器に
    おいて、 連通可能な仕切部により収容空間が複数の収容室に仕切
    られた容器本体と、 前記収容室と液密に区画された区画室、並びに前記容器
    本体の容器壁を介して開放操作可能な隔離部を備えて、
    前記収容室内に収容された収容容器とを有し、 前記容器本体の容器壁の変形可能量が、前記仕切部の連
    通前には前記隔離部の開放可能量より小さく、かつ前記
    仕切部の連通後には該開放可能量より大きくなることを
    特徴とする複室容器。
  2. 【請求項2】 前記隔離部が、前記容器本体の容器壁を
    介して前記区画室の壁材を押圧することにより剥離でき
    る弱シール部である請求項1記載の複室容器。
  3. 【請求項3】 前記隔離部が、前記容器本体の容器壁を
    介して前記区画室の壁材を押圧することにより破断でき
    る壁材である請求項1記載の複室容器。
  4. 【請求項4】 複数の収容室を有する可撓性複室容器に
    おいて、収容空間が連通可能な仕切部により複数の収容
    室に仕切られた容器本体と、 前記収容室と液密に区画された区画室、並びに前記容器
    本体の容器壁を介して壁材を押圧することにより開放操
    作可能な隔離部を備えて、前記収容室内に収容された収
    容容器とを有し、 前記容器本体の容器壁を押圧した際の該容器壁の変形可
    能量が、前記仕切部の連通前には前記収容容器の対向す
    る一対の壁材の両外壁面の中間部位と該容器本体の容器
    壁の両内表面とが当接不能な量で、前記仕切部の連通後
    に当接可能となる量であることを特徴とする複室容器。
  5. 【請求項5】 前記収容容器の壁材が、前記容器本体の
    容器壁に接合されている請求項2、3または4に記載の
    複室容器。
  6. 【請求項6】 前記仕切部が、前記容器本体の内壁面同
    士を剥離可能に溶着した弱シールからなる請求項2、4
    または5の何れかに記載の複室容器。
  7. 【請求項7】 前記複室容器が収容物を収容した状態で
    加熱処理される容器である請求項1乃至6の何れかに記
    載の複室容器。
  8. 【請求項8】 前記区画室を複数有し、該複数の区画室
    が連通不能な区画部により区画されている請求項2乃至
    7の何れかに記載の複室容器。
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