JP2003204774A - 即席調理食品及びその製造方法。 - Google Patents
即席調理食品及びその製造方法。Info
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Abstract
を防止し、かつ、熱水に溶かしシチューやスープなどに
して食しているときに良好な口当たり、滑らかな食感を
有する即席調理食品を提供すること。 【解決手段】 25℃におけるSFCが70%以上であり、45
℃におけるSFCと25℃におけるSFCとの差が60%以下であ
り、かつ、初期温度を60℃に設定し、40℃の雰囲気下で
20分間放置した後の油脂の固形分が10%以下である植物
性油脂を含むことを特徴とする即席調理食品。
Description
理食品、特にカレー、シチュー、ハヤシ、各種ソース
類、各種スープ類等を調理するための食品に関する。
味料を含む原料を押出造粒などにより造粒した顆粒状食
品などが知られ、熱水に溶かしシチューやスープなどに
して食される。このような即席調理食品、例えば顆粒状
食品は、保管時などにおける顆粒同士の結着を防止する
ために、一般にSFCの高い油脂を使用するのが好ましい
ことが知られている。しかし、SFCの高い油脂を使用し
た顆粒状食品は、熱水に溶かしシチューやスープ等にし
て食しているときに、口当たりが悪く感じられたり、ま
た食感にざらつきが感じられたりすること等があり、特
に、時間の経過などによって少し低温になったようなと
きに、このような傾向が強く感じられることがあった。
における即席調理食品同士の結着を防止し、かつ、熱水
に溶かしシチューやスープなどにして食しているときに
良好な口当たり、滑らかな食感を有する即席調理食品を
提供することを目的とする。また、本発明は、このよう
な即席調理食品を効率的に製造する方法を提供すること
を目的とする。
ある特定の特性を有する油脂を含有する即席調理食品が
上記目的を達成できるとの知見に基づいてなされたもの
である。すなわち、本発明は25℃におけるSFCが70%以
上であり、45℃におけるSFCと25℃におけるSFCとの差が
60%以下であり、かつ、初期温度を60℃に設定し、40℃
の雰囲気下で20分間放置した後の油脂の固形分が10%以
下である植物性油脂を含むことを特徴とする即席調理食
品を提供する。また、本発明は前記油脂及び粉体原料を
含む被造粒物を加熱混合した後、造粒し、その後品温50
から65℃の造粒物を10分以内に25℃以下の品温にまで冷
却することを特徴とする即席調理食品の製造方法を提供
する。
油脂は、特定のSFCの温度変化を有し、かつ、初期温度
を60℃に設定し、40℃の雰囲気下で20分間放置した後の
油脂の固形分が10%以下、好ましくは0〜5%である。前
記油脂のSFCの温度変化は、25℃におけるSFCが70%以
上、好ましくは80〜100%であり、45℃におけるSFCと25
℃におけるSFCとの差が60%以下、好ましくは0〜55%、
より好ましくは20〜53%である。また、50℃におけるSF
Cが好ましくは30%以下であり、より好ましくは0〜20%
である。上記油脂を用いることで本発明の即席調理食品
は、保管時における即席調理食品同士の結着を防止し、
かつ、熱水に溶かして食するときに良好な口当たり、及
び滑らかな食感を提供することができる。より具体的に
は、特に、保管時において一時的に、例えば45℃程度の
高温条件下に曝されたような場合における即席調理食品
同士の結着を有効に防止し、かつ、シチューなどとして
食しているときに、時間の経過によって温度が下がって
も良好な口当り、及び滑らかな食感を提供することがで
きる。
本油化学会制定の基準油脂分析試験法(II)に記載され
るNMR法(暫3-1983 暫定固体脂含量)に準じて測定す
ることができる。具体的には、試料を90℃の恒温槽で加
熱して均一にし、試験管(2ml)に詰めゴム栓をする。
試料管に詰めた試料及び対照試料(局方オリーブ油)を
60±0.2℃に30分間保持した後、それぞれの試料のNMRシ
グナルを読む。次いでこれらの試料を0±2℃に30分間保
持した後、測定温度(T±0.2℃)に30分間保持して、
それぞれのシグナルを読む。T℃におけるSFCは次の式
により計算される。 SFC(%)=100−A/B×C/D×100 式中、Aは60℃における対照試料のNMRシグナルの読み
であり、Bは60℃における測定試料のNMRシグナルの読
みであり、CはT℃における測定試料のNMRシグナルの
読みであり、DはT℃における対照試料のNMRシグナル
の読みである。
囲気下で20分間放置した後の油脂の固形分の測定方法
は、以下のようにして測定する。試料を80℃以上の恒温
槽で加熱して均一にし、試験管(2ml)に入れてゴム栓
をする。試験管に詰めた試料及び対照試料(局方オリー
ブ油)を60±0.1℃に30分間保持した後、それぞれの試
料のNMRシグナルを読む。次いでこれらの試料を測定温
度(40±0.1℃)に20分間保持して、それぞれの試料のN
MRシグナルを読む。固形分は次の式により計算される。 固形分(%)=100−E/F×G/H×100 式中、Eは60℃における対照試料のNMRシグナルの読み
であり、Fは60℃における測定試料のNMRシグナルの読
みであり、Gは40℃における測定試料のNMRシグナルの
読みであり、Hは40℃における対照試料のNMRシグナル
の読みである。
とは、加水し、必要により肉や野菜等の具材を加えて煮
込むなどの加熱をして食するための食品をいう。上記食
品は、例えば、顆粒状、薄片状又は固形状等の形態のも
のが挙げられ、特にカレー、シチュー、ハヤシ、各種ソ
ース類、各種スープ類やこれらの類似品等の食品を調理
するための食品であることが望ましい。尚、本発明は、
顆粒状食品又は薄片状食品の場合に特に有効であり、顆
粒状食品の場合に最も有効である。本発明の即席調理食
品に含まれる油脂は、上記特性を有する食用に供される
油脂であれば特に限定されないが、好ましくは植物性油
脂である。例えば、よう素価が10以下、好ましくはよう
素価が3以下に硬化したローエルシンなたね油、大豆
油、コーン油、ライスオイル、綿実油、サフラワー油、
サンフラワー油等が挙げられ、これらを分別、エステル
交換等したものを単独あるいは2種以上混合して用いて
もよい。また、前記エステル交換はランダムエステル交
換できるものであれば公知の方法によって行ってもよ
く、例えば、ソジウムメチラート等のアルカリ金属触媒
を用いる化学的エステル交換反応や位置特異性を有しな
いリパーゼ等の酵素を用いる生物学的エステル交換反応
等が挙げられる。また、本発明の即席調理食品に含まれ
る油脂の含有量は、特に制限されない。この含有量は、
本発明の即席調理食品に要求される融点や結晶化速度等
の必要機能に応じて決定されるが、具体的には、例えば
5〜25質量%とすることができる。
脂は、初期温度を60℃に設定し、5℃の雰囲気下で5分間
放置した後の油脂の固形分が50%以上であることが好ま
しく、より好ましくは60〜100%である。このように低
温で冷却したときに速やかに固形分が増大する油脂であ
ることにより、粒度分布の狭い顆粒状食品を好適に製造
することができる。前記固形分は上述の方法と同様に測
定できる。また、本発明の即席調理食品に含まれる油脂
は、トランス酸の含有量が5質量%以下であるのが好ま
しく、更に好ましくは0〜3質量%である。トランス酸の
含有量はFID恒温ガスクロマト法等により測定すること
ができる。本発明の即席調理食品は、必要に応じて各種
乳化剤、酸化防止剤、味付け材やフレーバー等を含有し
てもよい。
前記油脂と粉体原料とを含む被造粒物を加熱混合した
後、造粒し、その後品温50〜65℃の造粒物を10分以内に
25℃以下の品温にまで冷却することを特徴とする方法で
あり、これにより粒度分布の狭い顆粒状食品を効率よく
製造することができる。本発明では、まず食品素材や食
品組成物などの粉体原料と油脂を含む被造粒物を加熱し
ながら混合する。油脂の添加量としては、5〜18質量
%、好ましくは7.5〜15質量%とするのがよい。この範
囲の油脂を使用すると、食品を喫食する時にざらつきや
べたつき等のない良好な食感が得られ、又造粒し易くな
るとともに比較的顆粒強度の強いものを得ることができ
る。粉体原料を2種以上用いる場合には、予め粉体混合
した後に油脂と混合するのがよい。また、油脂は予め加
熱して液状にしておく方が、被造粒物と混合する作業上
有益である。上記混合は、被造粒物を構成するすべての
原料と油脂とを一度に混合して行うこともでき、また被
造粒物を構成する特定の原料と油脂とを加熱しながら予
備混合し、次いで残りの原料を加えて加熱混合すること
もできる。
てくるのが、油脂の上昇融点以上の温度で行う。また加
熱調理を必要とするような被造粒物が含まれている場合
は、それに合わせた加熱条件で実施すればよい。全体の
量にもよるが、一般的には、70〜120℃で5〜40分間行う
のがよい。本発明では、次いで、上記加熱混合した被造
粒物を冷却ぜずに得られた時の温度で押出し造粒機にか
けるか、又は50〜65℃、好ましくは60℃程度に冷却した
後、押出し造粒機にかけて押出し造粒するのがよい。こ
こで、例えば、加熱混合により得られた温度70〜120℃
の被造粒物を50〜65℃程度に冷却するのは、2軸エクス
トルーダーや流動層冷却装置などの公知の方法で行うこ
とができる。
ることができるが、生産能力や作業性等の点からダブル
スクリュータイプの押出し造粒機を使用するのが好まし
い。又、造粒機から排出される造粒物の温度が50〜65℃
となるように温度設定して造粒を行うのが好ましい。本
発明では、造粒機から造粒物が排出された後、造粒物を
直ちに急速冷却する。急速冷却の方法としては、炭酸ガ
スや窒素ガス等のガスを吹きつけて急速冷却する方法、
流動層で冷風を吹きつけることにより冷却する方法、固
体二酸化炭素や炭酸ガスなどにより予め冷却してある床
に造粒物を落下させ、この床上を移動させながら冷却す
る方法などが例示される。これによって、造粒物中の油
脂は急速冷却され、その結果、粒度分布の狭い顆粒状食
品を得ることができる。急速冷却の例としては、品温50
〜65℃のものを10分間以内に、好ましくは5分間以内
に、より好ましくは5秒〜5分の間に25℃以下にまで冷却
する。本発明によれば、このようにして、平均粒径0.3
〜3mmの造粒食品が得られる。
精製パーム核油と精製パーム油を配合、硬化し、エステ
ル交換した油脂(よう素価6.4、融点46.9℃)80部を混
合し、油脂組成物を得た。この油脂組成物のSFCの温度
変化を図1に示す。この油脂組成物のSFCは25℃で92
%、50℃では18%であり、かつ45℃では40%となり45℃
と25℃におけるSFCの差は52%であった。更に、この油
脂組成物の初期温度を60℃に設定し、40℃の雰囲気下で
放置したときの固形分の変化を図2に示す。20分間放置
した後の固形分は2%であった。また、この油脂組成物
の初期温度を60℃に設定し、5℃の雰囲気下で冷却した
ときの固形分の変化を図3に示す。5分間放置した後の
固形分は80%であった。なお、当該油脂組成物のトラン
ス酸含量は0.8%であった。ここで、油脂のSFC及固形分
の測定は、プラクシス社製固体油脂分析計SFC-900A(10
mm×75mm試験管:2mlのサンプル)を用いて測定した。
油脂のよう素価は社団法人日本油化学会編「基準油脂分
析試験法」3.3.3.3(よう素価)に則り測定した。融点
は社団法人日本油化学会編「基準油脂分析試験法」2.2.
4.2(上昇融点)に則り測定し、トランス酸含量はA.O.
C.S Official Method Ce 1C-89脂肪酸組成(FID恒温ガ
スクロマト法)に則り、機種はHEWRETT PACKARD社製、
形式6890で測定した。
個別に均質混合して調製した。次いで、加熱撹拌釜内で
原料配合物Aを品温が120℃になるように加熱しながら
混合した後、品温が70℃となるまで冷却した。その後、
ここに原料配合物Bと原料配合物Cを投入して、品温が
90℃になるように30分間加熱混合を行った。この後、品
温を約60℃に冷却した後、押出し造粒機(不二パウダル
(株)製ツインドームグラン;スクリーンの孔の直径1.
0mm)を用いて押出し造粒した。品温が60℃の造粒物
は、造粒機から排出された後、流動層内で10℃の冷風を
吹き付け、1分間で品温を約20℃にまで急速冷却して顆
粒状のクリームシチュールウ(粒径1.0mm)を得た。こ
のクリームシチュールウは、45℃の雰囲気下に17時間放
置した後、25℃の雰囲気下に2時間放置しても、顆粒同
士が結着することなく、良好な顆粒状態を保持してい
た。
6℃)27部と精製パーム核油と精製パーム油を配合、硬
化し、エステル交換した油脂(よう素価2.5、融点46.7
℃)73部を混合し、油脂組成物を得た。この油脂組成物
のSFCは25℃で87%、50℃では25%であり、かつ45℃で
は40%となり45℃と25℃におけるSFCの差は47%であっ
た。更に、この油脂組成物の初期温度を60℃に設定し、
40℃の雰囲気下で20分間放置した後の固形分は30%であ
った。なお、当該油脂組成物のトランス酸含量は0.9%
であった。 (2)顆粒状のルウの製造 上記油脂を用いること以外は、実施例1と同様にして、
顆粒状のクリームシチュールウを得た。
のクリームシチュールウ各190gを、90℃の熱水に溶か
して、クリームシチューを作った。そして、これらを品
温60℃にまで冷却した。パネラー10名が、1分間おき
に、実施例1および比較例2のクリームシチューを食
し、以下の基準によりこれらを評価した。 ○ 滑らかな食感である。 △ ややざらついた食感である。 × ざらついた食感である。 各パネラーが×をつけた時間を平均は、次のとおりであ
った。 実施例1: 28分間 比較例1: 20分間 以上のことから、実施例1のクリームシチューは、比較
例1のクリームシチューと比較して、時間の経過によっ
て温度が下がっても滑らかな食感を保持しているものと
考察される。
合物A、B及びCを加熱混合し、品温を約60℃に冷却
したものを、フレーカー(カツラギ工業(株)製ドラム
ドライヤー;ロール壁面の温度12℃)に送リ、成形し
て、薄片状のクリームシチュールウ(厚み:約2mm)を
得た。この薄片状のクリームシチュールウは、45℃の雰
囲気下に14時間放置後、25℃の雰囲気下に2時間放置し
ても薄片同士の結着は認められなかった。また、このク
リームシチュールウを熱水に溶かして作ったクリームシ
チューは、実施例1と同様に、時間の経過によって温度
が下がっても滑らかな食感を保持していた。
す。
し、40℃の雰囲気下で放置したときの固形分の変化を示
す。
し、5℃の雰囲気下で冷却したときの固形分の変化を示
す。
Claims (6)
- 【請求項1】 25℃におけるSFCが70%以上であり、45
℃におけるSFCと25℃におけるSFCとの差が60%以下であ
り、かつ、初期温度を60℃に設定し、40℃の雰囲気下で
20分間放置した後の油脂の固形分が10%以下である植物
性油脂を含むことを特徴とする即席調理食品。 - 【請求項2】 前記油脂が、初期温度を60℃に設定し、
5℃の雰囲気下で5分間放置した後の油脂の固形分が50%
以上である請求の範囲第1項に記載の即席調理食品。 - 【請求項3】 前記油脂のトランス酸の含有量が5質量
%以下である請求の範囲第1項又は第2項に記載の即席
調理食品。 - 【請求項4】 前記油脂の50℃におけるSFCが30%以下
である請求の範囲第1項から第3項のいずれか1項に記
載の即席調理食品。 - 【請求項5】 顆粒状食品又は薄片状食品である請求の
範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載の即席調理
食品。 - 【請求項6】 請求の範囲第1項から第4項のいずれか
1項に記載の油脂及び粉体原料を含む被造粒物を加熱混
合した後、造粒し、その後品温50から65℃の造粒物を10
分以内に25℃以下の品温にまで冷却することを特徴とす
る即席調理食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002005529A JP3718652B2 (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | 即席調理食品及びその製造方法。 |
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Publication Number | Publication Date |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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