JP2003201643A - 難燃性に優れた染色繊維構造物 - Google Patents

難燃性に優れた染色繊維構造物

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JP2003201643A
JP2003201643A JP2002000376A JP2002000376A JP2003201643A JP 2003201643 A JP2003201643 A JP 2003201643A JP 2002000376 A JP2002000376 A JP 2002000376A JP 2002000376 A JP2002000376 A JP 2002000376A JP 2003201643 A JP2003201643 A JP 2003201643A
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aramid fiber
para
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Saoaya Kuroda
幸乙綾 黒田
Shigenobu Kobayashi
重信 小林
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース系繊維やポリエステル繊維を混合
した場合でも、難燃性、防炎性及び耐薬品性など本来ア
ラミド繊維が有する特性に優れており、しかも着用快適
性や形態安定性、プリーツ保持性にも優れた染色繊維構
造物を提供すること。 【解決手段】 染色されたメタ系アラミド繊維とパラ系
アラミド繊維、並びにセルロース系繊維及び/又はポリ
エステル系繊維から構成されてなる繊維構造物であっ
て、該繊維構造物が少なくとも27.0の限界酸素指数
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性に優れた染
色繊維構造物に関するものであり、さらに詳しくは、染
色されたメタ/パラ系アラミド繊維、並びにセルロース
系繊維及び/又はポリエステル繊維から構成されてな
り、着用快適性及び形態保持特性が兼備されていると共
に少なくとも27.0の限界酸素指数(以下LOI(Li
miting oxygen index)と称することがある)を有する
ことを特徴とする繊維構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド(以下アラミドと略
記)繊維にはコーネックス、ノーメックス(いずれも登
録商標)に代表されるメタ系アラミド繊維と、テクノー
ラ、ケブラー、トワロン(いずれも登録商標)に代表さ
れるパラ系アラミド繊維とがある。
【0003】これらのアラミド繊維は、ナイロン6、ナ
イロン66などの従来から広く使用されている脂肪族ポ
リアミド繊維に比較して、剛直な分子構造と高い結晶性
を有しているので、耐熱性、耐炎性(難燃性)などの熱
的性質、並びに耐薬品性、強力な耐放射線性、電気特性
などの安全性に優れた性質を有している。そのため、近
年では、難燃、防炎性や耐薬品性を必要とする防護服な
どの衣料用やバッグフィルターなどの産業資材用、カー
テンなどのインテリア用として広く使用されている。
【0004】しかしながら、アラミド繊維は分子鎖が剛
直且つ高結晶性であるが故に、後加工での染色が難しい
という欠点を有している。このような欠点を解消しよう
として、従来よりアラミド繊維の染色法について数多く
の提案(例えば、Textile Research Journal Vol.56,P25
4〜261,1998、特公昭44−11168号公報、特公昭
52−43930号公報など)がなされているが、いず
れも満足な結果は得られていない。即ち、上記の方法
は、何れも溶媒染色、キャリヤー染色、或いは極性溶媒
による前処理後の染色などであり、加工工程が複雑であ
ったり、作業環境が悪化したり、また近年のエコロジー
思想に相反したり、更には該方法を採用した場合、繊維
オリゴマーが析出するという問題を有していた。
【0005】一方、特開平8−81827号公報には、
メタフェンレンジアミンとイソフタル酸クロライドを低
温溶液重合或いは、界面重合して得たポリメタフェニレ
ンイソフタルアミドを主成分とするメタ−メタ結合のア
ラミドにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を含有
させたポリマーからなる易染性メタ系アラミド繊維が開
示されている。
【0006】そして、該易染性メタ系アラミド繊維は、
確かにノンキャリヤー染色が可能であるものの、染色
(130℃の温度で行われる)工程において、上記易染
化剤や難燃剤を含んでいる場合はその難燃剤が染色液中
に溶出するため、難燃、防炎性が低下し、難燃素材とし
て要求されるLOI26.5をクリアできなくなる上、
色相の再現性も著しく低下するという問題があった。
【0007】特に、消防士、飛行士、レースドライバ
ー、電力会社、化学会社の作業服として使用する際、例
えば着用快適性を向上させるためにセルロース系繊維を
混合したり、形態安定性、プリーツ保持性を向上させる
ためにポリエステル繊維を混合した場合、上記の問題が
更に顕著に発現するという問題を有していた。
【0008】また、メタ系アラミド繊維と同様、パラ系
アラミド繊維も染色することが非常に難しく、メタ系ア
ラミド繊維とパラ系アラミド繊維とを混用した繊維構造
物を染色すると、パラ系アラミド繊維が充分に染色され
ないためにイラツキが目立ち、品位よく仕上げることが
難しいという問題を有していた。このような場合、パラ
系アラミド繊維を原料着色する方法もあるが、原料着色
は生産性が悪く、小ロット化が困難である上、製造に時
間がかかるのでコスト高になるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、例えばセルロース系
繊維やポリエステル繊維を混合した場合でも、難燃性、
防炎性及び耐薬品性など本来アラミド繊維が有する特性
に優れており、しかも着用快適性や形態安定性、プリー
ツ保持性にも優れた染色繊維構造物を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、ノンキャリヤー染色
が可能なメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維、並
びにセルロース系繊維及び/又はポリエステル系繊維と
を混用するとき、所望の繊維構造物が得られることを究
明し、本発明に到達した。
【0011】かくして本発明によれば、染色されたメタ
系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維、並びにセルロー
ス系繊維及び/又はポリエステル系繊維から構成されて
なる繊維構造物であって、該繊維構造物が少なくとも2
7.0の限界酸素指数を有することを特徴とする難燃性
に優れた染色繊維構造物が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用するアラミド繊維、
特にメタ系アラミド繊維とは、主骨格を構成する芳香環
がアミド結合によりメタ型に結合されてなるものであ
り、ポリマーの全繰返し単位の85モル%以上がメタフ
ェニレンイソフタルアミド単位であるものを対象とし、
特にポリメタフェニレンイソフタルアミドホモポリマー
が好ましい。全繰返し単位の15モル%以下、好ましく
は5モル%以下で共重合し得る第3成分としては、ジア
ミン成分として、例えばパラフェニレンジアミン、3,4'
-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニ
ルエーテル、パラキシリレンジアミン、ビフェニレンジ
アミン、3,3'-ジクロルベンジジン、3,3'-ジメチルベン
ジジン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミ
ノジフェニルメタン、1,5-ナフタレンジアミン等の芳香
族ジアミンが、また酸成分として、例えばテレフタル
酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジ
カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。ま
た、これらの芳香族ジアミン及び芳香族ジカルボン酸
は、その芳香族環の水素原子の一部がハロゲン原子やメ
チル基等のアルキル基によって置換されていてもよい。
【0013】尚、ポリマーの全末端の20%以上が、ア
ニリン等の一価のジアミンもしくは一価のカルボン酸成
分で封鎖されている場合には、特に高温下に長時間保持
しても繊維の強力低下が小さくなるので好ましい。
【0014】このようなメタ系芳香族ポリアミドは、芳
香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとを、例
えば従来公知の界面重合させる方法により製造すること
ができる。ポリマーの重合度としては、N−メチル−2
−ピロリドンを溶媒として0℃で測定した固有粘度(I
V)が0.8〜3.0、特に1.0〜2.0の範囲にあ
るものが好ましい。
【0015】上記のメタ系芳香族ポリアミドには、染色
性を向上させ、カチオン染料で容易に染色できるように
するため、アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩など
を含有させることが好ましい。含有させるアルキルベン
ゼンスルホン酸オニウム塩は、そのアルキル基が直鎖で
も分枝を有していても良いが、その炭素数は6〜18、
特に8〜16の範囲が適当である。一方、オニウム塩と
しては第4級アンモニウム塩、特に第4級ホスホニウム
塩又は第4級アンモニウム塩が、良好な染色性が得られ
る点で好ましい。なかでもテトラブチルホスホニウム塩
又はベンジルトリメチルアンモニウム塩が、入手性及び
熱安定性が良好なので好ましい。
【0016】好ましく用いられるオニウム塩の具体例と
しては、例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリ
ブチルベンジルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスル
ホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸トリブチルテトラデシルホスホニウム塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルア
ンモニウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルアンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ジメチ
ルジベンジルアンモニウム塩等を挙げることが出来る。
なかでも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩及びドデシルベンゼンスルホン酸トリブチ
ルベンジルアンモニウム塩は、優れた染色性が得られる
上に染色物の堅牢性が良好であり、しかもN−メチル−
2−ピロリドンに対する溶解度も高いので特に好まし
い。
【0017】かかるアルキルベンゼンスルホン酸オニウ
ム塩のメタ系芳香族ポリアミド繊維中の含有量は、染色
による染着度をどの程度するかによって変わるが、濃色
に染色できるようにするためには、メタ系芳香族ポリア
ミド繊維の繰返し単位に対して(全繰返し単位を基準と
して)2.5モル%以上、好ましくは2.5〜10.0
モル%、特に好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲と
するのが適当である。
【0018】尚、前記メタ系芳香族ポリアミド繊維に
は、機能特性を保持するために難燃剤や紫外線吸収剤が
含まれていても良く、特にアルキルベンゼンスルホン酸
オニウム塩を含有する場合は、オニウム塩の含有によっ
て難燃性や耐光性が劣る傾向があるので、難燃剤や紫外
線吸収剤を含有させることはむしろ好ましいことであ
る。この際使用される難燃剤の好ましい具体例としては
下記式で示される芳香族縮合型ノンハロゲン化リン酸エ
ステル系難燃剤が、染色加工後の繊維における洗濯耐久
難燃性を付与すると共に、例え燃焼しても有毒ガスの発
生を少なくすることが出来るので、好ましく例示するこ
とができる。
【0019】
【化1】
【0020】また紫外線吸収剤としては下記式に示す紫
外線吸収剤を好ましく例示することができる。
【0021】
【化2】
【0022】本発明で使用するパラ系アラミド繊維とは
ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)から
なり、物理処理などにより染色可能なパラ系アラミド繊
維であることが好ましい。ここで、PPTAとは、テレ
フタル酸とパラフェニレンジアミンを重縮合して得られ
る重合体であり、少量のジカルボン酸およびジアミンを
共重合したものも使用でき、重合体または共重合体の分
子量は通常20,000〜25,000が好ましい。
【0023】PPTA繊維は、PPTAを濃硫酸に溶解
し、その粘調な溶液を紡糸口金から押し出し、空気中ま
たは水中に紡出することによりフィラメント上にした
後、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、最終的には12
0〜500℃で乾燥・熱処理をして得られる。乾燥・熱
処理前のPPTA繊維は結晶サイズ(110面)が50オ
ングストローム未満であり、乾燥・熱処理後では50オ
ングストローム以上となる一般的なPPTA繊維でよ
い。
【0024】物理処理などにより染色可能なパラ系アラ
ミド繊維とは、例えば物理手段の付与により、座屈部
(キンクバンド)が形成されているパラ系アラミド繊維
などを言い、該座屈部(キンクバンド)がノンキャリヤ
ーで染色されるため、染色が可能となる。
【0025】この物理的手段とは、押し込み式捲縮など
の捲縮付与手段の他、強打(叩く)、表面摩擦(しご
く)、撚糸及び仮撚など、該物理的手段により座屈部
(キンクバンド)が形成(付与)されるものであればい
かなる物理的手段も含まれる。
【0026】また、上記パラ系アラミド繊維には、本発
明の目的を損なわない範囲内で安定剤、酸化防止剤、難
燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、触媒、着色剤、無機微
粒子などを添加したものでもよい。
【0027】本発明の繊維構造物は、上記メタ系アラミ
ド繊維とパラ系アラミド繊維に加えて、セルロース系繊
維及び/又はポリエステル系繊維から構成されているこ
とが肝要である。この構成を採ることにより、着用快適
性、形態安定性、プリーツ保持性が付与される上、繊維
構造物として均一染色化が図れ、染色品位が向上する。
【0028】この際、メタ系アラミド繊維とパラ系アラ
ミド繊維、並びにセルロース系繊維及び/又はポリエス
テル系繊維は例えば混繊や混紡により均一に混合されて
いることが好ましく、中でもより均一性の高い混紡が好
ましい。
【0029】また、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミ
ド繊維、並びにセルロース系繊維及び/又はポリエステ
ル系繊維の混合比率には特に制限はないが、パラ系アラ
ミド繊維が、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維
との合計重量に対し、5重量%以上含有されていること
が好ましい。
【0030】尚、上記の繊維混合物とは、紡績糸条、長
繊維糸条、ロープ、織編物或いは不織布などを言う。
【0031】上記繊維構造物は染色されている必要があ
る。染色方法には特に制限はなく、例えば、メタ系アラ
ミド繊維とパラ系アラミド繊維、並びにセルロース系繊
維及び/又はポリエステル系繊維を混紡した糸条を用い
て繊維構造物を形成させた後、従来公知の方法で染色し
ても良く、予め繊維又は混紡糸条を糸染めした後、繊維
構造物としても良い。
【0032】染色に使用する染料としては、カチオン染
料、分散染料、また更にはカチオン/分散混合染料の何
れも用いることが出来るが、緻密な構造に浸透しやす
く、また染色後の堅牢性や色相安定性がよいカチオン染
料が好ましく、ポリエステルを混合した繊維構造物の場
合は、カチオン/分散の混合染料が望ましい。またセル
ロースを混合した繊維構造物の場合は、適性染料が異な
るため2段染色等を行なってもよいが、セルロース繊維
を予め糸染めした後、混紡して糸条を形成させ、該糸条
を用いて繊維構造物を形成させることが好ましい。
【0033】ここで、カチオン染料とは水に可溶性で、
塩基性を示す基を有する水溶性染料をいい、アクリル繊
維、天然繊維或いはカチオン可染型ポリエステル繊維等
の染色に多く用いられており、ジ及びトリアクリルメタ
ン系、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジン)
系、キサンテン系、メチン系(ポリメチン、アザメチ
ン)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、トリアゾールア
ゾ、ベンゾチアゾールアゾ)、アントラキノン系などが
ある。また、最近では塩基性基を封鎖することにより水
分散型にしたカチオン染料もあり、これを使用すること
も出来る。
【0034】染色温度は、115℃以上150℃以下が
好ましく120℃以上がより好ましい。染色温度が11
5℃以下であると、染色性が不充分になる場合がある。
また染色温度は高いほど染着性高まるものの、反面、染
料の分解やアラミド繊維と他の素材を複合している場合
には複合素材の劣化の問題も発生し始めるので、必ずし
も高温にすればするほど良いわけではなく高くても14
0℃であることが好ましい。
【0035】かくして得られた繊維構造物のLOIは少
なくとも27.0である必要がある。LOIが27.0
未満の場合は、耐熱性、耐炎性(難燃性)などの熱的性
質が劣り、耐炎性(難燃性)や耐薬品性を必要とする防
護服などの衣料用やバッグフィルターなどの産業資材
用、カーテンなどのインテリア用途に使用できない場合
がある。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例中の物性の評価は下記の方法に従っ
て行った。
【0037】(1)染色性 マクベス カラーアイ(Macbeth COLOR-EYE)モデルCE
−3100を用いて測定を行い、見掛けの色の濃さK/
S及び明度指数L*で表現した。明度指数L*は、JI
S Z 8701(2度視野XYZ系による色の表示方
法)又はJISZ 8728(10度視野XYZ系によ
る色の表示方法)に規定する三刺激値のYを用いて、次
式より求められるものである。
【0038】
【数1】
【0039】また、K/Sは染色された試料の最大吸収
波長における反射率(R)から下記に示すクーベルカム
ンク(Kubelka-Munk)の式により求められるものであ
る。
【0040】
【数2】
【0041】さらに、目視による染色性(均染性)の判
定は、以下の基準で評価した。 ○:繊維構造物が著しく均染化されている。 △:繊維構造物が均染化されている。 ×:繊維構造物が均染化されていない(イラツキが認め
られる)。
【0042】(2)LOI 難燃性(防炎性)の指標である限界酸素指数(LOI)
は、JIS L K7201に準じて測定した。
【0043】(3)形態保持性 形態保持性としてプリーツ性を目視観察した。プリーツ
性とは、織物のタテ方向に長さ25cmの試料を切り取
り、長さ方向に5cm間隔で印をつけ(4ケ所)た後、
中央部の15cmを折り込み、5cmの長さで試料が3
重になるように折る。次いで、通常のプレス機でプレス
(150℃、0.6kg/cm2、10秒間)した後冷
却し、プリーツの形成状態を目視判定した。 5級:極めてシャープなプリーツが形成されている。 4級:シャープなプリーツが形成されている。 3級:プリーツがある。 2級:プリーツが少しある。 1級:プリーツがほとんどない。
【0044】(4)防皺性 洗濯における皺の発生は、JIS L1096A法に従
って判定した。また、防皺率はJIS L1059B法
(湿潤)に従って判定した。
【0045】[実施例1]固有粘度(IV)が1.35
dl/gのポリ−m−フェニレンイソフタルアミド30
gをN−メチル−2−ピロリドン110gに溶解し、さ
らに3.6gのドデシルベンゼンスルフォン酸トリブチ
ルベンジルアンモニウム塩を混合溶解し、減圧脱法して
紡糸ドープとした。
【0046】このドープを85℃に加温し、口径0.0
7ミリ、孔数200の紡糸口金から凝固浴に湿式紡糸し
た。凝固浴の組成は、塩化カルシウムが40重量%、N
MPが5重量%、残りの水は55重量%であり、該凝固
浴の温度は85℃であった。
【0047】この糸条を凝固浴中に約10cm走行させ
6.2m/分の速度で引き出した後、該糸条を水洗し、
95℃の温水で3.3倍に延伸して120℃のロールで
乾燥した後、300℃の熱板上で1.0倍延伸して44
4dtex/200フィラメントの延伸糸を得た。
【0048】得られた延伸糸を100本集束してトウと
し、捲縮を付与した後カットした。得られた短繊維の単
繊維繊度、カット長、強度、伸度、300℃の収縮率、
湿熱135℃の収縮率はそれぞれ1.9dtex、51
mm、4.7g/dtex、43.6%、8.4%、
5.2%であった。
【0049】該短繊維と、捲縮の付与により座屈部(キ
ンクバンド部)が形成されたPPTA短繊維(商品名
「トワロン」)、及び単糸繊度2.2dtex、繊維長
51mm、捲縮数12ケ/2.5cmの難燃ポリエチレ
ンテレフタレート短繊維(SD)とを75:5:20の
重量比率で均一混合して40番手(綿番手)の混紡糸を
得た。
【0050】該混紡糸を合撚した後製織し、(40/2
×40/2)/(55本/in×54本/in)の平織
物を得た。次いで、該織物をスコアロール400(花王
製)で1g/l、80℃で20分間精錬した。水洗・乾
燥後、190℃で1分間プレ・セットした。次いで、下
記染浴で常温から2℃/分の速度で昇温し、135℃で
60分間染色処理した。 ・染料C.I.Basic Blue 54(Kayacryl Blue GSL-ED) 4 %owf ・染料C.I.Disperse Blue 56(Kayalon Polyester Blue EBL-E) 1 %owf ・硝酸Na 25 g/l ・酢酸 0.5 cc/l 浴比1:30 さらに、染色された織物を下記洗浄浴で80℃×20分
間還元洗浄した。 ・NaOH 1g/l ・ハイドロサルファイト 1g/l ・アミラジンD 1g/l (非イオン活性剤 第一工業製薬製) 還元洗浄後、十分水洗して乾燥、ファイナル・セット
(180℃×1分間)した。得られた織物の物性を表1
に示す。
【0051】[実施例2〜5]実施例1において、メタ
系アラミド短繊維とPPTA短繊維、及び難燃ポリエチ
レンテレフタレート短繊維との混合割合を表1に示す如
く変更した以外は実施例1と同様に実施した。得られた
織物の物性を表1に示す。
【0052】[実施例6]実施例1において、難燃ポリ
エチレンテレフタレート短繊維に代えて、綿繊維を使用
した以外は実施例1と同様に実施した。得られた織物の
物性を表1に示す。
【0053】[比較例1]実施例1において、パラ系ア
ラミド繊維として、座屈部(キンクバンド部)を有さな
いコポリパラフェニレン・3,4'−オキシジフェニレン
・テレフタルアミドからなる短繊維(商品名「テクノー
ラ」)を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
得られた織物の物性を表1に示す。得られた織物におい
ては、上記パラ系アラミド繊維が染色されておらず、染
色品位の劣るものであった。
【0054】[比較例2]実施例1において、難燃ポリ
エチレンテレフタレートを混合しなかった以外は、実施
例1と同様に実施した。得られた織物の物性を表1に示
す。得られた織物は、形態安定性、防皺性の劣るもので
あった。
【0055】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/00 D03D 15/00 E D06P 3/82 D06P 3/82 D H Fターム(参考) 4H057 AA01 BA03 BA08 DA01 DA17 DA20 DA24 DA31 DA33 4L035 BB06 BB89 BB91 DD19 DD20 EE14 FF01 MG02 MG04 4L036 MA04 MA05 MA06 MA24 MA35 MA39 RA04 UA16 4L048 AA07 AA20 AA25 AA46 AA53 AA56 AB05 AB21 AC01 AC07 AC14 CA06 DA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染色されたメタ系アラミド繊維とパラ系
    アラミド繊維、並びにセルロース系繊維及び/又はポリ
    エステル系繊維から構成されてなる繊維構造物であっ
    て、該繊維構造物が少なくとも27.0の限界酸素指数
    を有することを特徴とする難燃性に優れた染色繊維構造
    物。
  2. 【請求項2】 メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊
    維、並びにセルロース系繊維及び/又はポリエステル系
    繊維が均一に混合されている請求項1記載の難燃性に優
    れた染色繊維構造物。
  3. 【請求項3】 パラ系アラミド繊維が、メタ系アラミド
    繊維とパラ系アラミド繊維との合計重量に対し、5重量
    %以上含有されている請求項1又は2記載の難燃性に優
    れた染色繊維構造物。
  4. 【請求項4】 メタ系アラミド繊維が、繰り返し単位の
    85モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位
    であり、アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を含む
    ポリマーから構成されるメタ系アラミド繊維である請求
    項1、2又は3記載の難燃性に優れた染色繊維構造物。
  5. 【請求項5】 アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩
    が、アルキルベンゼンスルホン酸第4級オニウム塩であ
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性に優れた
    染色繊維構造物。
  6. 【請求項6】 アルキルベンゼンスルホン酸第4級オニ
    ウム塩が、テトラブチルホスホニウム塩又はトリブチル
    ベンジルアンモニウム塩である請求項5記載の難燃性に
    優れた染色繊維構造物。
  7. 【請求項7】 パラ系アラミド繊維が、座屈部(キンク
    バンド)を有するパラ系アラミド繊維である請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の難燃性に優れた染色繊維構造
    物。
  8. 【請求項8】 座屈部(キンクバンド)が物理的手段に
    より形成された座屈部(キンクバンド)である請求項7
    記載の難燃性に優れた染色繊維構造物。
  9. 【請求項9】 物理手段が押込み式捲縮付与手段である
    請求項7記載の難燃性に優れた染色繊維構造物。
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